JP2002192671A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2002192671A
JP2002192671A JP2000395379A JP2000395379A JP2002192671A JP 2002192671 A JP2002192671 A JP 2002192671A JP 2000395379 A JP2000395379 A JP 2000395379A JP 2000395379 A JP2000395379 A JP 2000395379A JP 2002192671 A JP2002192671 A JP 2002192671A
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propylene
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JP2000395379A
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Hironori Honda
博紀 本田
Hiroaki Takeda
洋明 武田
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ブロッキング防止性を有し、可剥性、ヒートシ
ール性、透明性に優れた積層体を提供する。 【解決手段】少なくとも一方の表面層が、ポリプロピレ
ン樹脂(A)からなる積層体。 (1)o−ジクロロベンゼン昇温溶離分別法により、2
0℃未満の溶出成分(a)20〜60%、20℃以上1
00℃未満の溶出成分(b)20〜70%、100℃以
上の溶出成分(c)1〜40%で、a、b、c成分の合
計が100%。 (2)aとbからなる成分が、プロピレン単量体単位9
0〜50モル%、エチレン単量体単位10〜50モル
%。 (3)aとbからなる成分の、13C−NMRで測定され
る3つの単量体単位のモル分率[EEE]、[PEP]、[EPE]と
エチレン単量体単位のモル分率[E]とが(I)、(II)の
関係である。 0≦([EEE]/[E]−0.78[E])≦0.20 (I) 0.70≦(([PEP]+[EPE])/[E]+0.95[E])≦0.9
5 (II) (4)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
が1〜5。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン樹
脂からなる積層体、詳しくは、ヒートシール層の素材と
して好適なポリプロピレン樹脂をヒートシール層の素材
として用いた積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、物品をフィルムで包装して密封す
る場合、該フィルムの包装片同士をヒートシールする方
法が行われている。その際、該フィルムとしては、ポリ
プロピレン、ポリエチレンのようなポリオレフィン系熱
可塑性樹脂からなるヒートシール層を基材層の表面に積
層したフィルムが使用されている。
【0003】ところで、こうしたヒートシールによる包
装では、かかるヒートシールされた包装片同士の結合部
が、包装体の開封時に手で容易に開封できる程度の適度
な強度を有することが要求される。また、この包装体の
開封時に当該接合部が良好な可剥性を有することが要求
される。
【0004】しかしながら、従来のポリオレフィン系熱
可塑性樹脂からなるヒートシール層を有する積層フィル
ムでは、通常、この結合部を引き剥がそうとすると、糸
引きや毛羽立ちが生じ易いのと同時に、溶着する包装片
同士の界面やヒートシール層の内部でスムーズな剥離が
生じず、結合部は元の包装片同士に再び分離することな
く該結合部の途中で包装片のいずれか一方の厚み方向に
基層が引き裂かれてしまうという現象が発生する。こう
した現象は、開封時の物品に対する外観不良につなが
り、その物品の商品価値を低下させる、また、この引き
裂かれた部分が起点になって、開封の途中で、フィルム
が大きく破断し、内容物が落下する等の危険性もあっ
た。
【0005】こうしたことから、上記欠点を解消し、可
剥性、ヒートシール性、開封性に優れたヒートシール性
を有するフィルムを開発することが望まれていた。
【0006】上記課題を解決するため、本出願人は、特
定の組成のプロピレン系ブロック共重合体よりなる樹脂
層が少なくとも一方のフィルム表面に積層されてなる積
層ヒートシールフィルムを提案している(特開平8−2
44182号公報)。かかる積層ヒートシールフィルム
は、可剥性、ヒートシール性、透明性に優れる他、ヒー
トシール後熱融着された結合部を引き剥がす際に、両フ
ィルムがその界面や表面層部分で良好に剥離するもので
あるが、フィルムの長期在庫や自動包装等の機械走行性
を勘案すると、フィルムのブロッキング防止性に改良の
余地があった。こうした問題を解決するには、プロピレ
ン系ブロック共重合体中にアンチブロッキング剤や滑剤
等を比較的多量に添加する方法も考えられるが、その場
合、ブロッキング防止性は向上するものの、透明性が低
下するという問題が発生する。
【0007】また、本出願人は、透明性を低下すること
なくブロッキング防止性を向上させたフィルムとして、
特定の組成のプロピレン系ブロック共重合体100重量
部と石油樹脂5〜70重量部とからなるプロピレン系ブ
ロック共重合体組成物を用いたフィルムを提案している
(特開平9−143339号公報)。しかしながら、か
かるフィルムは、石油樹脂の添加量が多い場合には、耐
油性が損なわれるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、アンチブロッキング剤や滑剤等を多量に添加するこ
となしに、良好なブロッキング防止性を有し、可剥性、
ヒートシール性、透明性、耐油性に優れた積層体を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について鋭意研究を重ねた結果、特定の組成のポリプ
ロピレン樹脂を積層体の表層として用いることで上記課
題が解決できることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0010】即ち、本発明は、少なくとも一方の表面層
が、下記の性質を有するポリプロピレン樹脂(A)から
なる層である積層体である。 (1)o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた温度昇温溶離
分別法により分別された溶出成分について、20℃未満
の溶出成分(a成分)の量が20〜60%、20℃以上
100℃未満の溶出成分(b成分)の量が20〜70
%、100℃以上の溶出成分(c成分)の量が1〜40
%で、かつ、a成分、b成分およびc成分の合計が10
0% (2)上記a成分とb成分からなる成分が、プロピレン
単量体単位90〜50モル%、エチレン単量体単位10
〜50モル% (3)上記a成分とb成分からなる成分の、13C−NM
Rで測定される連続する3つの単量体単位のモル分率[E
EE]、[PEP]、[EPE]とエチレン単量体単位のモル分率[E]
とが下記式(I)、(II)の関係である 0≦([EEE]/[E]−0.78[E])≦0.20 (I) 0.70≦(([PEP]+[EPE])/[E]+0.95[E])≦0.95 (II) (4)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
が1〜5
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、温度昇温溶離分
別法とは、例えば、Journal of Applied Polymer Scien
ce;Applied Polymer Symposium 45,1-24(1990)等に詳細
に記述されている方法を指す。即ち、高温の高分子溶液
を、珪藻土の充填剤を充填したカラムに導入し、カラム
温度を徐々に低下させることにより充填剤表面に結晶性
の高い成分から順に沈着させ、次にカラム温度を徐々に
上昇させることにより、結晶性の低い成分から順に溶出
させて溶出ポリマー成分を分取する方法である。従っ
て、本明細書において20℃未満の溶出成分とは、温度
昇温溶離分別法において、低温側から20℃に至る昇温
過程での全溶出成分である。
【0012】本発明で用いられるポリプロピレン樹脂
は、o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた温度昇温溶離分
別法により分別された溶出成分について、20℃未満の
溶出成分(以下、a成分ともいう)の量が20〜60
%、20℃以上100℃未満の溶出成分(以下、b成分
ともいう)の量が20〜70%、100℃以上の溶出成
分(以下、c成分ともいう)の量が1〜40%で、か
つ、a成分、b成分およびc成分の合計が100%であ
る。
【0013】温度昇温溶離分別法により分別された溶出
成分について、上記a成分が20%よりも少ないと、得
られる積層体、特にヒートシールフィルムのヒートシー
ル性、可剥性が劣り、また、60%を越えると、得られ
る積層体の粘着性が著しく取り扱いが困難になるために
好ましくない。
【0014】上記b成分が20%よりも少ないと、得ら
れる積層体、特にヒートシールフィルムのヒートシール
性が劣り、透明性が低下する。また、70%を越える
と、耐ブロッキング性が低下するために好ましくない。
【0015】また、上記c成分が1%よりも少ないと、
得られる積層体のヒートシール強度が低下する。また、
40%を越えると、得られる積層体のヒートシール性、
透明性が低下するために好ましくない。
【0016】本発明において、上記a成分とb成分から
なる成分は、プロピレン単量体単位が90〜50モル
%、エチレン単量体単位が10〜50モル%である。
【0017】上記エチレン単量体単位が10モル%未満
である場合は、可剥性、ヒートシール性が低下し、ま
た、エチレン単量体単位が50モル%を越える場合は得
られる積層体の粘着性が強くなり、取り扱いが困難にな
る。可剥性、粘着性のバランスを考慮すると上記エチレ
ン単量体単位は、好ましくは12〜48モル%、さらに
好ましくは15〜45モル%である。
【0018】また、上記a成分とb成分からなる成分
は、13C−NMRで測定される連続する3つの単量体単
位のモル分率[EEE]、[PEP]、[EPE]と、エチレン単量体
単位のモル分率[E]が下記(I)、(II)を同時に満足す
ることが重要である。
【0019】 0≦([EEE]/[E]−0.78[E])≦0.20 (I) 0.70≦(([PEP]+[EPE])/[E]+0.95[E])≦0.95 (II) 上記([EEE]/[E]−0.78[E])の値が0未満、あるいは、
(([PEP]+[EPE])/[E]+0.95[E])の値が0.95を越
える場合、積層体の粘着性が増大し好ましくない。一
方、前記したa成分とb成分からなる成分のエチレン単
量体単位が10〜50モル%の範囲を満足し、([EEE]/
[E]−0.78[E])の値が0.20を越え、かつ、(([PE
P]+[EPE])/[E]+0.95[E])の値が0.70未満となる
ものを重合することは製造上困難である。仮に([EEE]/
[E]−0.78[E])の値が0.20を越え、(([PEP]+[EP
E])/[E]+0.95[E])の値が0.70未満のものを重合
することができた場合であっても、得られるポリプロピ
レン樹脂の透明性は著しく低下するため、積層体の透明
性が損なわれる。
【0020】また、([EEE]/[E]−0.78[E])の値は、粘
着性、透明性のバランスを考慮すると好ましくは0〜
0.15、さらに好ましくは0〜0.10であり、ま
た、(([PEP]+[EPE])/[E]+0.95[E])の値は、0.7
5〜0.95、さらに好ましくは0.78〜0.95で
ある。
【0021】本発明において用いられるポリプロピレン
樹脂は、分子量分布が特定の範囲であることが必要であ
る。具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(以下、「GPC」と略す)で測定した重量平均分
子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1〜5の範囲で
ある。重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
をこの範囲にすることにより、得られる積層体が可剥性
に優れたものとなり、また、べたつき等がない性状の好
ましいものとなる。
【0022】さらに、本発明で用いるポリプロピレン樹
脂は、通常、重量平均分子量(Mw)が10万以上、よ
り一般的には15万以上であることが好適である。メル
トマスフローレート(以下、「MFR」と略す)は、製
膜性を勘案すると、0.1〜20g/10分、好ましく
は0.5〜15g/10分が好適である。また、示差走
査熱量分析(DSC)における主ピークは、ヒートシー
ル開始温度や積層体成形時のロールへの貼りつき性を勘
案すると120〜160℃、好ましくは125〜155
℃の範囲にあることが良好である。
【0023】本発明で使用されるポリプロピレン樹脂の
製造方法は、本発明の要件を満たす限り、特に限定され
るものではなく、例えば、前記特性を有するa、bおよ
びc成分を多段の重合により製造する方法、または、前
記特性を有するa、bおよびc成分をそれぞれ主成分と
する公知の樹脂をそれぞれ単独で、あるいは任意の割合
で上記成分の2種以上を含む公知の樹脂を、本発明の要
件を満足するように配合することによって製造する方法
等が挙げられる。
【0024】このうち、前記特性を有するa、bおよび
c成分を多段の重合によって製造する方法が、本発明の
効果を十分発現することを勘案すると特に好ましい。具
体的にはポリプロピレン成分を重合後、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分の重合を引き続いて実施
し、該ポリプロピレン成分と該プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合成分とがミクロに混合された、いわゆるブ
ロック共重合体を得る方法が、良好な透明性を発揮する
ので好ましい。
【0025】本発明で用いられるポリプロピレン樹脂を
多段の重合によって製造する方法の代表的な方法を例示
すれば、以下の方法が挙げられる。
【0026】即ち、下記成分(イ)、(ロ)、および
(ハ)の存在下にプロピレンを重合した後、引き続いて
プロピレンとエチレンのランダム共重合を行う方法であ
る。 (イ)チタン化合物 (ロ)有機アルミニウム化合物 (ハ)有機ケイ素化合物 上記チタン化合物(イ)は、オレフィンの重合に使用さ
れることが公知のチタン化合物を何ら制限なく使用で
き、その中でも、プロピレンの重合に使用した場合に、
高立体規則性の重合体を高収率で得ることのできるチタ
ン化合物が好ましい。
【0027】上記した高立体規則性の重合体を高収率で
得ることのできるチタン化合物は、担持型チタン化合物
と三塩化チタン化合物とに大別される。
【0028】上記担持型チタン化合物は、公知の方法で
得られたものが何ら制限なく使用できる。例えば、特開
昭56−155206号公報、同56−136806号
公報、同57−34103号公報、同58−8706号
公報、同58−83006号公報、同58−13870
8号公報、同58−183709号公報、同59−20
6408号公報、同59−219311号公報、同60
−81208号公報、同60−81209号公報、同6
0−186508号公報、同60−192708号公
報、同61−211309号公報、同61−27130
4号公報、同62−15209号公報、同62−117
06号公報、同62−72702号公報、同62−10
4810号公報等に示されている方法を採用すればよ
い。具体的には、例えば四塩化チタンを塩化マグネシウ
ムのようなマグネシウム化合物と共粉砕する方法、アル
コール、エーテル、エステル、ケトンまたはアルデヒド
等の電子供与体の存在下にハロゲン化チタンとマグネシ
ウム化合物とを共粉砕する方法、または溶媒中でハロゲ
ン化チタン、マグネシウム化合物および電子供与体を接
触させる方法が挙げられる。
【0029】また、上記三塩化チタン化合物としては、
公知のα、β、γまたはδ−三塩化チタンが挙げられ
る。これらの三塩化チタン化合物の調整方法は、例え
ば、特開昭47−34478号公報、同50−1265
90号公報、同50−114394号公報、同50−9
3888号公報、同50−123091号公報、同50
−74594号公報、同50−104191号公報、同
50−98489号公報、同51−136625号公
報、同52−30888号公報、同52−35283号
公報等に示されている方法が採用される。この中でも、
本発明で用いられるポリプロピレン樹脂を得るために
は、三塩化チタン化合物が特に好ましい。
【0030】上記有機アルミニウム化合物(ロ)は、オ
レフィンの重合に用いられる公知の化合物が何ら制限な
く採用される。例えば、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウ
ム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−i−ブチル
アルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ
−n−オクチルアルミニウム、トリ−n−デシルアルミ
ニウム等のトリアルキルアルミニウム類;ジエチルアル
ミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノブ
ロマイド等のジエチルアルミニウムモノハライド類;メ
チルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウ
ムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド
等のアルキルアルミニウムハライド類;モノエトキシジ
エチルアルミニウム、ジエトキシモノエチルアルミニウ
ム等のアルコキシアルミニウム類などが挙げられる。
【0031】この中でも、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリ−i−ブチルアルミニウム
等のトリアルキルアルミニウムが特に好ましい。
【0032】上記有機ケイ素化合物(ハ)は、オレフィ
ンの立体規則性改良に用いられる公知の化合物が何ら制
限なく採用でき、その中でも、ケイ素原子に直結した原
子が3級炭素である鎖状炭化水素であるか、または2級
炭素である環状炭化水素などの嵩高い置換基を有する有
機ケイ素化合物が、得られるポリプロピレン成分の立体
規則性をより高くし、良好な耐熱性を発現するため好ま
しい。具体的にはジ−t−ブチルジメトキシシラン、t
−ブチルエチルジメトキシシラン、ジ−t−アミルジメ
トキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ
シクロヘキシルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジ
メトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、
シクロペンチルメチルジメトキシシラン、シクロペンチ
ルエチルジメトキシシラン、シクロペンチルイソブチル
ジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシ
ラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロ
へキシルイソブチルジメトキシシラン等の有機ケイ素化
合物を挙げることができる。その中でも、ジシクロペン
チルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシ
ランが特に好ましい。またこれらの有機ケイ素化合物
は、2種以上を同時に用いることも可能である。
【0033】本発明において、用いられるチタン化合物
(イ)、有機アルミニウム化合物(ロ)、有機ケイ素化
合物(ハ)の組み合わせは、 (1)三塩化チタン化合物−トリアルキルアルミニウム
−有機ケイ素化合物 (2)担持型チタン化合物−トリアルキルアルミニウム
−有機ケイ素化合物 (3)担持型チタン化合物−三塩化チタン化合物−トリ
アルキルアルミニウム−有機ケイ素化合物 の組み合わせであることが、前記特性を有するa、bお
よびc成分からなるポリプロピレン樹脂を容易に得るこ
とを勘案すると、より好ましい。
【0034】その中でも、(1)の組み合わせが、前記
モル分率[E]について式(I)及び(II)を満足するポ
リプロピレン樹脂を容易に得ることを勘案すると、特に
好適である。
【0035】本発明においては、上記の各成分の存在下
における本重合に先立ち、前記(イ)および(ロ)、必
要に応じて(ハ)の存在下にα−オレフィンの予備重合
を行うことが、得られるポリプロピレン樹脂の低分子量
物の生成量を低減し、積層体のベタツキを抑えることが
できるために好適である。さらに必要に応じて前記
(イ)、(ロ)および(ハ)に加え、下記一般式にて示
されるヨウ素化合物(ニ)R−I (ただし、Rはヨウ素原子または炭素数1〜7のアルキ
ル基またはフェニル基である。)の存在下にα−オレフ
ィンの予備重合を行うことが、上記低分子量物の生成を
一層抑制し、さらに(a)成分の量を制御できるので、
得られるポリプロピレン樹脂を積層体に用いた場合のベ
タツキをさらに抑えることができ、より好ましい態様と
なる。
【0036】本発明の予備重合で使用される前記(イ)
および(ロ)、必要に応じて使用される(ハ)、また、
さらに必要に応じて使用される(ニ)の各触媒成分の量
は、触媒成分の種類、重合の条件に応じて異なるため
に、これらの各条件に応じて最適の使用量を予め決定す
ればよい。好適に使用される範囲を例示すれば下記の通
りである。
【0037】予備重合に使用される有機アルミニウム化
合物(ロ)の使用割合は、チタン化合物(イ)に対し
て、Al/Ti(モル比)で0.1〜100、好ましく
は0.1〜20の範囲であり、必要に応じて使用される
