JP2628984B2 - 表示装置用スペーサ粒子の製造方法 - Google Patents

表示装置用スペーサ粒子の製造方法

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JP2628984B2
JP2628984B2 JP8164833A JP16483396A JP2628984B2 JP 2628984 B2 JP2628984 B2 JP 2628984B2 JP 8164833 A JP8164833 A JP 8164833A JP 16483396 A JP16483396 A JP 16483396A JP 2628984 B2 JP2628984 B2 JP 2628984B2
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藤 護 郎 佐
松 通 郎 小
田 広 泰 西
中 喜 凡 田
柳 嗣 雄 小
原 恵 一 三
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触媒化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、表示装置用スペーサ粒子
の製造方法に関し、さらに詳しくは、特定の方法で製造
されうる粒度分布がシャープで、しかも表面が合成樹脂
で被覆された表示装置用スペーサ粒子の製造方法に関す
る。
【0002】
【発明の技術的背景】時計、計算機あるいは壁かけテレ
ビなどの表示装置として、液晶表示装置が広く用いられ
ている。この液晶表示装置は、わずかな電圧を加えるだ
けで分子の配列が変って偏光方向が変化する液晶を用い
た表示装置であって、通常、二枚の電極間に液晶層を挟
んだ構造を有している。
【0003】このような液晶表示装置では、液晶層の厚
さはできる限り薄いことが望ましく、しかも液晶層の厚
さにばらつきがないことが望まれている。もし液晶層の
厚さにばらつきがあると、液晶層にかかる電界強度に部
分的に不均一さが生じ、このため画像のコントラスト比
が場所によって変化して画像にむらが生じてしまう。ま
た、液晶の入力信号に対する応答速度は、液晶層の厚さ
および電界強度に応じて変化するが、もし液晶層の厚さ
が不均一であると、応答速度に差異が生じて鮮明な画像
が得られなくなってしまう。
【0004】このため液晶表示装置では、二枚の電極間
に薄い絶縁物からなるスペーサを介在させ、この間に液
晶を充填することによって、二枚の電極基板間に薄く均
一な液晶層を形成していた。
【0005】上記のような液晶表示装置に用いられるス
ペーサとしては、研摩剤用の酸化アルミニウムを2〜1
0μmに分級したもの、直径2〜10μmのグラスファ
イバーを50〜100μmの長さに切断したもの、ある
いはベンゾグアナミンなどの合成樹脂を2〜10μmの
球状としたものなどが用いられてきた。
【0006】このような従来公知のスペーサを用いた液
晶表示装置は、その大きさが小型である場合には特に大
きな問題点は生じてこないが、その大きさが大型になる
と、以下のような問題点がある。 (a)小型の液晶表示装置は、主として表示面が水平状
態で使用されることが多いため、特に大きな問題点とは
ならないが、たとえば壁かけテレビなどの大型の液晶表
示装置は、その表示面が垂直あるいは斜めの状態で使用
されるため、二枚の電極間に設けられたスペーサ粒子
が、その重みのために次第に下方に移動し、このため液
晶層の厚さにむらが生じ、場合によっては大部分のスペ
ーサ粒子が下方に移動して液晶層の厚さに著しい不均一
さが生ずるというドロップアウト現象が生じ、鮮明な画
像を得ることができなくなることがある。 (b)用いられる液晶の種類に応じて液晶層の厚みを微
妙に変化させる必要があるが、この微妙な液晶層の厚さ
の変化に対応しうるようにスペーサの形状をコントロー
ルすることができない。 (c)スペーサ粒子の粒度分布が大きく、均一な厚みを
有する液晶層を提供することができず、画像にむらが生
じたりあるいは色調異常をきたすことがある。 (d)強誘電性液晶を用いる場合には、液晶層の厚さを
1〜2μm程度にすることが必要であるが、このような
厚みに液晶層の厚さを調節しうるようなスペーサが存在
していない。 (e)液晶層中のスペーサ粒子が凝集してスペーサが表
示画像中に目視されたり、あるいは長軸10〜50μm
のスペーサではスペーサ自体が表示画像中に目視される
