JP2617764B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2617764B2
JP2617764B2 JP63097382A JP9738288A JP2617764B2 JP 2617764 B2 JP2617764 B2 JP 2617764B2 JP 63097382 A JP63097382 A JP 63097382A JP 9738288 A JP9738288 A JP 9738288A JP 2617764 B2 JP2617764 B2 JP 2617764B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
resin
polyether
magnetic recording
recording medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP63097382A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01267829A (ja
Inventor
秀臣 渡辺
務 沖田
博司 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP63097382A priority Critical patent/JP2617764B2/ja
Publication of JPH01267829A publication Critical patent/JPH01267829A/ja
Priority to US07/707,971 priority patent/US5153071A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2617764B2 publication Critical patent/JP2617764B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、非磁性支持体と磁性層よりなる磁気記録媒
体に関する。
[発明の背景および従来技術の説明] 一般にオーディオ用、ビデオ用あるいはコンピュータ
用等の磁気記録媒体(以下磁気テープと記載することも
ある)として、γ−Fe2O3、Co含有磁性酸化鉄、CrO2
どの針状結晶からなる強磁性の金属酸化物粉末を結合剤
(バインダ)中に分散させた磁性層を非磁性支持体状に
設けた磁気記録媒体が用いられている。しかしながら最
近、特に高密度記録への要求が高まり、これらの強磁性
の金属酸化物粉末に代わって強磁性金属微粉末を使用し
た磁気テープが使用されるようになってきている。
そして、このような磁気記録媒体の磁性層表面が磁気
ヘッドに接触しながら走行することによって情報の記録
再生が行なわれている。この記録再生は極めて高速かつ
高頻度で行なわれるため磁性層の走行耐久性の向上への
要望は強い。
この走行耐久性を得るため、一般に磁性層を形成する
ために使用される結合剤用の樹脂として、耐摩耗性の優
れたポリエステルタイプのポリウレタン樹脂が利用され
ている。しかしながら、このタイプのポリウレタン樹脂
は加水分解をされ易い性質のため、腐食性ガス、水分、
光、熱等による劣化を受け易く、長期間保存したり使用
したりした場合、例えば夏季に自動車の室内に放置する
ようなの厳しい条件下で保存した場合に、磁性層の劣化
が起こり易く走行耐久性のみならず耐久性そのものが充
分とはいえず、特に長期保存後の走行耐久性の耐久性が
問題であった。
最近、このポリエステル系ポリウレタン樹脂の加水分
解し易い点を改良したポリウレタン樹脂としてポリカー
ボネートポリウレタン樹脂が注目されるようになり、こ
れを結合剤に使用した発明が、特開昭58−60430号公
報、特開昭59−198530号公報等に開示されている。
一方、このポリカーボネートポリウレタン樹脂は、材
料が高価で且つ樹脂の反応条件が煩雑であるため樹脂製
造上の不利があること、そして樹脂を設計する上での材
料的な制約が多く、希望する力学的強度を有する樹脂が
得られ難いとの問題がある。
さらに、ポリエステル系ポリウレタン樹脂の加水分解
し易い点を改良したポリウレタン樹脂として、ポリオー
ル成分に加水分解し難いポリエーテルポリオールを一部
使用したポリエーテルポリエステルポリウレタン樹脂を
結合剤に使用する発明が開示されている(特開昭61−10
4325号公報)。しかしながら、この方法ではポリエステ
ルポリウレタン樹脂の欠点である加水分解を起こし易い
性質を完全には改善できず、高温高湿の状況下での走行
耐久性、そして長期保存した後でも電磁変換特性および
走行性の劣化のない耐久性については充分に満足できる
ものとは言えない。
[発明の目的] 本発明は、電磁変換特性が優れ、走行耐久性の向上し
たそして長期間の保存安定性が良好な磁気記録媒体を提
供することを目的とする。
特に、高温高湿の状況下での電磁変換特性および走行
耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とす
