JP2007030445A - 積層体 - Google Patents

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昭弘 市毛
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Abstract

【課題】 均一延伸性およびヒートシール性に優れた積層体、およびそれを延伸してなる延伸フィルムまたは延伸シートを提供すること。
【解決手段】 下記層〔I〕および層〔II〕をそれぞれ少なくとも1層有し、少なくとも2層からなる積層体、およびそれを延伸してなる延伸フィルムまたは延伸シート。
層〔I〕:エチレンとエチレン系不飽和エステルとの共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸無水物との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸無水物との共重合体の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体(A)
層〔II〕:結晶性プロピレン系重合体(B)90〜55重量%と、特定の要件を満たす非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)10〜45重量%を含有する樹脂組成物(D)(ただし、該樹脂組成物(D)全体を100重量%とする。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、積層体、および延伸フィルムまたは延伸シートに関するものである。更に詳しくは、均一延伸性およびヒートシール性に優れた積層体、およびそれを延伸してなる延伸フィルムまたは延伸シートに関するものである。
近年、青果物や鮮魚、鮮肉、惣菜等の食品や、書籍、文具、雑貨等を直接、またはトレーや箱等に入れた上から包装するフィルムには、包装後に熱収縮させることにより美しい外観が得られ、指などでフィルムを押さえても変形が残りにくい多層構造の熱収縮性フィルムが用いられている。例えば特許文献1には、表層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用い、内部層としてエチレン−α−オレフィン共重合体からなる層およびポリプロピレン系樹脂からなる層をそれぞれ少なくとも1層有する多層シュリンクフィルムが記載されており、また特許文献2には、非晶質ポリオレフィンと結晶性ポリプロピレンを含有してなる樹脂組成物からなる層に、結晶性ポリプロピレンまたはエチレン系樹脂からなる外層を積層したポリオレフィン系熱収縮性積層フィルムが記載されている。
特許第3606611号公報 特開平7−232417号公報
しかしながら、特許文献1の多層シュリンクフィルムにおいては、延伸加工された延伸フィルムの厚みの均一性(均一延伸性)が十分でなかったり、ヒートシール加工によって融着されたフィルム間の接着強度(ヒートシール性)が十分でなかったりすることがあった。また、特許文献2のポリオレフィン系熱収縮性積層フィルムにおいても、均一延伸性において十分であるとはいえなかった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題、すなわち本発明の目的は、均一延伸性およびヒートシール性に優れた積層体、およびそれを延伸してなる延伸フィルムまたは延伸シートを提供することにある。
すなわち本発明は、下記層〔I〕および層〔II〕をそれぞれ少なくとも1層有し、少なくとも2層からなる積層体、およびそれを延伸してなる延伸フィルムまたは延伸シートに係るものである。
層〔I〕:エチレンとエチレン系不飽和エステルとの共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸無水物との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸無水物との共重合体の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体(A)
層〔II〕:結晶性プロピレン系重合体(B)90〜55重量%と、下記要件(c1)、(c2)および(c3)を満たす非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)10〜45重量%を含有する樹脂組成物(D)(ただし、該樹脂組成物(D)全体を100重量%とする。)
(c1)エチレンに由来する単量体単位の含有量が60モル%以下であること(ただし、該重合体全体を100モル%とする)。
(c2)分子量分布が3以下であること。
(c3)示差走査熱量測定(DSC)によって、−50℃〜200℃の範囲で測定して得られる結晶融解熱量が30J/g以下であること。
本発明によれば、均一延伸性およびヒートシール性に優れた積層体、およびそれを延伸してなる延伸フィルムまたは延伸シートが提供される。
