JP3497768B2 - ポリオレフィン系ストレッチ包装用フィルム - Google Patents
ポリオレフィン系ストレッチ包装用フィルムInfo
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Description
に用いられるストレッチフィルム、特に塩素を含まない
材料からなるポリオレフィン系ストレッチ包装用フィル
ムに関する。
レーに載せてフィルムでオーバーラップする、いわゆる
プリパッケージ用のストレッチ包装用フィルムとして
は、主にポリ塩化ビニル系のものが使用されてきた。こ
れらは包装効率がよく、包装仕上がりも綺麗である等の
包装適性の他、パック後のフィルムを指で押す等の変形
を加えても元に戻る弾性回復性に優れ、また底シール性
も良好であり、輸送陳列中にフィルム剥がれが発生しに
くい等、商品価値が低下しないという販売者、消費者の
双方に認められた品質の優位性を持っているためであ
る。
塩化ビニル系フィルムに対し焼却時に発生する塩化水素
ガスや、多量に含有する可塑剤の溶出等が問題視されて
きた。このためポリ塩化ビニル系フィルムに代わる材料
が種々検討されており、特にポリオレフィン系樹脂を用
いた構成のストレッチ包装用フィルムが各種提案されて
いる。例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、EVA/ポリブテン−1/EVA、EVA/直鎖
状エチレン−α−オレフィン共重合体/EVA等の構成
のストレッチ包装用フィルムが提案されている。近年は
ストレッチ包装用フィルムとして良好な表面特性や透明
性、適度な耐熱性や材料設計の自由度、経済性等の理由
から表裏層にエチレン−酢酸ビニル共重合体、中間層に
各種ポリプロピレン系樹脂を主成分とした2種3層構成
のストレッチフィルムの検討が活発に行われている。
リプロピレン系樹脂を主成分としたストレッチフィルム
では、包装作業性、包装仕上がり、弾性回復力、底シー
ル性等の主要な包装適性(自動機、手包装)および経済
性も含めた市場での総合的な評価は未だ不満足である。
先に、本発明者らは特開平9−154479号公報で比
較的低結晶性のプロピレン系重合体と石油樹脂類とを含
有し、特定の粘弾性特性を有する食品包装用ストレッチ
フィルムを提案している。
合体と石油樹脂類からなるフィルムにおいては、包装作
業性、包装仕上がり、弾性回復力、底シール性といった
特性は比較的良好なものの、所望の粘弾性特性とするた
めに、石油樹脂類を比較的多量(30重量%)に含有せ
ざるを得ないため、経時的にフィルムの強度が変化した
り、石油樹脂類が表面にブリードし、巻物とした場合に
はフィルム同士がブロッキングしてしまう等の不具合点
があった。
結果、特定の軟質プロピレン系樹脂組成物を主成分とし
て用い、また粘弾性特性を制御することにより包装作業
性、包装仕上がり、弾性回復力、底シール性といった特
性に加え、さらにフィルムの経時的な安定性および経済
性にも優れた非塩ビ系ストレッチフィルムを得ることに
成功したものであり、その要旨は、
(B)成分が10〜50重量%および(C)成分5〜2
5重量%からなる樹脂組成物を主成分とする混合樹脂層
の両面に、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層を積層
してなる3層構造フィルムであって、動的粘弾性測定に
より周波数10Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率
(E')が5.0×10 8 〜5.0×109 dyn/cm
2 、損失正接(tanδ)が0.2〜0.8の範囲にあ
ることを特徴とするポリオレフィン系ストレッチ包装用
フィルム。 (A)下記(1)〜(4)の条件を満足し、分子鎖中に
結晶性のブロックと非晶性のブロック部分が混在してい
る立体規則性を制御された軟質ポリプロピレン系樹脂
(1)13C−NMRスペクトルのペンタッド分率から求
められる立体規則性指標[M1 ]の値が0.30〜0.60、[M2]の値が0.15
〜0.30 [M1]=[mmmm]+[rrrr] [M2]=[mmrr]+[mrmm]+[rmrr]
+[mrmr] (2)示差走査熱量計を用いて加熱速度10℃/分で昇
温した時に測定されるガラス転移温度が−15℃以上 (3)示差走査熱量計を用いて加熱速度10℃/分で結
晶融解後、200℃まで昇温し、200℃で5分間保持
した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測
定される結晶化熱量が10〜50J/g (4)メルトフローレート(MFR)(JISK721
0、230℃、2.16kg荷重)が0.4〜40g/
10分 (B)(A)成分以外のポリプロピレン系樹脂 (C)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、ロジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体
本発明ストレッチフィルムは、下記(A)が30〜80
重量%、(B)成分が10〜50重量%および(C)成
分5〜25重量%からなる樹脂組成物を主成分とする混
合樹脂層の両面に、ポリオレフィン系樹脂からなる表面
層を積層してなる3層構造フィルムであって、フィルム
全体として特定の粘弾性特性を有している。 (A)下記(1)〜(4)の条件を満足し、分子鎖中に
結晶性のブロックと非晶性のブロック部分が混在してい
る立体規則性を制御された軟質ポリプロピレン系樹脂 (1)13C−NMRスペクトルのペンタッド分率から下
記式により求められる立体規則性指標[M1]の値が
0.30〜0.60、[M2]の値が0. 15〜0.
