JP4086348B2 - ポリプロピレン複合フィルム - Google Patents

ポリプロピレン複合フィルム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温ヒートシール性およびヒートシール強度などのヒートシール性に優れ、スリップ性、耐ブロッキングおよび特に性ホットタック性にも優れたポリプロピレン複合フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
結晶性ポリプロピレンは、引張強度、剛性、表面硬度、耐衝撃強度、耐寒性などの機械特性、光沢性、透明性などの光学特性、あるいは無毒性、無臭性などの食品衛生性などに優れており、特に食品包装の分野に広く利用されている。この結晶性ポリプロピレンフィルムは、ヒートシール温度まで加熱すると収縮してしまい、このフィルム単層ではヒートシールすることが困難である。このため結晶性ポリプロピレンフィルムは、通常ヒートシール層を設けて用いている。
【0003】
このようなポリプロピレンフィルムのヒートシール層を形成しうるものとして組成物が特開昭53−114887号公報や特公昭57−36859号公報に記載されており、このような組成物を用いるとヒートシール性の改良されたポリプロピレン複合フィルムが得られることが開示されている。しかし、これらのポリプロピレン複合フィルムにおいても、実用的観点からは、高速包装に適用するためため、さらにホットタック性の向上が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、透明性、低温ヒートシール性、耐ブロッキング性および特にホットタック性に優れるとともに耐スクラッチ性などの機械的強度にも優れたポリプロピレン複合フィルムを提供することを目的としている。
【0005】
【発明を解決するための手段】
本発明に係るポリプロピレン複合フィルムは、
[I]結晶性ポリプロピレン層と、
[II]この結晶性ポリプロピレン層[I]の少なくとも片面上に積層されたポリプロピレン組成物層とからなり、
該ポリプロピレン組成物[II]は、
(A)プロピレンから導かれる単位を90モル%以上の量で含有する結晶性ポリプロピレン;100重量部
(B)結晶核剤;0.01〜5重量部
または
(A)プロピレンから導かれる単位を90モル%以上の量で含有する結晶性ポリプロピレン;5〜50重量部、
(B)結晶核剤;0.01〜5重量部
(C)下記のプロピレン・1ーブテンランダム共重合体;95〜50重量部とからなることを特徴とするポリプロピレン複合フィルム;
該プロピレン・1ーブテンランダム共重合体(C)は、
(1) プロピレンから導かれる構成単位を50〜95モル%の量で、1-ブテンから導かれる構成単位を5〜50モル%の量で含有し、
(2)135℃、デカリン中で測定される極限粘度が0.1〜5dl/gであり、
(3)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
(4) 共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が1.0〜1.5である。
【0006】
尚、該プロピレン・1ーブテンランダム共重合体(C)は、メタロセン触媒で製造されることを特徴とする。
【0007】
【発明の具体的説明】
本発明に係るポリプロピレン複合フィルムの各成分を具体的に説明する。
【0008】
[I]結晶性ポリプロピレン
本発明に係るポリプロピレン複合フィルムの基材層は、結晶性ポリプロピレンで形成されている。
本発明では、結晶性ポリプロピレンとして、フィルム用ポリプロピレンとして従来公知のものを用いることができるが、アイソタクック・インデックスI.I.(沸騰n−ヘプタン不溶成分)が、75%以上好ましくは75〜99%のポリプロピレンを用いることが好ましい。
【0009】
またこの結晶性ポリプロピレンの密度は、0.89〜0.92g/cm3 、メルトインデックス(230℃)が0.1〜10であることが望ましい。
この結晶性ポリプロピレンとしては、通常ホモポリプロピレンが用いられが、本発明の目的を損なわない範囲で、プロピレン以外のオレフィンから導かれる単位を少量たとえば5モル%以下の量で含むプロピレンランダム共重合体を用いることもできる。このような他のオレフィンとしては、炭素数2〜20のプロピレン以外のα−オレフィンが挙げられる。
【0010】
本発明で用いられる結晶性ポリプロピレンは、従来公知の固体状チタン触媒成分あるいはメタロセン化合物触媒成分を用いて、公知の方法により製造することができる。
この結晶性ポリプロピレンには、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、抗ブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤などを添加して用いることができる。
【0011】
本発明に係わるポリプロピレン複合フィルムのヒートシール層にポリプロピレン組成物[II]は
(A)プロピレンから導かれる単位を90モル%以上の量で含有する結晶性ポリプロピレン;100重量部
(B)結晶核剤;0.01〜5重量部
または
(A)プロピレンから導かれる単位を90モル%以上の量で含有する結晶性ポリプロピレン;5〜50重量部、
(B)結晶核剤;0.01〜5重量部
(C)下記のプロピレン・1ーブテンランダム共重合体;95〜50重量部とからなることを特徴とするポリプロピレン複合フィルム;
該プロピレン・1ーブテンランダム共重合体(C)は、
(1) プロピレンから導かれる構成単位を50〜95モル%の量で、1-ブテンから導かれる構成単位を5〜50モル%の量で含有し、
(2)135℃、デカリン中で測定される極限粘度が0.1〜5dl/gであり、
(3)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、
(4) 共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が1.0〜1.5である。
【0012】
ここで、組成物[II]として、プロピレンから導かれる単位を90モル%以上の量で含有する結晶性ポリプロピレン(A)と結晶核剤(B)とを用いる場合には、結晶核剤(B)は0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜3重量部用いる。又、、組成物[II]として、プロピレンから導かれる単位を90モル%以上の量で含有する結晶性ポリプロピレン(A)と結晶核剤(B)及びプロピレン・1ーブテンランダム共重合体を用いる場合には、結晶性ポリプロピレン(A)を5〜50重量部、好ましくは5〜45重量部、結晶核剤(B)は0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜3重量部、及びプロピレン・1ーブテンランダム共重合体(C)は95〜50重量部、好ましくは95〜55重量部用いられる。
【0013】
(A)結晶性ポリプロピレン
このポリプロピレン複合フィルムのヒートシール層を形成する結晶性ポリプロピレン(A)としては、具体的に、上述したような基材層を形成する結晶性ポリプロピレン[I]と同様のものを挙げることができ、これらのうちプロピレンから導かれる単位を90モル%以上の量で含有するポリプロピレンが用いられる。
【0014】
(B)結晶核剤
このポリプロピレン複合フィルムのヒートシール層を形成する本発明に係る結晶核剤としては、ポリオレフィンの透明性、剛性等を改良するために造核剤として用いられる公知の化合物のことを意味する(プラスチック材料講座7:ポリプロピレン樹脂67P、日刊工業新聞社編)。例えば、ソルビトール化合物、カルボン酸の金属塩、芳香族リン酸エステル系化合物、シリカ、タルク等が用いられる。中でも、好ましいのは、カルボン酸の金属塩である。
【0015】
(C)プロピレン・1ーブテンランダム共重合体
本発明で用いられるヒートシール層を形成するプロピレン・1ーブテンランダム共重合体としては以下の共重合体が用いられる。
(1) プロピレン・1ーブテンランダム共重合体は、
プロピレンから導かれる単位を50〜95モル%好ましくは55〜93モル%より好ましくは60〜90モル%の量で、
1ーブテンから導かれる単位を5〜50モル%好ましくは7〜45モル%より好ましくは10〜40モル%の量で含有している。
【0016】
このプロピレン・1ーブテンランダム共重合体は、プロピレンおよび1ーブテン以外のオレフィンから導かれる構成単位を少量たとえば10モル%以下望ましくは5モル%以下の量で含んでいてもよい。
【0017】
(2) 極限粘度[η]
本発明で用いられるプロピレン・1ーブテンランダム共重合体は、135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]が0.1〜5dl/g好ましくは0.5〜4dl/gより好ましくは1〜3dl/gである。
【0018】
(3) 分子量分布
本発明で用いられるプロピレン・1ーブテンランダム共重合体は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィーGPCにより求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、好ましくは2.5以下である。
【0019】
(4) ランダム性
本発明で用いられるプロピレン・1ーブテンランダム共重合体は、共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が、1.0〜1.5好ましくは1.0〜1.3より好ましくは1.0〜1.2である。
このパラメータB値はコールマン等(J. polym.Sci.,A1、3183(1963))により提案されており、 以下のように定義される。
【0020】
B=P12/(2P1 ・P2 )
ここで、P1 、P2 はそれぞれ第1モノマー、第2モノマー含量分率であり、P12は全二分子中連鎖中の(第1モノマー)−(第2モノマー)連鎖の割合である。
なおこのB値は1のときベルヌーイ統計に従い、B<1のとき共重合体はブロック的であり、B>1のとき交互的である。
【0021】
さらに本発明で用いられるプロピレン・1ーブテンランダム共重合体は、上記のような特性に加えて、
(5) 示差走査型熱量計によって測定される融点Tmが60〜140℃好ましくは80〜130℃であることが望ましく、かつ
該融点Tmと、1−ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が
−2.6M+130 ≦ Tm ≦ −2.3M+155であることが望ましい。
【0022】
(6) X線回折法により測定される結晶化度Cと、1−ブテン構成単位含量M(モル%)との関係が
C ≧ −1.5M+75であることが望ましい。
プロピレン・1ーブテンランダム共重合体の結晶化度は、15〜65%好ましくは20〜60%であることが望ましい。
【0023】
また本発明で用いられるプロピレン・1−ブテンランダム共重合体は、13C−NMRスペクトルから求められる全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2,1−挿入に基づく位置不規則単位を0.05%以上の割合で含んでいてもよい。
重合時、プロピレンモノマーは、1、2ー挿入(メチレン側が触媒と結合する)するが、稀に2、1ー挿入することがある。2、1ー挿入したモノマーは、ポリマー中で、位置不規則単位を形成する。
【0024】
全プロピレン構成単位中のプロピレンモノマーの2、1ー挿入の割合は、13C−NMRを利用して、Polymer,30(1989)1350に記載された方法で求めることができる。
【0025】
また本発明で用いられるプロピレン・1−ブテンランダム共重合体は、プロピレンモノマーの1,3−挿入に基づく位置不規則単位が0.05%以下であってもよい。 プロピレンの1,3−挿入に基づく3連鎖量は、βγピーク(27.4ppm 付近で共鳴)により求めることができる。
【0026】
本発明に係るポリプロピレン複合フィルムのヒートシール層を形成するポリプロピレン組成物は、上記のような特性を有するプロピレン・1−ブテンランダム共重合体(B)を含有しており、優れたヒートシール特性を発現する。なおこのプロピレン・1−ブテンランダム共重合体の特性たとえば上記(2) 極限粘度[η]が5dl/gをはるかに超えると、成形性に劣り、ヒートシール層として望ましい厚み具体的に10μm以下の薄層を形成しにくくなり、一方0.1dl/g未満であると、ヒートシール強度に劣ることがある。
【0027】
また上記特性(5) 融点が、140℃をはるかに超えるとフィルムの適性ヒートシール温度が130℃以上と高くなってしまい、一方60℃未満であると低温ヒートシール性は向上するが、耐スクラッチ性が低下するようになり、また貯蔵時にフィルムがブロッキングを生じて、実用が困難になってしまうことがある。
【0028】
またプロピレン・1−ブテンランダム共重合体の結晶化度が15〜65%であると、低温ヒートシール性に優れるとともに耐ブロッキング性にも優れたフィルムを得ることができて好ましい。
【0029】
上記のような本発明で用いられるプロピレン・1−ブテンランダム共重合体は、メタロセン系触媒により製造することができる。ここでいうメタロセン系触媒とは、オレフィン重合用均一系触媒として広く知られているカミンスキー触媒(メタロセン/メチルアルミノキサン)を代表とする触媒系のことであり、具体的には、例えば、特開平8−238731に記載した触媒系のことである。
【0030】
ポリプロピレン複合フィルム
本発明に係るポリプロピレン複合フィルムは、上記のような
[I]結晶性ポリプロピレン層と、
[II]ポリプロピレン組成物層とから形成されている。
【0031】
このポリプロピレン組成物層[II]は、ヒートシール層であって、基材層である結晶性ポリプロピレン層[I]の片面あるいは両面に設けられている。
本発明に係るポリプロピレン複合フィルムでは、結晶性ポリプロピレン[I]からなる基材層は、未延伸であっても、一軸または二軸延伸されていてもよい。またこの基材層[I]の片面あるいは両面は、公知の方法によりコロナ処理が施されていてもよい。
【0032】
このような複合フィルムは、結晶性ポリオレフィン[I]とポリプロピレン組成物[II]とから、たとえば下記のようにして得られる。
(1)結晶性ポリプロピレン[I]と、ポリプロピレン組成物[II]とを共押出しにより積層シートを形成する。
この積層シートを縦軸あるいは横軸方向に一軸延伸するか、あるいは縦軸、横軸方向に別々あるいは同時に延伸して二軸延伸してもよい。
【0033】
(2)結晶性ポリプロピレン[I]を溶融押出して得られたフィルム(基材層)上に、ポリプロピレン組成物[II]を溶融押出して積層する。
この積層シートを縦軸あるいは横軸方向に一軸延伸するか、あるいは縦軸、横軸方向に別々あるいは同時に延伸して二軸延伸してもよい。
(3)結晶性ポリプロピレン[I]を溶融押出して、縦または横いずれかに一軸延伸した基材層を形成し、次いでこの一軸延伸された基材層上に、ポリプロピレン組成物[II]を溶融押出するかあるいは予め形成したポリプロピレン組成物[II]のフィルムを積層し、得られた積層シートを基材層の未延伸方向に延伸する。
【0034】
(4)結晶性ポリプロピレン[I]を溶融押出して、縦軸、横軸別々あるいは同時に二軸延伸した基材層を形成し、この二軸延伸された基材層上に、ポリプロピレン組成物[II]を溶融押出するかあるいは予め形成したポリプロピレン組成物[II]のフィルムを積層する。
(5)結晶性ポリプロピレン[I]フィルムと、ポリプロピレン組成物[II]フィルムとを接着剤で貼合わせる。この積層シートを縦軸あるいは横軸方向に一軸延伸するか、あるいは縦軸、横軸方向に別々あるいは同時に延伸して二軸延伸してもよい。
【0035】
本発明に係る複合フィルムにおいて、結晶性ポリプロピレン[I]層の厚みは、5〜200μm好ましくは10〜60μm、ポリプロピレン組成物[II]層の厚みは、0.1〜50μm好ましくは0.5〜20μmであることが望ましい。
本発明に係る複合フィルムにおいて、基材層である結晶性ポリプロピレン[I]が延伸される場合には、縦方向に3〜7倍好ましくは4〜6倍、横方向に3〜12倍好ましくは6〜10倍の倍率で延伸されることが望ましい。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、透明性、低温ヒートシール性、耐ブロッキング性および特にホットタック性に優れることで、高速包装が可能となる。このような本発明に係るポリプロピレン複合フィルムは、食品包装、充填包装、繊維包装などの用途に好適に用いられる。
【0037】
【実施例】
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[プロピレン・1−ブテンランダム共重合体(B)の物性測定]
【0038】
(1) プロピレン含量、1−ブテン含量
13C−NMRを利用して求めた。
【0039】
(2) 極限粘度[η]
135℃デカリン中で測定し、dl/gで示した。
【0040】
(3) 分子量分布(Mw/Mn)
分子量分布(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用い、以下のようにして測定した。
分離カラムは、TSK GNH HTであり、カラムサイズは直径27mm、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500μlとし、検出器として示差屈折計を用いた。
【0041】
分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製標準ポリスチレンを用い、1000<Mw<4×106 についてはプレッシャーケミカル社製標準ポリスチレンを用いた。
【0042】
(4) B値
組成分布B値は、10mmφの試料管中で約200mgの共重合体を1mlのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させた試料の13C−NMRのスペクトルを、通常、測定温度120℃、測定周波数25.05MHz、スペクトル幅1500Hz、フィルター幅1500Hz、パルス繰り返し時間4.2sec、積算回数2000〜5000回の測定条件の下で測定した。
【0043】
(5) 融点(Tm)
パーキンエルマー社製DSC−7型装置(示差走査型熱量計(DSC))を用いて測定した。
試料約5mgをアルミパンに詰めて200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、10℃/分で−40℃まで冷却し、−40℃で5分間保持した後、10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
【0044】
(6) 結晶化度
成形後少なくとも24時間経過した厚さ1.0mmのプレスシートのX線回折測定により求めた。
【0045】
[複合フィルムの物性測定]
(7)ホットタック性
複合フィルムのポリプロピレン組成物層[II]面同士で重ね合わせ、表1に示す各温度において、2Kg/cm2 の圧力で0.8秒間、ヒートシールした後に45gの荷重をかけて、シール部が剥離した距離を測定した。
【0046】
【製造例1】
プロピレン・1−ブテンランダム共重合体[C]の製造
充分に窒素置換した2リットルのオートクレーブに、ヘキサンを830ml、1−ブテンを100g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1ミリモル加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧7Kg/cm2Gにし、メチルアルミノキサン0.30ミリモル、rac−ジメチルシリレン−ビス<1−(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)>ジルコニウムクロリドをZr原子に換算して0.001ミリモルを加え、プロピレンを連続的に供給して全圧を7Kg/cm2Gに保ちながら30分間重合を行った。重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。
【0047】
得られたポリマーは33.7gであり、重合活性は14kg・ポリマー/ミリモルZr・hrであった。
このポリマーは、1-ブテンから導かれる単位を24モル%含有していた。極限粘度[η]は、1.61dl/g、融点は92℃、Mw/Mn2.05、B値1.00、結晶化度40%であった。
【0048】
【実施例1】
アイソタクティックインデックス(I.I.)96%、メルトインデックス1.5のホモポリプロピレン[I]を、240℃でシート成形し、140℃で縦5倍に延伸した。
得られたシートを基材層としてこの片面上に、下記のようなポリプロピレン組成物[II]を積層した。
【0049】
アイソタクティックインデックス(I.I.)96%、メルトインデックス(230℃)6.5、融点140℃のランダムポリプロピレンペレット25重量%と、上記のように製造されたプロピレン・1−ブテンランダム共重合体(B)(PBR)ペレット75重量%と、これら合計100重量部に、アンチブロッキング剤0.1重量部およびスリップ剤0.16重量部、アルミニウムヒドロキシパラt−ブチルベンゾエート0.3重量部を配合して、押出機で溶融した後、上記の基材層上に200℃で押出して積層した。
【0050】
次いで積層シートを、170℃で横10倍で延伸し、この延伸状態を実質的に保持しながら冷却した。
上記のようにして、厚さ22μmのホモポリプロピレン[I]層(基材層)と、厚さ3μmのポリプロピレン組成物[II]層(ヒートシール層)とからなる二軸延伸複合フィルムを得た。結果を表に示す。
【0051】
【比較例1】
実施例1において、ポリプロピレン組成物[II]を形成する際に、アルミニウムヒドロキシパラt−ブチルベンゾエートを添加しない以外は実施例1と同様にして複合フィルムを得た。結果を表に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる組成物の物性を表した表である。

Claims (2)

  1. [I]結晶性ポリプロピレン層と、[II]この結晶性ポリプロピレン層[I]の少なくとも片面上に積層されたポリプロピレン組成物層とからなり、該ポリプロピレン組成物[II]は、(A)プロピレンから導かれる単位を90モル%以上の量で含有する結晶性ポリプロピレン;5〜50重量部、(B)結晶核剤;0.01〜5重量部(C)下記のプロピレン・1ーブテンランダム共重合体;95〜50重量部とからなることを特徴とするポリプロピレン複合フィルム;該プロピレン・1ーブテンランダム共重合体(C)は、(1)プロピレンから導かれる構成単位を50〜95モル%の量で、1-ブテンから導かれる構成単位を5〜50モル%の量で含有し、(2)135℃、デカリン中で測定される極限粘度が0.1〜5dl/gであり、(3)ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)が3以下であり、(4)共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値が1.0〜1.5である。
  2. 前記請求項1においてプロピレン・1ーブテンランダム共重合体(C)がメタロセン触媒で製造されることを特徴とする請求項1の記載のポリプロピレン複合フィルム。
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