JP3841716B2 - 環状オレフィン系樹脂の成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状オレフィン系樹脂の成形方法及び当成形方法により成形された容器、包装、光学用フィルム、レンズ、ディスク等に適した環状オレフィン系樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
環状オレフィン系樹脂は、透明性、防湿性に優れ、容器、包装等の用途に適している。しかし、環状オレフィン系樹脂は、成形時にゲルが発生しやすく成形品の外観を阻害する場合があった。このため、成形品の透明性や表面の平滑性が損なわれ商品性や成形品性能を損なうことがあった。これらの問題を解決するために、樹脂ペレット表面にゲル発生を防止する添加剤をコーティングする技術が開示されているが、成形機の種類によってはこの方法ではゲルを解消できない場合があった。ペレット表面に付着させる添加剤の多くは、オリゴマー状、ワックス状であり、樹脂の表面にブリードアウトする性質があるためハンドリングが悪く、特に医薬品等高度の衛生性を要求される用途には適さない場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ゲルに起因する成形品表面の肌荒れが改良され、透明性、表面光沢に優れ、かつ衛生性が改善された環状オレフィン系樹脂の成形方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
発明者らは鋭意検討した結果、スクリューの計量部分における剪断速度が10sce -1 以上とすることにより、成形品の表面状態、透明性、表面光沢に優れた成形体が得られることを見出した。また、さらに、スクリューの圧縮部分または計量部分にミキシングゾーンを設けた成形装置を用いて成形することにより、より一層成形品の表面状態、透明性、表面光沢に優れた成形体が得られることを見出した。
【0005】
すなわち、本発明は、環状オレフィン系樹脂を溶融混練押出するためのスクリューを有する成形装置で成形する成形方法あって、当該スクリューが供給部分、圧縮部分、計量部分を有し、該スクリューの計量部分における剪断速度を10sec-1以上とすることを特徴とする環状オレフィン系樹脂の成形方法及び、圧縮部分または計量部分にミキシングゾーンを設けたことを特徴とする環状オレフィン系樹脂の成形方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
<環状オレフィン系樹脂>
まず、本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂について説明する。本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、式[1]、[2]又は[3]で表される環状オレフィンから選択された構成単位とエチレン単位及び/又はビニレン単位を含むものである。
【0007】
【化4】
【0008】
(式[1]において、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R 1 〜R 18 ならびにR a およびR b は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、R 15 〜R 18 は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつこの単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR 15 とR 16 とで、またはR 17 とR 18 とでアルキリデン基を形成していてもよい。ここでqが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。)
【0009】
【化5】
【0010】
(式[2]において、mは0または正の整数であり、hは0または正の整数であり、jおよびkは0、1または2であり、R 7 〜R 15 およびR 17 〜R 18 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、R 19 〜R 27 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基およびアルコキシ基からなる群から選ばれる原子または基を表す。)
【0011】
【化6】
【0012】
(式[3]において、nは0または1であり、mは0または正の整数であり、qは0または1であり、R 1 〜R 18 ならびにR a およびR b は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子または基を表し、R 15 〜R 18 は、互いに結合して単環または多環を形成していてもよく、かつこの単環または多環は二重結合を有していてもよく、またR 15 とR 16 とで、またはR 17 とR 18 とでアルキリデン基を形成していてもよい。ここでqが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。)
【0013】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、サーマル・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度(TMA)が通常は60℃以上であり、好ましくは70〜210℃、さらに好ましくは80〜180℃である。なお軟化温度(TMA)は、シート上に直径1.0mmの石英製針を載せ、荷重49gをかけ、5℃/分の速度で昇温させたときに、針がシートに0.635mm侵入した温度である。
【0014】
また、環状オレフィン系樹脂は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が、通常は0.01〜10dl/gであり、好ましくは0.05〜2.0dl/g、さらに好ましくは0.4〜1.2dl/gである。
【0015】
さらにこの環状オレフィン系樹脂は、ガラス転移点(Tg)が、通常50℃以上、好ましくは60〜200℃であり、X線回折法によって測定した結晶化度が、通常0〜20%、好ましくは0〜2%である。
【0016】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂に含まれる環状オレフィン構成単位について説明する。環状オレフィン構成単位は、前記式[1]、[2]または[3]で表される環状オレフィンから誘導されている。
【0017】
式[1]、[2]または[3]で表される環状オレフィン構成単位としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]-3-ドデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.1 3,6 .1 10,13 .0 2,7 .0 9,14 ]-4-ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.0.1 2,9 .1 4,7 .1 11,18 .1 13,16 .0 3,8 .0 12,17 ]-5-ドコセン誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.1 3,6 .0 2,7 .0 9,14 ]-4-ヘキサデセン誘導体、ヘプタシクロ-5-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、トリシクロ[4.3.0.1 2,5 ]-3-デセン誘導体、トリシクロ[4.4.0.1 2,5 ]-3-ウンデセン誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.1 3,6 .0 2,7 .0 9,13 ]-4-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.1 2,5 .1 9,12 .0 8,13 ]-3-ペンタデセン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.1 3,6 .1 10,17 .1 12,15 .0 2,7 .0 11,16 ]-4-エイコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.1 4,7 .1 13,20 .1 15,18 .0 3,8 .0 2,10 .0 12,21 .0 14,19 ]-5-ペンタコセン誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.1 2,5 .1 9,12 .0 8,13 ]-3-ヘキサデセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.1 4,7 .1 11,18 .1 13,16 .0 3,8 .0 12,17 ]-5-ヘンエイコセン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.1 5,8 .1 14,21 .1 16,19 .0 2,11 .0 4,9 .0 13,22 .0 15,20 ]-5-ヘキサコセン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロアントラセン誘導体、およびシクロペンタジエン-アセナフチレン付加物などに起因するものを挙げることができる。特に好ましいモノマー単位は、ノルボルネン、テトラシクロドデセンである。これらの環状オレフィン構成単位は、単独あるいは2種以上含まれていても良い。
【0018】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、通常、エチレン単位及び/又はビニレン単位を30〜90モル%、好ましくは40〜80モル%の量で、環状オレフィンから誘導される構成単位を10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%の量で含有している。なお、エチレン組成および環状オレフィン組成は13C−NMRによって測定される。
【0019】
また本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて他の共重合可能なモノマーから誘導される構成単位を含有していてもよい。このような他のモノマーとしては、上記のようなエチレンまたは環状オレフィン以外のオレフィンや、ノルボルネン類、非共役ジエン類などを挙げることができる。これらの他のモノマーは、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。他のモノマーから誘導される構成単位は、通常20モル%以下、好ましくは10モル%以下の量で含有されていてもよい。
【0020】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、公知の技術によって適宜条件を選択することにより製造することができる。以下にその一例を示す。
【0021】
1)付加重合方法
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、エチレンと式[1]または[2]で表される環状オレフィンとを用いて、付加重合により製造することができる。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で行い、触媒としてこの炭化水素溶媒に可溶性のバナジウム化合物および有機アルミニウム化合物から形成されるバナジウム系触媒、チタン化合物および有機アルミニウム化合物から形成されるチタン系触媒、または少なくとも2個の共役シクロアルカジエニル基が低級アルキレン基を介して結合した多座配位性化合物を配位子とするジルコニウム錯体およびアルミノオキサンから形成されるジルコニウム系触媒を用いて製造することが好ましい。
【0022】
2)開環重合方法
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、式[1]で表される環状オレフィンを開環重合して得ることもできる。この場合、環状オレフィン系樹脂中の構成単位としては、式[3]の形で存在する。