本発明の層〔I〕に用いられるエチレン系共重合体(A)としては、例えば、エチレンとエチレン系不飽和エステルとの共重合体、エチレンとアクリル酸メチルとの共重合体、エチレンとアクリル酸エチルとの共重合体、エチレンアクリル酸ブチルとの共重合体、エチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体、エチレンとメタクリル酸エチルとの共重合体、エチレンとメタクリル酸ブチルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、エチレンとアクリル酸との共重合体、エチレンとメタアクリル酸との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸無水物との共重合体、エチレンと無水マレイン酸との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸無水物との共重合体の金属塩、エチレンとアクリル酸との共重合体の金属塩、エチレンとメタアクリル酸との共重合体の金属塩等が挙げられる。なかでも、より好ましくは、エチレンとアクリル酸メチルとの共重合体、エチレンとアクリル酸エチルとの共重合体、エチレンアクリル酸ブチルとの共重合体、エチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体、エチレンとメタクリル酸エチルとの共重合体、エチレンとメタクリル酸ブチルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体が好ましく、エチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体である。
本発明の層〔I〕に用いられるエチレン系共重合体(A)のエチレンに由来する単量体単位の含有量は特に限定されないが、通常50〜99重量%であり、好ましくは60〜97重量%であり、より好ましくは70〜95重量%であり、更に好ましくは75〜93重量%である。
本発明の層〔I〕に用いられるエチレン系共重合体(A)のメルトフローレートは、押出しトルクおよび均一延伸性のバランスの観点から、好ましくは0.1〜20g/10分であり、より好ましくは0.5〜10g/10分であり、更に好ましくは1.0〜5g/10分である。なお、メルトフローレートは、JIS K7210に規定された方法に従って、温度190℃、荷重21.18Nで測定される。
本発明の層〔I〕に用いられるエチレン系共重合体(A)のデュロメーターA硬さは、耐ブロッキング性とヒートシール性のバランスの観点から、好ましくは55〜98であり、より好ましくは60〜97であり、更に好ましくは70〜96であり、特に好ましくは80〜95である。なお、デュロメーターA硬さは、JIS K6253に従って測定される。
本発明の層〔I〕に用いられるエチレン系共重合体(A)は、異なる2種類以上のエチレン系共重合体を混合して用いてもよい。
本発明の層〔I〕に用いられるエチレン系共重合体(A)の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体等の錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法、溶液重合法等が挙げられる。
本発明の層〔I〕には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて石油樹脂類を配合してもよい。石油樹脂類としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油類の熱分解により生成する分解油留分を重合し固化させた熱可塑性樹脂、クマロン−インデン樹脂、アルキル−フェノール樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、ガムロジンやウッドロジン、水素化ロジン、アルコールでエステル化したエステル化ロジン、フェノールとロジンを反応させたロジンフェノール樹脂等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、α−ピネンやβ−ピネンの重合したテルペン樹脂、フェノールとテルペンを反応させたテルペンフェノール樹脂、スチレン等で極性を付与した芳香族変性テルペン樹脂、水素化テルペン樹脂等が挙げられる。石油類の熱分解により生成する分解油留分を重合し固化させた熱可塑性樹脂としては、C5留分を原料とした脂肪族系石油樹脂、C9留分を原料とした芳香族系石油樹脂、ジシクロペンタジエンを原料とした脂環式系石油樹脂、およびこれら2種以上が共重合した共重合系石油樹脂、更にこれらを水素化した水素化系石油樹脂等が挙げられる。具体的には、例えば、三井化学(株)製の「ハイレッツ」、「ペトロジン」、荒川化学工業(株)製の「アルコン」、ヤスハラケミカル(株)製の「クリアロン」等の市販品を用いることができる。
前記石油樹脂類の中では、色相、臭気の点で、水素化ロジン、水素化テルペン樹脂、水素化系石油樹脂等の水素添加誘導体が好ましい。
本発明の層〔I〕には、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、トリミングロス等から発生する樹脂をブレンドによりリサイクル使用してもよい。
本発明の層〔I〕には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて各種添加剤や充填剤、例えば酸化防止剤、造核剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤等を配合することができる。
本発明の層〔II〕に用いられる結晶性プロピレン系重合体(B)としては、プロピレンに由来する単量体単位の含有量が50重量%以上である重合体を挙げることができ、具体的には、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体等を挙げることができる。また、これら重合体としては、ランダムタイプ、ブロックタイプ等広範な構造のものが使用可能である。