る。
[発明の要旨] 本発明は、非磁性支持体と、該支持体上に結合剤中に
分散された強磁性粉末を含む磁性層を有する磁気記録媒
体において、該結合剤が、塩化ビニル系共重合体および
ポリウレタン系樹脂を含む、且つ該ポリウレタン系樹脂
が、樹脂成分として環状構造を有するポリエーテルポリ
オールを全ポリオール成分の80重量%以上の量にて含む
ポリエーテルポリウレタン樹脂であることを特徴とする
磁気記録媒体にある。
上記本発明の磁気記録媒体の好ましい態様は下記の通
りである。
1。上記環状構造が、芳香族環および/または脂環式構
造であることを特徴とする上記磁気記録媒体。
2。上記環状構造を有するポリエーテルポリオールが、
下記の一般式; [ただし、Xは水素原子またメチル基を表わし、 nおよびmは、1〜30範囲の整数であり、互いに同じ
でも異なっていてもよく、そして Rは、 {ただし、R1は−SO2−、 −(CH3CCH3)−または −(CH2H5CC2H5)−を表わす} を表わす] で表わされる群の少なくとも一種のポリオール成分であ
ることを特徴とする上記磁気記録媒体。
3。上記ポリエーテルポリウレタン樹脂が、全結合剤中
の30〜90重量%の範囲で含まれていることを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒体。
[発明の効果] 本発明の塩化ビニル系共重合体および上記特定のポリ
エーテルポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体は、優
れた電磁変換特性を示すのみならず、向上した走行耐久
性および保存安定性を示す。
すなわち、塩化ビニル系共重合体を使用することによ
って基本的な剛性と非磁性支持体への密着性とを獲得
し、そして樹脂成分として環状構造を有するポリエーテ
ルポリオールを含むポリエーテルポリウレタン樹脂を使
用することによって、従来のポリカーボネートポリウレ
タンよりも向上した耐加水分解性を得られることから優
れた保存安定性を得ることができる。
また、上記従来のポリエーテルポリウレタンやポリカ
ーボネートポリウレタンの欠点である塗膜強度不足を補
うため、樹脂成分として環状構造を有するポリエーテル
ポリオール成分を含むことにより塗膜強度の優れたポリ
エーテルポリウレタン樹脂を得ることができる。
これにより、特に高温高湿の厳しい状況下であっても
優れた電磁変換特性および向上した走行耐久性を示す磁
気記録媒体を得ることができる。
[発明の詳細な記述] 本発明における磁気記録媒体は、非磁性支持体と、結
合剤中に分散された強磁性粉末からなる磁性層がこの非
磁性支持体上に設けられた基本構造を有するものであ
る。
本発明で使用する非磁性支持体には特に制限はなく、
通常使用されているものを用いることができる。非磁性
支持体を形成する素材の例としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポ
リアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホン、ポリエー
テルサルホンなどの各種の合成樹脂のフィルム、および
アルミ箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げることがで
きる。また、非磁性支持体は、一般には2.5〜100μm、
好ましくは3〜80μmのものが使用される。
非磁性支持体は、磁性層が設けられていない側にバッ
ク層が設けられたものであっても良い。
本発明の磁気記録媒体は、前述のように非磁性支持体
上に強磁性粉末が結合剤中に分散された磁性層が設けら
れたものである。
一般に、エーテル結合を有するポリウレタン樹脂やポ
リカーボネートポリウレタンは、耐加水分解性は良好で
あるが磁性層となった時の塗膜強度が充分とは言えな
い。これを解決するため研究を重ねたところ、上記樹脂
成分として環状構造を有するポリエーテルポリオールを
含むポリエーテルポリウレタン樹脂を用いることにより
充分な塗膜強度を得ることができることが判明し、本発
明をなすに至ったものである。
すなわち、本発明の磁気記録媒体は、その磁性層を形
成する結合剤が、塩化ビニル系共重合体および樹脂成分
として環状構造を有するポリエーテルポリオールを全ポ
リオール成分の80重量%以上の量にて含むポリエーテル
ポリウレタン樹脂を含むことを特徴としている。
結合剤が上記構成を採ることによって、電磁変換特性
が優れ、かつ走行耐久性の向上した、特に高温高湿の状
況下での電磁変換特性および走行耐久性に優れた磁気記
録媒体を得ることができる。すなわち、塩化ビニル系共
重合体を使用することにより基本的な剛性と非磁性支持
体への密着性とを獲得し、樹脂成分として環状構造を有
するポリエーテルポリオールを含むポリエーテルポリウ
レタン樹脂を使用することによって従来のポリカーボネ
ートポリウレタンよりも向上した耐加水分解性が得られ
ることから優れた保存安定性を得ることができる。
また、上記従来のポリエーテルポリウレタンやポリカ
