JP2005232227A - ポリエチレン樹脂組成物、それからなるフィルム及びその積層体 - Google Patents

ポリエチレン樹脂組成物、それからなるフィルム及びその積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】
加工性に優れ、透明性が高く、低温ヒートシール性、ヒートシール強度等のヒートシール特性が良好で、かつ引裂強度や衝撃強度等に優れるフィルムに好適なポリエチレン樹脂組成物とその樹脂組成物からなるフィルム及びそのフィルムを少なくとも1層有する積層体を提供する。
【解決手段】
特定のエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体[A]と、特定の高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレン[B]からなり、[A]/[B]重量比が99.9/0.1〜97/3であるポリエチレン樹脂組成物を用いる。
【選択図】 選択図なし。

Description

本発明は、加工性に優れ、透明性が高く、低温ヒートシール性、ヒートシール強度等のヒートシール特性が良好で、かつ引裂強度や衝撃強度等に優れるフィルムに好適なポリエチレン樹脂組成物とその樹脂組成物からなるフィルム及びそのフィルムを少なくとも1層有する積層体に関するものであり、特に、ガスバリアー性あるいは腰の強い積層体のシーラント層として、例えば漬物、乳製品、レトルト食品あるいは冷凍食品、菓子などの食品あるいは衣類などの各種包装材、医療用薬剤や輸液容器、各種液体輸送用包材、ボトル、容器などに用いるのに好適なポリエチレン樹脂組成物とその樹脂組成物からなるフィルム及びそのフィルムを少なくとも1層有する積層体に関するものである。
直鎖状低密度ポリエチレン重合体(LLDPE)は成形性、強度、ヒートシール特性に優れているため各種包装材として広く用いられている(例えば特許文献1、2参照。)。
また、近年では製袋機や充填機等の高速化に対応してより良好な低温ヒートシール特性等が要求されている。これらLLDPEはポリアミド、ポリエステル、エチレン酢酸ビニル共重合体の鹸化物などのガス遮断性の優れた樹脂;高密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどの剛性の高い樹脂と積層することにより、ガス遮断性が優れ、あるいは腰が強くてヒートシール特性のよい積層体となることから、例えば食品などの包装材、包装袋、食品容器、薬剤容器等としてさらに広い用途に用いることが可能である。これらの積層体は押出ラミネーション法、ドライラミネーション法、サンドイッチラミネーション法、共押出Tダイ法、共押出インフレーション法などによって積層されている。
近年製袋の高速化に伴い、高速でのヒートシール特性に対する要求、すなわち低温ヒートシール特性の改良が強く望まれている。高速でヒートシールをする場合、短時間でヒートシールされるので溶着が不十分となり強度が不足しやすい。これを改善する方法の一つとして、ヒートシールバーの設定温度を高くする方法があるが、この方法では積層した樹脂がカールしてしまうなどの問題が生じる。また、他の方法として樹脂の密度を低くし融点を下げる方法があるものの、従来のLLDPEでは密度を低くすると高分岐度低分子量成分が増加しそれが表面に溶出し、フィルムにべたつきが生じ、口開き性が悪化したり、それらが内容物へ移行したりする欠点がある。また、従来のLLDPEは融点分布が広いため密度を下げても高融点部分が存在することにより、最高到達強度に達するヒートシール温度が低くならないという欠点を持つ。また、ドライラミネーション法等のあらかじめ成膜されたフィルム同士を貼り合わせて積層する場合、LLDPEの密度を下げるとフィルムの剛性が低くなるため、しわやカールが発生しやすくなる。さらに、狭い分子量分布および組成分布を有するエチレン−α−オレフィン共重合体を成膜しフィルムを得たが、透明性が不足し包装用材料として満足のいくものではなかった。
特開昭52−135386号公報
特開昭61−284439号公報
本発明の目的は、これら従来技術の欠点を解消することにあり、加工性が良好で、得られたフィルムは透明性が高く、従来のLLDPEと同一の密度においても、従来のLLDPEより低い温度で最高到達ヒートシール強度に達することが可能であり、かつ引裂強度や衝撃強度等の機械的強度が良好なフィルムに好適なポリエチレン樹脂組成物とその樹脂組成物からなるフィルム及びそのフィルムを少なくとも1層有する積層体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のエチレン−α−オレフィン共重合体[A]に、特定の高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレン(以下、LDPEと記す。)[B]を配合することにより、著しく透明性が改善されたフィルムが得られ、従来のLLDPEと同一の密度においても、従来のLLDPEより低い温度で最高到達ヒートシール強度に達することが可能であり、かつ引裂強度や衝撃強度等の機械的強度が良好なフィルム及び積層体となる、これまでにないポリエチレン樹脂組成物が得られ、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、(a)密度が880〜940kg/mの範囲であり、(b)190℃,21.18Nの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が1.0〜10g/10分の範囲であり、(c)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が4以下であり、(d)示差走査型熱量計において、200℃で5分間溶融し、その後10℃/分で30℃まで冷却したものを再度10℃/分で昇温させた時に得られる吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と赤外線吸収スペクトルの測定から求められる炭素数1000個当りの短鎖分岐数(SCB)とが(1)式で示される関係を満たすエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体[A]と、
Tm<−1.8×SCB+138 (1)
(e)密度が910〜935kg/mの範囲であり、(f)190℃,21.18Nの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分の範囲である高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレン[B]とからなり、(g)[A]/[B]重量比が99.9/0.1〜97/3であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物とその樹脂組成物からなるフィルム及びそのフィルムを少なくとも1層有する積層体を提供するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のポリエチレン樹脂組成物を構成する[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体は、従来のLLDPEと同一の密度においても、従来のLLDPEより低い温度で最高到達ヒートシール強度に達することから、メタロセン触媒の存在下に得られるものであることが好ましい。該メタロセン触媒の主成分であるメタロセン化合物(以下、「成分(a)」と称する。)としては、例えば、シクロペンタジエニル基、置換基を有するシクロペンタジエニル基(置換シクロペンタジエニル基)、インデニル基、置換インデニル基から選ばれる1種類の基と、フルオレニル基、置換フルオレニル基から選ばれる1種類の基が、架橋基により架橋された配位子を有する周期表4族の遷移金属化合物等を挙げることができ、その具体例として、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(4−フェニル−1−インデニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等のジクロル体および上記メタロセン化合物のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。メタロセン触媒としては、成分(a)と下記一般式(2)
AlR (2)
(式中、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。)
で表される有機アルミニウム化合物[成分(b)]からなる触媒、さらに水を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(3)
Figure 2005232227
および/または下記一般式(4)
Figure 2005232227
(式中、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、pは2〜50の整数である。)
で表されるアルミノキサン[成分(c)]からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(5)
[R y−1H][MAr] (5)
(式中、[R y−1H]はカチオンであり、Mは周期表の15族または16族から選ばれる元素であり、Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、Rは各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、yはMが15族元素の時y=3であり、Mが16族元素の時y=2であり、[MAr]はアニオンであり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるプロトン酸塩[成分(d)]、
下記一般式(6)
[C][MAr] (6)
(式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンであり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸塩[成分(e)]または下記一般式(7)
[M ][MAr] (7)
(式中、Mは周期表の1族、8族、9族、10族または11族の金属の陽イオンであり、Lはルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、zは0≦z≦2であり、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表される金属塩[成分(f)]から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(8)
Ar (8)
(式中、Mはホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸[成分(g)]からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と成分(g)と成分(d)、成分(e)、成分(f)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、成分(a)と粘土鉱物[成分(h)]からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、特開平7−224106号公報、特開平9−59310号公報、特開平10−231312号公報、特開平10−231313号公報等に例示される成分(a)と有機化合物で処理された粘土鉱物[成分(i)]からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
該共重合体のコモノマーであるα−オレフィンとは、一般式R−CH=CH
(式中Rは炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
で表されるものであり、その具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、オクタデセン等が挙げられる。これらα−オレフィンの中でも、得られるポリエチレン樹脂組成物の成膜後のフィルムサンプルにおける引張強度、引裂強度、衝撃強度、ヒートシール強度等に優れることから、炭素数5〜10のものが好ましく、特に好ましくは1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンである。該共重合体は、これらα−オレフィンの少なくとも1種をエチレンと共重合することにより得られ、具体的には、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン三元共重合体等が挙げられる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物を構成する[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体は、密度が880〜940kg/mの範囲にあるものであり、密度が940kg/mを越えると、エチレン/α−オレフィン共重合体の結晶化度が高くなり、良好な透明性を得ることができず、密度が880kg/m未満であると、フィルムの自己粘着性が増して、ブロッキングが起こるので好ましくない。
また、[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体は、190℃,21.18Nの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が1.0〜10g/10分の範囲にあるものであり、MFRが1.0g/10分未満では、溶融せん断粘度が高くなり押出機への負荷が大きくなるとともにドロ−ダウン性も悪くなり、10g/10分より大きい場合は、溶融張力が小さくなるため成膜安定性が悪くなること、及び分子量が小さくなることから、得られたフィルムの機械的強度が低下するので好ましくない。
さらに、[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が4以下であり、Mw/Mnが4を越えると、べたつきの原因となる低分子量成分が増大するので、好ましくない。
また、[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体は、示差走査型熱量計において、200℃で5分間溶融し、その後10℃/分で30℃まで冷却したものを再度10℃/分で昇温させた時に得られる吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と赤外線吸収スペクトルの測定から求められる炭素数1000個当りの短鎖分岐数(SCB)とが(1)式の関係を満たすものである。
Tm<−1.8×SCB+138 (1)
この式を満たさない[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体は組成分布が広く、べたつきの原因となる高分岐成分が多くなる。また、成形したフィルムの透明性が悪く、さらに、ヒートシール時の最高到達強度に達するヒートシール温度が高く、好ましくない。
本発明のポリエチレン樹脂組成物を構成する[B]のLDPEは、密度が910〜935kg/mの範囲にあるものであり、密度が910kg/m未満の場合は、フィルムのブロッキングが起こり、密度が935kg/mより大きい場合は、高圧ラジカル重合法でポリエチレンを得ることが困難となることがあるために好ましくない。
また、[B]のLDPEは、190℃,21.18Nの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分の範囲にあるものであり、MFRが0.1g/10分より小さい場合は、得られるポリエチレン樹脂組成物をフィルムとした際に、分散不十分によるフィッシュアイ(外観上の不良)が生じる可能性があり、10g/10分より大きい場合は、得られるポリエチレン樹脂組成物をフィルムとした際に、透明性が低下するために好ましくない。
本発明のポリエチレン樹脂組成物をフィルムとした際に、その透明性を改良するためには、[B]のLDPEの235℃で測定したスウェル比が1.7以上であることが好ましく、スウェル比が1.8以上では、[B]のLDPEの組成比率が小さくても透明性の改良効果が高いためさらに好ましく、スウェル比が2.0以上では、[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体と[B]のLDPEの組成比[A]/[B]重量比が99/1以下においても、透明性の改良効果が大きく、かつ、引裂強度や衝撃強度などの機械的強度の低下が小さく、特に好ましい。
なお、[B]のLDPEは、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体に[B]のLDPEを、[A]/[B]重量比で99.9/0.1〜97/3の範囲で混合することによって製造することができ、重量比で[B]のLDPEが0.1重量%より小さいと、包装材料に必要な10%以下のヘーズ値が得られず、3重量%より大きいと、エルメンドルフ引裂法で求められるフィルム成形時の機械の流れ方向(MD)の引裂強度が低くなり好ましくない。
本発明のポリエチレン樹脂組成物においては、[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体及び[B]のLDPEは、それぞれ1種類または2種類以上の混合物を用いることができる。
本発明におけるポリエチレン樹脂組成物は、[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体と[B]のLDPEとのドライブレンドであってもよいが、単軸及び2軸押出機、ニ−ダ−、バンバリ−、ロール等で溶融混練したものの方が、品質の安定したものが得られるので好ましい。
また、本発明におけるポリエチレン樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング剤等、ポリオレフィン樹脂に一般的に用いられている添加剤を添加してもかまわない。前記添加剤としては、ヒンダードフェノール系、燐系、硫黄系、ヒンダードアミン系、ビタミンE等の酸化防止剤;飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、エチレンビス飽和脂肪酸アミド、エチレンビス不飽和脂肪酸アミド、N−置換ビス飽和脂肪酸アミド、N−置換ビス不飽和脂肪酸アミド等の滑剤;酸性白土、珪藻土、タルク、ゼオライト、アルミノシリケート、カオリン等のアンチブロッキング剤;脂肪酸グリセリド、脂肪酸アミン、高級アルコール、多価アルコール等帯電防止剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸リチウム等の金属石鹸;ハイドロタルサイト等の酸捕捉剤などが挙げられる。
本発明のポリエチレン樹脂組成物をフィルムに製膜する方法としては特に制限はなく、空冷インフレーション法、水冷インフレーション法、Tダイキャスト法等、一般に商業的に利用可能な方法から選択することができ、その際の成形加工温度は140〜240℃の範囲であることが好ましい。該フィルムの厚みは特に制限はないが、一般的にはフィルムの強度や経済性等の観点から20〜200μmの範囲であることが好ましい。
また、本発明のポリエチレン樹脂組成物の積層体の製造方法は特に制限は無いが、イソシアネート系の接着剤を用いたドライラミネート法やLDPE等の溶融樹脂を用いたサンドイッチラミネート法が一般的には積層体の強度や経済性の面で好ましい。また、その際の成形加工温度は140〜240℃の範囲であることが好ましい。
本発明のポリエチレン樹脂組成物は、加工性が良好で、成形されたフィルムは透明性が高く、従来のLLDPEと同一の密度においても、従来のLLDPEより低い温度で最高到達ヒートシール強度に達することが可能であり、かつ引裂強度や衝撃強度等の機械的強度が良好であるため、積層体のシーラント層として好適である。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[樹脂物性の測定法]
実施例および比較例に用いた[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体及び[B]のLDPEの諸物性は、下記の方法により測定した。
<密度>
JIS K 7112(1980年)に従い、100℃の熱水に1時間浸した後に室温で放冷したものを、23℃に保った密度勾配管にて測定した。
<メルトフローレート(MFR)>
JIS K 7210(1995年)に従い、190℃,21.18Nの荷重下で測定した。
<融点>
示差走査型熱量計[パーキンエルマー(株)製、DSC−7]を用いて測定した。装置内で試料を200℃で5分間溶融させた後、10℃/分で30℃まで冷却したものについて、再度10℃/分で昇温させた時に得られる吸熱曲線の最大ピーク位置の温度を融点とした。
<Mw/Mn比>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPC)により標準ポリスチレン換算を用いて以下の条件で測定し、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比を求めた。
測定器 :ウォーターズ社製GPC 型式150C
カラム :TSK gelGMHHR−H(S)
測定溶媒:o−ジクロロベンゼン
試料濃度:0.1wt%
測定温度:140℃
流量 :1.0ml/分
<短鎖分岐数(SCB)>
分子鎖中の短鎖分岐数(SCB)は、フーリエ変換型赤外吸収スペクトル装置[パーキンエルマー(株)製、FT−IRスペクトロメーター1760X]を用いて、1378cm−1に位置するメチル基の変角振動に対応する吸収バンドの強度から求めた。
<スウェル比>
JIS K 7210(1995年)で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分により押出されたストランドの径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D)で除して求めた。
[フィルム物性の測定法]
実施例および比較例で得られたフィルムの諸物性は、下記の方法により測定した。
<ヘーズ値>
ASTM D1003に準拠して、ヘーズメーター(日本電色(株)製、型式NDH−20D)を用いてフィルムのヘーズ値(%)を測定した。
<エルメンドルフ引裂強度(MD)>
JIS K 7128 B法(エルメンドルフ引裂法)(1991年)に基づいて測定した。
<ヒートシール強度>
実施例および比較例に用いた組成物のヒートシール性は、キャスト成形によって得られたフィルムを二軸延伸ポリアミドフィルムとイソシアネート系接着剤を用いてドライラミネートにより得たラミネートフィルムを用いて測定した。ヒートシールの方法は、ヒートシーラー(テスター産業(株)製)を用いて、10mm×100mmの領域をシール圧力0.2MPa、シール時間1.0秒間ヒートシールすることにより行い、そのシール部の剥離強度は、引張試験機(島津製作所(株)製、DCS−100)を用いて、チャック間距離40mm、引張速度300mm/分でシール部を引っ張って剥離した時の応力で評価した。なお、これらの方法はJIS Z 1707(1997年)に従うものである。また、ヒートシール温度を横軸に、ヒートシール強度を縦軸とし、実施例及び比較例のデータをプロットしたグラフを作成した(図1)。ヒートシール強度の最高到達強度を50N/15mmとして、グラフから50N/15mmに達したときの温度を読み取り最高強度到達ヒートシール温度とし、この温度が低いほど好ましいと言える。
<ベタツキ>
得られたフィルム同士を重ね合わせ擦り合わせた際に、フィルムが潤滑にすべるものを○、べたついて潤滑に滑らないものを×とした。
[[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体]
実施例および比較例に使用した[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体は、以下の方法で製造あるいは市販品を用いた。なお、製造の際の重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により合成、同定したものを用いた。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]の合成
<触媒の調製>
窒素雰囲気下の20リットルステンレス容器にヘプタン4.6リットル、トリエチルアルミニウムの20wt%ヘキサン溶液を3.7リットル(アルミニウム原子当たり4.5mol)およびジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり10mmolを加えて1時間攪拌した。そこへ、N,N−ジメチル−オクタデシルアンモニウム塩酸塩変性モンモリロナイト300g加えて12時間攪拌を行った。得られた懸濁系に、脂肪族系飽和炭化水素溶媒(IPソルベント2835(出光石油化学社製))を11.7リットル加えることにより、触媒を調製した。(ジルコニウム濃度0.5mmol/L)。
<重合>
重合は槽型反応器を用いて行った。エチレン、1−ヘキセンおよびエタンを連続的に反応器内に圧入し、全圧を90MPaに、1−ヘキセン濃度を28mol%になるように設定し、反応器を1500rpmで撹拌した。そして、触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、220℃の温度で重合を行った。その結果、MFR4.0g/分、密度920kg/mのエチレン−α−オレフィン共重合体[A1]を得た。その結果を表1に示す。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A2]の合成
合成は次のとおり行った。エチレン、1−ヘキセンおよびエタンを連続的に反応器内に圧入し、全圧を90MPaに、1−ヘキセン濃度を34mol%になるように設定し、反応器を1500rpmで撹拌した。そして、エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]の合成時用いたのと同様の触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、198℃の温度で重合を行った。その結果、MFR4.0g/分、密度914kg/mのエチレン−α−オレフィン共重合体[A2]を得た。その結果を表1に示す。
エチレン−α−オレフィン共重合体[ZF230]
東ソー(株)製のエチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン−1−ヘキセン共重合体(商品名:ニポロンZ)のZF230を用いた。その物性値を表1に示す。
エチレン−α−オレフィン共重合体[ZF220]
東ソー(株)製のエチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン−1−ヘキセン共重合体(商品名:ニポロンZ)のZF220を用いた。その物性値を表1に示す。
エチレン−α−オレフィン共重合体[2040FC]
宇部興産(株)製のエチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン−1−ヘキセン共重合体(商品名:UMERIT)の2040FCを用いた。その物性値を表1に示す。
エチレン−α−オレフィン共重合体[1540FC]
宇部興産(株)製のエチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン−1−ヘキセン共重合体(商品名:UMERIT)の1540FCを用いた。その物性値を表1に示す。
Figure 2005232227
[[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体の造粒]
実施例および比較例で用いたエチレン−α−オレフィン共重合体は、いずれも以下の方法により造粒ペレット化したものを用いた。エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対して、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ製、IRGNOX1010)を1500ppm、リン系酸化防止剤を1500ppm(チバスペシャリティケミカルズ製、IRGNOX168)、ステアリン酸カルシウム750ppm(淡南化学(株)製、ステアリン酸カルシウム)、ハイドロタルサイト(協和化学製(株)製、DHT−4A)500ppmを添加し単軸押出機で溶融造粒を行った。
[[B]のLDPE]
また、実施例および比較例におけるLDPEとしては、表2に記載の東ソー(株)製の種々の低密度ポリエチレン(商品名:ペトロセン)を用いた。
Figure 2005232227
実施例1
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205の重量比が98.5/1.5となる組成物を、ドライブレンドにより得た。フィルムに滑性を付与させるために、この組成物100重量部に対して、スリップ剤としてエルカ酸アミド(日本精化(株)製、ニュートロンS)300ppm、エチレンビスエルカ酸アミド(日本油脂(株)製、アルフローAD−221)150ppmを、それぞれ東ソー(株)製のマスターバッチSL74MB 1.5部、SL76MB 0.75部とドライブレンドにより2種類のマスターバッチ品を得た。さらにアンチブロッキング剤(水澤化学工業(株)製、アルミノシリケートJC−50)4000ppmを東ソー(株)製のマスターバッチBL81MB 1.33部とドライブレンドによりマスターバッチ品を得た。
[A1]/ペトロセン205組成物をこれら3種類のマスターバッチ品とドライブレンドを行った後、SHIモダンマシナリー(株)製のテストキャスト成形装置(押出機シリンダー径50mmφ、ダイス開口長350mm)を用いてフィルム化した。フィルムの成形条件は押出機、ダイの設定温度を220℃とし、冷却ロール媒体温度を67℃、引取速度を18m/min、フィルム厚みを0.05mmとした。フィルムにはその片面にコロナ処理を施した。その結果、ヘーズ値が4.3%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が73kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。得られたフィルムを二軸延伸ポリアミドフィルム(東洋紡績(株)製、ハーデンN1102、厚み0.015mm)とイソシアネート系接着剤(主剤:大日精化(株)製、セイカボンドA−154−2、硬化剤:大日精化(株)製、セイカボンドC−88)を用いてドライラミネートを行い、ラミネートフィルムを得た。ラミネートフィルムをヒートシールした際の最高強度到達ヒートシール温度は116℃であった。これらの結果を表3に示す。
実施例2
エチレン−α−オレフィン共重合体を[A1]から[A2]とした以外は実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、ヘーズ値が3.2%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が100kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法でラミネートフィルムを得た。ラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は110℃であった。これらの結果を表3に示す。
実施例3
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205の重量比を97.5/2.5とした以外は実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が4.2%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が71kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
実施例4
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205の重量比が99.5/0.5となる組成物を、ドライブレンドにより得た。ペトロセン205の配合量が0.5重量%と少なく均質な組成物を得る目的で、最初に、[A1]とペトロセン205を重量比90/10で配合し単軸押出機を用いて溶融混錬を行い、あらかじめペトロセン205の希釈樹脂を合成した。次に、[A1]とその希釈樹脂を重量比95/5で配合し、トータルで[A1]とペトロセン205を重量比99.5/0.5となる組成物を得た。そして、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が5.6%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が81kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
実施例5
ペトロセン205をペトロセン360とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が4.4%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が88kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
実施例6
ペトロセン205をペトロセン173とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が5.6%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が74kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
実施例7
ペトロセン205をペトロセン176とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が5.9%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が87kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
実施例8
ペトロセン205をペトロセン219とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が6.6%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が87kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
実施例9
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205の重量比が98.5/1.5となる組成物を、ドライブレンドにより得た。フィルムに滑性を付与させるために、この組成物100重量部に対して、スリップ剤としてエルカ酸アミド(日本精化製、ニュートロンS)400ppmを、東ソー(株)製のマスターバッチSL70MB 1.3部をドライブレンドし、さらにアンチブロッキング剤(水澤化学工業(株)製のアルミノシリケートJC−50)2000ppmを、東ソー(株)製のマスターバッチBL84MB 1.3部をドライブレンドし、2種類のマスターバッチ品を得た。
[A1]/ペトロセン205組成物をこの2種類のマスターバッチ品とドライブレンドを行った後、プラコー(株)製のインフレーション成形装置(押出機シリンダー径:50mmφ、ダイス:径75mmφ、リップクリアランス3mm)を用いてフィルム化した。フィルムの成形条件は押出機、ダイの設定温度を160℃とし、引取速度を14m/min、フィルム厚みを0.05mm、インフレーションチューブの折幅(折径)を240mmとした。その結果、ヘーズ値が8.1%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が92kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。これらの結果を表5に示す。
実施例10
ペトロセン205をペトロセン360とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例9と同様にフィルムを得た。その結果、表5に記載のとおりヘーズ値が8.3%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が95kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
比較例1
エチレン−α−オレフィン共重合体[ZF230]100重量%の組成物を用いた。ここで、ZF230は請求項1中のMw/Mnの規定、及び(1)式で定めたTmとSCBの関係から外れたものである。フィルム成形時の押出機、ダイの設定温度を240℃とした他は実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表3に記載のとおりヘーズ値が6.0%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が95kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。しかし、実施例1と同様の方法で得られたラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は122℃であり、樹脂の密度が同等で比較の対象となる実施例1より6℃高いものとなった。
比較例2
エチレン−α−オレフィン共重合体[ZF220]100重量%の組成物を用いた。ここで、ZF220は請求項1中のMw/Mnの規定、及び(1)式で定めたTmとSCBの関係から外れたものである。その他は比較例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表3に記載のとおりヘーズ値が3.9%、エルメンドルフ引裂強度が(MD)111kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。しかし、得られたフィルムにはべたつきが生じていた。実施例1と同様の方法で得られたラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は125℃であり、樹脂の密度が同等で比較の対象となる実施例2より15℃高いものとなった。
比較例3
エチレン−α−オレフィン共重合体[2040FC]100重量%の組成物を用いた。ここで、2040FCは請求項1中のMw/Mnの規定、及び(1)式で定めたTmとSCBの関係から外れたものである。その他は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表3に記載のとおりヘーズ値が3.4%、エルメンドルフ引裂強度が(MD)112kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。しかし、実施例1同様の方法で得たラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は122℃であり、樹脂の密度が同等で比較の対象となる実施例2より6℃高いものとなった。
比較例4
エチレン−α−オレフィン共重合体[1540F]100重量%の組成物を用いた。ここで、1540Fは請求項1中のMw/Mnの規定、及び(1)式で定めたTmとSCBの関係から外れたものである。その他は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表3に記載のとおりヘーズ値が3.9%、エルメンドルフ引裂強度が(MD)111kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。しかし、実施例1と同様の方法で得たラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は122℃であり、樹脂の密度が同等で比較の対象となる実施例2より12℃高いものとなった。
比較例5
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]100重量%の組成物を用いた。その他は実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が10.3%となり透明性に満足し得るフィルムが得られなかった。
比較例6
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205を重量比95/5からなる組成物を用いた。ここで、[A1]/[ペトロセン205]重量比が請求項1に定める範囲から外れたものである。その他は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値は4.0%と良好であったが、エルメンドルフ引裂強度(MD)が56kN/mと低くかった。
比較例7
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン176を重量比95/5からなる組成物を用いた。ここで、[A1]/[ペトロセン176]重量比が請求項1に定める範囲から外れたものである。その他は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値は3.6%と良好であったが、エルメンドルフ引裂強度(MD)が59kN/mと低くかった。
比較例8
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]100重量%からなる組成物を用いた。その他は実施例9と同様にフィルムを得た。その結果、表5に記載のとおりヘーズ値が32.6%となり透明性に満足し得るフィルムが得られなかった。
比較例9
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205からなる重量比90/10の組成物を用いた。ここで、[A1]/[ペトロセン205]重量比が請求項1に定める範囲から外れたものである。その他は実施例9と同様にフィルムを得た。その結果、表5に記載のとおりヘーズ値は4.3%と良好であったが、エルメンドルフ引裂強度(MD)が51kN/mと低くかった。
表3に実施例、比較例に示したキャスト成形によって得たフィルムの物性に関して、エチレン−1−ヘキセン共重合体の特徴の違いによるフィルム物性への影響を示した。実施例1に対して、比較例1及び3は請求項1に定めるエチレン−α−オレフィン共重合体の特徴を満たさないため最高強度到達ヒートシール温度が高い。実施例2に対する比較例2及び4も同様である。
Figure 2005232227
表4に実施例、比較例に示したキャスト成形によって得たフィルムの物性に関して、LDPEの特徴の違い、及び配合比のフィルム物性への影響を示した。実施例1〜6はヘーズ値が低いから透明性が良好であり、エルメンドルフ引裂強度(MD)が高いから引裂強度が良好である。それらに対して、比較例5はLDPE[B]が配合されていないので請求項1に定める[A]/[B]重量比の範囲を外れるためヘーズ値が高い。比較例6及び7は[A]/[B]重量比が95/5なので請求項1に定める[A]/[B]重量比の範囲を外れるためエルメンドルフ引裂強度(MD)が低い。
Figure 2005232227
表5に実施例、比較例に示したインフレーション成形によって得たフィルムの物性に関して、LDPEの特徴の違い、及び配合比のフィルム物性への影響を示した。実施例9はヘーズ値が低いから透明性が良好であり、エルメンドルフ引裂強度(MD)が高いから引裂強度が良好である。それに対して、比較例8はLDPE[B]が配合されていないので請求項1に定める[A]/[B]重量比の範囲を外れるためヘーズ値が高い。比較例9は[A]/[B]重量比が90/10なので請求項1に定める[A]/[B]重量比の範囲を外れるためエルメンドルフ引裂強度(MD)が低い。
Figure 2005232227
実施例2,比較例2及び4におけるヒートシール温度とヒートシール強度の関係を示したグラフである。

Claims (5)

  1. (a)密度が880〜940kg/mの範囲であり、(b)190℃,21.18Nの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が1.0〜10g/10分の範囲であり、(c)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が4以下であり、(d)示差走査型熱量計において、200℃で5分間溶融し、その後10℃/分で30℃まで冷却したものを再度10℃/分で昇温させた時に得られる吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と赤外線吸収スペクトルの測定から求められる炭素数1000個当りの短鎖分岐数(SCB)とが(1)式で示される関係を満たすエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(以下、[A]という)と、
    Tm<−1.8×SCB+138 (1)
    (e)密度が910〜935kg/mの範囲であり、(f)190℃,21.18Nの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分の範囲である高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレン(以下、[B]という)とからなり、(g)[A]/[B]重量比が99.9/0.1〜97/3であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の[A]/[B]重量比が99.9/0.1〜99/1であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
  3. [B]の235℃で測定したスウェル比が1.7以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリエチレン樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至請求項3に記載のポリエチレン樹脂組成物からなるフィルム。
  5. 請求項4に記載のフィルムを少なくとも1層有することを特徴とする積層体。
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