ことがある。 (f)スペーサ粒子が球状でないため、スペーサが透明
電極を傷つけたりして表示装置が不良品となることがあ
る。 (g)スペーサが樹脂である場合には、加熱または加圧
によって変形しやすく、均一な液晶層の厚みを提供する
ことができず、しかもセル基板が熱膨脹したような場合
には、熱膨脹による基板のたわみを防止することができ
ず、そのため液晶層の厚みに変化が生じ、一度は固定さ
れていたスペーサ粒子が液晶層内で自由に移動してしま
うことがある。
【0007】特に(a)で述べたような問題点を解決す
るために、無機系絶縁体からなるスペーサ粒子の表面処
理を行なって、ポリイミド配向膜とスペーサ粒子とを静
電気的に固定化しようとする試みがなされているが、そ
の効果は必ずしも充分であるということはできない。
【0008】本発明者らは、このような従来公知の表示
装置用のスペーサ粒子に伴なう問題点、特に(a)で述
べたような問題点を解決すべく鋭意検討したところ、絶
縁物質粒子の表面が合成樹脂によって被覆された粒子
は、表示装置の電極基板に確実に固定されて液晶層中で
移動することがないこと、そして特定の方法で得られた
粒度分布がシャープで、しかも表面が合成樹脂で被覆さ
れた粒子を表示装置のスペーサとして用いればよいこと
を見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴な
う問題点を解決しようとするものであって、液晶層など
の表示装置中でスペーサ粒子が移動することがなく、し
かも表示装置の微妙な厚さの変化にも対応することがで
き、かつ均一な厚みを有し、しかもスペーサ粒子同士が
凝集することがないような表示装置用スペーサ粒子の製
造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の概要】本発明に係る第1の表示装置用スペーサ
粒子の製造方法は、無機系絶縁物質粒子の表面に、前記
絶縁物質粒子の直径をDとし、合成樹脂粉末の直径をd
とした場合にdがD/5以下であるような合成樹脂粉末
を付着させ、次いでこの合成樹脂粉末の少なくとも一部
を融解させて合成樹脂粉末同士を接合するとともに、合
成樹脂粉末を絶縁物質粒子に固定させることを特徴とし
ている。
【0011】本発明に係る第2の表示装置用スペーサ粒
子の製造方法は、無機系絶縁物質粒子の表面に、前記絶
縁物質粒子の直径をDとし、合成樹脂粉末の直径をdと
した場合にdがD/5以下であるような合成樹脂粉末を
付着させ、次いでこの合成樹脂粉末が付着している絶縁
物質粒子に衝撃力を与えてこの合成樹脂粉末の少なくと
も一部を融解させて合成樹脂粉末同士を接合するととも
に、合成樹脂粉末を絶縁物質粒子に固定させることを特
徴としている。
【0012】本発明に係る第1および第2の製造方法に
よって製造された表示装置用スペーサ粒子は、無機系絶
縁物質粒子の表面が合成樹脂粉末によって被覆されてい
るので、このスペーサ粒子は表示装置の電極基板などに
この合成樹脂によって強固に固定されるため、表示装置
中でスペーサ粒子が移動することがない。
【0013】
【発明の具体的説明】以下本発明に係る表示装置用スペ
ーサ粒子の製造方法について具体的に説明する。
【0014】本発明に係る第1および第2の製造方法に
よって製造された表示装置用スペーサ粒子1は、第1図
にその模式図を示すように無機系の絶縁物質粒子2の表
面が合成樹脂粉末3によって被覆されている。
【0015】この無機系絶縁物質粒子2の表面は、ほぼ
全面にわたって合成樹脂粉末3によって覆われている
が、必ずしも全面が合成樹脂粉末3によって覆われてい
る必要はない。
【0016】無機系絶縁物質粒子2の表面を覆う合成樹
脂粉末3は、第1図にその模式図を示すように、球状形
状を維持して互いに隣接する粉末同士が接合した状態で
あってもよく、また場合によっては一部が融解して薄膜
状となっていてもよい。このような合成樹脂粉末3の一
部が融解して薄膜状となっている表示装置用スペーサ粒
子1は、本発明に係る第2の方法、すなわち無機系絶縁
物質粒子の表面に、合成樹脂を付着させ、次いでこの合
成樹脂粉末が付着している絶縁物質粒子に衝撃力を与え
てこの合成樹脂粉末の少なくとも一部を融解させて合成
樹脂粉末同士を接合するとともに、合成樹脂粉末を絶縁
物質粒子に固定させることによって得ることができる。
【0017】この絶縁物質粒子2の表面を覆う合成樹脂
粉末の直径dは、無機系絶縁物質粒子の直径をDとした