本発明の層〔II〕に用いられる結晶性プロピレン系重合体(B)の数平均分子量については、特に限定されないが、好ましくは10,000〜1,000,000の重合体が用いられる。
本発明の層〔II〕に用いられる結晶性プロピレン系重合体(B)の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体等の錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等が挙げられる。また、市販の該当品を用いることも可能である。
本発明の層〔II〕に用いられる非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)とは、α−オレフィンに由来する単量体単位を含有する重合体である。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)としては、得られる積層体の均一延伸性の観点から、好ましくは、炭素原子数2〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる2種以上のα−オレフィンであって、該α−オレフィンの炭素原子数の合計が6以上であるα−オレフィンの単量体単位を含有する共重合体である。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)が含有する炭素原子数2〜20のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状オレフィン等の鎖状オレフィンが挙げられ、これらの中から、炭素原子数の合計が6以上となるα−オレフィンが選択され用いられる。具体的な組み合わせとしては、例えば、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/1−ヘキセン、プロピレン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/1−ブテン、エチレン/プロピレン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン等の組み合わせが挙げられる。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)は、α−オレフィン以外の他の単量体単位を含有していてもよく、該単量体単位の単量体としては、環状オレフィン、ポリエン化合物、ビニル芳香族化合物を挙げることができる。
上記環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン等が挙げられる。
上記ポリエン化合物としては、二重結合間に単結合を1つ挟んだいわゆる共役ポリエン化合物や、それ以外の非共役ポリエン化合物が含まれる。共役ポリエン化合物としては、例えば、直鎖状脂肪族共役ポリエン化合物や分岐状脂肪族共役ポリエン化合物等の脂肪族共役ポリエン化合物、脂環式共役ポリエン化合物等が挙げられる。非共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環式非共役ポリエン化合物、芳香族非共役ポリエン化合物等が挙げられる。なお、これらポリエン化合物は、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等を含んでいてもよい。
ここで、脂肪族共役ポリエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3―ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、2,3−ジメチル−1,3−デカジエン等が挙げられる。また、脂環式共役ポリエン化合物としては、例えば、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メチル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエン等が挙げられる。
ここで、脂肪族非共役ポリエン化合物としては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3.3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1.6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエン等が挙げられる。また、脂環式非共役ポリエン化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、メチルテトラヒドロインデン等が挙げられる。一方、芳香族非共役ポリエン化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベンゼン等が挙げられる。
上記ビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノブロモスチレン、ジブロモスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン等が挙げられる。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)のエチレンに由来する単量体単位の含有量は60モル%以下である(ただし、該重合体全体を100モル%とする)。好ましくは40モル%以下であり、より好ましくは20モル%以下であり、更に好ましくは10モル%以下であり、特に好ましくは5モル%以下である。60モル%を超えると、均一延伸性が悪化する場合がある。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)の具体例としては、下記の(1)〜(15)の共重合体を挙げることができる。
