JP2620059B2 - シートベルトプレテンショナー - Google Patents

シートベルトプレテンショナー

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JP2620059B2
JP2620059B2 JP7063209A JP6320995A JP2620059B2 JP 2620059 B2 JP2620059 B2 JP 2620059B2 JP 7063209 A JP7063209 A JP 7063209A JP 6320995 A JP6320995 A JP 6320995A JP 2620059 B2 JP2620059 B2 JP 2620059B2
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チャールズ・イー・ステファンズ,ジュニアー
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ティーアールダブリュー・ヴィークル・セーフティ・システムズ・インコーポレーテッド
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両乗員拘束装置に関
し、特に車両衝突の際に、シートベルトの弛みを引き締
めるためのプレテンショナーに関する。
【0002】
【従来の技術】幾つかの車両乗員拘束装置は、車両乗員
の動きを拘束するために、シートベルトウェビングを用
いる。かような装置においてプレテンショナーを用いる
ことは公知である。車両衝突の際に生じるような所定の
閾値を越える突然の車両減速が生じた場合に、プレテン
ショナーが作動して、シートベルトウェビングに張力を
かけて、シートベルトウェビングの弛みを引き締める。
【0003】シートベルトプレテンショナーにおいて火
工品装置すなわちガス発生装置を用いることは公知であ
る。作動されると、ガス発生装置は、圧力下の流体を可
動部材に対して向けて、ベルトを引き込む方向に、ベル
トウェビングリトラクタースプールを回転させる。ベル
トウェビングは、スプール上に巻かれていて、ベルトウ
ェビングを乗員に対して引き、ベルトウェビングの弛み
を最小にする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両乗員の動
きを拘束するためにベルトウェビングに張力を加える装
置に係る。前記装置は、ハウジングを備える回転トロコ
イドモータを含む。前記ハウジングは壁を有しており、
前記壁の内面には、チャンバ、前記チャンバ内において
回転可能であり流体係合面を有する回転子、前記ハウジ
ングに関して回転するために支持されている出力軸、及
び前記回転子から前記出力軸に回転力を伝達して前記出
力軸を回転させるための手段を有する。流体源は、出力
軸を回転させるために、圧力流体を前記チャンバ内に送
りかつ前記回転子の流体係合面に対して作用させて、回
転子をチャンバ内の第1の回転方向に回転させる。ベル
トウェビング係合部材は、ベルトウェビングと係合可能
であり、前記ベルトウェビングに張力を加える。出力軸
は、ベルトウェビング係合部材と相互連結されており、
回転している出力軸からベルトウェビング係合部材まで
力を伝達して、ベルトウェビングに張力を加える。
【0005】
【実施例】本発明は、車両乗員拘束器に関し、特に、所
定の閾値を越える車両減速が生じる場合にシートベルト
の弛みを引き締めるためのプレテンショナーに関する。
本発明は、種々のシートベルトプレテンショナー構造に
適合可能である。本発明の例として、図1は、プレテン
ショナー10を示す。プレテンショナー10は、車両の
乗員を拘束するために用いられる3点連続ループ式シー
トベルト装置11に取り付けられる。
【0006】車両の作動中、前記車両の乗員は、車両フ
ロントシートとして示されているシート12上に座って
いる。ベルトウェビング14は、車両乗員について延長
可能である。一本のベルトウェビング14の一方の端部
は、車両本体16に係止点18にて係止されている。ベ
ルトウェビング14の反対の端部は、車両本体に固着さ
れたリトラクター20に係止されている。両端部の中間
で、ベルトウェビング14は、トルク組立体22及びD
リング24を貫通する。シートベルト装置11が使用さ
れていない場合、図1に実線で示されているように、ベ
ルトウェビング14はリトラクター20に巻かれてお
り、且つシート12の一方の側に概して垂直に方向づけ
られている。
【0007】シートベルト装置11に係合するために、
トルク組立体22は、手で把握されてシート12に座っ
ている乗員の膝及び胴を横切って引っ張られる。トルク
組立体22が乗員の膝及び胴を横切って引っ張られるに
つれ、トルク組立体はベルトウェビング14に沿って移