場合に、D/5以下好ましくはD/7以下であることが
望ましく、具体的には0.01〜2.0μm、好ましく
は0.01〜1.0μmであることが望ましい。この合
成樹脂粉末3の直径dがD/5を越えると、絶縁物質粒
子2の表面から合成樹脂粉末3がその重みによって脱落
することがあるため好ましくない。
【0018】なお無機系絶縁物質粒子の直径Dは、スペ
ーサ粒子の直径に相当し、0.1〜10μmであること
が好ましい。合成樹脂粉末3としては、そのガラス転移
点が200℃以下の熱可塑性合成樹脂あるいは硬化温度
が200℃以下の熱硬化性合成樹脂が用いられる。ガラ
ス転移点が200℃を越える熱可塑性合成樹脂あるいは
硬化温度が200℃を越える熱硬化性合成樹脂は、スペ
ーサ粒子を表示装置内で固定する際に高温を必要とする
ため、好ましくない。
【0019】本発明に係る表示装置用スペーサ粒子は、
後述するように、液晶表示装置に用いられる場合には、
熱硬化性のシール用樹脂に混入して表示装置用基板の周
縁部に設けられるとともに、シール用樹脂が設けられて
いない液晶層部に設けられる。この際2枚の基板が加熱
圧着されるが、この加熱時に、無機系絶縁物質粒子2の
表面に設けられていた合成樹脂粉末3は溶融して、第2
図に示すように、薄い合成樹脂層4を介して一対の表示
装置用基板5a、5bに固着される。この際、無機系絶
縁物質粒子2と表示装置用基板5a、5bとの間は加熱
圧着されるため、絶縁物質2と表示装置用基板5a、5
bとの間には、余分の合成樹脂は存在せず、ごく薄い合
成樹脂層4が形成されるのみとなる。なお溶融した合成
樹脂は、絶縁物質粒子2の側部6などにたまっていると
考えられる。したがって、本発明では、絶縁物質粒子2
の大きさがほぼスペーサ粒子の大きさに相当することに
なる。
【0020】本発明で用いられる無機化合物からなる絶
縁物質粒子およびスペーサ粒子は、たとえば下記のよう
にして製造することができる。まず、金属酸化物あるい
は金属水酸化物がシードとして分散された水−アルコー
ル系分散液を調製する。水−アルコール系分散液中に分
散されるシードは、金属酸化物粒子あるいは金属水酸化
物粒子であるが、場合によって他の粒径の揃った粒子を
用いることもできる。上記のようなシードとして用いら
れる粒子は、0.05〜9μm程度のなるべく均一な粒
径を有していることが好ましい。
【0021】このようなシードが分散された水−アルコ
ール系分散液は、水−アルコール系混合溶液にシードを
添加してもよくあるいは水−アルコール系分散液中でシ
ードを生成させてもよい。このうち水−アルコール系分
散液中で金属アルコキシドを加水分解させて得られるシ
ードが分散された水−アルコール系分散液が好ましく用
いられる。シードの生成方法は、たとえば粉体及び粉体
冶金23,(4) ,19〜24(1976)あるいはJour
nal colloid & Interface Sci,26,62〜69
(1968)に記載されている。
【0022】このようにして金属酸化物粒子あるいは金
属水酸化物粒子がシードとして分散された水−アルコー
ル系分散液が得られるが、分散液中のシードが凝集して
合体しないように、この分散液にアルカリを加えて安定
化された分散液(以下ヒールゾルと称することがある)
とする。もしアルカリを加えて分散液の安定化を図らな
いと、シード粒子同士が凝集して沈殿してくることがあ
る。シード同士が凝集すると、凝集粒子の接合部分(ネ
ック部)にも金属アルコキシド分解生成物の付着が起こ
るため、均一な粒径を有する粒子が得られない。
【0023】分散液の安定化を図るために加えるアルカ
リとしては、アンモニアガス、アンモニア水、水酸化ナ
トリウムなどのアルカリ金属水酸化物、第4級アンモニ
ウム塩、アミン類などが単独であるいは組合せて用いら
れる。
【0024】シードが分散された水−アルコール系分散
液中でのアルコール濃度は35〜97重量%であること
が好ましい。ここで用いられるアルコールとしては、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール
などの低級アルコールが用いられる。またこれらの低級
アルコールの混合溶媒を用いることもできる。
【0025】また、水−アルコール系分散液として、水
およびアルコールに加えて、他の有機溶媒を用いること
もできる。このような有機溶媒としては、水およびアル
