JPH11208415A - シートベルトリトラクタ用プリテンショナ - Google Patents

シートベルトリトラクタ用プリテンショナ

Info

Publication number
JPH11208415A
JPH11208415A JP10010281A JP1028198A JPH11208415A JP H11208415 A JPH11208415 A JP H11208415A JP 10010281 A JP10010281 A JP 10010281A JP 1028198 A JP1028198 A JP 1028198A JP H11208415 A JPH11208415 A JP H11208415A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sleeve
passage
retractor
roller
pretensioner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10010281A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyasu Ono
勝康 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP10010281A priority Critical patent/JPH11208415A/ja
Publication of JPH11208415A publication Critical patent/JPH11208415A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決課題】 プリテンショナのケース内の通路を圧送
される慣性体から、シートベルトを緊急に巻き取るため
のトルクを効率良くリトラクタシャフトに伝達すること
ができるシートベルトリトラクタ用プリテンショナを提
供する。 【解決手段】 リトラクタシャフト16に結合されたス
リーブ36と、複数の転動体26と、車両の急減速時に
圧力をこの転動体に加える圧力発生手段50と、この圧
力によって次々に押し出される転動体をスリーブに導く
通路と、を備える。この通路がこのスリーブに臨む領域
にくさび状の空間部62を形成し、転動体がこのくさび
状空間部を通過する際にスリーブに次々に摩擦結合する
ことにより、車両の急減速時にこのスリーブが強制的に
回転されるように構成された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は、シートベルト装
置のリトラクタに適用されるプリテンショナに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】シートベルトリトラクタ用プリテンショ
ナとして、例えば、特開昭56−23972号に示され
るように、車両の衝突時に複数の慣性体を高圧ガスによ
ってダクト内を圧送させ、リトラクタシャフトの回りに
取り付けられた駆動歯車にこの慣性体を次々に係合させ
ることにより、リトラクタシャフトにシートベルトを緊
急に巻き取るためのトルクを伝達するようにしたものが
存在する。
【0003】しかしながら、このプリテンショナによれ
ば、初期状態から慣性体を駆動歯車の歯に噛み合わせな
いで作動させると、駆動歯車の歯と慣性体との間に噛み
込みが発生し、車両の衝突時に駆動歯車を回転させるこ
とに支障が生じるという問題がある。
【0004】そこで、ドイツ特許公開「DE 195 12 660
A1」示されるように、リトラクタのハウジングのうち慣
性体が駆動歯車に係合する領域にフレキシブルな壁区画
を形成することにより、慣性体と駆動歯車の歯との噛み
合いが不十分な場合であっても、壁区画が外側に撓むこ
とにより慣性体を駆動歯車の歯の中に正確にはめ込むた
めのゆとりを形成できるようにしたプリテンショナが存
在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようにフレキシブ
ルな壁区画を設けることにより、駆動歯車の歯と慣性体
とが互いに噛み込んでしまっても、駆動歯車の回転が損
なわれないようにすることは可能であるが、駆動歯車の
歯と慣性体とが噛み込む過程で、駆動歯車の回転に対す
る抵抗による影響を排除することができない。
【0006】また、ドイツ特許公開「DE 195 12 660 A
1」には、慣性体と駆動歯車とを摩擦結合させても良い
旨記載されているが、フレキシブルな壁区画によっては
駆動歯車と慣性体とを摩擦結合することが達成できない
おそれがある。
