JP2006143948A - 粘着剤およびそれからなる積層フィルムまたは積層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】 耐候性および粘着性に優れ、剥離後に被着体の汚染が少ない粘着剤およびそれからなる積層フィルムまたは積層シートを提供すること。
【解決手段】 エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種類のオレフィンに由来する構造単位を含有し、下記の要件(1)を充足する非晶性α−オレフィン系共重合体からなる粘着剤およびそれからなる積層フィルムまたは積層シート。
要件(1):動的粘弾性測定装置で測定された25℃、10Hzの動的損失弾性率が1×104〜1×107Paであること。
【選択図】 なし
【解決手段】 エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種類のオレフィンに由来する構造単位を含有し、下記の要件(1)を充足する非晶性α−オレフィン系共重合体からなる粘着剤およびそれからなる積層フィルムまたは積層シート。
要件(1):動的粘弾性測定装置で測定された25℃、10Hzの動的損失弾性率が1×104〜1×107Paであること。
【選択図】 なし
Description
本発明は、耐候性および粘着性に優れ、剥離後に被着体の汚染が少ない粘着剤およびそれからなる積層フィルムまたは積層シートに関する。
粘着性を有する積層フィルムまたは積層シートは、例えば表面保護用途として、金属板、樹脂板、ガラス板などの部材の表面に貼り付け、それらを運搬、加工する際の傷や汚損から表面を保護する用途などに用いられる。
表面保護用途に用いられる積層フィルムまたは積層シートとしては、例えば、特開2004−2624号公報に、ポリオレフィン系樹脂を含有する基材層と粘着層とが共押出しによって成膜されており、粘着層にスチレン系熱可塑性エラストマーを含有し、各種被着体への粘着力が良好で、かつ屋外での使用や高温下で保存した場合であっても、その粘着力の増加が少なく、被着体から剥離する際の剥離性が良好な表面保護シートが記載されている。
表面保護用途に用いられる積層フィルムまたは積層シートとしては、例えば、特開2004−2624号公報に、ポリオレフィン系樹脂を含有する基材層と粘着層とが共押出しによって成膜されており、粘着層にスチレン系熱可塑性エラストマーを含有し、各種被着体への粘着力が良好で、かつ屋外での使用や高温下で保存した場合であっても、その粘着力の増加が少なく、被着体から剥離する際の剥離性が良好な表面保護シートが記載されている。
しかしながら、粘着層にスチレン系熱可塑性エラストマーを含有する積層フィルムまたは積層シートは、耐候性が未だ充分とはいえないことがあり、積層フィルムまたは積層シートを高温環境下で保存した場合に粘着剤の性質が経時的に変化し、その結果、粘着力が上昇して被着体からの剥離が困難となったり、剥離後に被着体の表面に粘着剤が残存したりすることがあった。
かかる現状において、本発明の解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、耐候性および粘着性に優れ、剥離後に被着体の汚染が少ない粘着剤およびそれからなる積層フィルムまたは積層シートを提供することにある。
かかる現状において、本発明の解決しようとする課題、即ち本発明の目的は、耐候性および粘着性に優れ、剥離後に被着体の汚染が少ない粘着剤およびそれからなる積層フィルムまたは積層シートを提供することにある。
即ち本発明は、エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種類のオレフィンに由来する構造単位を含有し、下記の要件(1)を充足する非晶性α−オレフィン系共重合体からなる粘着剤およびそれからなる積層フィルムまたは積層シートにかかるものである。
要件(1):動的粘弾性測定装置で測定された25℃、10Hzの動的損失弾性率が1×104〜1×107Paであること。
要件(1):動的粘弾性測定装置で測定された25℃、10Hzの動的損失弾性率が1×104〜1×107Paであること。
本発明によれば、耐候性および粘着性に優れ、剥離後に被着体の汚染が少ない粘着剤およびそれからなる積層フィルムまたは積層シートが提供される。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体は、エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種類のオレフィンを共重合して得られる。該炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセンなどの直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテンなどの分岐状オレフィンなどの鎖状オレフィンが挙げられ、これらα−オレフィンの2種類以上の具体的な組み合わせとしては、例えば、エチレン−プロピレン、エチレン−1−ブテン、エチレン−1−ヘキセン、エチレン−1−オクテン、エチレン−4−メチル−1−ペンテン、エチレン−プロピレン−1−ブテン、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン、プロピレン−1−ブテン、プロピレン−1−ヘキセン、プロピレン−1−オクテン、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン、プロピレン−1−ブテン−1−ヘキセン、1−ブテン−1−ヘキセン、1−ブテン−1−オクテン、1−ヘキセン−1−オクテンなどが挙げられる。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で、エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィン以外のモノマーを共重合して得られたものでもよく、該モノマーとしては、例えば、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物、ポリエン化合物を挙げることができ、なかでも環状オレフィンが好ましい。
