JP2003226853A - 粘着剤 - Google Patents

粘着剤

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JP2003226853A
JP2003226853A JP2002027905A JP2002027905A JP2003226853A JP 2003226853 A JP2003226853 A JP 2003226853A JP 2002027905 A JP2002027905 A JP 2002027905A JP 2002027905 A JP2002027905 A JP 2002027905A JP 2003226853 A JP2003226853 A JP 2003226853A
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jis
pressure
copolymer
measurement
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JP2002027905A
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Tadaaki Nishiyama
忠明 西山
Hirobumi Johoji
博文 常法寺
Hidetake Hozumi
英威 穂積
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた粘着性を示す共重合体む多層ペレット
を必須として構成される粘着剤としての用途等。 【解決手段】 下記(i)を鞘とし、下記(ii)を芯
とする形状を有する多層ペレットからなる粘着剤。 (i):結晶性ポリオレフィン樹脂 (ii):エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフ
ィンからなる群から選ばれる少なくとも2種類のオレフ
ィンの重合単位を含み、かつ、下記(a)および(b)
を充足するオレフィン共重合体 (a)該オレフィン共重合体は、JIS K 7122
に従う示差走査熱量測定において、結晶融解熱量が1J
/g以上のピーク、及び、結晶化熱量が1J/g以上の
ピ−クのいずれのピークも有しない。 (b)該オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/M
n)は3以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた粘着性を示
す特定の共重合体を含んでなる多層ペレットを必須とし
て構成される粘着剤としての用途、該粘着剤を粘着層と
して構成される粘着シートまたは粘着フィルム、および
該粘着剤を用いることにより製造工程が簡略化された粘
着シートまたは粘着フィルムの製造方法に関する。たと
えば、合成樹脂板、化粧合板、金属板、塗装鋼板などの
表面に粘着して、塵の付着や傷つきがないように、その
表面を保護するために使用される粘着フィルム、あるい
は自動車などの焼き付け塗装時のマスキングテープや、
プリント基板のハンダ浸漬時のマスキングテープ用など
をはじめとした粘着シートやフィルム類などの粘着剤用
途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、被被覆体の表面保護を目的と
した粘着シート又はフィルムは、建築資材や電気、電子
製品、自動車等の加工、保管、輸送時にもちいられてお
り、このような粘着シート又はフィルムは、良好な粘着
性を有するとともに、使用後は、各表面を粘着剤で汚染
することなく容易に引き剥がすことができなければなら
ない。近年、可塑化塩化ビニル樹脂を基材とした粘着シ
ート又はフィルムに替わって、ポリオレフィン系樹脂を
基材とした粘着シート又はフィルムが使用されるように
なってきた。が、これらのポリオレフィン系樹脂を基材
とした粘着シート又はフィルムは、主としてEVA、低
密度ポリエチレン等の低結晶性又は非晶質の粘着層やS
IS、SEBS等のエラストマーからなる粘着層を基材
と共押出によって一体に形成されたものが使用されてい
る。しかしながら、上記の粘着シート又はフィルムは、
高温環境下に置かれると、経時変化をおこし、そのため
粘着力が上昇して被被覆体からの剥離が困難となった
り、粘着剤が残存するなどの問題があった。また、使用
温度範囲に係らず低温環境下や高温環境下でも極端な経
時変化することなく好適な粘着性を維持し、使用後の被
被覆体表面を汚染することなく剥離性に優れた粘着剤と
して、特開平2001−146580号公報には、特定
のオレフィン系共重合体による粘着剤が開示されてい
る。しかしながら、このようなオレフィン系共重合体
は、それ自身の性質上粘着性が強く、少しの荷重で互着
しペレット等の小塊の形状を長期間維持できない。その
ため、輸送や計量などの取り扱い及び作業性が極めて悪
かった。
【0003】かかる問題を解決する方法としては、例え
ば特定のオレフィン共重合体およびポリオレフィン樹脂
からなる樹脂組成物ペレットが、特開2000−729
23号公報に開示されている。しかしながらこの方法で
は、樹脂組成物中のポリオレフィン樹脂量が低下する
と、ペレット互着頻度が高くなり、高度な粘着力を要求
される用途には適さない場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況の下、本発
明の解決しようとする課題は、優れた粘着性を示す特定
の共重合体を含んでなる多層ペレットを必須として構成
される粘着剤としての用途、該粘着剤を粘着層として構
成される粘着シートまたは粘着フィルムを提案すること
にある。詳しくは、有機溶剤を用いないで粘着もしくは
接着し、接合体の置かれる環境温度に係らず低温環境下
や高温環境下でも極端な経時変化することなく、好適な
粘着性を維持する粘着剤に関するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記(i)を鞘とし、下記(ii)を芯とする形状を有す
る多層ペレットからなる粘着剤に係るものである。 (i):結晶性ポリオレフィン樹脂 (ii):エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフ
ィンからなる群から選ばれる少なくとも2種類のオレフ
ィンの重合単位を含み、かつ、下記(a)および(b)
を充足するオレフィン共重合体 (a)該オレフィン共重合体は、JIS K 7122
に従う示差走査熱量測定において、結晶融解熱量が1J
/g以上のピーク、及び、結晶化熱量が1J/g以上の
ピ−クのいずれのピークも有しない。 (b)該オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/M
n)は3以下である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の成分(i)は、結晶性ポ
リオレフィン樹脂である。
【0007】(i)としてたとえば高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン系
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−
アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹
脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、エ
チレン−アクリル酸エステル−アクリル酸グリシジルエ
ステル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル−
メタクリル酸グリシジルエステル共重合体樹脂、エチレ
ン−メタクリル酸エステル−アクリル酸グリシジルエス
テル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル−
メタクリル酸グリシジルエステル共重合体樹脂、エチレ
ン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体樹
脂、エチレン−メタクリル酸エステル−無水マレイン酸
共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹
脂、ポリ−4−メチル−ペンテン−1系樹脂、エチレン
−スチレン共重合体樹脂、ポリノルボルネン樹脂、エチ
レン−環状オレフィン共重合体樹脂等があげられ、なか
でもエチレン共重合体樹脂やポリプロピレン系樹脂が好
ましい。
【0008】本発明の組成物に使用される場合のポリプ
ロピレン系樹脂は、結晶性ポリプロピレン系樹脂であ
り、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと少量
のα−オレフィンおよび/またはエチレンとのランダム
又はブロック共重合体である。前記ポリプロピレン系樹
脂が共重合体である場合には、ランダム共重合体の場
合、該共重合体中の他のα−オレフィンおよび/または
エチレンの共重合割合は、一般に合計で10重量%以下
好ましくは0.5〜7重量%であり、ブロック共重合体
の場合、該共重合体中の他のα−オレフィンおよび/ま
たはエチレンの共重合割合は一般に1〜40重量%、好
ましくは1〜25重量%、更には2〜20重量%、特に
好ましくは3〜15重量%である。これらのポリプロピ
レン系重合体は、2種以上の重合体を併用したものであ
ってもよい。ポリプロピレンの結晶性の指標としては例
えば、融点、結晶融解熱量などが用いられ、融点は12
0℃〜176℃、結晶融解熱量は60J/g〜120J
/gの範囲にあることが好ましい。結晶の融点が低すぎ
るもしくは融解熱量が低すぎると、それを含有する粘着
剤の高温環境下における粘着力が低下することがある。
【0009】該ポリプロピレン系樹脂は、気相重合法、
バルク重合法、溶媒重合法及び任意にそれらを組み合わ
せて多段重合を採用することができ、また、重合体の数
平均分子量についても特に制限はないが、好ましくは1
0,000〜1,000,000に調整される。
【0010】なお、(i)としては、該当する市販品を
用いることができ、2種類以上の(i)を併用してもよ
い。
【0011】本発明の成分(ii)は、エチレンおよび
炭素数3〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれ
る少なくとも2種類のオレフィンの重合単位を含み、か
つ、下記(a)および(b)を充足するオレフィン共重
合体である。 (a)該オレフィン共重合体は、JIS K 7122
に従う示差走査熱量測定において、結晶融解熱量が1J
/g以上のピーク、及び、結晶化熱量が1J/g以上の
ピ−クのいずれのピークも有しない。 (b)該オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/M
n)は3以下である。
【0012】成分(ii)は、エチレンおよび炭素数3
〜20のα−オレフィンからなる群から選ばれる少なく
とも2種類のオレフィンの重合単位(以下、「オレフィ
ン単位」のように言う)を含む共重合体を意味する。
【0013】炭素数4〜20のα−オレフィンとして
は、直鎖状及び分岐状のα−オレフィンが含まれ、具体
的には、直鎖状のα−オレフィンとしては、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オ
クテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1
−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−
ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、
1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等
が例示され、分岐状のα−オレフィンとしては、3−メ
チル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,
2,4−トリメチル−1−ペンテン等が例示される。
【0014】成分(ii)は、エチレン、プロピレン及
び炭素数4〜20のα−オレフィンからなる群から選ば
れた二種以上のオレフィン以外に任意のモノマーを共重
合していてもよく、任意のモノマーの一例として、環状
オレフィン、ポリエン化合物、ビニル芳香族化合物をあ
げることができる。ここで、上記、「二種以上のオレフ
ィン」と「環状オレフィン」は、相互に異なる概念であ
る。
【0015】環状オレフィンとしては、たとえば、ノル
ボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボ
ルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチル
ノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノ
ルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5
−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、
5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネ
ン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−
ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペン
タジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロ
ノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6
−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネ
ン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノル
ボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハ
イドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シ
アノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロ
ペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチ
ルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、
3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチ
ルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4
−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセ
ン、シクロへプテン等が例示される。
【0016】ポリエン化合物としては、二重結合間に単
結合を1つ挟んだいわゆる共役ポリエン化合物や、それ
以外の非共役ポリエン化合物が含まれる。共役ポリエン
化合物としては、脂肪族共役ポリエン化合物及び脂環族
共役ポリエン化合物等があげられる。脂肪族共役ポリエ
ン化合物としては直鎖状脂肪族共役ポリエン化合物及
び、分岐状脂肪族共役ポリエン化合物が含まれる。ま
た、脂肪族共役ポリエン化合物及び脂環族共役ポリエン
化合物は、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ
基、アラルキル基、アラルキルオキシ基等を含んでいて
もよい。脂肪族共役ポリエン化合物としては、たとえ
ば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−
1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3―ブタジエ
ン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキ
シル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−
1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジ
エン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメ
チル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,
3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−デカジエン等が例
示される。脂環族共役ポリエン化合物としては、たとえ
ば、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メ
チル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル
−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−
1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブ
タジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1
−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3
−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジ
エン、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエン等が例
示される。
【0017】非共役ポリエン化合物としては、脂肪族非
共役ポリエン化合物、脂環族非共役ポリエン化合物及び
芳香族非共役ポリエン化合物等があげられる。脂肪族非
共役ポリエン化合物としては直鎖状脂肪族非共役ポリエ
ン化合物及び分岐状脂肪族非共役ポリエン化合物が含ま
れる。また、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環族非共
役ポリエン化合物及び芳香族非共役ポリエン化合物は、
アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラル
キル基、アラルキルオキシ基等を含んでいてもよい。脂
肪族非共役ポリエン化合物のとしては、たとえば、1,
4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘ
プタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジ
エン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,
13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、
3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,
4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−
1,5−ヘキサジエン、3.3−ジメチル−1,4−ヘ
キサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエ
ン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−
1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジ
エン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル
−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタ
ジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−
ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6
−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、
5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,
4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエ
ン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−
1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジ
エン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル
−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタ
ジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロ
ピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1.6−オ
クタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メ
チル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナ
ジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル
−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエ
ン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−
1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエ
ン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−
1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエ
ン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−
1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエ
ン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−
1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエ
ン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−
1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエ
ン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−
1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエ
ン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−
1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエ
ン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−
1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエ
ン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−
1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジ
エン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10
−ジメチル1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジ
メチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン8
−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メ
チル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,1
3−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエ
ン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキ
サデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,
11−ペンタデカジエン等が例示される。脂環族非共役
ポリエン化合物としては、たとえば、ビニルシクロヘキ
セン、5−ビニル2−ノルボルネン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、
5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサ
ジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、
2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノル
ボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエ
ン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、
2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボル
ネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノ
ルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3
−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペ
ンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル
−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロ
ヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、
1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イ
ソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4
−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビ
ニルシクロペンタン、メチルテトラヒドロインデン等が
例示される。芳香族非共役ポリエン化合物としては、た
とえば、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベン
ゼン等があげられる。
【0018】ビニル芳香族化合物としては、たとえばス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビ
ニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレ
ン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロ
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチ
レン、ビニルナフタレン等が例示される。
【0019】成分(ii)として、得られる粘着剤の粘
着力の安定性の観点から、下記(1)〜(24)の重合
体が好ましい。 (1)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα
−オレフィン、並びに任意に、ポリエン化合物、環状オ
レフィン化合物およびビニル芳香族化合物からなる群か
ら選択される少なくとも1種の化合物を共重合して得ら
れるオレフィン重合体。 (2)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20のα
−オレフィン、並びに任意に、ポリエン化合物、環状オ
レフィン化合物およびビニル芳香族化合物からなる群か
ら選択される少なくとも1種の化合物を共重合して得ら
れるオレフィン重合体。 (3)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素数
4〜20のα−オレフィン、並びに任意に、ポリエン化
合物、環状オレフィン化合物およびビニル芳香族化合物
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を共
重合して得られるオレフィン重合体。 (4)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20の
α−オレフィン、並びに任意に、ポリエン化合物、環状
オレフィン化合物およびビニル芳香族化合物からなる群
から選択される少なくとも1種の化合物を共重合して得
られるオレフィン重合体。 (5)エチレンと、少なくとも1種の炭素数3〜20の
α−オレフィンとを共重合して得られるオレフィン重合
体。 (6)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα
−オレフィン、及び少なくとも1種のポリエン化合物を
共重合して得られるオレフィン重合体。 (7)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα
−オレフィン、及び少なくとも1種の環状オレフィン化
合物を共重合して得られるオレフィン重合体。 (8)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα
−オレフィン、及び少なくとも1種のビニル芳香族化合
物を共重合して得られるオレフィン重合体。 (9)エチレン、少なくとも1種の炭素数3〜20のα
−オレフィン、少なくとも1種のポリエン化合物、およ
び少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して得
られるオレフィン重合体。 (10)エチレン及び少なくとも1種の炭素数4〜20
のα−オレフィンを共重合して得られるオレフィン重合
体。 (11)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20の
α−オレフィン、及び少なくとも1種のポリエン化合物
を共重合して得られるオレフィン重合体。 (12)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20の
α−オレフィン及び少なくとも1種の環状オレフィン化
合物を共重合して得られるオレフィン重合体。 (13)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20の
α−オレフィン及び少なくとも1種のビニル芳香族化合
物を共重合して得られるオレフィン重合体。 (14)エチレン、少なくとも1種の炭素数4〜20の
α−オレフィン、少なくとも1種のポリエン化合物、及
び、少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合して
得られるオレフィン重合体。 (15)エチレン、プロピレン及び少なくとも1種の炭
素数4〜20のα−オレフィンを共重合して得られるオ
レフィン重合体。 (16)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素
数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種のポリ
エン化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。 (17)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素
数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種の環状
オレフィン化合物を共重合して得られるオレフィン重合
体。 (18)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素
数4〜20のα−オレフィン及び少なくとも1種のビニ
ル芳香族化合物を共重合して得られるオレフィン重合
体。 (19)エチレン、プロピレン、少なくとも1種の炭素
数4〜20のα−オレフィン、少なくとも1種のポリエ
ン化合物及び少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共
重合して得られるオレフィン重合体。 (20)プロピレン、及び、少なくとも1種の炭素数4
〜20のα−オレフィンを共重合して得られるオレフィ
ン重合体。 (21)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20
のα−オレフィン及び少なくとも1種のポリエン化合物
を共重合して得られるオレフィン重合体。 (22)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20
のα−オレフィン及び少なくとも1種の環状オレフィン
化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。 (23)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20
のα−オレフィン、及び、少なくとも1種のビニル芳香
族化合物を共重合して得られるオレフィン重合体。 (24)プロピレン、少なくとも1種の炭素数4〜20
のα−オレフィン、少なくとも1種のポリエン化合物、
及び、少なくとも1種のビニル芳香族化合物を共重合し
て得られるオレフィン重合体。
【0020】上記重合体(1)〜(24)の中、得られ
る粘着剤の特に低温下における粘着力の安定性の観点か
ら、重合体(1)、(2)および(3)が好ましく、耐
候性の観点から重合体(5)、(10)、(15)およ
び(20)が好ましい。
【0021】本発明の粘着剤の低温下での粘着力の安定
性の観点から、成分(ii)はJIS K 7122に
従う示差走査熱量測定において、結晶融解熱量が1J/
g以上のピーク、好ましくは0.5J/g以上のピー
ク、及び、結晶化熱量が1J/g以上のピーク、好まし
くは0.5J/g以上のピークのいずれのピークも有し
ない共重合体である。
【0022】成分(ii)の分子量分布(Mw/Mn)
は、得られる粘着剤の特に高温下での粘着力および、被
着体表面への粘着剤の残り難さの観点から3以下、好ま
しくは2.8以下、より好ましくは2.5以下である。分
子量分布はゲルパーミエイションクロマトグラフ(GP
C)法(たとえば、Waters社製、150C/GP
C装置)により測定される。溶出温度は140℃、使用
カラムは、たとえば昭和電工社製Shodex Pac
ked ColumnA−80M、分子量標準物質はポ
リスチレン(たとえば、東ソー社製、分子量68−8,
400,000)を用いる。得られたポリスチレン換算
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、更に
この比(Mw/Mn)を分子量分布とする。測定サンプ
ルは約5mgの重合体を5mlのo−ジクロロベンゼン
に溶解、約1mg/mlの濃度とする。得られたサンプ
ル溶液の400μlをインジェクションし、溶出溶媒流
速は1.0ml/minとし、屈折率検出器にて検出す
る。
【0023】成分(ii)の極限粘度[η]は、得られ
る粘着剤の粘着力・被着体表面への粘着剤の残り難さ・
高温下での粘着力の観点から、好ましくは0.5〜10
dl/g、より好ましくは1.0〜8.0dl/g、更に
好ましくは1.3〜6.0dl/gである。極限粘度
[η]の測定は、135℃テトラリン中でウベローデ粘
度計を用いて行う。サンプルは300mgを100ml
テトラリンに溶解し、3mg/mlの溶液を調製した。
更に当該溶液を1/2、1/3、1/5に希釈し、それ
ぞれを135℃(±0.1℃)の恒温油槽中で測定す
る。それぞれの濃度で3回繰り返し測定し、得られた値
を平均して用いる。
【0024】本発明の粘着剤を用いて得られる製品の柔
軟性や粘着力の安定性の観点から、成分(ii)とし
て、下式(1)で定義されるXが0.020以上、好ま
しくは0.030以上、より好ましくは0.040以
上、更に好ましくは0.050以上、特に好ましくは
0.060以上であることを満足するオレフィン共重合
体が好ましい。 X = [A (T2M) - A (T2C)] / [|(T2A - T2B)|] (1)
【0025】また、本発明の粘着剤を用いて得られる製
品の粘着力の安定性および粘着力の制御性の観点から、
成分(ii)の上式(1)で定義されるXが0.400
以下、好ましくは0.380以下、より好ましくは0.
360以下、更に好ましくは0.340以下、特に好ま
しくは0.320以下、最も好ましくは0.300以下
であることを満足するオレフィン共重合体が好ましい。
【0026】さらに、本発明の粘着剤を用いて得られる
製品の耐熱形状保持性や高引張伸び特性の観点から、成
分(ii)の上式(1)で定義されるXが0.250以
下、好ましくは0.200以下、より好ましくは0.1
50以下であることを満足するオレフィン共重合体が好
ましい。
【0027】式(1)のA(T2M)、A(T2C)、
T2AおよびT2Bは、(1)本発明で使用されるオレ
フィン共重合体、(2)下記(A)〜(C)からなる群
から選ばれる1種のポリプロピレン樹脂および(3)該
オレフィン共重合体と、下記(A)〜(C)からなる群
から選ばれる1種のポリプロピレン樹脂とからなる樹脂
組成物のパルスNMRの測定結果を用いて得られる数値
である。ここで、該樹脂組成物として、該オレフィン共
重合体/該ポリプロピレン樹脂なる重量比がそれぞれ、
20/80、40/60、60/40及び80
/20の樹脂組成物を使用する。該樹脂組成物は、オレ
フィン共重合体とポリプロピレン樹脂とを、ラバーミ
ル、ブラベンダーミキサー、バンバリーミキサー、加圧
ニーダー、ルーダーおよび二軸押出機のような通常の混
練り装置で混練することによって調製される。混練り温
度は、オレフィン共重合体およびポリプロピレンが溶融
する温度であり、通常160〜250℃、好ましくは1
80〜240℃である。得られる樹脂組成物は、JIS
K 6758に従った方法で所定の厚さにプレス成形さ
れ、試験片して用いられる。 (A)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
ローレートが12.0±3.0g/10分、JIS K
7121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して
得られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が
160±3℃、JIS K 7122に従って示差走査熱
量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が1
00±5J/gであるプロピレン重合体。 (B)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
ローレートが3.0±0.5g/10分、JIS K 7
121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得
られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が1
45±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量
計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が87
±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。 (C)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
ローレートが1.0±0.6g/10分、JIS K 7
121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得
られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が1
35±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量
計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が60
±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。
【0028】上記の示差走査熱量計の測定に用いられる
試料は、JIS K 7121の「第3項(2)試験片
の状態調節:一定の熱処理を行った後、融解温度を測定
する場合」に記載された方法に従って調整される。
【0029】上記のA(T2M)およびA(T2C)の
それぞれは、オレフィン共重合体、ポリプロピレン樹脂
および樹脂組成物のそれぞれのT2緩和時間を縦軸にプ
ロットし、樹脂組成物中のオレフィン共重合体の重量分
率Paを横軸にプロットして得られる曲線を、Pa=0
〜1の範囲で定積分して得られる値である。ここで、A
(T2M)は、オレフィン共重合体、ポリプロピレン樹
脂および重量分率Paが異なる樹脂組成物のT2緩和時
間(T2緩和時間の実測値=T2M(Pa))を縦軸に
プロットし、その3次回帰式から求めた重回帰式に基づ
く曲線について計算された値であり;A(T2C)は、
ポリプロピレン樹脂のパルスNMR測定から得られるT
2緩和時間であるT2Aと、オレフィン共重合体のパル
スNMR測定から得られるT2緩和時間であるT2Bと
を用いて、下式(2)から求められるT2緩和時間(T
2緩和時間の計算値=T2C(Pa))を縦軸にプロッ
トし、その3次回帰から求めた重回帰式に基づく曲線に
ついて計算された値である。
【0030】下式(2)のPvA(Pa)は、下式
(3)で定義される数値である。下式(3)のVAおよ
びVC(Pa)のそれぞれは、ポリプロピレン樹脂およ
び組成の異なる樹脂組成物のそれぞれの、パルスNMR
測定から得られる自由誘導減衰(FID)における、7
0〜150μ秒の範囲に観測される成分の体積分率であ
る。 T2C(Pa) = 1/[PvA(Pa)/T2A + (1 - PvA(Pa))/T2B] (2) PvA(Pa) = VA×(1-Pa)/VC(Pa) (3)
【0031】また、上記全てのT2緩和時間として、自
由誘導減衰(FID)における70〜150μ秒の範囲
から求められる値を採用する。
【0032】パルスNMR測定から得られるT2緩和時
間は、スピン−スピン緩和時間または横緩和時間と呼ば
れる。一般に、単一の90°パルス後に生じる自由誘導
減衰(FID:Free Induction Dec
ay)はexp(−t/T2)に従って減衰するので、
これからT2緩和時間であるT2を求めることができ
る。パルスNMRによるスピン―スピン緩和時間の測定
方法として、西等のJ.Chem.Phys.82、43
27(1985)に記載された方法を例示することがで
きる。
【0033】なお、本発明においてXは、樹脂組成物中
に含まれるポリプロピレン樹脂とオレフィン共重合体の
相互侵入程度を評価するためのパラメーターであり、こ
の時のXの算出に使用されるT2緩和時間は、自由誘導
減衰(FID)における70〜150μ秒の範囲から求
められる値を採用する。すなわち、得られる自由誘導減
衰(FID)データのうち、70〜150μ秒の範囲の
減衰時間tと巨視的磁化M(t)値とを抽出し、tを横
軸とし、M(t)の自然対数値(ln(M(t))を縦
軸として最小二乗法でその関係を直線近似し、得られた
直線の傾きの絶対値の逆数をT2緩和時間とする。
【0034】また、A(T2M)およびA(T2C)の
算出に使用される重回帰式は、上記樹脂組成物中のオレ
フィン共重合体の重量分率Paとして、0、0.2、
0.4、0.6、0.8および1の6点の値を使用して
算出する。
【0035】上式(2)のPvA(Pa)は、樹脂組成
物のパルスNMR測定から得られる自由誘導減衰(FI
D)における、70〜150μ秒の範囲に観測される成
分中に占めるポリプロピレン樹脂成分の体積分率であ
り、上式(3)で求められる。
【0036】上式(3)のVAおよびVC(Pa)のそ
れぞれは、ポリプロピレン樹脂および組成の異なる樹脂
組成物のそれぞれの、パルスNMR測定により得られる
自由誘導減衰(FID)における、70〜150μ秒の
範囲に観測される成分の体積分率である。ここで、Pa
=0のときのVC(Pa)は、ポリプロピレン樹脂につ
いての値であり、VC(0)=VAである。
【0037】自由誘導減衰(FID)における70〜1
50μ秒の範囲に観測される成分の体積分率は、0〜
70μ秒、70〜150μ秒および150〜μ秒の
それぞれの範囲に観測される成分の体積分率から算出す
る。より具体的には、自由誘導減衰(FID)のデータ
から、0〜70μ秒の範囲に含まれる最大の巨視的磁
化M(t)(M(t)max)、70μ秒のM(t)
(M(70))および150μ秒のM(t)(M(1
50))のそれぞれを抽出し、[M(70)−M(15
0)]/M(t)maxの計算式から求める。
【0038】本発明においては、上記樹脂組成物中のポ
リプロピレン樹脂に由来する自由誘導減衰(FID)に
おける、70〜150μ秒の範囲に観測される成分量
は、ポリプロピレン樹脂成分が減少するにつれて直線的
に減少すると仮定する。上式(3)の右辺の分子(VA
×(1−Pa))はそれを表したものである。上式
(3)によって、つまり、組成の異なる樹脂組成物のそ
れぞれのVA×(1−Pa)(分子)を、各組成におけ
るVC(Pa)(分母)で除算することによって、「自
由誘導減衰(FID)における70〜150μ秒の範囲
に観測される全成分」に占める、「ポリプロピレン樹脂
由来の成分の体積PvA(Pa)」を求めることができ
る。
【0039】上式(2)のT2C(Pa)(左辺)は、
「自由誘導減衰(FID)における、70〜150μ秒
の範囲に観測される成分中に占めるポリプロピレン樹脂
由来成分およびポリオレフィン共重合体由来成分は特定
の状態にある」と仮定した場合の組成物のT2緩和時間
(計算値)である。同式右辺において、PvA(Pa)
は、ポリプロピレン樹脂成分に由来する体積分率;T2
Aは、ポリプロピレン樹脂成分に基づくT2緩和時間;
(1−PvA(Pa))は、ポリオレフィン共重合体成
分に由来する体積分率;T2Bは、ポリオレフィン共重
合体成分に基づくT2緩和時間、である。
【0040】本発明の粘着剤を用いて得られる製品の粘
着力の安定性及び、被着体表面の非汚染性の観点から、
成分(ii)は、下記式(4)で定義される弾性回復率
が70〜100%、好ましくは72〜100%、より好
ましくは74〜100%、更に好ましくは76〜100
%、特に好ましくは78〜100%、最も好ましくは8
0〜100%であるオレフィン共重合体が好ましい。 弾性回復率S(%)=応力残留変形回復量×100/伸張変形量 (4)
【0041】式(4)中、応力残留変形回復量および伸
張変形量は、該オレフィン共重合体70重量部と、下記
(B)〜(C)からなる群から選ばれる1種のポリプロ
ピレン樹脂30重量部とからなる樹脂組成物の、100
%伸張ヒステリシス曲線から得られる応力残留変形回復
量および伸張変形量であり、少なくとも1つの樹脂組成
物が上記要件を満たすものとする。 (B)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
ローレートが3.0±0.5g/10分、JIS K 7
121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得
られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が1
45±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量
計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が87
±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。 (C)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
ローレートが1.0±0.6g/10分、JIS K 7
121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得
られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が1
35±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量
計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が60
±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。
【0042】上記の示差走査熱量計の測定に用いられる
試料は、JIS K 7121の「第3項(2)試験片
の状態調節:一定の熱処理を行った後、融解温度を測定
する場合」に記載された方法に従って調整される。
【0043】弾性回復率(S)とは、ヒステリシス曲線
よって得られる伸張変形率に対する応力残留回復率の比
である。試験片を荷重下に所定の長さにまで徐々に伸張
すると、荷重(横軸)−伸び(縦軸)の関係を示す曲線
1が得られる。次いで、荷重を減らして試験片を縮めて
いくと、曲線1とは別の曲線2が得られる。曲線1と曲
線2とをヒステリシス曲線という。なお、曲線2におい
て、荷重(横軸)がゼロのときの伸び(縦軸)はゼロで
はない。弾性回復率の測定方法は以下の通りである。
【0044】試験片として、JIS−K−6251に従
いダンベル状1号型の試験片(標線間距離=40mm、
厚さ=0.5mm)を、試験機として、東洋精機製作所
社製の商品名がストログラフRなる試験機を、それぞれ
用い、以下の手順で測定した。 (i)試験片を、クロスヘッドスピード200mm/m
inで、伸張変形率100%(標線間距離80mm)ま
で伸張させる。 (ii)伸張させたあと直ちにクロスヘッドをリバースさ
せ、クロスヘッドスピード200mm/minで、応力
がゼロになるまで収縮させる。 (iii)得られるチャートから、伸張変形率に相当する
寸法と、応力残留回復率に相当する寸法とを測定し、伸
張変形率と応力残留回復率とを算出する (iv)更に2個の試験片について上記と同様に測定し、
それらの測定値の相加平均値を測定結果とする。
【0045】本発明の粘着剤を用いて得られる製品の粘
着力の観点から、成分(ii)は、該オレフィン共重合
体50重量部と、JIS−K−7203に従って測定し
た曲げ弾性率(Sa(MPa))が1400±100MP
a、荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフロ
ーレートが12±3g/10分、JIS K 7122に
従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得られる結
晶の融解に基づくピーク位置(融点)が162±2℃で
あるホモポリプロピレン樹脂50重量部とからなる評価
用樹脂組成物(1)のJIS K7203に従って測定
される曲げ弾性率(Ua(MPa))が下式(5)を充足
するオレフィン共重合体であることが好ましく、下式
(6)を充足するオレフィン共重合体であることがより
好ましく、下式(7)を充足するオレフィン共重合体で
あることが更に好ましく、下式(8)を充足するオレフ
ィン共重合体であることが特に好ましい。これらの式
中、Taは該評価用熱可塑性樹脂組成物中の該ホモポリ
プロピレン樹脂含有率(50重量%)を表す。 Ua≦1.5×Sa×(Ta/100)3.3 (5) Ua≦1.4×Sa×(Ta/100)3.3 (6) Ua≦1.3×Sa×(Ta/100)3.3 (7) Ua≦1.2×Sa×(Ta/100)3.3 (8)
【0046】あるオレフィン共重合体が上式(5)〜
(8)を満足するかどうかは、以下の手順からなる方法
で決定される。 (1)ホモポリプロピレン樹脂として、JIS−K−7
203に従って測定した曲げ弾性率(Sa)が1400
±100MPa、荷重2.16kgにおける230℃で
のメルトフローレートが12±3g/10分、JIS
K 7122に従って示差走査熱量計(DSC)で測定
して得られる結晶の融解に基づくピーク位置(融点)が
162±2℃、であるプロピレンの単独重合体を用い
る。該ホモポリプロピレン樹脂として、市販品を用いて
もよい。 (2)該ホモポリプロピレン樹脂の曲げ弾性率(Sa)
を、JIS−K−7203に従って測定する。 (3)該ホモポリプロピレン樹脂50重量部と、オレフ
ィン共重合体50重量部(Ta)と、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ製の商品名がイルガノックス1010
なる酸化防止剤0.25重量部とを、バッチ式密閉混練
機(例えば、ブラベンダー社製の商品名がプラスチコー
ダーPLV151型なる混練機)にて、スクリュー回転
数10rpm、200℃で2分間混練した後、次いで、
100rpmで5分間混練することによって、評価用樹
脂組成物(1)を得る。 (4)上記評価用樹脂組成物(1)を、JIS−K−6
758に従って230℃でプレス成形し、3種類のシー
トを得る。 (5)該シートの曲げ弾性率(Ua)を、JIS−K−
7203に従って測定する。 (6)上記のSa値およびTa値(50重量部)を上式
(5)〜(8)の各々の右辺に代入し、右辺の値を求め
る。 (7)該右辺の値と上記Ua値とを比較して、評価用樹
脂組成物(1)が上式(5)〜(8)の各々を満足する
かどうかを検定する。 (8)評価用樹脂組成物(1)が上式(5)を満足する
場合、上記オレフィン共重合体は本発明で用いられるオ
レフィン共重合体に該当するものとする。
【0047】好ましいオレフィン共重合体は、上記ホモ
ポリプロピレン樹脂30重量部と、オレフィン共重合体
70重量部(Ta)と、上記酸化防止剤0.25重量部
とを、上記(3)と同様に混練して得られる評価用樹脂
組成物(2)が上式(5)を満足する場合のオレフィン
重合体である。
【0048】本発明の成分(ii)は、ブロック共重合
体でないことを特徴とするオレフィン共重合体であるこ
とが好ましい。ブロック共重合体とは、2種類以上の単
量体から誘導されるブロック重合体のことであり、ブロ
ック重合体とは、直線状に連結されたブロックから成り
立つ分子の重合体を意味する。またブロックとは多数の
構成単位からなり、隣接部分には存在しない構成上又は
立体配置上の特徴を少なくとも1つもつ重合体分子の1
部分のことである。
【0049】次に、本発明の成分(ii)は、公知のチ
ーグラー・ナッタ型触媒又は公知のシングルサイト触媒
(メタロセン系等)を用いて製造することができるが、
得られる重合体の組成分布の均一性という観点からは、
公知のシングルサイト触媒(メタロセン系等)が好まし
く、かかるシングルサイト触媒の例としては、たとえば
特開昭58−19309号公報、特開昭60−3500
5号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60
−35007号公報、特開昭60−35008号公報、
特開昭61−130314号公報、特開平3−1630
88号公報、特開平4−268307号公報、特開平9
−12790号公報、特開平9−87313号公報、特
開平10−508055号公報、特開平11−8023
3号公報、特表平10−508055号公報、等に記載
のメタロセン系触媒、特開平10−316710号公
報、特開平11−100394号公報、特開平11−8
0228号公報、特開平11−80227号公報、特表
平10−513489号公報、特開平10−33870
6号公報、特開表11−71420号公報記載の非メタ
ロセン系の錯体触媒を例示することができるが、これら
の中でも、一般的にはメタロセン触媒が使用され、その
中でも好適なメタロセン触媒の例としては、シクロペン
タジエン形アニオン骨格を少なくとも1個有し、かつ得
られる重合体の柔軟性という観点からは、C1対称構造
を有する周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体が好ま
しい。更に、 高分子量の重合体を得るに際してのメタ
ロセン触媒を用いた好適な製造方法の例として、特開平
11−293047に詳細に開示されている。
【0050】本発明の多層ペレット状粘着剤は、(i)
を鞘とし、(ii)を芯とする形状を有し、芯層及び鞘
層の少なくとも2層を有する。本発明の目的を損なわな
い範囲で、必要に応じ他の層を有してもよい。
【0051】芯層は、(ii)単独および(ii)を含
む組成物とする。
【0052】(ii)を組成物とする場合は、成分
(i)である結晶性ポリオレフィン樹脂の他、(ii)
以外のゴム成分、たとえば、天然ゴム、ポリブタジエ
ン、液状ポリブタジエン、ポリアクリロニトリルゴム、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン
−ブタジエン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重
合体ゴム、部分水添アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、
ウレタンゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴ
ム、ハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合体ゴ
ム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体ゴム、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体ゴム、水添スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体ゴム、(ii)以外のエチレン−αオレ
フィン共重合体エラストマー等や、架橋剤、架橋助剤、
老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤等の各種安定剤、帯電防止剤、スリップ
剤、内部剥離剤、着色剤、分散剤、アンチブロッキング
剤、滑剤、防曇剤、抗菌剤、石油樹脂、難燃剤、発泡
剤、発泡助剤、高周波加工助剤、などの添加剤を適宜配
合することができる。
【0053】本発明の多層ペレット状粘着剤の鞘材
(i)は、芯材を構成する(ii)よりも粘着性の低い
ものを用いる。粘着性の低いものを用いることにより、
ペレットの互着を防止することができ、取扱いを容易に
することができる。鞘層は、芯材を覆いペレット同士の
互着を防止できる接着防止性能を発揮できる厚み以上で
あればよい。通常の場合、芯層と鞘層の重量比率が50
/50〜99/1の範囲であることが好ましく、50/
50〜95/5の範囲であることがより好ましい。芯層
の重量比率が過多(鞘層の重量比率が過少)であると、
得られる多層ペレットの互着防止効果が十分に得られな
いことがあり、一方芯層の重量比率が過少(鞘層の重量
比率が過多)であると、得られる多層ペレット状粘着剤
を用いた製品の粘着性に劣ることがある。
【0054】本発明の多層ペレット状粘着剤の製造方法
としては、鞘層構成成分(i)ならびに芯層構成成分
(ii)を溶融した状態で二層又は多層ストランドダイ
装置に供給し、(i)を外層とし、(ii)を内層とす
る二層又は多層ストランドを押出し、冷却し、カッティ
ングする方法が例示される。
【0055】芯層及び鞘層を構成するものを供給する方
法は、特に制限はない。芯層と鞘層を構成する成分をそ
れぞれ別個の押出機により供給する方法でも良く、又は
(ii)重合装置の後ラインを利用しても良い。
【0056】(ii)の供給装置としては、フィーダー
ルーダー、コールドフィード押出機、二軸テーパ押出機
等が挙げられ、押出機は1軸押出機でも2軸押出機でも
よい。
【0057】使用する押し出し機の最少台数としては、
目的とする多層ペレットの層数に応じて用意すればよ
く、芯鞘2層構造の場合は押し出し機を最低2台、芯
層、鞘層の他もう1層を加える場合は押し出し機を最低
3台用意すればよい。
【0058】使用するクロスヘッドダイの好適な構造の
例としては、EP1063070−A2号公報に詳細に
開示されている。
【0059】多層ストランドの押し出し成型本数は、押
し出し機の最大吐出能力に応じて決めるべきであり一概
に論じることはできないが、多層ストランド1本あたり
の最大生産能力は1〜60kg/時間が好ましく、より
好ましくは5〜20kg/時間である。多層ストランド
1本あたりの生産量が過少であると、生産効率が低く生
産コスト的に不利な場合があり、一方多層ストランド1
本あたりの生産量が過多であると、ペレット形状が悪化
しペレットの互着性が高くなったり、ペレットの流動性
が低下する場合がある。
【0060】複数の多層ストランドの切断方法として
は、溶融押出後にストランドをカッティングした後それ
を水中に落として冷却する方法や、ストランドを冷却水
槽に導入し冷却した後カッティングしペレットとする方
法等が挙げられる。通常、ストランドを冷却水槽に導入
する方法が一般的である。
【0061】溶融押出するストランドの太さは特に制限
されるものではないが、直径が0.5〜20mmが好ま
しく、より好ましくは2〜8mmである。
【0062】冷却した芯鞘型のストランドを好ましくは
長さ1〜5mm、より好ましくは2.5〜3.5mmに
切断することにより、本発明の多層ペレット状粘着剤が
得られる。本発明の多層ペレット状粘着剤はストランド
と同様に(ii)を含む芯層が接着性の少ない(i)を
含む鞘層により被覆された構造である。
【0063】ペレットの形状は、通常は、円柱状である
が、断面形状は任意であり、適当なダイスを選択するこ
とにより角柱状、楕円の断面等任意の形状にすることが
できる。
【0064】また、ペレット状粘着剤の生産性を向上す
るため、同心円状に配置された複数の押出口を有するス
トランド成型装置を使用して複数本のストランドを同時
に製造する方法も採用できる。
【0065】多層ペレット状粘着剤は、そのペレットの
表面に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タル
ク、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛及びポリオレフィンパウダーのうちの一種又は
二種以上が打粉されているものであることが、互着をさ
らに抑え、あるいはサイロ等から取出す際のペレットの
ブリッジ現象の抑制の観点から好ましい。打粉量はペレ
ットのサイズ、形状に応じて必要量添加すればよいが通
常ペレット状粘着剤に対して0.05〜3重量部添加す
る。添加量が少なすぎると互着をさらに抑える効果がで
きず、多すぎると得られる最終製品の物性等の低下及び
製造コスト上昇の原因となる。特に、得ようとする粘着
剤を用いた製品の透明性が重要な場合は、ポリオレフィ
