JP2619764B2 - ポケット式ファイル及びその製造方法 - Google Patents

ポケット式ファイル及びその製造方法

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JP2619764B2
JP2619764B2 JP4039697A JP3969792A JP2619764B2 JP 2619764 B2 JP2619764 B2 JP 2619764B2 JP 4039697 A JP4039697 A JP 4039697A JP 3969792 A JP3969792 A JP 3969792A JP 2619764 B2 JP2619764 B2 JP 2619764B2
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寿雄 繁岡
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セキセイ株式会社
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、台紙に一部開放のポケ
ットを装備させたファイル、及び、その製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術及び課題】ポケット式のアルバム等に代表さ
れるポケット式のファイルでは、台紙に一方に開放する
ポケットが装備されており、このポケットは合成樹脂シ
ート又は合成樹脂フィルムによって構成され、台紙に被
覆されたこのポケット用素材を部分的に前記台紙に接着
するか又は表裏のポケット用素材を台紙に形成した透孔
を介して溶着することによって台紙と結合している。
【0003】この内後者のものでは、ポケット用素材に
よって袋体を形成し、この袋体によって台紙の略全体を
包囲してポケット式のファイル台紙を構成し、この台紙
の綴込辺をファイルの背表紙に接着する構成を採用する
ものが有る。このような形式のものとして、既に、実開
平4-11648 号公報に開示されたものがあり、このもので
は、図1のように、台紙(10)に複数の透孔(13)(13)を形
成して、この台紙(10)に被覆させた上記ポケット用素材
からなる透明の袋体(11)の表裏を前記透孔(13)(13)を介
して溶着することによりポケット式のファイル台紙(1)
とし、この台紙を図2のように、表紙(2) の背表紙(20)
の裏面に接着した構成としている。この背表紙(20)と前
記台紙との接着構造は、同図に示すように、前記ファイ
ル台紙の綴込辺となる袋体(11)の端縁のみを背表紙(20)
に接着した構成となっているから、台紙(10)が袋体(11)
内において僅かに移動自在であることから、各台紙(10)
(10)が厚紙製であっても各ファイル台紙(1) が開き易
い。
【0004】ところが、この構成のものでは、各ファイ
ル台紙(1) と背表紙(20)との接着強度が不十分となるこ
とがある。一般に、袋体(11)は台紙(10)に比べて破れ易
いポケット用素材からなり、ファイル台紙(1) と背表紙
(20)とは袋体(11)との接着のみによって結合されている
から、繰り返しファイル台紙(1)(1)が開閉されたり、ポ
ケット内に重いものや嵩張るものが収容された場合に
は、この袋体(11)が部分的に破損することがあり、これ
によりファイル台紙(1) が背表紙(20)から外れる不都合
があるからである。
【0005】本発明は、このような、『台紙(10)の略全
体を合成樹脂シートや合成樹脂フィルム等のポケット用
素材からなる袋体(11)によって被覆して紙葉類収容のた
めのポケットを装備させた複数のポケット式のファイル
台紙(1)(1)の綴込辺を表紙(2) の背表紙(20)に接着して
なるポケット式ファイル』において、ファイル台紙(1)
(1)と背表紙(20)との接着強度を向上させられるように
することをその課題とする。
【0006】[請求項1の発明]
【0007】
【技術的手段】上記課題を解決するための本発明の技術
的手段は、『各ファイル台紙(1)の綴込辺の袋体(1
1)の少なくとも一部に開放部(31)を形成し、前記
開放部(31)におけるファイル台紙(1)の綴込辺の
袋体(11)の端縁と前記開放部(31)に露出する台
紙(10)の端縁とを一体的に背表紙(20)に接着し
た』ことである。
【0008】
【作用】上記技術的手段は次のように作用する。各ファ
イル台紙(1)は、袋体(11)の端縁が背表紙(2
0)の裏面に接着されるとともに、この袋体(11)内
に収容される台紙(10)の端縁の少なくとも一部が開
放部(31)を介して露出し、この端縁が開放部(3
1)における袋体(11)の端縁とともに一体的に背表
紙(20)の裏面に直接接着されたものとなる。従っ
て、各ファイル台紙(1)は、袋体(11)の端縁と背
表紙(20)の裏面との接着と、台紙(10)との直接
的、かつ一体的な接着によって背表紙(20)に結合さ
れたものとなる。
【0009】
【効果】袋体(11)の端縁と背表紙(20)の裏面と
の接着と、台紙(10)との直接的、かつ一体的な接着
によって背表紙(20)に結合されるから、袋体(1
1)のみが接着された従来のポケット式ファイルに比べ
てファイル台紙(1)と背表紙(20)との結合強度が
向上する。 [請求項2の発明] この発明は、上記請求項1の発明のポケット式ファイル
を合理的に製造出来るようにするものである。
【0010】
【技術的手段】このために採用される本発明の技術的手
段は、『ポケット式ファイル一冊分のファイル台紙
(1)(1)を重ね合せて、これらの綴込辺に位置する
袋体(11)の端縁群の長手方向の少なくとも一部を溶
融させて袋体(11)(11)の開放部(31)(3
1)をファイル台紙(1)(1)の重ね合せ方向に連続
させて隣接する袋体(11)(11)相互を前記開放部
(31)(31)において溶融結合させ、その後、この
重ね合せ状態のままでファイル台紙(1)(1)の綴込
辺側を背表紙(20)に接着するようにした』ことであ
る。
【0011】
【作用】上記技術的手段は次のように作用する。ポケッ
ト式ファイルの一冊分のファイル台紙(1)(1)に同時に開
放部(31)(31)が形成され、この開放部(31)(31)が形成さ
れたファイル台紙(1)(1)の綴込辺群が重合した状態のま
まで背表紙(20)に接着される。従って、開放部(31)(31)
の形成工程と一冊分のファイル台紙(1)(1)の接着工程と
が連続的に行えることとなる。
【0012】又、一冊分のファイル台紙(1)(1)が
重ね合された状態で袋体(11)の端縁を溶融させるこ
とにより開放部(31)を形成するものであるから、開
放部(31)の端縁の隣接する袋体(11)(11)相
互が溶融結合する。従って、この開放部(31)(3
1)形成部分では、溶融結合した袋体(11)(11)
の端縁と背表紙(20)が接着されると共に、この開放
部(31)から露出する台紙(10)の端縁とが背表紙
(20)に接着されることとなる。
【0013】
【効果】開放部(31)の形成部では、隣接する袋体
(11)(11)の端縁が溶融結合した状態で背表紙
(20)に接着されることとなるからファイル台紙
(1)(1)相互が分離するおそれはなく、ファイル台
紙(1)と背表紙(20)との結合強度が一層向上す
る。又、一冊分のファイル台紙(1)(1)それぞれへ
の開放部(31)の形成が簡単に行えると共に、一冊分
のファイル台紙(1)(1)の開放部(31)の形成工
程と接着工程とが連続的に行えることから、生産性が高
いものとなる。
【0014】
【実施例】次に、上記した本発明の実施例を図面に従っ
て詳述する。 [実施例1]図3〜図6に示す実施例のポケット式ファ
イルは、図3〜図5に示すようなファイル台紙(1) を表
紙(2) の背表紙(20)に接合させたものであり、このファ
イル台紙(1) では、パノラマサイズの写真(F) を各ポケ
ットに収容できるようにしている。
【0015】このため、このファイル台紙(1) のポケッ
ト部(P) はファイル台紙(1) の短辺の一方に開放する形
式となっており、ファイル台紙(1) の表裏各面に二つの
ポケット部(P)(P)が並設されている。又、このファイル
台紙(1) は、台紙(10)に透明の合成樹脂製フィルムから
なる袋体(11)を被覆させて前記ポケット部(P)(P)の隣接
側辺の中間に複数の縦長の透孔(13)(13)を形成し、各透
孔(13)を介して袋体(11)を構成する表裏のフィルム相互
を溶着したものであり、これにより、袋体(11)と台紙(1
0)とが一体的に結合される。
【0016】このように構成されたファイル台紙(1) で
は、その綴込辺も袋体(11)の構成素材によって被覆され
たものとなるが、このファイル台紙(1) の綴込辺側の端
縁部を長手方向に沿って全域的に切除すると、図5のよ
うに、ファイル台紙(1) の綴込辺に一致する袋体(11)の
端縁が全域に亙って開放することとなる。つまり、ファ
イル台紙(1) の綴込辺の全域が開放部(31)となる。この
ファイル台紙(1)(1)を各開放部(31)が同方向に向くよう
に一冊分重ね合せ、図6のように、その綴込辺近傍をパ
ッド(A)(A)によって重ね合せ方向に加圧した状態で表紙
(2) の背表紙(20)の内面に接着すると、ポケット式ファ
イルが完成する。そして、各ファイル台紙(1) の台紙(1
0)の綴込辺側の端縁と袋体(11)の開放部(31)の端縁とが
接着剤(22)によって背表紙(20)に結合されたものとな
る。
【0017】尚、この接着剤(22)としては熱溶融性の接
着剤が便利に使用できるが、他の形式の接着剤も使用で
きる。開放部(31)を形成するには、次の方法も採用でき
る。 [実施例2]図7〜図8に示す実施例は、開放部(31)を
形成するに際して、袋体(11)を溶融させるようにしたも
のであり、図3のように構成されたファイル台紙(1)(1)
を、図8のように、その綴込辺が一致するように一冊分
重ね合せてパッド(A)(A)によってその綴込辺の端縁近傍
を挟圧し、この状態で前記綴込辺群側に複数の棒状加熱
体(H)(H)を接触させる。これにより、ファイル台紙(1)
の綴込辺を包囲する袋体(11)の一部が加熱溶融されて、
綴込辺の長手方向に沿って複数箇所に開放部(31)(31)が
形成される。尚、前記棒状加熱体(H)(H)の軸線は、ファ
イル台紙(1)(1)の重ね合せ方向に向くように設定されて
いることから、これら開放部(31)(31)もファイル台紙
(1)(1)の重ね合せ方向に連続することとなり、前記重合
方向に隣接する開放部(31)(31)の袋体(11)の端縁相互は
溶融結合されたこととなる。
【0018】このように開放部(31)(31)が形成された一
冊分のファイル台紙(1)(1)を前記パッド(A)(A)によって
挟圧した状態のままで、前記開放部(31)(31)が形成され
たファイル台紙(1)(1)の綴込辺側全域に熱溶融性の接着
剤(22)を塗布して、図6と同様にしてそのまま表紙(2)
の背表紙(20)の内面に対接させると、この接着剤(22)に
よって背表紙(20)とファイル台紙(1)(1)群とが接着さ
れ、開放部(31)の部分では、これから露出する台紙(10)
の端縁と袋体(11)(11)の溶融結合部とが共に背表紙(20)
に接着される。又、この開放部(31)が形成されていない
部分では袋体(11)の端縁のみが接着剤(22)によって背表
紙(20)に接着される。
【0019】[実施例3]この実施例は、袋体(11)の一
部を溶融させることによって、上記実施例1と同様に、
ファイル台紙(1) の端縁全域に開放部(31)を形成するよ
うにしたものである。このため、図9に示すように、上
記実施例2におけると同様に一冊分のファイル台紙(1)
(1)を重ね合せてパッド(A)(A)によって綴込辺端縁近傍
を挟圧し、この状態でこの綴込辺端縁部を加熱平面(HP)
に対接させる。これにより、ファイル台紙(1) の綴込辺
側の袋体(11)が全域的に溶融して開放部(31)が形成さ
れ、隣接する袋体(11)(11)の端縁相互が溶融結合した状
態となる。
【0020】このようにして開放部(31)(31)が形成され
た状態では、図10のように、ファイル台紙(1)(1)がパ
ッド(A)(A)によって挟圧されており、この状態で綴込辺
側に接着剤(22)を塗布して背表紙(20)の裏面に接着する
と、ポケット式ファイルとなる。この場合、各袋体(11)
の綴込辺側の端縁が隣接する袋体(11)のそれと溶融結合
し、この溶融結合部(M) は袋体(11)による被覆域の全域
に亙るものとなる。従って、台紙(10)の綴込辺と袋体(1
1)(11)の端縁の前記溶融結合部が共に接着されることと
なる。
【0021】この実施例では、袋体(11)の被覆域の全域
を溶融して開放部(31)を形成するようにしたが、一部を
残してそれ以外の部分にこの方式で袋体(11)の開放部(3
1)を形成するようにしてもよい。又、上記何れの実施例
でも、袋体(11)を一方にのみ開放する有底袋状とした
が、これを筒状体等とし、台紙(10)の綴込辺側をポケッ
ト用素材によって包囲する形式の袋体であってもよい。
この場合には、ポケット部(P) を形成するために、この
ポケット部の底辺に相当する箇所も透孔(13)を介して袋
体(11)の表裏相互を溶着するか又は台紙(10)に接着する
必要がある。以上のことから、請求項に記載された袋体
(11)は3辺が開放した形式のものであってもよく、ファ
イル台紙(1)は、ポケット部(P) を形成するためにポケ
ット用素材が台紙(10)の表面に所要箇所で接着される形
式であってもよい。
【0022】また、上記いずれの実施例でも、台紙(10)
の綴込辺側を二つ折りにして接着し、この部分の厚さを
他の部分のそれより厚くしているから、写真等を入れた
とき、この折り返し部がスペーサとして機能することと
なる。このような折返しのない台紙を採用し得ることは
言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のファイル台紙の斜視図
【図2】従来例の説明図
【図3】本発明実施例に用いるファイル台紙(1) の斜視
【図4】XーX断面図
【図5】開放部(31)を形成した場合のファイル台紙(1)
の断面図
【図6】接着工程の説明図
【図7】実施例2の開放部(31)の形成工程の側面図
【図8】その断面図
【図9】実施例3の開放部(31)の形成工程の側面図
【図10】開放部(31)を形成した状態の断面図
【符号の説明】
(10)・・・台紙 (1) ・・・ファイル台紙 (11)・・・袋体 (31)・・・開放部 (20)・・・背表紙

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台紙(10)の略全体を合成樹脂シート
    や合成樹脂フィルム等のポケット用素材からなる袋体
    (11)によって被覆して紙葉類収容のためのポケット
    を装備させた複数のポケット式のファイル台紙(1)
    (1)の綴込辺を表紙(2)の背表紙(20)に接着し
    てなるポケット式ファイルにおいて、各ファイル台紙
    (1)の綴込辺の袋体(11)の少なくとも一部に開放
    部(31)を形成し、前記開放部(31)におけるファ
    イル台紙(1)の綴込辺の袋体(11)の端縁と前記開
    放部(31)に露出する台紙(10)の端縁とを一体的
    に背表紙(20)に接着したポケット式ファイル。
  2. 【請求項2】 台紙(10)の略全体を合成樹脂シート
    や合成樹脂フィルム等のポケット用素材からなる袋体
    (11)によって被覆して紙葉類収容のためのポケット
    を装備させた複数のポケット式のファイル台紙(1)
    (1)の綴込辺を表紙(2)の背表紙(20)に接着し
    てなるポケット式ファイルの製造方法において、ポケッ
    ト式ファイル一冊分のファイル台紙(1)(1)を重ね
    合せて、これらの綴込辺に位置する袋体(11)の端縁
    群の長手方向の少なくとも一部を溶融させて袋体(1
    1)(11)の開放部(31)(31)をファイル台紙
    (1)(1)の重ね合せ方向に連続させて隣接する袋体
    (11)(11)相互を前記開放部(31)(31)に
    おいて溶融結合させ、その後、この重ね合せ状態のまま
    でファイル台紙(1)(1)の綴込辺側を背表紙(2
    0)に接着するようにしたポケット式ファイルの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 各ファイル台紙(1)の袋体(11)の
    開放部(31)が綴込辺側の袋体の端縁全域に亙って形
    成されるようにした請求項1に記載のポケット式ファイ
    ル。
  4. 【請求項4】 各ファイル台紙(1)の綴込辺側の袋体
    (11)の端縁全域を溶融させるようにした請求項2に
    記載のポケット式ファイルの製造方法。
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JP2512613Y2 (ja) * 1990-05-18 1996-10-02 セキセイ株式会社 ポケット式ファイル

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