【0007】そこで、この出願に係わる発明は、プリテ
ンショナのケース内の通路を圧送される慣性体から、シ
ートベルトを緊急に巻き取るためのトルクを効率良くリ
トラクタシャフトに伝達することができるシートベルト
リトラクタ用プリテンショナを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は、ハウジング内に形成したスペースに収容
され且つ車両のウエビング巻き取りのためのリトラクタ
シャフトに固設されたスリーブと、前記ハウジング内で
前記スペースを途中に連通して形成された通路に沿って
列状態で且つ転動自在に挿入された複数の転動体と、車
両の急減速時に前記通路の一端から前記転動体列に圧力
を加える圧力印加手段とを備え、前記通路を通る前記転
動体列が前記スリーブに当接する当該通路の領域の少な
くとも一部に狭窄部を形成し、前記圧力の付勢により前
記通路の他端に向かって押し出されてくる前記転動体列
が前記狭窄部を通過するときに前記スリーブに摩擦結合
させる手段を設け、これにより、車両の急減速時に前記
スリーブが強制的に回転されるようにしたことを特徴と
する。
【0009】本発明によれば、転動体とスリーブとを狭
窄部で摩擦結合させることにより、圧力発生手段からの
圧力をリトラクタシャフトに伝達させるようにしたた
め、スリーブと転動体との噛み込みを防止して、シート
ベルトを巻き取るためのトルクを効率良くリトラクタシ
ャフトに供給することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例について図
面を参照しながら説明する。図1は、シートベルト装置
用リトラクタの正面図を示す。符号10はリトラクタ全
体を示す。符号12はリトラクタに取り付けられている
プリテンショナである。リトラクタ10は、ウエビング
を巻き取り又は引き出し自在に巻回した巻き取りリール
14を備えている。なお、符号11はリトラクタを車両
ボディに固定するためのリトラクタベースである。
【0011】図1の一部断面図であり、後述の図3のI
I−II断面図である図2にも示すように、巻き取りリ
ール14はその巻き取り軸であるリトラクタシャフト1
6に連結された巻き取りバネ装置18によりウエビング
が巻き取られる方向に常時付勢されている。さらに、ウ
エビングが所定以上の加速で引き出されようとすると、
リトラクタシャフト16の一端に設けた緊急ロック機構
20が作動し、これにより、リトラクタシャフト16の
回転が阻止され、以後ウエビングが引き出されないよう
にされている。
【0012】プリテンショナ12は緊急ロック機構20
とは反対側のリトラクタシャフト16の端部に位置す
る。プリテンショナ12は、そのケーシングとして、ハ
ウジング22に蓋24を嵌め込むことにより形成してい
る。このケーシング内には、車両の衝突時等急な減速が
発生した際に、シートベルトを強制的に巻き取ってシー
トベルトの弛みを瞬時に解消するための機構が内蔵され
ている。
【0013】図3は、図1のIII−III断面に相当
するものであって、この機構の詳細を示している。ハウ
ジング22には慣性体としての転動体、例えば、円筒コ
ロ26が案内される溝状の通路28が形成されている。
すなわち、ハウジング22の内部には、図2に示すよう
に、この通路28を形成するための壁面30Aが区画形
成され、このハウジング22に蓋24を気密に取り付け
ると、図3に示すように、この通路28が形成される。
【0014】図3に示すように、ハウジング22の内部
のほぼ中央部には、シャフト長手方向からみて円形の空
間30が形成されている。この空間には、ハウジング2
2を貫通するリトラクタシャフト16の回りに嵌め込ま
れたスリーブ36が収容されている。通路28の一端
は、ハウジング22の上端に近接した一側面に開口して
おり、他端はハウジング22の下方内部に位置してい
る。つまり、通路28は、その開口位置から始まり、ハ
ウジングのほぼ周囲を略S字状に取り巻いて進みなが
ら、スリーブを収容する中央部の空間30の上部に至
り、その蛇行進路なりに空間30内の一方の周内面に沿
ってほぼ半周する状態で下方に延伸し、この空間30の
下方の位置から同空間を外れた後もさらに略逆コ字状に
蛇行する蛇行領域38を経て終了する。
【0015】図1及び図2に示されるように、ハウジン
グ22の緊急ロック機構20側の側面には、シリンダ状
に形成された、円筒コロ26の収容部40が取り付けら
れており、通路28の終端はこの収容部40内に形成さ
れた収容孔42に連通している。円筒コロ26の直径は
通路28の直径より僅かに小さく形成され、円筒コロ2