コールと相溶性がよく、しかも金属アルコキシドとの相
溶性がよいものが用いられる。
【0026】水−アルコール系分散液中でのシードの濃
度は、酸化物換算濃度で0.05〜20.0重量%であ
ることが好ましい。シードの酸化物換算濃度が0.05
重量%未満であると、後の金属アルコキシド分解生成物
をシードに付着させる工程で、新たなシードが発生する
ことがあり、得られる粒子の粒度分布がブロードになる
ため好ましくない。一方、シードの酸化物換算濃度が2
0.0重量%を越えると、金属アルコキシド分解生成物
をシードに付着させる工程で粒子同士で凝集してしまう
ため好ましくない。
【0027】次に、上記のようにして得られたアルカリ
で安定化されたシードが分散された水−アルコール系分
散液であるヒールゾルに、このヒールゾルをアルカリ性
に保ちながら金属アルコキシドを添加して加水分解し、
シード上に金属アルコキシド分解生成物を付着させてシ
ード粒子を成長させる。
【0028】金属アルコキシドとしては、アルコキシド
を形成しうる金属であればどのような金属のアルコキシ
ドであっても用いることができる。アルコキシドを形成
するエステル基の炭素数は、1〜7程度望ましくは1〜
4程度であることが好ましい。このような金属アルコキ
シドはアルコールなどで希釈して用いてもよく、また原
液のまま用いてもよい。
【0029】分散液中に金属アルコキシドを添加するに
際しては、金属アルコキシドとともに、水−アルコール
混合溶液を添加することが好ましい。これらの金属アル
コキシドおよび水−アルコール混合溶液は、ヒールゾル
に徐々に添加することが好ましい。ヒールゾル中に金属
アルコキシドを添加すると、金属アルコキシドは加水分
解し始め、このとき急激に溶液のpHが変化する。ヒール
ゾル液が上記のようなアルカリ性でなくなると、シード
が凝集したりあるいは新しいシードが発生したりするこ
とがあり、最終的に得られる粒子の粒度分布がブロード
になるため好ましくない。このため金属アルコキシドの
添加に際しては、ヒールゾルをアルカリ性に保つように
して行なう。ヒールゾルのpHは、10〜13であること
が好ましい。ヒールゾルをアルカリ性に保つためには、
ヒールゾルにアルカリを添加すればよく、具体的には、
添加されるアルカリとして、アンモニアガス、アンモニ
ア水、アミン類、アルカリ金属水酸化物、第4級アンモ
ニウム塩が単独あるいは組合せて用いられる。
【0030】金属アルコキシドを加水分解させる際の温
度は、特に限定しないが、水またはアルコールの沸点以
上の温度を採用する場合には、溶液が液相を保持できる
ように加圧されることが好ましい。ただし、反応系内に
存在するアルコールなどの臨界温度以上で金属アルコキ
シドの分解反応を行なうことは、液相内の組成比が変化
することがあるので、臨界温度未満で行なうことが好ま
しい。
【0031】上記のようにしてシード上に金属アルコキ
シド分解生成物を付着させてシード粒子を成長させる
が、反応系内の成長した粒子の濃度は、酸化物換算濃度
で0.05〜20.0重量%さらに望ましくは0.05
〜15.0重量%であることが好ましい。粒子の濃度が
0.05重量%未満であると、生産性が悪くかつ多量の
アルコールが必要となり経済性に劣り、一方粒子の濃度
が20重量%を越えると、シードの粒子成長中に粒子間
の凝集が起こり、得られる粒子の粒度分布がブロードに
なるため好ましくない。
【0032】シード上に金属アルコキシド分解生成物を
付着させるに際して、反応系中でのアルコール濃度は3
5〜97重量%であるようにするのが好ましい。アルコ
ール濃度が35重量%未満であると、添加される金属ア
ルコキシドとの相溶性が悪くエマルジョン化し、シード
が凝集したりあるいは球状でない不定形生成分が得られ
るため好ましくなく、一方アルコール溶液が97重量%
を越えると金属アルコキシドの加水分解速度が遅くなり
すぎるため好ましくない。反応系中のアルコール濃度
は、反応系中に金属アルコキシドとともに水およびアル
コールを添加することにより調節することができ、アル
コールはアルコキシドに対して0.4〜1.1モルの割
合で、また水はアルコキシドに対して2.0〜24.0
モルの割合で添加されることが好ましい。
【0033】このようにして得られる水ーアルコール系
分散媒に分散された粒子は、球状でその粒子径は0.1
〜10μm程度であり、粒度分布がシャープ(±σ≦
0.5)であり、分散媒中に分散されている。また、上
記のような粒子の製造方法によれば、得られる粒子の粒
径を0.1〜10μmのうち任意の値に容易に制御する
ことができる。さらに分散媒中での粒子の酸化物基準の
濃度は0.05〜20.0重量%であり、従来の金属ア
ルコキシドを用いた粒子の製造方法と比較して著しく高
くすることが可能である。したがって粒子の製造効率を
高めることができるとともに製造コストの低減も図るこ
とができる。
【0034】このようにして得られた分散液に分散され
た粒子の安定性をさらに高めるために、得られた分散液
中に、アルカリなどの安定剤を添加し熟成を施こせば、
長期間にわたって分散液中の粒子は凝集したりすること
がない。
【0035】次に上記のようにして得られた分散液を常
法に従って乾燥すると、分散性の良好な球状の粒子が得
られる。この段階で得られる粒子は、まだ白色系であ
る。黒色系粒子が必要な場合には次いで、この粒子を、
さらに250℃以上、好ましくは250〜1000℃の
温度で、空気雰囲気中あるいは不活性ガス雰囲気中で熱
処理すると、白色系の粒子は黒色系に変化して、分散性
の良好な黒色系の粒子が得られる。
【0036】白色系の粒子を250℃以上の温度で熱処
理することによって黒色系の粒子に変化するのは、次の
ような理由によるのであろうと考えられる。すなわち、
熱処理前の粒子の内部には、未反応の金属アルコキシド
などの有機物が存在しており、この未反応の金属アルコ
キシドなどの有機物が250℃以上の温度に加熱されて
分解あるいは炭化することによって、粒子が黒色化する
のであろう。
【0037】白色系粒子の熱処理温度は、上述のように
250℃以上、好ましくは250〜1000℃である
が、熱処理温度が250℃未満であると、白色系粒子の
黒色化は起こるが、黒色化に長時間を要するため好まし
くなく、一方熱処理温度が1000℃を越えると、粒子
間の焼結が起こることがあるため好ましくない。
【0038】また一般的に白色系粒子の粒子径が小さい
場合には、250〜1000℃の温度範囲の比較的低温
領域での熱処理によって黒色化が起こるが、粒子径が大
きくなるほど比較的高温領域での熱処理が必要となる。
【0039】また本発明においては、シードが分散され
た水−アルコール系分散液に、金属アルコキシドを添加
する際に、水−アルコール系分散液に、溶解あるいは分
散する有機物を添加しておき、この有機物を、シード上
に金属アルコキシド分解生成物とともに付着させ、次い
で得られる粒子を250℃以上の温度に熱処理すると、
得られる黒色系粒子の色調をさらに黒色化することがで
きる。あるいはまた、分散液を乾燥することによって得
られた白色系粒子を熱処理する前に、この白色系粒子を
有機物の溶液に含浸して該粒子に有機物を付着させた後
に熱処理することによっても、得られる黒色系粒子の色
調をさらに黒色化することができる。
【0040】次に上記のようにして得られた白色系ある
いは黒色系の無機系絶縁物質粒子の表面に合成樹脂粉末
を付着させる。無機系絶縁物質粒子の表面に合成樹脂粉
末を付着させるには、合成樹脂粉末を付着した絶縁物質
粒子同士が凝集せず、しかも個々の粒子の表面にほぼ均
一に合成樹脂粉末が被覆されるような方法であれば、い
かなる方法を採用することができる。その一例としては
以下の方法が挙げられる。
【0041】無機系絶縁物質粒子を乾燥雰囲気に置くと
この粒子は帯電する。たとえば製造時に用いられた金属
アルコキシドの金属が珪素、チタン、ジルコニウム、あ
るいは錫である場合には負に帯電し、また金属がアルミ
ニウム、マグネシウム、あるいは亜鉛である場合には正
に帯電する。このように帯電した絶縁物質粒子に、この
粒子と反対の電荷をもった球状の合成樹脂粉末を静電気
力によって吸着させる。このとき絶縁物質粒子のほぼ全
面に合成樹脂粉末が吸着しているが、静電気力では結合
力が弱く、合成樹脂粉末が脱落しやすい。そこで合成樹
脂粉末が吸着した絶縁物質粒子に衝撃力を与え、その際
に発生する熱により合成樹脂の少なくとも一部を融解さ
せると、合成樹脂粉末同士が接合されるとともに合成樹
脂粉末は絶縁物質粒子に固定される。合成樹脂粉末が吸
着した絶縁物質粒子に衝撃力を与えるには、このような
粒子をボールミルあるいはらいかい機などの粉砕機に入
れて、この粉砕機を作動させればよい。
【0042】このようにして得られた表示装置用スペー
サ粒子をスペーサとして用いて液晶表示装置などの表示
装置を組立てるには、従来公知の方法をそのまま適用す
ることができる。