(1)エチレン−1−ブテン共重合体等のエチレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンの共重合体
(2)エチレン−1−ブテン−2−メチル−1,3−ブタジエン共重合体等のエチレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとポリエン化合物の共重合体
(3)エチレン−1−ブテン−5−エチリデンノルボルネン共重合体等のエチレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合物の共重合体
(4)エチレン−1−ブテン−スチレン共重合体等のエチレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとビニル芳香族化合物の共重合体
(5)エチレン−1−ブテン−2−メチル−1,3−ブタジエン−スチレン共重合体等のエチレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとポリエン化合物とビニル芳香族化合物の共重合体
(6)エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体等のエチレンとプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンの共重合体
(7)エチレン−プロピレン−1−ブテン−2−メチル−1,3−ブタジエン共重合体等のエチレンとプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとポリエン化合物の共重合体
(8)エチレン−プロピレン−1−ブテン−5−エチリデンノルボルネン共重合体等のエチレンとプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合物の共重合体
(9)エチレン−プロピレン−1−ブテン−スチレン共重合体等のエチレンとプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとビニル芳香族化合物の共重合体
(10)エチレン−プロピレン−1−ブテン−2−メチル−1,3−ブタジエン−スチレン共重合体等のエチレンとプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとポリエン化合物とビニル芳香族化合物の共重合体
(11)プロピレン−1−ブテン共重合体等のプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンの共重合体
(12)プロピレン−1−ブテン−2−メチル−1,3−ブタジエン共重合体等のプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとポリエン化合物の共重合体
(13)プロピレン−1−ブテン−5−エチリデンノルボルネン共重合体等のプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンと環状オレフィン化合物の共重合体
(14)プロピレン−1−ブテン−スチレン共重合体等のプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとビニル芳香族化合物の共重合体
(15)プロピレン−1−ブテン−2−メチル−1,3−ブタジエン−スチレン共重合体等のプロピレンと炭素原子数4〜20のα−オレフィンとポリエン化合物とビニル芳香族化合物の共重合体
これらの共重合体の中では、得られるフィルムの均一延伸性の観点から、前記(1)、(6)、(11)の重合体が好ましく、(11)の重合体がより好ましい。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)は、分子量分布が3以下であり、好ましくは1.5以上3未満である。分子量分布が3を上回ると均一延伸性が悪化する場合がある。分子量分布は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)であり、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)により、標準ポリスチレンを分子量標準物質として測定される。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)は、示差走査熱量測定(DSC)によって、−50℃〜200℃の範囲で測定して得られる結晶融解熱量が30J/g以下であり、好ましくは20J/g以下であり、より好ましくは10J/g以下であり、更に好ましくは5J/g以下である。該結晶融解熱量が30J/gを上回ると均一延伸性が悪化する場合がある。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)は、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される結晶融解熱量が1J/g以上の融解ピーク、および結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークが、いずれも−100〜200℃の範囲に観測されない重合体が特に好ましい。