30 [M1]=[mmmm]+[rrrr] [M2]=[mmrr]+[mrmm]+[rmrr]
+[mrmr]
0℃/分で昇温した時に測定されるガラス転移温度が−
15℃以上 (3)示差走査熱量計を用いて加熱速度10℃/分で結
晶融解後、200℃まで昇温し、200℃で5分間保持
した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測
定される結晶化熱量が10〜50J/g (4)メルトフローレート(MFR)(JISK721
0、230℃、2.16kg荷重)が0.4〜40g/
10分 (B)(A)成分以外のポリプロピレン系樹脂 (C)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、ロジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体
性のブロックと非晶性のブロック部分が混在している軟
質ポリプロピレン系樹脂は、一般にゴム弾性を有し柔軟
で破れにくく、透明性も良好であるという特性を有して
おり、また分子鎖中に存在する剛直性を示すイソタクチ
ック構造とシンジオタクチック構造の結晶性ブロック部
分とエラストマー性を示すアタクチック構造の非晶性ブ
ロック部分の割合をバランスさせることにより、本発明
の目的を達成するのに適している。上記、分子鎖中に結
晶性のブロックと非晶性のブロック部分が混在している
とは、結晶性のブロックと非晶性のブロック部分がラン
ダム的及び/またはブロック的に存在していることを意
味しており、また各ブロック部分の連鎖長は任意でかま
わないが、本発明においてはその分布がランダム的であ
る方が、透明性、外観等の点から好ましい。
で強度も高く、ポリオレフィン系樹脂の中では比較的高
融点で耐熱性も良好であるが、高結晶性のため伸展時に
は大きな力を要し、また不均一な伸びしか示さず、これ
らの特性は混合物になっても残存する。そのため本発明
においては、伸びの良いフィルムを得るために、比較的
低結晶性のポリプロピレン系樹脂を使用するのが好まし
い。従来、この種のポリプロピレン系樹脂としては、低
温特性や常温での柔軟性を付与させるためにプロピレン
にエチレンまたは炭素数4〜12程度のα−オレフィン
を多量に共重合等の形態で含有させたものがよく使用さ
れており、一部フィルム用途にも用いられているが、こ
れら単独では粘弾性的に本発明には適さない。即ち、従
来普通に用いられているこの種の樹脂は、プロピレンに
α−オレフィンが多量に含有しているため、そのガラス
転移温度はポリプロピレン本来のガラス転移温度(−1
0℃前後)よりもかなり低くなり、このことから常温で
は後述する損失正接(tanδ)が0.1未満と極めて
小さいからである。
後述する粘弾性特性を満たし得るものであって、主に立
体規則性を制御することにより、結晶性を低下させつ
つ、ガラス転移温度をポリプロピレン本来のガラス転移
温度(−10℃前後)よりも大幅に低下させないことに
より、常温におけるtanδを高めたものである。具体
的には条件(1)として13C−NMRスペクトルのペン
タッド分率から下記式により求められる立体規則性指標
[M1]の値が0.30〜0.60、[M2]の値が
0.15〜0.30であるものを用いる。 [M1]=[mmmm]+[rrrr] [M2]=[mmrr]+[mrmm]+[rmrr]
+[mrmr]
(A)成分中の結晶性ブロック部分の割合を示す1つの
指標としてみることができ、また、立体規則性指標[M
2]は、(A)成分中にm(meso)で示される構造
(α−メチル炭素が炭素−炭素結合による主鎖に対して
同方向に位置する構造)とr(racemo)で示され
る構造(α−メチル炭素が炭素−炭素結合による主鎖に
対して反対方向に位置する構造)とが混在し、非晶性の
割合を示す1つの指標としてみることができる。[M
1]の値が0.30未満、あるいは[M2]の値が0.
30を越えると、結晶性が低すぎて製膜性が極めて悪い
他、常温ではフィルムが柔らかすぎたり強度が不足して
実用上問題がある。また原料自体がブロッキングしやす
くなり、ハンドリング性の面でも好ましくない。一方、
[M2]の値が0.15未満、あるいは[M1]の値が
0.60を越えると、本発明の目的である常温における
損失正接(tanδ)が所望の範囲内に入り難くなり好
ましくない。またフィルム伸展時に大きな力を要し、ま
た不均一な伸びしか示さず、ストレッチフィルムに適し
ない。
1]、[M2]の値は、13C−NMR(核磁気共鳴)ス
ペクトルの測定結果に基づき算出する。すなわち、13C
−NMRスペクトルを測定し、メチル基の立体規則性に
よるケミカルシフトの違いにより、22.5ppm〜1
9.5ppm領域に現れる各分裂ピーク(mmmm〜m
rrm)のシグナル強度比から求めた。例えば、上記m
mmm(メソペンタッド分率)とは、任意の連続する5
つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による
主鎖に対して、側鎖である5つのメチル基がいずれも同
方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味し、r
rrr(ラセモペンタッド分率)とは、任意の連続する
5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合によ
る主鎖に対して、側鎖である5つのメチル基が交互に反
対方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味す
る。なお、メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Za
mbelli et al( Macromolecu
les 8, 687, (1975))によった。
用いて加熱速度10℃/分で昇温した時に測定されるガ
ラス転移温度が−15℃以上、好適には−10℃以上で
あるものを用いる。ガラス転移温度が−15℃未満では
損失正接(tanδ)のピーク温度が低温側にシフト
し、本発明の目的とする常温での値が極めて小さくなり
好ましくない。条件(3)として示差走査熱量計を用い
て加熱速度10℃/分で結晶融解後、200℃まで昇温
し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分
で室温まで降温した時に測定される結晶化熱量が10〜
50J/gの範囲にあるものを用いる。結晶化熱量が1
0J/g未満では結晶性が低すぎて製膜性が極めて悪い
他、常温ではフィルムが柔らかすぎたり強度が不足して
実用上問題がある。また結晶化熱量が50J/gを越え
るものでは、フィルム伸展時に大きな力を要し、また不
均一な伸びしか示さず、ストレッチフィルムに適しな
い。さらに条件(4)としてメルトフローレート(MF
R)(JISK7210、230℃、2.16kg荷
重)が0.4〜40g/10分、好適には0.5〜20
g/10分、さらに好適には1.0〜20g/10分の
範囲にあるものを用いる。メルトフローレートが0.4
g/10分未満では、ポリマー自身の粘度が高すぎて押
出成形が困難になり、40g/10分を越えるとポリマ
ー自身の粘度が低すぎて製膜安定性がなくなったり、フ
ィルム自体の強度が不足して実用上問題がある。
ては、共重合組成中のプロピレンに基づく単量体単位が
少なくとも90モル%以上、好適には95モル%以上、
特には98モル%以上であり、沸騰n−ヘプタンによる
ソックスレー抽出においては、その不溶解分が60重量
%以下、好ましくは2〜50重量%、冷キシレンによる
ソックスレー抽出においては、その不溶解分が95重量
%以下、好ましくは50〜90重量%であるものが好適
に用いられる。ここで共重合組成中のプロピレンに基づ
く単量体単位が90モル%未満では、立体規則性による
結晶性の制御範囲が狭くなったり、α−オレフィンを共
重合した場合にはガラス転移温度がポリプロピレン本来
のガラス転移温度(−10℃前後)よりもかなり低下す
ることにより常温での損失正接(tanδ)が極めて小
さくなり好ましくない。なお、プロピレン以外の成分と
しては、エチレンまたは炭素数4〜12程度のα−オレ
フィンや4−メチルペンテン−1、環状オレフィン、ス
チレン等が挙げられるが、エチレンが最も好適に使用さ
れる。また沸騰n−ヘプタンによる不溶解分が60重量
%を越えたり、冷キシレンによる不溶解分が95重量%
を越えると、結晶性が高いため、柔軟性が低下したり、
本発明の目的である常温における損失正接(tanδ)
が所望の範囲内に入り難くなり好ましくない。
るものであれば2種類以上を混合して用いることもでき
る。またこのような軟質ポリプロピレン系樹脂の製造方
法としては、安価なプロピレンモノマーを主成分とし、
各種のメタロセン系触媒(シングルサイト触媒)や固体
状チタン系触媒等を用い、成形加工性の良好な立体規則
性を制御した軟質ポリプロピレン系樹脂を効率的、かつ
低コストで重合する方法が提案されており、使用する樹
脂としては本発明の主旨を満足するものであれば特に限
定されないが、具体的商品としては、Huntsman
Polymer Corporationの商品名
「REXflex」が例示できる。
ピレン系樹脂である。本発明においてこのポリプロピレ
ン系樹脂とは、(A)成分の定義には属さないポリプロ
ピレン系樹脂であって、プロピレンの単独重合体あるい
はプロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体で
ある。共重合可能な他の単量体としては、エチレンやブ
テン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、
オクテン−1等の炭素数4〜12のα−オレフィンおよ
びジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジ
シクロペンタジエン、シクロオクタジエン、エチリデン
ノルボルネン等のジエン類等が挙げられるが、これらの
うちエチレンであるのが好ましい。
明性や包装機械特性等からはプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体や13C−NMR測定によるシンジオタクチ
ックペンタッド分率(rrrr)が0.7以上であるシ
ンジオタクチックポリプロピレンが好ましく、また、低
温特性(特に低温での伸び)を改良する目的では結晶化
熱量が50J/g、好ましくは40J/g以下の低結晶
性ポリプロピレン系エラストマーが好ましい。この低結
晶性ポリプロピレン系エラストマーとしては、(A)、
(C)成分と混合した際の透明性や経済性等からリアク
タータイプのポリプロピレン系エラストマーが好まし
く、具体的な商品としては、(株)トクヤマの商品名
「P.E.R.」、チッソ(株)の商品名「NEWCO
N」、Montell−JPOの商品名「Catall
oy」等として市販されている。ここで(B)成分のポ
リプロピレン系樹脂が、プロピレンと共重合可能な他の
単量体との共重合体である場合の、他の単量体の含有量
は、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下で
ある。なおこれらのポリプロピレン系樹脂は一種のみを
単独で、または2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。また、そのメルトフローレート(MFR)(JI
SK7210、230℃、2.16kg荷重)は通常
0.4〜20g/10分、好ましくは0.5〜5g/1