動し、ベルトウェビング14はリトラクター20から解
かれる。ベルトウェビング14が乗員の膝及び胴を横切
って引き出されてしまうと、図1において点線で示され
るように、トルク組立体22はバックル26に連結され
る。バックル26は車両本体16に連結されて、係止点
18とは反対側のシート12上に置かれる。よって、シ
ートベルト装置11がバックル止めされる場合、ベルト
ウェビング14の長さは、トルク組立体22により、乗
員の胴を横切って延びる胴部分28と、乗員の膝を横切
って延びる膝部分30と、に分けられる。
【0008】プレテンショナー10(図2及び図3)
は、作動されると、ベルトウェビング14に張力を加え
るために、ベルト引き込み方向にリタラクターのスプー
ル32を回転させるためリトラクター20に係合する。
プレテンショナー10は、ロータリトロコイドモータ4
0(図3)を含む。前記モータ40は、ハウジング44
内で回転して軌道を描く、三つの突部を有する(three-
lobed)回転子42を有する。ハウジング44は、エピ
トロコイド形状での内面46を有する。ハウジング内面
46は、ハウジング44内に圧力チャンバ48を規定す
る。
【0009】回転子42は、圧力チャンバ48内に置か
れる。回転子42は、圧力チャンバ48を、ハウジング
12に関して回転子42が動くにつれて大きさが変わる
3つのチャンバ部分に分ける。概して等辺三角形のよう
に形作られた回転子42は、3つの頂点56、58及び
60によって離隔されている3つの曲面50、52及び
54を有する。回転子42はさらに、内側支持面62
(図4)を有し、前記支持面によって、回転子は偏心ロ
ーブ(lobe)すなわちカム64上で回転するように支持
されている。出力軸66は、カム64と共に回転するよ
うに取り付けられている。前記出力軸66は、ハウジン
グ44内で回転するように支持されている。
【0010】円形リングギア68は、支持面62から軸
方向に離隔された配置にて、回転子42の内側周縁上に
配置されている。リングギア68は、回転子ハウジング
44に取り付けられた円形の静止ギア70と噛み合う。
出力軸66の軸72は、静止ギア70の中心と一致す
る。静止ギア70は、リングギア68の歯数の2/3の
歯を有する。回転子42がハウジング44内で回転して
軌道を描く際に、回転子の頂点は、エピトロコイド表面
46と接触している。
【0011】モータ40は、圧力チャンバ48内に圧力
流体を供給するための流体供給手段80を含む。流体供
給手段は、貯蔵されたガスコンテナでもよい。好ましい
実施態様において、流体供給手段は、プレテンショニン
グ組立体において用いるに適当な公知のタイプの火工品
装置すなわちガス発生装置80である。ガス発生装置8
0は、作動されると、圧力流体を圧力チャンバ48内に
送る。流体は、入り口通路82及び入り口ポート84を
通して、圧力チャンバ48内に流される。
【0012】所定の減速を越える車両減速が生じる場合
に、電気回路(図示せず)は、リードワイヤ90上の電
気信号をガス発生装置80に向ける。ガス発生装置80
は、作動されると圧力流体を発生させる。圧力流体は、
図5Aにおいて矢印92で示されるように、入り口通路
82及び入り口ポート84を通って、プレテンショナー
40の圧力チャンバ48内へ流れる。
【0013】流体は、回転子の表面50に衝突して、図
5A〜5Eにおいて見られるように、概して時計回り方
向に回転子42を回転させる。ガス発生装置80は、圧
力流体をモータ40の圧力チャンバ48内へ供給し続
け、回転子42はハウジング44内で連続的に軌道を描
いて回転する。入り口ポート84からの加圧された流体
を受け入れる回転子の表面上のガス圧は、回転子42の
他の面上のガス圧を越えている。
【0014】回転子42が回転する際、周囲の空気は、
矢印96で示されるように、入り口ポート85を通って
チャンバ48内へ流れる。流体は、矢印94で示される
ように、排出ポート86を通ってチャンバ48から排出
される。
【0015】動いている回転子42の力は、ベアリング
表面62を通って出力軸のカム64まで伝達されて、軸
72について出力軸66を回転させる。従来知られてい
るように、回転子42が各1/3回転すると、出力軸6
6は結果的に1回転する。よって、図5A〜5Eに示さ
れるように、回転子42が図5Aに示されている位置か
ら図5Eに示されている位置まで、図5B、5C、及び
5Dに示されている中間位置を通過して軌道運動しなが
ら1/3回転するとき、出力軸66は1回転する。
【0016】モータ40は、公知の「ワンケル(Wanke
l)」エンジンと同様の構造であるが、内部燃焼モータで
はない。むしろ、ガス発生装置80により圧力チャンバ
48内に供給された流体の圧力は、結果として、回転子
42の運動及び二次的な出力軸66の回転を生じる。ガ
