JP2630449B2 - 原稿搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、複写機等の画像記録装置に装着された原
稿台（プラテンガラス）上に原稿を自動給送し、処理後
の原稿を該原稿台上から排出させる原稿搬送装置の改良
に関し、特に、該原稿搬送装置の開閉機構に関するもの
である。

〔発明の背景〕

一般にこの種の原稿搬送装置では、原稿台の側部に配
設された原稿収納部（給紙トレイ）と、該給紙トレイか
ら原稿を１枚毎前記原稿台に向けて給送する原稿給送手
段と、前記原稿台上に配設され、前記原稿給送手段から
給送される原稿を搬送し、前記原稿台面上の露光位置に
定置させ所定枚数の露光が終了したとき原稿を前記原稿
台上から排出する原稿搬送手段と、露光の終了した原稿
を回収して排紙トレイ上に載置させる排紙手段とから構
成される。

上記原稿搬送装置は、複写機上面の原稿台（プラテン
ガラス）に対して開閉自在な構造をなし、立体原稿、ブ
ック原稿、特殊サイズ原稿、特殊な原稿操作や、ジャム
原稿の除去や、プラテンガラス等の清掃を可能にしてい
る。

また、原稿搬送装置の開閉方向には、原稿搬送方向と
同一方向に開閉する横開き型と、原稿搬送方向と直交す
る方向に開閉する前開き型とが一般に使用されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

このような原稿搬送装置を起立・解放させるときに
は、約90℃近くほぼ直立状態になるまで開放可能とした
ものがあるが、この直立状態近くの急傾斜になると、該
原稿搬送装置の給紙トレイまたは排紙トレイ上に載置さ
れた原稿が滑り落ち、床面等に落下散乱してしまうので
開閉操作に注意を要する。

このようなトラブルを防止するため、開放角度約60℃
以上は開かないようになっている原稿搬送装置がある。

しかしながら、原稿搬送装置を複写機本体に取り付け
て位置調整するときや、プラテンガラスの一側面に原稿
位置決め用のスケール板（突当て板）を取り付けあるい
は調整してねじ止めするときには、上記の原稿搬送装置
では、約60℃の傾斜で停止しているため、工具や手が干
渉して、作業の妨害となる。このため、作業に手間どっ
たり、組立・調整の締付が不完全であったり、あるいは
特殊な工具類を必要としていた。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、上記の諸点に鑑み、問題点を解消するた
めになされたものであって、原稿搬送装置を開いて複写
操作をするときには、所定傾斜角度で停止して原稿の滑
落を防止し操作性を高めるとともに、原稿搬送装置の調
整を迅速・容易かつ確実・安全に遂行し得る原稿搬送装
置を提供することを目的とするものである。

上記目的は、給紙トレイ、原稿搬送機構および排紙ト
レイ等を備え、給紙トレイ上に載置した原稿を１枚毎画
像記録装置の原稿台上に給送し、該原稿台上に移送さ
れ、露光処理された原稿を排紙トレイ上に排出させる原
稿搬送装置において、前記原稿搬送装置の一辺を揺動軸
を有する２個のヒンジ部材を介して前記原稿台の側面端
縁に開閉自在に取付け、前記ヒンジ部材の後面にストッ
パ部材を摺動自在に取付け、このヒンジ部材の後面と原
稿搬送装置の縁内面とを衝接させて原稿搬送装置全体を
原稿台に対しほぼ直角状態の開き角度に開成可能にする
とともに前記ストッパ部材をヒンジ部材の後面に沿って
側方に摺動させて突出し、前記ストッパ部材の突出した
上端面が原稿搬送装置の端面を支持してこの開き角度を
規制して、その原稿搬送装置の揺動過程の開き途中で停
止させ、この原稿搬送装置を原稿台に対して傾斜状態に
起立保持可能にしたことを特徴とする原稿搬送装置によ
って達成される。