6は通路28内を自在に転動可能になっている。
【0016】通路28の開始端には、電極44と、点火
装置46と、高圧ガス発生剤48から構成される加圧ガ
ス発生装置50が固定されている。この電極44には、
車両の衝突時に発生する急激な加速度を検出するショッ
クサンサからの信号を伝える点火信号伝達用ハーネスが
接続されている。ショックセンタから点火信号が電極4
4に伝えられると、点火装置46が高圧ガス発生剤48
を発火させて高圧ガスを瞬時に発生させる。
【0017】高圧ガス発生装置50からやや離れた箇所
から、スリーブ収容空間30に至る迄の通路28には、
複数の円筒コロ26が互いに接触して連なった列状態で
収容されている。高圧ガス発生剤の発火によって高圧ガ
スが発生されると、この高圧ガスの押し出し圧力によっ
て円筒コロ26の列が通路28内を通路延び方向に素早
く進み、スリーブ36と摩擦結合し、スリーブ36に矢
示A1方向に回転するトルクを与える。スリーブ36の
外周にはローレット36Aが刻設されている。
【0018】リトラクタシャフト16の径方向の断面は
六角状に形成されている。リトラクタシャフト16はス
リーブ36の中心にある6角状の開口に嵌入されている
ので、スリーブ36が回転すると、スリーブと一体にな
ってリトラクターシャフトも同方向に回転される。
【0019】スリーブ36に臨み(対向し)、スリーブ
を収容するための空間部30の壁51において、通路2
8がこの空間30に臨む開始端28Aから円筒コロ26
がスリーブ36に噛み合ってスリーブと摩擦結合する約
半周の結合領域60にかけて、円筒コロ通過のための通
路幅が円筒コロ26の直径より僅かに小さくなるように
徐々に狭めたくさび状の空間(狭窄部)を構成するカム
面62が存在する。結合領域60から先の通路部分の壁
53は、今度は反対に、スリーブ36から徐々に離間す
るように形成され、その後、蛇行通路38に続いてい
る。
【0020】通路28がスリーブ収容空間30に到達す
る地点には、図4に示すように、通路28を形成するハ
ウジングの針状先端64が通路28の内側に向けてやや
湾曲して通路の幅をやや狭めている。これにより、高圧
ガスが発生していない状態において、最先端の円筒コロ
26Bがこの地点で空間部30に入らないように仮固定
されている。
【0021】次に、この実施形態の動作について説明す
る。今、車両に衝突時の急激な速度変化が生じると、高
圧ガス発生装置50によって高圧ガスが通路28の開始
付近に供給される。この高圧ガスが発生すると、通路2
8内の円筒コロ26に高圧ガスによる急激な圧力が加え
られ、通路28内の円筒コロ26がスリーブ36に向け
て一気に移動する。
【0022】図4に示すように、先頭の円筒コロ26B
は通常、通路28側にやや湾曲した針状先端64に係止
されているが、円筒コロが急激に押し出されると、図5
に示すように、その針状先端64が通路28の外側に向
けて変形し、先頭の円筒コロ26Bから順に列を成す複
数の円筒コロ26がスリーブ収容空間30に次々に押し
出される。
【0023】円筒コロ26がスリーブ36と壁53との
間の結合領域60に到達すると、カム面62の狭窄効果
によって円筒コロ26がスリーブ36のローレット36
Aに強く押しつけられる。これにより、円筒コロ26は
その断面が円形から楕円形に変形してスリーブのローレ
ットが噛み込み、スリーブ36と円筒コロ26が噛み合
って両者が摩擦係合する。このとき、摩擦係合を容易に
するために、円筒コロはスリーブよりもやや硬度が低い
素材から形成されることが好ましい。
【0024】スリーブ36と円筒コロ26とが摩擦結合
すると、スリーブ36が円筒コロ26の移動方向に沿っ
て、図3の矢示A1の方向である、ウエビングを巻き取
る方向に素早く壁53伝いに移動する。これにより、ス
リーブ36に回転トルクが与えられ、スリーブ36が回
転する。これに伴って、スリーブ36に一体結合のリト
ラクタシャフト16も回転し、このリトラクタシャフト
が嵌合されたウエビングの巻き取り軸が強制的に回転す
る。
【0025】スリーブ36と摩擦結合してカム面を通過
した円筒コロ26は、その後、スリーブ36から分離し
て蛇行通路38に入る。円筒コロ26はこの蛇行領域3
8をさらに進んで、最終的には円筒ころ収容部の収容孔
42内に至り、この穴内に収容される。このように、列
を成す複数の円筒コロ26が次々とスリーブ36に摩擦
結合し、この摩擦結合の過程でスリーブ36を連続的に
強制回転させる。
【0026】スリーブ36に形成されたローレットの山
は従来技術に開示されているようなスプロケットの歯に
比べて、ストロークや高さが小さく細かい。これによ