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)の極限粘度[η]は特に限定されないが、得られるフィルムの均一延伸性の観点から、好ましくは0.1以上であり、より好ましくは0.5以上であり、更に好ましくは1.0以上であり、特に好ましくは1.5以上であり、最も好ましくは2以上である。また、押出加工性の観点から、好ましくは10以下であり、より好ましくは7以下であり、更に好ましくは5以下であり、特に好ましくは4以下である。なお、該極限粘度[η]の測定は、135℃テトラリン中でウベローデ粘度計を用いて行われる。
上記非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)は、公知のチーグラー・ナッタ型触媒または公知のシングルサイト触媒(メタロセン系等)を用いて製造することができるが、フィルムの柔軟性をより高める観点から、公知のシングルサイト触媒(メタロセン系等)が好ましく、かかるシングルサイト触媒としては、例えば、特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平10−508055号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報等に記載のメタロセン系触媒、特開平10−316710号公報、特開平11−100394号公報、特開平11−80228号公報、特開平11−80227号公報、特表平10−513489号公報、特開平10−338706号公報、特開表11−71420号公報等に記載の非メタロセン系の錯体触媒を挙げることができる。これらの中でも、入手容易性の観点から、メタロセン触媒が好ましく、その中でも好適なメタロセン触媒としては、例えば、シクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1個有し、C1対称構造を有する元素周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体が好ましい。また、メタロセン触媒を用いた製造方法の例として、欧州特許出願公開第1211287号明細書の方法を挙げることができる。
本発明の層〔II〕における成分(B)の含有量と成分(C)の含有量としては、得られる積層体の均一延伸性の観点から、成分(B)および成分(C)の合計を100重量%として、成分(B)の含有量が90〜55重量%であり、成分(C)の含有量が10〜45重量%である。好ましくは、成分(B)の含有量が85〜60重量%であり、成分(C)の含有量が15〜40重量%である。より好ましくは、成分(B)の含有量が80〜65重量%であり、成分(C)の含有量が20〜35重量%である。
本発明の層〔II〕には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて石油樹脂類を配合してもよい。石油樹脂類としては、前記、層〔I〕において例示した石油樹脂類を用いることができる。
前記石油樹脂類の中では、色相、臭気の点で、水素化ロジン、水素化テルペン樹脂、水素化系石油樹脂等の水素添加誘導体が好ましい。
本発明の層〔II〕には、本発明の目的を損なわない範囲で、例えば、トリミングロス等から発生する樹脂をブレンドしてリサイクル使用してもよい。
本発明の層〔II〕には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて各種添加剤や充填剤、例えば酸化防止剤、造核剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤等を含ませることができる。
本発明の積層体、および延伸フィルムまたは延伸シートの層構成順序は、例えば、層〔I〕/層〔II〕、層〔I〕/層〔II〕/層〔I〕、層〔II〕/層〔I〕/層〔II〕、層〔I〕/層〔II〕/層〔I〕/層〔II〕、層〔I〕/層〔II〕/層〔I〕/層〔II〕/層〔I〕、層〔II〕/層〔I〕/層〔II〕/層〔I〕/層〔II〕等が挙げられる。
本発明の積層体、および延伸フィルムまたは延伸シートの層構成順序は、ヒートシール性の観点から、少なくとも一方の表面層が層〔I〕であることが好ましい。
本発明の積層体、および延伸フィルムまたは延伸シートは、層〔I〕および層〔II〕をそれぞれ少なくとも1層有し、少なくとも2層からなる積層体であり、本発明の目的を損なわない範囲で、層〔I〕および層〔II〕以外の層〔III〕を有する多層フィルムであってもよい。層〔III〕としては、エチレン−α−オレフィン共重合体を除くオレフィン系樹脂を含有する層、ポリアミド樹脂を含有する層、ポリビニルアルコール樹脂を含有する層、ポリエステル樹脂を含有する層、接着性樹脂を含有する層、リサイクル樹脂を含有する層等を挙げることができる。
層〔I〕、層〔II〕、および前記層〔III〕の層構成順序としては、例えば、層〔I〕/層〔II〕/層〔III〕、層〔I〕/層〔III〕/層〔II〕、層〔II〕/層〔I〕/層〔III〕、層〔I〕/層〔II〕/層〔III〕/層〔I〕、層〔I〕/層〔II〕/層〔III〕/層〔II〕、層〔I〕/層〔II〕/層〔III〕/層〔II〕/層〔I〕、層〔I〕/層〔III〕/層〔II〕/層〔III〕/層〔I〕等が挙げられる。
本発明の積層体の総厚みは特に限定されるものではなく、任意に選択することができるが、好ましくは30μm〜10mm、より好ましくは60μm〜5mm、更に好ましくは100μm〜1mmである。
本発明の延伸フィルムの総厚みは特に限定されるものでなく、任意に選択することができるが、好ましくは1〜500μmであり、より好ましくは3〜300μm、更に好ましくは5〜100μmであり、特に好ましくは10〜50μmである。
本発明の延伸シートの総厚みは特に限定されるものでなく、任意に選択することができるが、好ましくは500μm〜5mmであり、より好ましくは1mm〜3mmである。
本発明の積層体、および延伸フィルムまたは延伸シートの総厚みに対する層〔I〕の厚み比率は、特に限定されるものでなく、任意に選択することができる。通常、層〔I〕の厚み比率は、総厚みに対して1〜99%であり、好ましくは5〜90%、より好ましくは10〜80%、更に好ましくは20〜70%である。
本発明の積層体、および延伸フィルムまたは延伸シートの総厚みに対する層〔II〕の厚み比率は、特に限定されるものでなく、任意に選択することができる。通常、層〔II〕の厚み比率は、総厚みに対して1〜99%であり、好ましくは5〜90%、より好ましくは10〜80%、更に好ましくは20〜70%である。
本発明の積層体、および延伸フィルムまたは延伸シートの層〔I〕と層〔II〕の厚み比率は、特に限定されるものでなく、任意に選択することができる。通常、層〔I〕/層〔II〕=1%/99%〜99%/1%であり、好ましくは5%/95%〜95%/5%であり、より好ましくは10%/90%〜90%/10%であり、更に好ましくは20%/80%〜80%〜20%であり、特に好ましくは30%/70%〜70%/30%である。
本発明の積層体の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等で製膜した層に他の層を熱貼合する方法や、各層を共押出した後、インフレーション法やTダイ法等で製膜する方法が挙げられる。
本発明の延伸フィルムまたは延伸シートは、積層体を少なくとも一軸方向に延伸することによって得られる。延伸方向は一軸であっても、二軸であってもよい。一軸延伸の場合は、例えば、通常用いられるロール延伸法が好ましい。また、二軸延伸の場合は、チューブラー延伸法やテンター延伸法等を用いて、例えば、一方向に延伸した後もう一方向に延伸を行う逐次延伸方式でもよく、二方向に同時延伸する方法でもよい。
本発明の延伸フィルムまたは延伸シートの延伸条件は、特に限定されるものではないが、均一延伸性の観点から、延伸温度として好ましくは常温から結晶性プロピレン系重合体(B)の融点以下であり、より好ましくは40〜150℃であり、更に好ましくは60〜130℃であり、特に好ましくは80℃〜110℃である。また、均一延伸性の観点から、延伸倍率はタテ方向およびヨコ方向ともに、2〜10倍であり、好ましくは2.5〜8倍であり、より好ましくは3〜6倍である。タテ方向、ヨコ方向の延伸倍率については、同じであっても異なっていてもよく、用途に応じて任意に選択することができる。また、延伸した後にヒートセットを行ってもよい。
本発明の延伸フィルムまたは延伸シートは熱収縮性を有する。熱収縮率として好ましくは、延伸フィルムまたは延伸シートを110℃のシリコーンオイル中に5秒間浸潰する測定において求められる熱収縮率が、少なくとも一軸方向の値が5%以上であり、より好ましくは10%以上であり、特に好ましくは15%以上である。
本発明の積層体、および延伸フィルムまたは延伸シートは、種々の用途に用いられるが、なかでもストレッチフィルムに好適に用いられ、該フィルムは、食品、パレット貨物、牧草、書籍、玩具等の包装に用いられるが、これらの中でも、青果物や鮮魚、鮮肉、惣菜等の食品や、書籍、文具、雑貨等を直接、またはプラスチックトレー等に載せて包装する食品包装用に好適に用いられる。
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明する。なお、物性の評価は、以下の方法により行った。
(1)非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)の単量体含有量
核磁気共鳴装置(Bruker社製 商品名AC−250)を用いて、1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトルの測定結果に基づき算出した。具体的には、13C−NMRスペクトルにおいて、プロピレン単量体単位由来のメチル炭素のスペクトル強度と1−ブテン単量体単位由来のメチル炭素のスペクトル強度との比からプロピレン単量体単位と1−ブテン単量体単位の組成比を算出し、次に、1H−NMRスペクトルにおいて、メチン単位とメチレン単位由来の水素のスペクトル強度とメチル単位由来の水素のスペクトル強度との比からエチレン単量体単位、プロピレン単量体単位および1−ブテン単量体単位の組成比を算出した。
(2)分子量分布測定
ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法を用い、下記の条件により測定を行った。
装置:Waters社製 150C ALC/GPC
カラム:昭和電工社製Shodex Packed ColumnA−80M 2本
温度 :140℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン
溶出溶媒流速:1.0ml/分
試料濃度:1mg/ml
測定注入量:400μl