有機ケイ素化合物(ハ)の使用割合は、チタン化合物
(イ)に対して、Si/Ti(モル比)で0.01〜1
00、好ましくは0.01〜10の範囲が、それぞれ好
適である。また、さらに必要に応じて使用されるヨウ素
化合物(ニ)の使用割合は、チタン化合物(イ)に対し
て、I/Ti(モル比)で0.1〜100、好ましくは
0.5〜50の範囲が好適である。
【0038】本発明の予備重合で好適に使用し得るヨウ
素化合物を具体的に示すと次の通りである。例えば、ヨ
ウ素、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、
ヨウ化ブチル、ヨードベンゼン、p−ヨウ化トルエン等
である。特にヨウ化メチル、ヨウ化エチルが好適であ
る。
【0039】前記成分の存在下にα−オレフィンを重合
する予備重合量は、予備重合条件によって異なるが、一
般に0.1〜500g/g・チタン化合物、好ましくは
1〜100g/g・チタン化合物の範囲である。
【0040】また予備重合で使用するα−オレフィン
は、プロピレン単独でもよく、本発明で用いられるポリ
プロピレン樹脂の物性に悪影響を及ぼさない範囲で、5
モル%以下の他のα−オレフィン、例えば、エチレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテン等をプロピレンと混合し
たものも許容される。また、予備重合を多段階に行な
い、各段階で異なるα−オレフィンを予備重合させるこ
ともできる。
【0041】該予備重合は、通常スラリー重合でおこな
うのが好ましく、溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、シ
クロヘキサン、ベンゼン、トルエンなどの飽和脂肪族炭
化水素若しくは芳香族炭化水素を単独で、またはこれら
の混合溶媒を用いることが好適である。
【0042】該予備重合温度は、−20〜100℃、特
に0〜60℃の範囲が好ましい。予備重合時間は、予備
重合温度および予備重合での重合量に応じて適宜決定す
ればよい。予備重合における圧力は限定されるものでは
ないが、スラリー重合の場合は、一般に大気圧〜0.4
9MPaG程度である。
【0043】該予備重合は、回分、半回分、連続の何れ
の方法で行なってもよい。は、前記予備重合に次いで本
重合が実施される。
【0044】本発明において本重合は、前記予備重合を
行なった場合は、触媒含有予備重合体の存在下で、まず
プロピレンの重合が行われ、次にプロピレン−エチレン
のランダム共重合が実施される。各触媒成分は予備重合
時に添加されたものをそのままの状態で使用することも
できるが、チタン化合物以外は本重合時に新たに添加し
て調節するのが好ましい。また、前記予備重合を行なわ
ない場合は、前記(イ)、(ロ)および(ハ)の存在下
で、まずプロピレンの重合が行われ、次にプロピレン−
エチレンのランダム共重合が実施される。
【0045】本発明における本重合で使用される前記
(イ)、(ロ)および(ハ)の各触媒成分の量および重
合条件は、触媒成分の種類に応じて異なるため、これら
の触媒成分の種類に応じて最適の使用量および重合条件
を予め決定すればよい。好適に使用される触媒成分の量
としては、一般に1000〜50000g/g・チタン
化合物の範囲が好適である。
【0046】本重合で用いられる有機アルミニウム化合
物(ロ)の使用量は、チタン原子に対し、Al/Ti
(モル比)で、1〜1000、好ましくは2〜500で
ある。
【0047】本重合で用いられる有機ケイ素化合物
(ハ)の使用量は、チタン原子に対し、Si/Ti(モ
ル比)で0.001〜1000、好ましくは0.1〜5
00である。
【0048】上記本重合においては、前記したように、
まず、プロピレンの重合が実施される。プロピレンの重
合は、プロピレン単独、または本発明の要件を満足する
範囲内でのプロピレンと5モル%以下の他のα−オレフ
ィン、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン等との混合物を前記した触媒で重合することにより実
施される。
【0049】上記重合の代表的な条件を例示すると、重
合温度は80℃以下、さらに20〜70℃の範囲から採
用することが好適である。また必要に応じて分子量調節
剤として水素を共存させることもできる。さらにまた、
重合はプロピレン自身を溶媒とするスラリー重合、気相
重合、溶液重合等のいずれの方法でもよい。プロセスの
簡略性および反応速度、また生成する共重合体の粒子性
状を勘案するとプロピレン自身を溶媒とするスラリー重
合が好ましい態様である。重合形式は回分式、半回分
式、連続式のいずれの方法でもよい。さらに重合を水素
濃度、重合温度等の条件の異なる二段以上に分けて行な
うこともできる。
【0050】上記本重合においては、前記したように、
次にプロピレンとエチレンとのランダム共重合が行われ
る。プロピレンとエチレンとのランダム共重合は、プロ
ピレン自身を溶媒とするスラリー重合の場合には、前記
プロピレン重合に引き続いてエチレンガスを供給するこ
とで、また気相重合の場合には、プロピレンとエチレン
の混合ガスを供給することで実施される。
【0051】プロピレンとエチレンとのランダム共重合
の重合温度は、80℃以下、好ましくは、20〜70℃
の範囲から採用される。また、必要に応じて分子量調節
剤として水素を用いることもでき、その際の水素濃度は
多段階に変化させて重合を実施することもできる。
【0052】プロピレンとエチレンとのランダム共重合
は回分式、半回分式、連続式のいずれの方法でもよく、
重合を多段階に分けて実施することもできる。また、本
工程の重合は、スラリー重合、気相重合、溶液重合のい
ずれの方法を採用してもよい。
【0053】特に、本発明で規定する(a)〜(c)成
分の割合を満足させることを勘案すると、プロピレンの
重合に続いてスラリー重合によりプロピレンとエチレン
のランダム共重合を行うことが好ましい。
【0054】上記本重合の終了後、重合系からモノマー
を蒸発させることにより、本発明で用いられるポリプロ
ピレン樹脂を得ることができる。上記ポリプロピレン樹
脂は、炭素数7以下の炭化水素で公知の洗浄または向流
洗浄を行なってもよい。
【0055】また、本発明で用いられるポリプロピレン
樹脂は、重合したポリプロピレン樹脂を有機過酸化物で
分解させて得たものであってもよい。
【0056】本発明で用いられるポリプロピレン樹脂に
は、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の成分を配合
してもよい。
【0057】例えば、透明性、ブロッキング防止性、お
よびヒートシール性の向上等を勘案すると石油樹脂を配
合することが好ましい。
【0058】本発明で用いられる石油樹脂は、特に制限
されず、具体的に例示すると、脂肪族系炭化水素樹脂、
脂環族系炭化水素樹脂、ロジン誘導体、テルペン樹脂、
テルペンフェノール樹脂等およびこれらの水素添加系樹
脂等を挙げることができる。これらのうち、水素添加炭
化水素系樹脂が、透明性が良好であるため特に好まし
い。これらの炭化水素系樹脂の軟化点は、樹脂の操作
性、ブレンド加工性を勘案すると、60〜160℃であ
ることが好ましく、さらには70〜150℃であること
がより好ましい。溶融粘度は、ブレンド加工性、組成物
の押出し特性等を勘案すると、160℃で500〜20
0000cpsであることが好ましく、さらには700
〜100000cpsであることがより好ましい。
【0059】上記石油樹脂の配合量は、ブレンド加工
性、組成物の押出し特性、積層体のブロッキング防止
性、可剥性を勘案すると、ポリプロピレン樹脂100重
量部に対し、0〜25重量部である。石油樹脂の配合量
が25重量部を越えると、積層体の耐油性が損なわれ、
白化、しわなどの外観不良を引き起こすため好ましくな
い。
【0060】また、上記した石油樹脂以外にも、必要に
応じて帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸
化防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤等の公知の添加剤
を配合させてもよい。また、本発明に関する物性を阻害
しない程度、他の樹脂を混合することができる。混合す
る樹脂としては特に制限されないが、例えばプロピレ
ン、エチレン、ブテン等のオレフィンの単独重合体また
は共重合体、或いはこれらの2種以上の混合物が好適で
ある。添加量は特に制限されないが、50%以下、さら
には40%以下が好ましい。
【0061】上記したポリプロピレン樹脂と他の成分と
の混合は、如何なる方法により実施してもよく、通常
は、加熱溶融状態で押出混練機により混合するのが好ま
しい。
【0062】本発明の積層体は、少なくとも一方の表面
層が、上記したポリプロピレン樹脂からなる層であるこ
とが必要である。すなわち、本発明の積層体は、上記し
たポリプロピレン樹脂の優れた可剥性、ヒートシール
性、透明性によりヒートシール用途に好適なものとな
り、ブロッキング防止性にも優れているため、本発明の
積層体は、諸性状にも優れたものとなる。
【0063】本発明の積層体は、前述したポリプロピレ
ン樹脂からなる層が少なくとも一方の表面層であれば、
特に制限されず、前述した特定のポリプロプレン樹脂を
表面層として用いれば特に限定されず、表面層と基材層
とからなる2層構成でも、表面層、基材層および表面層
とからなる3層構成でもよい。また、基材層は、単層で
も2層以上の多層でもよく、さらには表面層と基材層と
の間に、接着性樹脂からなる中間層を設ける態様も含ま
れる。
【0064】本発明において、上記基材層は、特に限定
されず、如何なるものであってもよいが、成形性を勘案
すると、DSCにおける主ピークが120〜250℃、
さらに好適には130〜170℃の樹脂からなる層が好
ましい。
【0065】一般には、ポリオレフィンからなる樹脂層
であることが好適であり、具体的には、エチレン、プロ
ピレン、ブテン、メチルペンテン等のα−オレフィンの
単独重合体、または共重合体が挙げられ、これらの中で
ポリプロピレンが特に好適である。これらの基材層とし
て使用されうる樹脂は、単独で使用してもよく、2種以
上を混合して使用してもよい。
【0066】基材層に用いるポリプロピレンとしては、
プロピレンの単独重合体、プロピレンの90モル%以上
とプロピレン以外のα−オレフィン、例えば、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘ
プテン、4−メチル−1−ペンテン等の1種以上の10
モル%以下とのランダム共重合体、またはブロック共重
合体を一般に使用することができる。MFRは、成形性
を勘案すれば0.5〜20g/10分の範囲であること
が好適である。
【0067】上記基材層に使用する樹脂には、必要に応
じて帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、酸化
防止剤、光安定剤、結晶核剤、滑剤等の公知の添加剤を
配合させてもよい。
【0068】本発明において、積層体の厚みは特に制限
されるものではないが、通常は、10〜1000μm好
適には15〜600μmであるのが好ましい。また、こ
のうち前記ポリプロピレン樹脂からなる表面層の厚み
は、一般には0.1〜100μmの範囲から適宜選択さ
れる。
【0069】本発明の積層体を成形する方法は、特に制
限されるものではなく、如何なる方法によってもよい。
一般には前記ポリプロピレン樹脂の粉体またはペレット
を、単独または場合によってはその他の樹脂の粉体また
はペレットと十分に混合した後、基材層の樹脂成分と共
押出して、温度制御チルロール上で急冷し無延伸で製膜
する方法、さらにその後一軸または二軸に延伸するか、
または一層の樹脂を溶融押出して一軸延伸し、その上に
他層の樹脂を溶融押出して上記一軸延伸の方向とほぼ直
角方向に延伸する方法等が採用される。縦一軸延伸の一
例として、一般には最前部の低速度で回転するロールと
最後部の高速度で回転するロール間にフィルムを通し、
両ロールの回転数比によって延伸するとよい。一方、横
一軸延伸の一例として、好ましくはテンター方式で行な
うとよい。また、以上で示した方法で縦横逐次二軸延
伸、同時二軸延伸等も可能である。延伸倍率は、面積倍
率で5〜60倍、さらには30〜50倍が好適である。
【0070】以上はフラット状の場合であるが、これ以
外にもチューブ状原反をインフレ方式により縦一軸、横
一軸、同時二軸延伸等を行うことも可能である。この場
合、原反を例えば80〜150℃に加熱し、チューブ状
フィルム内に加圧空気を送り込み、無延伸で製膜した
り、または縦もしくは横方向に一軸延伸、または縦横方
向に同時二軸延伸すればよい。
【0071】また、表面層と基材層とを別々に製造し、
それぞれを、熱溶着あるいは接着剤等で張り合わせて、
積層体を製造してもよい。
【0072】
【実施例】以下、本発明を実施例、及び比較例を掲げて
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0073】実施例および比較例において表面層として
使用したポリプロピレン樹脂は、表1に示すものであ
る。
【0074】
【表1】
【0075】実施例に先だって、実施例で用いた測定方
法について説明する。 (1)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw) GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法
により測定した。ウォーターズ社製GPC−150Cに
よりo−ジクロロベンゼンを溶媒とし、135℃で行な
った。用いたカラムは東ソー製TSKgelGMH6−
HT、ゲルサイズ10〜15μmである。較正曲線は標
準試料として重量平均分子量が950、2900、1
万、5万、49.8万、270万、675万のポリスチ
レンを用いて作成した。 (2)ポリプロピレン樹脂におけるエチレン単量体単位
およびプロピレン単量体単位の割合の測定13 C−NMRスペクトルのチャートを用いて測定した。
即ち、エチレン単量体単位およびプロピレン単量体単位
のそれぞれの割合は、まずポリマー(Polymer)
第29巻(1988年)1848頁に記載された方法に
より、ピークの帰属を決定し、次にマクロモレキュール
ズ(Macromolecules)第10巻(197
7年)773頁に記載された方法により、エチレン単量
体単位およびプロピレン単量体単位のそれぞれの割合を
算出した。 (3)MFR JIS K7210に準拠して測定した。 (4)昇温溶離分別法による溶出成分量 センシュウ科学製の自動TREF装置SSC−7300
ATREFを用いて、次の条件で測定した。
【0076】溶媒:o−ジクロロベンゼン 流速:150ml/時間 昇温速度:4℃/時間 検出器:赤外線検出器 測定波長:3.41μm カラム:センシュウ科学製「パックドカラム30Φ」、
30mmΦ×300mm 濃度:1g/120ml 注入量:100ml この場合、カラム内に試料溶液を145℃で導入した
後、2℃/時間の速度で0℃まで冷却して試料ポリマー
を充填剤表面に吸着させた後、カラム温度を上記条件で
昇温することにより、各温度で溶出してきたポリマー濃
度を赤外線検出器で検出することにより溶出温度−溶出
量の曲線を得た。 (5)軟化点 JIS K2207(環球法)に準じて測定した。 (6)溶融粘度 粘度法により測定した(B型粘度計)。 (7)DSCによる主ピークの測定 約5〜6mgの試料を秤量後、アルミパンに封入し、示
差走査熱量計(DSC)にて20ml/分の窒素気流中
で室温から235℃まで昇温し、この温度で10分間保
持し、次いで10℃/分で室温まで冷却する。この後、
昇温速度10℃/分で得られる融解曲線より主ピークの
温度を測定した。 (8)ヘーズ(透明性) JIS K7105に準拠して測定した。 (9)ヒートシール性 積層ヒートシールフィルムのヒートシール面同士を5×
200mmのヒートシールバーを用い、各設定温度(8
0℃から155℃まで5℃毎に測定)において、ヒート
シール圧力0.2MPa、ヒートシール時間1秒の条件
でシールした試料から、15mm幅のサンプルを切り取
り、引張試験機を用いて引張り速度100mm/分で測
定した。結果は5サンプルの平均値とした。以上の方法
で求めたヒートシール曲線から、ヒートシール強度が3
N/15mmの温度をヒートシール開始温度とした。 (10)可剥性 ヒートシール開始温度および、さらに5℃および10℃
高い温度でヒートシールしたサンプルにおいて、10サ
ンプルづつ測定した合計30サンプルのうち、結合部が
両フィルムの界面や表面層部分で剥離せず、いずれか一
方のフィルムの基材層が引き裂かれて分離しているもの
の数により判定した。判定基準は以下の通りである。
【0077】 ◎:基材層の引き裂きが生じたサンプル数が0 ○:基材層の引き裂きが生じたサンプル数が1〜2 △:基材層の引き裂きが生じたサンプル数が3〜5 ×:基材層の引き裂きが生じたサンプル数が6以上 (11)ブロッキング強度 2枚のフィルム(120×120mm)を重ね合わせ、
98Nの荷重を負荷し、50℃で24時間放置後、貼合
わせ面30mm幅×40mm長さの試験片を切出し、2
3℃におけるせん断剥離強度を引張試験機(速度100
mm/分)で測定した。 (12)耐油性フィルムサンプルを温度50℃のスピン
ドル油中に1時間浸漬させた後、フィ ルムの状態変化を観察して判定した。判定基準は以下の
通りである。
【0078】 ○:変化なし △:白化 ×:膨潤 実施例1 表2に示す基層、および表面層の樹脂を、3層Tダイ押
出機を用いて、260℃で加熱溶融下で共押出しし、テ
ンター法二軸延伸機により、縦4.5倍、横9倍に延伸
した積層フィルムを得た。得られたフィルムの厚み、ヘ
ーズ、ヒートシール性、可剥性、ブロッキング強度、耐
油性を測定し、結果を表3に示した。
【0079】実施例2 表2に示す基層、および表面層の樹脂を、3層Tダイ押
出機を用いて、260℃で加熱溶融下で共押出しし、表
面温度25℃のチルロール上で冷却固化し、無延伸フィ
ルムを得た。得られたフィルムの厚み、ヘーズ、ヒート
シール性、可剥性、ブロッキング強度、耐油性を測定
し、結果を表3に示した。
【0080】比較例1〜2、および実施例8 表2に示す基層、および表面層の樹脂を、3層Tダイ押
出機を用いて、実施例2と同様に無延伸フィルムを得
た。得られたフィルムの厚み、ヘーズ、ヒートシール
性、可剥性、ブロッキング強度、耐油性を測定し、結果
を表3に示した。
【0081】比較例3〜4 表2に示す基層、および表面層の樹脂を用いて、実施例
1と同様に延伸した積層フィルムを得た。得られたフィ
ルムの厚み、ヘーズ、ヒートシール性、可剥性、ブロッ
キング強度、耐油性を測定し、結果を表3に示した。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【発明の効果】本発明の、少なくとも一方の表面層が特
定のポリプロピレン樹脂からなる層である積層体は、ヒ
ートシールして密封信頼性の優れた構造を形成するだけ
でなく、良好なブロッキング防止性を有し、可剥性、耐
油性に優れている。従って、該積層体はヒートシール用
途に良好に使用できる。特に、この積層体は、ヒートシ
ール後、融着された結合部を引き剥がす際に、両積層体
がその界面や表面層部分で剥離せず、いずれか一方の基
材層が引き裂かれて分離することが抑制される。また、
この積層体の表面層は、透明性も良好であり、そのため
基材層の素材樹脂としてポリプロピレン等の透明性の良
好なものを使用した場合には、該積層体は、透明性にも
優れたものとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 57:02) C08L 57:02) Fターム(参考) 4F100 AK02A AK02C AK04 AK04J AK07 AK07A AK07B AK07C AK07J AK64 AK66B AL03 AL03J AL05A AL05C AT00B BA02 BA03 BA06 BA10A BA10C JA07A JA07C JA20A JA20C JL00 JL12 JL14 JN01 YY00A YY00C 4J002 BA012 BB151 BP021 GF00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方の表面層が、下記の性質を
    有するポリプロピレン樹脂(A)からなる層である積層
    体。 (1)o−ジクロロベンゼン溶媒を用いた温度昇温溶離
    分別法により分別された溶出成分について、20℃未満
    の溶出成分(a成分)の量が20〜60%、20℃以上
    100℃未満の溶出成分(b成分)の量が20〜70
    %、100℃以上の溶出成分(c成分)の量が1〜40
    %で、かつ、a成分、b成分およびc成分の合計が10
    0% (2)上記a成分とb成分からなる成分が、プロピレン
    単量体単位90〜50モル%、エチレン単量体単位10
    〜50モル% (3)上記a成分とb成分からなる成分の、13C−NM
    Rで測定される連続する3つの単量体単位のモル分率[E
    EE]、[PEP]、[EPE]とエチレン単量体単位のモル分率[E]
    とが下記式(I)、(II)の関係である 0≦([EEE]/[E]−0.78[E])≦0.20 (I) 0.70≦(([PEP]+[EPE])/[E]+0.95[E])≦0.95 (II) (4)重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
    が1〜5
  2. 【請求項2】少なくとも一方の表面層が、請求項1記載
    のポリプロピレン樹脂(A)100重量部と石油樹脂
    (B)0〜25重量部とからなる層である積層体。
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CN105292702A (zh) * 2015-10-19 2016-02-03 界首市佳宝包装材料有限公司 一种精密器械包装用珍珠棉袋
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