JP3792649B2 - プリテンショナドライブ装置 - Google Patents
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Description
関連特許の相互参照
本願は、2000年6月5日付申請の米国予備出願第60/209,376号の優先権を主張するものである。本願はまた、2001年2月5日に出願の米国特許出願第09/777,388の一部継続出願である。
【0002】
発明の背景
本発明はシートベルト用プリテンショナに関し、より詳細には、複数の簡略化したモーション倍率器を組み込むことにより、アクチュエータのストローク要件を緩和するシートベルト用プリテンショナに関する。
【0003】
シートベルト用プリテンショナは、乗員の前方への移動を最小化するために、衝突発生時にシートベルトの緩みを除去する。火薬式ガス発生装置を使用して、衝突時にシートベルトの緩みを巻き上げるか、または引き込む機構を作動させることは知られているが、このような公知の火薬式ガス発生装置は、一般にシートベルトリトラクタ内に配置されている。したがって、作動後はリトラクタの劣化が防止できないために、プリテンショナとリトラクタの全体を取り替えなくてはならず、車両オーナにとっては大きなコスト負担となる。また高温ガスは内部金属表面を摩減(abrade)すると共に、灰や燃滓を発生させてリトラクタ機構を動かなくさせる。
【0004】
公知のプリテンショナのもう一つの問題は、プリテンショナが、例えば車両エアバッグを起動させるのに十分な「G」力が発生する、重大事故時にのみ起動するように設計されていることである。安全システムの設計者は、起動後に、シートベルト用リトラクタとプリテンショナの全アセンブリを取り替える費用が高いために、そのような比較的高い閾値を選んでいる。この結果、シートベルト用プリテンショナは、軽度の衝突においては乗員を保護しない。
【0005】
公知のプリテンショナに関連する問題の1つに、重大事故においてのみプリテンショナが起動されるとき、衝突場面において比較的遅い段階で、起動が起こることである。したがって、プリテンショナはシートベルトの緩みを迅速に除去しなくてはならず、時には乗員に傷害を与えることがある。
【0006】
本願に参照として組み入れる、米国特許第5,967,440号には、安全ベルトシステム用のプリテンショナおよび従来型リトラクタが記載されている。シートベルト用リトラクタと比較すると、プリテンショナは比較的複雑かつ大型であり、シートベルトアセンブリの重量および空間要件を増大させる。
本願に参照として組み入れる、米国特許第5,899,399号には、最新技術のプリテンショナが記載されている。このプリテンショナは、比較的複雑であり、このために製造プロセスが複雑化する。
本願に参照として組み入れる、米国特許第5,944,350号には、最新技術のプリテンショナが記載されている。このプリテンショナも、比較的大型であり、このためにシートベルトアセンブリの重量および空間要件を増大させている。
【0007】
本願に参照として組み入れる、ドイツ特許第DE10010379A1では、ウェビングリールのハブの回りに巻いたスチールコードを駆動するマルチピース(複数シリンダ)アクチェータ用の弓形パスを有し、これによって連結されたシートベルトに予張力を加える、プリテンショナが記載されている。このプリテンショナは、マルチピースとすること、またはアクチュエータが横切る弓形チャネル溝としなくてはならないことを考えると、その製造がより複雑となる。弓形チャネルを使用すると、チャネル幅の均一性と有効なシーリングが困難となる。第2には、通常の車両運転中のガタガタ音を防止するために騒音低減手段を使用するために、製造コストが増大する。さらに、スチールコードとマルチピースアクチュエータの共用は、摩擦損失を生み、アクチュエータの最前端シリンダからスチールコードに作用する荷重が減少する。その結果、マルチピースアクチュエータを駆動することおよび、シートベルトに予張力(プリテンション)を加えることに、より大きな力を必要とする。記載されている1つの解決策では、弓形チャネルに沿って回転要素が円滑に移動しやすくするために、中間要素「43」が使用される。結果的に、中間要素「43」を使用しなければ、顧客の要求に応じたシートベルトの予張力に必要と思われる比較的大きな燃焼圧力(より多量の推進薬によって生じる)に耐えるのに、おそらくより頑強なハウジングを必要とする。
【0008】
その他のプリテンショナの設計においては、連結されたシートベルトリトラクタアクスルをクラッチ結合するために、比較的複雑なクラッチアセンブリが使用される。公知のプリテンショナ駆動システムの多くも、比較的複雑である。米国特許第6,042,041号、5,842,344号、5,794,876号、5,699,976号(参照として本願に組み入れる)では、公知のプリテンショナの複雑さが説明されている。したがって、製造要件が簡略化されることを考えると、公知の設計の簡略化が望ましい。
【0009】
発明の概要
本発明の好適に構成された実施態様によれば、上記の問題は、本質的に密封されたハウジング内でモーション倍率器を使用し、これによってリトラクタが燃焼ガスや燃滓に曝されるのを防止することにより、解決される。より具体的には、本発明では、ギア付きクラッチスリーブ(ギア付きハブ)と噛合または係合するギア付きプーリー(駆動ギア)を使用する。1対のクラッチセグメントが、プリテンショナ起動時にウェビングリールシャフトを把持するために、クラッチスリーブの半径方向内側で、かつシートベルトリトラクタのウェビングリールシャフト(リトラクタシャフト、リトラクタアクスル、円筒形シャフト)の半径方向外側に取り付けられる。ウェビングリールシャフトは、円周上で対向するクラッチセグメント(ギア付きクラッチセグメント、弓形セグメント)間を貫通して軸方向に伸び、かつ車両の通常運転中は自由に回転する。
【0010】
ウェビングリールシャフトはまた、ハウジングを貫通し、かつシートベルトリトラクタのウェビングリール(ウェビングスプール)の軸上を貫通して延びており、これによって、起動されたクラッチと、ウェビングリールとの間の同軸接続が成立する。クラッチ(クラッチスリーブおよびクラッチセグメント)をプリテンショナ内に含めることによって、リトラクタ内で起動可能なクラッチは不要になる。本発明の設計はまた、プリテンショナ内に収納されているガス発生混合物(火薬混合物、ガス発生剤、火薬、ガス生成火薬、火薬式ガス発生剤、火薬材料)の燃焼時に生成されるガスや固体に乗員が曝されるのを防止する。
【0011】
本発明の好ましい実施例においては、プリテンショナは、ハウジングと、ギア付きクラッチスリーブと係合するギア付きプーリーまたは駆動ギアと、ギア付きクラッチスリーブ内に同軸で長手方向に配置されたウェビングリールシャフトと、プリテンショナの起動時にギア付きプーリーを回転させるストラップと、プリテンショナの起動時にストラップに張力を加え、かつ推進するアクチュエータ(ピストン)と、アクチュエータを推進するガス発生混合物と、例えば加速度計からの信号を受けてガス発生混合物に点火するイニシエータとを備える。ガス発生混合物に点火すると、アクチュエータは略直線の経路で前方に駆動され、これによって、ストラップを引き締め、ギア付きプーリーを回転させ、同時にギア付きクラッチスリーブを回転させて、ウェビングリールシャフト回りのトルクを発生させる。こうしてウェビングリールシャフトの第1の端部上に取り付けられたギア付きクラッチスリーブの回転により、ウェビングリールに巻回されたシートベルトに、予張力が加えられる。
【0012】
使用後には、プリテンショナまたはその中の部品だけを交換すればよく、リトラクタまたはシートベルトリトラクタ機構の他の構成部品も取り替える費用が不要になる。一般に、リトラクタは再使用のために保存される。
プリテンショナの起動によってかかる費用が大幅に低減されるために、軽度の事故においても、シートベルトの予張力により乗員を保護することができる。さらに、軽度の衝突において起動するプリテンショナはまた、重大な衝突場面において早い段階で起動する。プリテンショナが早期に起動することによって、プリテンショナの起動時の衝撃性を低減でき、これによってシートベルトプリテンショナ自体によって引き起こされる障害の可能性が低下する。
【0013】
好ましい態様の説明
