JP2615957B2 - 易引き裂き性に優れたシートまたはフィルムおよびそれらの用途 - Google Patents

易引き裂き性に優れたシートまたはフィルムおよびそれらの用途

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、タテ(MD)およびヨコ(TD)方向に引き裂
き易いシートまたはフィルムに関する。
〔従来の技術〕
易引き裂き性を有したシートまたはフィルムとして
は、ポリエチレンやポリプロピレンをタテ(MD)方向に
1軸延伸もしくは圧延したシートまたはフィルムであ
る。これらは、確かにタテ(MD)方向には引き裂き易
く、易引き裂き性の包装材として使用されている。しか
し、ヨコ(TD)方向には極めて引き裂き難い。このた
め、粘着テープや菓子類等の包装袋のように、ヨコ方向
に引き裂き易さを必要とする用途には不適当である。
また易引き裂き性としてはノッチ(notch…刻み目)
を付けた引き裂き性と、ノッチを付けない手のみによる
引き裂き性が要求されるが、ポリエチレンやポリプロピ
レンフィルムはノッチを付けない手による引き裂き性に
劣る。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、包装材料として必要な強度と透明性
を有し、ノッチ付きおよびノッチのない手によるタテな
らびにヨコ方向の引き裂き易さを有するシートまたはフ
ィルムを提供し、さらに、そのシートまたはフィルムか
らなる粘着テープまたは包装材料を提供することであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、次の易引き裂き性に優れたシートまたはフ
ィルム、およびそれらからなる粘着テープまたは包装材
料である。
(1)〔A〕エチレン成分と、下記一般式〔I〕または
〔II〕で表わされる環状オレフィン成分とからなり、13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.01〜10d
l/g、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフィン
系ランダム共重合体、あるいは 〔B〕下記一般式〔I〕または〔II〕で表わされる環状
オレフィン成分の開環重合体の水素化物 をタテ(MD)方向に2倍以下の範囲で延伸し、ヨコ(T
D)方向に3から8倍まで延伸することを特徴とする易
引き裂き性に優れたシートまたはフィルム。
一般式 〔式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。〕 (2)上記(1)記載のシートまたはフィルムからなる
粘着テープ。
(3)上記(1)記載のシートまたはフィルムからなる
包装材料。
本発明における環状オレフィン系ランダム共重合体
〔A〕は、モノマー成分としてエチレン成分および特定
の環状オレフィン成分を構成成分とする環状オレフィン
系ランダム共重合体である。上記環状オレフィン成分は
前記一般式〔I〕または〔II〕で表わされる環状オレフ
ィンであり、本発明の環状オレフィン系ランダム共重合
体〔A〕中においては、下記一般式〔III〕または〔I
V〕で表わされる構造の繰り返し単位を形成している。
一般式 〔式中、n、m、lおよびR1ないしR10は前記と同じで
ある。〕 本発明における環状オレフィン系ランダム共重合体
〔A〕の構成成分の環状オレフィンは、一般式〔I〕お
よび一般式〔II〕で表わされる不飽和単量体からなる群
から選ばれた少なくとも1種の環状オレフィンである。
一般式〔I〕で表わされる環状オレフィンはシクロペン
タジエン類と相応するオレフィン類とを、ディールス・
アルダー反応によって縮合させることにより、容易に製
造することができる。また一般式〔II〕で表わされる環
状オレフィンも同様にシクロペンタジエン類と相応する
環状オレフィン類とを、ディールス・アルダー反応によ
って縮合させることにより、容易に製造することができ
る。
一般式〔I〕で表わされる環状オレフィンとして具体
的には、表1に記載した化合物、あるいは1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン
の他に、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2−プロピル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,
5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフ
タレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−3
−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、2−クロロ−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−ブロモ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、
2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8
a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロヘキシル−1,
4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−n−ブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブ
チル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレンなどのオクタヒドロナフタレン類、お
よび表2に記載した化合物などを例示することができ
る。
また、一般式〔II〕で表わされる環状オレフィンとし
て具体的には、たとえば、表3および表4に示した化合
物などを例示することができる。
本発明における環状オレフィン系ランダム共重合体
は、エチレン成分および前記環状オレフィン成分を必須
成分とするものであるが、これらの必須の二成分の他に
本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共
重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。任
意に共重合されていてもよい不飽和単量体として具体的
には、たとえば生成するランダム共重合体中のエチレン
成分単位と等モル未満の範囲のプロピレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
センなどの炭素数3〜20のα−オレフィン、ノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等
の環状オレフィン、環状ジエンなどを例示することがで
きる。
本発明の環状オレフィン系ランダム共重合体におい
て、エチレン成分に由来する構造単位は40〜85モル%、
好ましくは50〜75モル%の範囲、環状オレフィン成分に
由来する構造単位は15〜60モル%、好ましくは25〜50モ
ル%の範囲が適当であり、エチレン成分に由来する構造
単位および環状オレフィン成分に由来する構造単位はラ
ンダムに配列した実質上線状の環状オレフィン系ランダ
ム共重合体を形成している。上記環状オレフィン系ラン
ダム共重合体が実質上線状であり、ゲル状架橋構造を有
していないことは、同共重合体が135℃のデカリン中に
完全に溶解することによって確認できる。
本発明の組成物を構成する環状オレフィン系ランダム
共重合体〔A〕の135℃のデカリン中で測定した極限粘
度〔η〕は0.01〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gの範
囲である。
本発明における環状オレフィン系ランダム共重合体と
しては、サーモ・メカニカル・アナライザーで測定した
軟化温度(TMA)が70℃以上、好ましくは90〜250℃、さ
らに好ましくは100〜200℃の範囲、環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体のガラス転移温度(Tg)は通常50〜230
℃、好ましくは70〜210℃の範囲が好ましい。また環状
オレフィン系ランダム共重合体のX線回折法によって測
定した結晶化度は0〜10%、好ましくは0〜7%、とく
に好ましくは0〜5%の範囲が好ましい。
本発明における環状オレフィン系ランダム共重合体と
しては、上記範囲の物性を有するもののみからなる共重
合体を用いてもよいが、上記範囲外の物性を有する共重
合体が一部含まれていてもよく、この場合全体の物性値
が上記範囲に含まれていればよい。
本発明で用いる環状オレフィン系ランダム共重合体に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂成分、
ゴム成分、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリ
ップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、核剤、
染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどを配合する
ことができ、その配合割合は適宜量である。たとえば、
任意成分として配合される安定剤として具体的には、テ
トラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、β−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオン酸アルキルエステル、2,2′−オキザミドビス
〔エチル−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート等のフェノール系酸化防止
剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12−
ヒドロキシステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩;
グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレー
ト、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトール
モノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレー
ト、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価ア
ルコール脂肪酸エステルなどをあげることができる。こ
れらは単独で配合してもよいが、組合せて配合してもよ
く、たとえばテトラキス〔メチレン−3(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
メタンとステアリン酸亜鉛およびグリセリンモノステア
レートとの組合せ等を例示することができる。
本発明のシートまたはフィルムは、前記環状オレフィ
ン系ランダム共重合体、またはこれを必要に応じて配合
される他の成分との組成物からシートまたはフィルムを
形成し、これをタテ(MD)方向に2倍以下(0を含まな
い)の範囲で延伸し、ヨコ(TD)方向に3から8倍まで
延伸したものである。
環状オレフィン系ランダム共重合体、またはこれと他
の成分との組成物からシートまたはフィルムを成形する
には、Tダイ法、インフレーション法等の一般的なシー
トまたはフィルム成形法を採用することができる。この
とき成形されるシートまたはフィルムの厚さは特に制限
されない。
こうして成形したシートまたはフィルムをタテ(MD)
方向に2倍以下の範囲で延伸し、ヨコ(TD)方向に3か
ら8倍まで延伸することにより、本発明の易引き裂き性
に優れたシートまたはフィルムを得る。延伸はガラス転
移温度(Tg)以上の温度で行い、タテ、ヨコの延伸倍率
は要求される物性に応じて任意に選択することができ
る。また延伸手段としては、ロール延伸、テンター延
伸、インフレーション法など、一般的な延伸手段が採用
できる。
延伸シートまたはフィルムを製造する好ましい方法を
具体的に説明すると、環状オレフィン系ランダム共重合
体またはその組成物をTダイ成形法またはインフレーシ
ョン成形法などによって、肉厚0.03〜5mm、好ましくは
0.1〜3mmのシートまたはフィルムを作製する。そしてこ
のシートを共重合体のガラス転移温度(Tg)より0〜60
℃、好ましくは10〜40℃高い温度で、逐次または同時に
タテ方向に2倍以下、ヨコ方向に3から8倍に延伸す
る。
こうして得られる延伸シートまたはフィルムは、ノッ
チ付きまたはノッチのない場合に手によりタテおよびヨ
コ方向、特にヨコ方向に引き裂き易い特性を持つため、
粘着テープに利用することができる。
また、本発明のシートまたはフィルムは、透明性に優
れ、荷役、輸送、保管等の流通過程における衝撃、振
動、圧縮などの外力から被包装物を保護する強度も有し
ているため、ノッチ付きまたはノッチのない場合に手に
よりタテおよびヨコ方向、特にヨコ方向に引き裂いて被
包装物を簡単に取り出せる包装材料として利用できる。
例えば、本発明のフィルムから作製した袋等の包装容器
は、果汁、清涼飲料、酒類、スナック菓子、せんべい、
おかき、豆菓子等のような乾燥菓子の包装、医療用品の
包装に用いることができる。
さらに、本発明のシートまたはフィルムは強度が高
く、ノッチ付きまたはノッチのない場合に手によりタテ
およびヨコ方向、特にヨコ方向に引き裂き易いため、任
意の幅に簡単に調節できるフィルムまたはシート状の包
装材料に利用することができる。
上記の説明はエチレン成分と前記一般式〔I〕または
〔II〕で表わされる環状オレフィン成分とからなる環状
オレフィン系ランダム共重合体〔A〕について説明した
が、この環状オレフィン系ランダム共重合体〔A〕の代
わりに前記一般式〔I〕または〔II〕で表わされる環状
オレフィン成分の開環重合体の水素化物〔B〕を用いて
もよく、同等の効果が得られる。この場合、環状オレフ
ィン系ランダム共重合体〔A〕と同様の方法で、同様の
特性を有する延伸シートまたはフィルムを得ることがで
きる。このような環状オレフィンの開環重合体は、例え
ば特開昭60−26024号に開示されている。
前記開環重合体の水素化物〔B〕中においては、前記
一般式〔I〕または〔II〕で表わされる環状オレフィン
成分は下記一般式〔V〕または〔VI〕で表わされる構造
の繰り返し単位を形成している。
一般式 〔式中、n、m、lおよびR1ないしR10は前記と同じで
ある。〕 前記水素化する前の開環重合体は、前記一般式〔I〕
および〔II〕から選ばれるモノマー成分および必要によ
り共重合される他のモノマー成分を原料として、通常の
環状オレフィンの開環重合法により製造することができ
る。重合触媒としては、例えばルテニウム、ロジウム、
パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、モリブデ
ン、タングステン等のハロゲン化物、硝酸塩もしくはア
セチルアセトン化合物とアルコール、スズ化合物等の還
元剤からなる系、またはチタン、バナジウム、ジルコニ
ウム、タングステン、モリブデン等のハロゲン化合物、
アセチルアセトン化合物等と有機アルミニウム化合物等
とからなる系などを用いることができる。
前記開環重合体の水素化物〔B〕は上記により得られ
る開環重合体を水素添加して得られる。開環重合体の水
素添加は通常の水素添加方法により行われる。
水素添加触媒としては、オレフィン化合物の水素添加
に際して使用されているものが一般に使用可能である。
具体的には不均一系触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、白金等、またはこれらの金属をカーボン、シリカ、
ケイソウ土、アルミナ、酸化チタン等の担体に担持させ
た固体触媒、例えばニッケル/シリカ、ニッケル/ケイ
ソウ土、パラジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、
パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナ等があ
げられる。また均一系触媒としては、周期律表第VIII族
の金属を基体とするものがあり、例えば、ナフテン酸ニ
ッケル/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト
/n−ブチルリチウム、ニッケルアセチルアセトネート/
トリエチルアルミニウムなどのNi、Co化合物と周期律表
第I〜III族金属の有機金属化合物からなるもの、ある
いはRh化合物などがあげられる。
前記開環重合体の水素添加反応は、触媒の種類に応じ
て均一系または不均一系において、1〜150気圧の水素
圧下に、0〜180℃、好ましくは20〜100℃の温度範囲で
行われる。水素添加率は、水素圧、反応温度、反応時
間、触媒濃度などにより調節することができるが、重合
体中の主鎖二重結合の50%以上、好ましくは80%以上、
さらに好ましくは90%以上が水素添加されることが好ま
しい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、エチレン成分と特定の環状オレフィ
ン成分からなる環状オレフィン系ランダム共重合体、あ
るいは特定の環状オレフィン成分の開環重合体の水素化
物を特定の倍率で2軸延伸したため、強度が向上し、ノ
ッチ付きまたはノッチのない場合に手によりタテおよび
ヨコ方向、特にヨコ方向に引き裂き易くなったシートま
たはフィルムが得られる。
さらに、上記のシートまたはフィルムから、ノッチ付
きまたはノッチのない場合に手によりタテおよびヨコ方
向、特にヨコ方向に引き裂き易い粘着テープ、被包装物
を容易に取り出すことができる包装材料等が得られる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1および2 エチレンと2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン( E−DMON)の共重合体で、極限粘度〔η〕が1.01dl/g、
ガラス転移温度(Tg)が113℃のものを原料にして、30m
mφ押出機を使用してTダイ成形法で肉厚0.4mmのシート
を作製した。このシートをTgよりおよそ20℃高い130℃
で、タテ1.5倍、ヨコ4.0倍(実施例1)またはタテ2.0
倍、ヨコ3.0倍(実施例2)に同時2軸延伸を行い、肉
厚0.065mmのフィルムを作製した。得られた延伸フィル
ムをタテ方向およびヨコ方向にそれぞれ幅15mmの短冊状
に切り、1.5mm幅で90度のノッチを入れ引き裂き強度、
フィルムインパクトなどを測定した。またノッチを入れ
ない状態で上記フィルムを両手の指先でつまんで引き裂
き、以下の評点で手引き裂き性を評価した。
1:簡単に裂ける。
2:抵抗があるが裂ける。
3:どのように裂こうとしても引き裂けない。
結果を表5に示す。
比較例1および2 実施例1の肉厚0.4mmのシートを実施例1と同様の条
件でタテ2.3倍、ヨコ2.3倍に延伸し(比較例1)、また
肉厚0.065mmの無延伸フィルムを作製し(比較例2)、
実施例1と同様にして引き裂き強度などを測定した。結
果を表5に示す。
比較例3 230℃、2160Kgの条件で測定したMFRが7.0g/10minのポ
リプロピレン(ホモポリマー)を原料として、実施例1
と同様の方法で0.4mmのTダイ成形法による押出シート
を作製した。このシートを用いて雰囲気温度155℃でタ
テ2.0倍、ヨコ3.0倍の同時二軸延伸を行い肉厚0.065mm
のフィルムを作製し、実施例1と同様に物性を評価した
結果を表5に示す。
比較例4 190℃、2160gで測定したMFRが1.1g/10min、密度が0.9
54の高密度ポリエチレンを原料として用い実施例1と同
様の方法で0.4mmのTダイシートを作製した。このシー
トを用いて雰囲気温度130℃でタテ2.0倍、ヨコ3.0倍の
同時二軸延伸を行い肉厚0.065mmのフィルムを作製し、
実施例1と同様に物性を評価した結果を表5に示す。
表5の結果から、実施例のものはいずれも比較例のも
のに比べて、ノッチ付きまたはノッチのない場合に手に
よりタテおよびヨコ方向、特にヨコ方向に引き裂き易
く、フィルムインパクトは向上していることがわかる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】〔A〕エチレン成分と、下記一般式〔I〕
    または〔II〕で表わされる環状オレフィン成分とからな
    り、135℃のデカリン中で測定した極限粘度〔η〕が0.0
    1〜10dl/g、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレ
    フィン系ランダム共重合体、あるいは 〔B〕下記一般式〔I〕または〔II〕で表わされる環状
    オレフィン成分の開環重合体の水素化物 をタテ(MD)方向に2倍以下の範囲で延伸し、ヨコ(T
    D)方向に3から8倍まで延伸することを特徴とする易
    引き裂き性に優れたシートまたはフィルム。 一般式 〔式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
    り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
    水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す。〕
  2. 【請求項2】請求項(1)記載のシートまたはフィルム
    からなる粘着テープ。
  3. 【請求項3】請求項(1)記載のシートまたはフィルム
    からなる包装材料。
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