〔実施例〕

以下、この発明を添付図面に示す一実施例によって説
明する。

第７図はこの発明に係るシート状原稿の搬送状態を示
す原稿搬送装置の断面図である。図において、１は複写
機本体、２は、プラテンガラス（原稿載置台ガラス、以
後原稿台と称す）、３は原稿先端ストッパ板（以下原稿
ストッパと称す）あり、原稿搬送装置10は上記原稿台２
の上方に搭載される。該原稿搬送装置10は、複写機本体
１の上部のヒンジ部に装着され揺動可能な構造をなし、
原稿台２の上面を開閉自在にしている。上記原稿搬送装
置10は、給紙部（原稿給送手段）20、搬送部（原稿搬送
手段）30、排紙部（排給手段）50の主要３部から構成さ
れている。

上記原稿搬送装置10の正面右方には、着脱可能な給紙
トレイ21が設けられていて、この上面の所定位置に１枚
または複数枚の原稿Ｄを載置する。複写機本体１のコピ
ー釦（図示せず）の操作によって作動する給紙用ソレノ
イドとリンク（何れも図示せず）の回動により、可動給
紙皿22は軸22Aを中心にして上方に揺動し、同時に回動
を始めた第１給紙部の送り出しローラ23を圧接する。

これにより可動給紙皿22上の原稿Ｄの先端は送り出し
ローラ23と可動給紙皿22に圧接されて送り出され、更に
駆動ローラ24Aと従動ローラ24Bと給送ベルト（分離ベル
ト）25と捌きローラ（重送防止ローラ）26との共働によ
って、最上位にある原稿１枚だけが送り出される。

送り出された１枚の原稿Ｄは、一対の第２給紙ローラ
27によってガイド板28に沿って搬送される。

次いでこの１枚の原稿は搬送部30の回動する搬送ベル
ト31および複写機１の上面の原稿台２の間に挟圧されて
搬送され、原稿ストッパ３に前記原稿Ｄの先端が突き当
る位置で停止する。

原稿Ｄは、この停止位置において複写機本体１内の露
光ランプによって露光され、光学系の走査によって原稿
画像が記録紙上に形成される。そして一原稿に対し複写
枚コピーする場合には、原稿はそのままの停止位置で、
複写機は引続き露光・画像形成の動作を繰返す。

同一原稿に対して一連のコピー動作が終了したとき、
前記原稿ストッパ３の突当部が退避して原稿Ｄの先端を
解放し、再び回動を始めた搬送ベルト31および排紙駆動
ローラ51、排紙従動ローラ52A,52B、および排紙ガイド
板53A,53Bによって原稿Ｄは搬送され、排紙トレイ54上
に排出される。

この排紙動作と同時に、前記給紙トレイ21上に積層状
に載置された原稿のうち次の最上位にある２枚目の原稿
が上記説明した原稿Ｄの場合と同様に、前記原稿台２上
に送り出され露光・排紙が反復して行なわれる。

上記原稿搬送装置10の後方下面と、複写機本体１の後
方上面とはヒンジユニット（ヒンジ部材）12（第２図参
照）によって接続し、原稿搬送装置10は該ヒンジ部材12
の揺動軸を中心にして揺動自在になっている。

第２図は前記原稿搬送装置10を複写機本体１の原稿台
２面から離間・開放した傾斜状態を示す斜視図である。

ブック等の立体原稿を複写するときや、他の原稿操作
時や、原稿台２、搬送ベルト31を清掃するとき、あるい
は複写機本体１の原稿ストッパ３の位置調整、本体内部
光学系の点検・調整・修理作業を行う場合には、原稿搬
送装置10の外装部材11の把手部11Aを持って上方に持ち
上げれば、原稿搬送装置10は、ヒンジ部材12の揺動軸を
中心にして回動し、第２図示のような傾斜起立状態とな
る。

この発明に係る原稿搬送装置10は、上記説明で示すよ
うに、大別して、給紙トレイ21、給紙部22〜28、搬送部
31〜37、排紙部51〜53、排紙トレイ54から構成され、こ
のうち給紙部、搬送部、排紙部は、駆動制御部材、本体
骨格部材とともに外装部材（ハウジング本体）11に収容
されている。