り、スリーブ36のローレット山が円筒コロ26に2〜
3山程度、噛み込むこととなり、従来技術の欄で説明し
たように、駆動歯車と慣性体とが互いに噛み込むことが
無いように同期させる必要がなく、かつ、スリーブ36
のローレットと慣性体(転動体)が互いに噛み込むおそ
れをほぼ解消することができる。この結果、高圧ガスで
押し出された円筒コロによる運動エネルギやトルクを効
率良くリトラクタシャフト16に伝達することが可能と
なる。
【0027】次に、本発明の第2の実施形態を図6に基
づいて説明する。この実施形態の特徴は、狭窄部として
のくさび状空間部として、第1の実施形態で説明した、
図3のカム面62に代えて、スリーブ36に対向してロ
ーラ70を配置した点にある。
【0028】このローラ70は、リトラクタシャフト1
6とは独立して回転するものであり、図6に示す如く、
通路28がスリーブ収容空間30に到達する開始端28
Aの位置で、スリーブ36に対向して形成された空間7
1に収容されている。ローラ70はローラ軸72によっ
て空間71内で回転自在に支持されている。
【0029】ローラ70のスリーブ36に向き合ってい
る周面73の位置には、ローラ70の最外周とスリーブ
36の最外周との間の距離を円筒コロの直径より僅かに
小さくした狭窄部としてのくさび状空間75を備えてい
る。
【0030】今、円筒コロ26が高圧ガスで押し出され
ると、円筒コロ26はローラ70とスリーブ36に接触
しながらローラ70とスリーブ36との間の前記くさび
状空間75に向けて進む。このときローラ70は、ロー
ラ軸72に対して自在に回転するために、円筒コロ26
に対する摩擦が第1の実施形態のカム面よりも小さくな
りながら、円筒コロ26をローラ70とスリーブ36と
の間の結合領域、すなわち、前記くさび状空間75に案
内する。この結合領域では、その狭窄効果に因って円筒
コロ26がスリーブ36に押し付けられ、これにより円
筒コロ26はその断面が円形から楕円形に変形する。同
時に、円筒コロ26にスリーブ36のローレット山が噛
み込むので、結局、円筒コロ26は回転しないで、楕円
形に押圧され且つスリーブ側からの噛み込み状態のまま
結合領域を通過する。この非回転の円筒コロ26によっ
てローラ70とスリーブ36とが摩擦結合状態となり、
ローラ70の回転トルクがスリーブ36に効率良く且つ
確実に伝達することができる。
【0031】この実施形態によれば、円筒コロ26はロ
ーラ軸72の回りを自由に回転するローラ70によって
スリーブ36に摩擦結合されるために、円筒コロ26に
対する摩擦が少ない状態でローラの回転トルクをより効
率的にスリーブ36に与えることができる。
【0032】次に、本発明の第3の実施形態を第7図に
基づいて説明する。この実施形態の特徴は、第2の実施
形態のローラ70に代えてローラが形成されていた領域
にスプロケット80を収容した点にある。
【0033】このスプロケット80は、ローラを収容す
る空間よりも大きい円形の空間82内に収容されてい
る。スリーブ収容空間30の入り口に臨む通路28の開
始端28Aにある円筒コロ26Bは、圧力ガスが発生し
ていない図示された初期状態において、スプロケット8
0の歯の一つに噛み合わせておく。
【0034】スプロケット80の歯のピッチと円筒コロ
26の直径とを一致させて、円筒コロ26が圧力ガスに
よって通路28内を連続的に押し出されると、スプロケ
ット80の隣接する歯に円筒コロが連続的に噛み合うよ
うに予め設計されている。
【0035】スプロケット80の歯がスリーブ36の外
周に最も近づく部分84は、円筒コロ26の直径より小
さい狭窄部としてのくさび状空間を形成している。した
がって、第2の実施形態で説明したように、リトラクタ
シャフト16とは独立して自由に回転するスプロケット
80により、円筒コロ26の移動に際しての摩擦を低減
させた状態でスリーブ36に円筒コロ26を連続的に摩
擦結合させ、スプロケット80の回転トルクをスリーブ
36に効率良く伝達することができる。
【0036】次に本発明の第4の実施形態について説明
する。この実施形態の特徴は、第3の実施形態で説明し
たスプロケット80の回転を、クラッチ装置を介してリ
トラクタシャフト16に伝達させる構成を付加したこと
にある。このクラッチ装置としては、本願出願人が以前
提案した特開平8−72671号記載のものをほぼ適用
することができる。
【0037】図8に、この実施形態に係るシートベルト
装置用リトラクタ10を示す。このリトラクタ10は、
これまでの実施形態のものと同様にリトラクタシャフト
16を備え、その一方の端部にプリテンショナ12を備
える。このプリテンショナ12は、図7と同様のハウジ
ング22を備え、この内部に、前述した第3の実施形態
と同様のリトラクタシャフト16、円筒コロ26の列、
スリーブ36、スプロケット80、および高圧ガス発生
装置50を備え、車両急減速時に円筒コロ26を介した
スプロケット80とスリーブ36との摩擦結合によっ
て、スプロケット80の回転トルクをスリーブ80に伝
達できるようにもなっている。
【0038】このプリテンショナ12には、蓋114を
介してクラッチ装置92が固設されている。つまり、図
8、9に示す如く、プリテンショナ112のハウジング
22には、これとほぼ同形状で板状の蓋114がボルト
止めされる。この蓋114により、ハウジング22内の
通路(溝)や空間を閉空間に形成し、圧力保持を行うと
ともに、前記プリテンショナ12の各機構を収容して車
両急減速時の所定のトルク伝達機能を果たすようになっ
ている。
【0039】この蓋114にはまた、エンドプレート1
13に収容された状態でクラッチ装置92が取り付けら
れる。このクラッチ装置92は、ホルダ98、ワッシャ
99、リテーナ102、ローラピン106、クラッチ外
輪94、小スリーブ96、およびギヤ90を備える。
【0040】蓋114には、リトラクタシャフト16を
貫通させた状態で、略円盤状のホルダ98がその取り付
け脚の嵌合により固設される。なお、蓋114とホルダ
98との間には、音消し用のプラスチックワッシャ99
が介挿されている。
【0041】またリトラクタシャフト16には、ホルダ
98のスリーブとは反対側の位置に、リテーナ102、
ローラピン106、クラッチ外輪94、および小スリー
ブ96が取り付けられる。
【0042】クラッチ外輪94は、内周面がカム面94
Aを形成するとともに、その外周面がギヤ90に噛み合
っている。小スリーブ96は、スリーブ36よりも小径
の円盤状を成し、クラッチ外輪94の内側のカム面94
Aに向き合う位置に置かれ、リトラクタシャフト16に
固定されている。この小スリーブ96の外周表面にはロ
ーレットが形成されている。リテーナ102は、ホルダ
98の4個の円弧状溝に挿入される4個の爪部を一方の
側に延設させるとともに、4個のピン保持部をその反対
側に立設させた円盤状を成す。このリテーナ102も、
その爪部をホルダ98の円弧状溝に挿入するとともに、
そのピン保持部にローラピン106を固設させた状態で
リトラクタシャフト16に固定される。
【0043】4本のローラピン106は、クラッチ外輪
94の内側のカム面94Aと小スリーブ96の外周面と
の間に入り込み、かつ、カム面94Aの4個の凹部にそ
れぞれ係止・保持されるようになっている。ガス発生装
置50が動作しない通常の状態では、図10に示す如
く、ローラピン10と小スリーブ96の外周面との間
に、僅かな所定量の隙間ができるように位置決めおよび
サイズ決定されている。
【0044】また、スプロケット80には結合軸116
を介してギヤ90が一体に連結されている。結合軸11
6は、ギヤ90およびスプロケット80を同一軸で固定
するとともに、そのまま蓋114とハウジング22に取
り付けられ、ギヤ90およびスプロケット80の回転軸
になっている。このため、スプロケット80の回転に同
期してギヤ90が回転する。
【0045】いま、高圧ガス発生装置50が動作しない
通常状態であるとすると、図10に示すように、ローラ
ピン106と小スリーブ96は離間しているので、クラ
ッチ装置92はプリテンショナ12には何ら関与せず、
巻き取りバネ装置18の機能が有効になる。
【0046】この状態から高圧ガスが発生すると、列状
の円筒コロ26が押し出され、前述した第3の実施形態
のときと同様に、スプロケット80が図7の矢印方向に
回転する。このスプロケット80の回転は、結合軸11
6を介して一体のギヤ90が図10の矢印A2方向に同
期して回転する。これにより、ギヤ90に噛み合ってい
るクラッチ外輪94もA2方向に回転開始する。
【0047】このクラッチ外輪94の回転開始時には、
クラッチ外輪94は回転するが、4本のローラピン10
6は回転しない。それは、ローラピン106がリテーナ
102に保持され、リテーナ102がホルダ98に係止
され、このホルダ98がさらに蓋114を介してハウジ
ング22に固設されているので、結局、ローラピン10
6は固定状態にあるからである。
【0048】このクラッチ外輪94の回転初期状態にお
いて、ローラピン106が回転しないことにより、両
者、すなわちクラッチ外輪94とローラピン106との
間に回転差(位相差)が生じる。この回転差に伴うカム
面94Aからの押圧により、4本のローラピン106は
共にクラッチ外輪の中心方向に押し出される。このた