図を参照すると、本発明の好ましい実施態様によるプリテンショナ10は、従来型シートベルトリトラクタ14のシートベルト12に予張力を加えるように構成されたガス発生混合物16を備える。本発明のプリテンショナを応用できる、典型的なシートベルトリトラクタは、参照として本願に組み入れる、米国特許第5,743,480号、5,553,803号、5,667,161号、5,451,008号、4,558,832号および4,597,546号に教示されている。しかし、多くの公知のリトラクタではプリテンショナ起動時にクラッチ機構を利用しているが、本発明ではシートベルトに予張力を加えるためのクラッチアセンブリが不要になることが強調されるべきである。本発明のプリテンショナは、他の公知プリテンショナと比較して、プリテンショナ駆動を改善かつ簡略化するクラッチアセンブリを含む。したがって本発明によるプリテンショナに対応するリトラクタの製造は簡略化される。
【0014】
ハウジング18は、ガス発生混合物16を収容する。ガス発生混合物16は、燃焼時にアクチュエータ20を駆動する。アクチュエータ20は、鋼、真鍮、アルミニウム、プラスチック、その他の十分に剛性のある材料で製作される。望ましい場合には、ガス発生器22をハウジング18内に収納して、点火時にガスを生成するためにガス発生混合物16を利用してもよい。ガス発生混合物16は、現在プリテンショナに使用されている公知または最新技術の、任意の推進剤でもよく、あるいはその代わりに例えばエアバッグに使用できる公知のガス発生剤でもよい。説明のために、参照として組み入れる米国特許第5,035,757号を参照されたい。さらに、図1に示すように、ガス発生混合物16は、アクチュエータ20内に収納してもよく、これによって独立のガス発生器22が不要となる。
【0015】
イニシエータ(起爆装置)26上の電気接点24は、車両衝突時にプリテンショナ10の起動信号を出す、衝突センサ(図示せず)と接続する。イニシエータ26は、例えば加速度計から信号を受けると、ガス発生混合物16に点火する。イニシエータ容器28は、ねじ式またはその他の方法でハウジング18内に受け入れられると共に、イニシエータ26を収容している。換言すると、衝突発生時にプリテンショナ10を起動させ、アクチュエータ20を駆動する手段には、アクチュエータ20内に収納された(または独立のガス発生器22で供給される)ガス発生混合物16、電気接点24およびイニシエータ26が含まれる。
【0016】
ガス発生混合物16の燃焼で生成されたガスは、次いでアクチュエータ20をストラップ30の平坦部分31に放出する。ストラップ30は、駆動ギアまたはギア付きプーリー34の回りに巻回され、第1の端部32で固定されている。ストラップ30の第2の端部36は、好ましくはアクチュエータ20に隣接または近傍位置で、ハウジング18の外部に固定される。ギア付きプーリー30は、車両の通常運転中はギア付きクラッチスリーブ38と係合している。プリテンショナが起動されると、張力を受けたストラップ30が及ぼすトルクによって、ギア付きプーリー34とそれに係合するギア付きクラッチスリーブが回転する。ウェビングリールシャフト40の第1の端部42は、クラッチアセンブリ中に軸に沿って配置され、プリテンショナ10の起動前には、クラッチアセンブリ37とは無関係に回転する。ウェビングリールシャフト40の第2の端部44は、ハウジング18を貫通してリトラクタ14中に延びている。クラッチアセンブリ37と同軸連結する、ウェビングスプールすなわちウェビングリール46は、第2の端部44の回りに回転して、シートベルト12を巻き取り、および巻き出しする。
【0017】
クラッチアセンブリ37は、1対の固定されたクラッチセグメント(第1および第2のクラッチセグメント)52、58に対して圧縮付勢されたギア付きクラッチスリーブ38を有し、プリテンショナ10の起動時に、クラッチスリーブが、ウェビングリールシャフト40を把持すると、クラッチスリーブ38に作用する回転トルクが、第1および第2のクラッチセグメント52および58に、圧縮方向および回転方向のトルクを加える。図には好ましいクラッチを示すが、当業者であれば、本発明による他のクラッチの設計を使用する可能性を容易に理解するであろう。例示したクラッチは、参照として組み入れる、米国特許第5,451,008号および第5,743,480号に記載されている。
【0018】
図からわかるように、第1のせん断ピン50は、対応する第1のクラッチセグメント52をハウジング18とカバー56に固定している。第2のせん断ピン54は、対応する第2のクラッチセグメント58を、ハウジング18およびカバー56に固定している。第1および第2のクラッチセグメント52および58は、互いに距離をおき、かつウェビングリールシャフト40の半径方向外側に取り付けられ、各クラッチセグメントは、円周方向に、ウェビングリールシャフト40の円周に対して、互いに対向している。言い換えると、第1のクラッチセグメント52の内表面53は第2のクラッチセグメント58の内表面55と対向しており、ウェビングリールシャフト40がその間にある。逆に、第1および第2のクラッチセグメント52および58は、ギア付きクラッチスリーブ38の内表面39の半径方向内側に、外周面を同一面にして固定されている。
【0019】
ギア付きプーリー34の軸円筒すなわち円筒部分60には、その上に固定したストラップ30を巻きつけ、すなわち円周方向に配置されている。プリテンショナの起動およびアクチュエータ20の起動時に、張力を加えられたストラップ30は、ギア付きプーリー34の円筒部分60の回りにトルクを加える。このトルクが、アクチュエータ20の直線移動に応じて増大し、ギア付きプーリー34は、ギア連結しているギア付きクラッチスリーブ38に回転トルクを加える。ギア付きクラッチスリーブ38は、初期には第1および第2のクラッチセグメント52および58に、圧縮方向のトルクを加える。トルクが増大するにつれて、クラッチスリーブ38は、それぞれのせん断ピン50および54を破壊し、これによって同時に回転および圧縮トルクを第1および第2のクラッチセグメントに伝え、かつウェビングリールシャフト40回りに第1および第2のクラッチセグメント52および58を、回転可能に駆動する。ウェビングリールシャフト40が回転するにつれて、ウェビングリール46が、対応して回転し、これによってウェビングリール46回りに巻回されたシートベルト12に予張力が加えられる。
【0020】
本発明の別の態様においては、第1通路(第1の長方形チャネル)72が、第1の端部74と第2の端部76を有し、ハウジング18の長手方向に略同じ長さに形成されている。アクチュエータ20は、ガス発生混合物16の点火およびプリテンショナ10の起動以前は、第1の端部74内に収容されている。スプリング77を用いて、アクチュエータ20の前端を、第1通路72を横断するストラップ30の平坦部分31に対して付勢してもよい。これによって振動による騒音を抑止できる。ストラップ30の第1の端部32は、平坦部分31から延びており、ギア付きプーリー34の円筒部分60の回りに巻かれている。ストラップ30の第2の端部36は、アクチュエータ20に隣接して、ハウジング18の外部に固定されている。このように構成すると、ストラップ34は、遊星歯車などのギア式モーション倍率器を使用したときに匹敵する、モーション倍率効果を提供するが、コストははるかに少なくてすむ。要約すると、アクチュエータ20の直線運動は、ギア付きプーリー34の回転運動、ギア付きクラッチスリーブ38の回転運動、およびギア付きクラッチスリーブ38と同軸関係のウェビングリール46の回転運動に変わる。このようにしてシートベルト12が引き締められる。
【0021】
要するに本発明には、いくつかのモーション倍率特性が組み込まれる。それは、1)アクチュエータ20/ストラップ30構成、2)2つの直径を有するギア付きプーリー34(小径の円筒部分60の入力直径に対する、ギア付きクラッチスリーブ38と噛合する大径のギア付き部分の相対出力直径の比。ここで入力直径すなわち円筒部分60は、それに巻きつけ、かつ固定したストラップ30を有する)、および3)大径のギア付きプーリー34の出力直径に対して、比較的小径のクラッチスリーブ38直径の比、である。さらに、本発明はクラッチ機構を組み込む公知のモーション倍率器の設計と製造を簡略化する。本発明によると、クラッチアセンブリはまったく必要ではない。最後に、本質的に密封されたハウジング18は、比較的大量のガス、騒音および火焔の発生を防止する。
【0022】
プリテンショナ起動に基づくリトラクタの応答を説明するには、本願に参照として組み入れたブラウン(Brown)らの米国特許第5,899,399号を参照されたい。「プリテンショニング」とは、一般にシートベルトの緩みを除去する意味と定義される。本発明によると、ガス発生混合物により生成されたガスが、アクチュエータ20をストラップ30に推し込むことによって、ギア付きクラッチスリーブ38を回転前進させて、シートベルト12の緩みを引き締める。
【0023】
最後に、本発明のさらに別の態様においては、図8に示すように好ましいアクチュエータを使用すると、プリテンショナの起動中のストラップの完全性が大幅に向上する。公知のアクチュエータの中には、例えば棒材などの円筒形スラグ(塊)の一端に形成された、丸みをつけた先端を有する一体型スラグを使用するものもある。この種のアクチュエータがストラップ30を推進すると、ストラップ30は丸みをつけた端部に沿って変形するために、変形を生じる様々な箇所においてストラップの強度が低下する。これによってストラップが破損し、プリテンショナが故障する可能性がある。一方、図8に示すアクチュエータは、第2の構成要素23と相互に結合された第1の円筒形構成要素21を含み、この第2の構成要素が、アクチュエータ20の先端である丸形端部29を形成し、かつ第1の平坦側部25および第2の平坦側部27を有し、この両側部は丸形端部29によりつながれ、丸形端部29がストラップ30と同一面で連続している。プリテンショナ10の起動時に、第1および第2の平坦側部25および27によって、ストラップ30と接触する先端の丸形端部29の表面積が増加し、ストラップ30の変形と破損が最小限に抑えられることがわかった。
【0024】
ハウジング18、アクチュエータ20、ギア付きプーリー34、ギア付きクラッチスリーブ38、第1および第2のクラッチセグメント52、58およびイニシエータ容器28は、好ましくは、プラスチック、複合材料、および/または鋼、合金鋼、亜鉛またはアルミニウムなどの1種または2種以上の金属から、射出成型、ダイキャスト、嵌入、および/または削り出しする。ガス発生混合物16、ガス発生器22、イニシエータ26およびストラップ30はすべて、当業者に公知の方法によって、製造または入手する。例えばストラップ30は、鋼またはアルミニウム帯板、鋼またはアルミニウム線材、あるいは繊維(布またはゴム)帯板などから形成することができる。例えば、日本のTakata Incなどの会社がガス発生器22を供給することができる。イニシエータ26は、前記相手先ブランド供給業者(OEM)またはスペシャルデバイスインコーポレーテッド(Special Devices Incorporated)のような企業が供給することができる。上記出典は、参照として組み入れ、例として引用した。
【0025】
得られる利点としては、製造の簡略化と、リトラクタの保存も含まれる。例えば、ブラウン(Brown)らの米国特許第5,899,399号を参照されたい。また、本願に参照として組み入れた、ベール(Behr)の米国特許第5,397,075号を参照すれば、そのリトラクタアクスルを起動させるのに用いられる複雑なギア駆動機構が、本発明によって置換することができることがわかる。最後に、引用した文献に記載されているガス換気口は不要であり(望ましい場合には設けてもよい)、製造はさらに簡略化される。
【0026】
上記は本発明の使用について示し、説明したが、本願で開示した特定の好ましい実施態様に、本発明を限定しようとするものではない。したがって、上記の教示、および関連技術のスキルおよび/または知識に見合う変形形態や修正形態は、本願で説明し、添付の特許請求の範囲に述べた本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による交換可能なシートベルトプリテンショナの、起動前の状態における概略立面図である。
【図2】 本発明による交換可能なシートベルトプリテンショナの、起動後における概略立面図である。
【図3】 カバーを含む実施例の立面図である。
【図4】 本発明のプリテンショナクラッチと、従来技術のシートベルトリトラクタとの機械的協働を説明するための、図3の実施例のA−A切断線に沿った断面図である。
【図5】 本発明のストラップと、プリテンショナのギア付きプーリーとの機械的協働を説明するための、図3の実施例のB−B切断線に沿った断面図である。
【図6】 プリテンショナ起動前における、リトラクタシャフトの半径方向外向きに間隔を空けて配置されたクラッチアセンブリの平面図である。
【図7】 プリテンショナ起動時に、リトラクタシャフトに回りに半径方向内向きに圧縮されたクラッチアセンブリの平面図である。
【図8a】 好ましいアクチュエータの立面図である。
【図8b】 好ましいアクチュエータの立面図である。
【図9】 ガス発生器を含む実施例の立面図である。
Claims (9)
- シートベルトリトラクタのウェビングリールから軸方向に延びるウェビングリールシャフトと協働し、起動時にウェビングリールに巻回されたシートベルト用ウェビングに予張力を加える、プリテンショナであって、
長手方向に延びる長方形の第1通路をその内部に収容するハウジングであって、前記第1通路が第1の端部と第2の端部を有し、前記ハウジングがウェビングリールシャフトの第1の端部をさらに収容する、前記ハウジングと、
プリテンショナ起動前には、前記ウェビングリールシャフトの前記第1の端部の半径方向外側に間隔をあけて配置、かつ取り付けられ、各セグメントが他方のセグメントと円周上で対向する、第1のクラッチセグメントと第2のクラッチセグメントであって、プリテンショナ起動前には、前記ウェビングリールシャフトが前記第1および第2のクラッチセグメントと無関係に回転し、プリテンショナ起動時に前記第1および第2のクラッチセグメントが前記ウェビングリールシャフトを把持する、前記第1のクラッチセグメントと前記第2のクラッチセグメントと、
前記第1および第2のクラッチセグメントの半径方向外側に取り付けられたギア付きクラッチスリーブであって、前記ギア付きクラッチスリーブは、前記第1および第2のクラッチセグメントの外周面と同一面で連続する内表面を有し、プリテンショナ起動時に、前記ギア付きクラッチスリーブが前記第1および第2のクラッチセグメントに圧縮方向および回転方向のトルクを加える、前記ギア付きクラッチスリーブと、
前記ギア付きクラッチスリーブとギアで係合するギア付きプーリーであって、プリテンショナ起動時に、前記ギア付きクラッチスリーブに、回転トルクを加える、前記ギア付きプーリーと、
前記ハウジングに固定された第1の端部と、当該第1の端部から前記第1通路を横断して延びる中間部分と、前記中間部分から延びて、前記ギア付きプーリーに固定かつ巻回されている第2の端部とを有するストラップであって、プリテンショナの起動時に、前記ギア付きプーリーに回転トルクを加える、前記ストラップと、
前記第1通路の第1の端部内に配置されており、プリテンショナ起動時に、前記ストラップに予張力を加えることによってギア付きプーリーにトルクを加えるための、アクチュエータと、
点火可能であって、プリテンショナを起動し、アクチュエータを前記第1通路中に放出するのに十分な力を発生する、ガス発生混合物と、
前記ハウジング内に収容され、前記ガス発生混合物を点火させるために、前記ガス発生混合物と点火可能に接続する、イニシエータとを備え、
前記ガス発生混合物の点火時、およびアクチュエータの直線移動時に、ストラップに張力が加わり、この結果、ギア付きプーリー、ギア付きクラッチスリーブ、第1および第2のクラッチセグメント、ウェビングリールシャフト、ウェビングリールが回転前進することによって、ウェビングリールが巻かれ、ウェビングリール上のシートベルト用ウェビングに予張力を加える、前記プリテンショナ。 - 前記アクチュエータが、点火時にアクチュエータを推進する、ガス発生混合物を格納する、請求項1に記載のプリテンショナ。
- ガス発生混合物を収容するためのガス発生器をさらに備え、プリテンショナ起動時に、前記ガス発生器が、前記アクチュエータに流体的に作動する、請求項1に記載のプリテンショナ。
- 前記アクチュエータが、第1の構成要素と、前記第1の構成要素と結合された第2の構成要素とを備え、第2の構成要素が、アクチュエータの先端部を形成すると共に、第1の平坦側部と第2の平坦側部を有し、側部が丸みをつけた端部と連続し、前記丸みをつけた端部が、プリテンショナ起動中に、ストラップと同一面で連続するように向けられている、請求項1に記載のプリテンショナ。
- シートベルトリトラクタのウェビングリールから軸方向に延びるウェビングリールシャフトと協働し、起動時にウェビングリールに巻回されたシートベルト用ウェビングに予張力を加える、プリテンショナであって、
長手方向に延びる長方形の第1通路をその内部に収容するハウジングであって、前記第1通路が第1の端部と第2の端部を有し、前記ハウジングがウェビングリールシャフトの第1の端部をさらに収容する、前記ハウジングと、
プリテンショナ起動前には、前記ウェビングリールシャフトの前記第1の端部の半径方向外側に間隔をあけて配置、かつ取り付けられ、各セグメントが他方のセグメントと円周上で対向する、第1のクラッチセグメントと第2のクラッチセグメントであって、プリテンショナ起動前には、前記ウェビングリールシャフトが前記第1および第2のクラッチセグメントと無関係に回転し、プリテンショナ起動時に前記第1および第2のクラッチセグメントが前記ウェビングリールシャフトを把持する、前記第1のクラッチセグメントと前記第2のクラッチセグメントと、
前記第1および第2のクラッチセグメントの半径方向外側に取り付けられたギア付きクラッチスリーブであって、前記ギア付きクラッチスリーブは、前記第1および第2のクラッチセグメントの外周面と同一面で連続する内表面を有し、プリテンショナ起動時に、前記ギア付きクラッチスリーブが前記第1および第2のクラッチセグメントに圧縮方向および回転方向のトルクを加える、前記ギア付きクラッチスリーブと、
前記ギア付きクラッチスリーブとギアで係合するギア付きプーリーであって、プリテンショナ起動時に、前記ギア付きクラッチスリーブに回転トルクを加える、前記ギア付きプーリーと、
前記ハウジングに固定された第1の端部と、当該第1の端部から前記第1通路を横断して延びる中間部分と、前記中間部分から延びて、前記ギア付きプーリーに固定かつ巻回されている第2の端部とを有するストラップであって、プリテンショナの起動時に、回転トルクを前記ギア付きプーリーに加える、前記ストラップと、
前記第1通路の第1の端部内に配置されており、プリテンショナ起動時に、前記ストラップに張力を加えることによってギア付きプーリーにトルクを加えるための、アクチュエータと、
プリテンショナを起動させ、アクチュエータを通路に放出することによって、ストラップに張力を加える手段とを備え、
プリテンショナの起動時に、ストラップがアクチュエータの直線運動を、ギア付きプーリー、ギア付きクラッチスリーブ、第1および第2のクラッチセグメント、およびギア付きクラッチスリーブと同心で連動するウェビングリールの回転運動に変換することによって、シートベルトに予張力を加える、前記プリテンショナ。 - シートベルトリトラクタのウェビングリールから軸方向に延びるウェビングリールシャフトと協働し、起動時にウェビングリールに巻回されたシートベルト用ウェビングに予張力を加える、プリテンショナであって、
長手方向に延びる長方形の第1通路をその内部に収容するハウジングであって、前記第1通路が第1の端部と第2の端部を有し、前記ハウジングがウェビングリールシャフトの第1の端部をさらに収容する、前記ハウジングと、
前記ウェビングリールシャフトの第1の端部から半径方向外側に間隔をあけて配置された、プリテンショナ起動時にウェビングリールシャフトを把持するための、ギア付きクラッチと、
前記ギア付きクラッチとギアで係合するギア付きプーリーであって、プリテンショナ起動時に、前記ギア付きクラッチに回転トルクを加える、前記ギア付きプーリーと、
前記ハウジングに固定された第1の端部と、当該第1の端部から前記第1通路を横断して延びる中間部分と、前記中間部分から延びて、前記ギア付きプーリーに固定かつ巻回されている第2の端部とを有するストラップであって、プリテンショナの起動時に、回転トルクを前記ギア付きプーリーに加える、前記ストラップと、
前記第1通路の第1の端部内に配置されており、プリテンショナ起動時に、前記ストラップに張力を加えることによってギア付きプーリーにトルクを加えるための、アクチュエータと、
プリテンショナを起動させ、アクチュエータを通路に放出することによって、ストラップに張力を加える手段とを備え、
プリテンショナの起動時に、ストラップがアクチュエータの直線運動を、ギア付きプーリー、ギア付きクラッチ、およびギア付きクラッチと同心で連動するウェビングリールの回転運動に変換することによって、シートベルトに予張力を加える、前記プリテンショナ。 - シートベルトリトラクタのウェビングリールから軸方向に延びるウェビングリールシャフトと協働し、起動時にウェビングリールに巻回されたシートベルト用ウェビングに予張力を加える、プリテンショナであって、
長手方向に延びる長方形の第1通路をその内部に収容するハウジングであって、前記第1通路が第1の端部と第2の端部を有し、前記ハウジングがウェビングリールシャフトの第1の端部をさらに収容する、前記ハウジングと、
前記ウェビングリールシャフトの第1の端部から半径方向外側に間隔をあけて配置された、プリテンショナ起動時に、ウェビングリールシャフトを把持するための、ギア付きクラッチと、
前記ギア付きクラッチとギア係合するギア付きプーリーであって、プリテンショナ起動時に、前記ギア付きクラッチに回転トルクを加える、前記ギア付きプーリーと、
前記ハウジングに固定された第1の端部と、当該第1の端部から前記第1通路を横断して延びる中間部分と、前記中間部分から延びて、前記ギア付きプーリーに固定かつ巻回されている第2の端部とを有するストラップであって、プリテンショナの起動時に、回転トルクを前記ギア付きプーリーに加える、前記ストラップと、
前記第1通路の第1の端部内に配置されており、プリテンショナ起動時に、前記ストラップに張力を加えることによってギア付きプーリーにトルクを加えるための、アクチュエータと、
点火可能であって、プリテンショナを起動し、アクチュエータを前記第1通路中に放出するのに十分な力を発生する、ガス発生混合物と、
前記ハウジング内に収容され、前記ガス発生混合物と点火可能に接続する、前記ガス発生混合物を点火させるための、イニシエータとを備え、
前記ガス発生混合物の点火時、およびアクチュエータの直線移動時に、ストラップに張力が加わり、この結果、ギア付きプーリー、ギア付きクラッチ、ウェビングリールシャフト、ウェビングリールが回転前進することによって、ウェビングリールが巻かれ、ウェビングリール上のシートベルト用ウェビングに予張力を加える、前記プリテンショナ。 - シートベルトリトラクタのウェビングリールから軸方向に延びるウェビングリールシャフトと協働し、起動時にウェビングリールに巻回されたシートベルト用ウェビングに予張力を加える、プリテンショナであって、
長手方向に延びる長方形の第1通路をその内部に収容するハウジングであって、前記第1通路が第1の端部と第2の端部を有し、前記ハウジングがウェビングリールシャフトの第1の端部をさらに収容する、前記ハウジングと、
前記ウェビングリールシャフトの第1の端部から半径方向外側に間隔をあけて配置された、プリテンショナ起動時に、ウェビングリールシャフトを把持するための、ギア付きクラッチ手段と、
前記ギア付きクラッチ手段とギア係合するギア付きプーリーであって、プリテンショナ起動時に、前記ギア付きクラッチ手段に回転トルクを加える、前記ギア付きプーリーと、
前記ハウジングに固定された第1の端部と、当該第1の端部から前記第1通路を横断して延びる中間部分と、前記中間部分から延びて、前記ギア付きプーリーに固定かつ巻回されている第2の端部とを有するストラップであって、プリテンショナの起動時に、回転トルクを前記ギア付きプーリーに加える、前記ストラップと、
前記第1通路の第1の端部内に配置されており、プリテンショナ起動時に、前記ストラップに張力を加えることによってギア付きプーリーにトルクを加えるための、アクチュエータと、
プリテンショナを起動させ、アクチュエータを通路に放出することによって、ストラップに張力を加える手段とを備え、
プリテンショナの起動時に、ストラップがアクチュエータの直線運動を、ギア付きプーリー、ギア付きクラッチ手段、およびギア付きクラッチ手段と同心で連動するウェビングリールの回転運動に変換することによって、シートベルトに予張力を加える、前記プリテンショナ。 - 請求項1〜8のいずれかに記載のプリテンショナを備えた安全ベルトシステム。
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