ンパウダーを用いることが好ましい。ポリオレフィンパ
ウダーとしてはポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系
樹脂のパウダーがあげられる。
【0066】ポリオレフィンパウダーの平均粒径は、好
ましくは500μm以下、特に好ましくは300μm以
下である。粒径が大きいとペレット表面に付着できずに
互着性改良効果が得られない場合がある。
【0067】続いて本発明の多層ペレット状粘着剤と熱
可塑性樹脂とから導かれる、粘着性熱可塑性樹脂組成物
について説明する。
【0068】本発明の粘着性熱可塑性樹脂組成物は、
(i)熱可塑性樹脂、(ii)本発明による粘着剤を必
須成分として含んでなる粘着性熱可塑性樹脂組成物であ
る。それぞれの使用量は特に制限はないが粘着性と耐熱
性という観点からは、粘着性熱可塑性樹脂組成物を構成
する熱可塑性樹脂/粘着剤の重量比が1/99〜99/
1であることが好ましく、より好ましくは3/97〜9
0/10、特に好ましくは5/95〜80/20であ
る。
【0069】本発明の粘着性熱可塑性樹脂組成物に用い
られる成分(i)は、熱可塑性樹脂である。(i)は、
公知の各種熱可塑性樹脂から広範に選択することができ
るが、本発明の成分(i)である結晶性ポリオレフィン
樹脂の他、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポ
リアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等があげ
られる。好ましくは、本発明で使用される粘着剤に使用
される鞘層成分である結晶性ポリオレフィン樹脂であ
る。
【0070】本発明の粘着性熱可塑性樹脂組成物は、必
要に応じて、従来公知の方法により、イオウ架橋、過酸
化物架橋、金属イオン架橋、シラン架橋、樹脂架橋など
の架橋を行うこともできる。架橋剤としては、ゴムの加
硫に一般的に用いられている架橋剤を用いることがで
き、硫黄、フェノール樹脂、金属酸化物、金属水酸化
物、金属塩化物、p−キノンジオキシム又はビスマレイ
ミド系の架橋剤などを例示することができる。架橋剤は
単独でも使用できるが、架橋速度を調節するために、架
橋促進剤を併用してもよい。架橋促進剤としては、鉛
丹、ジベンゾチアゾイルサルファイドなどの酸化剤を用
いることができる。また分散剤として酸化亜鉛のような
金属酸化物やステアリン酸などを併用してもよい。金属
酸化物としては、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化
鉛、酸化カルシウムなどが用いられ、好ましくは酸化亜
鉛又は酸化マグネシウムである。また、本発明の粘着性
熱可塑性樹脂組成物は、架橋剤の存在下で動的架橋して
架橋物を得ることができる。
【0071】本発明の粘着性熱可塑性樹脂組成物を得る
方法として、上記で説明した各成分を、通常の混練り装
置、たとえばラバーミル、ブラベンダーミキサー、バン
バリーミキサー、加圧ニーダー、フィーダールーダー、
二軸押出機等を用いて混練すればよい。混練り装置とし
ては、密閉式及び開放式のいずれの装置であってもよい
が、不活性ガスによって置換できる密閉式タイプの装置
が好ましい。混練り温度は、混合された構成成分のすべ
てが溶融する温度であり、通常160〜250℃とさ
れ、好ましくは180〜240℃とされる。混練り時間
は、混合された構成成分の種類、量及び混練り装置の種
類に依存するため一概に論じられないが、加圧ニーダ
ー、バンバリーミキサーなどの混練り装置を使用する場
合には、通常、約3〜10分程度とされる。なお、混練
り工程においては、各構成成分を一括して混練りしても
よく、また一部の構成成分を混練りした後、残部の構成
成分を添加して混練りを継続する多段分割混練り法を採
用することもできる。
【0072】本発明の多層ペレット状粘着剤及び該粘着
剤を含む粘着性熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を
損なわない範囲において付加成分として、老化防止剤、
酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤等の各種安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、内部剥離
剤、着色剤、分散剤、アンチブロッキング剤、滑剤、防
曇剤などの添加剤の他、他のゴム成分、石油樹脂、充填
剤、鉱物油系軟化剤、難燃剤、発泡剤、高周波加工助
剤、粘着付与剤等を適宜配合することができる。
【0073】他のゴム成分としては、たとえば、エチレ
ン/α−オレフィン系共重合体ゴム、エチレン/α―オ
レフィン/ポリエン系共重合体ゴム、スチレン系ゴムと
してスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体
(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体(SIS)、水添スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体(SEPS)、水添スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)等、
ジエン系ゴム、公知の架橋性ゴムがあげられる。
【0074】石油樹脂としては、ロジン系樹脂、ポリテ
ルペン系樹脂、合成石油樹脂、クロマン系樹脂、フェノ
ール系樹脂、キシレン系樹脂、及びイソプレン系樹脂等
があげられる。
【0075】充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、
金属繊維、ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、炭酸カ
ルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、アラ
ミド繊維、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹脂
等があげられる。
【0076】鉱物油系軟化剤としては、ナフテン油、パ
ラフィン系鉱物油等があげられる。
【0077】難燃剤としては、アンチモン系難燃剤、水
酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、
グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤等の無機化
合物、ポリりん酸アンモニウム、エチレンビストリス
(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス
(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブ
ロモフェニル)ホスフェート、トリス(3−ヒドロキシ
プロピル)ホスフィンオキシド等のりん酸エステル及び
りん化合物、塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィ
ン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系難燃剤、
ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボル
ナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフ
タルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テ
トラブロモビスフェノールS、テトラブロモジペンタエ
リスリトール等の臭素系難燃剤及びそれらの混合物があ
げられる。
【0078】発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、重炭
酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の幹発泡剤、N,
N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロ
ソ化合物、アゾジカルボナミド、アゾイソブチロニトリ
ル等のアゾ化合物、ベンゼンスルフォニルヒドラジン、
p,p’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジ
ド)、トルエンスルフォニルヒドラジド等があげられ
る。また発泡助剤として、サリチル酸、尿素及びその誘
導体等を加えてもよい。
【0079】高周波加工助剤として、極性ポリマーを添
加することができる。極性ポリマーの具体例としては、
エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、
クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸等のジカルボン酸やその
モノエステル、メチルメタクリレート、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート等のアクリル酸又はメタクリ
ル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の飽
和カルボン酸のビニルエステル及びそのアイオノマーか
ら選ばれた1つ又は、2つ以上のコモノマーとの共重合
体又は、多元共重合体があげられる。
【0080】本発明の粘着剤は、粘着付与剤は必須の構
成要素ではないが、タック性の向上その他の目的で添加
してもよい。粘着付与剤としては、たとえば、ロジン、
ダンマル等の天然ロジン樹脂、変性ロジン及びその誘動
体、テルペン系樹脂及びその変性体、脂肪族系炭化水素
樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、アルキルフェノール樹
脂、クマロンインデン樹脂のいわゆる粘着付与剤があげ
られる。これらのうち、テルペンフェノール、α−ポリ
テルペン等のテルペン類が好ましい化合物である。具体
的には、YSレジンTO−105、クリアロン(以上、
ヤスハラケミカル社製)、アルコン、エステルガム、ペ
ンセル(以上、荒川化学社製)等が例示される。
【0081】本発明の粘着剤は、本発明の粘着剤からな
る層を含んで構成される層を少なくと最外層の一つとし
て1層有する、2層以上の多層積層体として使用するこ
ともできる。かかる積層体としては、各層を構成する材
料が相互に同じでも、異なっていてもかまわなく、かか
る各層を構成する材料としては、本発明の粘着性熱可塑
性樹脂組成物の他の公知の熱可塑性樹脂、ゴム、その他
の成分から選択することが可能である。かかる材料のう
ち熱可塑性樹脂としては、各種ポリエチレン系樹脂、各
種ポリプロピレン系樹脂、各種ポリブテン系樹脂、各種
ポリメチルペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチ
レンとアクリル酸系モノマーとの共重合体樹脂、エチレ
ンと酢酸ビニル系モノマーとの共重合体樹脂、エチレン
とメタクリル酸系モノマーとの共重合体樹脂、アクリル
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ナイロン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等々から
選択して用いることができ、ゴムとしては、たとえば、
エチレン/α−オレフィン系共重合体ゴム、エチレン/
α−オレフィン/ポリエン系共重合体ゴム、スチレン系
ゴム、水添スチレン系ゴム、ジエン系ゴム、公知の架橋
性ゴムが例示され、その他の成分としては、織布、不織
布等から選ばれる材料、各種安定剤、各種添加剤、充填
剤、鉱物油系軟化剤、難燃剤、高周波加工助材、ロジン
系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン
系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、及びイソ
プレン系樹脂等があげられ、これらを適宜配合すること
ができる。
【0082】上記粘着剤の製法は特に限定されないが、
たとえば各成分をドライブレンド又は、通常の混練装
置、たとえばラバーミル、ブラベンダーミキサー、バン
バリーミキサー、加圧ニーダー、フィーダールーダー、
二軸押出機等を用いて混練した後、インフレーション法
やT型ダイスによる押出し法、1軸延伸法、2軸延伸
法、カレンダーロール等によって、単層シート又はフィ
ルムとして調製することもでき、また、インフレーショ
ンフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置などを用
いて共押出法、押出コーティング法(押出ラミネート法
ともいう。)などの技術を採用して積層シート又はフィ
ルムとして調製することもできる。得られるシート又は
フィルムの厚さは特に限定されないが、好ましくは0.
001〜5mm、さらに好ましくは0.005〜2mm
程度が好ましい。
【0083】本発明の粘着剤は、基材と粘着層からなる
粘着シート又はフィルムとして用いる場合もある。基材
としては、特に限定されるものではないが、たとえば熱
可塑性樹脂であれば、結晶性ポリプロピレン、プロピレ
ンの単独重合あるいはプロピレンと少量のα−オレフィ
ンとのランダム又はブロック共重合体のポリプロピレン
系樹脂、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンのポリエチ
レン系樹脂、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフ
ィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチル
メタクリレート共重合体、エチレン−n−ブチルアクリ
レート共重合体、等があげられる。又、上記のものの任
意の組合せによる混合物も使用できる。これらの中では
より効果的に柔軟性、粘着性、耐傷付き性に優れた製品
を与える観点から、粘着層に用いるオレフィン共重合体
との相性のよいポリエチレン系樹脂、又はポリプロピレ
ン系樹脂が好ましく、又粘着層と基材とが層間で剥離す
ることなく粘着性を有するには、粘着層と基材とで使用
する熱可塑性系樹脂は同種のものが好ましく、リサイク
ル性にも優れる。更に、粘着層にもちいるオレフィン共
重合体と熱可塑性樹脂とのブレンド比で粘着層の粘着性
を制御することができ、またブレンド系で熱可塑性樹脂
の含有量を多くすることによって基材として使用するこ
とも可能である。
【0084】上記の基材は、単層のシート又はフィルム
であってもよいが、2層以上の複合シート又はフィルム
であってもよい。又、基材は無色透明であってもよい
が、上記原材料を着色し、又は印刷を施すなどして、種
々の用途に供することができる。
【0085】本発明の粘着シート又はフィルムは、基材
層と多層ペレットを含んでなる粘着層をインフレーショ
ンフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置などを用
いて共押出法、押出コーティング法(押出ラミネート法
ともいう。)などの技術を採用して積層シート又はフィ
ルムとして調製することができる。得られるシート又は
フィルムの厚さは特に限定されないが、好ましくは0.
001〜5mm、さらに好ましくは0.005〜2mm
程度が好ましい。
【0086】更に、粘着シート又はフィルムを,特に巻
き物として使用する場合には,引き出し性すなわち自己
剥離性という観点からは、剥離紙を挟んだり、離型剤、
たとえば、シリコーン系のものやポリエチレンイミンの
長鎖アルキル基付加物を主成分とするもの等の塗膜が設
けられ、自背面との親和性を更に低下せしめることがで
きる。又、離型剤その他の添加剤を配合し、表面の滑り
性を改善する等、必要に応じ各種の機能性添加剤を使用
することは、本発明の効果を損ねない範囲内において可
能である。
【0087】本発明により得られた粘着剤は、粘着シー
ト又はフィルムとして包装梱包用、事務家庭用、電気絶
縁又は識別用、固定又は結束用、補修用、ダクト工事
用、マスキングテープ(シート又はフィルム)、保護用
シート又はフィルムとして建築資材のステンレスやアル
ミ板、化粧合板、鋼板、樹脂板、ガラス、又は家電製
品、精密機械、自動車ボデイーの製造から加工工程に入
るまでの積み重ね、保管、輸送時の傷の防止、曲げ加
工、プレス加工の二次加工における傷を防止するための
表面保護シート又はフィルム等に好適に用いられる。
【0088】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、これらは例示のためのものであり、本発明を
限定するものではない。
【0089】[1]オレフィン共重合体(ii)の合成 参考例1 攪拌羽根を備えた100LのSUS製重合器を用いて連
続的にエチレン、プロピレン、1-ブテンの共重合を行っ
た。すなわち、重合器下部から重合溶媒としてヘキサン
を98L/時間、エチレン0.40Kg/時間、プロピ
レン24.00Kg/時間、1−ブテン1.81Kg/
時間の速度で連続的に供給する。一方、重合器上部から
重合器中の重合液が100Lとなるように連続的に重合
液を抜き出す。触媒としてジメチルシリル(テトラメチ
ルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5
−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、
トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、トリイソブチルアルミニウム(以後TI
BAと略記)をそれぞれ0.005g/時間、0.26
8g/時間、2.315g/時間の速度で重合器下部か
ら重合器中に連続的に供給した。また、分子量調節を水
素により行った。共重合反応は、重合器外部に取り付け
られたジャケットに冷却水を循環させることで38℃で
行った。重合器から抜き出した重合液に少量のエタノー
ルを添加して重合反応を停止させ、脱モノマー、水洗浄
後、大量の水中でスチームにより溶媒を除去して共重合
体を取り出し、80℃で昼夜減圧乾燥した。以上の操作
により、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合が
6.96Kg/時間の速度で行われた。その結果、エチ
レン(=x)含量4モル%、プロピレン含量92モル
%、1−ブテン含量(=y)4モル%、135℃テトラ
リン中での極限粘度[η]3.3のエチレン−プロピレ
ン−1−ブテン共重合体が得られた。概共重合体に酸化
防止剤としてイルガノックス1076(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ製)を0.6phr添加し、成分
(ii)を得た。
【0090】[2]ペレットの製造 実施例1 [1]で得られたオレフィン共重合体(ii)を粉砕機
でチップ状に粉砕し、互着防止剤としてカルシウムステ
アレートを1phrまぶしたのち、芯用二軸押出機(4
6φmm、L/D=35)に供給し、一方でランダムポ
リプロピレン(商品名:住友ノーブレンS131、住友
化学工業社製、230℃MFR=1.2)を鞘用単軸押
出機(40φmm、L/D=25)に供給した。それぞ
れの押出機から温度240℃で芯鞘型ダイ(口金6個)
に芯鞘比が、芯/鞘=95/5重量%で供給した。押し
出された6本のストランドを水槽に通し冷却しペレタイ
ザーにてカッティングし、ペレット外径4.0φmm、
長さ4.0mm、鞘厚み0.06mmの芯鞘構造をとる
2層ペレットを得た。該ペレットに互着防止剤としてカ
ルシウムステアレートを500ppmまぶした。
【0091】実施例2 芯鞘比が、芯/鞘=90/10重量%で供給した他は、
実施例1同様に実施し、ペレット外径4.0φmm、長
さ4.0mm、鞘厚み0.11mmの芯鞘構造をとる2
層ペレットを得た。該ペレットに互着防止剤としてカル
シウムステアレートを500ppmまぶした。
【0092】比較例1 実施例2で得たペレットを、230℃にて溶融押出成型
し、押し出されたストランドを水槽に通し冷却しペレタ
イザーにてカッティングし、ペレット外径4.0φm
m、長さ4.0mmの、(ii)成分90重量%、ポリ
プロピレン10重量%からなる単層練りこみペレットを
得た。該ペレットに互着防止剤としてカルシウムステア
レートを2000ppmまぶした。
【0093】[3]ペレットの互着性評価 内径85mmのビーカーにペレットを150g充填し、
1900g荷重をかけ、16時間室温に放置した後、ペ
レットをビーカーから取り出し、互着度合いを観察し
た。結果を表1に示した。 互着性の判定 ◎:全体的に互着がなく、容易に容器からペレットが取
り出せる。 ○:容器からの取り出し時は全体的に互着が認められる
が、容易にほぐすことができ、ペレットとしての使用が
可能となる。 ×:容器からの取り出し時に全体的に互着しており、容
易にほぐすことができず、ペレットとしての使用は困難
である。
【0094】[4]粘着剤の柔軟性評価 実施例1〜2、比較例1のペレットを、ブラベンダー社
製プラスチコーダーPLV151型を用いて、温度20
0℃、スクリュー回転数10rpmで5分間予備混練を
行った後、100rpmで5分間混練を行った。該組成
物をJIS−K−6758に準拠してプレス成形を行な
い、シートを作成した。該シートをJIS−K−625
3に準拠したデュロA型硬度計による硬さを測定し、柔
軟性を評価した。結果を表1に示した。
【0095】[5]表面保護用粘着シートの製造 実施例3 実施例1で得た多層ペレット状粘着剤を、ブラベンダー
社製プラスチコーダーPLV151型を用いて、温度2
00℃、スクリュー回転数10rpmで5分間予備混練
を行った後、100rpmで5分間混練を行い粘着剤を
得た。この粘着剤と、基材としてポリプロピレン(住友
化学工業社製 エクセレンEPX EP3725))と
をそれぞれ100μmフィルム成形したのち、150℃
プレス成型機で加熱融着を行い、表面保護用粘着シート
を得た。
【0096】[6]表面保護用粘着シートの評価 1.剥離強度 実施例3の粘着シートをメラミン塗装した鋼板(関西ペ
イント社製)に貼り付け、5Kgのゴム被覆ローラーで
圧着後23℃で30分間放置し、剥離幅25mm、ピー
ル角度180°、剥離速度300mm/min、23℃
で粘着シート又はフィルムを剥がした際に要する力を測
定した。同様に−20℃で30分間放置し、−20℃で
剥がした際に要する力も測定した。 2.経時剥離力 前項と同様な方法で塗装板に貼着し、熱風循環式オーブ
ン中で、90℃×15時間放置し、各塗装板の温度が2
3℃まで冷めた後、剥離幅25mm、ピール角度180
°、剥離速度300mm/minで粘着シート又はフィ
ルムを剥がした際に要する力を測定した。 3.汚染性評価 前項の経時剥離試験の終わった後、剥離された塗装板の
表面を目視で観察し、外観の汚染による曇りの有無を評
価した。実施例3の結果を表2に示した。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】[g/25mm]
【0099】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、優
れた粘着性を示す特定の共重合体を含んでなる多層ペレ
ットを必須として構成される粘着剤としての用途、該粘
着剤を粘着層として構成される粘着シートまたは粘着フ
ィルム、および該粘着剤を用いることにより製造工程が
簡略化された粘着シートまたは粘着フィルムを提供する
ことができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 穂積 英威 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学工 業株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB03W BB03Y BB05X BB05Y BB06W BB07W BB07Y BB08W BB10W BB10X BB12W BB12X BB12Y BB14X BB14Y BB16W BB16X BB17X BB18X BB19X FD34 GF00 4J004 AA02 AA07 AB01 4J040 DA001 DA002 JA09 JB09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(i)を鞘とし、下記(ii)を芯
    とする形状を有する多層ペレットからなる粘着剤。 (i):結晶性ポリオレフィン樹脂 (ii):エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフ
    ィンからなる群から選ばれる少なくとも2種類のオレフ
    ィンの重合単位を含み、かつ、下記(a)および(b)
    を充足するオレフィン共重合体 (a)該オレフィン共重合体は、JIS K 7122
    に従う示差走査熱量測定において、結晶融解熱量が1J
    /g以上のピーク、及び、結晶化熱量が1J/g以上の
    ピ−クのいずれのピークも有しない。 (b)該オレフィン共重合体の分子量分布(Mw/M
    n)は3以下である。
  2. 【請求項2】 (ii)が、エチレン、プロピレン、炭
    素数4〜20のα−オレフィン及び環状オレフィンから
    なる群から選ばれた二種以上のオレフィンを必須として
    構成される請求項1記載の粘着剤。
  3. 【請求項3】 (ii)が、下式(1)で定義されるX
    が0.020以上であることを満足するオレフィン共重
    合体である請求項1記載の粘着剤。 X = [A (T2M) - A (T2C)] / [|(T2A - T2B)|] (1) 式(1)中、T2Aは、下記(A)〜(C)からなる群
    から選ばれる1種のポリプロピレン樹脂のパルスNMR
    測定から得られるT2緩和時間であり;T2Bは、オレ
    フィン共重合体のパルスNMR測定から得られるT2緩
    和時間であり;A(T2M)は、オレフィン共重合体、
    上記ポリプロピレン樹脂および、オレフィン共重合体と
    該ポリプロピレン樹脂とからなる樹脂組成物のT2緩和
    時間を縦軸にプロットし、樹脂組成物中のオレフィン共
    重合体の重量分率Paを横軸にプロットして得られる曲
    線の3次回帰式に基づく曲線を、Pa=0〜1の範囲で
    定積分して得られる値であり;A(T2C)は、T2A
    とT2Bとを用いて、下式(2)から求められるT2C
    (Pa)なるT2緩和時間を縦軸にプロットし、樹脂組
    成物中のオレフィン共重合体の重量分率Paを横軸にプ
    ロットして得られる曲線の3次回帰式に基づく曲線を、
    Pa=0〜1の範囲で定積分して得られる値である。 (A)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
    ローレートが12.0±3.0g/10分、JIS K
    7121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して
    得られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が
    160±3℃、JIS K 7122に従って示差走査熱
    量計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が1
    00±5J/gであるプロピレン重合体。 (B)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
    ローレートが3.0±0.5g/10分、JIS K 7
    121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得
    られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が1
    45±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量
    計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が87
    ±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。 (C)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
    ローレートが1.0±0.6g/10分、JIS K 7
    121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得
    られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が1
    35±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量
    計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が60
    ±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。 T2C(Pa) = 1/[PvA(Pa)/T2A + (1 - PvA(Pa))/T2B] (2) 式(2)中、PvA(Pa)は、下式(3)で定義される数値である。 PvA(Pa) = VA×(1-Pa)/VC(Pa) (3) 式(3)中、VAは、ポリプロピレン樹脂のパルスNM
    R測定から得られる自由誘導減衰(FID)における、
    70〜150μ秒の範囲に観測される成分中に占める体
    積分率であり;VC(Pa)は、組成の異なる樹脂組成
    物のパルスNMR測定から得られる自由誘導減衰(FI
    D)における、70〜150μ秒の範囲に観測される成
    分中に占める体積分率である。
  4. 【請求項4】 (ii)が、下式(4)で定義される弾
    性回復率Sが70〜100%であることを満足する請求
    項1記載の粘着剤。 弾性回復率S(%)=応力残留変形回復量×100/伸張変形量 (4) 式(4)中、応力残留変形回復量および伸張変形量は、
    該オレフィン共重合体70重量部と、下記(B)〜
    (C)からなる群から選ばれる1種のポリプロピレン樹
    脂30重量部とからなる樹脂組成物の、100%伸張ヒ
    ステリシス曲線から得られる応力残留変形回復量および
    伸張変形量であり、少なくとも1つの樹脂組成物が上記
    要件を満たすものとする。 (B)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
    ローレートが3.0±0.5g/10分、JIS K 7
    121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得
    られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が1
    45±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量
    計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が87
    ±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。 (C)荷重2.16kgにおける230℃でのメルトフ
    ローレートが1.0±0.6g/10分、JIS K 7
    121に従って示差走査熱量計(DSC)で測定して得
    られる結晶の融解に基づく主ピークの位置(融点)が1
    35±2℃、JIS K 7122に従って示差走査熱量
    計(DSC)で測定して得られる結晶の融解熱量が60
    ±5J/gであるプロピレン−エチレン共重合体。
  5. 【請求項5】 (i)と(ii)の重量比率が50対5
    0〜99対1である請求項1記載の粘着剤。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂1〜99重量%及び請求項
    1記載の粘着剤99〜1重量%からなる粘着性熱可塑性
    樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のうちの一の請求項に記載
    の粘着剤からなる粘着層を少なくとも1層以上有する粘
    着シートもしくはフィルム。
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