め、ローラピン106は小スリーブ96の外周面と接触
して、そのローレット面に喰い込む。この食い込みによ
って、ローラピン106は小スリーブ96とクラッチ外
輪94との間でくさび状態となり、両者を等価的に剛状
態で連結する。この結果、ローラピン106が小スリー
ブ96およびクラッチ外輪94と一体に回転しようと
し、リテーナ102も一体に回転しようとする。
【0049】このリテーナ102の回転しようとする力
によって、リテーナ102の回転を止めていたホルダ9
8のせん断部98Aがせん断する。つまり、一体化して
いるクラッチ外輪94、リテーナ102、小スリーブ9
6、およびローラピン106の回転抑止力が解除され、
これらは一体にA2方向(図10参照)に回転し出す。
【0050】リトラクタシャフト16は小スリーブ96
に貫通・嵌合しているので、小スリーブ96の回転に付
勢されて同シャフト16が回転する。このシャフト16
にはスリーブ36が嵌合しているから、スリーブ36も
回転する。
【0051】したがって、円筒コロ26による力がスプ
ロケット80、クラッチ装置92を介してスリーブ36
を回転させることになり、この回転開始によってスリー
ブ36からも回転トルクをリトラクタシャフト16に伝
達できる。
【0052】すなわち、リトラクタシャフト16には、
スプロケット80からクラッチ装置92を介して回転が
与えられると共に、スリーブ36からも回転が与えられ
る。したがって、高圧ガスから円筒コロに加えられた圧
力をより効率よく、確実にリトラクタシャフト16に伝
達することができる。
【0053】以上説明した実施形態によれば、スリーブ
と転動体との摩擦力を小さくすることができ、その結
果、スリーブを回転させる際の抵抗を小さくすることが
できる。また、スプロケットだけの力でクラッチを介し
てリトラクタシャフトにトルクを伝達するだけの場合に
比べて、クラッチ機構を小さく、スプロケットを薄くす
ることができる。
【0054】前記プリテンショナのケーシングを形成す
る蓋とハウジングはボルト、ナット、接着剤等の固定手
段によって固定される。ハウジングと蓋との間には高圧
ガスがケーシング外に漏洩することを防止するためにパ
ッキンが介装されていることが好ましい。
【0055】この実施形態において、狭窄部としてのく
さび状空間とは、スリーブとの間の距離を転動体の径よ
りも小さくし、その結果、転動体とスリーブとが摩擦結
合或いは摩擦係合することを可能にするもの、例えば、
既述のカム面、ロール、スプロケットであるが、この機
能を達成できるかぎり特に限定されるものではない。ま
た、その他の変形が既述の実施形態に加えられることが
妨げられるものではない。例えば、転動体としては円筒
コロの他に球状のものを使用することができる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、転
動体が通過する通路に狭窄部を形成し、転動体が狭窄部
を通過する際にリトラクタシャフトに取り付けられたス
リーブに次々に摩擦結合することにより、車両の急減速
時にこのスリーブが強制的に回転されるように構成され
たので、プリテンショナ内の通路を圧送される転動体か
ら、シートベルト緊急巻き取りのためのトルクを効率良
くリトラクタシャフトに伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シートベルト装置用リトラクタの正面図であ
る。
【図2】図1の一部断面図であり、図3のII−II断
面図である。
【図3】図1のIII−III断面図である。
【図4】図3の一部拡大図である。
【図5】高圧ガス発生時における図4と同様な、図3の
一部拡大図である。
【図6】本発明の実施形態における他の例に係わる、図
1のIII−III線断面図である。
【図7】さらに他の例に係わる、図1のIII−III
線断面図である。
【図8】さらに他の例に係わる、プリテンショナに装着
されたクラッチ装置を一部破断して示す構成図である。
【図9】クラッチ装置を中心に示す部品展開図である。
【図10】図8中のX−X線に沿ったクラッチ装置の位
置関係を示す説明図である。
【符号の説明】
16 リトラクタシャフト 22 ハウジング 26 円筒コロ(転動体) 28 通路 30 スリーブ収容空間 36 スリーブ 36A ローレット(摩擦結合手段) 50 高圧ガス発生装置(圧力印加手段) 62 くさび状空間部を成すカム面(狭窄部を有する摩
擦結合手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に形成したスペースに収容
    され且つ車両のウエビング巻き取りのためのリトラクタ
    シャフトに固設されたスリーブと、前記ハウジング内で
    前記スペースを途中に連通して形成された通路に沿って
    列状態で且つ転動自在に挿入された複数の転動体と、車
    両の急減速時に前記通路の一端から前記転動体列に圧力
    を加える圧力印加手段とを備え、 前記通路を通る前記転動体列が前記スリーブに当接する
    当該通路の領域の少なくとも一部に狭窄部を形成し、前
    記圧力の付勢により前記通路の他端に向かって押し出さ
    れてくる前記転動体列が前記狭窄部を通過するときに前
    記スリーブに摩擦結合させる手段を設け、これにより、
    車両の急減速時に前記スリーブが強制的に回転されるよ
    うにしたことを特徴とするシートベルトリトラクタ用プ
    リテンショナ。
JP10010281A 1998-01-22 1998-01-22 シートベルトリトラクタ用プリテンショナ Withdrawn JPH11208415A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10010281A JPH11208415A (ja) 1998-01-22 1998-01-22 シートベルトリトラクタ用プリテンショナ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10010281A JPH11208415A (ja) 1998-01-22 1998-01-22 シートベルトリトラクタ用プリテンショナ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11208415A true JPH11208415A (ja) 1999-08-03

Family

ID=11745940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10010281A Withdrawn JPH11208415A (ja) 1998-01-22 1998-01-22 シートベルトリトラクタ用プリテンショナ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11208415A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001180439A (ja) * 1999-12-21 2001-07-03 Ashimori Ind Co Ltd シートベルトプリテンショナー
JP2002012127A (ja) * 2000-04-24 2002-01-15 Takata Corp シートベルト巻取り装置
KR100371540B1 (ko) * 2000-12-01 2003-02-07 현대자동차주식회사 자동차용 로드리미터
US6523769B2 (en) 2000-06-16 2003-02-25 Takata Corporation Seat belt spooling device
JP2003104168A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nhk Spring Co Ltd 動力発生装置
DE20307268U1 (de) * 2003-05-09 2004-09-16 Trw Occupant Restraint Systems Gmbh & Co. Kg Gurtstrafferantrieb
JP2008273447A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Autoliv Development Ab ウェビング巻取り装置
JP2010036651A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Takata Corp プリテンショナー、これを有するシートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置
KR101718691B1 (ko) * 2015-10-27 2017-03-22 아우토리브 디벨롭먼트 아베 프리텐셔너

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001180439A (ja) * 1999-12-21 2001-07-03 Ashimori Ind Co Ltd シートベルトプリテンショナー
JP2002012127A (ja) * 2000-04-24 2002-01-15 Takata Corp シートベルト巻取り装置