【0043】本発明では、上記のようにして製造された
粒子をスペーサとして用いた表示装置が提供されるが、
表示装置としては液晶表示装置のほかに、エレクトロク
ロミックディスプレイ(EDC)、プラズマディスプレ
イ(PDP)、液晶プリンター、タッチパネル、光変調
素子などに用いられる。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法によって製造された表示装
置用スペーサ粒子は、無機系絶縁物質粒子の表面が合成
樹脂粉末によって被覆されているので、このスペーサ粒
子は表示装置の電極基板などにこの合成樹脂によって強
固に固定されるため、表示装置中でスペーサ粒子が移動
することがない。
【0045】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0046】
【実施例1】エチルアルコール487gと水389gと
の混合液を攪拌しながら35℃に保ち、この混合液にア
ンモニアガス71.7gを溶解させた。これに28%エ
チルシリケート17.4gを加え、その後2時間攪拌を
続けてSiO2換算として0.5重量%に相当するシー
ド粒子が分散した白濁液を得た。この白濁液に直ちにN
aOH,0.03gが溶解した水溶液3.3gを加え、
シード粒子が水−アルコール分散液中に分散したヒール
ゾル(A)を得た。このヒールゾル(A)のうち97g
を攪拌下35℃に保ち、アンモニアガスでpHを11.5
にコントロールしながら、エチルアルコール455gと
水886gとの混合液および28%エチルシリケート5
70gを同時に19時間かけて徐々に添加した。全量添
加後液中にNaOH 1gが溶解した水溶液103gを
加え、これを70℃に加熱して2時間保持し分散液
(I)を得た。
【0047】得られた分散液(I)114gを攪拌下3
5℃に保ちエチルアルコール63gと水51gを加えア
ンモニアガスでpHを11.5にコントロールしなが
ら、エチルアルコール638gと水814gとの混合液
および28%エチルシリケート325gを同時に19時
間かけて徐々に添加した。全量添加後液中にNaOH
0.7gが溶解した水溶液65gを加え、これを70℃
に加熱して2時間保持し分散液を得た。この分散液9
4.6gを攪拌下65℃に保ちエチルアルコール116
gと水95gを加えアンモニアガスでpHを11.5に
コントロールしながら、エチルアルコール307gと水
438gとの混合液及び28%エチルシリケート207
gを同時に19時間かけて徐々に添加した。全量添加後
液中にNaOH 0.7gが溶解した水溶液65gを加
え、これを70℃に加熱して2時間保持し分散液(II)
を得た。得られた分散液(II)1126gを攪拌下35
℃に保ちエチルアルコール155gと水127gを加え
アンモニアガスでpHを11.5にコントロールしなが
ら、エチルアルコール164gと水275gとの混合液
及び28%エチルシリケート156gを同時に19時間
かけて徐々に添加した。全量添加後液中にNaOH
0.7gが溶解した水溶液65gを加え、これを70℃
に加熱して2時間保持し、分散液を得た。この分散液1
342gを攪拌下65℃に保ちエチルアルコール185
gと水151gを加えアンモニアガスでpHを11.5
にコントロールしながら、エチルアルコール93gと水
150gとの混合液及び28%エチルシリケート82g
を同時に19時間かけて徐々に添加した。全量添加後液
中にNaOH 0.6gが溶解した水溶液58gを加
え、これを70℃に加熱して2時間保持し分散液(II
I)を得た。
【0048】この分散液(III)を110℃で乾燥して
粉末粒子(1)を分離した。得られた粉末粒子95gと
メチルメタクリレート樹脂粉末(綜研化学製、商品名M
P−1000 粒子径0.4μ)5gとを混合して樹脂
を吸着させた。さらにその粒子をボールミルに入れて攪
拌して樹脂を被覆させた(粉末粒子(2) )。
【0049】次いでシール用樹脂(三井東圧製、エポキ
シ系樹脂)100gに、上記のようにして得られた粉末
粒子(1) 1gを分散させてインキ組成物を調製した。得
られたインキ組成物を、2cm×2cmの液晶表示装置用研
摩ガラス基板上に透明電極、配向膜が形成された積層体
の配向膜の周縁にスクリーン印刷機で印刷して、大型液
晶表示装置用基板を得た。
【0050】次に、エチルアルコール(EtOH)1リ
ットルに、上記のようにして得られた粉末粒子(2) 0.
01gを分散させ、この分散液を用いて室温60℃、湿
度3%に保たれた噴霧室内に置かれた大型液晶表示装置
基板上のシール用樹脂が設けられていない部分に噴霧し
た。次いでこれを、90℃で30分間予備乾燥した後、
これと、ガラス基板上に透明電極および配向膜が設けら
れてなる別の大型液晶表示装置基板とをそれぞれの配向
膜を対向させて貼り合せ、3kg/cm2の加圧下で180
℃、1時間加熱して樹脂を硬化させて大型液晶表示装置
用セルを100枚作成した。
【0051】このようにして得た大型液晶表示装置用セ
ルのシール用樹脂が設けられていない部分に、後述する
ような液晶を注入して、大型液晶表示装置を得た。
【0052】
【実施例2】実施例1で得られた粉末粒子(1)を、窒
素雰囲気下において750℃で3時間熱処理して黒色系
粉末粒子(3) を製造し、この粒子を用いた以外は、実施
例1と同様にして大型液晶表示装置用セルを得た。
【0053】実施例のスペーサー用粒子について、形状
及びその母標準偏差を測定した。更に前記で得られたL
CDセルについて下記の方法で評価した。 セルの中央部・右部・左部を、ダイアモンドカッター
で切断し、セルギャップを電子顕微鏡で測定した。 映像部のスペーサー粗大粒子(凝集粒子)の有無を目
視し、粗大粒子が一つでも目視されたものは不良品とし
た。 TN液晶(メルク社製)を注入し、電界をかけた時に
透過光が得られるように偏光フィルムを組合わせて得ら
れたLCDの作動状況を確認した。さらにLCDセルを
遠心分離機にて800G、1時間かけて、スペーサ粒子
の液晶層中での移動を起こりやすくさせた後、作動状況
を確認した。 −20℃と80℃との間で加熱冷却を4回繰返すヒー
トサイクルテストを行い、大型液晶表示装置の作動状況
を確認した。
【0054】結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は本発明方法によって製造された表示
装置用スペーサ粒子の概略説明図である。
【図2】 第2図はこのスペーサ粒子を用いた場合に基
板と粒子との固着状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…表示装置用スペーサ粒子 2…無機系絶縁物質粒子 3…合成樹脂粉末 5…基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三 原 恵 一 千葉県松戸市六高台4−92 近鉄ハイツ 六実503号

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機系絶縁物質粒子の表面に、前記絶縁
    物質粒子の直径をDとし、合成樹脂粉末の直径をdとし
    た場合にdがD/5以下であるような合成樹脂粉末を付
    着させ、次いでこの合成樹脂粉末の少なくとも一部を融
    解させて合成樹脂粉末同士を接合するとともに、合成樹
    脂粉末を絶縁物質粒子に固定させることを特徴とする、
    表示装置用スペーサ粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 無機系絶縁物質粒子の表面に、前記絶縁
    物質粒子の直径をDとし、合成樹脂粉末の直径をdとし
    た場合にdがD/5以下であるような合成樹脂粉末を付
    着させ、次いでこの合成樹脂粉末が付着している絶縁物
    質粒子に衝撃力を与えてこの合成樹脂粉末の少なくとも
    一部を融解させて合成樹脂粉末同士を接合するととも
    に、合成樹脂粉末を絶縁物質粒子に固定させることを特
    徴とする、特許請求の範囲第1項に記載の表示装置用ス
    ペーサ粒子の製造方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5492339A (en) * 1977-12-22 1979-07-21 Philips Nv Indicator
JPS58102922A (ja) * 1981-12-16 1983-06-18 Sharp Corp 液晶表示セル及びその製造方法
JPS60208333A (ja) * 1984-04-03 1985-10-19 Showa Denko Kk 接着性粉体

Patent Citations (3)

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