JPH08133014A - プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター - Google Patents

プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター

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Publication number
JPH08133014A
JPH08133014A JP6301632A JP30163294A JPH08133014A JP H08133014 A JPH08133014 A JP H08133014A JP 6301632 A JP6301632 A JP 6301632A JP 30163294 A JP30163294 A JP 30163294A JP H08133014 A JPH08133014 A JP H08133014A
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JP
Japan
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rotor
pretensioner
seat belt
planetary gear
shaft
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JP6301632A
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English (en)
Inventor
Bai Matsuki
培 松木
Kenichi Morisane
賢一 森實
Katsuyasu Ono
勝康 小野
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NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス発生器のガス圧により回転するローター
の回転を増速して巻き取り軸に伝達することにより、よ
り多くのシートベルト巻き込み量を得ることできるプリ
テンショナーを提供する。 【構成】 リトラクターの巻取り軸10と、プリテンシ
ョナー非作動時には巻取り軸に非接続とされ且つ作動時
には巻取り軸に接続されて回転トルクを巻取り軸に伝達
可能なクラッチ機構13を介して巻き取り軸10と係合
可能なクラッチ外輪6と、クラッチ外輪6に係合し且つ
所定位置にて自転可能な遊星歯車5と、遊星歯車と係合
する内歯4bが形成された内周部有し且つ巻取り軸と同
心的に回転自在なローター4と、ローターを回転するガ
ス圧を発生するガス発生装置1とによりプリテンショナ
ー付きシートベルト用リトラクターを構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緊急時にリトラクター
の巻取り軸にウェビングを巻き込むことにより、シート
ベルトの緩みを除去するプリテンショナーを備えたシー
トベルト用リトラクターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の乗員の身体を座席に安
全に保持するためのシートベルト装置においては、乗員
のシートベルト装着感を低減するためにリトラクターが
シートベルトを巻取る力を低くする傾向がある。これに
より、乗員の身体に装着されたシートベルトのたるみが
増加するため、車両衝突等の緊急時に大きな力がシート
ベルトに加わるとシートベルトが伸び出す量が増え、乗
員の身体を効果的に拘束することができないことがあっ
た。
【0003】そこで、緊急時にシートベルトを巻取って
そのたるみを除去すべく、リトラクターの巻取り軸を巻
取り方向へ瞬時に回転させるプリテンショナーをリトラ
クターに組み込んだものがある。上記の如き従来のプリ
テンショナーとしては、例えば特開平5−69793号
公報に開示されたものがある。上記プリテンショナー
は、車両衝突等の緊急時にガスを発生するガス発生器
と、ガスを受圧する羽根部を具備するピストンと、該ピ
ストンを回転可能な空間を具備し且つ該ピストンと同心
に取り付けられたシリンダと、ガス圧により内径側に変
位して該ピストンとシートベルト巻き取り軸を係合させ
る係合手段からなり、該シリンダ内には円筒状の周壁か
ら軸方向へ伸びる仕切り壁があり、該仕切り壁と該ピス
トンの該羽根部との間の空間にガスを流入させ、該ピス
トンとシートベルト巻き取り軸を係合しながら該ピスト
ンを回転させる構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−69793号公報等に開示されたプリテンショ
ナーの構成では、シリンダ内に仕切り壁があるため、シ
リンダ内に配設されたピストンは最大約1回転しか回転
できず、即ち、ピストンに係合することで回転するシー
トベルト巻き取り軸は最大約1回転しか回転できないの
で、作動時のシートベルト巻き込み量が必要とされる量
よりも少なかった場合に、シートベルト巻き込み量を調
整することができないという問題点があった。
【0005】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、ガス発生器のガス圧により回転するロー
ターの回転を増速して軸に伝達することにより、より多
くのシートベルト巻き込み量を得ることできるプリテン
ショナーを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、リ
トラクターの巻取り軸と、プリテンショナー非作動時に
は前記巻取り軸に非接続とされ且つプリテンショナー作
動時には前記巻取り軸に接続されて回転トルクを前記巻
取り軸に伝達可能なクラッチ機構を介して前記巻き取り
軸と一体的に回転可能な回転駆動部材と、前記回転駆動
部材と係合する遊星歯車と、前記遊星歯車と係合して前
記巻取り軸と同心的に回転可能なローターと、前記ロー
ターを回転するガス圧を発生するガス発生装置とを具備
することを特徴とするプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターにより達成される。
【0007】さらに、前記ガス発生装置として、ガス発
生器と、前記ガス発生器の圧力を受けて直線的に移動す
るピストンと、前記ピストンに枢着された一端と前記ロ
ーターに枢着された他端とを有するシャフトとを具備す
るものを採用することも可能である。尚、前記クラッチ
機構としては、巻取り軸に配設されたクラッチリングと
非係合な状態で軸心周りに相対回転可能に支持される回
転駆動部材が、該クラッチリング外周面との間に略くさ
び状の空間を構成するカム面と、該くさび状空間内に配
設されてトルク伝達可能な複数の噛み合い要素と、これ
ら噛み合い要素のクラッチリング係合方向への移動を阻
止すべくリトラクターベースに係止された保持手段とを
備えて構成されたクラッチ機構が好ましい。
【0008】
【作用】本発明の上記構成によれば、ガス発生器の作動
により、ローターが回転し、ロター内周面に設けられた
内歯車に係合された遊星歯車が回転すると、その中心に
位置された太陽歯車となる回転駆動部材に増速された回
転が伝達され、クラッチ機構を介し回転駆動部材に係合
されたリトラクターの巻取り軸を回転させ、ベルトを巻
き取ることが可能となる。
【0009】従って、ローターの回転角が小さくとも、
リトラクターの巻取り軸が遊星歯車及び太陽歯車となる
遊星歯車装置により増速回転されるので、リトラクター
の巻取り軸の回転角、すなわち、ウェビング巻き取り量
を大きくすることが可能となる。
【0010】
【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の一実施例
を詳細に説明する。図1は本発明の第1実施例に基づく
プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター10
0の正面図であり、図2は図1に示したプリテンショナ
ー付きシートベルト用リトラクター100のII−II
断面矢視図であり、また、図3は図1に示したプリテン
ショナー付きシートベルト用リトラクター100の要部
分解斜視図である。 前記プリテンショナー付きシート
ベルト用リトラクター100は、図示せぬウェビングを
巻取り又は引き出し自在に巻回した巻取りリール9を備
えており、従来のリトラクターと同様に、巻取りリール
9はその巻取り軸10に連結された図示せぬ巻取りバネ
装置により、ウェビングが巻取られる方向に常時付勢さ
れている。又、ウェビングが所定大きさ以上の加速度で
引き出されようとすると、緊急ロック機構11により巻
取り軸4の回転が阻止され、それ以上ウェビングが引き
出されないようになっている。
【0011】更に、前記プリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクター100は、略コ字形状に形成された
リトラクターベース2の一方のベース側壁2aに、巻取
り軸10をシートベルトの弛みが除去される方向に回転
させる駆動手段を備えたプリテンショナー12が配設さ
れている。該プリテンショナー12は、巻取り軸10に
クラッチ機構13を介して断続的にトルク伝達可能な回
転駆動部材であるクラッチ外輪6と、ガス発生器1が発
生するガス圧力で押圧駆動されることにより前記クラッ
チ外輪6を回転駆動する駆動手段14と、前記クラッチ
外輪6を増速回転させる増速歯車伝動装置である遊星歯
車装置15と、車両衝突時に前記ガス発生器1を作動さ
せる図示しない制御装置とを備えている。
【0012】前記クラッチ外輪6は、ベース側壁2aを
貫通した巻取り軸10の一端部に嵌着されたスリーブ1
6の軸心周りに相対回動可能に配設され、後述する遊星
歯車装置15を介して駆動手段14により回転駆動され
る円筒状部材であり、外周面には遊星歯車装置15の遊
星歯車5と噛み合う太陽歯車を構成するための外歯6a
が形成されると共に、肉抜きされた内周面には前記スリ
ーブ16の外周面との間にくさび状の空間を構成する4
つのカム面6bが周方向に沿って等間隔に形成されてい
る。そして、各くさび状空間内には、クラッチ外輪6と
スリーブ16の間でトルク伝達を可能とすべくクラッチ
リング係合方向に移動可能な噛み合い要素である円筒状
のローラーピン17が配設されており、該ローラーピン
17のクラッチリング係合方向への移動を阻止すべくベ
ース側壁2aに係止された保持手段であるホルダー18
と共にクラッチ機構13を構成している(図2乃至図
3、参照)。
【0013】前記ホルダー18は、ポリアセタール及び
ナイロン等の合成樹脂材料や、アルミニウム及び亜鉛等
の金属材料からなり、巻取り軸10が挿通される円孔を
備えた円環状の基板部18aと、該基板部18aの軸線
方向に沿って垂設された四対のローラーピン保持片19
a,19bとを備えている。そして、前記ローラーピン
保持片19a,19bがそれぞれベース側壁2aに形成
されたローラーピン保持片係止部20a,20bよりベ
ース側方へ突出され、前記基板部18aが巻取りリール
9のフランジ部とベース側壁2aとの間に挟まれるよう
にしてリトラクターに配設される。そこで、ローラーピ
ン保持片19a,19bの先端部は、ベース側壁2aの
外側に配設された前記クラッチ外輪6の各くさび状空間
内に挿入され、ローラーピン17をスリーブ16の外周
面と非係合な状態に保持している。
【0014】更に、前記クラッチ外輪6の内径は前記ス
リーブ16の外径よりも大きく、前記ホルダー18のロ
ーラーピン保持片19a,19bによって挟持されたロ
ーラーピン17は、スリーブ16の外周面に対してクリ
アランスを有している。即ち、ローラーピン17はホル
ダー18によりトルク伝達不可能な状態に確実に保持さ
れている。
【0015】そこで、通常使用時においては振動等の要
因でホルダー18に保持されたローラーピン17がスリ
ーブ16に接触してリトラクターからのウェビングの引
出し巻取り及び緊急ロック機構11の機能に影響を与え
たり、異音が発生したりする可能性が少ない。又、それ
ぞれ対をなす前記ローラーピン保持片19a,19b
は、互いに基板部18aの周方向に沿って対向するよう
にローラーピン17を挟持しており、ローラーピン17
がスリーブ16及びクラッチ外輪6と対向するその半径
方向部分は開放されている。従って、クラッチ外輪6に
ウェビング巻取り方向の回転駆動力が作用し、該クラッ
チ外輪6が急激に回転した場合でも、確実にローラーピ
ン17をベース側壁2aに対して静止させる事ができ
る。そこで、ローラーピン保持片19a,19bは、ロ
ーラーピン17が確実に噛み込まれるまではローラーピ
ン17の周方向への移動を規制することができる。
【0016】その上、クラッチ外輪6が所定角度回転
し、ローラーピン17がカム面6bによって巻取り軸中
心方向へ付勢された際には、該ローラーピン17の食い
込み方向の移動を妨げることがないようにローラーピン
保持片19a,19bは容易に変形できる。そして、更
にクラッチ外輪6がウェビング巻取り方向へ回転駆動さ
れると、ローラーピン保持片19a,19bは基板部1
8aから破断され、スリーブ16に食い込んだローラー
ピン17は前記クラッチ外輪6と共に一体的にウェビン
グ巻取り方向へ回転する。前記スリーブ16は、前記ロ
ーラーピン17よりも硬い材質であり、その外周面には
食い込みを容易とするローレット加工が施されている。
【0017】即ち、駆動手段14によってクラッチ外輪
6にウェビング巻取り方向(図2中、矢印Y方向)の回
転駆動力が生じた際には、ローラーピン17がクラッチ
外輪6のカム面6bとスリーブ16の外周面との間に食
い込むことによって、スリーブ16とクラッチ外輪6と
を連結し、該クラッチ外輪6の回転トルクが巻取り軸1
0に伝達されるようになっている。
【0018】前記遊星歯車装置15は、リトラクタベー
ス2のベース側壁2aに固定され且つ同一円周上に等間
隔で配設された3つのピン7と、3つのピン7に旋回可
能に支持され且つクラッチ外輪6の外周面に設けられた
外歯6aと噛み合う遊星歯車5と、これら遊星歯車5の
すべてと噛み合う内歯4bが内周面に設けられた略リン
グ状のローター4とからなる。即ち、遊星歯車装置35
は、ローター4の回転に伴いローター4の内歯4bと噛
み合った遊星歯車5がピン7を中心に自転をし、そして
自転する遊星歯車5と噛み合った外歯6aを有するクラ
ッチ外輪6がローター4の回転速度に比して増速回転さ
せられる構成となっている。
【0019】なお、ローター4の外周部4bの一部に
は、半径方向に突出し且つガス発生器1のガス圧を受け
るガス受圧面4cを有するローター羽根部4aが設けら
れている。このガス受圧面は、半円状あるいは円錐状の
くぼみ形状となっている。前記駆動手段14は、ベース
側壁2aの外側に固定され且つ遊星歯車装置15を半径
方向内側に収納するリング状の遊星歯車ケース3と、遊
星歯車ケース3に設けられたガス溝3aにガスが噴出す
るように遊星歯車ケース3に取り付けられたガス発生器
1と、遊星歯車ケース3を封止するプレート21とから
なる。遊星歯車ケース3は、ローター4の外周部4bと
対向する内周部3bと、内周部3bの一部に設けられた
半径方向内側に突出し且つ外周部4bと当接する突出部
3cとを具備している。
【0020】ローター4の外周部4bと遊星歯車ケース
の内周部3bとの間には、ガス発生時にローター羽根部
4aを摺動案内するための案内通路Pが形成され、該案
内通路Pに沿ってローター羽根部4aが巻き取り軸10
の軸線を中心に回転できるようになっている。次に、上
記プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター1
00の動作について説明する。
【0021】車両の通常走行時状態では、図2に示すよ
うに、クラッチ外輪6及びローラーピン17はスリーブ
16と非係合なので、巻取り軸10は自由に回転可能と
なっている。従って、ウェビングを巻取りバネ装置の付
勢力で巻取り可能であると共に、バネ力に抗してウェビ
ングを引出し自在となっている。急ブレーキ等のある程
度の大きさの減速度が車両に発生すると、乗員が前方に
移動してウェビングをある程度の加速度で引き出そうと
する。この時、リトラクターの緊急ロック機構11が作
動して巻取り軸10の回転をロックする。これにより、
ウェビングの伸び出しは阻止されるが、図示しない制御
装置がガス発生器1を作動させることはないので、ロー
ター4は駆動されない。
【0022】一方、車両衝突時等におけるような極めて
大きな所定の減速度が生じると、図示しない制御装置が
この減速度を検知してガス発生器1を点火する。点火さ
れたガス発生器1は、駆動ガスを遊星歯車ケース3に設
けられたガス溝3a内へ噴出する。すると、ガス溝3a
を介して案内通路P内へ向かって噴出した駆動ガスの膨
張圧力がロータ羽根部4aの受圧面に付与され、ロータ
ー4が回転する。ローター4の回転に伴い、ローター4
の内周面に設けられた内歯車4bに係合し且つリトラク
タベース2の側壁2aに固定されたピン7に回転自在に
支持された3つの遊星歯車5がそれぞれ初期位置におい
て自転する。遊星歯車5が自転すると、遊星歯車5と係
合するクラッチ外輪6にローター4の回転に比して増速
した回転が伝達される。 クラッチ外輪6が矢印Y方向
に回転させられると、ローラーピン17がカム面6bに
よって巻取り軸中心方向へ付勢される。この時、ローラ
ーピン保持片19a,19bは、ローラーピン17がス
リーブ16の外周面とカム面6bとの間に確実に食い込
むまでは巻取り軸中心方向への移動を保持片の弾性又は
塑性変形によって可能とする。
【0023】そこで、前記ローラーピン17がスリーブ
16の外周面とカム面6bとの間に確実に食い込む位置
まで移動すると、クラッチ外輪6の回転がスリーブ16
に伝達され、これらスリーブ16及びローラーピン17
はクラッチ外輪6と一体的に矢印Y方向に回転するの
で、ローラーピン保持片19a,19bは破断される。
そして更に、駆動ガスの膨張圧力によりローター4が回
転駆動されると、遊星歯車5を介して増速回転させられ
たクラッチ外輪6はローラーピン17を介してスリーブ
16を一体的に矢印Y方向に回転駆動し、ウェビングを
巻取る方向に巻取り軸10を回転させるので、ウェビン
グが締め付けられ、シートベルトの遊びが除去される。
【0024】即ち、遊星歯車装置15を介して増速した
回転を巻取り軸10に伝達する駆動手段14のローター
4の回転角度が小さくても、巻取り軸10のウェビング
巻取り方向への回転角度を大きく取ることができる。
又、遊星歯車装置15を構成して増速回転されるクラッ
チ外輪6と巻取り軸10に固設されたスリーブ16との
間には、プリテンショナー非作動時にこれらを非接続と
するクラッチ機構13が配設されており、遊星歯車装置
15を構成する各歯車は、プリテンショナー非作動時で
ある初期状態において予め互いの歯が噛み合った状態と
なっている。従って、駆動ガスの膨張圧力により急激に
押圧駆動される際、前記歯車の歯先同士は互いに衝突す
ることがないので、歯の破損を防止することができると
共に駆動手段6による駆動力を巻取り軸10にスムーズ
に伝達することができる。
【0025】図4は本発明の第2実施例に基づくプリテ
ンショナー付きシートベルト用リトラクター200の要
部正面図であり、図5は図4に示したプリテンショナー
付きシートベルト用リトラクター100のV−V断面矢
視図である。上記第1実施例のプリテンショナー付きシ
ートベルト用リトラクター100と同様の構成部材に関
しては同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0026】前記プリテンショナー付きシートベルトリ
トラクター200は、前記第1実施例のプリテンショナ
ー付きシートベルト用リトラクター1とほぼ同様に、略
コ字形状に形成されたリトラクターベース2の一方のベ
ース側壁2aに、巻取り軸4をシートベルトの弛みが除
去される方向に回転させる駆動手段14を備えたプリテ
ンショナーが配設される。該プリテンショナーは、前記
第1実施例のプリテンショナー100におけるガス発生
器1、遊星歯車ケース3及びローター4をそれぞれ変形
してガス発生器51、遊星歯車ケース53及びローター
54を用いたものである。
【0027】前記ガス発生器51は、図5に見られる如
く外観略L時形状であり、さらにピストン55を摺動自
在に内設するシリンダ部51aを具備している。ピスト
ン55は、ガス発生器51の作動に伴うガス圧によりシ
リンダ部51a内から飛び出す方向へ移動する直線運動
を行う構成となっている。また、ピストン55の先端部
にはピン57aが取り付けられている。該ピン57aに
は、ピストン55とローター54とを連結するシャフト
56の一端部を回転自在に支持している。
【0028】前記遊星歯車ケース53は、円筒状の開口
部53aを有しており、その開口部53a内にローター
54を収容する構成となっている。また、略リング状の
ローター54の内周面には遊星歯車5のすべてと噛み合
う内歯4bが、また、外周面の一部には、前記シャフト
56の他端を回転自在に支持するピン57bが取り付け
られた半径方向突出部54aが設けられている。なお、
ピン57a及びピン57bには、それぞれ鍔部が設けら
れており、シャフト56の抜けを防止している。
【0029】次に、上記プリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクター200の動作について説明する。車
両の通常走行時状態では、図5に示すように、クラッチ
外輪6及びローラーピン17はスリーブ16と非係合な
ので、巻取り軸10は自由に回転可能となっている。従
って、ウェビングを巻取りバネ装置の付勢力で巻取り可
能であると共に、バネ力に抗してウェビングを引出し自
在となっている。
【0030】急ブレーキ等のある程度の大きさの減速度
が車両に発生すると、乗員が前方に移動してウェビング
をある程度の加速度で引き出そうとする。この時、リト
ラクターの緊急ロック機構11が作動して巻取り軸10
の回転をロックする。これにより、ウェビングの伸び出
しは阻止されるが、図示しない制御装置がガス発生器5
1を作動させることはないので、ローター54は駆動さ
れない。
【0031】一方、車両衝突時等におけるような極めて
大きな所定の減速度が生じると、図示しない制御装置が
この減速度を検知してガス発生器51を点火する。点火
されたガス発生器51は、駆動ガスを遊星歯車ケース5
3に設けられたシリンダ部51a内へ噴出する。する
と、シリンダ51a内のピストン55が下方(図中、矢
印方向)に移動する。ピストン55の先端部に設けられ
たピン57aに回転自在に支持される一端とローター5
4の突出部54aに取り付けられたピン57bに回転回
転自在に支持される他端とを有するシャフト56を介し
て、ピストン55の移動に伴いピストン55と連結され
たローター54が回転する。
【0032】ローター54の回転に伴い、ローター54
の内周面に設けられた内歯車54bに係合し且つリトラ
クタベース2の側壁2aに固定されたピン7に回転自在
に支持された3つの遊星歯車5がそれぞれ初期位置にお
いて自転する。遊星歯車5が自転すると、遊星歯車5と
係合するクラッチ外輪6にローター54の回転に比して
増速した回転が伝達される。 クラッチ外輪6が矢印Y
方向に回転させられると、ローラーピン17がカム面6
bによって巻取り軸中心方向へ付勢される。この時、ロ
ーラーピン保持片19a,19bは、ローラーピン17
がスリーブ16の外周面とカム面6bとの間に確実に食
い込むまでは巻取り軸中心方向への移動を保持片の弾性
又は塑性変形によって可能とする。
【0033】そこで、前記ローラーピン17がスリーブ
16の外周面とカム面6bとの間に確実に食い込む位置
まで移動すると、クラッチ外輪6の回転がスリーブ16
に伝達され、これらスリーブ16及びローラーピン17
はクラッチ外輪6と一体的に矢印Y方向に回転するの
で、ローラーピン保持片19a,19bは破断される。
そして更に、駆動ガスの膨張圧力によりローター4が回
転駆動されると、遊星歯車5を介して増速回転させられ
たクラッチ外輪6はローラーピン17を介してスリーブ
16を一体的に矢印Y方向に回転駆動し、ウェビングを
巻取る方向に巻取り軸10を回転させるので、ウェビン
グが締め付けられ、シートベルトの遊びが除去される。
【0034】即ち、遊星歯車装置15を介して増速した
回転を巻取り軸10に伝達できる駆動手段14のロータ
ー54の回転角が小さくても、巻取り軸10のウェビン
グ巻取り方向の回転角を大きくとることができる。又、
遊星歯車装置15を構成して増速回転されるクラッチ外
輪6と巻取り軸10に固設されたスリーブ16との間に
は、プリテンショナー非作動時にこれらを非接続とする
クラッチ機構13が配設されており、遊星歯車装置15
を構成する各歯車は、プリテンショナー非作動時である
初期状態において予め互いの歯が噛み合った状態となっ
ている。従って、駆動ガスの膨張圧力により急激に押圧
駆動される際、前記歯車の歯先同士は互いに衝突するこ
とがないので、歯の破損を防止することができると共に
駆動手段6による駆動力を巻取り軸10にスムーズに伝
達することができる。
【0035】さらに、第2実施例においては、ガス発生
器51のシリンダ部51aの長さを変更することによ
り、ピストン55のストロークを調整でき、ローター5
4の回転角の調整を容易に行うことができる。また、第
2実施例によれば、シリンダ内のガス圧力は漏れること
なくほぼ全てシャフトの駆動力に有効に利用することが
できる。
【0036】
【発明の効果】本発明のプリテンショナー付きシートベ
ルト用リトラクターによれば、ローターの回転を遊星歯
車により増速させて、リトラクターシャフトに伝達する
ことによってウェビング巻き込み量を増大できる効果を
奏する。また、ウェビング巻き込み量を増大できること
により、その巻き込み量を広い範囲で調整することが可
能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に基づくプリテンショナー
付きシートベルト用リトラクターの正面図である。
【図2】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクター1のII−II断面矢視図である。
【図3】図1に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクターの要部分解矢視図の一部分である。
【図4】本発明の第2実施例に基づくプリテンショナー
付きシートベルト用リトラクターの正面図である。
【図5】図4に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクター1のV−V断面矢視図である。
【図6】図5に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクター1のピストン55のVI−VI断面矢
視図である。
【図7】図5に示したプリテンショナー付きシートベル
ト用リトラクター1のピストン55のVII−VII断
面矢視図である。
【符号の説明】
100,200 プリテンショナー付きシートベルト
用リトラクター 1 ガス発生器 2 リトラクタベース 3 遊星歯車ケース 4 ローター 5 遊星歯車 6 クラッチ外輪 7 ピン 9 リール 10 巻き取り軸 11 緊急ロック機構 12 プリテンショナー 13 クラッチ機構 14 駆動手段 15 遊星歯車装置 16 スリーブ 17 ピン 18 ホルダ 19 ピン 20a,b,c,d ローラピン保持片係止部 21 プレート 51 ガス発生器 53 遊星歯車ケース 54 ローター 55 ピストン 56 シャフト 57a,b ピン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リトラクターの巻取り軸と、プリテンシ
    ョナー非作動時には前記巻取り軸に非接続とされ且つプ
    リテンショナー作動時には前記巻取り軸に接続されて回
    転トルクを前記巻取り軸に伝達可能なクラッチ機構を介
    して前記巻き取り軸と一体的に回転可能な回転駆動部材
    と、前記回転駆動部材と係合する遊星歯車と、前記遊星
    歯車と係合して前記巻取り軸と同心的に回転可能なロー
    ターと、前記ローターを回転するガス圧を発生するガス
    発生装置とを具備することを特徴とするプリテンショナ
    ー付きシートベルト用リトラクター。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2312827A (en) * 1996-05-10 1997-11-12 Alliedsignal Ltd Pretensioner
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