分子量標準物質:標準ポリスチレン
検出器:示差屈折
(3)示差走査熱量測定(DSC)
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製DSC220C:入力補償DSC)を用い以下の条件で測定した。なお、測定の標準物質にはインジウムを用いた。
(i)試料約5mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後、5分間保持した。
(ii)次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後、5分間、保持した。
(iii)次いで、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温した。
(4)極限粘度[η]
135℃において、ウベローデ粘度計を用いて行った。テトラリン単位体積あたりの非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体の濃度cが、0.6、1.0、1.5mg/mlである非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体のテトラリン溶液を調製し、135℃における極限粘度を測定した。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた3回の値の平均値をその濃度での比粘度(ηsp)とし、ηsp/cのcをゼロ外挿した値を極限粘度[η]として求めた。
(5)メルトフローレート(MFR)
結晶性プロピレン系重合体(B)は、JIS K7210に従い、荷重21.18N、温度230℃の条件で測定を行った。
(6)均一延伸性
延伸フィルムまたは延伸シートの外観を下記基準で目視評価した。
○:延伸ムラが無い外観良好なフィルムまたはシートが得られた。
△:延伸ムラがあり、外観が不良なフィルムまたはシートが得られた。
×:延伸ムラがあり、外観が著しく不良なフィルムまたはシートが得られた。
(7)ヒートシール性
2枚の試料フィルムを重ね合わせ、テスター産業(株)製のヒートシーラー機を用い、シール温度:90℃、シール面圧力:0.098MPa、シール時間:0.5秒、シール幅:10mm、シール長さ15mmの条件でヒートシールを行った。そして、引張試験機を用いて、200mm/分の速度でヒートシール部の幅方向に剥離するように引張り、その際生じる最大荷量をヒートシール強度(N/15mm幅)とした。
<実施例1>
[1]非晶性α−オレフィン系重合体の製造、評価
攪拌機を備えた100LのSUS製重合器中で、プロピレンと1−ブテンを、分子量調節剤として水素を用い、以下の方法で連続的に共重合させて、プロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
重合器の下部から、重合溶媒としてのヘキサンを100L/時間の供給速度で、プロピレンを24.00kg/時間の供給速度で、1−ブテンを1.81kg/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
重合器の上部から、重合器中の反応混合物が100Lの量を保持するように、反応混合物を連続的に抜き出し、重合器の下部から、重合触媒の成分として、ジメチルシリレン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを0.005g/時間の供給速度で、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.298g/時間の供給速度で、トリイソブチルアルミニウムを2.315g/時間の供給速度で、それぞれ連続的に供給した。
共重合反応は、重合器の外部に取り付けられたジャケットに冷却水を循環させることによって、45℃で行った。
重合器の上部から連続的に抜き出された反応混合物に少量のエタノールを添加して重合反応を停止させた後、脱モノマーおよび水洗浄をし、次いで、大量の水中でスチームによって溶媒を除去することによって、プロピレン−1−ブテン共重合体を得、これを80℃で1昼夜減圧乾燥した。該共重合体の生成速度は7.10kg/時間であった。該重合体(以下、重合体(C−1)と称する。)の物性評価結果を表1に示す。
Figure 2007030445
[2]フィルムの製造、評価
(1)樹脂組成物(D−1)の調製
結晶性プロピレン系重合体(A)である結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学(株)製「ノーブレンFS2011DG2」、MFR(温度230℃、荷重21.18N)=2.5g/10分、融解主ピーク温度=158℃)80重量%と、非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)である重合体(C−1)20重量%とを、2軸混練押出機によって220℃で溶融押出し、更にペレタイザーを用いて造粒することにより、樹脂組成物(D−1)を調製した。
(2)フィルムの製造
層〔I〕用樹脂組成物としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(住友化学(株)製「エバテートH2021F」、エチレンに由来する単量体単位の含有量=85重量%、MFR(温度190℃、21.18N)=2g/10分、デュロメーターA硬さ=92)を用い、層〔II〕用樹脂組成物として樹脂組成物(D−1)を用い、それぞれ(株)田辺プラスチックス機械(株)製3層シート加工機に備えられた1台の層〔I〕用押出機および1台の層〔II〕用押出機に供給して、押出機シリンダー温度230℃、ダイス温度230℃で加工することにより、層構成順序が層〔I〕/層〔II〕/層〔I〕であり、厚み構成比が層〔I〕/層〔II〕/層〔I〕の順に25%/50%/25%であり、総厚み160μmの積層体を製造した。この積層体から積層体引取方向(タテ)×積層体幅方向(ヨコ)=92mm×92mmの試験片を採取し、下記に示した延伸条件で延伸を行い、総厚み16μmの2軸延伸フィルムを得た。
<延伸条件>
延伸機:東洋精機(株)製卓上2軸延伸機
予熱温度:90℃
延伸温度:90℃
予熱時間:3分間
延伸倍率:タテ×ヨコ=3.3倍×3.3倍
延伸速度:5m/分
得られたフィルムの諸特性値を表2に示す。
<比較例1>
層〔II〕用樹脂組成物として、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学(株)製「ノーブレンFS2011DG2」)のみを用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの諸特性値を表2に示す。
<比較例2>
層〔II〕用樹脂組成物として、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学(株)製「ノーブレンFS2011DG2」)95重量%と、重合体(C−1)5重量%とを、2軸混練押出機によって220℃で溶融押出し、更にペレタイザーを用いて造粒することにより調製した樹脂組成物(D−2)を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの諸特性値を表2に示す。
<比較例3>
層〔II〕用樹脂組成物として、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学(株)製「ノーブレンFS2011DG2」)50重量%と、重合体(C−1)50重量%とを、2軸混練押出機によって220℃で溶融押出し、更にペレタイザーを用いて造粒することにより調製した樹脂組成物(D−3)を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの諸特性値を表2に示す。
<比較例4>
層〔II〕用樹脂組成物として、結晶性プロピレン−エチレンランダム共重合体(住友化学(株)製「ノーブレンFS2011DG2」)80重量%と、非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)として宇部レキセン(株)製「ウベタックUT2780」)20重量%と、バンバリー混練機によって220℃で溶融混練後、圧着ロールに通してシートとし、更にペレタイザーを用いて造粒することにより調製した樹脂組成物(D−4)を用いる以外は、実施例1と同様に行った。得られたフィルムの諸特性値を表2に示す。
Figure 2007030445

Claims (6)

  1. 下記層〔I〕および層〔II〕をそれぞれ少なくとも1層有し、少なくとも2層からなる積層体。
    層〔I〕:エチレンとエチレン系不飽和エステルとの共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸無水物との共重合体、エチレンと不飽和カルボン酸無水物との共重合体の金属塩からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン系共重合体(A)
    層〔II〕:結晶性プロピレン系重合体(B)90〜55重量%と、下記要件(c1)、(c2)および(c3)を満たす非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)10〜45重量%を含有する樹脂組成物(D)(ただし、該樹脂組成物(D)全体を100重量%とする。)
    (c1)エチレンに由来する単量体単位の含有量が60モル%以下であること(ただし、該重合体全体を100モル%とする)。
    (c2)分子量分布が3以下であること。
    (c3)示差走査熱量測定(DSC)によって、−50℃〜200℃の範囲で測定して得られる結晶融解熱量が30J/g以下であること。
  2. 請求項1記載の非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)の、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される結晶融解熱量が1J/g以上の融解ピーク、および結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークが、いずれも−100〜200℃の範囲に観測されない重合体である請求項1に記載の積層体。
  3. 請求項1記載の非晶性または低結晶性α−オレフィン系重合体(C)の極限粘度が0.1〜10dl/gである請求項1または2に記載の積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体を延伸してなる延伸フィルムまたは延伸シート。
  5. 熱収縮性を有する請求項4に記載の延伸フィルムまたは延伸シート。
  6. 食品包装用である請求項1〜3のいずれかに記載の積層体、および請求項4または5に記載の延伸フィルムまたは延伸シート。
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