JP2626977B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、遊技領域内に遊技球を弾発して遊技を行う
弾球遊技機に関し、詳しくは、特別遊技状態の発生にと
もない遊技者に与える利益を段階的に拡大するようにし
た遊技機、主としてパチンコ球を用いた弾球遊技機に関
する。

（従来の技術とその問題点） 従来、パチンコ球を用いた遊技機、例えば、パチンコ
機等にあっては、その遊技領域に配設されるチューリッ
プやチャッカなどの入賞装置は略一定個数の打球を受け
入れるだけであり、一つの入賞装置から他の入賞装置へ
の連動に関しては、工夫が凝らされているものの今一つ
十分ではなかった。

本発明は、特別遊技状態の発生にともない遊技者に与
える利益を段階的に拡大するように構成した興趣性に富
んだ遊技機の提供を目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上記目的を達成するため、 遊技領域内に遊技球を弾発して遊技を行う弾球遊技機
において、 一定の遊技条件が成立したときに特別遊技状態を発生
可能な遊技装置（例えば、可変表示装置３）と、 上記遊技装置からの特別遊技発生信号に基づいて、遊
技者にとって不利な第１状態から遊技者にとって有利な
第２状態へ変換可能な第１の変動入賞装置（21）と、 上記第１の変動入賞装置に入賞した遊技球を検出する
入賞球検出手段（カウント検出器SW4）と、 上記入賞球検出手段の検出信号を記憶する入賞球記憶
手段（記憶個数:SW4カウンタ）と、 上記入賞球記憶手段の記憶値に基づいて、遊技者にと
って不利な第１状態から遊技者にとって有利な第２状態
へ変換可能な第２の変動入賞装置（22）と、 上記入賞球記憶手段の記憶値に関連して、上記第２の
変動入賞装置を遊技者にとって有利な第２状態へ変換可
能な回数を可視表示する変換可能回数表示手段（記憶球
表示手段39）と、を備えたことを特徴とする。

（作用） 本発明によれば、遊技装置が特別遊技状態となったと
き、遊技装置の特別遊技発生信号に基づいて、第１の変
動入賞装置が遊技者に有利な第２状態に変換し、第２状
態に変換した第１の変動入賞装置への入賞球を入賞球検
出手段で検出して入賞球記憶手段に記憶させておき、こ
の記憶値に基づいて、例えば、相応する入賞球数分だ
け、第２の変動入賞装置を遊技者にとって有利な第２状
態へと変換され、 同時に、変換可能数表示手段により第２の変動入賞装
置の第２状態への変換可能回数が報知される。

（実施例） 以下、本発明の弾球遊技機を図示のパチンコ遊技機の
実施例に基づいて説明する。

第１図に於て、遊技盤１のガイドレール２により区画
された遊技領域1Aのほぼ中央には、一定の遊技条件が成
立したときに特別遊技状態を発生可能な遊技装置として
の可変表示装置３を配設してある。

この遊技装置としての可変表示装置３は、一定のゲー
ム結果即ち、特別遊技状態を発生させる一定の遊技条件
の成立により特別遊技発生信号を出力するいわゆる権利
発生手段である。

この可変表示装置３の下方には後述する変動入賞装置
ユニット４が配置されている。

この遊技装置としての可変表示装置３の左右には第１
特定入賞口７、第２特定入賞口８が配置され、可変表示
装置３と変動入賞装置ユニット４との間には第３特定入
賞口９が配置されている。

これらの特定入賞口７、８、９にはそれぞれ作動検出
器SW1、SW2、SW3が所属している。

尚、遊技領域1A内には、この外にも、一般入賞装置
５、６や風車や誘導釘やアウト穴等が設けてある。

遊技装置としての可変表示装置 第１図及び第２図に於て、遊技装置としての可変表示
装置３は、取付基板10のほぼ中央に鎧部枠12を有し、該
鎧部枠12には、複数の識別情報、例えば数字や記号等を
順次的又は循環的に変化させ表示させる機能を有する可
変表示器として、７セグメントLEDデジタル表示器11が
横に３桁に並べて配置されている。

又、この可変表示装置３は、取付基板10の上部に天入
賞口13を、下部には取付基板10の両側に設けた球案内部
14により形成される打球流路15を有する。

各デジタル表示器11は、鎧部枠12の表面より多少奥に
設けてある。

鎧部枠12の表面に付してあるＩ、II、IIIの記号は、
上記第１特定入賞口７、第２特定入賞口８、第３特定入
賞口９との対応を意味するものである。

これらの記号Ｉ、II、IIIと指示線16、17、18とから
成る対応表示部は、それぞれ第１特定入賞口７、第２特
定入賞口８、第３特定入賞口９に入賞した場合、Ａ、
Ｂ、Ｃよりなる識別符号19により区別したデジタル表示
器11のいずれが作動するかを表す。

この対応表示部は、遊技内容が複雑になっても、その
遊技内容を容易に遊技者に理解させる働きをする。

変動入賞装置ユニット 第３図に於て、変動入賞装置ユニット４は、共通の取
付基板20に上下に２つ設けられた第１の変動入賞装置と
第２の変動入賞装置の２つの入賞装置から成る。即ち、
上位に位置する電動によるチューリップ形式の第１の変
動入賞装置21と、下位に位置するアタッカ形式の第２の
変動入賞装置22とである。

これら二つの入賞装置、即ち第１の変動入賞装置21と
第２の変動入賞装置22は、いずれも、遊技者にとって不
利な第１状態と遊技者にとって有利な第２状態とに変換
可能な構成となっている。

（イ）第１の変動入賞装置 第３図及び第４図に於て、チューリップ形式の第１の
変動入賞装置21は、取付基板20の開口20Aの両側に配置
させた可動部材としての２つの開閉翼23を有する。

開閉翼23の回動軸24は取付基板20を貫通して延在して
おり、その後端には、開閉翼23を左右に開閉動作させる
ためのピン25Aを植設した操作レバー25が固定してあ
る。取付基板20の開口20Aには球受け26が設けてある。

取付基板20の後方には、ボス27によって駆動装置枠28
が配置されている。この駆動装置枠28には、開閉翼23が
作動させるための第１ソレノイドSOL1が取付けられてお
り、そのプランジャ29先端には二又状に分れた操作部材
30が固定されている。

この操作部材30には係合孔30Aが設けであり、該係合
孔30Aには、上記開閉翼23の操作レバー25に設けたピン2
5Aが緩く嵌入している。

この結果、左右の開閉翼23は、プランジャ29の復帰バ
ネ29Aの作用により、通常は第４図に示すように閉じて
おり、実施例では打球を受け入れ難い第１状態を維持し
ている。

第１ソレノイドSOL1を付勢することにより、操作部材
30を、プランジャ29の復帰バネ29A及び開閉扉23の外開
き方向の回動習性に抗して引き下げると、第４図の操作
レバー25が回動軸24を中心として内側から外側に回動
し、開閉翼23が第１状態から打球を受け入れ易い第２状
態に変換する。

第１状態下にある開閉扉23に打球が入賞した場合、そ
の打球は取付基板20の開口20Aから続く球受け26に入
り、流下樋枠36の裏面に設けた流下樋37に流下する。

そして、駆動装置枠40の裏面に設けた案内路43を通っ
て、下方の流下樋44上へと導かれる。

案内路43にはフラットパッケージセンサ（近接スイッ
チ）から成るカウント検出器SW4が入賞球検出手段とし
て設けてあり、第１の変動入賞装置21に入賞した遊技球
（入賞球数）が検出されて、この該カウント検出器SW4
からの検出信号が入賞球記憶手段に記憶されて行く。

（ロ）第２の変動入賞装置 第２の変動入賞装置22は、取付基板20の開口20Bから
後方にかけて形成した凹室31と、その開口を開閉し、実
施例では打球の入らない遊技者に不利な第１状態から打
球の入り易い遊技者に有利な第２状態に変換する可動部
材としての開閉扉32とを有する。

第２の変動入賞装置22の凹室31を形づくるため、この
例では取付基板20の裏面には包囲枠33が設けてある。

第４図及び第５図に於て、包囲枠33内の片側には、開
閉扉32を開閉動作させるための操作爪34が設けてあり、
該操作爪34の先端は開閉扉32の片側に設けた係合突起32
A上に乗った状態で係合している。

開閉扉32は軸35を中心として回動可能に支持されてお
り、その前面に設けたストッパ部32Bが、第５図に示す
ように取付基板20の前面に当接するまで開くことができ
る。

開閉扉32のストッパ部32Bにはウエイト32Cが設けてあ
り、開閉扉32に開成方向の回動習性を与えている。

遊技盤１の裏面には駆動装置枠40が設けてあり、該駆
動装置枠40には開閉扉32の駆動源たる第２ソレノイドSO
L2が設けてある。

この第２ソレノイドSOL2のプランジャ41の下端に取付
けた操作レバー42は、第５図に点線で示すように上記操
作爪34の上方に位置し、自重によって操作爪34を上方か
ら押えている。

このため、開閉扉32の係合突起32Aが操作爪34により
上方から押えつけられるので、開閉扉32は、通常は閉じ
た状態にある。

しかし、第２ソレノイドSOL2を付勢してそのプランジ
ャ41を吸引すると、操作レバー42が第５図に実線で示す
ように操作爪34上から去り、開閉扉32はその自重によっ
て開く。

包囲枠33の背面には、第１の変動入賞装置21及び第２
の変動入賞装置22に共通の流下樋枠36が設けてあり、こ
の流下樋枠36には、上記第１の変動入賞装置21の球受け
26に入賞した打球を流下させるための流下樋37の他に、
第２の変動入賞装置22の凹室31に入賞した打球を流下さ
せるための流下樋38が設けてある。

第２の変動入賞装置22の凹室31に入賞した打球は、こ
の流下樋38に流出し、更に、駆動装置枠40の裏面に設け
た流下樋44を通って下方に流下する。

上記の第１の変動入賞装置21に入賞した遊技球は、案
内路43及び第１の変動入賞装置への入賞球を検出する入
賞球検出手段としてのカウント検出器SW4を通過して、
この流下樋44にて合流する。

第３図中の符号39は、この入賞球検出手段SW4により
検出された第１の変動入賞装置21への入賞球数を記憶す
る入賞球記憶手段の記憶球数に関連して、第２の変動入
賞装置22を遊技者にとって有利な第２状態へ変換可能な
回数を遊技者に可視可能に表示する変換可能回数表示手
段としての記憶球表示器であり、第２の変動入賞装置22
の開くべき回数を表示する。

この変換可能回数表示手段としての記憶球表示器39
は、第１の変動入賞装置21への入賞個数から第２の変動
入賞装置22の開閉翼32の開成回数を引いた数即ち記憶値
を「記憶球数」として表示する。

実施例の記憶球表示器39は５個のLEDより成り、記憶
球数が１〜５個までは点灯状態で個数表示し、記憶球の
数が６個以上となったときは、点滅状態で個数表示す
る。

動作の概要 以下、第１図のパチンコ遊技機についての動作を第６
図（Ａ）に従って説明する。

（イ）通常遊技状態の動作 通常、変動入賞装置ユニット４を構成する第１の変動
入賞装置21の開閉扉23や、第２の変動入賞装置22の開閉
翼32は、打球を受入れないか受け入れ難い遊技者にとっ
て不利な第１状態で遊技球に対している。

しかし、特定入賞口７、８、９のいずれかに打球が入
賞し検出器SW1〜SW3で入賞球が検出されると、遊技装置
としての可変表示装置３が部分的ないし全体として始動
する。

そして、この遊技装置としての可変表示装置３の部分
的ないし全体としての作動が終了した時点に於て、若
し、それまでに第１特定入賞口７、又は第２特定入賞口
８への入賞があった場合、即ち入賞記憶表示部7A、8A
（第１図）にその作動記憶数が示されている場合には、
0.5秒の間隔を置いて、直ちに可変表示装置３のデジタ
ル表示器11がスタートする。

尚、入賞記憶表示部7A、8AのLEDは７個しか設けてな
いが、８個以上入賞した場合は、点滅状態で記憶数を表
示するこができる。

第３特定入賞口への入賞 第３特定入賞口９に入賞し検出器SW3で検出されると
（第６図（Ａ）のａ点）、遊技装置としての可変表示装
置３が全体として始動する。

即ち、３桁のデジタル表示器11の表示が一斉に回転
（１コマ40msec）し、図示してないストップスイッチが
押されるか、又は一定時間（５秒）が経過したら、これ
に或るランダムな付加時間（＋α）を付加して、それぞ
れ停止する。

このランダムな付加期間αは、デジタル表示器11がス
タートしてから停止するまでの時間の変動要素として加
えられるものである。

例えば５コマ進めて停止するときは、１コマ40msecと
して、200msecが付加されるというものであり、付加期
間αの意味としては、進めるべきコマ数を０とする場合
も含まれる。

上記３桁のデジタル表示器11の表示が全て停止した時
点（第６図（Ａ）のｂ点）に於て、３桁のデジタル表示
器11の表示内容が、一定の条件として予め設定されてい
る所定の組合せ（ここでは奇数数字“7"のゾロ目）に一
致しているかどうか、即ち、一定の遊技条件が成立して
いるかどうかが判断される。

若し、所定の組合せに一致していれば（一定条件の成
立）、次に述べる大当りとしての特別遊技状態の発生、
即ち「権利発生」となり、権利発生表示部、例えば可変
表示装置３の鎧部部枠12内に設けたランプ（図示せず）
が点灯し、下記の動作がなされる。