0分のものが用いられる。
クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、またはそれら
の水素添加誘導体である。(C)成分はガラス転移温度
が高いため、混合物のガラス転移温度を高めることがで
きる。このことにより常温においてストレッチフィルム
として好適な伸展性を示す貯蔵弾性率(E′)と適度の
応力緩和性を示す損失正接(tanδ)とを両立させる
のに有効に作用する。具体的には、石油樹脂としては、
シクロペンタジエンまたはその二量体からの脂環式石油
樹脂やC9 成分からの芳香族石油樹脂があり、テルペン
樹脂としてはβ−ピネンからのテルペン樹脂やテルペン
−フェノール樹脂が、また、ロジン系樹脂としては、ガ
ムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリンや
ペンタエリスリトール等で変性したエステル化ロジン樹
脂等が例示できる。上記(C)成分は前記(A)、
(B)成分等に混合した場合に比較的良好な相溶性を示
すことが知られているが、色調や熱安定性、相溶性とい
った面から水素添加誘導体を用いることが好ましい。
のガラス転移温度を有するものが得られるが、本発明に
適合し得るのはガラス転移温度が50〜100℃、好ま
しくは70〜90℃のものである。ガラス転移温度が5
0℃未満であると、前述の(A)、(B)成分と混合し
た場合に所望の粘弾性特性を得るためには多量に含有さ
せる必要があり、表面へのブリードによる材料やフィル
ムのブロッキングを招きやすい。また、フィルム全体と
して機械的強度が不足して破れやすく実用上問題になる
ことがある。一方、ガラス転移温度が100℃を越える
ものでは、(A)、(B)成分との相溶性が悪化し、経
時的にフィルム表面にブリードし、ブロッキングや透明
度の低下を招くことがある。上記の理由から、(C)成
分は後述の粘弾性特性を達成し得る範囲内で含有量は少
ないほうが好ましい。この点では本発明に適用する立体
規則性を制御された軟質ポリプロピレン系樹脂は−10
℃程度以上のガラス転移温度を有しているため、従来普
通に用いられてきたプロピレンにα−オレフィン等が多
量に含有された低結晶性ポリプロピレン系樹脂と比較し
て(C)成分の含有量が少量でも所望の粘弾性特性に調
整するのに有効に作用する。
立体規則性を制御された軟質ポリプロピレン系樹脂が3
0〜80重量%、好ましくは40〜75重量%、(B)
成分であるポリプロピレン系樹脂が10〜50重量%、
好ましくは15〜45重量%、および(C)成分である
石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロ
ジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体が5〜25
重量%、好ましくは10〜20重量%からなる樹脂組成
物を主成分とする層である。ここで(A)成分の含有量
が30重量%未満、かつ(B)成分の含有量が50重量
%を越えると、常温での損失正接(tanδ)が低下し
好ましくない。一方、(A)成分の含有量が80重量%
を越え、かつ(B)成分の含有量が10重量%未満で
は、フィルムの剛性(腰)が低下しハンドリング性やフ
ィルムのカット性に問題が生じやすい。さらに(C)成
分の含有量が5重量%未満では、フィルムの自己粘着性
が劣ったり、混合樹脂層のガラス転移温度を高める効果
が少なく、所望の粘弾性特性が得られにくい。一方25
重量%を越えると経時的にフィルムの強度が変化した
り、石油樹脂類が表面にブリードし、巻き物とした場合
にはフィルム同士がブロッキングしてしまう等の問題が
生じやすい。
り周波数10Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率
(E')が5.0×10 8 〜5.0×109 dyn/c
m2 、損失正接(tanδ)が0.2〜0.8の範囲に
あるものである。ここで、tanδ(損失正接)とは貯
蔵弾性率(E')に対する損失弾性率(E”)の比、す
なわち損失正接(tanδ=E”/E')であり、この
値が高い温度領域では、材料の損失弾性率(E”)、す
なわち粘弾性特性のうち粘性の寄与率が大きいことを意
味している。このtanδの値および高い値を示す温度
領域を評価することにより、ストレッチフィルムを用い
た手包装や自動機による各種包装工程におけるフィルム
の応力緩和挙動等を判断する大きな目安となる。
108 dyn/cm2 未満であると、柔らかくて変形に
対し応力が小さすぎるため、作業性が悪く、パック品の
フィルムの張りもなく、ストレッチフィルムとして適さ
ない。一方、E′が5.0×109 dyn/cm2 を越
えると、硬くて伸びにくいフィルムになり、トレーの変
形やつぶれが生じやすい。E′の好適な範囲は8.0×
108 〜3.0×109 dyn/cm2 である。ま
た、tanδが0.2未満であると、フィルムの伸びに
対する復元挙動が瞬間的であるため、フィルムをトレー
の底に折り込むまでのわずかな間にフィルムが復元して
しまい、フィルムがうまく張れずにしわが発生しやす
い。また底部のヒートシール状態も、ストレッチ包装の
場合は熱による十分な融着がなされにくいので、包装
後、輸送中ないし陳列中に次第に底シールの剥がれを生
じやすくなる。また、tanδが0.8を越えると、包
装仕上がりは良好であるものの、塑性的な変形を示し、
パック品の外力に対する張りが弱すぎて、輸送中ないし
陳列中の積み重ね等により、トレー上面のフィルムがた
るみ易く、商品価値が低下しやすい。自動包装の場合に
は縦に伸びやすいためチヤツク不良等の問題が生じやす
い。tanδの特に好適な範囲は、0.30〜0.60
である。
用されることもあり、低温特性(特に伸び)が優れてい
ることが望ましいが、そのためには動的粘弾性測定によ
り周波数10Hz、温度0℃で測定した貯蔵弾性率
(E′)が1.5×1010dyn/cm2 以下の範囲に
あることが好ましい。本発明に適合する主に立体規則性
を制御した軟質ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンに
エチレンまたは炭素数4〜12程度のα−オレフィンを
多量に共重合等の形態で含有させた従来の軟質ポリプロ
ピレン系樹脂よりもガラス転移温度が高いので、低温伸
び等の柔軟性を確保するために上記特性を満たすよう配
慮するのが好ましい。そのためには、立体規則性指標
[M1]、[M2]の割合やプロピレンと共重合する成
分の種類とその割合、あるいは(A)、(B)、(C)
各成分の混合比率等を適宜調整すればよい。
層からなるストレッチフィルムが得られるが、本発明に
おいては混合樹脂層の両面に他の非塩素系材料層を表面
層として積層する。他の樹脂層としてはポリオレフィン
系樹脂層が用いられ、これらを積層することにより、フ
ィルムの粘弾性特性を調整するとともに、フィルムの成
形加工性、外観、柔軟性や引張特性が改良されて適度の
強度と伸びを示すようになり、また低温における伸びが
改良される。
ン系樹脂が、表面特性や経済性の付与の面から好適であ
り、低密度ポリエチレン、直鎖状エチレン−α−オレフ
ィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチ
レン−アルキルメタクリレート共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体等の使用が推奨される。実用上はEV
A及び/または直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合
体を好適に使用することができ、混合する場合の割合は
任意でもかまわない。このEVAとしては、酢酸ビニル
含量が5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%、
メルトフローレート(MFR)(JISK7210、1
90℃、2.16kg荷重)が0.2〜5g/10分の
ものが好適である。ここで酢酸ビニル含量が5重量%未
満では、得られるフィルムが硬く、柔軟性や弾性回復性
が低下し、また表面粘着性も発現しにくいので好ましく
ない。一方、25重量%を越えると表面粘着性が強過ぎ
て巻き出し性や外観が低下し易い。
重合体としては、α−オレフィン含量が5〜25重量
%、好ましくは10〜15重量%、MFR(JISK7
210、190℃、2.16kg荷重)が0.2〜5g
/10分のものが好適である。ここでα−オレフィン含
有量が5重量%未満では、得られるフィルムが硬く、ス
トレッチ包装時に均一伸展性が得られにくいので、包装
物にシワが発生したり、包装物を潰したりしやすいので
好ましくない。一方、25重量%を越えると、フィルム
成形が困難になったり、巻き出し性が低下する為好まし
くない。またα−オレフィンとしては、炭素数4〜8の
ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−
1、オクテン−1が好ましく、これらは一種のみを単独
で、または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。また、EVA、直鎖状エチレン−α−オレフィン共
重合体ともにMFRが0.2g/10分未満では、押出
加工性が低下し、一方5g/10分を越えると製膜安定
性が低下し、厚み斑や力学強度の低下やバラツキ等が生
じやすくなるため好ましくない。
常のストレッチ包装用として用いられる範囲、すなわち
8〜30μm程度、代表的には10〜20μm程度の範
囲にある。また積層フィルムとする場合には、前述した
混合樹脂層の厚みは全体の厚みに対する比が0.3〜
0.9、好ましくは0.4〜0.8であり、具体的には
5〜20μmであるのがストレッチフィルムとしての諸
特性および経済性の面から好ましい。
押出し、インフレーション成形またはTダイ成形により
フィルム状に成形することにより得られる。積層フィル
ムとする場合には多層ダイにより共押出するのが有利で
ある。実用的には、環状ダイから材料樹脂を溶融押出し
てインフレーション成形するのが好ましく、その際のブ
ローアップ比(バブル径/ダイ径)は4以上が好まし
く、特に5〜7の範囲が好適である。その際の冷却方法
としては、チューブの外面から冷却する方法、チューブ
の外、内面の両面から冷却する方法のどちらでも良い。
更に、ここで得られたフィルムを樹脂の結晶化温度以下
に加熱し、ニップロール間の速度差を利用してフィルム
の縦方向に1.2〜5倍延伸する、又はフィルムの縦横
両方向に1.2〜5倍に二軸延伸してもかまわない。
性、滑り性、自己粘着性等の性能を付与するために次の
ような各種添加剤を表面層及び/または混合樹脂層に適
宜配合することができる。例えば、炭素数が1〜12、
好ましくは1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数が10
〜22、好ましくは12〜18の脂肪酸との化合物であ
る脂肪族アルコール系脂肪酸エステル、具体的には、モ
ノグリセリンオレート、ポリグリセリンオレート、グリ
セリントリリシノレート、グリセリンアセチルリシノレ
ート、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンラ
ウレート、メチルアセチルリシノレート、エチルアセチ
ルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、プロピ
レングリコールオレート、プロピレングリコールラウレ
ート、ペンタエリスリトールオレート、ポリエチレング
リコールオレート、ポリプロピレングリコールオレー
ト、ソルビタンオレート、ソルビタンラウレート、ポリ
エチレングリコールソルビタンオレート、ポリエチレン
グリコールソルビタンラウレート等、ならびに、ポリア
ルキレンエーテルポリオール、具体的には、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等、更に、パ
ラフィン系オイル等から選ばれた化合物の少なくとも1
種を、各層を構成する樹脂成分100重量部に対して、
0.1〜12重量部、好適には1〜8重量部配合させる
のが好ましい。
るが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものでは
ない。なお、本明細書中に表示されるフィルムについて
の種々の測定値および評価は次のようにして行った。こ
こで、フイルムの押出機からの引取り方向(流れ方向)
を縦方向、その直交方向を横方向とよぶ。
F3を用い、フィルムの横方向について、振動周波数1
0Hz、昇温速度1℃/分で−50℃から150℃まで
測定し、得られたデータから温度20℃および0℃での
値を表示した。
(石田衡器(株)製ISHIDA・WminMK−I
I)により発泡ポリスチレントレー(長さ200mm、
幅130mm、高さ30mm)を包装し、表3に示す項
目について評価した。また同じフィルムおよびトレーを
用いて、手包装機(三菱樹脂(株)製ダイアラッパーA
−105)により包装試験を行った。
のバブルの安定性を評価した。 ◎…極めて安定している ○…安定している △…やや不安定である ×…製膜不可
(Tm) パーキンエルマー社製DSC−7を用いて、試料10m
gをJISK7121に準じて、加熱速度10℃/分で
昇温したときのサーモグラムから求めた。
gをJISK7121、JISK7122に準じて、加
熱速度10℃/分で結晶融解後、200℃まで昇温し、
200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で室
温まで降温したときのサーモグラムから求めた。
温度230℃、試験荷重2.16kgfの条件で測定し
た。
磁気共鳴周波数67.8MHz)を用い、次の条件で13
C−NMRスペクトルを測定し、各々のペンタッド分率
から下記式により計算した。 測定モード: 1H−完全デカップリング パルス幅:8.6マイクロ秒 パルス繰り返し時間:30秒 積算回数:7200回 溶媒:オルトジクロロベンゼン/重ベンゼンの混合溶媒
(80/20容量%) 試料濃度:100mg/1ミリリットル溶媒 測定温度:130℃ [M1]=[mmmm]+[rrrr] [M2]=[mmrr]+[mrmm]+[rmrr]
+[mrmr] ここで各々のペンタッド分率は、13C−核磁気共鳴スペ
クトルのメチル基領域における分裂ピークの測定により
求めた。また、メチル基領域のシグナルの帰属は、A.
Zambelli et al(Macromolec
ules 8,687, (1975))によった。
条件の恒温室に10日間保管し、その後の表面状態と巻
き返し性を評価した。 ◎…表面への添加物のブリードやフィルム同士のブロッ
キングが全くない。 ○…表面への添加物のブリードはほとんどないがフィル
ム同士のブロッキングが少しある。 △…表面への添加物のブリードが少しあり、フィルム同
士のブロッキングにより剥離もやや重い。 ×…表面への添加物のブリードが多く、フィルム同士の
ブロッキングもひどく実用上使用不可。
(I)(プロピレン含量:100モル%、[mmmm]
=0.353、[mmmr]=0.097、[rmm
r]=0.021、[mmrr]=0.114、[mm
rm]+[rmrr]=0.104、[rmrm]=
0.0、[rrrr]=0.154、[mrrr]=
0.091、[mrrm]=0.066、[M1]=
0.507、[M2]=0.218、MFR=16.0
/10分、Tm=155℃、HuntsmanPoly
mer Corporation製、「REXflex
W101」):55重量%
8.8μm、その両面にEVA(酢酸ビニル含量15重
量%、190℃、2.16kg荷重におけるMFR=
2.0g/10分)100重量部に防曇剤としてジグリ
セリンモノオレート3.0重量部を溶融混練した組成物
の層を各々1.6μmとなるように、環状三層ダイ温度
190℃、ブローアップ比5.5で共押出インフレーシ
ョン成形して、総厚み12μm(1.6μm/8.8μ
m/1.6μm)のフィルムを得た。
(I)単体からなるフィルムを測定した特性は、以下の
通りであった。 0℃における貯蔵弾性率(E′) 5.5×109 dyn/cm2 20℃における貯蔵弾性率(E′) 4.8×108 dyn/cm2 20℃における損失正接(tanδ) 0.34 損失正接(tanδ)のピーク温度とその値 5℃、0.61 ガラス転移温度(Tg) −6℃ 結晶化熱量 25J/g 結晶化温度(Tc) 99℃ であった。
樹脂として使用したEVAに代えて直鎖状エチレン−α
−オレフィン共重合体(α−オレフィン:オクテン−1
含量12重量%、190℃、2.16kg荷重における
MFR=1.0g/10分、Tm=102℃、ダウ・ケ
ミカル社製、「AFFINITYPL1880」)を用
いた以外は、実施例1と同様にして総厚み12μm
(1.6μm/8.8μm/1.6μm)のフィルムを
得た。
脂の混合比率を (A)成分 75重量% (B)成分 15重量% (C)成分 10重量% に変更した以外は実施例1と同様にして総厚み12μm
(2.4μm/7.2μm/2.4μm)のフィルムを
得た。
された軟質ポリプロピレン系樹脂(I)に代えて軟質ポ
リプロピレン系樹脂(II)(プロピレン含量:97モ
ル%、エチレン含量:3モル%、[mmmm]=0.3
74、[mmmr]=0.092、[rmmr]=0.
019、[mmrr]=0.096、[mmrm]+
[rmrr]=0.110、[rmrm]=0.03
3、[rrrr]=0.114、[mrrr]=0.1
00、[mrrm]=0.062、[M1]=0.48
8、[M2]=0.239、MFR=19.0g/10
分、Tm=149℃、Huntsman Polyme
r Corporation社製、「REXflexW
201」)を用いた以外は実施例1と同様にして総厚み
12μm(1.6μm/8.8μm/1.6μm)のフ
ィルムを得た。
I)単体からなるフィルムを測定した特性は、以下の通
りであった。 0℃における貯蔵弾性率(E′) 3.4×109 dyn/cm2 20℃における貯蔵弾性率(E′) 4.3×108 dyn/cm2 20℃における損失正接(tanδ) 0.26 損失正接(tanδ)のピーク温度とその値 2℃、0.57 ガラス転移温度(Tg) −10℃ 結晶化熱量 21J/g 結晶化温度(Tc) 95℃ であった。
使用したプロピレン−エチレンランダム共重合体のかわ
りにシンジオタクチックポリプロピレン(シンジオタク
チックペンタッド分率rrrr=0.811、MFR=
2.3g/10分、Tm=130℃)を用い、3種の樹
脂の混合比率を (A)成分 55重量% (B)成分 35重量% (C)成分 10重量% に変更した以外は、実施例1と同様にして総厚み12μ
m(1.6μm/8.8μm/1.6μm)のフィルム
を得た。
は、 0℃における貯蔵弾性率(E′) 1.9×1010dyn/cm2 20℃における貯蔵弾性率(E′) 6.5×109 dyn/cm2 20℃における損失正接(tanδ) 0.14 損失正接(tanδ)のピーク温度とその値 11℃、0.15 ガラス転移温度(Tg) 0.5℃ 結晶化熱量 35J/g 結晶化温度(Tc) 70℃ であった。
使用したプロピレン−エチレンランダム共重合体に代え
て低結晶性プロピレン−エチレン−プロピレン共重合体
エラストマー(プロピレン含量:88モル%、エチレン
含量:12モル%、MFR=1.5g/10分、Tm=
156℃、(株)トクヤマ製、「P.E.R.T310
J」)を用い、3種の樹脂の混合比率を (A)成分 70重量% (B)成分 10重量% (C)成分 20重量% に変更し、表裏層用の樹脂として直鎖状エチレン−α−
オレフィン共重合体(α−オレフィン:オクテン−1含
量12重量%、190℃、2.16kg荷重におけるM
FR=1.0g/10分、Tm=102℃、ダウ・ケミ
カル社製、「AFFINITYPL1880」)を用い
た以外は、実施例1と同様にして総厚み12μm(1.
6μm/8.8μm/1.6μm)のフィルムを得た。
は、 0℃における貯蔵弾性率(E′) 3.6×109 dyn/cm2 20℃における貯蔵弾性率(E′) 2.1×109 dyn/cm2 20℃における損失正接(tanδ) 0.07 損失正接(tanδ)のピーク温度とその値 −10℃、0.18 ガラス転移温度(Tg) −25℃ 結晶化熱量 31J/g 結晶化温度(Tc) 101℃ であった。
裏層の積層厚み比を次のように変更した以外は同様にし
て総厚み12μm(3.2μm/5.6μm/3.2μ
m)のフィルムを得た。
脂の混合比率を (A)成分 30重量% (B)成分 50重量% (C)成分 20重量% に変更した以外は実施例1と同様にして総厚み12μm
(1.6μm/8.8μm/1.6μm)のフィルムを
得た。
使用した立体規則性を制御された軟質ポリプロピレン系
樹脂(I)のかわりに軟質ポリプロピレン系樹脂(II
I)(プロピレン含量:100モル%、[mmmm]=
0.630、[mmmr]=0.068、[rmmr]
=0.0、[mmrr]=0.083、[mmrm]+
[rmrr]=0.060、[rmrm]=0.0、
[rrrr]=0.080、[mrrr]=0.03
8、[mrrm]=0.041、[M1]=0.71
0、[M2]=0.143、MFR=2.0g/10
分、Tm=158℃、Huntsman Polyme
r Corporation社製、「REXflexW
105」)を用いた以外は実施例1と同様にして総厚み
12μm(1.6μm/8.8μm/1.6μm)のフ
ィルムを得た。
II)単体からなるフィルムを測定した特性は、以下の
通りであった。 0℃における貯蔵弾性率(E′) 1.6×1010dyn/cm2 20℃における貯蔵弾性率(E′) 3.7×109 dyn/cm2 20℃における損失正接(tanδ) 0.14 損失正接(tanδ)のピーク温度とその値 8℃、0.26 ガラス転移温度(Tg) −6℃ 結晶化熱量 54J/g 結晶化温度(Tc) 108℃ であった。
使用した立体規則性を制御された軟質ポリプロピレン系
樹脂(I)のかわりに低分子量ポリプロピレン系樹脂
(プロピレン含量;100モル%、[mmmm]=0.
398、[mmmr]=0.116、[rmmr]=
0.024、[mmrr]=0.114、[mmrm]
+[rmrr]=0.102、[rmrm]=0.03
1、[rrrr]=0.067、[mrrr]=0.0
77、[mrrm]=0.071、[M1]=0.46
5、[M2]=0.247、190℃における溶融粘
度;8000cps(MFRは40g/10分を越え
る)、Tg;−13℃、Tm;154℃、Tc;95
℃、結晶化熱量;25J/g、宇部興産(株)製、「U
BETACAPAOUT2180」)を用いた以外は実
施例1と同様にして総厚み12μm(1.6μm/8.
8μm/1.6μm)のフィルムを製膜した。しかしな
がら、中間層である混合樹脂組成物の溶融粘度が極端に
低くフィルムを採取することが出来なかった。
脂の混合比率を (A)成分 70重量% (B)成分 30重量% (C)成分 0重量% に変更した以外は実施例1と同様にして厚さ12μm
(1.6μm/8.8μm/1.6μm)のフィルムを
得た。
組成物からなるフィルムを測定した特性は、以下の通り
であった。 0℃における貯蔵弾性率(E′) 1.0×1010dyn/cm2 20℃における貯蔵弾性率(E′) 2.3×109 dyn/cm2 20℃における損失正接(tanδ) 0.18 損失正接(tanδ)のピーク温度とその値 5℃、0.32 ガラス転移温度(Tg) −9℃ 結晶化熱量 42J/g 結晶化温度(Tc) 105℃ であった。
脂の混合比率を (A)成分 0重量% (B)成分 70重量% (C)成分 30重量% に変更した以外は実施例1と同様にして総厚み12μm
(1.6μm/8.8μm/1.6μm)のフィルムを
得た。
ッチフィルム(厚さ15μm)について評価を行った。
上記実施例1乃至8及び比較例1乃至5について、各積
層フィルム(比較例6は単層)の粘弾性特性の測定値等
を表1に、ストレッチ包装適正等の評価を表2に示し
た。
を有し、粘弾性特性が本発明で規定する範囲にある実施
例1乃至8のフィルムは、いずれもストレッチフィルム
としての諸特性に総合的に優れていることが分かる。こ
れに対して、成分が異なるか、粘弾性特性が本発明で規
定する範囲外の比較例1乃至4のフィルムは、ストレッ
チフィルムとしての総合的な特性に劣ることが分かる。
動包装機等に使用した場合にフィルムのカット・搬送や
ラッピングを問題なく行うことができ、底シール性が良
好で、またフィルムの張りが良い包装体を得ることがで
き、非塩素系ストレッチフィルムとして従来にない特徴
を有している。さらに経時的な安定性や経済性にも優れ
ている。
Claims (5)
- 【請求項1】下記(A)成分が30〜80重量%、
(B)成分が10〜50重量%および(C)成分5〜2
5重量%からなる樹脂組成物を主成分とする混合樹脂層
の両面に、ポリオレフィン系樹脂からなる表面層を積層
してなる3層構造フィルムであって、動的粘弾性測定に
より周波数10Hz、温度20℃で測定した貯蔵弾性率
(E')が5.0×10 8 〜5.0×109 dyn/c
m2 、損失正接(tanδ)が0.2〜0.8の範囲に
あることを特徴とするポリオレフィン系ストレッチ包装
用フィルム。(A)下記(1)〜(4)の条件を満足
し、分子鎖中に結晶性のブロックと非晶性のブロック部
分が混在している立体規則性を制御された軟質ポリプロ
ピレン系樹脂 (1)13C−NMRスペクトルのペンタッド分率から求
められる立体規則性指標[M1]の値が0.30〜0.
60、[M2]の値が0.15〜0.30 [M1]=[mmmm]+[rrrr] [M2]=[mmrr]+[mrmm]+[rmrr]
+[mrmr] (2)示差走査熱量計を用いて加熱速度10℃/分で昇
温した時に測定されるガラス転移温度が−15℃以上 (3)示差走査熱量計を用いて加熱速度10℃/分で結
晶融解後、200℃まで昇温し、200℃で5分間保持
した後、冷却速度10℃/分で室温まで降温した時に測
定される結晶化熱量が10〜50J/g (4)メルトフローレート(MFR)(JISK721
0、230℃、2.16kg荷重)が0.4〜40g/
10分 (B)(A)成分以外のポリプロピレン系樹脂 (C)石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、ロジン系樹脂、またはそれらの水素添加誘導体 - 【請求項2】動的粘弾性測定により周波数10Hz、温
度0℃で測定した貯蔵弾性率(E')が1.5×1010
dyn/cm2 以下の範囲にあることを特徴とする請求
項1記載のポリオレフィン系ストレッチ包装用フィル
ム。 - 【請求項3】前記(B)成分であるポリプロピレン系樹
脂がプロピレン−エチレンランダム共重合体、13C−N
MR測定によるシンジオタクチックペンタッド分率(r
rrr)が0.7以上であるシンジオタクチックポリプ
ロピレン、低結晶性ポリプロピレン系エラストマーの中
から選ばれる少なくとも一種のポリプロピレン系樹脂で
あることを特徴とする請求項1及至2記載のポリオレフ
ィン系ストレッチ包装用フィルム。 - 【請求項4】前記(C)成分のガラス転移温度が50〜
100℃であることを特徴とする請求項1及至3記載の
ポリオレフィン系ストレッチ包装用フィルム。 - 【請求項5】請求項1記載の混合樹脂層の両面に、メル
トフローレート(MFR)(JISK7210、190
℃、2.16kg荷重)が0.2〜5g/10分であ
り、酢酸ビニル含量が5〜25重量%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体及び/または炭素数4〜8のα−オレフ
ィン含量が5〜25重量%の直鎖状エチレン−α−オレ
フィン共重合体を主成分とする表面層が積層されてなる
ことを特徴とする請求項1及至4記載のポリオレフィン
系ストレッチ包装用フィルム。
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