JP4632277B2 (ja) * 2000-04-24 2011-02-16 タカタ株式会社 シートベルト巻取り装置
US6523769B2 (en) 2000-06-16 2003-02-25 Takata Corporation Seat belt spooling device
DE10122623B4 (de) * 2000-06-16 2014-02-27 Takata Corp. Sicherheitsgurt-Aufwickelvorrichtung
KR100371540B1 (ko) * 2000-12-01 2003-02-07 현대자동차주식회사 자동차용 로드리미터
JP2003104168A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Nhk Spring Co Ltd 動力発生装置
JP4708643B2 (ja) * 2001-09-28 2011-06-22 日本発條株式会社 動力発生装置
DE20307268U1 (de) * 2003-05-09 2004-09-16 Trw Occupant Restraint Systems Gmbh & Co. Kg Gurtstrafferantrieb
JP2008273447A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Autoliv Development Ab ウェビング巻取り装置
JP2010036651A (ja) * 2008-08-01 2010-02-18 Takata Corp プリテンショナー、これを有するシートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置
KR101718691B1 (ko) * 2015-10-27 2017-03-22 아우토리브 디벨롭먼트 아베 프리텐셔너

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6318662B1 (en) Webbing winding device
US5794876A (en) Seat belt retractor with pretensioner
US7124974B2 (en) Seat belt retractor
EP0641691A1 (en) Safety belt pretensioner
US6532739B2 (en) Pretensioner
KR19990077665A (ko) 기어기구 및 시트벨트 견인장치
JPH0125092Y2 (ja)
US20060157607A1 (en) Seat belt retractor with belt tightener
JPH11208415A (ja) シートベルトリトラクタ用プリテンショナ
US5906328A (en) Pre-tensioner for seat belt device
US6152391A (en) Webbing retractor
EP0600689B1 (en) Seat belt retractor with pre-tensioner
JP2002154405A (ja) プリテンショナ
US5489072A (en) Seat belt retractor with pre-tensioner
JP4246865B2 (ja) シートベルト装置
JP2000225920A (ja) プリテンショナ
EP1199230A2 (en) Safety belt pretensioner
JP3617859B2 (ja) シートベルト装置のプリテンショナ
EP1203704B1 (en) Seat belt retractor
JPS63212151A (ja) 安全ベルトの緊急巻取り装置
JP3886687B2 (ja) シートベルトプリテンショナー
JP4248106B2 (ja) シートベルト装置
JPH08133014A (ja) プリテンショナー付きシートベルト用リトラクター
JPH11314557A (ja) プリテンショナ
JPH1086791A (ja) シートベルト装置のプリテンショナ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20041119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041119

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050405