しかし、一致していなければ（一定の遊技条件の不成
立）、所定球数、例えば、通常の入賞に対応する13個の
賞球しか排出されない。

第６図（Ａ）の例では、３桁のデジタル表示器11の表
示が“577"となった場合、即ちハズレであった場合（一
定の遊技条件の不成立）を示している。

尚、この第３特定入賞口９には記憶球の記憶がなく、
従って、相次いで第３特定入賞口９に入賞した場合に
は、その入賞球は可変表示装置３の作動に関して無視さ
れる。

第１特定入賞口への入賞 単独に第１特定入賞口７へ入賞し検出器SW1で検出さ
れると、３桁のデジタル表示器11のうち、左側の可変表
示器Ａの表示のみが回転し、停止する。

従って、中の可変表示器Ｃ及び右の可変表示器Ｂが奇
数のゾロ目に揃っている場合に於て、第１特定入賞口７
への入賞があったときは、１桁の可変表示器が０〜９ま
で変るものとして、特別遊技状態の発生、即ち権利発生
に至る確率は1/1000から1/10に高まることになる。

第６図（Ａ）の例は、第３特定入賞口９と第２特定入
賞口７に相次いで入賞球の発生があり、後から入賞した
第２特定入賞口７への入賞球が、可変表示装置３の作動
停止後に左側の可変表示器Ａのみを作動させるべき記憶
球として記憶されていた場合である。

第６図（Ａ）には記憶カウンタＡの内容をもって、こ
の関係を示してある。

このように特定入賞口７、８、９の１つに入賞球が発
生し、その入賞状態に対応するデジタル表示器11が作動
されている間に、新たに左右の特定入賞口７又は８の１
つに入賞球が発生した場合には、現在作動中のデジタル
表示器11の停止を待って、対応する左右の可変表示器Ａ
又はＢを作動させるべき入賞記憶球として記憶され、入
賞記憶表示部7A、8Aに点灯個数で表示される。

第６図（Ａ）の場合には、作動中の可変表示器Ａ、
Ｂ、Ｃが３つとも停止した直後（第６図（Ａ）のｂ点）
に於て、第１特定入賞口７に属する左側のデジタル表示
器11（Ａ）が再スタートさせられる。

そして、この左側の可変表示器Ａが回転して停止した
際（第６図（Ａ）のｃ点）、その可変表示器Ａと他の可
変表示器Ｂ、Ｃを含む全体の表示内容が大当りの“777"
に一致したかどうかが、再度判断される。

第６図（Ａ）では、当該可変表示器Ａの表示が“7"で
あった場合であるから、可変表示装置３の全体としては
３桁とも“777"と揃ったことになり、特別遊技状態の発
生、即ち権利発生に至る。

第２特定入賞口へ入賞 第２特定入賞口８へ入賞した場合には、３桁のデジタ
ル表示器11のうち、右側の可変表示器Ｂの表示のみが回
転し、停止する。

従って、左の可変表示器Ａ及び中の可変表示器Ｃが奇
数のゾロ目に揃っている場合に於て、第１特定入賞口７
への入賞があったときは、権利発生の確率が、同様に1/
1000から1/10に高まることになる。

上記のように、特定入賞口７、８、９のいずれに入賞
したのかという入賞状態に応じて、可変表示装置３が部
分的ないし全体として作動するということは、遊技者に
とっては、権利発生へ向けて技術介入し得る余地が生ま
れることを意味する。

何故なら、特定入賞口７、８、９は、遊技領域1A中の
異なる場所に配置されており、飛距離等を調整すること
によって、特定入賞口７、８、９のうち、自己が作動さ
せたい１つの可変表示器Ａ又はＢに属する特定入口７又
は８にのみ打球が入賞するように、打球発射装置を操作
し得るからである。

但し、この実施例では、遊技装置たる可変表示装置３
に設けてある球案内部14の働きにより、特定入賞口７、
８よりは中央の特定入賞口９の方へ打球が入賞し易くな
っている。

（ロ）特別遊技状態での動作 第１の変動入賞装置の開成 既に述べたように、第６図（Ａ）のｃ点にて、デジタ
ル表示が777と揃ったことにより、当該遊技装置から特
別遊技発生信号が出力されて特別遊技状態が発生する。
いわゆる権利発生である。

この権利発生後、初期ウエイトタイム（この例では1.
8秒）が経過すると、第１の変動入賞装置21のソレノイ
ドSOL1が作動され、その開閉翼23が一定時間（この例で
は5.8秒）だけ開かれる（第６図（Ａ）のｄ点）。

この初期ウエイトタイムは2.0秒の範囲内で、また開
閉翼23の開成時間は6.0秒の範囲内で、任意の時間流さ
に定めることができる。

第１の変動入賞装置21の開閉翼23が開かれると、第１
の変動入賞装置21に打球が入賞し易くなる。

第２の変動入賞装置の開成 幸いして、第１の変動入賞装置21に打球が入賞する
と、その入賞球が入賞球検出手段たるカウント検出器SW
4によって検出され、第２の変動入賞装置22の開成動作
が約束される。

第１の変動入賞装置21への最初の入賞球がこの入賞球
検出手段（カウント検出器SW4）で検出されると（第６
図（Ａ）のｅ点）、1.8秒の初期ウエイトタイムを置い
て、第２の変動入賞装置22のソレノイドSOL2が作動さ
れ、その開閉扉32が5.8秒だけ開かれる（第６図（Ａ）
のｆ点）。

この第２の変動入賞装置22の開閉扉32が開かれると、
第１の変動入賞装置21に加えて第２の変動入賞装置22に
も打球が入賞し易くなる。

上記のように、第２の変動入賞装置22は第１の変動入
賞装置21への入賞球の検出に関連して所定時間開放とな
る１回の開成動作を行なう。

若し、権利発生後、第１の変動入賞装置21の開成動作
中に打球が１個も第１の変動入賞装置21に入賞しなかっ
た場合には、特別遊技状態は、第１の変動入賞装置21の
開閉翼23の１回の開成動作のみで終了となってしまう。

しかし、第１の変動入賞装置21の１回の開成動作中に
打球が入賞すれば、第２の変動入賞装置22の開閉扉32の
開成動作が約束される。

尚、実施例の第１の変動入賞装置21、第２の変動入賞
装置22は、遊技盤のほぼ中央に位置する変動入賞装置ユ
ニット４の上下位置に配置されているので、従来のよう
に権利発生後同じ場所に打球を落すように打球発射装置
を調整していたのでは、多くの賞球の獲得を望めないこ
とになる。

ここに、権利発生後に於て遊技者が技術介入する余地
が生れ、遊技者の個人的な遊技の面白さをあじわうこと
が可能となる。

変動入賞装置の開成回数 上記のように、第２の変動入賞装置22は第１の変動入
賞装置21に関連して開かれるが、それだけではなく、そ
の第２の変動入賞装置22の開成動作回数は、関連する１
つ前の第１の変動入賞装置21が開成動作している間に入
賞した入賞個数により決定される。

つまり、その開成動作回数は、遊技者が異なるたびに
或いは遊技の都度相違し、開成動作回数の増減変動が生
れる。

ここに、遊技者が技術介入する価値が大幅に高揚され
る。

詳述すれば、第１の変動入賞装置21が開成動作してい
る間に入賞した場合には、その入賞球が検出され積算記
憶される。

そして、その記憶個数は第２の変動入賞装置22が１回
開成動作する毎に“1"を減算されて行く。

第６図（Ａ）の例では、第１の変動入賞装置21に対し
３個の入賞球があるので、その第１番目の入賞球の発生
により次の第２の変動入賞装置22が作動することが約束
されると共に、入賞球の数“3"が、継続的な開成動作回
数として記憶される。

そして、第２の変動入賞装置22が開成動作する毎に記
憶個数が−１され、第２の変動入賞装置22が第１回目の
開成動作を終了した時点（第６図（Ａ）のｇ点）では、
記憶個数が−１されて“2"となる。

従って、一定の継続ウエイトタイム（この例では0.4
秒）を置いて、5.8秒間の第２回目の開成動作が行わ
れ、以下同様にして継続的に計３回の開閉動作が繰返さ
れる。

尚、入賞記憶個数の減算の仕方は、１回の開成動作の
終了時点即ちソレノイドがOFFされる時点で行ってもよ
い。

又、第１の変動入賞装置21へ入賞したすべての遊技球
を記憶するのではなく、所定数の上限値を設け、この所
定数のみを記憶する様にして、この記憶値に基づいて、
第２の変動入賞装置22を第２状態に変換制御することも
できる。

制御装置 第７図は上記実施例に適用可能なマイクロコンピュー
タを使用した制御装置のブロック図である。

マイクロコンピュータは基本的にはCPU80、ROM81及び
RAM82で構成されている。

ROM81にはCPUを制御するプログラムが書込まれてお
り、CPU80はこのプログラムに従って1/0ポート83より必
要とされる外部データを取込んだり、あるいは又RAM82
との間でデータの授受を行なったりしながら演算処理
し、必要に応じて処理したデータを1/0ポート83やアウ
トプットポート84へ出力する。

発振子85はCPUの動作の基準となるCPUサイクルのクロ
ックを与えるものであり、CPU80は発振子85からのクロ
ックの所定周期ごとにRAM82の所定エリアに累積的に記
憶されたカウント値を更新するいわゆるソフトタイマを
構成して、任意の設定時間計測、その他を行なうことが
できる。

第８図はROM81に書込まれているプログラムのメイン
ルーチンであり、“権利発生”の処理が定義されてい
る。

この権利発生処理のサブルーチンは、第９図に示され
ている。

次に動作について説明する。

（イ）デジタル表示器の作動−停止 第８図に於て、プログラムがスタートすると、CPU
は、左側デジタル表示器Ａを作動させるべき記憶回数に
関する「記憶カウンタＡ」と、右側デジタル表示器Ｂを
作動させるべき記憶回数に関する「記憶カウンタＢ」
を、それぞれ“0"に初期化する（0.01、0.02）。

次に、特定入賞口７、８、９のいずれかへの入賞があ
ったかどうか、即ち作動検出器SW1、SW2、SW3が作動し
たかどうかを順次チェックする（0.10、0.20、0.30）。

その際、第１特定入賞口７及び第２特定入賞口８につ
いては、それらの特定入賞口７、８への入賞がなけれ
ば、記憶球があるかどうか、即ち記憶カウンタＡ、Ｂの
内容が１以上であるかどうかをチェックし（0.11、0.2
1）、記憶球がなけばステップ0.10に戻る。こうして、
特定入賞口７、８、９への入賞を待つ。

特定入賞口７への入賞 特定入賞口７へ入賞し、ステップ0.10の判断がYESと
なったときは、「記憶カウンタＡ」及び「入賞記憶表示
部7A」の記憶表示の内容をそれぞれ＋１する（0.12、0.
13）。

そして、デジタル表示器11（Ａ、Ｂ、Ｃ）が作動中で
ないことを確認し、左側のデジタル表示器11（Ａ）の作
動時間（約５秒）を定める「デジタル表示器Ａ作動タイ
マ」をスタートさせる（0.14、0.15）。

これで左側のデジタル表示器11（Ａ）の１回の作動が
開始したので、「記憶カウンタＡ」及び「入賞記憶表示
部7A」の記憶表示の内容をそれぞれ−１する（0.16、0.
17）。

左側のデジタル表示器11（Ａ）の作動開始後、一定時
間が経過するのを待ち（0.18、）、一定時間が経過しら
たら、デジタル表示器11（Ａ）の作動を停止させる（0.
19）。

デジタル表示器11（Ａ）の作動が停止したら、残りの
デジタル表示器11（Ｂ、Ｃ）を含めて、３桁のデジタル
表示器11（Ａ、Ｂ、Ｃ）の表示内容が所定の組合せと一
致するかどうか、ここでは777と揃ったかどうか判断す
る（0.35）。777に一致していなければ、ステップ0.10
に戻る。

若しも、デジタル表示器Ａ、Ｂ、Ｃの表示が777のゾ
ロ目であったならば、大当りとして、「権利発生」の処
理にジャンプする（1.00）。

特定入賞口８への入賞 特定入賞口８へ入賞し、ステップ0.20の判断がYESと
なったときは、「記憶カウンタＢ」及び「入賞記憶表示
部8A」の記憶表示の内容をそれぞれ＋１する（0.22、0.
23）。

そして、デジタル表示器11（Ａ、Ｂ、Ｃ）が作動中で
ないこを確認し、右側のデジタル表示器11（Ｂ）の作動
時間（約５秒）を定める「デジタル表示器Ｂ作動タイ
マ」をスタートさせる（0.24、0.25）。

これで右側のデジタル表示器11（Ｂ）の１回の作動が
開始したので、「記憶カウンタＢ」及び「入賞記憶表示
部8A」の記憶表示の内容をそれぞれ−１する（0.26、0.
27）。

右側のデジタル表示器11（Ｂ）の作動開始後、一定時
間が経過するのを待ち（0.28）、一定時間が経過しらた
ら、デジタル表示器11（Ｂ）の作動を停止させる（0.2
9）。

デジタル表示器11（Ｂ）の作動が停止したら、残りの
デジタル表示器11（Ａ、Ｃ）を含めて、３桁のデジタル
表示器11（Ａ、Ｂ、Ｃ）の表示内容が777と揃ったかど
うか判断する（0.35）。

777に一致していなければステップ0.10に戻り、一致
していなければ、「権利発生」の処理にジャンプする
（1.00）。

特定入賞口９への入賞 特定入賞口９へ入賞し、ステップ0.30の判断がYESと
なったときは、３桁のデジタル表示器11（Ａ、Ｂ、Ｃ）
のいずれも作動中でないことを確認して（0.31）、３桁
のデジタル表示器11（Ａ、Ｂ、Ｃ）の作動時間（約５
秒）を定める「表示器ABC作動タイマ」をスタートさせ
る（0.32）。

そして、一定時間が経過するか、ストップスイッチが
押されるまで待ち（0.33）、デジタル表示器11（Ａ、
Ｂ、Ｃ）を停止させる（0.34）。

その際、上位桁からデジタル表示器11をＡ、Ｃ、Ｂの
順に停止させて行く。

デジタル表示器Ａ、Ｂ、Ｃが全て停止したならば、そ
のデジタル表示器Ａ、Ｂ、Ｃの内容が777に一致するか
どうか判断する（0.35）。

一致していなければステップ0.10に戻り（0.35）、一
致していれば、「権利発生」の処理にジャンプする（1.
00）。

（ロ）権利発生 第１の変動入賞装置の作動 第９図の権利発生処理に於て、CPUはまず特別遊技状
態表示をする（1.10）。即ち、可変表示装置３の権利発
生表示部（鎧部枠12）等を点灯させる。

そして、第６図（Ａ）のｃ点からｄ点の区間に対応す
る1.8秒の初期ウエイトタイムをとり（1.11）、第１の
変動入賞装置21のソレノイドSOL1の開成時間5.8秒を定
める「SOL1オンタイマ」をスタートさせる（1.12）。

次に、「SOL1オンタイマ」によるソレノイドSOL1の開
成時間5.8秒が経過したかどうか判断し（1.13）、5.8秒
が経過するまではソレノイドSOL1をONして（1.14）、第
１の変動入賞装置21の開閉翼23を開く（第６図（Ａ）の
ｄ点）。

第１の変動入賞装置21の開閉翼23が開かれたので、入
賞球検出手段たるカウント検出器SW4により第１の変動
入賞装置21への入賞球が検出されるのを待つ（1.15、1.
20、1.26、1.13〜1.15）。

開閉翼23が開成されている5.8秒間に入賞球が全く検
出されなければ、ソレノイドSOL1をOFFして、第１の変
動入賞装置21の開閉翼23を閉じ（1.30）、特別遊技態様
の権利は消滅する。

しかし、この入賞球検出手段たるカウント検出器SW4
により第１変動入賞装置21への入賞球が検出されたとき
は、第２の変動入賞装置22を作動させる準備をする。

第２の変動入賞装置の作動 先ず、第１の変動入賞装置21への入賞球が第１個目の
入賞球であるかどうかチェックし（1.16）、第１個目の
入賞球であれば、その第１個目の入賞球が検出された時
点（第６図（Ａ）のｅ点）から、第２の変動入賞装置22
の継続ウエイトタイム1.8秒を定めるための「SOL2オフ
タイマ」をスタートさせ（1.17）、ソレノイドSOL1はOF
Fとして第１の変動入賞装置21の開閉翼23は閉じておく
（1.18）。

入賞球検出手段たるカウント検出器SW4により検出さ
れた入賞球数を記憶する入賞球記憶手段としての「SW4
カウンタ」を＋１する（1.19）。

そして、「SOL2オフタイマ」による1.8秒が経過する
のを待つ（1.20、1.26、1.13、1.15）。

「SOL2オフタイマ」による1.8秒の初期ウエイトタイ
ムが終了したら、「SOL2オフタイマ」をストップする
（1.21）。

そして、入賞球記憶手段の「SW4カウンタ」が１より
大きい値であることを確認して（1.22）、「SW4カウン
タ」から−１すると共に（1.23）、第２の変動入賞装置
22のソレノイドSOL2の開成時間5.8秒を定める「SOL2オ
ンタイマ」をスタートさせ（1.24）、ソレノイドSOL2を
ONして（1.25）、第２の変動入賞装置22の開閉翼35を開
く。

尚、ここで、入賞球記憶手段の「SW4カウンタ」から
−１するのは、入賞球検出手段のカウント検出器SW4で
検出された入賞個数と開閉翼35が開閉された回数との対
応関係を保つためである。

次いで、「SOL2オンタイマ」の5.8秒がタイムアップ
するのを待つ（1.26、1.13、1.15、1.20、1.26）。

その間に通常ならば、多くの打球が第２の変動入賞装
置22に入賞することになる。

「SOL2オンタイマ」の5.8秒が経過したら、第２の変
動入賞装置22のソレノイドSOL2をOFFし（1.27）、入賞
球記憶手段の「SW4カウンタ」の内容が１以上であるか
を見る（1.28）。

若し、１以上であれば、記憶球が存在していることに
なる。

そこで、継続的に第２の変動入賞装置22を作動させる
ため、その継続ウエイトタイム0.4秒を「SOL2オフタイ
マ」にセットスタートさせる（1.29）。

従って、この0.4秒に「SOL2オフタイマ」がセットさ
れた以降については、ステップ1.20の判断は、当該継続
ウエイトタイム0.4秒についての判断になる。

第２の変動入賞装置22の開成動作が入賞球記憶手段の
記憶球数に応じた回数分だけ繰返されて、入賞球記憶手
段の「SW4カウンタ」の内容、即ち記憶球数が“0"に戻
ると、全ての動作が終了となる。

従って、第９図のステップ1.28から第８図のステップ
1.00にリターンする。

変形例 第10図は、一定の条件が成立したときに特別遊技状態
を発生可能な遊技装置としての可変表示装置３を第１の
変動入賞装置21と一体とし、しかも、第１の変動入賞装
置21に入賞球貯留部48を設けた可変表示−変動入賞装置
ユニットを示す。

この可変表示−変動入賞装置ユニットを、第１図の可
変表示装置３及び第１の変動入賞装置21の代りに用いて
パチンコ遊技機を構成することができる。

このように構成したパチンコ遊技機について次に説明
する。

（イ）可変表示装置 第11図に於て、可変表示装置３のデジタル表示器11
は、共通の取付基板45の上部に設けた一般入賞口として
のチャッカー46のすぐ下位に設けてある。図中の符号47
は、チャッカー46と第１の変動入賞装置21の入口との間
隔を補うように設けた飛込防止片であり、外部からの打
球の飛込みを防止する役目をする。

尚、飛込防止片47は、デジタル表示器11の表示を遊技
者から遮蔽しないように、各デジタル表示器11の桁と桁
との境界に立てられている。

（ロ）第１の変動入賞装置 第１の変動入賞装置21は、２つの開閉翼23の他に、該
開閉翼23に案内されて受け入れられた入賞球を貯留する
入賞球貯留部48と、該入賞球貯留部48に貯留された入賞
球を一個宛所定間隔で自動的に排出する球排出装置50と
を備えている。

開閉翼 第１の変動入賞装置21の開閉翼23は、飛込防止片47と
連続するように起立させて配置されており、その開閉機
構は第４図で既に説明したところとほぼ同じである。

即ち、開閉翼23は自重によって外開き方向の回動習性
を有し、取付基板45の後方に位置する第１ソレノイドSO
L1を付勢することにより、開閉翼23が遊技者にとって不
利な第１状態から遊技者にとって有利な打球の受け入れ
易い第２状態に変換する。

入賞球貯留部 入賞球貯留部48は、内部空間を横に拡げた翼部49と、
その中央の導出口から下方の球排出装置50にかけて縦に
続く貯留球待機部49AとをＴ字状に連絡した枠体から成
る。

この入賞球貯留部48の翼部49の底面は、導出口23に向
かって傾斜しており、その一方の傾斜面と他方の傾斜面
とは互いに傾斜角が異なっている。

又、一方の傾斜面と他方の傾斜面とは、貯留球待機部
49Aの所で段違いになっている。これは貯留球待機部49A
での円滑な球の流出を可能とするためである。

球排出装置 球排出装置50は、モータＭにより軸27を中心として第
11図の矢印方向に常時回転される回転盤51と、この回転
盤51を左右から囲む湾曲した案内枠52とを有する。回転
盤51の周面の１箇所には、球１個分の凹部から成る球保
持部51Aが設けてある。

回転盤51は、モータＭにより第11図の矢印方向に常時
一定速度（この実施例では10rpm）で回転しており、そ
の球保持部51Aが入賞球貯留部48の貯留球待機部49Aと一
致したときに、該貯留球待機部49A内に待機している入
賞球を、球保持部51A内に取り込む。

この球保持部51A内に取り込まれた入賞球は、球保持
部51Aと案内枠52との間で案内されつつ下方に導かれ、
案内枠52の下部に設けた導出樋53より取付基板45の裏面
へ導かれる。

球排出装置50は、このようにして、入賞球貯留部48の
入賞球を１個宛自動的に、一定間隔（この実施例では0.
6秒間隔）で払い出す。

こうして払い出される入賞球は、導出樋53に設けた入
賞球検出手段としてのカウント検出器SW4によって検出
され計数される。

（ハ）第２の変動入賞装置 第２の変動入賞装置22は、第１図及び第３図で示した
変動入賞装置ユニット４のものと同じである。

即ち、第２ソレノイドSOL2を付勢すると、開閉扉32が
その自重及びウエイト32Cの作用で第５図の如く開く。

変形例の動作 第６図（Ｂ）は、第10図の球排出装置50により排出さ
れた球を入賞球検出手段たるカウント検出器SW4が検出
する度に、第２の変動入賞装置22を開成動作させる例を
示す。

ここでは、回転盤51は、第２の変動入賞装置22の開成
時間5.8秒より1.2秒だけ長い１回転7.0秒の速度で回転
される。

尚、デジタル表示器12の始動及び停止並びにその表示
内容の判定の仕方は、既に第８図のフローで説明した通
りである。

第６図（Ｂ）のｃ点で権利発生した後、1.8秒の初期
ウエイトタイムを置いて、第１の変動入賞装置21が開き
（第６図（Ｂ）のｄ点）、この例では、第１の変動入賞
装置21に計３個の入賞球が発生する。

球排出装置50がこれらの貯留球を次のようにして逐次
１個づつ排出する。

先ず、回転盤51を回転駆動するモータＭが、第１変動
入賞装置21の閉じた時点（第６図（Ｂ）のｈ点）でONさ
れ、回転盤51が、第２変動入賞装置22の開成時間5.8秒
より1.2秒だけ長い１回転7.0秒の速度で回転される。

従って、この例では、第１の変動入賞装置21の開成期
間（第６図（Ｂ）のｄ−ｈ間）中ではまだ貯留球の搬送
が開始されず、ｄ−ｈ区間後に於て行なわれる。即ち、
貯留球の第１個目の排出は、回転盤51の球保持部26Aが
真下に移動した時点（第６図（Ｂ）のｋ点）に於てなさ
れ、それから7.0秒かかって１回転する毎に、第２個
目、第３個目が排出される（第６図（Ｂ）のｋ′点、
ｋ″点）。

この排出球が上記した入賞球検出手段としてのカウン
ト検出器SW4により検出される度に、その都度、第２の
変動入賞装置22が開成動作する。

この第２の変動入賞装置22の開成動作期間は、排出周
期より短いから、第２の変動入賞装置22は次の排出球が
検出される前に一旦閉じて再度開くという変換動作を繰
返すことになる。

かくして、第２の変動入賞装置22は第１の変動入賞装
置21に入賞した貯留球数分だけ開閉動作を繰返すことに
なる。

回転盤51を回転駆動するモータＭは、第２の変動入賞
装置22の開閉動作の継続がなくなったらOFFされる（第
６図（Ｂ）のｉ点）。

従って、この第６図（Ｂ）の動作例の特徴は、第７図
（Ａ）で述べたような電気的記憶手段が不必要である点
にある。

又、第１の変動入賞装置21と第２の変動入賞装置22と
が同時に開成しているという状態を回避することができ
る。

この結果、遊技者にあっては、狙い目、即ち第１の変
動入賞装置21に的を絞り易くなる上、全体的に見て、変
動入賞装置が開放されている時間が短縮されることもな
くなる。

一方、遊技店にあっては、発射される弾発球の数は、
単位時間当り一定であるので、入賞することのできる入
賞領域は拡大されるが、これがイコール入賞球数の増大
とはならない。

第２の変動入賞装置22の１回の開成期間（5.8秒）の
終了後、次の開成期間との間に生じる1.2秒の区間は、
第２の変動入賞装置22の１回の開閉動作の区切りをつけ
る余裕時間である。

この余裕時間を変更したいときは、球排出間隔が第２
の変動入賞装置22の開成時間5.8秒より短くならない範
囲以内で、モータＭの回転速度の設定値を変更すればよ
い。

変形例の制御 第11図は、上記第６図（Ｂ）の動作を行なわせる制御
例を示すものである。第８図のフローに於て権利発生と
なると、この第11図のフローに入る。

先ず、権利が発生したら特別遊技状態表示を行ない、
初期ウエイトタイム1.8秒を置いて、第１の変動入賞装
置21の開成時間5.8秒を定める「SOL1オンタイマ」をス
タートさせる（2.10、2.11、2.12）。

第１ソレノイドSOL1をONして第１の変動入賞装置21を
開成動作させ（第６図（Ｂ）のｄ点）、「SOL1オンタイ
マ」の5.8秒間がタイマアップするのを待つ（2.13、2.1
4）。この間に入賞球が発生して貯留される。

「SOL1オンタイマ」がタイムアップしたら（第６図
（Ｂ）のｈ点）、第１ソレノイドSOL1をOFFに戻して第
１の変動入賞装置21を閉じると共に（2.15）、モータの
作動時間幅を定める「モータ・オンタイマ」をスタート
させ、球排出装置50のモータＭを起動させる（2.16、2.
17）。

この「モータ・オンタイマ」により設定される時間幅
は、第２の流動入賞装置22が１回の開成動作を行ない且
つ次回の開成動作に継続させるのに必要な時間長さ、即
ち１回の開成動作時間5.8秒と余裕時間τとの和であっ
て、この例では7.0秒である。

かかる時間幅を設定する理由は、球排出装置50のモー
タＭが起動した後（第６図（Ｂ）のｈ点）、若し、貯留
球があるならばこれを回転盤51が確実に排出できる期間
だけモータＭの回転を継続させること、ひいては、その
期間内に排出球がなければ入賞球の発生はなかったと判
断させる期間として利用するためである。

続いて、球排出装置50からの排出球があったかどう
か、即ち、入賞球検出手段のカウント検出器SW4がONし
たかどうかチェックしつつ（2.18）、「モータ・オンタ
イマ」の7.0秒が経過するのを待つ（2.18、2.19）。

若し、排出球が無いまま7.0秒が経過したら、第１の
変動入賞装置１に入賞球は発生しなかったものとして、
モータをOFFしてリターンする（2.20）。

他方、若し、ステップ2.18に於て排出球が検出された
ときは（第６図（Ｂ）のｋ点）、「モータ・オンタイ
マ」を設定しなおして新たに7.0秒の計時を開始させ
（2.21、2.22）、第２の変動入賞装置22の開成時間5.8
秒を定める「SOL2オンタイマ」をスタートさせ、第２ソ
レノイドSOL2をONする（2.23、2.24）。

かくして、第２の変動入賞装置22が排出球の検出と同
時に開く（第６図（Ｂ）のｋ点）。

第２の変動入賞装置の１回の開成動作時間5.8秒が経
過したら（2.25）、第２ソレノイドSOL2をOFFして（2.2
6）、ステップ2.18に戻る。

以下、排出球がなくなるまでステップ2.18〜ステップ
2.26を繰返す。

他の実施例１ 第12図は、他の実施例を示す。第１図の実施例と大き
く異なる点は、可変表示装置３の構成にある。

詳述すれば、可変表示装置３は、３桁の主可変表示器
Ａ、Ｂ、Ｃの他に、中央の可変表示器Ｂの上下に別の補
助可変表示器Ｄ、Ｅを備えており、補助可変表示器Ｄは
特定入賞口７によって、補助可変表示器Ｅは特定入賞口
８によって専ら作動される。

つまり、先ず、特定入賞口９に入賞し３桁の主可変表
示器Ａ、Ｂ、Ｃが“777"と揃って停止した場合、他に優
先して主可変表示器Ａ、Ｂ、Ｃによる権利発生が与えら
れる。そして、この権利が行使された後に於て、若し、
特定入賞口７に入賞して上部の補助可変表示器Ｄが“7"
で停止した場合や、或いは特定入賞口８に入賞して下部
の補助可変表示器Ｅが“7"で停止した場合には、再度、
大当りとして権利発生が認められるのである。

第13図は、かかる動作を行なわせる制御例を示すフロ
ー図である。

補助可変表示器Ｄ、Ｅを第１図の可変表示器Ａ、Ｂに
対応させて考えれば、第８図とほぼ同じになるので、第
８図と同じステップには同一の参照番号を付してある。

第８図と異なる点は、 第１に、当該デジタル表示器Ｄ、Ｅが停止した後、そ
の表示内容が“7"かどうかを判断するステップ3.10、3.
11が付加されていること、 第２に、特定入賞口９に入賞して権利が発生した場
合、これを他に優先させるため、ステップ3.10、3.11に
次いで、デジタル表示器Ａ、Ｂ、Ｃが作動中かどうかを
チェックし、そうでなければデジタル表示器Ｄ、Ｅによ
る権利発生を許すこととしていることである。

後者の点は、権利発生はあくまでデジタル表示器Ａ、
Ｂ、Ｃを中心に判断し、動作中のデジタル表示器Ａ、
Ｂ、Ｃが停止して777と揃ったら、それだけで権利発生
を行なわせ、その際のデジタル表示器Ｄ、Ｅの動作は無
視するというものである。

尚、第８図中に於る記憶表示に関するステップ（0.1
3、0.17等）は不用になるため省いてある。

他の実施例２ 第14図は、他の実施例を示す。第１図の実施例と大き
く異なる第１の点は、可変表示装置３の可変表示器の全
てがデジタル表示器で構成されているのではなく、０〜
９、の符号を付けた複数個のランプ（LED）を円形状に
配列して成る２つのランプ群を、同心的に配列して、外
周可変表示器55と内周可変表示器56を構成し、中央に１
個のデジタル表示器55を配設してあることである。

第１図の実施例と大きく異なる第２の点は、これらの
可変表示器55、56、57は、各可変表示器に専属の特定入
賞口７、８、９への入賞によって、それぞれ単独に、作
動されることであり、従って、可変表示器55、56、57が
同時に一斉に作動するのは、特定入賞口７、８、９へ同
時に入賞した場合のみであることである。

そして第３の異なる点は、第１の変動入賞装置21、第
２の変動入賞装置22の他に、第３の変動入賞装置60が配
設され、第２の変動入賞装置22の入賞球と連係されてい
ることである。

可変表示装置の動作制御 第15図に於て、プログラムがスタートすると、CPU
は、外周可変表示器55を作動させるべき記憶回数に関す
る「記憶カウンタＡ」と、内周可変表示器56を作動させ
るべき記憶回数に関する「記憶カウンタＢ」と、中央デ
ジタル表示器57を作動させるべき記憶回数に関する「記
憶カウンタＣ」とを、それぞれ“0"に初期化する（0.0
1、0.02、0.03）。

次に、特定入賞口７、８、９のいずれかへの入賞があ
ったかどうか、即ち作動検出器SW1、SW2、SW3が作動し
たかどうかを順次チェックする（0.10、0.20、0.30）。

その際、特定入賞口７、８、９への入賞がなければ、
記憶カウンタＡ、Ｂ、Ｃの内容が１以上であるかどうか
をチェックし（0.11、0.21、0.31）、記憶球がなければ
ステップ0.10に戻る。

こうして、特定入賞口７、８、９への入賞を待つ。

今、特定入賞口７へ入賞し、ステップ0.10の判断がYE
Sとなったときは、「記憶カウンタＡ」を＋１する（0.1
2）。

そして、外周可変表示器55が作動中でないことを確認
し、外周可変表示器55の作動時間（約５秒）を定める
「外周表示器作動タイマ」をスタートさせる（0.14）。

外周可変表示器55が作動したので、「記憶カウンタ
Ａ」の内容を−１する（0.15）。外周可変表示器55の作
動開始後、一定時間が経過するのを待ち（0.16、0.1
0）、一定時間が経過しらたら、外周可変表示器55の作
動を停止させる（0.17）。

外周可変表示器55の作動が停止し、その表示内容が
“7"であったならば（0.18）、残りの可変表示器56、57
が作動中でないことを確認して、内周、外周、デジタル
表示器の表示内容が777と一致したかどうか判断する
（0.40）。

777に一致していなければステップ0.10に戻り、一致
していれば、「権利発生」の処理にジャンプする（1.0
0）。

特定入賞口８へ入賞してステップ0.20の判断がYESと
なったときも、特定入賞口９へ入賞してステップ0.30の
判断がYESとなったときも、上記と同様に処理される。

但し、当該特定入賞口８又は９に所属する可変表示器
56又は57を作動させる前提条件として、他の２つの可変
表示器が作動中でないことを確認する（0.13、0.23、0.
33）。

又、当該可変表示器の内容が“7"であった場合には
（0.18、0.28、0.38）、当該可変表示器56又は57の作動
を停止させる前提条件として、他の２つの可変表示器が
作動中でないことを確認する（0.19、0.29、0.39）。