ーボネートポリウレタンの欠点である塗膜強度不足を補
うため、樹脂成分として環状構造を有するポリエーテル
ポリオール成分を含むことにより塗膜強度の優れたポリ
エーテルポリウレタン樹脂を得ることができ、これによ
り、特に高温高湿の厳しい状況下であっても優れた電磁
変換特性および向上した走行耐久性を示す磁気記録媒体
を得ることができる。
上記エーテル結合を有するポリウレタンが、全結合剤
中の30〜90重量%の範囲で含まれていることが高温高湿
下の良好な走行耐久性を得る上で好ましく、さらに好ま
しくは50〜70重量%の範囲である。
本発明のポリエーテルポリウレタン樹脂は、下記の一
般式で表わされる環状構造を有するポリエーテルポリオ
ールを樹脂成分として含んでいることが好ましい。
上記一般式において、、Xは水素原子またメチル基を
表わし、 nおよびmは、1〜30範囲の整数であり、互いに同じ
でも異なっていてもよく、そして Rは、 を表わす。
このようなポリオール成分をポリウレタン樹脂の骨格
に導入することにより、樹脂の引っ張り強度等の機械物
性が向上する。このような環状構造を有するポリエーテ
ルポリオールが、全ポリオール成分に対して80重量%以
上占めていることが好ましい。
上記ポリエーテルポリオールは、市販品を購入するこ
とにより入手することができ、一般に、上記一般式中の
Rに、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド
を付加反応させることにより得ることができる。
上記ポリエーテルポリオールと下記のポリイソシアネ
ートとの反応により本発明のポリエーテルポリウレタン
を得ることができる。上記ポリイソシアネートの例とし
ては、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロ
ヘキサンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシ
アネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナ
フチレンジイソシアネートを挙げることができる。この
なかで、好ましくは、2,4−トリレンジイソシアネート
および4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートであ
る。
本発明のエーテル結合を有するポリカーボネートポリ
ウレタンは基本的には下記の通常のポリカーボネートポ
リウレタンの製造方法により得ることができる。
本発明の結合剤として使用されるポリエーテルポリオ
ールポリウレタンは、上記材料を使用して次式のように
ポリエーテルポリオール(1)とポリイソシアネート
(2)との反応により合成される。
但し、上記反応式において、好ましくはX、R、nお
よびmは前記した通りであり、lは1〜30の範囲にある
整数であり、さらに好ましくは2〜10の整数である。ま
たR′は通常炭化水素基、芳香族基等であるが、特に限
定されるものではない。
前記ポリエーテルポリオールの分子量は250〜3000が
好ましい。この長鎖ポリエーテルジオールの分子量が余
り小さすぎると得られるポリウレタンのウレタン基濃度
が高くなりすぎて樹脂の柔軟性が乏しくなり、また溶剤
に対する溶解性が悪くなり好ましくない。一方、ポリエ
ーテルポリオールの分子量が余り大きすぎる場合は、樹
脂中のポリエーテルポリオールの含有量が多くなりすぎ
て得られるポリウレタンのウレタン基濃度が低くなりす
ぎるため、樹脂の耐摩耗性および耐久性が低下する。
上記ポリオールとポリイソシアネートとの反応により
ポリエーテルポリウレタンが合成されるが、その際必要
により鎖延長剤を上記反応に使用して所望の物性のポリ
エーテルポリウレタンを得ることができる。
鎖延長剤の例としては、前記の多価アルコール、脂肪
族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン等
を挙げることができる。このなかで、好ましくは多価ア
ルコールである。
上記ポリエーテルポリウレタン樹脂としては、分子量
(数平均分子量)が10000〜150000の範囲のものが好ま
しく、特に好ましくは20000〜80000の範囲である。分子
量が10000未満のポリエーテルポリウレタン樹脂を使用
した場合には充分に走行耐久性が改善されないことがあ
り、また150000を超えるものを使用した場合には樹脂の
溶解性が劣り製造上不利となるため好ましくない。
本発明の磁気記録媒体は、結合剤として上記ポリエー
テルポリウレタンと塩化ビニル系共重合体とを併用する
ことが必要である。
塩化ビニル系共重合体としては、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル・(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニルとビニルアルコー
ル、マレイン酸および/またはアクリル酸との共重合
体、塩化ビニル・プロピオン酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル・アクリロ