ス発生装置80の作動により発生する以外には、モータ
40内での燃焼或いは点火はない。入り口ポート85及
び排出ポート86と同様の通路88は、図5Dにおいて
48aでマークされているチャンバ部分及び周囲の大気
環境の間に流体を流すことができる。よって、チャンバ
部分48a内に、障害を誘発する(drag-inducing)流体
の圧縮はない。
【0017】モータ40の出力軸66(図2及び図3)
は、回転するために、リトラクタースプール32と連結
されている。ガス発生装置80の作動に応答する回転子
42の軌道及び回転運動により引き起こされるモータ出
力軸66の回転により、リトラクタースプール32は結
果的にベルト引き込み方向に回転する。スプール32が
ベルト引き込み方向に回転する際、ベルトウェビング1
4は、スプール上に巻かれる。こうして、シートベルト
装置11の弛みを引き締めて、車両乗員の動きを拘束す
るようにベルトウェビング14に張力を加える。
【0018】流体源80が圧力流体を圧力チャンバ48
内に供給し続ける限り、回転子42は、出力軸66を回
転させ続ける。ガス発生装置80は作動されたとき、好
ましくは30ミリ秒未満の限ぎられた時間の間、圧力流
体を供給して、ベルト引き込み方向にリトラクタースプ
ール32を回転する。ガス発生装置80が圧力流体の供
給を中止すると、モータ40及び出力軸66は、もはや
ベルト引き込み方向にリトラクタースプール32を回転
させない。リトラクタースプール32からのベルトウェ
ビング14の引き出しは、次いで、ある別の態様にて防
止されなければならない。
【0019】適当な回転阻止機構(以下阻止機構)10
0は、図6〜8に示されている。阻止機構100は、ハ
ウジング44の穴104内でスライド可能なロッド10
2を含む。前記ロッド102及び取り付け部材108の
間に作用する圧縮バネ106は、前記ロッドの一部がモ
ータ40の圧力チャンバ48内に内方に突出するよう
に、前記ロッドを軸方向に押圧する。
【0020】モータ40が最初に作動されると、回転子
42(図6)は、ハウジング44に関して、矢印110
で示される第1の移動方向に移動する。参照番号112
で示されるように、回転子42の移動する頂点がロッド
102に係合する場合、前記ロッドはハウジングの穴1
04内に外方に動かされて、バネ106を圧縮する。回
転子の頂点112は、阻止組立体100を通り越した方
向110に移動する。回転子42のすべての頂点は、モ
ータ40が作動されている場合に、この態様にて阻止機
構100を通過することができるので、プレテンショナ
ー10によりベルトウェビング14の引き込みを引き起
こすことが可能である。
【0021】回転子42が、矢印114で示す反対方向
(図8)に回転する場合には、回転子の頂点112は、
ロッド102の突出する部分に係合する。回転子の頂点
112は、ロッド102をチャンバ48の外に押し出す
ことができず、またロッドを通り越して移動することも
できない。よって、回転子42の矢印114の方向への
運動は、防止される。リトラクタースプール32をベル
ト引き出し方向に回転すると、回転子42は矢印114
の方向に運動するので、シートベルトウェビング14
は、リトラクター20から引き出されない。阻止機構1
00が回転子42のかような運動を阻止するので、プレ
テンショナー10により一度張力を加えられたベルトウ
ェビング14は、そのような状態のまま維持されるであ
ろう。
【0022】図9〜11は、回転阻止機構(以下阻止機
構)120の第2のタイプを示す。阻止機構120は、
モータ流体すなわち圧力流体の入り口通路82を開口す
る第2の流体通路124内に配設されたピストン122
を含む。前記ピストン122は、移動するため、モータ
ハウジング44に128にて枢動的に載置されたレバー
126に固定されている。
【0023】モータ40が作動すると、圧力流体はガス
発生装置80から流れ出し、流体入り口通路82を通っ
て、第2の流体通路124内に流入する。第2の流体通
路124内の流体の圧力は、ピストン122上に作用し
て、レバー126を図9において点線で示されている位
置から、図9において実線で示されている位置まで、枢
動させる。レバー126が枢動する際に、レバー126
上の軸方向に突出している可撓性フィンガー130(図
11)は、回転するためにリトラクタースプール21に
固定されたラチェットホイール134との係合部分ま
で、ロック爪132を移動させる。ロック爪132のラ
チェットホイール134との係合部分は、ベルト引き込
み方向(矢印138の方向)でのラチェットホイール及
びスプールの回転は許すが、ベルト引き出し方向(矢印
136の方向)(図11)でのスプール32の回転は阻
止する。よって、モータ40がベルトウェビング14に
張力を加えた後、阻止機構120が、リトラクター20
からのベルトウェビングの引き出しを阻止するが、プレ
テンショナー10は作動可能のままで、モータ40の作
動に依ってリトラクタースプール32上にベルトウェビ
ング14を巻く。
【0024】図12及び図13は、回転阻止機構(以下
阻止機構)140の第3のタイプを示す。阻止機構14
0は、ハウジング44に関して枢動移動するように載置
された爪142を含む。オーバセンタ(overcen
ter)スプリング144は、ハウジング44と連結さ
れた一方の端部と爪142と連結された他方の端部とを
有する。オーバセンタスプリング144は、通常、図1
2に示された圧力チャンバ48の外の位置に、爪142
を押圧する。
【0025】モータ40を動作させるとき、ガス発生装
置80は、圧力流体を流体入り口通路82に流す。この
流体の一部は、相互連結された通路146を通って流れ
て、爪142と接触する。爪142上に作用している流
体の圧力は、オーバセンタスプリング144の押圧効果
に対抗して、図13に示されている係合位置まで、爪を
移動させる。爪142が係合位置にある場合、爪の一部
は、ハウジング44の内側で圧力チャンバ48内に突出
する。オーバセンタスプリング144は、係合位置に爪
142を弾力的に保持する。
【0026】回転子42がプレテンショニング方向すな
わちベルト引き込み方向150に回転する場合、それぞ
れの移動している回転子の頂点は、オーバセンタスプリ
ング144の押圧効果に対抗して、爪142に係合し且
つ前記爪を圧力チャンバ48の外に移動させて、回転子
を爪142を越えて移動させる。回転子の頂点が爪14
2を越えて移動した後、オーバセンタスプリング144
は、爪を係合位置に戻す。これは、ベルト引き込み方向
150で回転子の頂点が爪142との係合部分内に移動
するごとに、連続して繰り返される。
【0027】図13に示されるように、ベルト引き出し
方向152での回転子42の回転は、回転子と爪142
との係合により、阻止される。これは、モータ出力軸6
6の同じ方向での回転を阻止し、したがって、同じ方向
でのリトラクタースプール32の回転もまた阻止する。
これは、リトラクター20からのベルトウェビングの引
き出しを阻止するので、続いて、車両シート12に関し
て車両乗員の前方への動きを拘束する。
【0028】図14及び図15は、バックルに連結され
たベルトウェビングを引っ張る方向にシートベルトバッ
クル192を移動させるための、プレテンショナー10
の使用を説明する説明図である。プレテンショナー10
の出力軸66は、回転するために、螺旋溝196を有す
るドラム194に固着されている。バックル支持ケーブ
ル198は、ケーブル端部コネクタ200によって、ド
ラム194に固着されている。
【0029】プレテンショナー10の作動によって、出
力軸66は、図14にて矢印202により示されている
ように、ベルト引っ張り方向にドラム194を回転させ
る。ドラム194が回転するにつれ、バックル支持ケー
ブル198は、ドラム上の螺旋溝196に巻き付く。ケ
ーブル198がドラム194に巻き付くにつれ、バック
ル192は、ドラム194に対してより近くに引かれ
る。バックル192のこの運動は、バックル192と連
結されたベルトウェビングを引っ張り、車両乗員の前方
への運動を拘束する。
【0030】図16〜図18に示された本発明の実施態
様において、プレテンショナー10の出力軸66は、回
転運動のために、ウェブ把持具160と連結される。ウ
ェブ把持具160は、ウェブ把持具組立体162の一部
であり、前記組立体は、図1において概略的に示されて
いるように、ベルトウェビング14のショルダーベルト
部分28及びリトラクタ20の中間のある位置に配設さ
れている。
【0031】ウェブ把持具組立体162は、車両本体1
6に図示されてはいない態様にて固着されたフレーム1
64を含む。プレテンショナー10は、フレーム164
上に載置されている。ウェブ把持具160は、軸166
及び168上に支持されて、フレーム164に関して回
転する。軸166は、回転運動のためにプレテンショナ
ー10の出力軸66に結合されている。
【0032】ウェブ把持具160内のスロット170
は、ウェブ把持具を幅狭の部分172と幅広の部分17
4とに分ける。ベルトウェビング14は、ウェブ把持具
160のスロット170を貫通して伸びる。ウェブ把持
具160は、軟質プラスチック材料で被覆され、グリッ
プを強化する。
【0033】図17は、作動していない状態でのウェブ
把持具組立体162を示す。ベルトウェビング14は、
ウェブ把持具160内のスロット170を垂直方向に貫
通して伸びる。ベルトウェビング14は、スロット17
0を貫通して運動自在である。
【0034】プレテンショナー10の作動によって、モ
ータの出力軸66は、ベルト引き込み方向180に回転
する(図18)。ウェブ把持具160もまた、ベルト引
き込み方向180に回転する。ウェブ把持具160が回
転するにつれ、ウェブ把持具の短い部分172がベルト
ウェビング182をリトラクタ20から引き出す。同時
に、ウェブ把持具160の長い部分174が、ショルダ
ーベルトウェビング28を引き出す。シートベルト装置
11のショルダーベルト部分28からのベルトウェビン
グは、リトラクタ20からのベルトウェビング182よ
りも高速度で、ウェブ把持具組立体162内に引き出さ
れる。ウェブ把持具組立体162内へのベルトウェビン
グ28の引き出しは、車両乗員に対するベルトウェビン
グに張力を加えて、車両シート12に関して車両乗員の
前方への運動を拘束する。
【0035】図19に示される本発明の別の実施態様に
おいて、ギア駆動組立体210は、プレテンショナー1
0の出力をリトラクタ20のスプールに伝達する。ギア
駆動組立体210は、回転のためにプレテンショナー1
0の出力軸66に連結された第1の平歯車212を含
む。ギア組立体210は、更に、ギア212と噛み合う
第2の平歯車214を含む。ギア214は、回転のため
に、軸216に固着されている。軸216は、回転のた
めに、リトラクタ20のリトラクタスプール32と結合
されている。
【0036】プレテンショナー10の作動によって、出
力軸66の回転運動は、平歯車212及び214を介し
て、軸216まで伝達される。軸216は、リトラクタ
スプール32をベルト引き出し方向に回転させる。スプ
ール32のベルト引き出し方向への回転は、リトラクタ
20のスプール上にベルトウェビング14を巻き付け
る。こうして、車両乗員について延ばされているベルト
ウェビングに張力を加えて、車両シート12に関して車
両乗員の前方への運動を拘束する。
【0037】もし、プレテンショナーの出力軸が、回転
のために通常リトラクタスプールに連結されていれば、
リトラクタスプールの回転により、回転子42を含むプ
レテンショナー10の部品の回転が生じる。図20及び
図21は、クラッチ組立体230を示す。前記クラッチ
組立体230は、プレテンショナーの出力軸がリトラク
タスプールあるいは他のベルトに張力を加える装置から
通常外されていることが望ましい場合に、用いることが
できる。
【0038】クラッチ組立体230において、出力軸
は、回転のために、カム(図3及び図4の実施態様での
ように)に固着されていない。代わりに、クラッチ組立
体230は、互いに回転可能な出力軸66a及びカム6
4aを含む。クラッチ組立体230は、以下に記載する
ように、回転のためにカム64と出力軸66aとの選択
的な結合を可能とする。
【0039】クラッチ組立体230において、カム64
aは、その内部周縁に3つのカム表面242、244及
び246を有する。弾性撓み部材250は、ハウジング
44に摩擦により結合しており、且つクラッチ組立体2
30が図20及び図21に実線で示されている外れた状
態にある場合、ハウジングに関して回転しない。クラッ
チ組立体230が係合状態にある場合、撓み部材250
は、ハウジング44に関してカム64aとともに回転す
る。
【0040】撓み部材250は、3対の軸方向に延びて
いるフィンガー252、254及び256を含む。撓み
部材のフィンガー252は、第1のクラッチ要素262
をカム表面242に対して半径方向外方向に押圧する。
同時に、撓み部材のフィンガー254は、第2のクラッ
チ要素264をカム表面244に対して半径方向外方向
に押圧し、撓み部材のフィンガー256は、第3のクラ
ッチ要素266をカム表面246に対して半径方向外方
向に押圧する。
【0041】クラッチ要素262、264及び266
は、図20及び図21にて実線で示されている半径方向
外方向位置にある場合、出力軸66aから離隔してい
る。出力軸66aは、一連の軸方向に伸びる円弧状凹部
272により規定されているように、細溝付きの横断面
形状を有する。示された実施態様において、出力軸66
aは、軸の軸線272の回りに等間隔に隔てられている
6個の凹部272を有する。
【0042】クラッチ組立体230は、通常、図20及
び図21にて実線で示されている外されて状態にある。
出力軸66aは、クラッチ組立体の他の部品のいずれと
も係合せずに、クラッチ組立体230内で回転自在であ
る。特に、出力軸66aは、図20において矢印278
にて示されているように、ベルト引き込み方向に、また
矢印280にて示されているように反対のベルト引き出
し方向に、回転することができる。したがって、出力軸
66aは、回転のために、シートベルトリトラクタのス
プール(図示せず)と直接的に結合可能である。
【0043】所定の減速を越える車両減速が生じる場合
に、プレテンショナー回転子42は、矢印278で示す
ベルト引き込み方向に軌道を描いて回転する。この回転
子42のベルト引き込み方向における軌道運動は、結果
的に、軸274について同じ方向でのカム64aの運動
を生じさせる。
【0044】カム64aが矢印278で示すベルト引き
込み方向に回転するにつれ、カム上のカム表面242、
244及び246は、図20及び図21にて点線で示す
ように、クラッチ組立体262、264及び266を出
力軸66aの各凹部272内に半径方向内方向に動か
す。クラッチ要素262、264及び266が出力軸6
6aと係合している場合に、出力軸にカム64aの回転
力を伝達する。よって、回転子42が、矢印278で示
すベルト引き込み方向に動き続けるにつれ、カム64a
は、出力軸66aをもまたベルト引き込み方向に回転さ
せる。ベルト引き込み方向での出力軸66aの回転は、
結果的に、リトラクタスプール上のベルトウェビングの
巻き付けを生じさせ、ベルトウェビングの弛みを引き締
め且つ車両乗員の動きを拘束する。
【0045】回転子42が矢印278で示すベルト引き
込み方向に回転させるべく、もはや駆動しなくなった場
合に、出力軸66aは、ベルト引き出し方向280に回
転することができる。撓み部材250は、クラッチ要素
262、264及び266を出力軸66aから半径方向
外方向に離隔するように運動させる。クラッチ組立体2
30は、よって、図20及び図21にて実線で示されて
いる外された位置に戻る。ここで、出力軸66aは、回
転子42に関していずれの方向へも回転自在である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のシートベルトウェビングレト
ラクター及びプレテンショナーを含む車両シートベルト
装置の斜視図である。
【図2】図2は、図1のレトラクターの描写図である。
【図3】図3は、図2の線3−3に沿ったリトラクター
の断面図である。
【図4】図4は、図2の線4−4に沿った断面図であ
る。
【図5】図5は、プレテンショナーのロータリートロコ
ダイルモータの一連の作動を示す説明図である。
【図6】図6は、図5のモータの逆回転を防止する阻止
機構を示す説明図である。
【図7】図7は、第2の状態における阻止機構を示す図
6と同様の説明図である。
【図8】図8は、第3の状態における阻止機構を示す図
6と同様の説明図である。
【図9】図9は、阻止機構の第2のタイプを示す説明図
である。
【図10】図10は、図9の阻止機構の立面図である。
【図11】図11は、図9の阻止機構の作動を示す斜視
図である。
【図12】図12は、阻止機構の第3のタイプを示す説
明図である。
【図13】図13は、図12の阻止機構の作動を示す説
明図である。
【図14】図14は、本発明によるプレテンショナーを
含むシートベルトバックル組立体を示す説明図である。
【図15】図15は、図14の組立体の立面図である。
【図16】図16は、本発明によるプレテンショナーを
含むウェブグラッバー組立体を示す説明図である。
【図17】図17は、図16の線17−17に沿った断
面図である。
【図18】図18は、賦活された状態でのウェブグラッ
バーを示す図17と同様の図である。
【図19】図19は、本発明によるプレテンショナーと
シートベルトリトラクターとの間のギア連結部を示す描
写図である。
【図20】図20は、本発明によるプレテンショナーと
ともに用いるクラッチ組立体を示す説明図である。
【図21】図21は、図20の線21−21に沿った断
面図である。
【符号の説明】
10:プレテンショナー 14:ベルトウ
ェビング 22:ベルトウェビング係合部材 40:モータ 42:回転子 44:ハウジン
グ 48:チャンバ 50、52、5
4:流体係合表面 66:出力軸
フロントページの続き (72)発明者 チャールズ・イー・ステファンズ,ジュ ニアー アメリカ合衆国ミシガン州48095,ワシ ントン,キャンプグラウンド・ロード 66800 (56)参考文献 特開 昭50−127065(JP,A) 特開 昭54−142730(JP,A) 特開 平4−5148(JP,A) 特開 昭58−195574(JP,A) 特開 平1−240345(JP,A)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輛乗員の移動を拘束するためにベルト
    ウェビングの弛みを引き締める装置であって、 チャンバを形成する内面を持つ壁を有するハウジング
    と、前記チャンバ内で回転可能であり且つ流体係合面を
    有する回転子と、前記ハウジングに関して回転するよう
    に支持された出力軸と、前記回転子から前記出力軸に回
    転力を伝達して前記出力軸を回転せしめる手段とを含む
    ロータリトロコイドモータと、 圧力流体を供給するように作動可能な流体源と、 作動時に圧力流体を前記流体源から前記チャンバ内に流
    して前記ロータの流体係合面に作用させ、前記回転子を
    前記チャンバ内で第1の回転方向に回転させ、これによ
    って前記出力軸を回転させる通路手段と、 前記ベルトウェビングの弛みを引き締めるために前記ベ
    ルトウェビングに係合可能なベルトウェビング係合部材
    と、 前記回転する出力軸から前記ベルトウェビング係合部材
    に力を伝達してベルトウェビングを緊張させるために前
    記出力軸とベルトウェビング係合部材とを相互に連結す
    る接続手段と、 を備えた装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の装置であって、前記ベ
    ルトウェビング係合部材はベルトウェビングを巻きつけ
    ることができるスプールを含み、前記接続手段は前記出
    力軸と共に回転するように前記スプールを連結する手段
    を含む装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の装置であって、前記シ
    ートベルトウェビング係合部材はシートベルトウェビン
    グに接続されたバックル組立体を含み、前記バックル組
    立体がそのバックル組立体に接続された弾性部材を有
    し、前記接続手段は前記出力軸と共に回転可能なドラム
    を含み、前記弾性部材を前記ドラムに巻き取ってベルト
    ウェビングを緊張せしめる装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の装置であって、前記ベ
    ルトウェビング係合部材はベルトウェビングを巻きつけ
    ることができるスプールを含み、前記接続手段は前記出
    力軸と共に回転可能な第1のギヤと前記第1のギヤに噛
    合って前記スプールと共に回転可能な第2のギヤとを含
    む装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の装置であって、前記ベ
    ルトウェビング係合部材はベルトウェビングを伸張する
    ことができる開口を有するウェブ把持具を含み、前記ウ
    ェブ把持具はベルトウェビングが前記ウェブ把持具を通
    して移動可能な第1の位置とベルトウェビングが前記ウ
    ェブ把持具に巻きついてベルトウェビングを緊張させる
    第2の位置との間で回転可能であり、前記接続手段は前
    記出力軸と共に回転してベルトウェビングを緊張せしめ
    るように前記ウェブ把持具を前記出力軸に連結する手段
    を含む装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の装置であって、前記ウ
    ェブ把持具はウェブ把持具に形成された前記開口により
    隔てられた第1の部分と第2の部分とを含み、前記第2
    の部分の幅は前記第1の部分の幅より広く、前記第2の
    部分は、前記流体源の起動時にベルトウェビングを前記
    第1の部分より早い速度で前記ウェブ把持具の巻付位置
    に引っ張る装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の装置であって、更に、
    前記回転子がチャンバ内で第1の回転方向とは反対の第
    2の回転方向に回転するのを阻止するように、前記ハウ
    ジングに連結されている回転阻止手段を備える装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の装置であって、前記回
    転阻止手段は、ロックレバーを含み、前記ロックレバー
    は、前記回転子の第2の回転方向への回転を阻止する第
    1の位置と、前記回転子の第2の回転方向への回転を可
    能にする第2の位置との間で移動するように、前記ハウ
    ジングに支持されている装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の装置であって、前記ロ
    ックレバーを前記回転子の第2の回転方向への回転を阻
    止する第1の位置に押圧する付勢手段を含み、前記ロッ
    クレバーは前記付勢手段の作用に抗して第2の位置に移
    動可能であり、その位置で前記回転子の第2の回転方向
    への回転を可能にする装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の装置であって、オー
    バセンタばねを含み、前記オーバセンタばねが、前記ロ
    ックレバーを前記回転子の第2の回転方向への回転を阻
    止する第1の位置に押圧する第1の状態と、前記ロック
    レバーを回転子の第2の方向への回転を可能にする第2
    の位置に押圧する第2の状態とを有する装置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の装置であって、更
    に、前記ロックレバーを第2の位置から第1の位置に移
    動させるために、前記流体源からの圧力流体を流す手段
    を含む装置。
  12. 【請求項12】 請求項7に記載の装置であって、前記
    ベルトウェビング係合部材は、ベルトウェビングを巻き
    付け可能なスプールを含み、前記回転阻止手段は、前記
    スプールと共に回転するようにスプールに連結されてい
    るラチェットホイールと、ベルト引き出し方向へのスプ
    ールの回転を阻止するように前記ラチェットホイールと
    係合状態に移動可能なロック爪と、前記ロック爪を前記
    ラチェットホイールとの係合状態に移動するために前記
    流体源の作動に応答する作動手段とを含む装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の装置であって、前
    記作動手段は、 前記ロック爪と係合可能であると共に係合位置に移動し
    て前記ロック爪をラチェットホイールと係合させて保持
    し、前記スプールのベルト引き出し方向への回転を阻止
    しかつ前記スプールのベルト引込み方向への回転を可能
    にする弾性部材と、 前記弾性部材を前記係合位置に移動して前記ロック爪を
    ラチェットホイールと係合させるように圧力流体を前記
    作動された流体源から流す流体通路手段とを備える装
    置。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の装置であって、前記
    回転子からの回転力を前記出力軸に伝達するための手段
    が、 前記回転子から前記出力軸への力の伝達を阻止する非係
    合状態と、前記回転子から前記出力軸への力を伝達を行
    ってベルトウェビングに張力を加える係合状態との間で
    移動可能なクラッチと、 前記クラッチを非係合状態から係合状態まで移動させる
    ために前記流体圧力源の作動に応答する手段と、を備え
    る装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の装置であって、前
    記ベルトウェビング係合部材が、ベルトウェビングを巻
    き付けることが可能なスプールを備え、前記クラッチが
    前記スプールを前記回転子と共に回転のために前記回転
    子に連結させる手段を備える装置。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の装置であって、前
    記スプールを回転子に連結させる手段が、前記回転子と
    ともに回転可能なカムと、前記カムによって前記出力軸
    と係合されて前記出力軸に連結し、よって前記スプール
    を回転子と共に回転させる連結要素と、を備える装置。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載の装置であって、前記
    流体源が、30ミリ秒を越えない時間にわたって、圧力
    流体を発生させるべく作動可能なガス発生装置を備え、
    前記通路手段が、前記ハウジングに形成されていて、前
    記ガス発生装置と前記チャンバとの間で伸びかつ前記チ
    ャンバ内への開口部を有する流体通路を備え、前記流体
    通路は、ガス発生装置が作動したとき、ガス発生装置か
    らの圧力流体を前記チャンバ内に流して回転子を前記チ
    ャンバ内における第1の回転方向に回転子を回転させる
    装置。
  18. 【請求項18】 請求項1に記載の装置であって、前記
    流体源が、容器及び前記容器内の圧力ガス源を備え、前
    記通路手段が、前記ハウジング内にあり、前記容器と前
    記チャンバとの間にで伸び且つ前記チャンバ内への開口
    を有する流体通路を備え、前記流体通路が、前記容器か
    らの圧力ガスを前記チャンバ内に流し、前記回転子を前
    記チャンバ内で第1の回転方向に回転させる装置。
  19. 【請求項19】 請求項1に記載の装置であって、前記
    チャンバが前記ハウジング内側壁表面によって画成され
    たエピトロコイド形状を有し、前記回転子が概して三角
    形状であって且つ前記流体係合表面を含む3つの流体係
    合表面を有し、前記通路手段が、前記ハウジング壁内の
    定位置にある口ポートを備える装置。
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