即ち、当該可変表示器の内容が“7"であった場合、他
の可変表示器が停止するのを待って、３つの可変表示器
全体の当り判断（0.40）に入り、777と揃っている場合
には権利発生となる。

変動入賞装置の連動 権利発生後に於る第１の変動入賞装置21の開閉翼61、
第２の変動入賞装置22の開閉翼62、第３の変動入賞装置
60の開閉翼63の開成動作の連動関係は、第11図（Ａ）で
示したのと同様であり、第３の変動入賞装置60の開成動
作回数は、１つ前の第２の変動入賞装置22への入賞球数
に如何によって定まる。

３つの変動入賞装置21、22、が遊技盤１の左右に散在
して設けられている結果、権利発生後に於る上述の技術
介入の余地、即ち、第１の変動入賞装置21や第２の変動
入賞装置22や第３の変動入賞装置60の開閉翼61、62、63
が開成状態となる度に、そこへ打球を落すように打球発
射装置の弾発力を調整する必要があり、遊技の興趣をよ
り良く高めるものである。

図中の符号64、65、67は５個のLEDより成る記憶球表
示器である。

連動させる流動入賞装置の最後のものにつき記憶表示
器65が不必要であることからすれば、このように全ての
連動入賞装置に個別に記憶表示器65を設けることは不利
益であるが、一種類の変動入賞装置を用意すれば足り、
量産によるコストの低減を図ることができる利益があ
る。

上記実施例では、可変表示装置をデジタル表示器やラ
ンプ群で構成する例について説明したが、アクリル板の
肉厚内に散点状に設けた小孔に、アクリル板内部より導
いた光を当て、散点状に設けた小孔が形成する模様をア
クリル板表面より確認し得るようにした可変表示器や、
CRTや、液晶や、エレクトロルミネセス等を用いた可変
表示器を用いることもできる。

又、変動入賞装置も任意のものを利用することができ
る。

例えば、開閉翼やスライド体を有する連動入賞装置で
あって、その開閉翼やスライド体が複数回の開閉動作或
いは突出後退動作することを以って、第11図（Ａ）の開
閉扉等の１回の開成動作として扱うものであってもよ
い。

尚、上述した実施例では、可変表示装置を特別遊技状
態を発生させ得る権利発生手段とした例で説明したが、
このよな特別遊技状態を発生させ得る権利発生手段とし
ては、一定の条件の成立によって、特別遊技状態発生信
号を出力するものであればよく、公知の任意の装置を使
用することができるものである。

例えば、上述の実施例からも分かる通り、電気的に特
別遊技発生信号を出力するいわゆる可変表示装置３であ
っても、特定入賞口７、８、９のような入賞装置であっ
てもよいし、直前の実施例に示す入賞球貯留部等を用い
ての機械的手段によって特別遊技発生信号を出力させる
構成でもよいし、勿論、両者を複合した構成のものであ
ってもよい。

又、例えば、模様の組合せや回転ドラムによる可変表
示装置や、単なるチャッカ等のように、特別遊技状態の
発生を電気的信号の形で出力する装置は勿論、通常の入
賞装置であって特別遊技状態発生信号を機械的な動力伝
達の形で出力するものであってもよい。

（発明の効果） 本発明によれば、遊技装置が特別遊技状態となったと
き、遊技装置の特別遊技発生信号に基づいて、第１の変
動入賞装置が遊技者に有利な第２状態に変換し、第２状
態に変換した第１の変動入賞装置への入賞球を入賞球検
出手段で検出して入賞球記憶手段に記憶させておき、こ
の記憶値に基づいて、例えば、相応する入賞球数分だ
け、第２の変動入賞装置を遊技者にとって有利な第２状
態へと変換し、同時に、変換可能回数表示手段により第
２の変動入賞装置の第２状態への変換可能回数が可視表
示されるから、遊技者に大きな利益をもたらす第２の変
動入賞装置が第２状態に変換される回数を事前に把握す
ることができ、遊技者はこれを知ることで、遊技上の作
戦を立てながら遊技を面白く進行させていくことができ
る。

又、第１の変動入賞装置と第２の変動入賞装置とが連
携して、遊技者に有利な特別遊技状態の発生にともな
い、遊技者に与えられる利益の更なる段階的に拡大が可
能となり、遊技内容を変化あるものとすることができる
と共に、興趣性に富んだ弾球遊技機を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はパチンコ遊技機での実施例を示す正面図、 第２図はその可変表示装置の概観を示す斜視図、 第３図は変動入賞装置を示す斜視図、 第４図は変動入賞装置を一部を切欠いて後側から示した
斜視図、 第５図は開閉扉の開閉機構部分を示す断面図、 第６図（Ａ）は第１図のパチンコ遊技機の動作例を示す
図、 第６図（Ｂ）は第10図の可変表示−変動入賞装置ユニッ
トを用いたパチンコ遊技機の動作例を示す図、 第７図は制御装置のブロック図、 第８図は制御装置のメインプログラムを示す流れ図、 第９図はそのサブルーチンを示す流れ図、 第10図は適用可能な可変表示−変動入賞装置ユニットを
例示した図、 第11図は第10図の可変表示−変動入賞装置ユニットを使
用した場合の権利発生処理の流れ図、 第12図はパチンコ遊技機の他の実施例を示す正面図、 第13図はそのメインプログラムを示す流れ図、 第14図はパチンコ遊技機の更に別の実施例を示す正面
図、 第15図はそのメインプログラムを示す流れ図である。 1A……遊技領域、３……可変表示装置（遊技装置） ４……変動入賞装置ユニット、７……特定入賞口 ８、９……特定入賞口、11……デジタル表示器 21……第１の変動入賞装置 22……第２の変動入賞装置 23……開閉翼、32……開閉扉 39……記憶球表示器（変換可能回数表示手段） 49……入賞球貯留部 50……球排出装置、55……外周可変表示器 56……内周可変表示器、57……デジタル表示器 SW4……カウント検出器（入賞球検出手段）

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】遊技領域内に遊技球を弾発して遊技を行う
   弾球遊技機において、 一定の遊技条件が成立したときに特別遊技状態を発生可
   能な遊技装置と、 上記遊技装置からの特別遊技発生信号に基づいて、遊技
   者にとって不利な第１状態から遊技者にとって有利な第
   ２状態へ変換可能な第１の変動入賞装置と、 上記第１の変動入賞装置に入賞した遊技球を検出する入
   賞球検出手段と、 上記入賞球検出手段の検出信号を記憶する入賞球記憶手
   段と、 基づいて、遊技者にとって不利な第１状態から遊技者に
   とって有利な第２状態へ変換可能な第２の変動入賞装置
   と、 上記入賞球記憶手段の記憶値に関連して、上記第２の変
   動入賞装置を遊技者にとって有利な第２状態へ変換可能
   な回数を可視表示する変換可能回数表示手段と、 を備えたことを特徴とする弾球遊技機。