ニトリル共重合体等を挙げることができる。これらの中
で塩化ビニル・酢酸ビニルとビニルアルコール、マレイ
ン酸および/またはアクリル酸との共重合体であること
が好ましく、塩化ビニル・酢酸ビニル・マレイン酸共重
合体であることが特に好ましい。このような塩化ビニル
系共重合体の全結合剤中に占める割合は10〜60重量%で
あることが好ましく、特に好ましくは20〜50重量%であ
る。
上記二種の樹脂と混合して使用する他の結合剤に特に
制限はない。他の結合剤の例としては、本発明以外のポ
リウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ニト
ロセルロース樹脂,セルロースナイトレート,セルロー
スアセテートブチレート,セルロースアセテートプロピ
オネートなどのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリ
ビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂を挙
げることができる。
前記本発明の樹脂も含めてこれらの樹脂は、主な極性
基以外にカルボン酸,スルフィン酸,スルフォン酸,燐
酸,硫酸エステル基,燐酸エステル基等の酸性基、アミ
ノ酸類,アミノスルフォン酸類,アミノアルコールの硫
酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性
類基,アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基等また
は、水酸基、アルコシル基、チオール基、ハロゲン基、
シリル基、シロキサン基を通常一種以上含み、各々の極
性基は樹脂1g当たり1×10-6〜1×10-2当量の範囲で含
むことが好ましい。
前述したように、上記の本発明の結合剤用の樹脂と混
合して、ポリイソシアネート化合物を使用することが好
ましい。その例としては、トリレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネートなどのジイソシアネート3
モルとトリメチロールプロパン1モルの反応生成物、ポ
リメチレンポリフェニルポリイソシアネート類等を挙げ
ることができる。
本発明で使用される強磁性粉末は特に制限はない。強
磁性粉末の例としては、強磁性合金粉末、鉄を主成分と
する強磁性金属微粉末、γ−Fe2O3およびFe3O4のような
金属酸化物系の金属粉末並びにCo変性酸化鉄、変性バリ
ウムフェライトおよび変性ストロンチウムフェライトな
どのような変性金属酸化物系の強磁性粉末を挙げること
ができる。上記強磁性粉末の針状比は1/1〜50/1で、好
ましくは5/1以上であり、平均粒子径は0.01〜1.0μmの
範囲であり、そして強磁性粉末の比表面積(SBET)は2
0〜70m2/gである。
また、上記バリウムフェライトしては、平均粒子径は
0.001〜1.0μmの範囲の直径で、厚みが直径の1/2〜1/2
0である。バリウムフェライトの比重は4〜6g/ccで、そ
の比表面積(SBET)は20〜70m2/gである。
上記強磁性金属微粉末の例としては、強磁性金属微粉
末中の金属分が75重量%以上であり、そして金属分の80
重量%以上が少なくとも一種類の強磁性金属あるいは合
金(例、Fe、Co、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni
−Fe)であり、該金属分の20重量%以下の範囲内で他の
成分(例、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、
Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、A
u、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、B、P)を含むこと
のある合金を挙げることができる。また、上記強磁性金
属分が少量の水、水酸化物または酸化物を含むものなど
であってもよい。これらの強磁性金属粉末の製造方法は
既に公知であり、本発明で用いる強磁性合金粉末につい
てもこれら公知の方法に従って製造することができる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、さらにモース硬
度6以上の研磨材が含有されていても良い。
使用される研磨材は、モース硬度が6以上であれば特
に制限はない。研磨材の例としては、α−Fe2O3、Cr
2O3、α−Al2O3、SiCを挙げることができ、これらを単
独であるいは混合して使用することができる。
使用する研磨材の平均粒子径は0.01〜5.0μmの範囲
にあることが好ましく、特に0.1〜1.0μmの範囲にある
ことが好ましい。
研磨材の含有量は通常強磁性粉末100重量部に対して
0.1〜20重量部の範囲、好ましくは1〜10重量部の範囲
である。
また磁性層には上記の研磨材以外にも、カーボンブラ
ック(特に、平均粒径が10〜300mμのもの)などを含有
させることが好ましい。
次に本発明の磁気記録媒体の製造方法の例を述べる。
まず、強磁性金属微粉末などの共磁性粉末と結合剤、
そして必要に応じて研磨材、充填材などを溶剤と混練し
磁性塗料を調製する。混練の際に使用する溶剤として
は、磁性塗料の調製に通常使用されている溶剤を使用す
ることができる。
混練の方法にも特に制限はなく、また各成分の添加順
序などは適宜設定することができる。
磁性塗料の調製には通常の混練機、たとえば、二本ロ
ールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、
トロンミル、サンドグライダー、Szegvariアトライタ
ー、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度
衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、ホモ
ジナイザーおよび超音波分散機などを挙げることができ
る。
磁性塗料を調製する際には、分散材、帯電防止材、潤
滑剤等の公知の添加剤を併せて使用することもできる。
このようにして調製された磁性塗料は、前述の非磁性
支持体上に塗布される。塗布は、前記非磁性支持体上に
直接行なうことも可能であるが、また、接着剤層などを
介して非磁性支持体上に塗布することもできる。
非磁性支持体上への塗布法の例としては、エアードク
ターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコ
ート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コー
ト、リバースロールコート、トランスファーロールコー
ト、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、ス
プレーコート及びスピンコート方法を挙げることがで
き、またこれらの方法以外であっても利用することがで
きる。
このようにして塗布される磁性層の厚さは、乾燥後の
厚さで一般に約0.5〜10μmの範囲、通常は1.5〜7.0μ
mの範囲となるように塗布される。
非磁性支持体上に塗布された磁性層は通常、磁性層中
の強磁性粉末を配向させる処理、すなわち磁場配向処理
を施した後、乾燥される。また必要により表面平滑化処
理が施される。表面平滑化処理などが施された磁気記録
媒体は、次に所望の形状に裁断される。
次に、本発明の実施例および比較例を示す。なお、実
施例および比較例中の「部」との表示は、「重量部」を
示すものである。
[実施例1] 下記の組成物をボールミルを用いて48時間混練分散し
た後、これにポリイソシアネート(コロネートL、日本
ポリウレタン(株)製)5部を加え、さらに1時間混練
分散した後、1μmの平均孔径を有するフィルタを用い
て濾過し、磁性塗料を調製した。得られた磁性塗料を乾
燥後の磁性層の厚さが6.0μmになるように、厚さ16μ
mのポリエチレンテレフタレート支持体の表面にリバー
スロールを用いて塗布した。磁性塗料組成 Co含有γ−Fe2O3粉末 (窒素吸着比表面積:50m2/g) 100部 塩化ビニル/酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体 (VMCH、ユニオンカーバイド社製) 8部 ポリエーテルポリウレタン樹脂A 10部 カーボンブラック 5部 Cr2O3 2部 オレイン酸 1部 ブチルステアレート 1部 メチルエチルケトン 200部 トルエン 50部 シクロヘキサノン 50部 ただし、上記のポリエーテルポリウレタン樹脂Aは、
ポリエーテルポリオール成分としてビスフェノールA1モ
ルにエチレンオキサイドを6〜16モルを付加反応させて
得られたポリオールおよびポリイソシアネート成分とし
て4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートとから得
られ、重量平均分子量が100000、Tgが+38℃そして破断
強度が6.2kg/cm2である。構造式は基本的には下記の式
で表わされるものである。
磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未
乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向処理を行な
い、さらに乾燥後、スーパーカレンダー処理を行なった
後、1/2インチ幅にスリットして磁気テープを製造し
た。
[実施例2] 実施例1において使用したポリエーテルポリウレタン
樹脂Aに代えて下記のポリエーテルポリウレタン樹脂B
を使用した以外は実施例1と同様に磁気テープを製造し
た。
上記ポリエーテルポリウレタン樹脂Bは、ポリエーテ
ルポリオール成分としてハイドロキノン1モルにエチレ
ンオキサイドを6〜16モルを付加反応させて得られたポ
リオールおよびポリイソシアネート成分として4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネートとから得られ、重量