上記環状オレフィンとしては、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロへキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノルボルネン、シクロペンテン、3−メチルシクロペンテン、4−メチルシクロペンテン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3,5−ジメチルシクロペンテン、3−クロロシクロペンテン、シクロへキセン、3−メチルシクロへキセン、4−メチルシクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロヘキセン、3−クロロシクロヘキセン、シクロへプテン、ビニルシクロヘキサンなどが例示される。
上記ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルキシレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブロムスチレン、ジブロムスチレン、フルオロスチレン、p−tert−ブチルスチレン、エチルスチレン、ビニルナフタレンなどが例示される。
上記ポリエン化合物としては、共役ポリエン化合物、非共役ポリエン化合物を挙げることができる。共役ポリエン化合物としては、例えば、直鎖状脂肪族共役ポリエン化合物や分岐状脂肪族共役ポリエン化合物などの脂肪族共役ポリエン化合物、脂環式共役ポリエン化合物などが挙げられ、非共役ポリエン化合物としては、例えば、脂肪族非共役ポリエン化合物、脂環式非共役ポリエン化合物、芳香族非共役ポリエン化合物などが挙げられる。これらは、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基などを有していてもよい。
ここで、脂肪族共役ポリエン化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3―ブタジエン、2−イソプロピル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジエチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ヘキサジエン、2−メチル−1,3−オクタジエン、2−メチル−1,3−デカジエン、2,3−ジメチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−オクタジエン、2,3−ジメチル−1,3−デカジエンなどが例示される。また、脂環式共役ポリエン化合物としては、2−メチル−1,3−シクロペンタジエン、2−メチル−1,3−シクロヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−シクロヘキサジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1−フルオロ−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロペンタジエン、2−クロロ−1,3−シクロヘキサジエンなどが例示される。
ここで、脂肪族非共役ポリエン化合物のとしては、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,5,9−デカトリエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,4−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、3−メチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,6−ヘプタジエン、4,4−ジメチル−1,6−ヘプタジエン、4−エチル−1,6−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエン、6,10−ジメチル1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンなどが例示される。また、脂環式非共役ポリエン化合物としては、ビニルシクロヘキセン、5−ビニル2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5−ノルボルナジエン、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエン、2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロヘキサン、1,3−ジビニルシクロペンタン、1,5−ジビニルシクロオクタン、1−アリル−4−ビニルシクロヘキサン、1,4−ジアリルシクロヘキサン、1−アリル−5−ビニルシクロオクタン、1,5−ジアリルシクロオクタン、1−アリル−4−イソプロペニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−4−ビニルシクロヘキサン、1−イソプロペニル−3−ビニルシクロペンタン、メチルテトラヒドロインデンなどが例示される。