第１図（Ａ）は、本発明による原稿搬送装置を傾斜開
放した使用状態のヒンジを示す側面図、第１図（Ｂ）は
該ヒンジ部の背面図である。

これらの図において、原稿搬送装置10の外装部材11ま
たは本体骨格部材の後方両側面内面には、前記２個のヒ
ンジ部材12がねじ固定されている。該ヒンジ部材12の基
板121は、複写機本体１上方の筺体４の上面で後方付近
にねじ等により固定され一体となっている。

上部ヒンジ部材12は、基板121と、該基板121上に一体
に固定された固定枠体122と、該固定枠体と一体をなす
カム123と、固定枠体122に機装された揺動軸124と、該
揺動軸124に嵌合し傾動可能な揺動枠体125と、該揺動枠
体125の内面に沿って摺動し前記カム123に圧接するカム
フォロワ126と、該カムフォロワ126を圧接するコイルば
ね（図示せず）とにより構成され、揺動枠体125は直立
方向にばね付勢されている。

前記固定枠体122の背面には、左側の突片部122Aと右
側の突片部122Bが、それぞれ左右に折り曲げ突出してい
る。また、固定枠体122の背部の中央寄りにはねじ穴が
設けられ、ねじ部材13が螺合している。

上部ねじ部材13の長溝部13aは、ストッパ部材14を移
動可能に支持している。該ストッパ部材14は、上記ねじ
部材13と長溝部13aとの摺動によって、左右移動と回転
が可能である。第１図（Ｂ）は、ストッパ部材14を右方
へ移動させてその右先端を上記固定枠体122の右側の突
片部122Bと、揺動枠体125の底部下縁125aとの間に挟持
させ、ねじ部材13によってねじ固定させた状態を示す。
このストッパ部材14の介在によって、揺動枠体125は、
ばね付勢力に抗して第１図（Ａ）に示す傾斜角度に保持
させる。

第６図は原稿搬送装置の開放過程を示す側面図であ
る。

ブック等の立体原稿を複写するときや、他の原稿操作
や、点検、清掃等で原稿台２を開放する場合には、原稿
搬送装置10の外装部材11の把手部11Aを持って上方に持
ち上げれば、原稿搬送装置10は、ヒンジ部材12の揺動軸
124を中心にして回動し、第５図示のような全閉→半開
（約70℃）状態に移行する。

第２図および第３図は、上記原稿搬送装置10が複写機
本体１の原稿台２の面から約70゜揺動された半開放状態
を示す斜視図である。この状態では、揺動枠体125の底
部は、突片部122Bに支持されねじ固定されたストッパ部
材14の上面に圧接して停止し、ヒンジ部材12の揺動枠体
125と一体をなす外装部材11および原稿搬送装置10は、
その自重に抗して停止され半開状態を維持する。

この半開停止状態に保持された原稿搬送装置10の下で
原稿台２の面上に原稿を載置し、露光走査して複写動作
を行う。あるいは原稿交換等の操作を行う。

この半開停止状態の原稿搬送装置は、ヒンジ部材12が
複写機本体１の後方側にあり、手前側より開く形式であ
っても、操作者はあまり奥の方まで把手部11Aを届かせ
る必要がなく開閉角度も少ないので、開閉操作は容易で
ある。特に背の低いオペレータにとっても操作性はよ
い。また、原稿搬送装置が直立に近い大きい角度で開く
ことはないので、給紙トレイ21や排紙トレイ54上に載置
されている原稿が落下することはない。

次に、複写機本体１や原稿搬送装置10を修理・点検す
るときには、原稿搬送装置10を直立状態の最大開き角度
に保持して実施すると都合よい。第５図は原稿搬送装置
10を直立させた状態の斜視図である。第４図（Ａ）はこ
の直立状態の原稿搬送装置10のヒンジ部を示す側面図、
第４図（Ｂ）は該ヒンジ部の背面図である。

この直立状態にするには、まず、上記半開状態の原稿
搬送装置10の背面のヒンジ部材12のねじ部材14を弛め、
次に外装部材11の上面側を押し下げ、更に前記ストッパ
部材14を左方に摺動させて突片部122Bとの係合を外し、
しかるのち外装部材11の把手部11Aを持って押し上げ揺
動上昇させれば、原稿搬送装置10はばね付勢力によって
全開直立状態となる。この直立状態では、ヒンジ部材12
の揺動枠体125の底部下縁125aは、左方の突片部122Aの
上面に圧接して停止する。この停止状態においては、原
稿搬送装置10は全開して直立状態となる。また、この停
止状態では、ヒンジ部材12に内蔵するコイルばねの付勢
力によって原稿搬送装置10は、その自重、または外力や
振動等によって原稿台２側に容易に倒れることはない。
また、この時ヒンジ部材12の揺動枠体125の底部下縁125
aが固定枠体122の突片部122Aに圧接して、原稿搬送装置
10が直立状態かから更にオーバーターンすることを防止
している。

上記原稿搬送装置10の直立状態において、複写機本体
１における作業を行う。即ち、前記原稿ストッパ３の組
立・調整、原稿第２の清掃・交換、複写機本体１内の露
光光学系の調整・修理等は、上記原稿搬送装置10の全開
状態において容易に実行することができる。また、原稿
搬送装置10の白色搬送ベルト31の清掃・修理も、この直
立状態において容易に遂行できる。

〔発明の効果〕

上記のように、この発明の原稿搬送装置は、複数枚の
シート状原稿を自動給送するときには、、原稿搬送装置
を全開状態として使用し、また、原稿台上で原稿操作す
るときには原稿搬送装置を半開状態に停止して使用す
る。

更に原稿搬送装置を全開状態にまで開放して停止可能
にしたものであるから、複写機本体上部や原稿搬送装置
の調整・修理・清掃等の作業性は著しく向上し、確実安
全に遂行することが可能となった。また、これら作業の
特殊な工具を必要とせず、容易にできるから、簡単な作
業は随時誰でも直接実行できる。しかもヒンジ部に過大
な負荷が掛らず、原稿搬送装置の開閉操作も軽負荷で容
易・確実に行うことができる。また、原稿搬送装置の開
閉動作を可能にするヒンジ部の構造は簡単であり、かつ
容積も小さく、円滑に動作し、作業性の良い原稿搬送装
置を提供することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図（Ａ）は本発明による原稿搬送装置を傾斜開放し
た使用状態のヒンジ部を示す側面図、第１図（Ｂ）は該
ヒンジ部の背面図、第２図および第３図は原稿搬送装置
を複写機本体の原稿台から離間・開放した傾斜状態を示
す斜視図、第４図（Ａ）は原稿搬送装置を全開直立させ
た状態のヒンジ部を示す側面図、第４図（Ｂ）は該ヒン
ジ部の背面図、第５図は原稿搬送装置を直立させた状態
を示す複写機の斜視図、第６図は該原稿搬送装置の開放
過程を示す側面図、第７図は原稿搬送装置の断面図であ
る。 １……複写機本体 ２……原稿台（プラテンガラス） ４……筺体、10……原稿搬送装置 11……外装部材（ハウジング本体） 11A……把手部、12……ヒンジ部材 13……ねじ部材、14……ストッパ部材 121……基板部、122……固定枠体 122A,122B……突片部、124……揺動軸 125……揺動枠体

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給紙トレイ、原稿搬送機構および排紙トレ
   イ等を備え、給紙トレイ上に載置した原稿を１枚毎画像
   記録装置の原稿台上に給送し、該原稿台上に移送され、
   露光処理された原稿を排紙トレイ上に排出させる原稿搬
   送装置において、 前記原稿搬送装置の一辺を揺動軸を有する２個のヒンジ
   部材を介して前記原稿台の側面端縁に開閉自在に取付
   け、前記ヒンジ部材の後面にストッパ部材を摺動自在に
   取付け、このヒンジ部材の後面と原稿搬送装置の縁内面
   とを衝接させて原稿搬送装置全体を原稿台に対しほぼ直
   角状態の開き角度に開成可能にするとともに前記ストッ
   パ部材をヒンジ部材の後面に沿って側方に摺動させて突
   出し、前記ストッパ部材の突出した上端面が原稿搬送装
   置の端面を支持してこの開き角度を規制して、その原稿
   搬送装置の摺動過程の開き途中で停止させ、この原稿搬
   送装置を原稿台に対して傾斜状態に起立保持可能にした
   ことを特徴とする原稿搬送装置。