平均分子量が120000、Tgが+23℃そして破断強度が5.7k
g/cm2である。構造式は基本的には下記の式で表わされ
るものである。
[比較例1] 実施例1において使用したポリエーテルポリウレタン
樹脂Aに代えて、下記の構成の通常のポリカーボネート
ポリウレタンCを使用した以外は実施例1と同様に磁気
テープを製造した。
ポリカーボネートポリウレタンCは、多価アルコール
成分として1,6−ヘキサンジオールおよびポリイソシア
ネート成分として4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネートとから得られ、重量平均分子量が107000、Tgが−
20℃でそして破断強度が4.0kg/cm2である。
[比較例2] 実施例1において使用したポリエーテルポリウレタン
樹脂Aに代えて、下記の構成の通常のポリカーボネート
ポリウレタンDを使用した以外は実施例1と同様に磁気
テープを製造した。
ポリカーボネートポリウレタンDは、多価アルコール
成分としてブタンジオールおよびポリイソシアネート成
分として4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートと
から得られ、重量平均分子量が106000、Tgが−25℃でそ
して破断強度が3.8kg/cm2である。
[比較例3] 実施例1において使用したポリエーテルポリウレタン
に代えてシクロヘキシル基を有するポリエステルポリウ
レタンを使用した以外は実施例1と同様にして磁気テー
プを製造した。
上記のようにして得られたサンプルテープは、下記の
方法にてその物性を評価した。
[評価方法] 再生出力 富士通(株)製の磁気テープ装置FACOM−613にパーマ
ロイヘッドを装着し、5.0m/秒の走行速度で6250BPIの出
力を測定し、NBS(National Bureau of Standard)テー
プに対する相対出力を求めた。
粘着性 予め温度60℃、湿度90%RHの雰囲気で7日間経過後お
よび30日間経過後それぞれについて、富士通(株)製の
磁気テープ装置FACOM−613にパーマロイヘッドを使用し
て、テープ全長(2400フィート)を5.0m/秒の走行速度
で送り方向に走行させ、その後15m/秒で巻き戻し走行さ
せる。これを5回繰り返した後、BOT(Begining of Tap
e、テープの走行開始位置)停止させ走行停止部のテー
プ表面に付着した粘着物を目視により観察した。その汚
れの状態について良いものから悪いものまで以下の評価
基準にてAA〜EEで評価した。
AA:粘着物無し。BB:粘着物若干有り。
CC:粘着物少し。DD:粘着物かなり有り。
EE:粘着物多い。
摩擦係数 メモリーテープを直径24mmのステンレスポールに磁性
面を巻きつけ角180度で接触させながら、65g(T1)の張
力をかけてステンレスポールを63rpmで回転させた時に
必要な張力(T2)を測定した。そして、 μ=1/π・lnT2/T1 の式により摩擦係数μを計算した。
上記摩擦係数の測定は、温度60℃、湿度90%RHの条件
下で7日間経過したテープについて行なった。
前記各例のテープ物性の測定結果を第1表に示す。
上記第1表から明らかなように、本発明の特定のポリ
エーテルポリウレタン樹脂を結合剤とする磁気記録媒体
は、再生出力が高いことから電磁変換特性が優れてお
り、また粘着テストおよび動摩擦係数、特に高温高湿で
の上記性能が良好であることから走行耐久性が向上した
ものであると言うことができる。
一方、通常のポリカーボネートポリウレタンを使用し
た比較例1および2は、電磁変換特性も少し劣っている
が、特に高温高湿での走行耐久性に問題があることが分
かる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体と、該支持体上に結合剤中に
    分散された強磁性粉末を含む磁性層を有する磁気記録媒
    体において、該結合剤が、塩化ビニル系共重合体および
    ポリウレタン系樹脂を含む、且つ該ポリウレタン系樹脂
    が、樹脂成分として環状構造を有するポリエーテルポリ
    オールを全ポリオール成分の80重量%以上の量にて含む
    ポリエーテルポリウレタン樹脂であることを特徴とする
    磁気記録媒体。
JP63097382A 1988-04-19 1988-04-19 磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP2617764B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63097382A JP2617764B2 (ja) 1988-04-19 1988-04-19 磁気記録媒体
US07/707,971 US5153071A (en) 1988-04-19 1991-05-23 Magnetic recording medium wherein the magnetic layer has as the binder system a vinyl chloride copolymer and a polyether polyurethane resin which contains a ring structure