一方、芳香族非共役ポリエン化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベンゼンなどが挙げられる。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体が環状オレフィンに由来する構造単位を含有する場合、その含有量は、粘着剤の粘着性を高める観点から、該非晶性α−オレフィン系共重合体全体を100モル%としたとき、好ましくは0.01モル%以上であり、より好ましくは0.05モル%以上であり、さらに好ましくは0.1モル%以上であり、特に好ましくは0.2モル%以上である。また本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体が環状オレフィンに由来する構造単位を含有する場合、その含有量は、粘着剤の粘着性を高める観点から、該非晶性α−オレフィン系共重合体全体を100モル%としたとき、好ましくは20モル%以下であり、より好ましくは15モル%以下であり、さらに好ましくは10モル%以下であり、特に好ましくは5モル%以下である。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体がエチレンに由来する構造単位を含有する場合、その含有量は、粘着剤の粘着性を高める観点から、好ましくは70モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下である。また本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体がエチレンに由来する構造単位を含有する場合、その含有量は、粘着剤の低温での粘着性を高める観点から、好ましくは1モル%以上であり、より好ましくは5モル%以上である。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体がプロピレンに由来する構造単位を含有する場合、その含有量は、粘着剤の粘着力を高める観点から、該非晶性α−オレフィン系共重合体全体を100モル%としたとき、好ましくは50モル%以上であり、より好ましくは60モル%以上であり、さらに好ましくは70モル%以上であり、特に好ましくは80モル%以上である。また本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体がプロピレンに由来する構造単位を含有する場合、その含有量は、粘着剤の低温での粘着力を高める観点から、好ましくは99.9モル%以下であり、より好ましくは99モル%以下であり、さらに好ましくは98.5モル%以下であり、特に好ましくは98モル%以下である。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体は、粘着剤の粘着力を高める観点から、示差走査熱量測定(DSC)によって測定される中間点ガラス転移温度(Tmg)が、−5〜50℃であることが好ましい。より好ましくは、−5〜30℃であり、さらに好ましくは、−5〜15℃である。なお、Tmgは、JIS−K−7121に準拠して、−100〜200℃の温度範囲で測定すればよい。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体の非晶性としては、粘着力を高める観点から、示差走査熱量測定(DSC)によって融解ピークが実質的に観測されないことが好ましい。融解ピークが実質的に観測されないとは、−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないことをいう。−100〜200℃の温度範囲に、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークおよび結晶化熱量が1J/g以上の結晶化ピークのいずれもが観測されないことがより好ましい。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体がエチレンに由来する構造単位を含有する場合、得られる粘着剤の粘着力を高める観点から、下記式の関係を充足することが好ましい。
[y/(x+y)]≧0.3
より好ましくは、
[y/(x+y)]≧0.5であり、
さらに好ましくは、
[y/(x+y)]≧0.8である。
なお、上記式において、xは非晶性α−オレフィン系共重合体中のエチレンに由来する構造単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性α−オレフィン系共重合体中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する構造単位の含有量(モル%)を表す。
[y/(x+y)]≧0.3
より好ましくは、
[y/(x+y)]≧0.5であり、
さらに好ましくは、
[y/(x+y)]≧0.8である。
なお、上記式において、xは非晶性α−オレフィン系共重合体中のエチレンに由来する構造単位の含有量(モル%)を表し、yは非晶性α−オレフィン系共重合体中の炭素原子数4〜20のα−オレフィンに由来する構造単位の含有量(モル%)を表す。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体は、動的粘弾性測定装置で測定された25℃、10Hzの動的損失弾性率が1×104〜1×107Paである。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体の動的損失弾性率は、好ましくは1.5×104Pa以上であり、より好ましくは2.0×104Pa以上であり、さらに好ましくは2.5×104Pa以上である。該動的損失弾性率が過少であると、粘着剤の粘着力が劣る場合がある。また本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体の動的損失弾性率は、好ましくは9×106Pa以下であり、より好ましくは8×106Pa以下であり、さらに好ましくは7×106Pa以下である。該動的損失弾性率が過多であると、粘着剤の低温での粘着力が劣る場合がある。
なお、動的損失弾性率は、以下の方法によって測定される。
非晶性α−オレフィン系共重合体を、長さ40mm、幅8mm、厚さ0.3mmに成形して試験片とし、粘弾性スペクトロメータEXSTAR5800(セイコーインスツル(株)社製)を用いて、つかみ長さ20mm、初期伸長10μm、変位±10μm、周波数10Hzの振幅を与え、−100℃から150℃まで、3℃/分の速度で昇温し、1℃ごとに動的損失弾性率(E”)を測定し、25℃、10HzにおけるE”を求める。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体の動的損失弾性率は、好ましくは1.5×104Pa以上であり、より好ましくは2.0×104Pa以上であり、さらに好ましくは2.5×104Pa以上である。該動的損失弾性率が過少であると、粘着剤の粘着力が劣る場合がある。また本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体の動的損失弾性率は、好ましくは9×106Pa以下であり、より好ましくは8×106Pa以下であり、さらに好ましくは7×106Pa以下である。該動的損失弾性率が過多であると、粘着剤の低温での粘着力が劣る場合がある。
なお、動的損失弾性率は、以下の方法によって測定される。
非晶性α−オレフィン系共重合体を、長さ40mm、幅8mm、厚さ0.3mmに成形して試験片とし、粘弾性スペクトロメータEXSTAR5800(セイコーインスツル(株)社製)を用いて、つかみ長さ20mm、初期伸長10μm、変位±10μm、周波数10Hzの振幅を与え、−100℃から150℃まで、3℃/分の速度で昇温し、1℃ごとに動的損失弾性率(E”)を測定し、25℃、10HzにおけるE”を求める。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、得られる粘着剤の剥離後に被着体の汚染を少なくする観点から、1〜4であることが好ましい。より好ましくは、1〜3である。なお、該分子量分布はゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)によって測定される。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体の極限粘度は、得られる粘着剤の剥離後に被着体の汚染を少なくする観点から、好ましくは0.1dl/g以上であり、より好ましくは0.3dl/g以上であり、さらに好ましくは0.5dl/g以上であり、特に好ましくは0.7dl/g以上である。また、該極限粘度は、得られる粘着剤の成型加工における加工性を高める観点から、好ましくは10dl/g以下であり、より好ましくは7dl/g以下であり、さらに好ましくは5dl/g以下であり、特に好ましくは4dl/g以下である。なお、該極限粘度は、135℃テトラリン中でウベローデ粘度計を用いて測定される。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体は、公知のチーグラー・ナッタ型触媒または公知のシングルサイト触媒(メタロセン系など)を用いて製造することができるが、耐熱性をより高める観点からは、公知のシングルサイト触媒(メタロセン系など)が好ましく、かかるシングルサイト触媒の例としては、例えば特開昭58−19309号公報、特開昭60−35005号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−268307号公報、特開平9−12790号公報、特開平9−87313号公報、特開平11−80233号公報、特表平10−508055号公報などに記載のメタロセン系触媒;特開平10−316710号公報、特開平11−100394号公報、特開平11−80228号公報、特開平11−80227号公報、特表平10−513489号公報、特開平10−338706号公報、特開表11−71420号公報などに記載の非メタロセン系の錯体触媒を例示することができる。これらの中でも、入手容易性の観点から、メタロセン触媒が好ましく、その中でも好適なメタロセン触媒の例としては、シクロペンタジエン形アニオン骨格を少なくとも1個有し、C1対掌構造を有する周期表第3族〜第12族の遷移金属錯体が好ましい。また、メタロセン触媒を用いた製造方法の例として、欧州特許公開第1211287号明細書の方法を例示することができる。
本発明の粘着剤は、該樹脂組成物全体を100重量%としたとき、上記非晶性α−オレフィン系共重合体99〜1重量%および熱可塑性樹脂1〜99重量%を含有する樹脂組成物であることが好ましい。
得られる粘着剤の耐熱性を高める観点から、樹脂組成物中の非晶性α−オレフィン系共重合体の含有量は、好ましくは99重量%以下であり、より好ましくは98重量%以下であり、さらに好ましくは、97量量%以下である。また得られる粘着剤の粘着性を高める観点から、樹脂組成物中の非晶性α−オレフィン系共重合体の含有量は、1重量%以上であり、より好ましくは2重量%以上であり、さらに好ましくは、3量量%以下である。
得られる粘着剤の耐熱性を高める観点から、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは2重量%以上であり、さらに好ましくは、3量量%以上である。また得られる粘着剤の粘着性を高める観点から、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、99重量%以下であり、より好ましくは98重量%以下であり、さらに好ましくは、97量量%以下である。
得られる粘着剤の耐熱性を高める観点から、樹脂組成物中の非晶性α−オレフィン系共重合体の含有量は、好ましくは99重量%以下であり、より好ましくは98重量%以下であり、さらに好ましくは、97量量%以下である。また得られる粘着剤の粘着性を高める観点から、樹脂組成物中の非晶性α−オレフィン系共重合体の含有量は、1重量%以上であり、より好ましくは2重量%以上であり、さらに好ましくは、3量量%以下である。
得られる粘着剤の耐熱性を高める観点から、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは2重量%以上であり、さらに好ましくは、3量量%以上である。また得られる粘着剤の粘着性を高める観点から、樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、99重量%以下であり、より好ましくは98重量%以下であり、さらに好ましくは、97量量%以下である。
該熱可塑性樹脂としては、非晶性α−オレフィン系共重合体を除く、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のようなポリエチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル−メタクリル酸グリシジル共重合体樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ−4−メチル−ペンテン−1系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアセタール系樹脂ならびにポリカーボネート系樹脂を例示することができる。
本発明の非晶性α−オレフィン系共重合体からなる粘着剤は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、該共重合体以外の公知の樹脂やエラストマーと組合せて用いてもよい。
該エラストマーとして、天然ゴム、ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、ポリアクリロニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、部分水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴムまたはハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合体ゴムを例示することができる。
該エラストマーとして、天然ゴム、ポリブタジエン、液状ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴム、水添スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、ポリアクリロニトリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、部分水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体ゴムまたはハロゲン化イソブチレン−イソプレン共重合体ゴムを例示することができる。
本発明の粘着剤は、必要に応じて、公知の方法によって、イオウ架橋、過酸化物架橋、金属イオン架橋、シラン架橋、樹脂架橋、電子線架橋のような架橋をさせることができる。架橋剤として、硫黄、フェノール樹脂、金属酸化物、金属水酸化物、金属塩化物、p−キノンジオキシムまたはビスマレイミド系の架橋剤を例示することができる。架橋剤は、架橋速度を調節するために、架橋促進剤と組合せて用いることができる。架橋促進剤として、鉛丹およびジベンゾチアゾイルサルファイドのような酸化剤を例示することができる。架橋剤は、金属酸化物やステアリン酸のような分散剤と組合せて用いることができる。該金属酸化物として、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉛および酸化カルシウムを例示することができ、この中で、酸化亜鉛や酸化マグネシウムが好ましい。該組成物は、架橋剤の存在下で動的架橋させてもよい。
本発明の粘着剤の製造方法は特に制限されない。該製造方法として、各成分を、ラバーミル、ブラベンダーミキサー、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、一軸および二軸押出機のような通常の混練り装置で混練する方法を例示することができる。混練り装置は、密閉式および開放式のいずれの形式であってもよいが、不活性ガスによって置換し得る密閉式装置が好ましい。混練り温度は、通常120〜250℃、好ましくは140〜240℃である。混練り時間は、用いられる成分の種類や量および、混練り装置の種類に依存し、加圧ニーダーやバンバリーミキサーのような混練り装置を使用する場合、通常、約3〜10分程度である。混練り工程においては、各成分を一括して混練する方法を採用してもよいし、各成分の一部を混練りした後、残部を添加して混練りを継続する多段分割混練り法を採用してもよい。
本発明の粘着剤は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、スチレン系樹脂およびイソプレン系樹脂のような他の樹脂と組合せて用いることができる。
上記ロジン系樹脂として、天然ロジン、重合ロジン、部分水添ロジン、完全水添ロジン、これらロジンのエステル化物(例えば、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステルおよびメチルエステル)ならびにロジン誘導体(例えば、不均化ロジン、フマル化ロジンおよびライム化ロジン)を例示することができる。
上記ロジン系樹脂として、天然ロジン、重合ロジン、部分水添ロジン、完全水添ロジン、これらロジンのエステル化物(例えば、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、エチレングリコールエステルおよびメチルエステル)ならびにロジン誘導体(例えば、不均化ロジン、フマル化ロジンおよびライム化ロジン)を例示することができる。
上記ポリテルペン系樹脂として、α−ピネン、β−ピネンおよびジペンテンのような環状テルペンの単独重合体;上記環状テルペンの共重合体;上記環状テルペンと、フェノールおよびビスフェノールのようなフェノール系化合物との共重合体(例えば、α−ピネン−フェノール樹脂、ジペンテン−フェノール樹脂およびテルペン−ビスフェノール樹脂のようなテルペン−フェノール系樹脂);ならびに上記環状テルペンと芳香族モノマーとの共重合体である芳香族変性テルペン樹脂を例示することができる。
上記合成石油樹脂として、ナフサ分解油のC5留分、C6〜C11留分およびその他オレフィン系留分の単独重合体や共重合体;これらの単独重合体や共重合体の水添物である脂肪族系石油樹脂;芳香族系石油樹脂;脂環式系石油樹脂;ならびに脂肪族−脂環式共重合樹脂を例示することができる。合成石油樹脂として、さらに、上記のナフサ分解油と上記のテルペンとの共重合体や、該共重合体の水添物である共重合系石油樹脂を例示することができる。
上記ナフサ分解油の好ましいC5留分として、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1−ブテンおよび2−メチル−2−ブテンのようなメチルブテン類;1−ペンテンおよび2−ペンテンのようなペンテン類;ならびにジシクロペンタジエンを例示することができる。好ましいC6〜C11留分として、インデン、スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、α−メチルスチレンおよびβ−メチルスチレンのようなメチルスチレン類;メチルインデン;エチルインデン;ビニルキシレンならびにプロペニルベンゼンを例示することができる。好ましいその他オレフィン系留分として、ブテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ブタジエンおよびオクタジエンを例示することができる。
上記フェノール系樹脂として、アルキルフェノール樹脂、アルキルフェノールとアセチレンとの縮合によるアルキルフェノール−アセチレン樹脂およびこれら樹脂の変性物を例示することができる。ここで、これらフェノール系樹脂としては、フェノールを酸触媒でメチロール化したノボラック型樹脂や、アルカリ触媒でメチロール化したレゾール型樹脂のいずれであってもよい。
上記キシレン系樹脂として、m−キシレンとホルムアルデヒドとからなるキシレン−ホルムアルデヒド樹脂や、これに第3成分を添加して反応させた変性樹脂を例示することができる。
上記スチレン系樹脂として、スチレンの低分子量品、α−メチルスチレンとビニルトルエンとの共重合樹脂およびスチレンとアクリロニトリルとインデンとの共重合樹脂を例示することができる。
上記イソプレン系樹脂として、イソプレンの二量化物であるC10脂環式化合物とC10鎖状化合物とを共重合して得られる樹脂を例示することができる。
本発明の粘着剤は、必要に応じて、老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤および光安定剤のような安定剤;帯電防止剤、スリップ剤、内部剥離剤、着色剤、分散剤、アンチブロッキング剤、滑剤および防曇剤のような添加剤;ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー、タルク、アラミド繊維、硫酸バリウム、ガラスフレークおよびフッ素樹脂のような充填剤;ならびにナフテン油およびパラフィン系鉱物油のような鉱物油系軟化剤と組合せて用いてもよい。
本発明の粘着剤は、必要に応じて、難燃剤と組合せて用いてもよい。難燃剤として、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、グァニジン系難燃剤およびジルコニウム系難燃剤のような無機化合物;ポリりん酸アンモニウム、エチレンビストリス(2−シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェートおよびトリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシドのようなりん酸エステルやりん化合物;塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィンおよびパークロロシクロペンタデカンのような塩素系難燃剤;ならびにヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールSおよびテトラブロモジペンタエリスリトールのような臭素系難燃剤を例示することができる。これらの難燃剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。
本発明の粘着剤は、必要に応じて、発泡剤と組合せて得られる発泡体であってもよい。発泡剤として、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウムおよび炭酸アンモニウムのような無機発泡剤;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンのようなニトロソ化合物;アゾカルボナミドおよびアゾイソブチロニトリルのようなアゾ化合物;ならびにベンゼンスルフォニルヒドラジン、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)、トルエンスルフォニルヒドラジドおよびトルエンスルフォニルヒドラジド誘導体のようなスルフォニルヒドラジドを例示することができる。発泡剤は、サリチル酸、尿素および尿素誘導体のような発泡助剤と組合せて用いてもよい。
本発明の粘着剤は、必要に応じて、極性重合体のような高周波加工助材と組合せて用いてもよい。高周波加工助材として、エチレンと、少なくとも1種類のコモノマーとの共重合体を例示することができる。コモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸およびクロトン酸のようなモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびシトラコン酸のようなジカルボン酸;上記ジカルボン酸のモノエステル;メチルメタクリレートのようなメタクリル酸エステル;メチルアクリレートおよびエチルアクリレートのようなアクリル酸エステル;酢酸ビニルおよびプロピオン酸ビニルのような飽和カルボン酸のビニルエステル;ならびにこれらの酸やエステルのアイオノマーを例示することができる。
本発明の粘着剤は、必要に応じて、粘着付与剤と組合せて用いてもよい。粘着付与剤として、ロジンやダンマルのような天然ロジン樹脂;変性ロジンやその誘動体;テルペン系樹脂やその変性体;ならびに脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族炭化水素系樹脂、アルキルフェノール樹脂およびクロマンインデン樹脂のような樹脂、を例示することができる。これらの中、テルペンフェノールやα―ポリテルペンのようなテルペン類が好ましい。テルペン類として、「YSレジンTO―105」や「クリアロン」(以上、ヤスハラケミカル(株)社製の商品名)、「アルコン」、「エステルガム」および「ペンセル」(以上、荒川化学工業(株)社製の商品名)を例示することができる。
本発明の粘着剤は単独で用いてもよいし、該粘着剤からなる層を含んで構成される層を少なくとも最外層の一つとして1層有する、2層以上の多層積層体として使用することもできる。かかる積層体としては、各層を構成する材料が相互に同じでも、異なっていてもかまわなく、かかる各層を構成する材料としては、本発明粘着剤の他の公知な熱可塑性樹脂、ゴム、その他の成分から選択することが可能である。かかる材料のうち熱可塑性樹脂としては、各種ポリエチレン系樹脂、各種ポリプロピレン系樹脂、各種ポリブテン系樹脂、各種ポリメチルペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、エチレンとアクリル酸系モノマーとの共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸系モノマー共重合体樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂などから選択して用いることができ、ゴムとしては、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、エチレン−α−オレフィン−ポリエン系共重合体ゴム、スチレン系ゴム、水添スチレン系ゴム、ジエン系ゴム、公知の架橋性ゴムが例示され、その他の成分としては、織布、不織布などから選ばれる材料が挙げられる。また、これらの公知の熱可塑性樹脂、ゴム、その他の成分は、各種安定剤、各種添加剤、充填剤、鉱物油系軟化剤、難燃剤、高周波加工助材、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂およびイソプレン系樹脂などを適宜配合することができる。
これら多層積層体のリサイクル性の観点から、基材層を構成する材料は、粘着剤層用組成物と同種のポリオレフィン系重合体であることが好ましい。
基材層は、単層であってもよいし、少なくとも2層からなる多層であってもよい。基材層の表面は、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、電子線照射処理および紫外線照射処置のような公知の表面処理法で処理されていてもよい。基材層は、無色透明の層であってもよいし、着色されたまたは印刷された層であってもよい。
基材層は、単層であってもよいし、少なくとも2層からなる多層であってもよい。基材層の表面は、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、電子線照射処理および紫外線照射処置のような公知の表面処理法で処理されていてもよい。基材層は、無色透明の層であってもよいし、着色されたまたは印刷された層であってもよい。
本発明の粘着剤を含む多層積層体は、基材層の片面に粘着剤層を有する積層体であってもよいし、基材層の両面に粘着剤層を有する積層体であってもよい。
本発明の粘着剤用組成物を含む多層積層体の製造方法として、インフレーションフィルム製造装置やTダイフィルム製造装置のような装置を用いて、基材層と粘着剤層とを共押出する方法や押出コーティングする方法(「押出ラミネート法」ともいう)を例示することができる。
基材層は、必要に応じて、一軸方向または二軸方向に延伸されていてもよい。一軸延伸の好ましい方法として、通常用いられているロール延伸法を例示することができる。二軸延伸の方法として、一軸延伸の後に二軸延伸を行う逐次延伸法や、チューブラ延伸法のような同時二軸延伸法を例示することができる。
本発明の粘着剤を含む多層積層体の厚さは特に限定されず、好ましくは0.001〜5mm程度、さらに好ましくは0.005〜2mm程度である。基材層および粘着剤層のそれぞれの厚さは、被着体の種類や、粘着フィルムに要求される物性(例えば粘着強度)に応じて決めればよい。
本発明の粘着剤を含む多層積層体を重ね巻きされた巻物として製造する場合、巻物からの粘着フィルムの引き出し易さ、すなわち自己剥離性という観点から、巻物中に剥離紙を挟んだり、基材層の背面に剥離剤を塗布したりしてもよい。剥離剤として、シリコーン系剥離剤および非シリコーン系剥離剤を例示することができる。シリコーン系剥離剤として、熱硬化型シリコーン系剥離剤、光硬化型シリコーン系剥離剤、他重合体との共重合体剥離剤および、他重合体とのブレンド系剥離剤を例示することができる。非シリコーン系剥離剤として、長鎖アルキル重合体や、ポリオレフィンや、フッ素化合物を主成分とする剥離剤を例示することができる。
基材層用の熱可塑性樹脂は、必要に応じて、基材層表面に滑り性のような機能を付与するために、離型剤のような添加剤と組合せて用いてもよい。
本発明の粘着剤を含む多層積層体が好適に用いられる分野として、半導体ウエハー用バックグラインドテープ、ダイシングテープ、電子部品搬送用保護テープおよび、プリント基板用保護テープのようなエレクトロニクス分野;窓ガラス保護用フィルム、焼付塗装用フィルム、自動車をユーザーにわたるまで保護するためのガードフィルム、表示用マーキングフルム、装飾用マーキングフィルムおよび、緩衝・保護・断熱・防音用のスポンジテープのような自動車分野;絆創膏や経皮吸収貼付薬のような医療・衛生材料分野;ならびに電気絶縁用、識別用、ダクト工事用、窓ガラス保護用、養生用、包装用、梱包用、事務用、家庭用、固定用、結束用および、補修用の粘着フィルムや保護フィルムのような住宅・建設分野を例示することができる。
本発明の粘着剤を含む多層積層体は、特に、合成樹脂板、ステンレス板(例えば、建築資材用)、アルミ板、化粧合板、鋼板、ガラス板、家電製品、精密機械および、製造時の自動車ボディーの表面を保護するため;物品を積み重ねたり、保管したり、輸送したりする際の傷付きから防止するため;ならびに物品を二次加工する(例えば、曲げ加工やプレス加工)際の傷付きから防止するために、好適に用いることができる。
Claims (5)
- エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種類のオレフィンに由来する構造単位を含有し、下記の要件(1)を充足する非晶性α−オレフィン系共重合体からなる粘着剤。
要件(1):動的粘弾性測定装置で測定された25℃、10Hzの動的損失弾性率が1×104〜1×107Paであること。 - 請求項1記載の非晶性α−オレフィン系共重合体が、エチレン、プロピレンおよび炭素原子数4〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種類のオレフィンに由来する構造単位ならびに環状オレフィンに由来する構造単位を含有する非晶性α−オレフィン系共重合体であって、下記の要件(2)を充足する請求項1記載の粘着剤。
要件(2):示差走査熱量計によって測定される中間点ガラス転移温度(Tmg)が、−5〜50℃であること。 - 請求項1または2記載の非晶性α−オレフィン系共重合体が、下記の要件(3)、(4)および(5)を充足する請求項1または2記載の粘着剤。
要件(3):示差走査熱量計によって融解ピークが実質的に観測されないこと。
要件(4):分子量分布が1〜4であること。
要件(5):極限粘度が0.1〜10dl/gであること。 - 請求項1〜3いずれかに記載の非晶性α−オレフィン系共重合体99〜1重量%および熱可塑性樹脂1〜99重量%を含有する樹脂組成物からなる粘着剤。ただし、該樹脂組成物全体を100重量%とする。
- 少なくとも1層の基材層(B)および請求項1〜4いずれかに記載の粘着剤からなる少なくとも1層の粘着層(A)を有する積層フィルムまたは積層シート。
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- 2004-11-24 JP JP2004338629A patent/JP2006143948A/ja active Pending
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