【0023】
環状オレフィン系樹脂を開環重合で得る場合、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。不飽和単量体としては、例えばシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、メチルシクロペンテン、メチルシクロヘキセン、メチルシクロヘプテン、メチルシクロオクテン、メチルシクロノネン、メチルシクロデセン、エチルシクロペンテン、エチルシクロブテン、エチルシクロオクテン、ジメチルシクロペンテン、ジメチルシクロヘキセン、ジメチルシクロヘプテン、ジメチルシクロオクテン、トリメチルシクロデセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセン、2,3,3a,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン等の環状オレフィンを挙げることができる。このような任意に共重合されてもよい不飽和単量体は単独または組合せて使用することができ、その場合、環状オレフィン系樹脂100モル%に対して50モル%未満の量で用いられる。
【0024】
開環重合方法としては、前記公報に開示された製造方法が挙げられる。具体的には、前記式[1]で表される環状オレフィンを開環重合触媒の存在下に、重合または共重合させることにより製造することができる。このような開環重合触媒としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウムまたは白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムまたはモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
【0025】
開環重合により製造された環状オレフィン重合体は、従来公知の水素添加触媒の存在下に水素化することで、より良好な物性のものを得ることができる。水添率は、好ましくは50〜100%、より好ましくは80〜100%である。
【0026】
また、本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、グラフト変性されたものであってもよい。グラフト変性物は、上記1)又は2)の製法にて得られた重合体の一部を変性剤でグラフト変性して得られる。このようなグラフト変性物は、所望の変性率になるように変性剤を配合してグラフト重合させ製造することもできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いでこの変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合することにより製造することもできる。変性剤としては、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、これらの酸無水物又はアルキルエステル等の誘導体などを挙げることができる。本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂の場合、変性剤から誘導される構成単位の含有率は10モル%以下であることが望ましい。
【0027】
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、一般的には単独の方法で製造された樹脂であるが、異なる方法で製造された樹脂の混合物であってもよい。
【0028】
本発明においては、環状オレフィン系樹脂の特性を損なわない程度に必要に応じ従来の公知の熱可塑性樹脂を任意の量で添加してもよい。特にポリオレフィンは、環状オレフィン系樹脂との相溶性が優れるため添加用樹脂として好ましい。ポリオレフィンとしては、特に炭素数2〜20のα-オレフィンの(共)重合体が好ましい。また、当該ポリオレフィンは、特性を損なわない範囲内で、この上記のようなα-オレフィンに、ノルボルネン類、非共役ジエン類などの他の単量体が共重合していてもよい。
【0029】
本発明においては、当該環状オレフィン系樹脂の特性を損なわない範囲で、衝撃強度を向上させるためのゴム成分を配合したり、他の樹脂成分、耐熱安定剤、耐候安定剤、耐光安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑剤、特定波長の光だけを吸収する染料、顔料、天然油、合成油、ワックスまたは可透光性の充填剤などを配合しても良い。これらの成分の配合量は、50重量%未満とするのが望ましい。
【0030】
本発明においては、環状オレフィン系樹脂として、エチレンとテトラシクロ[4.4.0.1 2,5 .1 7,10 ]-3-ドデセンのランダム共重合体およびエチレンとビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エンのランダム共重合体を使用した場合に効果が顕著である。
【0031】
<成形方法>
本発明の成形方法に使用される成形装置には単軸のスクリューが用いられる。スクリューは、未溶融の樹脂をホッパー下から前方に送る供給部分、樹脂を可塑化する圧縮部分、溶融した樹脂の圧力を一定にしダイに送る計量部分からなっている。
【0032】
本発明の成形方法では、スクリューを備え付けた押出成形装置を運転する際、スクリュー計量部分の剪断速度を1.0×101sec-1以上好ましくは2.0×101sec-1に設定することを特徴とする。剪断速度が1.0×101sec-1未満であるとゲルの発生が多くなり表面平滑性及び表面光沢が低下する傾向にある。
【0033】
また、スクリューの圧縮部分または計量部分に混練を強化するためのミキシングゾーンを設けることにより、環状オレフィン系樹脂成形加工時のゲルを減らすことができると考えられる。ミキシングゾーンのデザインは特に限定されないが、従来公知のものを用いることもでき、例えば、マドックやユニメルトの様な分流配位型、バリアスクリュー(ダブルフライト型)の様な固液分離型、ダルメージのようなフィン型、多条ミキシングピンの様なピン型、ブリスターリングの様なダム型、ウエーブ溝型など混練を強化する目的でデザインされたものを採用することができる。上記のミキシングゾーンは一般に計量部に設けられるが、バリアフライトの場合圧縮部に設けることも可能である。
【0034】
本発明に用いられるスクリューの圧縮比は、体積比で1.2〜5.0好ましくは1.3〜3.0さらに好ましくは1.5〜2.5の範囲である。
また、本発明に用いられるスクリューは、メッキ又はセラミックコーティング処理が施されていることが、焼け焦げ付着防止の観点より好ましい。このようなメッキやコーティングの種類としては、クロムメッキ、チタンカーバイドコーティング、タングステンカーバイドコーティングなどを例示することができる。
【0035】
本発明に用いられるスクリューは、単軸のスクリューを用いる成形機のすべて適用できる。このような成形機の例として、Tダイ押出成形機(単層および多層)、射出成形機、ダイレクトブロー成形機、射出ブロー成形機、インフレーション成形機、カレンダー成形機、テンター法二軸延伸成形機、チューブラー法二軸延伸成形機、一軸延伸成形機、カレンダー成形機、異形押出成形機、パイプ成形機、マンドレル成形機、押出紡糸成形機などを示すことができる。
【0036】
本発明の成形体は、上記の成形装置に前述の環状オレフィン系樹脂を供給することにより製造される。このような成形方法により得られた成形体の形状に制限はなく様々な形態で利用される。このような成形体としてボトルなど各種容器、フィルム、シート、チューブ、ロッド、繊維などを例示することができる。これらの成形体のうち特にゲルが目立ちやすいフィルム、シート、ボトルなどに本発明の成形法を適用することが特に好ましい。本発明の成形体がフィルムやシートである場合、ASTM D523に基づき入射角60℃で測定した光沢度は、70%以上が好ましく75%以上がより好ましい。
【0037】
本発明の成形体は、表面の平滑性と光沢に優れており、薬剤、食品、日用品、雑貨、工業材料等用の容器、包装用途、光学用フィルム、シートなどとして好適に使用できる。具体的には、食品用ブリスターパック、キャンディー等の手ひねり包装、あられ、ポテトチップなどのスナック菓子の包装、ストレッチ包装用フィルム、家庭用ラップフィルム、シュリンクラベル、粘着ラベル、キャップシール、イージーピールフィルム、易カットフィルム、テトラパック、レトルトパック、牛乳パック等のパック。ゼリー、プリンなどのカップ状の容器、これらカップ容器の蓋、薬ビン、バイアルビン、輸液ボトル、輸液バッグ、PTP(press through pack)、プレフィルドシリンジ、ディスポーザブルシリンジ等の医療容器、シャーレ、試験管、分析セル等の理化学機器、化粧ビン、偏光板保護膜、位相差板、導光板、有機EL用保護膜などを挙げることができる。
【0038】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明する。
測定法
1)TMA(軟化点温度):シート上に直径1.0mmの石英製針を載せ、荷重49gをかけ、5℃/分の速度で昇温させたときに、針がシートに0.635mm侵入した温度
2)Tg:DSCを用い10℃/minの昇温速度で測定した。
3)MFR:ASTM D1238に基づき260℃、2160gの条件で測定した。
4)表面光沢:ASTM D523に基づき入射角60℃で測定した。
5)フィルムのゲル:目視で以下のように判定した。
×:ゲルが非常に多くすりガラス状。ほとんど透明感が無い。
△:ゲルがまばらに存在。透明感有り。
○:ゲルがほとんど無い。フィルムを通してものが鮮明に見える。
環状オレフィン系樹脂
・ETCD:エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンのランダム 付加共重合体:エチレン含量65モル%
(TMA:135℃、Tg:125℃、MFR:15g/10min)
・ENB:エチレンとビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エンのランダム付加共重合体:
エチレン含量50モル%
(TMA:155℃、Tg:145℃、MFR:5g/10min)
成形条件
押出機:日立造船株式会社製50mmφTダイ成形機
設定温度:C1/C2/C3/C4/F/D1/D2/D3
=200/220/230/250/250/250/250/250(℃)
スクリュー回転:30rpm
【0039】
スクリューデザイン
【0040】
【表1】
1)後方とはホッパー側を指す
【0041】
<実施例1〜12、比較例1〜4>
上記の環状オレフィン系樹脂を上記のスクリュー、成形機、成形条件で成形し100μmの厚みのフィルムを得た。フィルムの表面光沢の結果を表2乃至表4に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】
<実施例13〜20、比較例5、6>
上記の環状オレフィン系樹脂を上記のスクリュー、成形機、成形条件で成形し100μmの厚みのフィルムを得た。フィルムの表面光沢の結果を表5および表6に示す。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【発明の効果】
本発明の成形装置で得られる成形体は、表面の平滑性、光沢に優れ、かつ衛生性に優れるので、医療、食品容器、包装等、光学用フィルム、シートなどに好適に用いることができる。
Claims (2)
- 下記式[1]、[2]又は[3]から選択された構成単位及びエチレン単位及び/又はビニレン単位を含む環状オレフィン系樹脂を溶融混練押出するためのスクリューを有する成形装置で成形する成形方法であって、当該スクリューが供給部分、圧縮部分、計量部分を有し、該スクリューの計量部分における剪断速度を10sec-1以上とすることを特徴とする、環状オレフィン系樹脂の成形方法。
- 圧縮部分または計量部分にミキシングゾーンを設けたスクリューを用いることを特徴とする、請求項1記載の環状オレフィン系樹脂の成形方法。
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