JP2628229B2 - β−1,3−グルカン多糖類、それを含む組成物、およびその製造と使用 - Google Patents

β−1,3−グルカン多糖類、それを含む組成物、およびその製造と使用

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JP2628229B2 JP5507724A JP50772493A JP2628229B2 JP 2628229 B2 JP2628229 B2 JP 2628229B2 JP 5507724 A JP5507724 A JP 5507724A JP 50772493 A JP50772493 A JP 50772493A JP 2628229 B2 JP2628229 B2 JP 2628229B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はβ−1,3−グルカン多糖類、それらを含む組
成物、それらの製造法、およびそれらの使用に関する。
β−1,3−グルカン多糖類について多数の特許および
技術文献が刊行された。
たとえば、“Properties of Gels Formed by Heat Tr
eatment of Curdlan,a Bacterial β−1,3−Glucan"と
題するMoedaらのAgr.Biol.Chem.,のVol.31,No.10.1184
−1188,1967の報文は、ボレートの存在がゲル強度を増
大させたがその他の塩類の添加はゲル強度を増大させな
かったという発見を含めて、水性懸濁液中で加熱したと
きのそのゲル形成の性質、およびゲル強度に及ぼすpHの
効果の研究、を検討した。尿素添加がゲル形成温度の低
下を生ぜしめたことも発見された。
米国特許第4,774,093号には55℃以下の温度で水性媒
質中にβ−1,3−グルカン多糖類をとかし、生成溶液を5
0℃以上の然し60℃以下の温度に保持しながらpHを10.0
以下に調節することによるβ−1,3−グルカン多糖類ゲ
ルの製造が記載されている。生成ゲルは実質的に均一な
pHで凝集、均一の非粒子状構造をもつ。このゲルは、医
薬用の放出コーティングまたは担体として、ハミガキ用
の食用ゲルとして、生物学的材料のゲル・コーティング
として、および使い捨てコンタクトレンズとして、生物
学的材料の支持、分離、輸送または処理のために使用さ
れる。
米国特許第4,012,333号にはβ−1,3−グルカン型多糖
類の塩基性溶液をガス状の酸無水物たとえば二酸化炭素
および窒素やイオウの酸化物、の雰囲気にさらすことに
よってβ−1,3−グルカン型多糖類からゲルを製造する
方法が記載されている。
米国特許第4,950,749号は、可溶化グルカンの溶液に
2価カチオンを加え、次いで溶液をアルカリ性pHに調節
してグルカンを沈澱させることによって、非イオン性水
溶性グルカンを回収する方法に関する。この水溶性グル
カンはスクレログルカンおよびシゾフィランを含む。
欧州特許出願第0367391号には小直径の管を通して8
5℃の温度でカードランの水性懸濁液を加熱することに
よって線状カードラン・ゲルを製造することが記載され
ている。このゲルは食品材料として有用である。カード
ランと海草エキスなどとのブレンドも記載されている。
米国特許第5,002,669号にはラセミ混合物の分離、た
とえば幾何学的異性体の分離、および異なった分子量範
囲をもつポリマー類の分離に1,3−グルカンおよびその
誘導体を使用することが記載されている。
米国特許第4,973,581号にはガラクトピラノース、L
−アラビノフラノース、およびそれらの誘導体およびオ
リゴマーの側鎖ブランチをもつグルカン誘導体が記載さ
れている。これらのグルカン誘導体は高い殺腫瘍活性を
示す。
“Synthesis and Structural Analysis of Curdlan S
ulfate with a Potent Inhibitory Effect in Vitro of
AIDS Virus Infection"と題するヨシダらのMacromolec
ules,Vol.23,No.16,3717−3722,1990年の報文には、硫
酸カードランが製造され、試験管内でのHIVウイルスに
対して試験されている。
β−1,3−グルカン多糖類は殆ど独占的にβ−1,3−グ
ルコシド結合を含むエキソ−3−グルカンポリマーであ
る。アガロースを除いて、これらの多糖類は中性pHをも
ち、低濃度で比較的強固なヒドロゲルを形成する唯一の
現在知られている多糖類である。β−1,3−グルカン多
糖類は天然に広く分布し、イーストの細胞壁中に、陸上
および海中の植物中に、および種子細胞中に存在する。
それらは微生物醗酵によっても製造することができる。
β−1,3−グルカンを生産する微生物として、アルカリ
ジェネス属、アグロバクテリウム属およびストレプトコ
ッカス属のバクテリア、があげられそれらの属のアルカ
リジェネス ファエカリス種、アグロバクテリウム ラ
デイオバクター種、アグロバクテリウム リゾジェネス
種およびストレプトコッカス ミュータンス種がそれら
の変異および突然変異を含めて広く知られている。バク
テリアで生産されるβ−1,3−グルカン多糖類はカード
ランとして知られており、本発明の実施に使用するのに
好ましい。
ゲル形成性β−1,3−グルカン多糖類は水性塩基には
可溶であるが水および水性の酸には不溶である。
β−1,3−グルカン多糖類は食品の用途に始め使用さ
れたが、天然不純物の濃度のためにバイオ技術およびバ
イオ医薬の用途には有用でなかった。たとえば精製して
いない醗酵β−1,3−グルカンはかなりな量の細胞片、
核酸、タンパク、酸性多糖類、などを含む。技術の進歩
は米国特許第4,774,093号の臨界温度中和法のような便
利で経済的なゲルの製造法をもたらし、この方法はバイ
オ技術の用途を含む広範囲の用途に生成ゲルを使用しう
るようにしたけれども、臭化エチジウムで染色されたと
きに背景の蛍光を実質的に示さず、260nmで実質的にベ
ースラインUV吸収を示すゲルを形成する透明なゲル形成
性ゾルをもたらす実質的に純粋なβ−1,3−グルカン多
糖類を予め得たものはなかった。従って、従来技術のβ
−1,3−グルカン多糖類ゲルは上記の性質をもつゲルの
使用を必要とするDNA電気泳動に均一に有用ではなかっ
た。本発明の態様Iは実質的に純粋なβ−1,3−グルカ
ン多糖類の製造法、この方法で製造した実質的に純粋な
β−1,3−グルカン多糖類、それらを含む水性ゲル、お
よびDNA電気泳動における使用を含むバイオ技術および
その他の用途におけるこの水性ゲルの使用である。
本発明の態様IIは実質的に純粋なβ−1,3−グルカン
多糖類の水溶性塩の製造法、このようにしてえられた水
溶性塩、およびそれらの使用である。
本発明の態様IIIはβ−1,3−グルカン多糖類ゲルの製
造におけるカオトロピン剤の使用、カオトロピン剤の除
去後にえられるゲル、カオトロピン剤を除去していない
ゲル、および上記ゲルのすべての使用である。
本発明の態様IVは実質的に純粋なβ−1,3−グルカン
多糖類の誘導体の製造法、これらの誘導体の用いてえら
れる水溶性可逆性ゲル、およびそれらの使用である。
本発明の態様Vは実質的に純粋なβ−1,3−グルカン
多糖類を含む共処理されたヒドロコロイド組成物、およ
びこれらの組成物の使用である。
本発明の態様VIはガンマ線照射を施された実質的に純
粋なβ−1,3−グルカン多糖類、それから生成されたゲ
ル、およびこれらのゲルの使用である。
操作実施例以外に、または他に示した場所において、
ここに使用する成分または反応条件の量を表すすべての
数字は、すべての場合に「約」なる用語によって変形さ
れるものと理解されるべきである。
実質的に純粋なβ−1,3−グルカン多糖類(以下“β
−1,3−グルカンと呼ぶ)の製造および特に実質的に純
粋なカードランの製造に特に有用な本発明の方法は次の
諸工程を使用して行われる。
1.粗β−1,3−グルカン、たとえば日本の武田薬品工業
株式会社によって販売されているカードラン、を炭酸カ
リウムまたは炭酸ナトリウムのような水性炭酸アルカリ
金属で洗浄する。炭酸ナトリウムが好ましい。水溶液は
好ましくは0.1〜10重量%の炭酸アルカリ金属を含む。
1重量%が好ましい。水性炭酸アルカリ金属溶液のpHを
7.0〜9.5好ましくは8.5に保つ。上記のpH範囲は緩衝液
の使用によって容易に保持することができるがNa2CO3/N
aHCO3緩衝液が好ましい。洗浄工程は0.5〜10時間、通常
は1時間行われる。洗浄した粗β−1,3−グルカンを次
いで濾過し、有利には追加の水性炭酸アルカリ金属で洗
浄し、その後に蒸留水または脱イオン水にたとえば1時
間浸漬し、濾過する。
2.濾過したβ−1,3−グルカンを次いで任意に然し好ま
しくは追加の蒸留水または脱イオン水で洗浄し、次いで
十分な水性アルカリ金属水酸化物たとえばNaOHまたはKO
H好ましくは水酸化ナトリウムに加えてβ−1,3−グルカ
ンを溶解させる。アルカリ金属水酸化物の濃度は臨界的
ではないが、一般には0.01N〜1.0Nであり、0.1Nが好ま
しい。
3.生成溶液を好ましくは濾過助剤を用い且つ任意に圧力
下に、濾過する。
4.濾過溶液を次いで50〜60℃の範囲の温度好ましくは55
℃に加熱する。
5.溶液を3〜10のpH、好ましくはpH7に、有機酸または
無機酸を用いて中和する。酸は酢酸が好ましいが、他の
酸たとえば塩酸、リン酸、硫酸、およびクエン酸を使用
することもできる。
6.中和した溶液を、過剰量の水混和性溶媒たとえばC1
C3アルコール、アセトンまたはメチルエチルケトンの添
加によって、凝固させる。イソプロピルアルコールが好
ましい。
7.凝固物を液体成分から、たとえば濾過または遠心によ
って、分離する。次いで凝固物を更にたとえば水性溶
媒、蒸留水次いで有機溶媒で更に洗浄してから所望によ
り乾燥および粉砕することもできる。
えられるβ−1,3−グルカンは実質的に純粋である。
水性ゾル、およびそれから製造される次のゲルである0.
5〜4重量%のβ−1,3−グルカンを含むゲル、は次の諸
性質をもつ: a)エチジウム・ブロマイドで染色されたときの背景の
蛍光を実質的にもたない、 b)UV吸収は260nmにおいて実質的にベースラインであ
る、そして c)ゾルは透明であり、粗または部分精製のβ−1,3−
グルカンから製造したゾルの曇り特性をなんらもたな
い。
水性ゲルは米国特許第4,774,093号の方法によって好
都合に製造される。該米国特許を引用によってここにく
み入れる。要約すれば、ゲルは次の諸工程によって容易
に製造することができる: i)実質的に純粋なβ−1,3−グルカンを蒸留水または
脱イオン水中に懸濁させ、 ii)アルカリ金属水酸化物たとえばNaOHまたはKOHの添
加によってβ−1,3−グルカンを55℃以下の温度で溶解
させ、 iii)溶液を50℃以上の然し60より低い温度に保持しな
がら、溶液のpHをたとえば酢酸を使用して10.0以下好ま
しくは7.0〜9.0に調節し、 iv)溶液の温度を40℃以下に冷却してゲルを生成させ
る。生成ゲルは熱的に可逆性である。熱的に不可逆性の
ゲルは溶液を50℃以上たとえば70〜90℃に加熱するか又
は上記のゲルを製造してから70〜90℃に加熱することに
よって製造することができる。
本発明のβ−1,3−グルカン多糖類の実質的に純粋な
水溶性塩は次のプロセス工程によって製造される。
1−3 始めの3つの工程は実質的に純粋なβ−1,3
−グルカンの製造に関して上記に示す工程1−3と同じ
である。
4.β−1,3−グルカンの水溶液アルカリ金属塩を含む工
程3からの水性アルカリ金属水酸化物溶液を、水混和性
有機溶媒たとえばC1−C3アルコール、またはアセトンま
たはケトン、好ましくはイソプロピルアルコール、の過
剰量の添加によって、凝固させる。
5.凝固物を次いで液体成分から、たとえば濾過または遠
心分離によって分離する。有利には凝固物を次いで追加
の有機溶媒で洗浄し、所望ならば次いで乾燥および粉砕
して、実質的に純粋なβ−1,3−グルカンの水溶液アル
カリ金属塩を得る。
あるいはまた、アルカリ金属塩はアルカリ金属水酸化
物溶液中にグルカンをとかし次いで上記の工程4および
5を使用して凝固および分離を行うことによって、実質
的に純粋なβ−1,3−グルカンから製造することができ
る。
β−1,3−グルカンの上記アルカリ金属塩中のアルカ
リ金属カチオンは工程2に使用した水性アルカリ金属水
酸化物溶液の濃度の増大につれて増大する傾向があり、
それ故該塩中のアルカリ金属カチオン含量は所望の値を
生ずるように限界内に容易に制御しうる、ということも
更に発見された。アルカリ金属水酸化物溶液の0.1Nの濃
度において、生成β−1,3−グルカン塩中のアルカリ金
属カチオン含量は一般に約5%である。
β−1,3−グルカンの実質的には純粋なアルカリ金属
塩、たとえばカードランのナトリウム塩、は1重量%以
下の不純物含量しかもたない。
上記のβ−1,3−グルカンのアルカリ金属塩の他に、
β−1,3−グルカンの実質的に純粋なゲル形成性誘導体
も製造された。これらの誘導体はヒドロキシアルキル基
が2〜4個の炭素原子を含むモノヒドロキシアルキル基
であるか3〜4個の炭素原子をジヒドロキシアルキルで
あるヒドロキシアルキル化β−1,3−グルカンである。
このような誘導体はガイズリーらの米国特許第3,956,27
3号に記載の方法に類似の方法によって製造することが
できる(ただしアガロースの代わりにβ−1,3−グルカ
ンを使用するようなものを除く)。好ましい誘導体はC1
−C3ヒドロキシアルキル化カードラン、とくにヒドロキ
シエチル・カードラン、およびグリセリル・カードラン
である。これらのβ−1,3−グルカンの誘導体は、0.01
〜0.10の置換度(D.S.)をもつ、すなわちβ−1,3−グ
ルカン中のヒドロキシ基の1〜10%が置換されたもので
ある。上記の置換度をもつβ−1,3−グルカンの上記の
ヒドロキシ含有誘導体たとえばヒドロキシエチル・カー
ドランおよびグリセリル・カードランは、熱水可溶の熱
的に可逆性のゲル形成性化合物である、ということが発
見された。
β−1,3−グルカンの上記誘導体のゲルの製造は、実
質的に純粋なβ−1,3−グルカンについて上述したのと
同様に行うことができる。
β−1,3−グルカンのグリセリル誘導体はシャイノフ
の米国特許第4,275,196号の実施例1に記載された方法
によっても製造することができる。該特許を引用によっ
てここにくみ入れる。すなわちβ−1,3−グルカンとグ
リシドールとの反応によって製造される。然しグリシド
ールの量は0.01〜0.10の範囲のD.S.を保つために、シャ
イノフ特許に使用されている量よりも少ない量が使用さ
れる。あるいはまた、グリセリル誘導体は前述の米国特
許第3,956,273号に記載の方法によりβ−1,3−グルカン
を1−クロロ−2,3−ジヒドロキシプロパンと反応させ
ることによっても製造することができる。
上記の実質的な純粋にβ−1,3−グルカンは水性炭酸
ナトリウム溶液好ましくはpH8.5の1%溶液;水性尿
素、好ましくは1%溶液;または1%の炭酸ナトリウム
と1%の尿素を含むpH8.5の水溶液のいずれかで洗浄し
て物質中になお存在するかも知れない背景蛍光を除去す
ることができる。
β−1,3−グルカンおよびそれらの誘導体は所望程度
の解重合がえられるまでガンマ線照射によって任意にガ
ンマ線照射を施すことができる。解重合程度の増大はゲ
ルの強度と粘度の比例的減少をもたらす。それ故、照射
の使用はゲルの強度と粘度の調製を可能にする。ガンマ
照射は200Krad〜800Kradの範囲の照射量でコバルト60に
露出させることによって好都合に達成される。
本発明の混合組成物は a)10〜90重量部の好ましく
は50〜90重量部の実質的に純粋なβ−1,3−グルカン、
実質的に純粋なヒドロキシアルキル化β−1,3−グルカ
ン、部分的に解重合した実質的に純粋なβ−1,3−グル
カンまたはそれらのヒドロキシアルキル化誘導体、また
は上記の2種以上の任意の割合の混合物のいずれかと
b)90〜10重量部の好ましくは50〜10重量部の別のヒド
ロコロイドとからなる。上記の他のヒドロコロイドはア
ガロースまたはそれらの誘導体たとえば米国特許第3,95
6,273号に開示され分類されているローカスト・ビーン
・ガム、アルギン酸ナトリウム、デンプンなどでありう
る。えられる混合組成物は変性した性質をもつ水性ゲル
を生成させる。実質的に純粋なカードランと透明なロー
カスト・ビーン・ガムとの等しい部数の混合物は中性で
あり熱したときにさえ完全に熱可逆性である水性ゲルを
生成する。この水性ゲルは0.5〜10重量%の好ましくは
1〜4重量%の上記混合組成物を含む。実質的に純粋な
ガンマ線照射を施された又は施されていないβ−1,3−
グルカンならびにそれらのヒドロキシアルキル化誘導体
および混合物(以下これらを個々に及びまとめて“β−
1,3−グルカン化合物”と呼ぶ)の水性ゲルの生成はカ
オトロピン剤の存在下でも実施されうる。カオトロピン
剤は水素結合を破壊することが知られている化合物であ
り、たとえば尿素、沃化リチウム、臭化リチウム、およ
びグアニジニウム・イソチオシアネートである。水性ゲ
ルの生成は次のように行われる: β−1,3−グルカン化合物を少なくとも1種のカオト
ロピン剤の水溶液中に懸濁させ、所望ならばこの懸濁液
をβ−1,3−グルカン化合物が溶解するまで撹拌しなが
ら(たとえば20〜100℃の範囲の温度に)加熱し、そし
て生成溶液を冷却して水性熱可逆性ゲルを生成させる。
カオトロピン剤の水溶液は水中に20〜80重量%の好まし
くは40〜55重量%のカオトロピン剤を含む。水溶液の重
量を基準にして一般に0.5〜10重量%の好ましくは1〜
4重量%のβ−1,3−グルカン化合物をこの溶液中に懸
濁させる。
カオトロピン剤は水性ゲル中に残すことができ、ある
いは水によるゲルのくりかえし洗浄によって除去するこ
とができる。カオトロピン剤を含む又は含まないこれら
の水性ゲルは増加したゲル強度を示し、カオトロピン剤
の除去により、カオトロピン剤の不在下で製造したβ−
1,3−グルカン化合物を含むゲルに比べてより大きな開
放孔構造を示す。
従来技術はヒドロコロイドについてのカオトロピン剤
の使用の開示を含んでいるけれども、本発明のゲルにつ
いての開示は従来技術には存在しない。たとえば、本発
明のゲルは実質的に純粋なβ−1,3−グルカン化合物を
用いて生成され;このゲルはカオトロピン剤の水溶液中
のβ−1,3−グルカン化合物の溶液から生成されるが;
カオトロピン剤を除去したゲルは従来は開示されなかっ
た。米国特許第4,774,093号のゲル生成におけるカオト
ロピン剤の使用は、カオトロピン剤の添加前に水酸化ナ
トリウム溶液中のβ−1,3−グルカンの可溶化を必要と
する。この方法は製造しうるゲルの濃度を限定すると共
に所望のゲル成分ではない大量の塩化ナトリウムを含む
ゲルを生成する。本発明のゲルは無機塩を含まない。Th
e Agr.Biol.Chem.の報文(Vol.31,No.10,p.1184−1188,
1967)はβ−1,3−グルカンの溶液ではなくて懸濁液へ
の尿素の添加を開示しており、従って本発明の均質ゲル
はえられない。
本発明に開示されたゲルのすべては電気泳動に、特に
DNA、RNA、および上記のものからの核酸断片の電気泳動
に使用することができる。本発明のゲル形成性ゾルは透
明であり、そこから生成するゲルは臭化エチジウムで染
色されたとき背景蛍光を実質的に示さないからである。
本発明のゲルは、規則的な又はパルス付きのフィール
ドを使用して、アガロースゲルよりも電気泳動中のDNA
およびRNAの著しく速い移動を与える。たとえば、pBR 3
22 Msp Iおよびφ×174 Hae III DNAは、8.5Mの尿素水
溶液に溶解することによって製造した実質的に純粋なカ
ードランの4%ゲル中で消化し、次いで水沈することに
よってDNA断片のすぐれた分離と分割をもたらした。
また、本発明のゲルは米国特許第4,774,093号に示さ
れる用途のすべてについて使用することができる。該特
許を引用によってここにくみ入れる。すなわち、血清用
電気泳動ゲル媒質として、変性溶媒電気泳動に使用する
ための、等電位フォーカスのための、免疫沈殿ゲル媒質
として、生物学的薬品用のキャリヤーとして、医薬品の
目標とする放出コーティングまたはキャリヤー媒質とし
て、食用ゲルとして、ハミガキに使用するための、およ
び使い捨てコンタクトレンズとして、米国特許第4,774,
093号第6〜9欄に示されるのと同様にいて使用するこ
とができる。
本発明を次の実施例によって具体的に説明する。
実施例1 実質的に純粋なカードランの製造 A.10gの粗カードラン(ロット#RF08、日本国東京の武
田化学工業)を1%(w/v)炭酸ナトリウム(無水顆
粒、ロット#108F−0065、米国ミズリー州セントルイス
のシグマ・ケミカル・カンパニー)の625ml中に懸濁さ
せ、1.0MのHClでpH8.5に調節し、60分間加熱した。懸濁
液をポリエステル布を通して真空濾過してカードランを
回収した。収集したケーキを追加の325mlの洗浄液で洗
ってから濾布からとり出し、625mlの蒸留水に移し、60
分間撹拌した。60分の撹拌後に、カードラン懸濁液を再
びポリエステル布を通して真空濾過した。350mlの追加
の水で洗った後に、カードランを562mlの蒸留水に懸濁
させた。これに1.0NのNaOHの62mlを加えてカードランを
とかし、次いで80gのハイフロ・スーパー・セル濾過助
剤を加えて撹拌した。このスラリを次いで1の圧力フ
ィルター・ボンベに入れた。このボンベは16gのフィル
ター助剤で予めコートした#54のウオットマン濾紙(オ
レゴン州ヒルスボロのウオットマン・ラブセールス)の
1片を含んでいた。ビーカーを75mlの0.1NのNaOHで洗
い、フィルター・ボンベに入れた。20psi(約1.4kg/c
m2)を加え、濾液を集めた。完了したとき、濾液を再び
フィルター・ボンベに入れて35psi(約2.5kg/cm2)で再
び濾過した。この濾過を45および50psi(約3.2および3.
5kg/cm2)の圧力を使用して追加の2回くりかえした。
フィルター助剤ケーキを洗うために、150mlの0.1NのNaO
Hをボンベに入れた。この濾液を予め濾過したカードラ
ン溶液と混合した。温度をマイクロウエブ・オーブン中
で50〜55℃に上げた。次いで溶液をこの温度範囲に保持
しながら5Mの酢酸で、pHメーターが示すように、約pH7
に調節した。中和したカードラン溶液を次いでその容量
の2倍(1400ml)の99%イソプロピルアルコール(マサ
チューセッツ州メドフォードのフィッサー・サイエンテ
ィフィック)中で凝固させた。凝固物を7500rpmで10分
間遠心分離することによって回収した。上澄み液を捨
て、カードラン・ペレットを2倍容量(1400ml)の60%
イソプロピルアルコールに移して崩壊させた。30分後
に、凝固物を真空濾過によってポリエステル布の上に回
収した。過剰のアルコールをしぼって除去した。残渣を
2倍容量の水中で(30分間)洗い、上記のように再び回
収し、その後に2倍容量の99%イソプロピルアルコール
中で硬化させた。凝固物を再び濾過し、しぼって過剰の
イソプロピルアルコールを除き、次いで55℃の強制熱風
オーブン中で一夜(16時間)乾燥した。乾燥したら、試
料を秤量して収率を求めた。5.69g(56.9%収率)が回
収され、次いでこれを40メッシュふるいを通して粉砕し
た。この方法からえられた生成物から製造した1%溶液
は臭化エチジウムで汚れた背景をごく僅かしか示さなか
った。これに対して粗カードランの1%溶液は過度の染
色を示した。また、320と220nmの間の吸収は上記の方法
からのカードラン生成物について著しく低かった。
B.上記Aに示す方法をくりかえした。ただしフィルター
・ボンベからの濾液を加熱せず中和した。その代わり
に、それを2倍容量の酸性化した99%イソプロピルアル
コール(23mlの5M酢酸または12mlの9.8M酢酸を含む1400
mlのイソプロピルアルコール)中で凝固させた。この方
法で精製したカードランの1%溶液は上記Aで得られた
カードランに匹敵する320と220nmの間の吸収の減少を示
した。また、この特質で作ったゲル・プラグは上記の方
法Aからのカードランと均等な水準の背景臭化エチジウ
ム染色をもっていた。
C.上記Aに示す方法をくりかえした。ただしカードラン
はただ一度だけフィルター・ボンベを通して濾過した。
えられたカードラン生成物は上記の方法Aを使用してえ
られたものと実質的に等しかった。
D.上記の方法Aをくりかえした。ただしカードラン溶液
を2回再濾過した。この物質の臭化エチジウム染色およ
びUV吸収の水準は方法Aのカードラン生成物からえられ
たものと密接に一致していた。
E.上記の方法Aをくりかえした。ただし炭酸ナトリウム
溶液をpH7.5に調節した。えられるカードラン生成物は
方法Aからの生成物と実質的に同じであった。
F.上記の方法Aをくりかえした。ただし炭酸ナトリウム
溶液をpH9.5に調節した。えられるカードラン生成物は
方法Aからえられたものと実質的に同じであった。
G.方法Aをくりかえした。ただしカードランは異なるpH
をもつ炭酸ナトリウム中で3回洗浄した(順次にpH7.
5、8.5および9.5)。えられるカードラン生成物はpH8.5
でのみ洗浄したカードランよりも僅かに低いUV吸収をも
っていた。背景汚染は匹敵するものであった。
H.方法Aをくりかえした。ただし濾液を中和するための
酸として酢酸の代わりにリン酸を使用した。えられる生
成物のUV吸収および背景汚染は上記の方法Aからの生成
物に比べて実質的に同じであった。然しH3PO4の使用は
増大した灰分含量(平均10〜13%)によって示されるよ
うに精製された生成物中の過剰な塩生成を導いた。この
方法で生成したカードランは生成物中の低い実際のガム
含量のために低いケル強度(55g/cm2)をもってい
た。
I.上記Aの方法をくりかえした。ただし5N酢酸を使用し
て炭酸ナトリウム溶液のpHを調節した。えられるカード
ランと方法Aで製造されたものとの間に相違は観察され
なかった。
J.上記の方法Aをくりかえした。ただし9.8M酢酸を使用
して炭酸ナトリウム溶液をpHを調節した。カードラン生
成物は方法Aからのものと実質的に同じであった。
K.方法Aをくりかえした。ただしフィルター助剤として
ハイフロ・スーパー・セルの代わりにセラトム・ジアト
マイトを使用した。この特定品位のフィルター助剤は方
法Aからのカードラン生成物よりもやや高い吸収スペク
トルおよび背景染色をもつカードランをもたらした。
L.方法Aをくりかえした。ただし粗カードランをNaOH溶
液中に直接とかした。ゲル形体のえられるカードラン生
成物は方法Aのカードラン生成物に比べて260nm吸収ピ
ークの25%減少をもっていた。
M.方法Aをパイロットプラントでくりかえした。ただし
a)炭酸ナトリウム溶液をHClの代わりに5M酢酸を用い
てpH8.5に調節し、b)NaCO3中での及び水中での、最初
の2つの洗浄の後に、カードラン粉末をよくあったフィ
ルターパッドの1片(マサチューセッツ州ノース・キン
シーのエム、ダブリュー エム・カンパニーのクノ・ゼ
タ・プラス・フィルターパッド)を通しての圧力濾過に
よって回収し、1のフィルター・ボンベ中で10psi
(約0.7kg/cm2)で側面を調整し、c)カードラン溶液
を1回だけナイロン濾布の層(シンシナテイ州ハムデン
のフィルトラ・スペック)を通してフィルター・ボンベ
(クノ・フィルター・パッドによって支持)中で圧力濾
過し、そしてd)加熱または中和しなかった濾液の700m
lを、23mlの5M酢酸で予め酸性化した99%イソプロピル
アルコール1400ml中で凝固させた。収率は6.678gまたは
66.8%であり、カードラン生成物の試験結果(UV吸収、
背景染色およびゲル強度)はすべて方法Aで製造したカ
ードランに匹敵するものであった。
粗カードラン2885gを使用して方法Mをくりかえし
た。実質的に純粋なカードラン2200g(78%収率)がえ
られた。
N.上記の方法はMによって製造した実質的に純粋なカー
ドランを高濃度ゲルにするとき、臭化エチジウムで染色
されたときの背景蛍光が所望よりもやや大きいというこ
とが見出された。従って、高濃度ゲルを望むときは、実
質的に純粋なカードランの精製が次の方法の1つを使用
して好ましくは行われる。
a)方法Mを使用して製造したカードランの10gを尿素
の1%溶液625mlに懸濁させた。尿素洗浄を室温で一夜
行った。カードランを次にポリエステル布を通す濾過に
よって回収し、その後に追加の350mlの尿素溶液で洗
う。次いで粉末を625mlの水に移し、1時間洗浄する。
試料を方法Mのように濾過によって回収し、追加の325m
lの水で洗う。次いでカードランを562mlの水に懸濁し62
mlの1.0N NaOHを加えることによって溶解させる。この
溶液を1回濾過する。濾液を方法Mで述べたように加熱
し、中和し、凝固させ、洗浄し、回収して乾燥する。乾
燥したカードラン(5.75g)を40メッシュ(420ミクロ
ン)のふるいを通して粉砕する。1%溶液を製造してUV
分析に供し、後に強度測定のために使用する。
b)方法Mを使用して製造したカードランの10gを上記
の方法Aに従って試験した。ただし1回の濾過のみを行
った。5.90gの収量をえたが、これも1%溶液にしてUV
分析およびゲル強度の測定に供した。
c)上記b)の方法を行った。ただし炭酸ナトリウム溶
液も1%尿素を含んでいた。6.11gの収量をえた。1%
溶液を製造してUV分析およびゲル強度測定に供した。
上記の方法に従って更に精製した実質的に純粋なカー
ドランは臭化エチジウムで染色されたとき高いゲル濃度
においてさえ非常に低い水準の背景蛍光を生じた。
UV分析およびゲル強度の結果を下記の表1に示す。
O.多数の方法を実施した。これらにおいて方法Aをくり
かえしたが、ただし炭酸ナトリウムの代わりに次の洗浄
液を使用した。
冷水 熱水 1%NaCl 0.01N酢酸 0.001MのNaOH 上記の方法のそれぞれからの生成カードラン生成物は
許容しえないものであった。260nm吸収ピークがあまり
にも高すぎたからである。
P.方法Aを行った。ただし粗カードランを直接に水酸化
ナトリウムにとかし、少量ずつを濾過工程以前に活性
炭、活性粘土、またはチトサンで別々に処理した。260n
mの吸収ピークの若干の減少がそれぞれの処理からえら
れたけれども、許容しうる生成物を生じたものはなかっ
た。
実施例2 諸性質、検査方法、および結果 ゲルの生成 一般 臨界温度中和法を使用して、塩基可溶性β−1,
3−グルカンの冷間硬化および熱間硬化の両方のゲルを
製造した。それぞれの特定の実施例を下記に示す。
冷間硬化 1%のカードランゲルの100ml容量を作る
ために、前記実施例1Aの方法によって製造した実質的に
純粋なカードランの1.0gを90mlの蒸留水に撹拌しながら
徐々に加えた。これを十分に分散させた後に、10mlの1M
−NaOHを加え、カードランが完全にとけるまで撹拌を続
けた。この溶液をマイクロウエーブ・オーブン中で簡単
に加熱して温度を55℃に上昇させた。溶液の温度を50〜
55℃に保持しながら、5M酢酸の2mlを使用して中和を行
った。この溶液を鋳型に迅速にあけてゲルにさせた。
熱間硬化 熱間硬化ゲルの100mlを作るために、冷間
硬化ゲルについてと同じ方法を行って中和溶液を製造し
た。2つの方法を使用して熱間硬化カードランゲルを製
造した。(1)液体をできるだけ55℃に近い温度に保つ
予め加温した鋳型に注入し、次いで70〜80℃の熱水浴中
で30分間加熱する、および(2)冷間硬化ゲルを製造
し、次いで加熱処理する。
UV吸収分析 カードラン溶液の紫外(UV)吸収スペクトルの決定は
DNA、タンパクおよび細胞断片のような夾雑物の存在を
示す。この精製法の効率はこの分析によって一部をモニ
タすることができる。カードランの1%溶液を0.1MのNa
OHを使用して製造した。試験溶液を10mmのUVセル(ヴイ
ダブリューアール・サイエンティフィック)に移した。
粗カードラン(東京の武田化学工業株式会社のロット#
RF08)および方法1Aからの実質的に純粋なカードランの
双方を分析した。ベックマンDU7の分光光度計を使用し
てスペクトルを得た。次のパラメーターを使用した:温
度20℃;波長320nm〜220nm;走査モード(300nm/分)。
背景を蒸留水でブランクにし、0.1NのNaOHを対照標準と
して使用した。走査トレース使用してえらばれた波長
(320、260および220nm)での正確な吸収値をえた。
1%カードラン溶液の吸収値 試料 320 260 220 粗カードラン 0.2775 0.8192 2.2482 方法1Aのカードラン 0.0725 0.1434 0.5967 ゲル・プラグ検査 1%カードランゲルの臭化エチジウム背景染色の相対
量を肉眼で検査するためにこの方法を考案した。1%
(w/v)カードラン溶液を作るために、0.25gの実質的に
純粋なカードランを22.5mlの蒸留水に懸濁させた。2.5m
lの1.0NのNaOHを加えてカードランをとかした(最終のN
aOH濃度は0.1Nであった)。このカードラン溶液を熱板
上で55℃に加熱し、撹拌しながら0.5mlの5M酢酸を加え
た。1mlの中和カードラン溶液をライニン・ピペットマ
ン(P1000)を使用して10mlのパイレックス・ビーカー
にピペットで入れ、冷却によってゲルを生成させた。ゲ
ル・プラグをスパチュラを使用して除き、次いで臭化エ
チジウム溶液(1ml当たり1マイクログラムの濃度)中
に入れた。30分の汚染後にこのゲルを蒸留水中で同じ時
間脱汚染させた。これらのゲル・プラグを次いで紫外光
(ホトダイン・モデル 3−4400)を使用して照射し
た。ホトグラフをポラロイドMP−4ランドカメラおよび
タイプ574×5ランドフィルムを用いてF4.5で1/2秒間と
った。現像時間は20秒であった。肉眼での比較を行っ
た。粗カードランは許容しえない高い消費蛍光をもって
いたが、実質的に純粋なカードランは実質的に背景蛍光
を示さなかった。
水分および灰分の分析 次いで水分および灰分の決定を行う。水分は75℃で一
夜の真空オーブン中の試料の重量損失によって決定し
た。灰分は水分決定からの試料をそれらが白色になるま
で白金ルツボ中で750℃に加熱してから残渣の重量を測
定することによって決定した。 試料 水分% 灰分% 粗カードラン 7.40 3.05 実質的に純粋なカードラン 4.44 0.38 実施例3 別の資源からのβ−1,3−グルカンに応用した精製法 実施例1Aに述べた精製法を、次の少しの変化に伴って
使用して、ウエスタン・リサーチ・センター(カナダ国
オンタリオ州)からのβ−1,3−グルカン試料を精製し
た。僅か4gの粗材料を使用したが、小容量の試剤(Na2C
O3、水、およびイソプロピルアルコール)をこれに残し
た。また、1次凝固物を回収するための遠心分離は必要
ではなく、回収はポリエステル布を通す真空濾過によっ
て行った。回収した量は2.277gまたは56.9%であった。
実施例4 部分解重合したカードランに応用した精製法 部分解重合した粗カードラン(ロット#2T−27)(20
0Kradおよび600Kradのガンマ線照射(以下に単に照射と
する)による)に応用した精製法は下記の点を除いて実
施例1Aで述べたものと実質的に同じであった。
200Krad照射粗カードランの15gを実施例1Aで述べた割
合および時間を使用してNa2CO3と水により洗浄した。洗
浄カードランを562mlの蒸留水に移し、次いで62mlの1N
−NaOHを加えた。数分間撹拌した後に、生成溶液に更に
濾過処理し、濾液を55℃で中和してから99%イソプロピ
ルアルコール(IPA)中で凝固させた。凝固物を3倍容
量の99%イソプロピルアルコール中に放置し、次いで大
きなブフナーロートを使用して密に織ったナイロン布を
通す真空濾過によって集めた。別の99%イソプロピルア
ルコール洗浄液(3倍容量)を使用して凝固物を硬化さ
せた。乾燥生成物の収率は8.669gまたは57.8%であっ
た。
実施例1Aと同様にして、より高度に照射(600Krad)
粗カードランを精製した。加熱中和の代わりに、カード
ランを酸性化したアルコール(99%IPA 600ml中5M酢酸1
0ml)中で直接に凝固させた。収率は7.450gまたは49.7
%であった。
実施例5 更なる処理のある、およびない、カオトロピン剤の効果 6M尿素を含む1%カードランゲルの製造は次のとおり
であった。103gの尿素(ミズリー州セントルイスのシグ
マ・ケミカルからのロット#48F−0235)を50mlの蒸留
水に加熱および激しい撹拌を用いて溶解することによっ
て12M尿素溶液を製造した。この尿素溶液を蒸留水を使
用して150mlしてから十分に混合した。2%精製カード
ランを、3gの実施例1Aの方法によって製造した実質的に
純粋なカードランを120mlの蒸留水に加えることによっ
て製造した。カードランをとかすために、30mlの1.0Nの
NaOHを撹拌しながら加えた。12M尿素溶液150mlを2%精
製カードラン溶液150mlに加えた。次いでこの溶液を温
和に加熱しながら数分間加熱した。マイクロウエーブ・
オーブンを使用して、この溶液を55℃の温度にし、次い
で絶えず撹拌しながら5M酢酸で中和(pH7.0)した。こ
の中和溶液を次いで2枚の小さなパイレックス3150の50
×70cmのガラス結晶皿(それぞれ150ml)に入れた。こ
の溶液を室温でゲルにした。
ゲルを4℃で2時間急冷した後にゲル強度を測定し
た。エフ・エム・シー・マリン・コロイド・ゲル・テス
ター・モデル GT−2(ペンシルバニア州フィラデルフ
ィアのエフ・フム・シー・コーポレーション)をエーエ
ヌディからのデジタル・スケール・モデルEW−3000Aと
組合せて使用して、4つのプラグの平均をゲル強度値と
して記録した。
カオトロピン剤を直接に使用して1%精製カードラン
溶液を作るとき、ゲルが次の方法によって生成する。1M
のグアニジン・イソチオシアネートゲルを含む1%の実
質的に純粋なカードランを、88.65gのグアニジン・イソ
チオシアネート(ミズリー州セントルイスのシグマ・ケ
ミカルのロット#109F−0050)を500mlの蒸留水にとか
すことによって、製造した。容量を蒸留水で675mlにし
てから数分間撹拌する。実質的に純粋なカードラン(7.
5g)を激しく撹拌しながら加える。次いで、75mlの1.0N
のNaOHを撹拌しながら簡単に加熱してカードランを完全
にとかす。マイクロウエーブ・オーブンを使用して、こ
の溶液を55℃の温度に加熱し、次いで撹拌しながら5Mの
酢酸で中和した。この溶液を直ちに5枚の小さい結晶皿
に入れ、急冷し、ゲルを変えてゲル強度を測定した。同
様にして、次のカオトロピン剤を使用してゲルを製造し
た。これらのカオトロピン剤のすべてはミズリー州セン
トルイスのシグマ・ケミカル・カンパニーからのLiCl
(ロット#88F−0048)、LiBr(ロット#48F−3442)、
LiI(ロット#78F−3517)、カリウム・チオシアネート
(ロット#10F−0507)、およびグアニジン塩酸塩(ロ
ット#40F−0040)である。
ゲルからカオトロープを除くための洗浄プロトコール 6M尿素を含む1%精製カードランゲルから尿素を除く
ために、ゲルを結晶皿から除き、4容量のビーカー中
の蒸留水2に注意深く入れた。ゲルを温和に撹拌しな
がら24時間洗浄した。この強力な洗浄後に、ゲルを小さ
い結晶皿に入れて、ゲル強度を上記のように測定した。
表2に示す他のカオトロピン剤を含む精製カードラン1
%ゲルも熱硬化の前および後に洗浄した。これらの洗浄
したゲルからのゲル強度データを表2に示す。
熱硬化の方法 上記のようにして製造した。6M尿素を含む精製カード
ランゲル(1%)を、ゲルを含む結晶皿を沸とう水浴中
に20〜30分間入れることによって、熱硬化させた。浴中
の水のレベルをゲルと同じレベルに保った。ゲルを熱硬
化させた後に、これを冷却してゲル強度を上記のように
して測定した。表2に示す他のカオトロピン剤を含む精
製カードランゲル(1%)を、洗浄によるカオトロピン
剤の除去の前および後に、熱硬化させた。これらの硬化
ゲルからのゲル強度データを表2に示す。
洗浄した冷間硬化ゲルの回収 0.25MのLiIを使用して始めに製造した、強力に洗浄し
た1%精製カードランゲルを300mlの0.1N−NaOHにとか
してカードランを回収し、増大したゲル強度がゲル構造
に固有のものであったのか又はカードランの若干の塩基
の変化が起こったのかを試験した。ゲルを塩基中に完全
に溶解させた後に、溶液をマイクロウエーブ・オーブン
中で55℃に加熱し、次いで5M酢酸で中和した。この中和
溶液を2倍容量の99%イソプロピルアルコール(900m
l)中で凝固させた。凝固物を7500rpmで10分間遠心分離
してから60%イソプロピルアルコール中で30分間洗浄
し、次いで蒸留水中で、そして最後に99%イソプロピル
アルコール中で洗浄した。それぞれの洗浄の容量は900m
lであった。凝固物をそれぞれの洗浄の間にポリエステ
ル布を通す真空濾過によって回収した。99%イソプロピ
ルアルコール洗浄の後に、凝固カードランを55℃で一夜
乾燥した。回収したカードラン0.319gを40メッシュ(42
0ミクロン)ふるいを通すトーマス・ワイリイ・ミル中
で粉砕した。回収カードランを使用して1%ゲルを製造
し、ゲル強度を測定した。結果を表2に示す。他のカオ
トロピン剤を使用して製造した他のゲルについても同じ
回収法を使用した。ゲル強度の結果を表2に示す。
上記の処方物の若干は熱硬化した熱不可逆性ゲルを形
成せず、その代わりに加熱したとき溶融し、それから冷
却したときにゲルに再硬化される、0.5MのLiBr(熱硬化
/洗浄)、1M グアニジン HCl(洗浄/熱硬化)、6M
尿素(熱硬化)、および2M グアニジン HSCN(熱硬
化/洗浄)の中で製造されたものが特にそうである。ま
た、尿素またはリチウム塩の存在で生成されたものは完
全に熱不可逆性ゲルを形成しなかった。融点は冷間「熱
硬化」ゲルを再加熱するときには完全ではなかったが、
それらは再び冷却すると再ゲル化した。
更なる処理のある又はない、粗カードランに及ぼすカオ
トロピン剤の効果 カオトロピン剤を含む1%粗カードランゲルを、洗
浄、熱硬化、および洗浄した冷間硬化ゲルを伴って又は
伴わないで、上記のように製造した。1%粗カードラン
ゲルのゲル強度データを表3に示す。
実施例6 電気泳動媒質−冷間硬化ゲルとしての精製カードランの
使用 実質的に純粋なカードランゲルの電気泳動媒質として
の諸性質を試験するために、冷間硬化ゲルをアガロース
・フレーミングゲル中で製造した。まず、シーケムLEア
ガロース(ペンシルバニア州フィラデルフィアのエフ・
エム・シー・コーポレーション)の1%(w/v)溶液
を、0.25gのアガロースを25mlの0.5×のTBEバッファー
(42.5mMのトリス塩基、49.5mMのホウ酸、1mMのEDTA〔p
H8.0〕)にとかすことによって製造した。これを使用し
て3mmの厚さのゲルをミニ・サブマリン・ゲル電気泳動
槽(ニューヨーク州アクエボーグのアクエボーグ・マシ
ン・ショップ、モデル#750)中でキャストした。ゲル
が固化した後に、3つの中間レーンを切断によって除い
た。この空間を満たすために、1%(w/v)カードラン
溶液を、0.25gの実質的に純粋なカードラン(実施例1
A)を22.5mlの蒸留水に懸濁させることによって、製造
した。この試料を2.5mlの1.0N−NaOHの添加によってと
かした。この溶液を熱板上で55℃に加熱し、次いで0.5m
lの5M酢酸で中和した。次いでこの溶液をアガロース・
フレーミング・ゲルし、冷却して固化させた。ゲルを操
作バッファーと均衡させるため、これを0.5×のTBEバッ
ファーでカバーした。バッファーを2回変えて均衡を一
夜続けた。DNA試料を入れる前に、バッファーを再び変
えた。次いでウエル、ブロムフェノールブルーをトラッ
キング染料として含むハインドIIIラムダDNA消化物の熱
処理試料の5マイクロ・リットルを入れた。60ボルト
(5V/cm)で82分間電気泳動を行った。染料がアガロー
ス中に4.5cm移動した後に、ゲルを除いて臭化エチジウ
ム溶液(1マイクロg/ml)中で35分間染色させ、次いで
蒸留水で同じ時間脱染色させた。実施例2(ゲル・プラ
グ法)で述べたようにUV光源下で試験を行いホトグラフ
にとった。強力な背景蛍光が分離核酸断片を妨害する粗
カードランから従来製造されていた類似のゲルとは対照
的に、DNA帶はすぐに容易にみることができた。また、D
NAの移動はアガロース・フレーミング・ゲル中よりも本
発明のガードラン中でかなり速かった。
粗−対−精製 第2の1%アガロースゲルを上記のようにして製造し
た。この実施例において、それぞれが2レーンからなる
2つの区域を切断した。これらのカット・アウトの1つ
に上記のように製造した精製カードラン(1%)の中和
溶液をみたした。他方のカットアウトには中和した1%
粗カードラン溶液(ロット#RF08)をみたした。全体の
ゲルを上記のように0.5×のTEBバッファー中で均衡させ
た。電気泳動と検出をすべて前記のように行った。ただ
し変性はやや短かった(75分)。DNA帶はアガロースお
よび精製カードランのゲルの両者のおいて容易にみるこ
とができたが、通常の背景のために、粗カードランを満
たしたレーンにみられるそのような帶は存在しなかっ
た。
変 性 1.第2のゲルを上記のようにして実質的に純粋なカード
ランから製造した。唯一の変化は0.5×トリスアセテー
ト EDTAバッファー〔20mMのトリス塩基、20mMのアセテ
ートおよび0.5mMのEDTA(pH8.0)〕を0.5×のTBEバッフ
ァーの代わりに使用したことがあった。0.5×のTBE中の
操作に比べてこのバッファー系を使用するDNA断片の帶
または移動に目立った相違はなかった。
2.下記に示すこと以外は上記と同じ条件を使用して、第
3のDNAの電気泳動分離を行った。この実施例におい
て、1.5%カードランゲルを使用した。好適な移動およ
びDNA帶がえられたが、結果はこの濃度におけるカード
ラン中のDNA移動が1%アガロースゲルの場合よりもや
や速かったことを示した。
3.パルス付きのフィールド勾配の電気泳動 0.5×TAEバッファー(20mMのトリス塩基、20mMのアセ
テート、1mMのEDTA〔pH8.0〕)中の1%シーケムLEアガ
ロース(ロット#62677)溶液の100mlを製造して、13.2
cmの回転ゲル装置(ニューヨーク州アクエボーグのザ・
アクエボーグ・マシン・ショップによって建てられたカ
スタム)中でゲルをキャストするのに使用した。中心レ
ーンの3つをカットして、これに6NのH3PO4で中和した
精製カードランの1%溶液を満たした。全体のゲルを0.
5×TAEバッファーでフラッディングさせて均衡化を一夜
(16hrs)行った。バッファーを変えた後に、ウエルに
シゾサッカロマイセス ポームベ ゲル プラグ(ペン
シルバニア州フィラデルフィアのエフ・エム・シーコー
ポレーション)のスライスを入れ、次いで小容量の溶融
アガロースで封をした。次の条件で20時間電気泳動を行
った:パルス時間を25分から35分に上げた;角度は105
゜であった;電圧は15アンペアにおいて1.15V/cmであっ
た;初期のバッファー温度および圧力はそれぞれ15.5℃
および8.3であった。LKB2301マクロドライブ 1(ニュー
ジャージー州ピスカタウェイのファーマシア・エルケー
ビー・バイオテクノロジー・エイビー)によって電力を
供給し、コモドア64コンピュータによってカスタムプロ
グラムを行った。ゲルを上記のように染色、染色および
可視化した。結果は、このような実質的に純粋なカード
ランゲルがパルス付きのフィールド電気泳動に好適であ
ることを示した。3つのS.ポムベ染色体がハッキリとみ
えるのに対して、アガロースはこれらの条件下で3つの
染色体のうちの2つのみが解像されたにすぎなかった。
また、染色体がアガロース・フレーミングゲルにおける
よりもカードランにおいて遠くへ移動した。
実施例7 電気泳動媒質−熱硬化ゲルとしての実質的に純粋なカー
ドランの使用 0.5×TBEバッファー中で製造した1%シーケムLEアガ
ロース(ペンシルバニア州フィラデルフィアのエフ・エ
ム・シー・コーポレーション)の溶液をプラスチック鋳
型にそそいでゲルにさせた。この鋳型はレデイキャスト
・ゲル(カルホルニア州パロアルトのチバ・コーニング
・ダイアブノスチックス・コーポレーション)からえら
れたものである。中心の4レーンを切断して除いた。次
いでこの空間に実施例1Aのようにして製造した1%カー
ドランの中和溶液を満たした。カードランを冷却してゲ
ルにした。ゲルの露出面を薄いプラスチックシートでカ
バーしてその縁にフタを付けて締着させた。全体のユニ
ットを75℃の水浴に30分間浸漬した。このユニットを浴
から除いて冷却させた。冷却後に、ゲルを除いて0.5×T
BEバッファーに入れ、一夜(16hrs)均衡化してから、
小室に入れ、新鮮なバッファーでフラッディングさせ
た。実施例6で述べたようにしてウエルにDNA試料を入
れた。分離が60ボルト(5V/cm)で80分間行われた。染
色、脱染色、および検出を実施例6で述べたようにして
行った。DNA断片の移動と分離が熱硬化カードラン挿入
子で観察された。然しながら、この熱硬化カードラン処
方物中のDNAの移動性は冷間硬化カードランゲルよりも
かなり遅く、アガロース・フレーミングゲル中で起こっ
たより遅くはないとしてもそれと均等であった。また、
カードラン中に観察された帶はやや拡散した。カードラ
ン中に目立った背景染色は観察されなかった。背景蛍光
のレベルは僅かに識別できたが、ほとんどアガロースゲ
ル中で観察された程度に低かった。
実施例8 電気泳動媒質−カオトロープ処理ゲル前駆体としての精
製カードランの使用:ゲルの収縮 6M尿素中で製造したカードランゲルは尿素が浸出また
は洗浄によって除去されるにつれて収縮する。これらの
変化を評価するために、0.4、0.6、0.8、1.0および1.2
%(w/v)の初期濃度の注意深く製造した一連のゲルを
秤量し、洗浄し次いで再秤量した。たとえば、16gの蒸
留水、0.25gの実質的に純粋なカードラン(実施例1
A)、1.78mlの1.0N−NaOH、9.01gの尿素および356マイ
クロリットルの5M酢酸を混合することによって、1%溶
液を製造した。依然として液体であるときに、この20.0
7gを透明なビーカーに入れた。冷却後に、ゲルを取り出
して重量が19.60gであることがわかった。このゲルを2
の蒸留水中でおだやかに撹拌しながら一夜(16hr)洗
浄した。水をかえてこの方法を更に2時間続けた。この
ゲルを取り出し、おだやかにふいて過剰の水を除き、そ
して再秤量した。重量は7.80gに低下し、減少な12.27g
であった。はじめのゲル中のカードランの量を計算して
0.183g(20.07/27.396(調製溶液の実際の量))×0.25
gであることがわかった。すなわち、新重量は0.183/7.8
0=2.35%によって計算することができる。ゲル片を次
いで完了に乾燥して実際の(無水)ガム含量を証明し
た。この方法を他の濃度についてくりかえし、結果を表
4に示した。
このグラフの勾配をとって、6M尿素中で製造したカー
ドランゲルの最終濃度を計算するための次の方程式をえ
た;y=0.195+2.093x、R=0.993。
カオトロープ−変性ゲルによる電気泳動 カードランゲル(0.4%の初期濃度、1.03%の最終濃
度)を製造して電気泳動媒質として使用した。0.1gの実
質的に純粋なカードランを16.1mlの蒸留水に懸濁させ
た。1.78mlの1.0N−NaOHを加えてこの試料をとかした。
9.01gの尿素(ミスリー州セントルイスのシグマ・ケミ
カル・カンパニー、ロット#48F−0235)を加えて完全
に溶解させた。この溶液を熱板上で55℃に加熱し、356
μlの5M酢酸を加えて溶液を中和した。このゲルをミニ
・サブマリン電気泳動室中で3mm厚さのゲルにキャスト
した。ゲルが形成された後に、これを取り出して2の
蒸留水中に入れて尿素を浸出さた。この方法を約60時間
の週末にかけて続けた。水を2の新しい水にとりかえ
て更に6時間放置した。この洗浄水を捨てて0.5×TBEバ
ッファーにとりかえ、ゲルを一夜均衡化した。均衡化ゲ
ルを半分に切断して、半分をミニ室に入れた。0.5×TBE
中の1%スーケムLEアガロース溶液を製造して、カード
ランゲルに隣接するミニ室中でキャストした。アガロー
スがゲル化したら、この室を新鮮なバッファーでフラッ
ディングさせた。このゲルに実施例6で述べたようにDN
Aをのせ、電流を加え、試料を60ボルト(5V/cm)で45分
間電気泳動処理した。染色、脱染色、検出および写真作
成を前述のように行った。DNA断片の可動性および移動
は尿素変性カードランにおいて非常に加促された。解像
は良好であったが、帶はアガロースにみえられる鮮明さ
を欠いていた。
変 性 1.6M尿素を含む0.75%(初期濃度、1.77%の最終濃度)
カードランゲルを上記のように製造した。ハインドIII
ラムダ消化の電気泳動を、0.5×TBEバッファー中でのカ
オトロープおよび均衡の浸出後に、このゲル中で行っ
た。操業時間は5V/cmで30分であり、過度であることが
わかった。最小の断片がミニ・ゲルから飛び出したから
である。移動速度は非常に迅速であり、実際のDNA帶は
むしろブロードであった。然し、これらは個々の帶の解
像を干渉しない。
2.上記のようにして製造した第2のゲル(0.75%/1.77
%)を25分間電気泳動処理した。7つのハインドIII λ
DNA消化物の帶はそれぞれが可視であり、強固な帶に解
像された。個々の帶の分離は1つの例外を除いて良好で
あった。2.0および2.3キロベース対の断片は識別はでき
たが良くは解像されなかった。
3.1%精製カードラン/0.5M沃化リチウムのゲルを上記と
同様に精製し、洗浄し、均衡化し、そして電気泳動処理
した。DNA断片を分離し、やや狭い帶い解像した。この
変性カードランゲル中の移動は1%アガロース・フレー
ミング・ゲル中におけるよりも僅かに速かった。
実施例9 可溶性塩の生成 30gの実質的に純粋なカードランを1の0.1N−NaOH
にとかした。この物質をマイクロウエーブ・オーブン中
で55℃に加熱し、そして2の99%イソプロピルアルコ
ール中で直接に凝固させた。中和は省略した。凝固物を
ポリエステル布を通す真空濾過によって回収した。過剰
の流体はしぼって除いた。この凝固物を次いで2の80
%イソプロピルアルコール中で30分間洗浄した。凝固物
を回収して99%イソプロピルアルコール中で硬化させ
た。回収後に、凝固物を強制熱風オーブン中で55℃で一
夜乾燥した。28.824gの乾燥物質を回収した(96%収
率)。これを#60メッシュ(250ミクロン)のふるいを
通して粉砕した。この物質1gを100mlの蒸留水に懸濁さ
せた。少しのかたまりが発見されたが、加熱すると溶液
になった。1%フェノールフタレイン(50%エタノール
中)の数滴を加え、既に55℃に加熱された溶液を5M酢酸
で滴定した。0.6mlの上記酢酸の添加後に、色の損失に
よって示される終点に到達した。この中和溶液を70×50
mmの結晶皿に入れてゲル化させた。ゲルを4℃で2時間
冷凍した。ゲル強度を上述のように分析した。30.5g/cm
2の平均値をえたが、これは中和後にえられる実質的に
純粋なカードランよりもやや低い。これは低いガム含量
によって考慮されうる。
変 性 1.NaOH中の実質的に純粋なカードランの溶液の1%溶液
を、加熱なしに、2倍容量(300ml)の99%イソプロピ
ルアルコール中で凝固させた。洗浄および乾燥(上述の
ように)後に、この方法からえられた生成物は室温の水
にも可溶であった。この物質(1%)のゲル強度は39g/
cm2であることがわかった。
2.実質的に純粋なカードランの1%溶液の4種を次の濃
度のNaOH中で生成させた:0.01N、0.05N、0.1Nおよび0.5
N。これらの4種のカードラン溶液を55℃に加熱し、2
倍容量(800ml)の99%イソプロピルアルコール中で凝
固させた。洗浄および乾燥(上記のとおり)の後にこの
方法からえられた生成物は室温の水にも可溶であった。
凝固前のカードラン溶液のpHも、水中で生成した1%の
回収カードラン塩のpH値と同様に、記録した。また水分
%、灰分含量%、およびNaイオン含量も記録した。カチ
オン含量は4種のカードラン塩(下記に示す結果)につ
いて可視であったが、狭い範囲内で一定であった。
3.精製カードランの1%溶液の4種を次のKOH濃度につ
いて上記のように生成させた:0.01N、0.05N、0.1Nおよ
び0.5N。えられたカードラン塩は室温の水に可溶であっ
た。これらの1%溶液についてpH値、ならびに水分%、
灰分%、Kイオン含量、およびゲル強度を記録した。こ
れら4種のカードラン塩生成物のカチオン含量は可視で
あったが、狭い範囲で相対的に一致していることがわか
った。
実施例10 トウル法のゲルと検査 実質的に純粋なカードランの1%溶液を、実施例9で
述べたように製造した。この非中和試料を3ミリの深さ
までミニ室に入れた。全体の室を大きな結晶皿(カルホ
ルニア州サンフランシスコのヴイダブリューアール・サ
イエンティフィックのキイマックス#2300、190×100m
m)中に入れた。ゲルを米国特許第4,012,333号に記載の
トウル法により熱硬化させた。トウル法は多糖類の塩基
性溶液をガス状の酸無水物の雰囲気にさらすことによっ
てβ−1,3−グルカンからゲルを製造する方法である。
それぞれが約50mlの試薬級氷酢酸(カルホルニア州サン
フランシスコのヴイダブリュー・サイエンティフィッ
ク)を含む2つの100mlビーカーを結晶皿に入れ、次い
でプラスチック・ラップで密封した。これを室温で24時
間放置した。氷酢酸を除き、生成した今や氷酢酸で飽和
したゲルを水でフラッディングした。このゲルを次いで
実施例6のように0.5×TBEでフラッディングし、多くの
バッファーを変えて18時間にわたって均衡させた。新鮮
なバッファーを加え、ハインドIII λDNA消化物を実施
例9、変性1に述べたように製造して入れた。電気泳動
を5V/cmで70分間行った。汚染、脱汚染、検出および写
真を実施例6に示すように行った。7つの断片の分離と
移動が、実施例で述べた冷間硬化ゲル中で起こったよう
に観察された。然し、DNAの全体の可動性は低いように
みえた。
変 性 実施例8のようにして1%の実質的に純粋なカードラ
ン/6M尿素溶液を製造した。この溶液を使用してミニ・
ゲルを、トウルおよび上記の方法によって、製造した。
ゲル化、洗浄および均衡化の後に、0.5×TBEバッファー
中の1%シーケムLEアガロースゲルを、カードランゲル
に隣接するミニ室中でキャスティングした。このゲルに
DNA試料をのせ、変性カードランゲル中で行ったような
電気泳動処理を行った。DNAの可動性はアガロース・フ
レーミング・ゲル中にみられたものと同等であり、カー
ドラン・レーンの若干に帶の染色が観察された。これは
多分、尿素または酢酸の不完全除去、またはバッファー
による不十分な均衡によるものであろう。
実施例11 誘導体 ヒドロキシエチル 25gの実質的に純粋なカードランを405gの蒸留水に室
温で加えた。45mlの1N−NaOHを加えて試料をとかした。
この溶液を熱水浴に76℃でおだやかに加えた。1MのNaOH
中の4.4MのNaBH4を含む溶液5mlを加えオーバーヘッドミ
キサーで15分間撹拌した。17gの固体NaOH(ニュージャ
ージ州フィリップスバーグのゲーカー・インコーポレー
テッド、ロット#220189)を含む溶液50mlを加え、次い
で50mlの蒸留水と10mlの2−クロロエタノール(ロット
#B17B、ニュージャージー州ロチェスターのイーストマ
ン・コダック・カンパニー)を含む混合物を10分間かけ
て徐々に加えた。溶液の温度を84℃に上げ、撹拌なしに
この温度を70分間保った。130mlの室温蒸留水を加え、
温度を84℃に下げた。8滴の消泡剤(1−オクタノー
ル)を加えて泡を減少させた。3M酢酸を徐々に加えるこ
とによって反応混合物の中和を始めた。120mlの必要容
量を加えた後に、大容量割合のゲル化溶液を捨てた。約
300mlの残存容量のアルカリ性物質を2の99%イソプ
ロピルアルコール中に直接に凝固させた。この凝固物を
ポリエステル布を通す濾過によって回収し、絞って過剰
の液を除き、次いで1の80%イソプロピルアルコール
中で30分間洗浄した。凝固物を同様に回収して1の99
%イソプロピルアルコールに20分間移した。回収後に、
試料を55℃で数時間乾燥した。試料(5.18g)を回収
し、40メッシュ(420ミクロン)ふるいを通して粉砕し
た。乾燥試料は水中によく澄け、約10のpHをもつアルカ
リ性溶液を55℃に加熱し、次いで中和したとき、冷却の
際にゲルを生成した。この挙動は実施例9の可溶性の場
合と平行であった。ヒドロキシエチル化の効果を正確に
決定するために、1.5gを135mlの蒸留水にとかし、55℃
に加熱し、次いで5Mの酢酸で中和した。中和した試料を
300mlの99%イソプロピルアルコール中で凝固させた。
微細な沈殿が生成したが、これを遠心分離(8000rpm、1
0分)によってペレットとして回収した。このプレット
を移して500mlのイソプロピルアルコール中で粉砕し
た。試料を上述のように遠心分離によって回収し、55℃
で乾燥した。69%(1.04g)の物質を回収した。この試
料の1/2gを45mlの蒸留水中で沸とうさせ、大部をとかし
た。中性pHをもつこの溶液を氷浴中で約17℃に冷却させ
て熱可逆性ゲルを生成させた。この物質は、そのゲルが
8.5M尿素の溶液(それが溶解した)に対して安定ではな
く、加熱の際に熱硬化、熱不可逆性ゲルを生成しなかっ
たという点で、非誘導化カードランとは異なっていた。
また、誘導体を用いて生成したゲルは例外的に透明であ
ったのに対して、非誘導体化カードランゲルは通常はや
や不透明であった。このカードラン誘導体の溶液ならび
にその後の溶液中には非誘導体化カードランに比べて、
著しい粘度の減少があった。これは8%濃度までのゲル
の容易な製造を可能にした。これに対して、カードラン
の4%ゲルの製造はむしろ困難であった。
変 性 1.25gの実質的に純粋なカードランを470gの23℃の蒸留
水に加えた。12MのNaOH4mlを加え、溶液を熱水浴上で79
℃に徐々に加熱した。10滴の消泡剤を加え、次いで12.5
mlの12MのNaOHを加えた。20mlの2−クロロエタノール
を50mlの蒸留水に加え、次いで反応混合物の渦中に25分
間にわたって滴下状に加えた。撹拌と加熱を60分間続け
た(最終の溶液濃度は84℃であった)。120mlの冷蒸留
水(8℃)を加え、溶液温度を64℃に冷却した。このア
ルカリ性溶液を、3M酢酸159mlで酸性化した99%イソプ
ロピルアルコール1400ml中で凝固させた。凝固物をポリ
エステル布を通す真空濾過によって回収し、絞って乾燥
し、次いで1400mlの70%イソプロピルアルコール中で30
分間洗浄した。凝固物を同様に乾燥し、55℃で18時間乾
燥した。生成物を回収し(23.45g、93.8%収率)、40メ
ッシュふるいを通して粉砕した。この生成物の1/2gを50
mlの蒸留沸とう水中で沸とうさせ、十分に溶解させた。
溶媒のpHは中性であった。冷却すると、非常に弾力のあ
る熱可逆性ゲルが生成した。誘導体(変性ジーゼル法)
は5.33%の置換度(C2H4O)を示した。ゲル化温度は54.
5℃であった。融点は1.5%ガム濃度で91℃であると決定
された。
2.他の水準の2−クロロエタノールの使用は、同様に水
溶性カードラン誘導体をもたらしたが、これは若干の特
性、主としてゲル化温度において異なっていた。
追加の実験に使用した方法は上記の第1の変性に述べ
た方法であった。たとえば、25gの精製カードランと、4
75mlの水と、4mlの14M−NaOH中の4.4MのNaBH4と、33.75
mlの12M−NaOHとの混合物に、15mlの2−クロロエタノ
ール(50ml水中)を加え、80℃の温度で60分間反応させ
た。凝固および回収は上記の変性1で述べたのと同じで
あった。乾燥物質(23.76g、95%収率)を回収し、粉砕
した。この物質は沸とう水に容易に且つ十分にとけ、そ
して冷却すると可逆的ゲルを形成した。ゲル化温度は67
℃であると決定され、融点は83℃であった。
3.10mlのクロロエタノールを使用して、変性1で述べた
変化(すなわち酸性化アルコールの使用)をくりかえし
て実験をくりかえした。この第2の10ml誘導化でえられ
た物質は沸とう水に十分には可逆性ではなかった。125
℃で25分間オートクレーブ処理したときに十分に溶解し
た。
4.同様にして(12MのNaOHの必要容量の必要な調節を行
った後に)、25gの同じカードランを12.5mlの2−クロ
ロエタノールを使用して誘導体化した。23g(92.0%収
率)を回収し、40メッシュ(420ミクロン)ふるいを通
して粉砕した。この物質は水溶性であったが、十分にと
かすためには更に広い沸とうが必要であった。ゲル化温
度および融点はそれぞれ75℃および89℃であるとそれぞ
れ決定された。
5.同様にして、12MのNaOHを再び調節して、25gのカード
ランを30mlの2−クロロエタノール試剤を使用して誘導
体化した。回収後に、22.35g(89.4%収率)のヒドロキ
シエチル物質を粉砕した。この物質も沸とう水に可溶で
あった。2%溶液は3℃に冷却しこの温度に一夜保った
とき直ちにゲル化はしなかった。融点は81.5℃であると
決定された。この物質の5%溶液は室温に冷却するとや
や強いゲルを生成した。
6.ヒドロキシエチル誘導体の製造 上記変性2に述べた方法を使用して、50gのカードラ
ンを30mlの2−クロロエタノール(0.448モル)を使用
してヒドロキシエチル化した。生成物の水分(6.97%)
および灰分含量(1.51%)ならびにゲル化温度(60〜70
%)および融点(90〜96℃)を分析した。
7.ヒドロキシエチル誘導体の製造 上記の変性1に述べた方法を使用して、50gのカード
ランを40mlの2−クロロエタノール(0.596モル)を使
用してヒドロキシエチル化した。この生成物の水分(8.
68%)、および灰分含量(1.14%)ならびにゲル化温度
(61.5〜75℃)および融点(91〜99℃)も分析した。
8.グリセリル誘導体の製造 上記の変性2の方法を使用して、50gのカードランを5
0mlのグリシドール(0.754モル)を使用して誘導体化し
た。このグリセリル誘導体の水分(7.02%)および灰分
含量(1.28%)ならびにゲル化温度(44.5℃)および融
点(88.5℃)を分析した。
9.照射カードランのヒドロキシエチル化 照射(300キロラド)した実質的に純粋なカードラン
を95mlの蒸留水に懸濁させた。これに0.8mlの4.4M−NaB
H4(14M−NaOH)を加えた。次いで7分後に3mlの12M−N
aOHおよび4滴の1−オクタノール(消泡剤)を加え
た。この混合物を75℃の水浴中で30分間加熱した。更に
20μlのNaBH4溶液を加え、次いで更に3.75mlの12M−Na
OHを加えた。3mlの2−クロロエタノールおよび10mlの
水を6分間にわたって滴下状に加えた。容器にカバーを
して60分間撹拌を続けた。最終の温度は78℃であった。
25mlの9℃の水を加えて溶液の温度を65℃に下げ、試料
を31.8mlの3M酢酸を含む2×容量の99%IPA中で凝固さ
せた。凝固物を真空濾過によって回収し、2×容量の70
%IPAに30分間移した。凝固物を再び回収し、絞って過
剰の水を除き、次いで55℃で一夜乾燥した。乾燥物質
(4.41g、または88.2%収率)を40メッシュ(420ミクロ
ン)ふるいを通して粉砕した。試料は、0.5×TBETと1
×TAEの双方のバッファーに可溶であるが、ゲル化点は
過度に高かった。ローリングホール中でのみ溶液にとど
まっている流体は熱源から除かれた時に直ちにゲル化し
始めた。
グリセリル 1.4mlの4.4M−NaBH4(14MのNaOH中)を、440mlの蒸留
水中の25gの実質的に純粋なカードランに加えた。156ml
の1.2M−NaOHを加え、次いで10滴の消泡剤を加えた。こ
の溶液を74℃に加熱し、30分間保った。15mlの蒸留水中
の12.5ml無水グリセドール(ミズリー州セントルイスの
シグマ・ケミカル・カンパニーの#24F−3437)の混合
物を反応溶液の渦の中に6分間にわたって滴下状に加え
た。反応容器にカバーをして溶液を70分間撹拌した。最
終温度は76℃であった。この溶液は氷浴中56℃に加熱
し、次いで3×容量の99%イソプロピルアルコール中で
凝固させた。このアルコールは94mlの5M酢酸で予め酸化
したものである。凝固物をポリエステル布を通す真空濾
過によって回収し、次いで絞って過剰の液を除いた。凝
固物を3×容量の88%イソプロピルアルコールに30分間
移した。凝固物を上記のように回収し、次いで55℃で20
時間乾燥して23.22g(92.9%収率)を得た。これを40メ
ッシュ(420ミクロン)ふるいを通して粉砕した。この
物質1gを90mlの蒸留水に入れ、始めに加熱なしに撹拌
し、次いで強く加熱した。水溶解は明らかでなかった。
それ故1.0N−NaOHを加えた。試料の大部分は、小さい白
色の多数の粒子を除いてとけた。この物質を55℃に加熱
し、5M酢酸で中和した。非常に弱い、粘着性のゲル(測
定しうるゲル強度なし)が冷却の際に生成し、これは加
熱の際に可逆的であることを実証した。乾燥生成物は8.
5M尿素を室温で容易にとかした。
2.実質的に純粋なカードランを使用して、および25mlの
グリシドール試剤(30mlの蒸留水中)を使用して上記の
変性をくりかえした。別の変化は、グリシドール試剤
(前NaBH4容量は4mlであった)の添加前に追加の1mlのN
aBH4溶液を加えることであった。反応時間および反応温
度は同じであった。乾燥物質(25.61g、102.4%収率)
を回収し、40メッシュ(420ミクロン)ふるいを通して
粉砕した。50ml蒸留水中のこの物質0.5gの懸濁液を加熱
して沸とうさせた。十分にとかした物質を氷浴中で冷却
すると透明な弱い粘稠ゲルを生成した。このゲルは加熱
すると溶融するので熱可逆性であった。このゲル片を6M
尿素中に入れると十分に溶解した。また、乾燥試料は室
温で8.5M尿素中に容易にとけた。
グリセロール、エチレングリコール、ブタンジオール 1.25gの実質的に純粋なカードランを440mlの蒸留水中に
懸濁させた。14MのNaOH中に1.5mlの4.4M−NaBH4を加え
た。7.5g NaOHを含む溶液156mlを加え、ビーカーにカバ
ーをして、混合物を撹拌しながら熱水浴中で75℃に加熱
した。溶液温度が80℃に達したら、カバーを除いて該物
質を71℃に冷却する。ボロハイドライドのはじめの添加
から60分後に、12.5mlのグリセロール(ロット#6276、
ニュージャージー州チェリヒルのイーエム・サイエン
ス)を15mlの蒸留水にとかしたものを滴下状に加えた。
ビーカーにカバーをつけて撹拌しながら加温した。最終
温度は78℃であった。溶液を氷浴中で60℃に冷却し、15
6mlの3M酢酸で予め酸性化した3×容量(1950ml)の99
%イソプロピルアルコール中で凝固させた。凝固物をポ
リエステル布上の濾過によって回収し、3×容量の80%
イソプロピルアルコールに20分間移した。凝固物を濾過
によって回収し、過剰の液体を絞り出し、次いで試料を
強制熱風オーブン中で18時間55℃で乾燥した。乾燥生成
物(22.07g、88.27%収率)を回収し、40メッシュ(420
ミクロン)ふるいを通して粉砕した。この物質は室温
で、または沸点で水にとけなかった。この物質は母体カ
ードランとは異なった性質を示した。処理物質は、少量
の白色小粒がとけなかったので、0.1N−NaOH中に十分に
は可溶でなかった。22.5mlの1.0N−NaOH中に0.5gをとか
すことによって2%溶液を製造した。溶液を55℃に加熱
し、2.5mlの9.8M酢酸で中和し、次いで氷浴中で冷却す
ることによってゲルを製造した。このゲルは母体カード
ランから製造したゲルよりももっと不透明でもっと白色
であった。またこのゲルは担体ゲルよりももっと脆くて
弾力がもっと小さかった。この試料のゲル強度は、母体
物質から製造した2%ゲルについての230g/cm2の値に比
べて121g/cm2であった。1%のゲル強度は28g/cm2であ
った。このゲルの小片を8.5Mの尿素に入れてカオトロピ
ン剤の安定性をチェックした。また、0.05gの粉末を8.5
M尿素の5ml中に入れたとき試料が溶解した。冷却する
と、試料は透明な弱いゲルを生成した。対照標準実験を
上記の条件をくりかえして行った。唯一の相違は反応混
合物にグリセロールを加えなかったことである。このゲ
ルから製造した1%ゲルは弱かった(24g/cm2)。乾燥
試料は8.5M尿素にはとけたが、6M尿素にはとけなかっ
た。
2.上記の変性1と同様にして、グリセロールの代わりに
1,2−ブタンジオールをグリセロールの代わりに使用し
た。25mlの蒸留水中の25ml(0.279モル)の1,2−ブタン
ジオール(ウイスコンシー州ミルウオークのアルドリッ
チ・ケミカル・カンパニー、ロット#6117KH)の混合物
を、30分間のアルカリ性活性化の後に、カードラン溶液
に加え、次に60分間加熱した。試料を前述のように凝固
させ、回収し、乾燥した。この方法で23.82gをえたが、
これは95.3%の収率を表す。この物質は水中(室温の、
及び沸とうする)に不溶であった。この物質は塩基中に
とけず、ゲルはノルマル法によって製造してからゲル強
度の試料を行った。1%ゲルについて52g/cm2のゲル強
度がえられた。同じゲルを試験してゲルが熱可逆性であ
るか、あるいは高温で加熱したとき熱硬化ゲルを生成す
るかを決定した。このゲルは、80℃の水浴に入れたと
き、溶融せずに熱硬化ゲルを形成した。このゲルのゲル
強度を試験して、それが87g/cm2であると決定された。
この物質(乾燥粉末)はまた僅かに加熱したときに8.5M
尿素に完全に溶解することがわかった。室温に冷却した
ら、96g/cm2の破壊強度をもつ不透明ゲルを生成した。6
M尿素中で試験したとき、それは加熱にもかかわらず、
室温に冷却の際に依然として弱いゲルを生成した。双方
のゲルは熱水に加熱したとき熱可逆性であった。
3.上記変性1に述べた方法を1つの変化を用いてくりか
えした。すなわち、15ml(0.269モル)のエチレングリ
コール(ニュージャージー州フィリップスバークのジェ
イ・ティ・ベーカー・ケミカル・カンパニー、ロット#
637610)を含む25mlの蒸留水の混合物を、アルカリ活性
化の後に、加えた。乾燥物質(23.82g、95.3%収率)は
水不溶性であったが、中和アルカリ性溶液から生成した
1%ゲルは、60g/cm2のゲル強度をもっていた。それは1
01g/cm2のゲル強度をもつ熱硬化ゲルを生成した。粉末
も加熱時に8.5M尿素に十分に可溶であった。それは室温
でゲルを生成しないが、冷凍すると迅速にゲルを生成し
た。加熱にもかかわらず、この物質は6M尿素に僅かに部
分的にのみ可溶であった。それは室温で弱いゲルを生成
した。
実施例12 電気泳動媒質としてのヒドロキシエチルカードランの使
用 実施例11の第1の変性において述べた方法によってえ
た物質の3gを75mlの蒸留水にとかすことによってヒドロ
キシエチルカードランの40%溶液を製造した。この溶液
をミニ・サブマリンゲル電気泳動槽に入れて冷却した。
このゲルを0.5×TAEバッファー中で90分間均衡させた。
レーンに次の種類および量のDNAをのせた。2250ngのpBR
322−Msp−I(マサチューセッツ州ビバリーのニュー・
イングランド・バイオラボラトリーズ)、1125ngのpHI
×174/HAE III(メリーランド・ゲイサースバークのベ
セスダ・リサーチ・ラボラトリーズ)および200ngのλH
ind III(メリーランド・ゲイサースバークのベセスダ
・リサーチ・ラボラトリーズ)。電気泳動を80ボルト
(6.67V/cm)で60分間行った。ブロモフェノールブルー
・トラッキング染料はゲル中を移動したが、それは非誘
導体化カードラン中ではそうではなかった。この染料の
前面は5.3cmにあった。このゲルを染色および脱染色し
たが、脱染色の時間は2倍であった。34〜1078塩基対の
範囲の寸法のDNA破片が解像された。この範囲外の断片
はこれらの条件下では検出しえないかあるいは解像され
なかった。
変 性 前処理:ナトリウム塩型の中和および回収 次の実験に使用する物質を、実施例11の方法を使用し
てえたナトリウム塩形体のカードランから誘導した。25
gのカードランを20mlの2−クロロエタノールで変性し
次いで非酸性化アルコール中で凝固させた。この塩の10
gを900mlの蒸留水にとかし、55℃に加熱し、9.8M酢酸で
中和し、次いで2×容量の99%イソプロピルアルコール
中で凝固させた。この物質は遠心分離によって回収し、
2×容量の70%イソプロパノール中で洗浄し、前のよう
に回収し、2×容量の99%イソプロパノール中で脱水
し、回収して60℃で18時間乾燥して、6.826g(68.3%)
をえた。この物質を次の実験に使用した。
1.1×TBEバッファー中の4%NuSieve 3:1 アガロース
ゲル(ペンシルバニア州フィラデルフィアのエフエムシ
ー・コーポレーション)を水平電気泳動槽(ニューヨー
ク州アクエボーグのアクエボーグ・マシン・ショップ・
モデル#850)中にキャストした。3レーンの2枚のス
トリップを切断し、ウエルは手つかずのまま残した。テ
ーパ付ビーカーに含まれる25mlの1×TBEバッファー中
で上記の物質1.5gおよび2.0gを沸とうさせることによっ
て6%および8%濃度のヒドロキシエチルカードランゲ
ルの溶液を製造した。完全に溶解した後に、これらの再
秤量し、失われた量の蒸留水を加えた。これらの溶液を
使用してカットしたレーンを満たし、冷却した。ゲルを
追加のバッファーでフラッディングし、それぞれのゲル
型の3レーンに次のDNAマーカーをつけた。1500ngおよ
び2100ngの荷重水準のpBR322−MspI、および200ngのpHI
×174/HAE III。120ボルト(3.5V/cm)を230分間加え
た。個々のゲル中の染料前面は次のとおりであった。1
1.5cm(6%カードラン)、10.3cm(8%カードラン)
および12.3cm(4%アガロース)。ゲルを30分間染色
し、一夜脱染色した。移動パターンは3種のすべてにお
いて同様であったが、可動性は4%アガロースにおいて
最も速く、8%ヒドロキシエチルカードランにおいて最
も遅かった。帶の拡散は(一夜の脱染色のために)すべ
てのゲルにおいて明らかであったが、2つのカードラン
ゲルにおいてかなり少なく、それらは依然として鮮明な
帶をもっていた。高濃度にもかかわらず、8%カードラ
ンゲルはロールして管にするに十分な柔軟性があった。
これに対してアガロースゲルは僅かに曲げただけで割れ
た。
2.カードラン誘導体の電気泳動比較 2% LEアガロース・フレーミングゲル(水平サブマ
リン室(モデル850、(ニューヨーク州アクエボーグの
アクエボーグ・マシン・ショップ)中で0.5×TBE中でキ
ャストした)を9レーンスロットホーマーを使用して実
験した。種々のカードラン誘導体の試料は3%濃度で0.
5×TBEバッファー中で製造した。試料は次のとおりであ
った。
スロット・ホーマーをフレーミング・ゲルから除き、
レーンに上記の試料を満たした。残りの3レーンには3
%LEアガロース溶液を満たした。ゲル化の後に、ゲルを
0.5×TBEバッファーでフラッディングさせ、それぞれの
レーンに4μlのφ×174HAE II(150ng/μl)をのせ
た。電圧を5V/cm(172ボルト)で110分間加えた。ゲル
を臭化エチジウムで染色させ、次いで水中で脱染色を行
った。結果は、グリセリル誘導体がふるい分けにおいて
アガロース対照標準と均等であることを示した。最初の
3つのヒドロキシエチル誘導体のふるい分け能力は置換
水準の増大につれて増大し、すべてアガロース対照標準
よりもより多くふるい分けした。然し、最後のそして最
も高度に置換されたヒドロキシエチル誘導体はふるい分
けが最も少なく、アガロースよりもふるい分けが少なか
った。
3.電気泳動媒質としてのグリセリルカードラン 1×TAEバッファー中の4%NuSieve 3:1ゲルをモデ
ル850の水平サブマリン槽(ニューヨーク州アクエボー
グのアクエボーグ・マシン・ショップ)中でキャストし
た。ゲル化の後に、6レーンをカットし、グリセリル
カードラン(Ex.11−8)の3.5%溶液を満たした。この
槽をバッファーでフラッディングし、ウエルに1、2お
よび3μl容量のpBR322 Msp I消化物(250ng/μl)を
のせた。試料を4時間3.5V/cmで電気泳動させた。上記
からわかるように、グりセリルカードランのふるい分け
能力はアガロース対照標準と非常に類似しており、それ
ぞれのマトリックス中の帶の可動性もほとんど同じであ
った。また、カードランゲルは238/242帶の対を解像す
ることができた。これに対して、アガロースゲルはそう
することができなかった。
実施例13 カードランの溶解度 緒言:カードランの溶解 溶解カオトロープを含むアルカリ性カードラン溶液
は、中和および冷却をしたときにゲルを生成するという
ことが実施例5に示された。またカードランはアルカリ
性溶液(pH10.7以上)または極性有機溶媒たとえばジ
メチルスルホキサイド(DMSO)のみとけるということも
示された。また、水溶性カードランはアルカリ性カード
ラン溶液(実施例9)をアルコール中で凝固させること
によって単離しうるか、またはカードランが好適に誘導
化される(実施例11)ならば単離しうることも示され
た。
尿素は変性タンパクおよび単一ストランドDNAへの電
気泳動に常用されているので、尿素に直接にカードラン
をとかすのが好ましい。問題は尿素が熱に不安定で、ア
ンモニアを発生し、これがカードランゾルをアルカリ性
にしてゾルを永久にゾル化させることである。この問題
の解決は温度を低く保つことである。
カードランを尿素にとかすために、そしてかたまりを
避けるために、(a)添加速度(すなわち、カードラン
の溶解)および(b)添加中の溶液の熱の増加速度と最
終温度の双方)、および(c)撹拌を伴う溶解(好まし
くはかきまぜによる)を制御すべきである。
カオトロープ中の溶解度とゲル化 予めグリセロールと反応させたカードラン(実施例1
1)の小試料(0.05g)を5mlの8.5M尿素中に懸濁させ、
温和に加熱した。試料は究極的に完全に溶解する。更
に、弱いゲルが冷却の際に生成する。これをくりかえす
努力において、0.6gの同じ物質を6Mの尿素20mlに入れて
加熱する。長い間の沸とうにもかかわらず、溶液は曇り
にとどまった。追加の乾燥尿素を加えて加熱を続けた。
カードランは完全にとけたが、過剰の尿素のために、溶
液は冷却すると結晶化した。
変 性 1.一連の実験を行って、種々のカードランの6Mおよび8.
5M尿素中の試料の溶解度を決定した。それぞれの場合
に、0.25gのカードランを25mlの溶解カオトロープ中に
懸濁させた。試料を室温で30〜45分間撹拌して、カード
ランがこの温度でとけるか否かを決定した。この時間の
後に不溶粒子が残っていれば、試料を徐々に且つ温和に
加熱し、次いで溶解が完全でなければ更に激しく加熱し
た。溶解(または部分溶解)した粒子を室温で冷却し、
そして数時間とどめる。ゲル化が起こらなければ、試料
を一夜冷凍してゲル化を再チェックした。ゲルのゲル強
度(好適に生成していた場合)、可逆性、および熱硬化
性を検査した。これらの結果の要約は下記の表5に見出
すことができるが、若干の観察をここに述べる。9個の
試料のそれぞれは8.5M尿素に可溶であったが、ほとんど
は加熱を必要とした。次いですべての試料をゲル化し
た。ただし水溶性であったもの(すなわちヒドロキシエ
チル化カードラン)およびグリシドールと反応させたも
のを除いた。6Mおよび8.5Mの尿素中で生成したすべての
ゲルは可逆性であり、熱硬化ゲルを生成しなかった。3
種の試料のみが8.5M尿素中で強固なゲルを生成した。そ
れらは粗、精製、およびエチレングリコールと反応した
カードランである。他のゲルは全く弱かった。粗カード
ランは6M尿素中で強固なゲルを生成する唯一の試料であ
った。4種の試料のみが6M尿素中に溶解したが、他のも
のは種々の程度に溶解した。1つの注目すべき例外を除
いて、すべてのゲルは不透明であった。上記の例外とは
実質的に純粋なカードランが明らかな透明ゲルを生成し
たことである。カードランは、尿素溶液が始め室温にあ
り、次いで(必要があれば)加熱された場合にのみ可溶
であった。カードランの添加前に尿素溶液を加熱(80
℃)するとき、試料はとけない。更に、それは溶解に
(及びゲル化に)使用した加熱(およびありうる冷却)
の速度、および/または程度、および/または長さが、
ゲルの強度にあたかも影響しているかのようにみえる。
2.他のカオトロピン剤中のカードランの溶解度およびゲ
ル生成能力を検査するために、0.25gの粗カードランお
よび実質的に純粋なカードラン試料を25mlの4Mグアニジ
ンイソチオシアネート(ロット#1、109F0050)(ミズ
リー州セントルイスのシグマ・ケミカル・カンパニー)
中に室温で懸濁させた。30分後に、温和な加熱をこの時
点で加え、試料を十分にとかした。室温に冷却すると、
両方の溶液が弱い全く透明なゲルを生成した。それらは
いずれも可逆性であり、熱硬化しなかった。
3.グアニジンイソチオシアネートの濃度を0.5Mにへらし
たとき、カードランは溶解するようには見えなかった。
膨潤粒子を濾過して除くと、濾液は99%イソプロピルア
ルコール中に凝固物を作らなかった。
4.1gの実質的に純粋なカードランをpH10.3の3M沃化リチ
ウム100mlに懸濁させた。これを沸点に加熱するとそれ
は十分にとけた。一部(50ml)を55℃で中和した。冷却
すると強固なゲルが迅速に生成し、ゲル強度は234g/cm2
であった。このゲルも可逆性であることがわかった。こ
の冷間硬化ゲルの一部を実施例5のように熱硬化したと
き、ゲルは溶融し、これを再度冷却したときゲルを再び
生成した。ゲル強度は280g/cm2であった。この冷間硬化
ゲルの別の部分を実施例5のように洗浄すると159g/cm2
のゲル強度をもつゲルがえられた。
5.実質的に純粋なカードランを照射(900Kラド照射量)
によって分解したものの溶解度も検査した。加熱後に、
試料は8.5M尿素には十分に溶解しなかったが、6M溶液に
は溶解しなかった。溶解試料を55℃で中和したがゲルは
生成しなかった。この溶液を透析管に入れ、2の蒸留
水中に入れたが、数時間後にゲル化した。第2の試料を
8.5M尿素にとかしたが中和しなかった。それは急冷の際
に弱い不透明ゲルを生成した。このゲルは加熱すると溶
融し次に急冷後にゲル化するので可逆性であることがわ
かった。
6.実質的に純粋なカードランの水溶性ナトリウム塩を8.
5M尿素中で溶解度とゲル化の双方について試験した。0.
25gの試料を25mlのカオトロープに入れると室温で容易
にとけた。溶液のpHはpH試験紙で示すようにpH10であ
った。試料は室温でも又は冷凍にしてもゲル化しなかっ
た。試料を55℃に加熱し数滴の5M酢酸で中和した。急冷
するとかなり透明なゲルを生成しゲル強度は52g/cm2
あった。このゲルは加熱すると十分に溶解した。
7.このような物質中にとけた及び生成したゲルからカオ
トロープを除去する効果(存在する場合)を検査するた
めに、6Mおよび8.5Mの尿素溶液に0.25gの粗カードラン
をとかすことによって2種のゲルを製造した。ビーカー
からゲルを除き、それぞれを4の蒸留水中で24時間洗
浄した。好適な急冷の後に、ゲルのゲル強度を試験し
た。6M尿素のゲルは798g/cm2のゲル強度をもっていた
が、8.5Mのゲルは922g/cm2のゲル強度をもっていた。ゲ
ルの熱安定性を決定するために、これらのゲルを沸とう
水浴に30分間入れた。これらのゲルは熱的に安定であ
り、溶融しなかった。このような試剤を配合して溶解お
よび生成させたゲルからグアニジンイソチオシアネート
を除去する効果を決定するために、0.25gの実質的に純
粋なカードランを、4Mのグアニジンイソチオシアネート
溶液(25ml)にとかすことによって、ゲルを生成させ
た。このゲルは透明で非常に粘稠性であった、それ故、
2の蒸留水中で24時間洗浄したときにビーカー中にゲ
ルが残った。蒸留水を3〜4回とりかえた。ビーカーに
残ったゲルを20時間洗浄した後に、ゲルをビーカーから
取り出して更に4時間洗浄した。好適な急冷後に、ゲル
強度は309g/cm2と測定された。このゲルを沸とう水浴中
で20分間熱硬化させたとき、ゲルは熱硬化の前に完全に
溶融した。
8.若干の条件下に、たとえばカオトローブ中での懸濁の
後に懸濁液を直接に且つ迅速に加熱するとき、恐らくこ
の物質の若干を熱間硬化に導く条件下に、8Mおよび8.5M
の尿素溶液中での実質的に純粋なカードランの部分溶解
度が観察された。この事実は、尿素溶解度にもとづく粗
分離を可能にした。51.05gの尿素(ミズリー州セントル
イスのシグマ・ケミカルからのロット#48F−0235)を7
5mlの蒸留水にとかすことによって、次いで溶液の容量
を蒸留水により100mlにすることによって8.5Mの最終モ
ル濃度を与えて、8.5M尿素溶液を製造した。pHは8.3で
あった。10gの実質的に純粋なカードランをこの8.5M尿
素溶液に加えて一定に撹拌しながら熱板上で加熱した。
ポリエステル布を使用して不溶性カードランを真空吸引
により濾過して取り出し、溶解部分を500mlのフラスコ
に集めた。尿素可溶性カードランを200mlの99%イソプ
ロピルアルコール中で凝固させた。凝固したカードラン
を7500rpmで10分間遠心分離し、99%イソプロピルアル
コール中で30分間洗浄した。凝固物をポリエステル布を
通す真空濾過によって回収し、過剰のアルコールを絞り
出した。回収後に、このカードランを55℃で一夜乾燥し
た。回収カードラン0.656gを、40メッシュ(420ミクロ
ン)ふるいを通してトーマス・ワイリイ・ミル中で粉砕
した。この回収カードランを使用して1%塩基性水溶液
を製造した。この溶液を55℃で中和し、冷却させた。然
しながら、これを冷凍したときゲルは生成しなかった。
この溶液を蒸留水(2)に対して6時間透析したと
き、弱いゲルが生成した。
9.変性ゲル電気泳動 25mlの1×TAE/7M尿素バッファー中に0.5gの実質的に
純粋なカードランを懸濁させることによって変性カード
ランゲルを製造した。このカードランを室温で10〜20分
間撹拌してから、まず温和に徐々に、究極は溶液を沸と
うさせるまで、加熱した。溶液をミニ・サブマリン槽中
でキャストして冷却させた。ゲル化したら、これをバッ
ファーでフラッディングして冷凍室中に一夜貯蔵した。
翌朝バッファーをとりかえ、ゲルを室温に加温した。λ
HIND IIIの溶液をトラッキング染料を加えた1×TAE/7M
尿素中で製造した。ウエルに5μlの又は200ngのDNAを
のせ、4V/cmを2時間加えた。染色および脱染色の後
に、DNAの移動がごく僅かあったことが観察された。3
つの最小の帶(0.56、2.0および2.3kb)が非常に明瞭で
鮮明な帶としてみられた。
10.ホルムアミド/尿素溶液中での変性カードランゲル
の製造 カードランを変性勾配電気泳動中のマトリックスとし
て使用することの可能性を検査するために、7M尿素/40
%ホルムアミド溶液中での第1カードランのゲル形成能
力を検査することが必要であった。それ故、4.20gの尿
素を3mlの脱イオン水にとかした。容量を4mlに調節
し、4mlのホルムアミドを加えて容量を10mlとし、尿素
の濃度を7Mに、ホルムアミドを40%にした。この溶液
に、0.1gの実質的に純粋なカードランを撹拌しながら加
え、十分にとけるまでおだやかに加熱した。試料を冷凍
した。その際に非常に透明で弱いゲルが生成した。広い
範囲の変性濃度中でのカードランのゲル化濃度を更に試
験するために、0.2gの実質的に純粋なカードランを3.5M
尿素/20%ホルムアミド溶液20mlに懸濁させ、とけるま
でおだやかに加熱した。室温に冷却すると不透明ゲルが
生成した。また0.05gの同じカードランを5mlの100%ホ
ルムアミド中に懸濁させ、おだやに加熱した。試料は十
分に溶解し、室温に冷却すると透明ゲルを生成した。
11.尿素中のカードランの融点とゲル化温度の決定 直接の溶解および7M尿素中でゲル化によって製造した
1%カードランゲルの融点を決定した。実質的に純粋な
カードランの0.25g試料を25mlの7M尿素にとかし、徐々
におだやかに加熱することによって溶解させた。この試
料を試験管に移し、温度計を挿入した。この試料を冷凍
室でゲル化させてから水浴に入れておだやかに加熱し
た。融点は19℃であると決定された。別の実験におい
て、臨界温度中和(CTN)法によってゲル化させた7M尿
素中の1.5%カードランケルのゲル化温度と融点も測定
した。22mlの7M尿素溶液に、0.375gの実質的に純粋なカ
ードラン、および2.5mlの1.0N−NaOHを加えた。溶解し
たら、試料を55℃に加熱し、0.5mlの5M酢酸で中和し
た。試料を試験管に入れ、ゲル化するまで冷凍した。ゲ
ルを水浴に入れておだやかにかきまぜた。十分に溶融し
たら、試料を冷却してゲル化温度をえた(15℃)。
実施例14 尿素中で生成したゲルの電気泳動 照射した実質的に純粋なカードラン(600Kラド)の1g
を25mlの8.5M尿素中に懸濁させ、10分間かきまぜた。次
いでビーカーを水浴に入れ、試料が十分にとけるまでお
だやかな熱を加えた。この溶液を脱ガスして気泡を除
き、次いでこれをサブマリン小槽中でゲルを厚さ4mmに
キャストするのに使用した。全体のユニットを1時間冷
凍した。このとき試料は強固なゲルを生成した。この小
槽とゲルを2の蒸留水に浸漬し、尿素を15時間洗い落
とした。水を変えてゲルを更に2時間洗浄した。8レー
ンのゲルを半分に切り、そのうちの1つを小槽に入れ
た。1×TBEバッファー中の4%NuSieve アガロースゲ
ル(3/1のブレンド)をカードラン挿入のまわりに注入
した。次いでこのゲルを1×TBEバッファーでフラッデ
ィングさせ、2時間均衡させた。カードラン・レーンに
pBR322 MspI 消化物およびpHIX174Hae III DNA消化物の
450ng試料および600ng試料をのせた。これらの試料を60
ボルト(4.28V/cm)で80分間電気泳動した。アガロース
中のトラッキング染料の前面は5.2cmであった。それは
カードラン中では移動しなかった。ゲルを臭化エチジウ
ム(1μg/ml)中で15分間染色させ、水で洗い、次いで
15分間脱染色した。ゲルをUV光のもとで検査し、写真に
とった。写真の分析は、10塩基対だけ異なるDNA断片の
良好な分離と解像を示した。移動速度を含めて全体の結
果はアガロース・ゲルに匹敵した。
実施例15 部分解重合カードラン ガンマ照射 200Kラド照射物質についての1%および5%における
部分解重合粗カードランゲルの製造は、0.5M−NaOHを使
用して照射粗カードランをとかした以外は、実施例2と
実質的に同じてあった。55℃でカードラン溶液を中和す
るのに使用する5M酢酸を55℃に予熱した。200Kラドで処
理した粗カードランは、5%濃度において、中和後直ち
にゲル化が起こる。ゲル強度は照射カードランの濃度の
増大につれて増大し、1%照射粗カードランにおいて57
g/cm2、5%照射粗カードランにおいて614g/cm2であっ
た。
変 性 1.粗カードランを600Kラドのガンマ線照射で処理した以
外は上記と同じである。解重合の増大(600Kラド)の増
大につれて、ゲル強度は減少する。600Kラドで処理した
粗カードランを使用して作った1%ゲルについて、ゲル
強度は12g/cm2であり、5%ゲルでは346g/cm2であっ
た。
2.200Kラドおよび600Kラドのガンマ線照射によって処理
した粗カードランを実施例4のように精製した以外は上
記と同じである。ゲルを1%〜4%で生成させ下記に示
すゲル強度をえた。
照射した実質的に純粋なカードランのゲル強度 %カードラン 200krad(g/cm2 600krad(g/cm2 1 45 24 2 195 53 3 253 97 4 424 照射ヒドロキシエチル化カードランを用いる電気泳動 実施例11−6で製造したヒドロキシエチル化カードラ
ンを600Kラド水準で照射した。1×TBE中で4% NuSiev
e 3:1ゲルを小室中でキャストした。3つの中心レーン
を除いてこれに照射ヒドロキシエチル化カードランの6
%溶液を満たした。溶液の粘度は低く、ゲル化温度は依
然として高い(72℃)けれども実施例11−9のヒドロ
キシエチル化照射物質よりもずっと良好であった。カー
ドラン・ウエルには600、900および1200ng量のpBR322 M
sp Iをのせたが、アガロース・ウエルには900ngをのせ
た。60ボルトを135分間加えることによって試料を電気
泳動処理した。染色および脱染色の後に、ゲルを検査し
た。DNA可動性はアガロース中よりもカードランゲルに
おいて顕著に遅れた。解像は良好で、帶の鮮明さは、特
に大きな断片(>140bp)について、良好であった。カ
ードランゲルはまた取扱い特性において非常にすぐてい
た。
天然カードランのふるい分けに及ぼす照射水準の効果 2%LEアガロース・フレーミングゲル(0.5×TAE中
の)をモデル850の水平サブマリン室に入れた。スロッ
トホーマーを使用して9レーンを作った。これらのレー
ンに2%カードランの中和溶液を満たした。それぞれは
異なった水準の照射(50〜900Kラド)を受けた。追加の
レーンに天然カードランおよび2%LEアガロースを満た
した。次いでゲルをバッファーでフラッディングし、ウ
エルに150ng/μlのHind III λ DNAの3μlを入れ、
最後に140ボルトで2時間電気泳動処理した。ゲルを前
述のように染色および脱染色した。断片の可動性をゲル
のそれぞれについて測定した。
900Kラド照射カードランゲル中の帶は染色されていて
測定できなかった。
3.ゲルを実施例5のように熱硬化した以外は上記の変性
2と同じ。これらのゲルのゲル強度はゲルを熱硬化させ
ることによって増大した。下記の結果を参照されたい。%カードラン 200krad(g/cm2 600krad(g/cm2 1 58 46 2 239 118 3 381 124 4 815 4.ゲルが実施例5のようにカオトロピン剤を含んでいた
以外は上記の変性2と同じ。これらのゲルのゲル強度は
更なる処理のある又はないカオトロピン剤の添加により
増大する。下記の結果を参照されたい。
5.ガンマ照射量を変えて処理した実質的に純粋なカード
ランについて1%冷間硬化ゲルを実施例2のようにして
製造した。中和前の0.1N−NaOH中の1%溶液の粘度をブ
ルークフィールド・デジタル粘度計を使用して250ml容
量のビーカー中で測定した。粘度の記録した後に、塩基
性カードラン溶液を次いで中和して冷間硬化ゲルを実施
例2のように製造した。センチポイズ(cps)で測定し
た粘度、および照射した実質的に純粋なカードランのゲ
ル強度は、下記の結果にみられるように照射水準の増大
につれて減少した。センチポイズ(cps)はミレパスカ
ル(mPas)にほぼ等しい。
照射カードランゲルを用いる電気泳動 実施例4で述べたように精製した照射粗カードランの
電気泳動性を検査するために、1%アガロースゲルを0.
5×TAE中で製造し、3レーンを実施例6のように除い
た。この空間に200Kラドで処理した粗カードランの1%
溶液(w/v)を満たし、次いで精製し、0.2gを10mlの蒸
留水に懸濁させることによってゾルを生成させ、10mlの
1.0N−NaOHを加えることによってゾルをとかし、この溶
液を熱板上で55℃に加熱し、その後に1mlの5M酢酸で中
和した。この溶液をアガロース・フレーミングゲルに迅
速に入れて冷却し固化させた。このゲルを、Hind III
λ DNA消化物およびトラッキング染料としてブロモフェ
ノールブルーの試料で均衡化し接種した。その後に実施
例6のようにして電気泳動を行った。電気泳動は60ボル
ト(5V/cm)で70分間行った。照射カードラン中のDNAの
移動はアガロース・フレーミングゲルにおいてよりもカ
ードラン中においてかなり速かった。
酸加水分解 0.5mlの5M−HClを49.5mlの蒸留水に加えることによっ
て0.05MのHCl溶液を製造した。これに、2.5gの実質的に
純粋なカードランを加えた。この溶液を50℃の水浴中で
加熱しながらオーバーヘッド撹拌器でかきまぜた。8gの
試料をこのカードラン・スラリから、0、30、60、90
分、および6時間において除いた。カードラン・スラリ
のそれぞれ8gの試料に、45mlの蒸留水を加え、次いで5m
lの1.0N−NaOHを加えてカードランをとかした。塩基の
カードラン溶液の8mlを取り出して、ブルークフィール
ド・デジタル粘度計(マサチューセッツ州スタフトンの
ブルークフィールド・エンジニアリング・ラボラトリー
ズ)の小試料アダプターを使用して粘度を測定した。残
存カードラン溶液を55℃に加熱し、5M酢酸で中和した。
粘度およびゲル強度を下記に示す。対照標準は、0.25g
の実質的に純粋なカードランを22.5mlの蒸留水にとかし
これに2.5mlの1.0N−NaOHを加えることによって製造し
た。この溶液も中和して冷却時にゲルを生成させた。熱
間硬化ゲルは沸とう水浴中に20分間入れることによって
製造した。
全く予想外なことに、粘度は減少するよりもむしろ増
大する、ということに注目するとは興味あることであ
る。このことは分解よりもむしろ可能な重合を示すもの
である。上記の実験を沸とう水浴中で行ったとき、すべ
ての生成物は不溶性であった。
実施例16 溶解度の研究(pH効果) 蒸留水中の1%炭酸塩溶液(1g/100ml)を製造した。
12Nおよび1Nの塩酸の添加によってこの溶液をpHを10.3
に調節した。この溶液に、1.0の実質的に純粋なカード
ランを加えた。絶えずかきまぜながら熱板上でおだやか
に撹拌したとき、カードランは完全にとけた。この熱カ
ードラン溶液のpHは10.7であった。次いでこの溶液を55
℃に冷却し、5M酢酸で中和した。室温で徐々に冷却した
ときゲルが生成した。次いでこのゲルを冷凍室に2時間
入れた。ゲルは弾力のある構造をもっており93g/cm2
ゲル強度があった。このゲルを実施例5におけるように
熱硬化させたとき、このゲルは加熱硬化前に溶融しなか
った。
変 性 1.1%炭酸ナトリウム溶液を上記のように製造し、pHを1
0.0に調節した。上記カードランの1gは一定の熱を加え
て2時間撹拌した後に完全にはとけなかった。
2.1%炭酸ナトリウム溶液を上記のように製造し、pHを1
0.5に調節した。上記カードランの1gはおだやかな加熱
と撹拌によりとけた。このカードラン溶液を55℃に加熱
し上記のように中和した。ゲルは弾力性があり、118g/c
m2のゲル強度をもっていた。このゲルは熱硬化したとき
完全には溶融せず、148g/cm2のゲル強度をもっていた。
3.上記カードランの2gを199mlの蒸留水に懸濁させ、1ml
の1.0N−NaOHを加えて、たえず撹拌しながらおだやかに
加熱してこのカードランをとかすことによって0.005N−
NaOH中の1%カードラン溶液を製造した。カードランは
15分以内にとけ、溶液は11.01のpHをもっていた。次い
でこの溶液を55℃に加熱し、5M酢酸で中和した。冷却す
ると91g/cm2のゲル強度をもつゲルが生成した。
実施例17 共処理: ローカスト・ビームガム/カードラン 透明化されたローカスト・ビーンガム(CLBG)とカー
ドランとの1:1溶液を、CLBGと実質的に純粋なカードラ
ンとの2%溶液(200ml)を使用して、400mlの最終容量
中にそれぞれ1%の最終ガム含量を与えるようにして製
造した。2%CLBG溶液は、沸とうまで加熱した蒸留水が
200ml中に4gCLBG(ロット#B2154)をとかすことによっ
て製造した。2%カードラン溶液も4gの実質的に純粋な
カードランを180mlの蒸留水に懸濁させ、20mlの1.0N−N
aOHを加え、加熱してこのカードランをとかすことによ
って製造した。上記の2つの溶液を混合して55℃に冷却
させた。この混合物から、200mlをとって5M酢酸で中和
した。冷却すると、49g/cm2のゲル強度をもつゲルが生
成した。このゲルを沸とう水浴中で20分間熱硬化したと
き、ゲルは熱硬化前に溶融しなかった。CLBGとカードラ
ン混合物の残った200mlのうちの100ml部分を55℃に加熱
し、200mlの99%イソプロピルアルコール中で直接に凝
固させた。凝固物を真空濾過によってポリエステル布上
に回収し、200mlの80%イソプロピルアルコール中で洗
い、200mlの99%イソプロピルアルコール中で硬化さ
せ、再び凝固物を真空濾過による洗浄間に回収した。回
収凝固物を絞って過剰アルコールを除き、そして55℃で
一夜乾燥した。回収した乾燥生成物(1.463g)を40メッ
シュ(420ミクロン)ふるいを通して粉砕した。この共
処理した生成物を100mlの蒸留水中で加熱沸とうにより
とかした。この溶液のpHは10.7であった。55℃で5M酢酸
により中和してから冷却した後にゲルが生成した。この
ゲルのゲル強度は非常に弱く9g/cm2であった。このゲル
を上記のように熱硬化させたとき、ゲルは熱硬化前には
溶融せず、ゲル強度は13g/cm2であった。残りの100mlの
CLBG−カードラン混合物を99%イソプロピルアルコール
中での凝固前に55℃で中和した。凝固物を上記のように
55℃で洗浄および乾燥した。回収した共処理物質の質量
は1.836gであった。この共処理した物質の1%溶液は加
熱してさえ蒸留水または1N−NaOHにとけなかった。
アルギン酸塩/カードラン アルギン酸ナトリウムおよびカードランを使用して1:
1のアルギン酸ナトリウムとカードランの溶液を製造し
て1%の最終ガム含量および400mlの全容量をえた。4g
のアルギン酸ナトリウム(ロット#140430)を200mlの
蒸留水にとかし、次いで加熱沸とうさせることによって
2%アルギン酸塩溶液を製造した。2%カードラン溶液
も4gの実質的に純粋なカードランを180mlの蒸留水に懸
濁させ、20mlの1.0N−NaOHを加え、次いで加熱してカー
ドランをとかすことによって製造した。これら2つの溶
液を迅速にかきまぜながら混合した。この混合物(200m
l)の一部をとって55℃に冷却してから5M酢酸で中和し
た。室温で冷却するとゲルが生成した。冷凍室で2時間
急冷後に、ゲル強度を測定して55g/cm2であることがわ
かった。このゲルを沸とう水浴中で20分間熱硬化させた
ところ、ゲルの溶融と再生成がえられた。冷却したと
き、134g/cm2のゲル強度が観察された。アルギネートと
カードランの混合物を残存する200ml部分を55℃に冷却
し、400mlの99%イソプロピルアルコール(2×容量)
中で凝固させた。凝固物を7500rpmで10分間の遠心分離
によって回収した。上澄み液を回収し、ペレットを2×
容量の80%イソプロピルアルコール(400ml)中で45分
間洗った。凝固物を真空濾過によりポリエステル布上に
回収した。過剰のアルコールを絞りによって除いた。凝
固物を2×容量の99%イソプロピルアルコール中で硬化
させ上記のように回収し、絞って過剰アルコールを除
き、55℃で一夜乾燥した。回収した乾燥生成物(3.55
g)を40メッシュ(420ミクロン)のふるいを通して粉砕
した。このアルギネートとカードランの共処理物質を2
2.5mlに懸濁させたところ、加熱後でさえ水に不溶であ
ることがわかった。この懸濁液に2.5mlの1.N−NaOHを加
えた後に、たえず撹拌しながら加熱しても依然として溶
解しなかった。
共処理した組成物にはいくつかの利点がある。共処理
は(a)(ゾルの)粘度;(b)(ゲルの)強度;およ
び(ゾルとゲル双方の)レオロジーを変える。これらの
変化は共処理したゾルまたはゲルを、β−1,3−グルカ
ン多糖類それ自体を使用することによってた遭遇しえな
い特定ユーザーの要件に適合させる。
上記の実施例は本発明の実質的に純粋なカードランの
製造を説明するものである。このカードランの透明な1
重量%水性ゾルは、臭化エチジウムで染色されたときに
背景蛍光を実質的に示さず、それは260nmにおいて実質
的に基線UV吸収をもつ。このカードランは0.5〜4.0重量
%のカードランを含みうる水性ゲルの形体にありうる。
純粋なカードランを含む水性ゲルは任意に少なくとも1
種のカオトロピン剤をゲル中に含むことができ、このカ
オトロピン剤はゲルの生成中に存在させることができ、
そして実質的に除去される。該カオトロピン剤は尿素、
臭化リチウム、沃化リチウム、またはグアニジニウム、
イソチオシアネートの少なくとも1つである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スノー,ウィリアム シー アメリカ合衆国メイン州 04841 ロッ クランド ブリュースター ストリート 6 (72)発明者 カーティス,フォナー ピー アメリカ合衆国メイン州 04841 ロッ クランド バークレイ ストリート 10 (56)参考文献 特開 昭48−75792(JP,A) 特開 昭62−30102(JP,A) 特開 平3−163102(JP,A) 特公 昭51−36359(JP,B2)

Claims (45)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】その1重量%水性ゾルが透明であり、その
    ゲルが臭化エチジウムで染色されたとき背景蛍光を実質
    的に示さず、そしてそれが260nmにおいて実質的に基線U
    V吸収をもつ実質的に純粋なカードランからなるβ−1,3
    −グルカン多糖類。
  2. 【請求項2】水性ゲルの形体の請求項1記載の実質的に
    純粋なカードランからなるβ−1,3−グルカン多糖類。
  3. 【請求項3】0.5〜4重量%のカードランがその中に存
    在する請求項2記載の水性ゲル。
  4. 【請求項4】その1重量%水性ゾルが透明であり、その
    ゲルが臭化エチジウムで染色されたとき背景蛍光を実質
    的に示さず、そしてそれが260nmにおいて実質的に基線U
    V吸収をもつ実質的に純粋なカードランからなるβ−1,3
    −グルカン多糖類を製造する方法であり、次の連続工程
    すなわち、 (a) 固体の粗カードランからなるβ−1,3−グルカ
    ン多糖類を、該多糖類に存在する電荷を帯びた夾雑物と
    反応させるに十分な然し固体の多糖類をとかさない十分
    な低さのpHをもつアルカリ金属炭酸塩水溶液の有効量と
    接触させることによって該固体の粗カードランからなる
    β−1,3−グルカン多糖類を部分的に精製し、そしてこ
    の部分精製した固体の多糖類を取り出し、 (b) この部分精製した固体の多糖類を、固体−多糖
    類−溶解−有効量のアルカリ水酸化物水溶液にとかすこ
    とによってこれを更に精製し、そして残存する固体夾雑
    物を多糖類溶液から除去し、 (c) この更に精製した溶解多糖類を、 (i) 該溶液を50〜60℃に加熱し、 (ii) この加熱した溶液を3〜10のpHに中和し、 (iii) 凝固−有効量の水混和性有機溶媒を加えるこ
    とによって溶液からカードランからなるβ−1,3−グル
    カンを凝固させ、そして (iv) この凝固した実質的に純粋なカードランからな
    るβ−1,3−グルカンを流体から取り出す、 ことによって実質的に精製する、 連続工程を特徴とする実質的に純粋なカードランからな
    るβ−1,3−グルカン多糖類を製造する方法。
  5. 【請求項5】水性アルカリ金属炭酸塩が約1〜10重量%
    の溶液である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】アルカリ金属炭酸塩が炭酸ナトリウムであ
    る請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】アルカリ金属炭酸塩の水溶液を7.0〜9.5の
    pHに保つ請求項4記載の方法。
  8. 【請求項8】pHが約7である請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウム
    である請求項4記載の方法。
  10. 【請求項10】アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウ
    ムである請求項5記載の方法。
  11. 【請求項11】アルカリ金属水酸化物が0.01N〜1.0Nの
    水溶液である請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】水混和性有機溶媒がイソプロピルアルコ
    ールである請求項4記載の方法。
  13. 【請求項13】部分精製工程においてアルカリ金属炭酸
    塩が0.1〜10重量%水溶液であって7.0〜9.5のpHにあ
    り、更なる精製工程においてアルカリ金属水酸化物が0.
    01N〜1.0Nの水溶液であり、そして実質的な精製工程に
    おいてpHが7.0であり水混和性有機溶媒がイソプロピル
    アルコールである請求項4記載の方法。
  14. 【請求項14】その1重量%水性ゾルが透明であり、そ
    のゲルが臭化エチジウムで染色されたとき背景蛍光を実
    質的に示さず、そしてそれが260nmにおいて実質的に基
    線UV吸収をもつ実質的に純粋なカードランからなるβ−
    1,3−グルカン多糖類の水溶性アルカリ金属塩。
  15. 【請求項15】アルカリ金属塩がナトリウム塩である請
    求項14記載の塩。
  16. 【請求項16】その置換度が0.01〜0.10であり、そして
    そのヒドロキシアルキル部分が透明ゲルであり臭化エチ
    ジウムで染色されたとき背景蛍光を実質的に示さず且つ
    260nmにおいて実質的に基線UV吸収を示すゲル形成性ゾ
    ルを与えるC2-4モノヒドロキシアルキルまたはC3-4ジヒ
    ドロキシアルキルであることを特徴とする実質的に純粋
    なヒドロキシアルキル化カードランからなるβ−1,3−
    グルカン多糖類。
  17. 【請求項17】それがヒドロキシエチルカードランであ
    る請求項16記載のヒドロキシアルキル化多糖類。
  18. 【請求項18】それがグリセリルカードランである請求
    項16記載のヒドロキシアルキル化多糖類。
  19. 【請求項19】それが約0.5〜10重量%の多糖類を含む
    水性ゲルの形体にある請求項16記載の実質的に純粋なヒ
    ドロキシアルキル化カードランからなるβ−1,3−グル
    カン多糖類。
  20. 【請求項20】それが水性ゲルの形体にある請求項16記
    載のヒドロキシアルキル化カードラン。
  21. 【請求項21】部分的に解重合した実質的に純粋なカー
    ドランからなるβ−1,3−グルカン多糖類。
  22. 【請求項22】部分的に解重合した実質的に純粋なヒド
    ロキシアルキル化カードランからなるβ−1,3−グルカ
    ン多糖類。
  23. 【請求項23】ヒドロキシアルキル部分がグリセリルで
    ある請求項22記載のヒドロキシアルキル化カードラン。
  24. 【請求項24】(a)10〜90重量部の、実質的に純粋な
    カードランからなるβ−1,3−グルカン、実質的に純粋
    なヒドロキシアルキル化カードランからなるβ−1,3−
    グルカン、部分的に解重合した実質的に純粋なカードラ
    ンからなるβ−1,3−グルカン、またはそれらのヒドロ
    キシアルキル化誘導体、の少なくとも1種、および
    (b)100重量部までの残部の、少なくとも1種の上記
    以外のヒドロコロイド、から成ることを特徴とする共処
    理されたヒドロコロイド組成物。
  25. 【請求項25】成分(a)の50〜90重量部が存在する請
    求項24記載の組成物。
  26. 【請求項26】成分(b)がアガロース、アガロース誘
    導体、透明にされたローカストビーンガム、アルギン酸
    ナトリウム、またはデンプンである請求項24または25記
    載の組成物。
  27. 【請求項27】成分(a)が実質的に純粋なカードラン
    である請求項26記載の組成物。
  28. 【請求項28】(a)10〜90重量部の、実質的に純粋な
    カードランからなるβ−1,3−グルカン、実質的に純粋
    なヒドロキシアルキル化カードランからなるβ−1,3−
    グルカン、部分的に解重合した実質的に純粋なカードラ
    ンからなるβ−1,3−グルカン、またはそれらのヒドロ
    キシアルキル化誘導体、の少なくとも1種、および
    (b)100重量部までの残部の、少なくとも1種の上記
    以外のヒドロコロイド、から成る共処理されたヒドロコ
    ロイド組成物の0.5〜10重量%を含むことを特徴とする
    水性ゲル。
  29. 【請求項29】成分(b)が透明にされたローカストビ
    ーンガムである請求項28記載の水性ゲル。
  30. 【請求項30】(a) カオトロピン塩の20〜80重量%
    水溶液を少なくとも1種の実質的に純粋なカードランか
    らなるβ−1,3−グルカン多糖類の0.5〜10重量%水性ゾ
    ルと混合し; (b) この混合物を均一なゾルが生成するまで加熱
    し;そして (c) この加熱混合物を冷却してゲルを生成させる ことを特徴とする実質的に純粋なカードランからなるβ
    −1,3−グルカン多糖類を含む水性ゲルを製造する方
    法。
  31. 【請求項31】水でくりかえし洗うことによってゲルか
    らカオトロピン剤を除去する請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】カードランからなるβ−1,3−グルカン
    多糖類が実質的に純粋でありガンマ線照射を施し又は施
    していないもの;0.01〜10の置換度をもつそのヒドロキ
    シル化誘導体;または上記のいずれかと少なくとも1種
    の他のヒドロコロイドとの共処理混合物である請求項30
    または31記載の方法。
  33. 【請求項33】カオトロピン剤が尿素、臭化リチウム、
    沃化リチウム、またはグアニジニウムイソチオシアネー
    オである請求項30または31記載の方法。
  34. 【請求項34】(a) カトトロピン塩の20〜80重量%
    水溶液を少なくとも1種の実質的に純粋なカードランか
    らなるβ−1,3−グルカン多糖類の0.5〜10重量%水性ゾ
    ルと混合し; (b) この混合物を均一なゾルが生成するまで加熱
    し;そして (c) この加熱混合物を冷却してゲルを生成させる ことからなる実質的に純粋なカードランからなるβ−1,
    3−グルカン多糖類を含む水性ゲルを製造する方法。
  35. 【請求項35】DNA,RNA,またはそれらの断片のゲル電気
    泳動分離の方法であって、ゲルがガンマ線照射を施され
    または施されていない実質的に純粋なカードランからな
    るβ−1,3−グルカン多糖類、ここで実質的に純粋なカ
    ードランからなるβ−1,3−グルカン多糖類はその1重
    量%水性ゾルが透明であり、そのゲルが臭化エチジウム
    で染色されたとき背景蛍光を実質的に示さず、そしてそ
    れが260nmにおいて実質的に基線UV吸収をもつ実質的に
    純粋なカードランからなるβ−1,3−グルカン多糖類で
    あり、またはそのヒドロキシアルキル化誘導体、または
    上記の1つと別の異なったヒドロコロイドとの共処理組
    成物であり、そしてゲルが任意にカオトロピン剤を含む
    か又はカオトロピン剤の存在下に製造されこのカオトロ
    ピン剤がその後にゲルから除去されたものであることを
    特徴とする方法。
  36. 【請求項36】その1重量%水性ゾルが透明であり、そ
    のゲルが臭化エチジウムで染色されたとき背景蛍光を実
    質的に示さず、そしてそれが260nmにおいて実質的に基
    線UV吸収をもつ、ことを特徴とする実質的に純粋なカー
    ドラン。
  37. 【請求項37】水性ゲルの形体にある請求項36記載のカ
    ードラン。
  38. 【請求項38】0.5〜4.0重量%のカードランが存在する
    請求項37記載の水性ゲル。
  39. 【請求項39】少なくとも1種のカオトロピン剤がゲル
    中にさらに存在する請求項37記載の水性ゲル。
  40. 【請求項40】少なくとも1種のカオトロピン剤がゲル
    生成中に存在し、そしてその後に実質的に除去される請
    求項37記載の水性ゲル。
  41. 【請求項41】カオトロピン剤が尿素、臭化リチウム、
    沃化リチウム、またはグアニジニウムイソチオシアネー
    トのうちの少なくとも1つである請求項39または40記載
    の水性ゲル。
  42. 【請求項42】請求項31記載の方法の生成物である水性
    ゲル。
  43. 【請求項43】請求項32記載の方法の生成物である水性
    ゲル。
  44. 【請求項44】請求項30記載の方法の生成物である水性
    ゲル。
  45. 【請求項45】請求項36記載の方法の生成物である水性
    ゲル。
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