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63097382A JP2617764B2 (ja) 1988-04-19 1988-04-19 磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01267829A JPH01267829A (ja) 1989-10-25
JP2617764B2 true JP2617764B2 (ja) 1997-06-04

Family

ID=14190959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63097382A Expired - Fee Related JP2617764B2 (ja) 1988-04-19 1988-04-19 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2617764B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03248320A (ja) * 1990-02-27 1991-11-06 Taiyo Yuden Co Ltd 磁性塗料及び磁気記録媒体
JP4046367B2 (ja) * 1995-08-30 2008-02-13 富士フイルム株式会社 磁気記録媒体
JP6984378B2 (ja) * 2017-12-13 2021-12-17 住友ゴム工業株式会社 タイヤ製造方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS619834A (ja) * 1984-06-25 1986-01-17 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 磁気記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01267829A (ja) 1989-10-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2641051B2 (ja) 磁気テープ
JPH05298662A (ja) 磁気記録媒体用結合剤および磁気記録媒体
JPH0415526B2 (ja)
JP2617764B2 (ja) 磁気記録媒体
US5153071A (en) Magnetic recording medium wherein the magnetic layer has as the binder system a vinyl chloride copolymer and a polyether polyurethane resin which contains a ring structure
JPH01205724A (ja) 磁気記録媒体
JP2592695B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0568768B2 (ja)
JPH0766517B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3246051B2 (ja) 磁気記録媒体用結合剤および磁気記録媒体
JP3254476B2 (ja) 磁気記録媒体用結合剤および磁気記録媒体
JPH01106325A (ja) 磁気記録媒体
JP2618711B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0727628B2 (ja) 磁気記録媒体
JP4162158B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0568767B2 (ja)
JP2568753B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0719354B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH07296370A (ja) 磁気記録媒体
JPH0727627B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH11259850A (ja) 磁気記録媒体
JPS62114120A (ja) 磁気記録媒体
JPH05210839A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH10214414A (ja) 磁気記録媒体
JPH01282726A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080311

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees