JP2005232227A - ポリエチレン樹脂組成物、それからなるフィルム及びその積層体 - Google Patents
ポリエチレン樹脂組成物、それからなるフィルム及びその積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005232227A JP2005232227A JP2004039964A JP2004039964A JP2005232227A JP 2005232227 A JP2005232227 A JP 2005232227A JP 2004039964 A JP2004039964 A JP 2004039964A JP 2004039964 A JP2004039964 A JP 2004039964A JP 2005232227 A JP2005232227 A JP 2005232227A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- ethylene
- resin composition
- strength
- polyethylene resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
加工性に優れ、透明性が高く、低温ヒートシール性、ヒートシール強度等のヒートシール特性が良好で、かつ引裂強度や衝撃強度等に優れるフィルムに好適なポリエチレン樹脂組成物とその樹脂組成物からなるフィルム及びそのフィルムを少なくとも1層有する積層体を提供する。
【解決手段】
特定のエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体[A]と、特定の高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレン[B]からなり、[A]/[B]重量比が99.9/0.1〜97/3であるポリエチレン樹脂組成物を用いる。
【選択図】 選択図なし。
Description
Tm<−1.8×SCB+138 (1)
(e)密度が910〜935kg/m3の範囲であり、(f)190℃,21.18Nの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分の範囲である高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレン[B]とからなり、(g)[A]/[B]重量比が99.9/0.1〜97/3であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物とその樹脂組成物からなるフィルム及びそのフィルムを少なくとも1層有する積層体を提供するものである。
AlR1 3 (2)
(式中、R1は各々独立して水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基である。)
で表される有機アルミニウム化合物[成分(b)]からなる触媒、さらに水を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(3)
で表されるアルミノキサン[成分(c)]からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(5)
[R3R4 y−1M1H][M2Ar4] (5)
(式中、[R3R4 y−1M1H]はカチオンであり、M1は周期表の15族または16族から選ばれる元素であり、R3は炭素数1〜30の炭化水素基であり、R4は各々独立して水素原子または炭素数1〜30の炭化水素基であり、yはM1が15族元素の時y=3であり、M1が16族元素の時y=2であり、[M2Ar4]はアニオンであり、M2はホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるプロトン酸塩[成分(d)]、
下記一般式(6)
[C][M2Ar4] (6)
(式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンであり、M2はホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸塩[成分(e)]または下記一般式(7)
[M3L1 z][M2Ar4] (7)
(式中、M3は周期表の1族、8族、9族、10族または11族の金属の陽イオンであり、L1はルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、zは0≦z≦2であり、M2はホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表される金属塩[成分(f)]から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と下記一般式(8)
M2Ar3 (8)
(式中、M2はホウ素、アルミニウムまたはガリウムであり、Arは各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表されるルイス酸[成分(g)]からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、
成分(a)と成分(g)と成分(d)、成分(e)、成分(f)から選ばれる少なくとも1種類の塩からなる触媒、さらに成分(b)および/または成分(c)を含んでなる触媒、成分(a)と粘土鉱物[成分(h)]からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒、特開平7−224106号公報、特開平9−59310号公報、特開平10−231312号公報、特開平10−231313号公報等に例示される成分(a)と有機化合物で処理された粘土鉱物[成分(i)]からなる触媒、さらに成分(b)を含んでなる触媒を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
(式中Rは炭素数1〜20のアルキル基を示す。)
で表されるものであり、その具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、オクタデセン等が挙げられる。これらα−オレフィンの中でも、得られるポリエチレン樹脂組成物の成膜後のフィルムサンプルにおける引張強度、引裂強度、衝撃強度、ヒートシール強度等に優れることから、炭素数5〜10のものが好ましく、特に好ましくは1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテンである。該共重合体は、これらα−オレフィンの少なくとも1種をエチレンと共重合することにより得られ、具体的には、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン三元共重合体等が挙げられる。
Tm<−1.8×SCB+138 (1)
この式を満たさない[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体は組成分布が広く、べたつきの原因となる高分岐成分が多くなる。また、成形したフィルムの透明性が悪く、さらに、ヒートシール時の最高到達強度に達するヒートシール温度が高く、好ましくない。
実施例および比較例に用いた[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体及び[B]のLDPEの諸物性は、下記の方法により測定した。
JIS K 7112(1980年)に従い、100℃の熱水に1時間浸した後に室温で放冷したものを、23℃に保った密度勾配管にて測定した。
JIS K 7210(1995年)に従い、190℃,21.18Nの荷重下で測定した。
示差走査型熱量計[パーキンエルマー(株)製、DSC−7]を用いて測定した。装置内で試料を200℃で5分間溶融させた後、10℃/分で30℃まで冷却したものについて、再度10℃/分で昇温させた時に得られる吸熱曲線の最大ピーク位置の温度を融点とした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPC)により標準ポリスチレン換算を用いて以下の条件で測定し、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比を求めた。
カラム :TSK gelGMHHR−H(S)
測定溶媒:o−ジクロロベンゼン
試料濃度:0.1wt%
測定温度:140℃
流量 :1.0ml/分
<短鎖分岐数(SCB)>
分子鎖中の短鎖分岐数(SCB)は、フーリエ変換型赤外吸収スペクトル装置[パーキンエルマー(株)製、FT−IRスペクトロメーター1760X]を用いて、1378cm−1に位置するメチル基の変角振動に対応する吸収バンドの強度から求めた。
JIS K 7210(1995年)で使用されるメルトインデクサーを用い、温度235℃、押出量3g/分により押出されたストランドの径(D)をメルトインデクサーのオリフィス径(D0)で除して求めた。
実施例および比較例で得られたフィルムの諸物性は、下記の方法により測定した。
ASTM D1003に準拠して、ヘーズメーター(日本電色(株)製、型式NDH−20D)を用いてフィルムのヘーズ値(%)を測定した。
JIS K 7128 B法(エルメンドルフ引裂法)(1991年)に基づいて測定した。
実施例および比較例に用いた組成物のヒートシール性は、キャスト成形によって得られたフィルムを二軸延伸ポリアミドフィルムとイソシアネート系接着剤を用いてドライラミネートにより得たラミネートフィルムを用いて測定した。ヒートシールの方法は、ヒートシーラー(テスター産業(株)製)を用いて、10mm×100mmの領域をシール圧力0.2MPa、シール時間1.0秒間ヒートシールすることにより行い、そのシール部の剥離強度は、引張試験機(島津製作所(株)製、DCS−100)を用いて、チャック間距離40mm、引張速度300mm/分でシール部を引っ張って剥離した時の応力で評価した。なお、これらの方法はJIS Z 1707(1997年)に従うものである。また、ヒートシール温度を横軸に、ヒートシール強度を縦軸とし、実施例及び比較例のデータをプロットしたグラフを作成した(図1)。ヒートシール強度の最高到達強度を50N/15mmとして、グラフから50N/15mmに達したときの温度を読み取り最高強度到達ヒートシール温度とし、この温度が低いほど好ましいと言える。
得られたフィルム同士を重ね合わせ擦り合わせた際に、フィルムが潤滑にすべるものを○、べたついて潤滑に滑らないものを×とした。
実施例および比較例に使用した[A]のエチレン−α−オレフィン共重合体は、以下の方法で製造あるいは市販品を用いた。なお、製造の際の重合操作、反応および溶媒精製は、すべて不活性ガス雰囲気下で行った。また、反応に用いた溶媒等は、すべて予め公知の方法で精製、乾燥、脱酸素を行ったものを用いた。さらに、反応に用いた化合物は、公知の方法により合成、同定したものを用いた。
<触媒の調製>
窒素雰囲気下の20リットルステンレス容器にヘプタン4.6リットル、トリエチルアルミニウムの20wt%ヘキサン溶液を3.7リットル(アルミニウム原子当たり4.5mol)およびジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライドをジルコニウム原子当たり10mmolを加えて1時間攪拌した。そこへ、N,N−ジメチル−オクタデシルアンモニウム塩酸塩変性モンモリロナイト300g加えて12時間攪拌を行った。得られた懸濁系に、脂肪族系飽和炭化水素溶媒(IPソルベント2835(出光石油化学社製))を11.7リットル加えることにより、触媒を調製した。(ジルコニウム濃度0.5mmol/L)。
重合は槽型反応器を用いて行った。エチレン、1−ヘキセンおよびエタンを連続的に反応器内に圧入し、全圧を90MPaに、1−ヘキセン濃度を28mol%になるように設定し、反応器を1500rpmで撹拌した。そして、触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、220℃の温度で重合を行った。その結果、MFR4.0g/分、密度920kg/m3のエチレン−α−オレフィン共重合体[A1]を得た。その結果を表1に示す。
合成は次のとおり行った。エチレン、1−ヘキセンおよびエタンを連続的に反応器内に圧入し、全圧を90MPaに、1−ヘキセン濃度を34mol%になるように設定し、反応器を1500rpmで撹拌した。そして、エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]の合成時用いたのと同様の触媒を反応器の供給口より連続的に供給し、198℃の温度で重合を行った。その結果、MFR4.0g/分、密度914kg/m3のエチレン−α−オレフィン共重合体[A2]を得た。その結果を表1に示す。
東ソー(株)製のエチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン−1−ヘキセン共重合体(商品名:ニポロンZ)のZF230を用いた。その物性値を表1に示す。
東ソー(株)製のエチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン−1−ヘキセン共重合体(商品名:ニポロンZ)のZF220を用いた。その物性値を表1に示す。
宇部興産(株)製のエチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン−1−ヘキセン共重合体(商品名:UMERIT)の2040FCを用いた。その物性値を表1に示す。
宇部興産(株)製のエチレン−α−オレフィン共重合体であるエチレン−1−ヘキセン共重合体(商品名:UMERIT)の1540FCを用いた。その物性値を表1に示す。
実施例および比較例で用いたエチレン−α−オレフィン共重合体は、いずれも以下の方法により造粒ペレット化したものを用いた。エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対して、酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ製、IRGNOX1010)を1500ppm、リン系酸化防止剤を1500ppm(チバスペシャリティケミカルズ製、IRGNOX168)、ステアリン酸カルシウム750ppm(淡南化学(株)製、ステアリン酸カルシウム)、ハイドロタルサイト(協和化学製(株)製、DHT−4A)500ppmを添加し単軸押出機で溶融造粒を行った。
また、実施例および比較例におけるLDPEとしては、表2に記載の東ソー(株)製の種々の低密度ポリエチレン(商品名:ペトロセン)を用いた。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205の重量比が98.5/1.5となる組成物を、ドライブレンドにより得た。フィルムに滑性を付与させるために、この組成物100重量部に対して、スリップ剤としてエルカ酸アミド(日本精化(株)製、ニュートロンS)300ppm、エチレンビスエルカ酸アミド(日本油脂(株)製、アルフローAD−221)150ppmを、それぞれ東ソー(株)製のマスターバッチSL74MB 1.5部、SL76MB 0.75部とドライブレンドにより2種類のマスターバッチ品を得た。さらにアンチブロッキング剤(水澤化学工業(株)製、アルミノシリケートJC−50)4000ppmを東ソー(株)製のマスターバッチBL81MB 1.33部とドライブレンドによりマスターバッチ品を得た。
エチレン−α−オレフィン共重合体を[A1]から[A2]とした以外は実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、ヘーズ値が3.2%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が100kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。また、実施例1と同様の方法でラミネートフィルムを得た。ラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は110℃であった。これらの結果を表3に示す。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205の重量比を97.5/2.5とした以外は実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が4.2%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が71kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205の重量比が99.5/0.5となる組成物を、ドライブレンドにより得た。ペトロセン205の配合量が0.5重量%と少なく均質な組成物を得る目的で、最初に、[A1]とペトロセン205を重量比90/10で配合し単軸押出機を用いて溶融混錬を行い、あらかじめペトロセン205の希釈樹脂を合成した。次に、[A1]とその希釈樹脂を重量比95/5で配合し、トータルで[A1]とペトロセン205を重量比99.5/0.5となる組成物を得た。そして、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が5.6%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が81kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
ペトロセン205をペトロセン360とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が4.4%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が88kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
ペトロセン205をペトロセン173とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が5.6%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が74kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
ペトロセン205をペトロセン176とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が5.9%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が87kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
ペトロセン205をペトロセン219とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が6.6%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が87kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205の重量比が98.5/1.5となる組成物を、ドライブレンドにより得た。フィルムに滑性を付与させるために、この組成物100重量部に対して、スリップ剤としてエルカ酸アミド(日本精化製、ニュートロンS)400ppmを、東ソー(株)製のマスターバッチSL70MB 1.3部をドライブレンドし、さらにアンチブロッキング剤(水澤化学工業(株)製のアルミノシリケートJC−50)2000ppmを、東ソー(株)製のマスターバッチBL84MB 1.3部をドライブレンドし、2種類のマスターバッチ品を得た。
ペトロセン205をペトロセン360とした以外は、組成物の調整は実施例4と同様に行い、実施例9と同様にフィルムを得た。その結果、表5に記載のとおりヘーズ値が8.3%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が95kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。
エチレン−α−オレフィン共重合体[ZF230]100重量%の組成物を用いた。ここで、ZF230は請求項1中のMw/Mnの規定、及び(1)式で定めたTmとSCBの関係から外れたものである。フィルム成形時の押出機、ダイの設定温度を240℃とした他は実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表3に記載のとおりヘーズ値が6.0%、エルメンドルフ引裂強度(MD)が95kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。しかし、実施例1と同様の方法で得られたラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は122℃であり、樹脂の密度が同等で比較の対象となる実施例1より6℃高いものとなった。
エチレン−α−オレフィン共重合体[ZF220]100重量%の組成物を用いた。ここで、ZF220は請求項1中のMw/Mnの規定、及び(1)式で定めたTmとSCBの関係から外れたものである。その他は比較例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表3に記載のとおりヘーズ値が3.9%、エルメンドルフ引裂強度が(MD)111kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。しかし、得られたフィルムにはべたつきが生じていた。実施例1と同様の方法で得られたラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は125℃であり、樹脂の密度が同等で比較の対象となる実施例2より15℃高いものとなった。
エチレン−α−オレフィン共重合体[2040FC]100重量%の組成物を用いた。ここで、2040FCは請求項1中のMw/Mnの規定、及び(1)式で定めたTmとSCBの関係から外れたものである。その他は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表3に記載のとおりヘーズ値が3.4%、エルメンドルフ引裂強度が(MD)112kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。しかし、実施例1同様の方法で得たラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は122℃であり、樹脂の密度が同等で比較の対象となる実施例2より6℃高いものとなった。
エチレン−α−オレフィン共重合体[1540F]100重量%の組成物を用いた。ここで、1540Fは請求項1中のMw/Mnの規定、及び(1)式で定めたTmとSCBの関係から外れたものである。その他は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表3に記載のとおりヘーズ値が3.9%、エルメンドルフ引裂強度が(MD)111kN/mと透明性、強度とも良好なフィルムを得た。しかし、実施例1と同様の方法で得たラミネートフィルムの最高強度到達ヒートシール温度は122℃であり、樹脂の密度が同等で比較の対象となる実施例2より12℃高いものとなった。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]100重量%の組成物を用いた。その他は実施例1と同様にフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値が10.3%となり透明性に満足し得るフィルムが得られなかった。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205を重量比95/5からなる組成物を用いた。ここで、[A1]/[ペトロセン205]重量比が請求項1に定める範囲から外れたものである。その他は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値は4.0%と良好であったが、エルメンドルフ引裂強度(MD)が56kN/mと低くかった。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン176を重量比95/5からなる組成物を用いた。ここで、[A1]/[ペトロセン176]重量比が請求項1に定める範囲から外れたものである。その他は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。その結果、表4に記載のとおりヘーズ値は3.6%と良好であったが、エルメンドルフ引裂強度(MD)が59kN/mと低くかった。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]100重量%からなる組成物を用いた。その他は実施例9と同様にフィルムを得た。その結果、表5に記載のとおりヘーズ値が32.6%となり透明性に満足し得るフィルムが得られなかった。
エチレン−α−オレフィン共重合体[A1]とペトロセン205からなる重量比90/10の組成物を用いた。ここで、[A1]/[ペトロセン205]重量比が請求項1に定める範囲から外れたものである。その他は実施例9と同様にフィルムを得た。その結果、表5に記載のとおりヘーズ値は4.3%と良好であったが、エルメンドルフ引裂強度(MD)が51kN/mと低くかった。
Claims (5)
- (a)密度が880〜940kg/m3の範囲であり、(b)190℃,21.18Nの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が1.0〜10g/10分の範囲であり、(c)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が4以下であり、(d)示差走査型熱量計において、200℃で5分間溶融し、その後10℃/分で30℃まで冷却したものを再度10℃/分で昇温させた時に得られる吸熱曲線の最大ピーク位置の温度(Tm(℃))と赤外線吸収スペクトルの測定から求められる炭素数1000個当りの短鎖分岐数(SCB)とが(1)式で示される関係を満たすエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(以下、[A]という)と、
Tm<−1.8×SCB+138 (1)
(e)密度が910〜935kg/m3の範囲であり、(f)190℃,21.18Nの荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分の範囲である高圧ラジカル重合法で得られる低密度ポリエチレン(以下、[B]という)とからなり、(g)[A]/[B]重量比が99.9/0.1〜97/3であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。 - 請求項1に記載の[A]/[B]重量比が99.9/0.1〜99/1であることを特徴とするポリエチレン樹脂組成物。
- [B]の235℃で測定したスウェル比が1.7以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のポリエチレン樹脂組成物。
- 請求項1乃至請求項3に記載のポリエチレン樹脂組成物からなるフィルム。
- 請求項4に記載のフィルムを少なくとも1層有することを特徴とする積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004039964A JP2005232227A (ja) | 2004-02-17 | 2004-02-17 | ポリエチレン樹脂組成物、それからなるフィルム及びその積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004039964A JP2005232227A (ja) | 2004-02-17 | 2004-02-17 | ポリエチレン樹脂組成物、それからなるフィルム及びその積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005232227A true JP2005232227A (ja) | 2005-09-02 |
Family
ID=35015513
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004039964A Pending JP2005232227A (ja) | 2004-02-17 | 2004-02-17 | ポリエチレン樹脂組成物、それからなるフィルム及びその積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005232227A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012082393A1 (en) | 2010-12-17 | 2012-06-21 | Dow Global Technologies Llc | Ethylene-based polymers and processess to make the same |
KR20140045493A (ko) * | 2011-07-08 | 2014-04-16 | 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 | 블로운 필름에 적합한 폴리에틸렌 배합 조성물, 그 제조 방법, 및 그로부터 제조된 필름 |
CN103881418A (zh) * | 2014-03-05 | 2014-06-25 | 苏州克莱明新材料有限公司 | 改性纳米硫酸钡的制备及其应用 |
US9243087B2 (en) | 2009-06-11 | 2016-01-26 | Dow Global Technologies Llc | LDPE enabling high output and good optics when blended with other polymers |
US9809701B2 (en) | 2013-05-22 | 2017-11-07 | Dow Global Technologies Llc | Low density ethylene-based compositions with improved melt strength, output, and mechanical properties |
US10358543B2 (en) | 2013-05-22 | 2019-07-23 | Dow Global Technologies Llc | Compositions containing low density ethylene-based polymers with high melt strength and films formed from the same |
CN113387055A (zh) * | 2020-03-12 | 2021-09-14 | 住友化学株式会社 | 膜、膜的制造方法以及袋 |
CN115485359A (zh) * | 2020-05-08 | 2022-12-16 | 旭化成株式会社 | 成型机用清洗剂 |
WO2024034195A1 (ja) * | 2022-08-09 | 2024-02-15 | グンゼ株式会社 | 導電性フィルム、及び、導電性フィルムの製造方法 |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0726079A (ja) * | 1992-12-03 | 1995-01-27 | Mitsubishi Chem Corp | ラミネート用樹脂組成物 |
JPH0726080A (ja) * | 1992-12-07 | 1995-01-27 | Mitsubishi Chem Corp | 押出成形体用樹脂組成物 |
JPH08188681A (ja) * | 1995-01-06 | 1996-07-23 | Tosoh Corp | ポリエチレン樹脂組成物 |
JPH0959440A (ja) * | 1995-08-28 | 1997-03-04 | Tosoh Corp | ポリエチレン樹脂組成物 |
JPH0977921A (ja) * | 1995-09-14 | 1997-03-25 | Tosoh Corp | ポリエチレン樹脂組成物 |
JPH10329288A (ja) * | 1997-03-31 | 1998-12-15 | Mitsui Chem Inc | 農業用フィルム |
JPH11181173A (ja) * | 1997-12-18 | 1999-07-06 | Sumitomo Chem Co Ltd | エチレン・α−オレフィン共重合体組成物およびそのフィルム |
JP2000052514A (ja) * | 1992-12-03 | 2000-02-22 | Mitsubishi Chemicals Corp | 積層体 |
-
2004
- 2004-02-17 JP JP2004039964A patent/JP2005232227A/ja active Pending
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0726079A (ja) * | 1992-12-03 | 1995-01-27 | Mitsubishi Chem Corp | ラミネート用樹脂組成物 |
JP2000052514A (ja) * | 1992-12-03 | 2000-02-22 | Mitsubishi Chemicals Corp | 積層体 |
JPH0726080A (ja) * | 1992-12-07 | 1995-01-27 | Mitsubishi Chem Corp | 押出成形体用樹脂組成物 |
JPH08188681A (ja) * | 1995-01-06 | 1996-07-23 | Tosoh Corp | ポリエチレン樹脂組成物 |
JPH0959440A (ja) * | 1995-08-28 | 1997-03-04 | Tosoh Corp | ポリエチレン樹脂組成物 |
JPH0977921A (ja) * | 1995-09-14 | 1997-03-25 | Tosoh Corp | ポリエチレン樹脂組成物 |
JPH10329288A (ja) * | 1997-03-31 | 1998-12-15 | Mitsui Chem Inc | 農業用フィルム |
JPH11181173A (ja) * | 1997-12-18 | 1999-07-06 | Sumitomo Chem Co Ltd | エチレン・α−オレフィン共重合体組成物およびそのフィルム |
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9243087B2 (en) | 2009-06-11 | 2016-01-26 | Dow Global Technologies Llc | LDPE enabling high output and good optics when blended with other polymers |
WO2012082393A1 (en) | 2010-12-17 | 2012-06-21 | Dow Global Technologies Llc | Ethylene-based polymers and processess to make the same |
US8822601B2 (en) | 2010-12-17 | 2014-09-02 | Dow Global Technologies Llc | Ethylene-based polymers and processes to make the same |
KR101901477B1 (ko) | 2011-07-08 | 2018-09-21 | 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 | 블로운 필름에 적합한 폴리에틸렌 배합 조성물, 그 제조 방법, 및 그로부터 제조된 필름 |
KR20140045493A (ko) * | 2011-07-08 | 2014-04-16 | 다우 글로벌 테크놀로지스 엘엘씨 | 블로운 필름에 적합한 폴리에틸렌 배합 조성물, 그 제조 방법, 및 그로부터 제조된 필름 |
JP2014521759A (ja) * | 2011-07-08 | 2014-08-28 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | インフレーションフィルムに適したポリエチレンブレンド組成物、その製造方法、およびそれから作製されるフィルム |
US10287423B2 (en) | 2013-05-22 | 2019-05-14 | Dow Global Technologies Llc | Low density ethylene-based compositions with improved melt strength, output, and mechanical properties |
US9809701B2 (en) | 2013-05-22 | 2017-11-07 | Dow Global Technologies Llc | Low density ethylene-based compositions with improved melt strength, output, and mechanical properties |
US10358543B2 (en) | 2013-05-22 | 2019-07-23 | Dow Global Technologies Llc | Compositions containing low density ethylene-based polymers with high melt strength and films formed from the same |
CN103881418B (zh) * | 2014-03-05 | 2016-04-06 | 苏州克莱明新材料有限公司 | 改性纳米硫酸钡的制备及其应用 |
CN103881418A (zh) * | 2014-03-05 | 2014-06-25 | 苏州克莱明新材料有限公司 | 改性纳米硫酸钡的制备及其应用 |
CN113387055A (zh) * | 2020-03-12 | 2021-09-14 | 住友化学株式会社 | 膜、膜的制造方法以及袋 |
CN113387055B (zh) * | 2020-03-12 | 2024-06-07 | 住友化学株式会社 | 膜、膜的制造方法以及袋 |
CN115485359A (zh) * | 2020-05-08 | 2022-12-16 | 旭化成株式会社 | 成型机用清洗剂 |
WO2024034195A1 (ja) * | 2022-08-09 | 2024-02-15 | グンゼ株式会社 | 導電性フィルム、及び、導電性フィルムの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5117086B2 (ja) | 多層フィルムおよび袋 | |
CN109996678B (zh) | 多层膜和包含其的层制品和制品 | |
BR112012025925B1 (pt) | Mistura polimérica e filme | |
JP5109435B2 (ja) | 樹脂組成物、フィルムおよび袋 | |
JP2009040894A (ja) | エチレン系重合体およびそれよりなるフィルム | |
JP4747779B2 (ja) | 多層フィルム | |
KR910008574B1 (ko) | 폴리올레판계수지 적층체 | |
US7722961B2 (en) | Resin composition and stretched film obtained by using the same | |
KR20190086472A (ko) | 취입 필름 중 메탈로센계 폴리프로필렌 랜덤 공중합체의 용도 | |
JP2005232227A (ja) | ポリエチレン樹脂組成物、それからなるフィルム及びその積層体 | |
WO1997018083A1 (en) | Lldpe-based stretchable multilayer films | |
EP3260295A1 (en) | Multilayer films and packages formed from same | |
JP5561106B2 (ja) | ポリエチレン樹脂組成物 | |
JP3905006B2 (ja) | 熱融着性フィルムおよびその用途 | |
JP2009061705A (ja) | ポリプロピレン系樹脂積層無延伸フィルムの製造方法 | |
US11993059B2 (en) | Multi-layer film | |
JP4892784B2 (ja) | レトルト包装用多層フィルム | |
JPS6341945B2 (ja) | ||
KR20080068639A (ko) | 열 밀봉 수지 | |
JP5786608B2 (ja) | 積層フィルム | |
US11441023B2 (en) | Polyethylene films and methods of making the same | |
JP2017105174A (ja) | 多層フィルム | |
KR100845504B1 (ko) | 열밀봉성 필름 및 그 용도 | |
JP4446427B2 (ja) | 熱融着性プロピレン系重合体フィルム、積層フィルム及びその用途 | |
JP2001260291A (ja) | ポリプロピレン系多層フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070112 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20091013 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20091020 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20091221 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20091224 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20101109 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |