JP3886687B2 - シートベルトプリテンショナー - Google Patents

シートベルトプリテンショナー Download PDF

Info

Publication number
JP3886687B2
JP3886687B2 JP36202299A JP36202299A JP3886687B2 JP 3886687 B2 JP3886687 B2 JP 3886687B2 JP 36202299 A JP36202299 A JP 36202299A JP 36202299 A JP36202299 A JP 36202299A JP 3886687 B2 JP3886687 B2 JP 3886687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
gear
seat belt
passage
gear member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP36202299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001180439A (ja
Inventor
泰博 稲川
真生 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ashimori Industry Co Ltd
Original Assignee
Ashimori Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ashimori Industry Co Ltd filed Critical Ashimori Industry Co Ltd
Priority to JP36202299A priority Critical patent/JP3886687B2/ja
Publication of JP2001180439A publication Critical patent/JP2001180439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3886687B2 publication Critical patent/JP3886687B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシートベルトリトラクタに付設されるシートベルトプリテンショナーに関し、特に、車両緊急時に複数のローラ部材をギア部材に順次噛合させ、ギア部材とともに巻取軸を巻取り方向に強制的に回動させてウエビングを巻取るシートベルトプリテンショナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シートベルトプリテンショナーは、乗員拘束用のウエビングを巻取る巻取軸と、この巻取軸を回転可能に支持するハウジングと、巻取軸を巻取り方向へ弾性付勢する付勢部材等を有するシートベルトリトラクタに付設され、車両衝突等の車両緊急時に、巻取軸を巻取り方向に強制的に回動させてウエビングを巻取り、ウエビングの弛みを取除く。
通常、シートベルトリトラクタには、前記巻取軸とハウジングと付勢部材の他に、車両緊急時に巻取軸の引出し方向の回転をロックする緊急ロック機構が設けられ、車両緊急時、シートベルトプリテンショナーによりウエビングの弛みを取除くことで、緊急ロック機構が効果的に機能し、ウエビングで乗員を拘束する機能を高めることができる。尚、シートベルトプリテンショナーが作動しない通常状態では、ウエビングの引出しと巻取りを自由に行うことができる。
【0003】
さて、従来のシートベルトプリテンショナーとして、車両緊急時にガスを発生させるガス発生装置を備え、そのガス圧により1又は複数の駆動部材を駆動して、巻取軸を巻取り方向に回動させるようにしたものが種々実用に供されている。
【0004】
米国特許第5697571号のシートベルトプリテンショナーは、ガス発生装置に一端が接続された細長い湾曲状の収容通路とこの収容通路の他端が連通するギア収容部とこのギア収容部に連通する回収部とを有するケース、収容通路に収容されたチェーン部材、ギア収容部に回転可能に収容され巻取軸に同軸状に結合されたギア部材等を備えている。車両緊急時にガス発生装置から収容通路に導入されるガスにより、チェーン部材が収容通路からギア収容部を通過し回収部に移動して回収される。チェーン部材がギア収容部を通過する際にギア部材と噛合して、ギア部材が巻取軸と一体的に巻取り方向に回転する。チェーン部材が回収部に最大限回収されても、チェーン部材がギア部材に噛合した状態になる。
【0005】
特開平11−208415号公報のシートベルトプリテンショナーは、ガス発生装置に一端が接続された収容通路とこの収容通路の他端が連通するスリーブ収容部とこのスリーブ収容部に連通する回収通路とを有するケース、収容通路に列状に収容された多数の円筒コロ、スリーブ収容部に回転可能に収容され巻取軸に同軸状に結合されたスリーブ等を備えている。車両緊急時にガス発生装置から収容通路に導入されるガスにより、多数の円筒コロが収容通路に沿ってスリーブ収容部側に移動する。その際、多数の円筒コロがスリーブとこのスリーブと対向するスリーブ収容部の側壁との間に順次圧入されつつ移動し、その摩擦力によりスリーブが巻取軸と一体的に巻取り方向に回転する。スリーブと側壁との間を通り終えた多数の円筒コロは回収通路に移動して回収される。
【0006】
国際公開番号WO95/27638号の図7のシートベルトプリテンショナーは、ガス発生装置に一端が接続されたボール収容通路とこのボール収容通路の他端に連通するピニオン収容部とを有するケース、ボール収容通路に列状に収容された多数のボール、ピニオン収容部に回転可能に収容され巻取軸に同軸状に結合されたピニオン等を備えている。車両緊急時にガス発生装置からボール収容通路に導入されるガスにより、ボール収容通路内の多数のボールがギア収容部側へ移動し、これらボールがピニオンに順次噛合して、ピニオンと一体的に巻取軸が巻取り方向に回動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
米国特許第5697571号のシートベルトプリテンショナーでは次の問題がある。チェーン部材を収容する収容通路の他にチェーン部材を回収する回収部を設けなければならないのでケースが大型化し複雑な構造になる。通常状態でギア部材は巻取軸とともに回転し位相が変化するため、車両緊急時にギア部材とチェーン部材とが円滑に噛合しない虞がある。チェーン部材と収容通路の壁の間に作用する摩擦力が大きいため、ガス発生装置で発生したガスによる駆動力をチェーン部材を介してギア部材に伝達する効率が低くなる。それ故、高出力のガス発生装置を使用する必要がある。チェーン部材が回収部に最大限回収されても、チェーン部材がギア部材に噛合した状態になるため、その後、ウエビングによる拘束を解除する為にギア部材と巻取軸を引出し方向に回動させることが困難になる。ケースの大型化、チェーン部材の使用、高出力のガス発生装置の使用等により、製作コストが高価になる。
【0008】
特開平11−208415号公報のシートベルトプリテンショナーでは次の問題がある。多数の円筒コロを収容する収容通路の他に多数の円筒コロを回収する回収通路を設けなければならないのでケースが大型化し複雑な構造になる。ガス発生装置で発生したガスによる駆動力をスリーブとギア収容部の側壁の間に圧入される円筒コロを介してスリーブに伝達する効率を向上させるために、高い加工精度が要求される。多数の円筒コロを設けたので部品点数が多くこれら円筒コロの組付け作業も大変になる。円筒コロが通路を移動する際にその移動方向に傾く虞が高く、円筒コロと通路の壁との間に作用する摩擦力が増大し、前記駆動力をギア部材に伝達する効率が低下する。それ故、高出力のガス発生装置を使用する必要がある。ケースの大型化、部品点数及び組付け作業負荷の増大、高い加工精度の要求、高出力のガス発生装置の使用等により、製作コストが高価になる。
【0009】
国際公開番号WO95/27638号のシートベルトプリテンショナーでは、ケースに多数のボールを収容するボール収容通路の他に多数のボールを回収する回収部を別途設ける必要がないため、ケースを小型化できその構造も簡単化できる。しかし、通常状態でピニオンは巻取軸とともに回転し位相が変化するため、車両緊急時にピニオンとボールとが円滑に噛合しない虞がある。
【0010】
本発明の目的は、シートベルトプリテンショナーにおいて、ケースを小型化して構造を簡単化すること、車両緊急時に巻取軸を巻取り方向へ確実に回動させること、ガス発生装置で発生するガスによる駆動力をギア部材に効率よく伝達すること、製作コストを低減すること、ギア部材の高い剛性を確保するとともにその為の構造をクラッチケースを有効利用して実現すること、等である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1のシートベルトプリテンショナーは、乗員拘束用のウエビングを巻取る巻取軸と巻取軸を回転可能に支持するハウジングと巻取軸を巻取り方向に回動付勢する付勢部材とを有するシートベルトリトラクタに付設され、車両緊急時に巻取軸を巻取り方向に強制的に回動させてウエビングを巻取るシートベルトプリテンショナーにおいて、車両緊急時にガスを発生させるガス発生装置と、前記ガス発生装置に一端が接続されたローラ収容通路と、このローラ収容通路の他端に連通するギア収容部とを有し且つハウジングに固定されたケースと、前記ローラ収容通路に列状に収容されローラ収容通路に沿ってギア収容部内まで移動可能な複数のローラ部材と、前記ギア収容部に回転可能に収容されローラ部材がローラ収容通路からギア収容部へ移動する際に噛合可能なギア部材と、前記ギア部材の回動によりギア部材と巻取軸を連動連結するクラッチとを備え、前記ローラ部材は、ローラ本体と、このローラ本体の一端に同心状に設けられ且つローラ本体よりも大径のフランジとを有し、前記ギア部材は、ギア本体と、このギア本体の前記フランジと反対側端面に一体的に設けられたギアベースとを有し、前記ガス発生装置からローラ収容通路に導入されるガスにより、ローラ収容通路内の複数のローラ部材をギア収容部側へ移動させ、これらローラ部材のローラ本体をフランジとギア部材のギアベースの間においてギア本体に順次噛合させて、ギア部材を巻取り方向に回動させるように構成したことを特徴とするものである。
【0012】
車両が衝突しない(車両緊急時前の)通常状態では、複数のローラ部材がローラ収容通路に収容された状態に保持され、ギア部材はケースに対して静止した状態に保持される。また、通常状態では、クラッチは機能していないため、ギア部材と巻取軸が連動連結しておらず、巻取軸がクラッチからの影響を受けずに回転可能であり、ウエビングの引出しと巻取りを自由に行うことができる。
【0013】
車両衝突等の車両緊急時には、ガス発生装置からガスが発生し、そのガスがローラ収容通路にその一端から導入される。ローラ収容通路に導入されたガス(ガス圧)により、ローラ収容通路内の複数のローラ部材がギア収容部側へ押されて全体的に移動する。複数のローラ部材がローラ収容通路からギア収容部へ移動する際に、これらローラ部材のローラ本体がフランジとギア部材のギアベースの間においてギア本体に順次噛合して、ギア部材が巻取り方向に回動する。ギア部材の回動によりクラッチが機能してギア部材と巻取軸が連動連結して、その後、ギア部材と一体的に巻取軸が巻取り方向に回動する。クラッチが機能するのに要するギア部材の回動角度を僅かな角度にできるため、巻取軸はギア部材の回動角度に近い角度で巻取り方向に回動する。このようにして、車両緊急時に巻取軸を巻取り方向に強制的に回動させてウエビングを巻取ることができる。
【0014】
このシートベルトプリテンショナーでは、ギア部材がローラ部材と噛合した状態を保持して回動し、ケースに複数のローラ部材を回収する回収部を別途設ける必要がないため、ケースを小型化でき構造を簡単化できる。通常状態で、巻取軸の回転とは関係なくギア部材は静止しているため、ギア部材の静止位相を適切な位相に保持しておくことで、車両緊急時に、最初のローラ部材をギア部材に変に衝突させずに円滑に噛合させ、その後、複数のローラ部材をギア部材に順次円滑に噛合させギア部材を巻取り方向に回動させることができる。
【0015】
ローラ部材とローラ収容通路の壁との間に作用する摩擦力を低減できるため、ガス発生装置で発生したガスによる駆動力を複数のローラ部材を介してギア部材に効率よく伝達することができる。それ故、ガス発生装置を小型化することが可能になる。プリテンショナーの作動後においては、巻取軸と一体的にギア部材を自由に回動させることができるため、ウエビングによる拘束を解除する為にギア部材と巻取軸を引出し方向に回動させることが可能になる。シートベルトプリテンショナーの適正な作動を確保するために、ローラ収容通路やローラ部材やギア部材を成形する高い加工精度が要求されない。ケースの小型化、ガス発生装置の小型化、高い加工精度の不要等により、製作コストを低減することができる。
【0016】
ローラ収容通路に導入されるガス圧による駆動力は、ローラ収容通路の最も一端側のローラ部材に先ず作用し、そのローラ部材から隣合うローラ部材のフランジを介してローラ収容通路の最も他端側のローラ部材に至る全てのローラ部材に伝達されて、これらローラ部材がギア収容部側へ全体的に移動するとともに、前記駆動力がこれらローラ部材のローラ本体を介してギア部材のギア本体に伝達される。
【0017】
ローラ部材のローラ本体よりも大径のフランジの端面を例えば壁等でガイドして、複数のローラ部材が互いに駆動力の伝達を行いつつ移動する際に移動方向に傾くのを防止できる。それ故、ローラ部材とローラ収容通路の壁との間に作用する摩擦力を低減できるため、前記駆動力をギア部材に伝達する効率を高めることができる。ギア本体の前記フランジと反対側端面にギアベースを一体的に設けたので、ギア部材の剛性を高めることができ、ローラ本体がギア本体を破損させることなくギア本体に確実に噛合する。
【0018】
請求項2のシートベルトプリテンショナーは、請求項1の発明において、前記ギア部材が巻取軸と同軸状にギア収容部に収容され、ギア部材のギアベースが前記クラッチのクラッチケースを構成することを特徴とするものである。車両緊急時、ギア部材の回動によりクラッチが機能し、ギア部材と巻取軸が結合されて連動連結する。ギア部材の高い剛性を確保するとともにその為の構造をクラッチケースを有効利用して実現することができる。
【0019】
請求項3のシートベルトプリテンショナーは、請求項1の発明において、前記ギアベースに連動用ギア部が形成され、この連動用ギア部と噛合する連動用ギア部と、前記クラッチのクラッチケースとを有し且つ巻取軸と同軸状にギア収容部に収容された第2のギア部材を設けたことを特徴とするものである。車両緊急時、ギア部材の回動により連動用ギア部を介して第2のギア部材が回動し、その第2のギア部材の回動によりクラッチが機能し、第2のギア部材と巻取軸が結合されてギア部材と巻取軸が連動連結する。ギア部材と第2のギア部材のギア比の設定により、車両緊急時において、ギア部材の回転量に対する巻取軸(第2のギア部材)の回転量を上げて、ウエビングを巻取軸に強制的に巻取る巻取り量を増大させることができる。
【0020】
請求項4のシートベルトプリテンショナーは、請求項1〜3の何れか1項の発明において、複数のローラ部材がフランジ同士を互いに接触させて隣接した状態で、複数のローラ本体とギア本体の複数の歯がほぼ同ピッチになることを特徴とするものである。それ故、最初のローラ部材をギア部材に噛合させた後、続けて複数のローラ部材をギア部材に順次円滑に噛合させることができる。
【0021】
請求項5のシートベルトプリテンショナーは、請求項1〜4の何れか1項の発明において、前記ローラ収容通路の一端部にガス発生装置で発生したガスのガス圧を受圧してローラ部材に伝達する可動受圧部材を設けたことを特徴とするものである。可動受圧部材がガス発生装置で発生したガスのガス圧を受圧し、その駆動力が可動受圧部材を介して複数のローラ部材に伝達され、可動受圧部材とともに複数のローラ部材がギア収容部側へ移動する。可動受圧部材を設けたことで、前記ガス圧による駆動力をギア部材に伝達する効率を高めることができる。
【0022】
請求項6のシートベルトプリテンショナーは、請求項5の発明において、前記ローラ部材のフランジと反対側端部が臨むローラ収容通路の底部をフランジの直径よりも小さな幅に形成するとともに、ローラ収容通路の1対の側壁にフランジ付近から底部側程幅が狭くなるテーパ部を形成したことを特徴とするものである。つまり、複数のローラ部材をローラ収容通路に一定姿勢でしか組付けることができず、却って、その組付け作業を簡単且つ確実化することができる。しかも、ローラ部材とローラ収容通路の側壁との接触面積を小さくしてそれらの間に作用する摩擦抵抗を低減することができるため、前記駆動力をギア部材に伝達する効率が一層向上する。
【0023】
請求項7のシートベルトプリテンショナーは、請求項1〜6の何れか1項の発明において、前記ローラ収容通路の長さは、複数のローラ部材を全て隣接させた状態の長さとほぼ同じであることを特徴とするものである。つまり、ローラ収容通路の長さを最小にできるため、ケースを極力小型化することができる。
【0024】
請求項8のシートベルトプリテンショナーは、請求項1〜7の何れか1項の発明において、前記ローラ収容通路とギア収容部の境界付近に装着され、通常状態では複数のローラ部材をギア収容部へ移動させないように保持するとともに、車両緊急時にはローラ部材のギア収容部への移動を弾性変形を介して許容する板バネを設けたことを特徴とするものである。つまり、通常状態では、板バネにより複数のローラ部材をギア収容部へ移動させないように固定的に保持して、これらローラ部材を接触させて列状に維持して待機させることができる。また、車両緊急時には、板バネによりローラ部材のギア収容部への移動を弾性変形を介して許容するので、ローラ部材をギア部材に噛合させることができる。つまり、プリテンショナーの信頼性を高めることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本実施形態は、巻取軸とハウジングと付勢部材を有するシートベルトリトラクタに付設され、車両衝突等の車両緊急時に、巻取軸を巻取り方向に強制的に回動させてウエビングを巻取るシートベルトプリテンショナーに、本発明を適用した場合の一例である。尚、図1における前方と左方を基準にして説明する。
【0026】
図1に示すように、シートベルトリトラクタ1は、乗員拘束用のウエビングWを巻取る巻取軸2と、巻取軸2が挿通されウエビングWが巻付けられる巻取りドラム3と、巻取軸2を回転可能に支持するとともに車体に固定されるハウジング4と、巻取軸2と巻取りドラム3を矢印で示す巻取り方向へ弾性付勢する付勢部材に相当する渦巻きバネ(図示略)と、車両緊急時に作動する緊急感知機構(図示略)と、車両緊急時に巻取軸2と巻取りドラム3を巻取り方向に強制的に回動させてウエビングWを巻取る本願特有のシートベルトプリテンショナー5(以下、プリテンショナー5という)等で構成されている。
【0027】
前記ハウジング4は、一体形成された左側壁10と右側壁11と後壁12とを有し、左側壁10と右側壁11に巻取軸2の左右両端部分が回転自在に支持され、後壁12がボルト(図示略)等で車体に固定される。左側壁10と右側壁11の間に巻取りドラム3が収容され、左側壁10と右側壁11の前上端部は左右方向向きのバー部材13により連結されている。
【0028】
前記巻取軸2は、ハウジンク4の左側壁10のすぐ左側に位置する短尺のローレット軸部15と、このローレット軸部15から左方へ延びローレット軸部15よりも小径の小径軸部16を有する。尚、緊急感知機構は車体が急減速した時とウエビングWが急激に引出された時に作動するものであるが、種々の緊急感知機構を適用可能であり、その説明は省略する。
【0029】
前記プリテンショナー5について詳細に説明する。
図1、図2に示すように、プリテンショナー5は、車両緊急時にガスを発生させるガス発生装置20と、ガス発生装置20に一端(前下端)が接続されたローラ収容通路24とこのローラ収容通路24の他端(後下端)に連通するギア収容部25とを有し且つハウジング4に固定されたケース21と、ローラ収容通路24に列状に収容されローラ収容通路24に沿ってギア収容部25内まで移動可能な5個のローラ部材40と、ギア収容部25に回転可能に且つ巻取軸2と同軸状に収容されローラ部材40がローラ収容通路24からギア収容部25へ移動する際に噛合可能なギア部材50と、ギア部材50の回動によりギア部材50と巻取軸2を連動連結するクラッチ60等を備えている。
【0030】
ケース21は、ローラ収容通路24とギア収容部25の凹部が左側から形成されたケース本体22と、ケース本体22を左側からカバーするケースカバー23からなる。ケースカバー23は複数のボルト26〜28によりケース本体22に強固に固定され、そのうちの複数の通しボルト28によりハウジング4の左側壁10にケース本体22とともに固定されている。ケース21の上部に縦断面上半円弧状のローラ収容通路24が形成され、そのローラ収容通路24の下側に縦断面ほぼ円形のギア収容部25が形成され、ローラ収容通路24の後下端にギア収容部25の後上端が連通している。
【0031】
ケース本体22の前下端部分の取付部26に下側から取付穴27が形成され、その取付穴27にガス発生装置20が内嵌状に装着され、ガス発生装置20を取付穴27に固定する為に、取付部26の下部にキャップ部材28が外嵌状に螺合されている。ケース本体22には、ローラ収容通路24の前下端と取付穴27とを連通するガス通路29が形成され、このガス通路29を介して、ローラ収容通路24の前下端がガス発生装置20に接続されている。
【0032】
尚、ガス発生装置20は、図示していないが、例えば、高圧ガス発生剤、電極、点火装置等を有し、車両緊急時に、点火装置が衝突センサや加速度センサ等の車両緊急検出センサからの信号を受けて、電極に通電して高圧ガス発生剤を発火又は化学反応させ、高圧ガスを瞬時に発生させるものである。
【0033】
ケース本体22には、ローラ収容通路24を囲むシール溝31が形成され、ギア収容部25のすぐ上側にバネ取付用穴32が形成されている。シール溝31にこれとほぼ同形状のシール部材34が装着された状態で、ケース本体22にケースカバー23が固定されている。ここで、ローラ収容通路24とギア収容部25の境界付近に板バネ35が装着され、その板バネ35の基端部分が、バネ取付用穴32に嵌込まれたバネ取付部材36とバネ取付用穴32を形成する側壁の間に挟持されて取付けられている。
【0034】
5個のローラ部材40は同形同サイズに構成され、夫々、ローラ本体41と、このローラ本体41の左端に同心状に設けられ且つローラ本体41よりも大径(例えば、ローラ本体41の約2倍の直径)のフランジ42とを有し、これらローラ本体41とフランジ42は一体形成されている。例えば、ローラ本体41とフランジ42はほぼ同じ左右長さに形成され、フランジ42の左端外周縁部と右端外周縁部は夫々面取りされている。
【0035】
図3に示すように、ローラ収容通路24は、ローラ部材40のフランジ42と反対側端部(ローラ本体41の右端部)が臨む底部24aと、底部24aの幅方向両側の1対の側壁24bを有する。底部24aは、ローラ本体41の直径よりも僅かに長くフランジ42の直径よりも小さい幅に形成されている。1対の側壁24bには、底部24a側右半部分において、底部24a側程幅が狭くなるテーパ部24cが夫々形成され、1対の側壁24bのうち底部24aと反対側左半部分における面は、フランジ42の直径よりも僅かに長い幅をあけて底部24aと平行な面に直交する面になっている。
【0036】
図2に示すように、5個のローラ部材40は、フランジ42同士を互いに接触させて隣接した状態でローラ収容通路24に収容され、ローラ収容通路24の前下端部に、ガス発生装置20で発生したガスのガス圧を受圧してローラ部材40に伝達する硬質ゴム製の可動受圧部材45が収容されている。可動受圧部材45はローラ部材40のフランジ42に接触状に配設されるとともに、プリテンショナー5が作動しない図2の通常状態では、ローラ収容通路24の前下端部に接触している。
【0037】
そして、ローラ収容通路24の長さは、可動受圧部材45を含めて5個のローラ部材40を全て隣接させた状態の長さとほぼ同じである。さて、前述した板バネ35により、通常状態では5個のローラ部材40をギア収容部25へ移動させないように保持するとともに、車両緊急時には弾性変形を介してローラ部材40のギア収容部25への移動を許容するように構成されている。
【0038】
図4〜図6に示すように、ギア部材50は、5個の歯を有するギア本体51と、このギア本体51の前記フランジ42と反対側端面(右端面)に一体的に設けられ且つクラッチ60のクラッチケース(52)を構成するギアベース52とを有し、その中心部に、巻取軸2の小径軸部16が挿通する挿通孔53が形成されている。
【0039】
ギア本体51はローラ部材40のローラ本体41とほぼ同じ左右長さに形成され、ギアベース52はギア本体51の約2倍の左右長さに形成され、ローラ部材40のフランジ42とギア部材50のギアベース52との間において、ローラ本体41とギア本体51が噛合するように構成されている。5個のローラ部材40がフランジ42同士を互いに接触させて隣接した状態で、5個のローラ部材40のローラ本体41とギア本体51の5個の歯がほぼ同ピッチになる。
【0040】
図5〜図7に示すように、クラッチ60は、前記ギアベース(52)からなるクラッチケース52と、このクラッチケース52内に収容される合成樹脂製のリテーナ61と、同じくクラッチケース52内に収容され且つリテーナ61に周方向等間隔に形成された4つの保持部62に夫々径方向に移動可能に保持された4個のローラピン63を有し、クラッチケース52内において、リテーナ61及び4個のローラピン63の内側に巻取軸2のローレット軸部15が位置している。
【0041】
リテーナ61の4つの保持部62の右端部には夫々係合片62aが一体形成され、通常状態では、これら係合片62aがケース21のギア収容部25を構成する右側壁の4つの係合穴に係合して、リテーナ61が固定されている。クラッチケース52の内面には、4個のローラピン63に夫々対応する4つのカム面64が形成され、通常状態では、各ローラピン63は、カム面64のうちの最も径方向外側の部位に当接し、ローレット軸部15とは非接触である。
【0042】
ギア部材50は、リテーナ61やローラピン63の間に作用する摩擦抵抗等により、図2の初期位相に保持されている。この初期位相では、プリテンショナー5が作動した際に最初のローラ部材40のローラ本体41がギア本体51に円滑に噛合する位相に設定されている。尚、前記摩擦抵抗等により、リテーナ61がケース21に固定されている場合は勿論、プリテンショナー5が作動した際でも、ギア部材50は軸心方向に移動しないものとする。
【0043】
このクラッチ60では、図5に鎖線で示すように、ギア部材50が矢印で示す巻取り方向へ所定角度(例えば、約30度)回動すると、リテーナ61に対してギア部材50が所定部位同士の干渉により相対回動不能になるとともに、4個のローラピン63が4つのカム面64により夫々軸心側へ押動され巻取軸2のローレット軸部15に強力に押圧されて、ギア部材50と巻取軸2が結合されて連動連結する。その後、例えば、4つの係合片62aの破断により、リテーナ61のケース21への固定が解除され、リテーナ61を含めてギア部材50と一体的に巻取軸2が回動する。
【0044】
尚、巻取軸2の小径軸部16は、ケース21とギア部材50の挿通孔53を挿通してケース21の左側まで延びている。そして、前記渦巻きバネを収容したバネケース70が、2個のビス72により低摩擦シート71を介してケース21の左端側に固定され、その渦巻きバネに小径軸部16の左端部が連結されている(図1参照)。尚、プリテンショナー5において、例えば、可動受圧部材45とクラッチ60のリテーナ61が合成樹脂で構成され、その他の部材は金属で構成されるが、前記その他の部材の一部を合成樹脂で構成してもよい。
【0045】
上記シートベルトプリテンショナー5の作用・効果について説明する。
図2に示すように、車両が衝突しない(車両緊急時前の)通常状態では、板バネ35により、5個のローラ部材40をギア収容部25へ移動させないようにローラ収容通路24に固定的に保持して、これらローラ部材40を接触させた状態に列状に維持して待機させることができる。この通常状態では、クラッチ60は機能していないため、ギア部材50と巻取軸2は結合しておらず、巻取軸2がクラッチ60からの影響を受けずに回転可能であり、ウエビングWの引出しと巻取りを自由に行うことができる。
【0046】
一方、車両衝突等の車両緊急時には、ガス発生装置20からガスが発生し、そのガスがガス通路29を介してローラ収容通路24にその前方下端から導入される。すると、図8、図9に示すように、可動受圧部材45がガス発生装置20で発生したガスのガス圧を受圧し、その駆動力が可動受圧部材45を介して5個のローラ部材40に伝達され、可動受圧部材45とともに5個のローラ部材40が全体的にギア収容部25側へ移動する。板バネ35は、ローラ部材40のローラ収容通路24からギア収容部25への移動を弾性変形を介して許容できる。
【0047】
5個のローラ部材40がローラ収容通路24からギア収容部25へ移動する際に、これらローラ部材40のローラ本体41がフランジ42とギア部材50のギアベース52の間においてギア本体51に順次噛合して、ギア部材50が巻取り方向に回動する。ギア部材50の回動によりクラッチ60が機能してギア部材50と巻取軸2が結合されて連動連結し、その後、ギア部材50とともに巻取軸2が巻取り方向に回動する。その後、図10に示すように、最初にギア部材50に噛合したローラ部材40のフランジ42が板バネ35に前側から当接して回動規制されて、ギア部材50と巻取軸2の回動が停止する。
【0048】
尚、クラッチ60が機能するのに要するギア部材50の回動角度を僅かな角度(例えば、約30度)にできるため、巻取軸2はギア部材50の回動角度に近い角度で巻取り方向に回動する。通常状態で、最後のローラ部材40はギア部材50に噛合しており、ギア部材50の回動に寄与したことになるが、最初にギア部材50に噛合したローラ部材40と板バネ35との当接により、板バネ35は弾性変形して最後のローラ部材40の前端部分に接触した状態になっている。
【0049】
このようにして、車両緊急時、巻取軸2を巻取り方向に1回転近く強制的に瞬時に回動させてウエビングWを巻取ることができる。つまり、シートベルトリトラクタ1においては、プリテンショナー5により、車両緊急時、その直後瞬時にウエビングWの弛みを取除くことができるため、緊急ロック機構が効果的に機能し、ウエビングWで乗員を拘束する機能を高めることができる。
【0050】
また、プリテンショナー5の作動後においては、板バネ35が、ギア部材50と噛合しているローラ部材40をローラ収容通路24側へ移動させないように、ギア部材50に保持させるガイド部材として機能するため、巻取軸2と一体的にギア部材50を自由に回動させることができる。それ故、ウエビングWによる拘束を解除する為に巻取軸2とギア部材50を引出し方向に回動させることが可能になる。尚、図11に示すように、プリテンショナー5の作動直後に巻取軸2とギア部材50を引出し方向に回動させると、図12に示すように、ギア部材50に最後に噛合したローラ部材40だけは、板バネ35によりローラ収容通路24に戻されるが、ギア収容部25側へ移動しないように保持されるため上記作動に問題はない。
【0051】
以上説明したプリテンショナー5によれば、ギア部材50がローラ部材40と噛合した状態を保持して回動し、ケース21に5個のローラ部材40を回収する回収部を別途設ける必要がないため、ケース21を小型化でき構造を簡単化することができる。通常状態で、巻取軸2の回転とは関係なくギア部材50は静止しているため、そのギア部材50の初期位相を適切な位相にしておくことで、車両緊急時に、最初のローラ部材40をギア部材50に円滑に噛合させ、その後、5個のローラ部材40をギア部材50に順次円滑に噛合させギア部材50を巻取り方向に回動させることができる。
【0052】
ローラ部材40とローラ収容通路24の壁との間に作用する摩擦力を低減できるため、ガス発生装置20で発生したガスによる駆動力を5個のローラ部材40を介してギア部材50に効率よく伝達することができる。それ故、ガス発生装置20を小型化することが可能になる。プリテンショナー5の作動後においては、巻取軸2と一体的にギア部材50を自由に回動させることができるため、ウエビングWによる拘束を解除する為に巻取軸2とギア部材50を引出し方向に回動させることが可能になる。プリテンショナー5の適正な作動を確保するために、ローラ収容通路24やローラ部材40やギア部材50を成形する高い加工精度が要求されない。ケース21の小型化、ガス発生装置20の小型化、高い加工精度の不要等により、製作コストを低減することができる。
【0053】
ローラ部材40のローラ本体41よりも大径のフランジ42の端面をケースカバー23がガイドして、5個のローラ部材40が互いに駆動力の伝達を行いつつ移動する際に移動方向に傾くのを防止できる。それ故、ローラ部材40とローラ収容通路24の壁との間に作用する摩擦力を低減できるため、前記駆動力をギア部材50に伝達する効率を高めることができる。ギア本体51のフランジ42と反対側端面にクラッチケース52を構成するギアベース52を一体的に設けたので、ギア部材50の剛性を高めることができ、ローラ本体41がギア本体51を破損させることなくギア本体51に確実に噛合する。つまり、ギア部材50の高い剛性を確保するとともにその為の構造をクラッチケース52を有効利用して実現することができる。
【0054】
5個のローラ部材40がフランジ42同士を互いに接触させて隣接した状態で、5個のローラ部材40のローラ本体41とギア本体51の5個の歯がほぼ同ピッチになるので、最初のローラ部材40をギア部材50に噛合させた後、続けて複数のローラ部材40をギア部材50に順次円滑に噛合させることができる。
【0055】
ローラ収容通路24の一端部にガス発生装置20で発生したガスのガス圧を受圧してローラ部材40に伝達する可動受圧部材45を設けたので、前記ガス圧による駆動力をギア部材50に伝達する効率を高めることができる。ローラ収容通路24の長さは、可動受圧部材45を含む5個のローラ部材40を全て隣接させた状態の長さとほぼ同じであるので、ローラ収容通路24の長さを最小にして、ケース21を極力小型化することができる。
【0056】
ローラ部材40のフランジ42と反対側端部が臨むローラ収容通路24の底部24aをフランジ42の直径よりも小さな幅に形成するとともに、ローラ収容通路24の1対の側壁24bにフランジ42付近から底部24a側程幅が狭くなるテーパ部24cを形成したので、5個のローラ部材40の組付け作業を簡単且つ確実化することができ、しかも、ローラ部材40とローラ収容通路24の側壁24bとの接触面積を小さくしてそれらの間に作用する摩擦抵抗を低減できるため、前記ガス圧による駆動力をギア部材に伝達する効率を高めることができる。
【0057】
通常状態では、板バネ35により5個のローラ部材40をギア収容部25へ移動させないように固定的に保持して、これらローラ部材40を列状に維持して作動待機させることができ、車両緊急時には、板バネ35によりローラ部材40のギア収容部25への移動を弾性変形を介して許容するので、ローラ部材40をギア部材50に噛合させることができる。つまり、プリテンショナー5の信頼性を高めることができる。
【0058】
次に、前記シートベルトプリテンショナー5の変形例について説明する。但し、前記実施形態と基本的に同じものは同一符号を付して説明を省略する。
1〕図13に示すように、ローラ部材40のフランジ42と反対側端部が臨むローラ収容通路24Aの底部24aをフランジ42の直径よりも小さな幅に形成するとともに、ローラ収容通路24aの1対の側壁全てを、フランジ42の右端外周縁部が接触するように底部24a側程幅が狭くなるテーパ部24dに形成してもよい。
【0059】
2〕図14に示すように、ローラ部材40のフランジ42と反対側端部が臨むローラ収容通路24Bの底部24aがフランジ42の直径よりも小さな幅になるように、断面形状がローラ部材40よりも僅かに大きな段付き凹部を有するローラ収容通路24Bに形成してもよい。
3〕ローラ部材40及びギア部材50の歯の数については、5個とは限らなず、6個以上としてもよい。また、4個以下とすることも不可能でない。
【0060】
次に、別実施形態のシートベルトプリテンショナー5Aについて図15を参照して説明する。尚、このシートベルトプリテンショナー5Aにおいて前記実施形態と基本的に同じものについては簡略に説明し、また、シートベルトプリテンショナー5A以外のシートベルトリトラクタの構造は、前記実施形態のものと基本的に同じであるので同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
図15に示すように、シートベルトプリテンショナー5Aは、ガス発生装置80と、ガス発生装置80に一端(上端)が接続されたローラ収容通路91とこのローラ収容通路91の他端(下端)に連通するギア収容部92とを有し且つハウジング4の左側壁10に固定されたケース81と、ローラ収容通路91に列状に収容されローラ収容通路91に沿ってギア収容部92内まで移動可能な6個のローラ部材82と、巻取軸2の下側においてギア収容部92に回転可能に収容されローラ部材82がローラ収容通路91からギア収容部92へ移動する際に噛合可能なギア部材83と、ギア部材83に噛合し且つ巻取軸2と同軸状にギア収容部92に収容された第2のギア部材84と、ギア部材83の回動によりギア部材83と巻取軸2を連動連結するクラッチ85等を備えている。
【0062】
ケース81は、ローラ収容通路91とギア収容部92の主要部が形成され且つガス供給管93を有するケース本体90と、ケース本体90を左右両側からカバーするケースカバー94,95からなる。ケースカバー94は4個のボルト96,97によりケース本体90に固定され、そのうちの2個の通しボルト97により、ハウジング4の左側壁10にケース本体90及びケースカバー95とともに固定されている。ローラ収容通路91は上下方向向きに直線状に形成され、その上端側が気密になるように、ケース本体90にキャップボルト98が上側から内嵌状に螺合されている。このキャップボルト98を取外すことにより、6個のローラ部材82等をローラ収容通路91に装着可能になっている。
【0063】
ガス供給管93の右部にガス発生装置80が内嵌状に装着され、ガス発生装置80をガス供給管93に固定する為に、ガス供給管93の右端部分にキャップ部材99が外嵌状に螺合されている。ローラ部材82は、ローラ本体100 と、このローラ本体100 の左端に同心状に設けられ且つローラ本体100 よりも大径のフランジ101 とを有する。ローラ部材82の上側においてローラ収容通路91の上端部に、ガス発生装置80で発生したガスのガス圧を受圧してローラ部材82に伝達する硬質ゴム製のシール102 が外嵌された可動受圧部材103 が収容され、可動受圧部材103 とキャップボルト98の間にはストッパ104 が収容されている。
【0064】
通常状態では、ストッパ104 、可動受圧部材103 、6個のローラ部材82が隣接した状態でローラ収容通路91に収容され、また、ローラ収容通路91の長さは、ストッパ104 と可動受圧部材103 を含めて6個のローラ部材82を全て隣接させた状態の長さとほぼ同じである。この状態で、ストッパ104 が可動受圧部材103 の上側にガス導入スペースを形成し、このガス導入スペースにガス発生装置80で発生したガスを導入するように、ガス供給管93のガス通路とローラ収容通路91が接続されている。
【0065】
ギア部材83は、ケース81に支持されたシャフト115 に回転自在に支持されている。このギア部材83は、ギア本体110 と、このギア本体110 のうちローラ部材82のフランジ101 と反対側端面に一体的に設けられたギアベース111 を有し、このギアベース111 に連動用ギア部112 が形成されている。ギア本体110 は6個の歯を有し、ローラ部材82がフランジ101 同士を互いに接触させて隣接した状態で、6個のローラ部材82のローラ本体100 とギア本体110 の6個の歯がほぼ同ピッチになる。
【0066】
第2のギア部材84は、ギア部材83の連動用ギア部112 と噛合する連動用ギア部120 と、クラッチ85のクラッチケース121 とを有する。ここで、ギア部材83に対する第2のギア部材84のギア比が、例えば、1対2になるように構成されている。クラッチ85は、クラッチケース121 、リテーナ122 、4個のローラピン123 を有する。そして、リテーナ122 やローラピン123 の間に作用する摩擦抵抗等により、第2のギア部材84とともにギア部材83が初期位相に保持されている。この初期位相では、プリテンショナー5Aが作動した際に最初のローラ部材82のローラ本体100 がギア本体110 に円滑に噛合する位相に設定されている。
【0067】
このシートベルトプリテンショナー5Aの作用・効果について説明する。
車両緊急時に、ガス発生装置80からガスが発生し、そのガスがガス管93を介してローラ収容通路91にその上端から導入される。ストッパ104 が可動受圧部材103 の上側にガス導入スペースを形成しているため、そのガスのガス圧を可動受圧部材103 が確実に受圧することができ、その駆動力が可動受圧部材103 を介して6個のローラ部材82に伝達され、可動受圧部材103 とともに6個のローラ部材82が全体的にギア収容部92側へ下方に移動する。
【0068】
6個のローラ部材82がローラ収容通路91からギア収容部92へ移動する際に、これらローラ部材82のローラ本体100 がフランジ101 とギア部材83のギアベース111 の間においてギア本体110 に順次噛合して、ギア部材83が巻取り方向に回動する。ギア部材83の回動により連動用ギア部112,120 を介して第2のギア部材84が回動し、その第2のギア部材84の回動によりクラッチ85が機能し、第2のギア部材84と巻取軸2が結合されてギア部材83と巻取軸2が連動連結する。その後、ギア部材83の回動に連動して巻取軸2が巻取り方向に回動する。
【0069】
このシートベルトプリテンショナー5Aによれば、ギア部材83と第2のギア部材84のギア比の設定により、車両緊急時において、ギア部材83の回転量に対する巻取軸2(第2のギア部材84)の回転量を上げて、ウエビングWを巻取軸2に強制的に巻取る巻取り量を増大させることができる。また、ローラ収容通路91を直線状に形成したので、ガス発生装置で発生したガスが可動受圧部材103 からローラ部材82側へ漏れるのを極力防止でき、そのガスによる駆動力を6個のローラ部材82を介してギア部材83に効率よく伝達することができる。それ故、ガス発生装置80を小型化することが可能になる。その他前記シートベルトプリテンショナー5と略同様の作用・効果を奏するので説明を省略する。
【0070】
尚、このシートベルトプリテンショナー5Aにおいては、ローラ収容通路91とギア収容部92の境界付近に装着され、通常状態では6個のローラ部材82をギア収容部92へ移動させないように保持するとともに、車両緊急時にはローラ部材82のギア収容部92への移動を弾性変形を介して許容する板バネを設けてもよい。また、ローラ収容通路の形状やその他の構造等について、前記シートベルトプリテンショナー5やその変形例のように実施可能である。
【0071】
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、前記実施形態や別実施形態及びそれらの変形例に種々の変更を付加した形態で実施することも可能であるし、実施形態以外の種々のシートベルトリトラクタに本発明を適用可能である。
【0072】
【発明の効果】
請求項1のシートベルトプリテンショナーによれば、前述のように、ケースを小型化して構造を簡単化でき、車両緊急時に巻取軸を巻取り方向へ確実に回動させることができ、ガス発生装置で発生するガスによる駆動力をギア部材に効率よく伝達することができるし、製作コストを低減することができる。特に、ローラ部材のローラ本体よりも大径のフランジの端面を例えば壁等でガイドして、複数のローラ部材が互いに駆動力の伝達を行いつつ移動する際に移動方向に傾くのを防止できる。それ故、ローラ部材とローラ収容通路の壁との間に作用する摩擦力を低減できるため、前記駆動力を複数のローラ部材を介してギア部材に効率よく伝達することができる。ギア本体の前記フランジと反対側端面にギアベースを一体的に設けたので、ギア部材の剛性を高めることができ、ローラ本体がギア本体を破損させることなくギア本体に確実に噛合する。
【0073】
請求項2のシートベルトプリテンショナーによれば、ギア部材が巻取軸と同軸状にギア収容部に収容され、ギア部材のギアベースがクラッチのクラッチケースを構成するので、車両緊急時、ギア部材の回動によりクラッチが機能し、ギア部材と巻取軸が結合されて連動連結する。ギア部材の高い剛性を確保するとともにその為の構造をクラッチケースを有効利用して実現することができる。
【0074】
請求項3のシートベルトプリテンショナーによれば、ギアベースに連動用ギア部が形成され、この連動用ギア部と噛合する連動用ギア部と、前記クラッチのクラッチケースとを有し且つ巻取軸と同軸状にギア収容部に収容された第2のギア部材を設けたので、車両緊急時、ギア部材の回動により連動用ギア部を介して第2のギア部材が回動し、その第2のギア部材の回動によりクラッチが機能し、第2のギア部材と巻取軸が結合されてギア部材と巻取軸が連動連結する。ギア部材と第2のギア部材のギア比の設定により、車両緊急時において、ギア部材の回転量に対する巻取軸(第2のギア部材)の回転量を上げて、ウエビングを巻取軸に強制的に巻取る巻取り量を増大させることができる。
【0075】
請求項4のシートベルトプリテンショナーによれば、複数のローラ部材がフランジ同士を互いに接触させて隣接した状態で、複数のローラ本体とギア本体の複数の歯がほぼ同ピッチになるので、最初のローラ部材をギア部材に噛合させた後、続けて複数のローラ部材をギア部材に順次円滑に噛合させることができる。
【0076】
請求項5のシートベルトプリテンショナーによれば、ローラ収容通路の一端部にガス発生装置で発生したガスのガス圧を受圧してローラ部材に伝達する可動受圧部材を設けたので、前記ガス圧による駆動力をギア部材に伝達する効率を高めることができる。
【0077】
請求項6のシートベルトプリテンショナーによれば、ローラ部材のフランジと反対側端部が臨むローラ収容通路の底部をフランジの直径よりも小さな幅に形成するとともに、ローラ収容通路の1対の側壁にフランジ付近から底部側程幅が狭くなるテーパ部を形成したので、複数のローラ部材の組付け作業を簡単且つ確実化することができ、しかも、ローラ部材とローラ収容通路の側壁との接触面積を小さくしてそれらの間に作用する摩擦抵抗を低減することができるため、前記駆動力をギア部材に伝達する効率が一層向上する。
【0078】
請求項7のシートベルトプリテンショナーによれば、ローラ収容通路の長さは、複数のローラ部材を全て隣接させた状態の長さとほぼ同じであるので、ローラ収容通路の長さを最小にして、ケースを極力小型化することができる。
【0079】
請求項8のシートベルトプリテンショナーによれば、通常状態では、板バネにより複数のローラ部材をギア収容部へ移動させないように固定的に保持して、これらローラ部材を接触させて維持して待機させることができる。また、車両緊急時には、板バネによりローラ部材のギア収容部への移動を弾性変形を介して許容するので、ローラ部材をギア部材に噛合させることができる。つまり、プリテンショナーの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシートベルトプリテンショナーを含むシートベルトリトリトラクタの分解斜視図である。
【図2】シートベルトプリテンショナーのカバーケースを取外した状態の左側面図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】ギア部材の左側面図である。
【図5】ギア部材とクラッチの一部を切欠いた右側面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】クラッチの主要部の左側面図である。
【図8】シートベルトプリテンショナー(作動開始)の要部左側面図である。
【図9】シートベルトプリテンショナー(第1ローラ部材がギア部材に噛合した状態)の要部左側面図である。
【図10】シートベルトプリテンショナー(作動終了)の要部左側面図である。
【図11】シートベルトプリテンショナー(作動終了後ギア部材を引出し方向へ回転させ始めた状態)の要部左側面図である。
【図12】シートベルトプリテンショナー(作動終了後ギア部材を引出し方向へ更に回転させた状態)の要部左側面図である。
【図13】変形例のローラ収容通路付近のケースの縦断面図である。
【図14】別の変形例のローラ収容通路付近のケースの縦断面図である。
【図15】別実施形態に係るシートベルトプリテンショナーを含むシートベルトリトリトラクタの一部の分解斜視図である。
【符号の説明】
W ウエビング
1 シートベルトリトラクタ
2 巻取軸
4 ハウジング
5,5A シートベルトプリテンショナー
20,80 ガス発生装置
21,81 ケース
24,24A,24B,91 ローラ収容通路
24a 底部
24b 側壁
24c,24d テーパ部
25,92 ギア収容部
35 板バネ
40,82 ローラ部材
41,100 ローラ本体
42,101 フランジ
45,103 可動受圧部材
50,83 ギア部材
51,110 ギア本体
52,111 ギアベース
60,85 クラッチ
84 第2のギア部材
112 ,120 連動用ギア部

Claims (8)

  1. 乗員拘束用のウエビングを巻取る巻取軸と巻取軸を回転可能に支持するハウジングと巻取軸を巻取り方向に回動付勢する付勢部材とを有するシートベルトリトラクタに付設され、車両緊急時に巻取軸を巻取り方向に強制的に回動させてウエビングを巻取るシートベルトプリテンショナーにおいて、
    車両緊急時にガスを発生させるガス発生装置と、
    前記ガス発生装置に一端が接続されたローラ収容通路と、このローラ収容通路の他端に連通するギア収容部とを有し且つハウジングに固定されたケースと、
    前記ローラ収容通路に列状に収容されローラ収容通路に沿ってギア収容部内まで移動可能な複数のローラ部材と、
    前記ギア収容部に回転可能に収容されローラ部材がローラ収容通路からギア収容部へ移動する際に噛合可能なギア部材と、
    前記ギア部材の回動によりギア部材と巻取軸を連動連結するクラッチとを備え、
    前記ローラ部材は、ローラ本体と、このローラ本体の一端に同心状に設けられ且つローラ本体よりも大径のフランジとを有し、前記ギア部材は、ギア本体と、このギア本体の前記フランジと反対側端面に一体的に設けられたギアベースとを有し、
    前記ガス発生装置からローラ収容通路に導入されるガスにより、ローラ収容通路内の複数のローラ部材をギア収容部側へ移動させ、これらローラ部材のローラ本体をフランジとギア部材のギアベースの間においてギア本体に順次噛合させて、ギア部材を巻取り方向に回動させるように構成したことを特徴とするシートベルトプリテンショナー。
  2. 前記ギア部材が巻取軸と同軸状にギア収容部に収容され、ギア部材のギアベースが前記クラッチのクラッチケースを構成することを特徴とする請求項1に記載のシートベルトプリテンショナー。
  3. 前記ギアベースに連動用ギア部が形成され、この連動用ギア部と噛合する連動用ギア部と、前記クラッチのクラッチケースとを有し且つ巻取軸と同軸状にギア収容部に収容された第2のギア部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルトプリテンショナー。
  4. 複数のローラ部材がフランジ同士を互いに接触させて隣接した状態で、複数のローラ本体とギア本体の複数の歯がほぼ同ピッチになることを特徴とする請求項1〜3の何れかに1項に記載のシートベルトプリテンショナー。
  5. 前記ローラ収容通路の一端部にガス発生装置で発生したガスのガス圧を受圧してローラ部材に伝達する可動受圧部材を設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のシートベルトプリテンショナー。
  6. 前記ローラ部材のフランジと反対側端部が臨むローラ収容通路の底部をフランジの直径よりも小さな幅に形成するとともに、ローラ収容通路の1対の側壁にフランジ付近から底部側程幅が狭くなるテーパ部を形成したことを特徴とする請求項5に記載のシートベルトプリテンショナー。
  7. 前記ローラ収容通路の長さは、複数のローラ部材を全て隣接させた状態の長さとほぼ同じであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のシートベルトプリテンショナー。
  8. 前記ローラ収容通路とギア収容部の境界付近に装着され、通常状態では複数のローラ部材をギア収容部へ移動させないように保持するとともに、車両緊急時にはローラ部材のギア収容部への移動を弾性変形を介して許容する板バネを設けたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のシートベルトプリテンショナー。
JP36202299A 1999-12-21 1999-12-21 シートベルトプリテンショナー Expired - Fee Related JP3886687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36202299A JP3886687B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 シートベルトプリテンショナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36202299A JP3886687B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 シートベルトプリテンショナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001180439A JP2001180439A (ja) 2001-07-03
JP3886687B2 true JP3886687B2 (ja) 2007-02-28

Family

ID=18475649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36202299A Expired - Fee Related JP3886687B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 シートベルトプリテンショナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3886687B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4654204B2 (ja) * 2004-02-17 2011-03-16 オートリブ ディヴェロプメント アクチボラゲット 駆動停止部を備えた回転式テンショナ
JP5246635B2 (ja) * 2007-05-01 2013-07-24 オートリブ ディベロップメント エービー ウェビング巻取り装置
JP5126575B2 (ja) * 2007-05-01 2013-01-23 オートリブ ディベロップメント エービー ウェビング巻取り装置
JP5270248B2 (ja) * 2008-08-01 2013-08-21 タカタ株式会社 プリテンショナー、これを有するシートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置
JP5317946B2 (ja) 2009-12-15 2013-10-16 タカタ株式会社 シートベルトリトラクタおよびこれを備えたシートベルト装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11208415A (ja) * 1998-01-22 1999-08-03 Nippon Seiko Kk シートベルトリトラクタ用プリテンショナ
JPH11255072A (ja) * 1998-03-09 1999-09-21 Nippon Seiko Kk リトラクタ用プリテンショナ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001180439A (ja) 2001-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6454199B1 (en) Pretensioner
JP4685674B2 (ja) ウエビング巻取装置
EP2246225B1 (en) Seat belt retractor
WO2015037487A1 (ja) シートベルトリトラクタ及びシートベルト装置
US6532739B2 (en) Pretensioner
EP1679238B1 (en) Webbing retractor
JP5388042B2 (ja) シートベルト用リトラクタ
US20080067275A1 (en) Webbing retractor device
US20080116309A1 (en) Webbing Retractor
US20040169104A9 (en) Seat belt retractor
JP4907761B2 (ja) プリテンショナ
JP4632277B2 (ja) シートベルト巻取り装置
JP3886687B2 (ja) シートベルトプリテンショナー
EP1199230B1 (en) Safety belt pretensioner
JP2000225920A (ja) プリテンショナ
JP4364237B2 (ja) プリテンショナー付ウエビング巻取装置
AU2003263382A1 (en) A web spool tightener
JP4308072B2 (ja) シートベルト巻取り装置
JP2002145012A (ja) シートベルトリトラクタ
JP2020044969A (ja) プリテンショナ、リトラクタ及びシートベルト装置
JP3798394B2 (ja) プリテンショナー
JP4364235B2 (ja) プリテンショナー付ウエビング巻取装置
JP4364236B2 (ja) プリテンショナー付ウエビング巻取装置
JP4177848B2 (ja) プリテンショナー
JP2001233176A (ja) ウエビング巻取装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041020

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061122

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101201

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111201

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121201

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131201

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees