JP2611379B2 - ポリフェニレンスルフィドフィルム - Google Patents
ポリフェニレンスルフィドフィルムInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリフェニレンスルフィドフィルムに関す
るものである。
るものである。
[従来の技術] 従来、ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とす
る樹脂組成物を2軸延伸、熱処理した2軸配向フィルム
が、特開昭56−62121等で提案されている。上記のフィ
ルムは、耐熱性、誘電特性に優れているため、電気絶縁
材料、コンデンサの誘電体をはじめ種々の用途への応用
が期待されている。
る樹脂組成物を2軸延伸、熱処理した2軸配向フィルム
が、特開昭56−62121等で提案されている。上記のフィ
ルムは、耐熱性、誘電特性に優れているため、電気絶縁
材料、コンデンサの誘電体をはじめ種々の用途への応用
が期待されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、これら従来ポリフェニレンスルフィドフィル
ムは、絶縁破壊電圧の平均値(以下、BDVと略す。)
が、汎用フィルムとして広く用いられているポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと略
す。)に比べ2〜3割劣っているため、例えば、これら
のフィルムをコンデンサの誘導体として使用した場合、
従来のPPSフィルムを用いたものでは、耐電圧特性をPET
フィルム並にするためにフィルム厚みを大きくする必要
が有り、その結果、PETフィルムを用いたものに比べフ
ィルムの厚みが大きい分、得られたコンデンサ単体の体
積も大きくなるという欠点があった。
ムは、絶縁破壊電圧の平均値(以下、BDVと略す。)
が、汎用フィルムとして広く用いられているポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと略
す。)に比べ2〜3割劣っているため、例えば、これら
のフィルムをコンデンサの誘導体として使用した場合、
従来のPPSフィルムを用いたものでは、耐電圧特性をPET
フィルム並にするためにフィルム厚みを大きくする必要
が有り、その結果、PETフィルムを用いたものに比べフ
ィルムの厚みが大きい分、得られたコンデンサ単体の体
積も大きくなるという欠点があった。
本発明は、かかる問題点を解決し、BDVのみならず、
耐熱性、機械特性に優れたポリフェニレンスルフィドフ
ィルムを提供することである。
耐熱性、機械特性に優れたポリフェニレンスルフィドフ
ィルムを提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記課題を解決するため、ポリ−p−フェ
ニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成物からなり、
かつ該ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする
樹脂組成物中に含まれる金属の標準電極電位E0の重量平
均値が、−1.5V以下であり、かつ該金属の含有量の合計
量Y(単位:ppm)が80≦Y≦700で、かつクロロホルム
抽出可能な金属の重量X(単位:ppm)が、該ポリ−p−
フェニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成物の重量
に対して、下記(1)式を満足することを特徴とするポ
リフェニレンスルフィドフィルムとしたものである。
ニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成物からなり、
かつ該ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする
樹脂組成物中に含まれる金属の標準電極電位E0の重量平
均値が、−1.5V以下であり、かつ該金属の含有量の合計
量Y(単位:ppm)が80≦Y≦700で、かつクロロホルム
抽出可能な金属の重量X(単位:ppm)が、該ポリ−p−
フェニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成物の重量
に対して、下記(1)式を満足することを特徴とするポ
リフェニレンスルフィドフィルムとしたものである。
0≦X≦(0.5Y−40) ……(1) 本発明において、ポリフェニレンスルフィドフィルム
(以下、PPSフィルムと略称することがある)とは、ポ
リ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成
物の二軸配向フィルムである。該フィルムの厚さは、0.
4〜25μmの範囲であるが、0.4〜10μmの範囲が効果が
大きい。該フィルムの平面表面粗さRaは、巻回時の作業
性および巻回後の加熱プレス時の密着性の点から、0.03
〜0.10の範囲が好ましい。またX線回折法による結晶化
度25%〜45%の結晶化フィルムであることが好ましい。
さらに、広角X線回折で2θ=20〜21℃の結晶ピークに
ついて求めた配向度OFがEnd方向およびEdge方向で0.07
〜0.5、Through方向で0.6〜1.0の範囲にある二軸配向フ
ィルムであることが好ましい。
(以下、PPSフィルムと略称することがある)とは、ポ
リ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成
物の二軸配向フィルムである。該フィルムの厚さは、0.
4〜25μmの範囲であるが、0.4〜10μmの範囲が効果が
大きい。該フィルムの平面表面粗さRaは、巻回時の作業
性および巻回後の加熱プレス時の密着性の点から、0.03
〜0.10の範囲が好ましい。またX線回折法による結晶化
度25%〜45%の結晶化フィルムであることが好ましい。
さらに、広角X線回折で2θ=20〜21℃の結晶ピークに
ついて求めた配向度OFがEnd方向およびEdge方向で0.07
〜0.5、Through方向で0.6〜1.0の範囲にある二軸配向フ
ィルムであることが好ましい。
ここでポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とす
る樹脂組成物(以下、PPS系組成物と略称することがあ
る)とは、ポリ−p−フェニレンスルフィドを70重量%
以上含む組成物を言う。ポリ−p−フェニレンスルフィ
ドの含有量が70重量%未満では、組成物としての結晶
性、熱転移温度等が低くなり、該組成物からなるフィル
ルの特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損
なう。該組成物中の残りの30重量%未満はポリ−p−フ
ェニレンスルフィド以外のポリマ、無機または有機のフ
ラー、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤などの添加物を含む
ことも差し支えない。該樹脂組成物の溶融粘度は、温度
300℃、せん断速度200 1/secのもとで、500〜12000ポ
イズ(より好ましくは700〜10000ポイズ)の範囲がフィ
ルムの成形性の点で好ましい。該樹脂組成物の溶融粘度
は、最終的に得られるポリフェニレンスルフィドフィル
ムの、溶融粘度に等しい。
る樹脂組成物(以下、PPS系組成物と略称することがあ
る)とは、ポリ−p−フェニレンスルフィドを70重量%
以上含む組成物を言う。ポリ−p−フェニレンスルフィ
ドの含有量が70重量%未満では、組成物としての結晶
性、熱転移温度等が低くなり、該組成物からなるフィル
ルの特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損
なう。該組成物中の残りの30重量%未満はポリ−p−フ
ェニレンスルフィド以外のポリマ、無機または有機のフ
ラー、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤などの添加物を含む
ことも差し支えない。該樹脂組成物の溶融粘度は、温度
300℃、せん断速度200 1/secのもとで、500〜12000ポ
イズ(より好ましくは700〜10000ポイズ)の範囲がフィ
ルムの成形性の点で好ましい。該樹脂組成物の溶融粘度
は、最終的に得られるポリフェニレンスルフィドフィル
ムの、溶融粘度に等しい。
本発明においてポリ−p−フェニレンスルフィド(以
下、PPSと略称することがある)とは、繰り返し単位の7
0モル%以上(好ましくは85モル%以上)が構造式 で示される構成単位からなる重合体をいう。係る成分が
70モル%未満ではポリマの結晶性、熱転移温度等が低く
なりPPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィルムの
特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損な
う。
下、PPSと略称することがある)とは、繰り返し単位の7
0モル%以上(好ましくは85モル%以上)が構造式 で示される構成単位からなる重合体をいう。係る成分が
70モル%未満ではポリマの結晶性、熱転移温度等が低く
なりPPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィルムの
特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損な
う。
繰り返し単位の30モル%未満、好ましくは15モル%未
満であれば共重合可能なスルフィド結晶を含有する単位
が含まれていても差し支えない。繰り返し単位の30モル
%未満、好ましくは15モル%未満の繰り返し単位として
は、例えば、3官能単位、エーテル単位、スルホン単
位、ケトン単位、メタ結合単位、アルキル基等の置換基
を有するアリール単位、ビフェニル単位、ターフェニレ
ン単位、ビニレン単位、カーボネート単位などが具体例
としてあげられ、このうち1つまたは2つ以上共存させ
て構成することができる。この場合、該構成単位は、ラ
ンダム共重合、ブロック共重合のいずれの形態でも差し
支えない。また、ポリマの末端または末端近くに該ポリ
マの主要構成単位 以外の構成単位が存在することはなんら差し支えない。
満であれば共重合可能なスルフィド結晶を含有する単位
が含まれていても差し支えない。繰り返し単位の30モル
%未満、好ましくは15モル%未満の繰り返し単位として
は、例えば、3官能単位、エーテル単位、スルホン単
位、ケトン単位、メタ結合単位、アルキル基等の置換基
を有するアリール単位、ビフェニル単位、ターフェニレ
ン単位、ビニレン単位、カーボネート単位などが具体例
としてあげられ、このうち1つまたは2つ以上共存させ
て構成することができる。この場合、該構成単位は、ラ
ンダム共重合、ブロック共重合のいずれの形態でも差し
支えない。また、ポリマの末端または末端近くに該ポリ
マの主要構成単位 以外の構成単位が存在することはなんら差し支えない。
また本発明のフィルム中に、表面粗さを整える目的な
どのために、無機の微粒子を含有することは好ましい。
どのために、無機の微粒子を含有することは好ましい。
本発明において、該ポリ−p−フェニレンスルフィド
を主成分とする樹脂組成物中に含まれる金属の標準電極
電位E0の重量平均値が、−1.5V以下(好ましくは、−2.
5V以下)である必要がある。該金属の標準電極電位E0の
重量平均値が−1.5V(好ましくは、−2.5V)を超えると
本発明の効果は著しく減少するのみならず耐熱性が悪化
する場合があるので好ましくない。本発明を満足する該
金属の具体例としては、Li、Na、Mg、などが挙げられる
が、特に、周期律表の第I a族および/または第II a族
の金属の含有量が該フィルム中に含まれる金属の重量に
対して80%、好ましくは90%以上含有していることが望
ましい。
を主成分とする樹脂組成物中に含まれる金属の標準電極
電位E0の重量平均値が、−1.5V以下(好ましくは、−2.
5V以下)である必要がある。該金属の標準電極電位E0の
重量平均値が−1.5V(好ましくは、−2.5V)を超えると
本発明の効果は著しく減少するのみならず耐熱性が悪化
する場合があるので好ましくない。本発明を満足する該
金属の具体例としては、Li、Na、Mg、などが挙げられる
が、特に、周期律表の第I a族および/または第II a族
の金属の含有量が該フィルム中に含まれる金属の重量に
対して80%、好ましくは90%以上含有していることが望
ましい。
該金属の標準電極電位E0は、特に下限はないが、−6.
0V未満の金属は、事実上存在しない。
0V未満の金属は、事実上存在しない。
本発明において、該ポリ−p−フェニレンスルフィド
を主成分とする樹脂組成物中に含まれる金属の含有量の
合計量Yならびにクロロホルム抽出可能な金属の重量X
が、該樹脂組成物の重量に対して、特許請求の範囲の
(1)式を満足する範囲にあることが必要である。該金
属の重量Xが、特許請求の範囲の(1)式に示した範囲
外であると本発明の効果がほとんど得られない。
を主成分とする樹脂組成物中に含まれる金属の含有量の
合計量Yならびにクロロホルム抽出可能な金属の重量X
が、該樹脂組成物の重量に対して、特許請求の範囲の
(1)式を満足する範囲にあることが必要である。該金
属の重量Xが、特許請求の範囲の(1)式に示した範囲
外であると本発明の効果がほとんど得られない。
また、本発明において、該ポリ−p−フェニレンスル
フィドを主成分とする樹脂組成物中に含まれる金属の含
有量の合計量Y、クロロホルム抽出可能な金属の重量X
ならびに熱水抽出可能な金属の重量Zが、該樹脂組成物
の重量に対して特許請求の範囲の(1)式および(2)
式を満足する範囲にあるこのが好ましい。該金属の重量
XならびにZが、特許請求の範囲の(1)式および
(2)式を満足する範囲内にあると本発明の効果がより
明確に発現する。
フィドを主成分とする樹脂組成物中に含まれる金属の含
有量の合計量Y、クロロホルム抽出可能な金属の重量X
ならびに熱水抽出可能な金属の重量Zが、該樹脂組成物
の重量に対して特許請求の範囲の(1)式および(2)
式を満足する範囲にあるこのが好ましい。該金属の重量
XならびにZが、特許請求の範囲の(1)式および
(2)式を満足する範囲内にあると本発明の効果がより
明確に発現する。
ここで、該ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分
とする樹脂組成物中に含まれる金属とは、ICP発光分光
分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)で分
析可能なすべての金属を言う。
とする樹脂組成物中に含まれる金属とは、ICP発光分光
分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)で分
析可能なすべての金属を言う。
また、標準電極電位E0とは、Chemical−Data−Book
(Ed:G.H.Ayiward,T.J.V.Findlay)、2nd Ed.(1966)
によるもので、標準状態における金属のイオン化傾向や
電極反応を構成する酸化還元系の酸化力(または還元
力)を示す尺度として定義されるものである。
(Ed:G.H.Ayiward,T.J.V.Findlay)、2nd Ed.(1966)
によるもので、標準状態における金属のイオン化傾向や
電極反応を構成する酸化還元系の酸化力(または還元
力)を示す尺度として定義されるものである。
また、クロロホルム抽出の方法を具体的に説明する
と、200〜250メッシュに粉砕したフィルムあるいはポリ
マ10gをソックスレー抽出器に入れ、クロロホルム100g
にて110〜120℃の湯浴下で還流させながら、120時間抽
出を行なう方法が用いられる。上記において、ソックス
レー抽出器は、抽出管25×10mm 冷却管200mm フラスコ150ml から構成されるものを用いる。
と、200〜250メッシュに粉砕したフィルムあるいはポリ
マ10gをソックスレー抽出器に入れ、クロロホルム100g
にて110〜120℃の湯浴下で還流させながら、120時間抽
出を行なう方法が用いられる。上記において、ソックス
レー抽出器は、抽出管25×10mm 冷却管200mm フラスコ150ml から構成されるものを用いる。
また、熱水抽出の方法を具体的に説明すると、200〜2
50メッシュに粉砕したフィルムあるいはポリマ10gを300
gのイオン交換水とともに1Lのチタン製オートクレーブ
に入れ100℃で窒素で置換した後180℃で30時間撹拌しな
がら抽出を行ないこの抽出液を0.5μのフィルターで瀘
過した後、瀘液を5〜50倍にロータリエバポレータ等で
濃縮する方法が用いられる。
50メッシュに粉砕したフィルムあるいはポリマ10gを300
gのイオン交換水とともに1Lのチタン製オートクレーブ
に入れ100℃で窒素で置換した後180℃で30時間撹拌しな
がら抽出を行ないこの抽出液を0.5μのフィルターで瀘
過した後、瀘液を5〜50倍にロータリエバポレータ等で
濃縮する方法が用いられる。
また、本発明のポリフェニレンスルフィドフィルムを
コンデンサの誘電体として用いる場合は、JIS K−676
8−71によるフィルム表面の濡れ指数を30〜45dyne/cmの
範囲とすることが好ましく、また、フィルムの熱収縮率
は、250℃、10分間でフィルムの長さ方向が+3〜8
%、幅方向が−1〜+3%の範囲が好ましい。
コンデンサの誘電体として用いる場合は、JIS K−676
8−71によるフィルム表面の濡れ指数を30〜45dyne/cmの
範囲とすることが好ましく、また、フィルムの熱収縮率
は、250℃、10分間でフィルムの長さ方向が+3〜8
%、幅方向が−1〜+3%の範囲が好ましい。
次に本発明のポリフェニレンスルフィドフィルムの製
造法について説明する。
造法について説明する。
まず、本発明に使用するPPSの重合方法としては、硫
化アルカリとp−ジハロベンゼンを極性溶媒中で高温高
圧下に反応させる方法を用いる。
化アルカリとp−ジハロベンゼンを極性溶媒中で高温高
圧下に反応させる方法を用いる。
特に、硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンをN−
メチル−2−ピロリドン等のアミド系極性溶媒中で反応
させるのが好ましい。この場合、重合度を調製するため
に、苛性アルカリ、カルボン酸アルカリ金属塩等のいわ
ゆる重合助剤を添加して230〜280℃で反応させるのが最
も好ましい。重合系内の圧力および重合時間は、使用す
る助剤の種類や量および所望する重合度などによって適
宜決定される。
メチル−2−ピロリドン等のアミド系極性溶媒中で反応
させるのが好ましい。この場合、重合度を調製するため
に、苛性アルカリ、カルボン酸アルカリ金属塩等のいわ
ゆる重合助剤を添加して230〜280℃で反応させるのが最
も好ましい。重合系内の圧力および重合時間は、使用す
る助剤の種類や量および所望する重合度などによって適
宜決定される。
重合終了後、系を徐冷し、ポリマを析出させた後、水
中に投入してできるスラリーをフィルターで瀘別して粒
状ポリマを得る。得られた粒状ポリマは、必要に応じ
て、さらに本発明の標準電極電位を有する金属の酢酸塩
等の水溶液中で30〜100℃の温度で10〜60分間撹拌処理
後、イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回洗浄を繰
り返した後乾燥する。該乾燥後において、乾燥雰囲気中
の酸素分圧は30torr、好ましくは10torr、さらに好まし
くは5torrであることが必要である。酸素分圧が、上記
範囲を超えると前記クロロホルム抽出可能な金属含有量
を本発明の範囲内とすることが非常に難しくなるのみな
らずフィルム製膜性も悪化することがある。また乾燥温
度としては70〜150℃の範囲が好ましく、さらに、この
温度範囲で酸素分圧が上記範囲内になるような真空雰囲
気下で乾燥するのが好ましい。
中に投入してできるスラリーをフィルターで瀘別して粒
状ポリマを得る。得られた粒状ポリマは、必要に応じ
て、さらに本発明の標準電極電位を有する金属の酢酸塩
等の水溶液中で30〜100℃の温度で10〜60分間撹拌処理
後、イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回洗浄を繰
り返した後乾燥する。該乾燥後において、乾燥雰囲気中
の酸素分圧は30torr、好ましくは10torr、さらに好まし
くは5torrであることが必要である。酸素分圧が、上記
範囲を超えると前記クロロホルム抽出可能な金属含有量
を本発明の範囲内とすることが非常に難しくなるのみな
らずフィルム製膜性も悪化することがある。また乾燥温
度としては70〜150℃の範囲が好ましく、さらに、この
温度範囲で酸素分圧が上記範囲内になるような真空雰囲
気下で乾燥するのが好ましい。
さらに、上記のようにして得られた粉状および/また
は粒状ポリマを酸素分圧30torr、好ましくは10torr、さ
らに好ましくは5torr以下の雰囲気下でNMPにて洗浄後、
イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回洗浄を繰り返
すことが本発明の効果をより明確に生じせしめる上で有
効である。この時のポリマ重量に対するNMPの重量は、
2倍以上が好ましく、また洗浄温度は60〜150℃が好ま
しいがこの限りではない。例えば、酸素分圧が上記範囲
にある不活性ガス雰囲気下でソックスレー抽出器にてNM
Pの抽出後、イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回
洗浄を繰り返す方法も有効である。このようにして得ら
れたポリマを乾燥する場合、上記のように、乾燥雰囲気
中の酸素分圧が3torr、好ましくは10torr、さらに好ま
しくは5torrであることが必要である。ここで、NMPによ
る洗浄時に酸素分圧が上記範囲を外れると得られたポリ
マの溶融結晶化温度Tmcが上昇し、フィルムの製膜性が
著しく悪化する。酸素分圧が上記範囲内でNMPによる洗
浄を行なったポリマのTmcは、通常160〜190℃の範囲と
なりフィルム製膜性も良好である。
は粒状ポリマを酸素分圧30torr、好ましくは10torr、さ
らに好ましくは5torr以下の雰囲気下でNMPにて洗浄後、
イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回洗浄を繰り返
すことが本発明の効果をより明確に生じせしめる上で有
効である。この時のポリマ重量に対するNMPの重量は、
2倍以上が好ましく、また洗浄温度は60〜150℃が好ま
しいがこの限りではない。例えば、酸素分圧が上記範囲
にある不活性ガス雰囲気下でソックスレー抽出器にてNM
Pの抽出後、イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回
洗浄を繰り返す方法も有効である。このようにして得ら
れたポリマを乾燥する場合、上記のように、乾燥雰囲気
中の酸素分圧が3torr、好ましくは10torr、さらに好ま
しくは5torrであることが必要である。ここで、NMPによ
る洗浄時に酸素分圧が上記範囲を外れると得られたポリ
マの溶融結晶化温度Tmcが上昇し、フィルムの製膜性が
著しく悪化する。酸素分圧が上記範囲内でNMPによる洗
浄を行なったポリマのTmcは、通常160〜190℃の範囲と
なりフィルム製膜性も良好である。
このようにして得られたPPSポリマに、必要に応じ
て、その他のポリマ、無機粒子、添加剤などを本発の特
許請求の範囲の要件を満足するように混合添加してPPS
系組成物を作製する このようにして得られたPPS系組成物を特開昭55−111
235等に記載された周知の方法で押出機などに供給して
溶融し、Tダイから冷却ドラム上に押し出して無配向シ
ートとし該シートを95〜115℃の温度で縦、横に同時、
もしくは逐次2軸延伸し、さらに200℃以上、融点以下
の温度で熱処理して、中間体を得、次に該中間体を、30
〜120℃で5秒〜10日間熱処理する方法が挙げられるが
これに限定される物ではない。該熱処理の時間は、温度
によって適宜選定することができる。一般に低温では長
時間を要し、高温では短時間になる。該熱処理は、フィ
ルム製造ラインで中間体の製造と連続して行なうことも
できるし、いったん巻取ってから、行なうこともでき
る。後者では、フィルムを巻きだしながら連続的に行な
うこともできるし、ロール状で熱風オーブン中などに入
れて行なうこともできる。また、該熱処理を、異なる温
度で二段階以上にわたって行なうこともできる。
て、その他のポリマ、無機粒子、添加剤などを本発の特
許請求の範囲の要件を満足するように混合添加してPPS
系組成物を作製する このようにして得られたPPS系組成物を特開昭55−111
235等に記載された周知の方法で押出機などに供給して
溶融し、Tダイから冷却ドラム上に押し出して無配向シ
ートとし該シートを95〜115℃の温度で縦、横に同時、
もしくは逐次2軸延伸し、さらに200℃以上、融点以下
の温度で熱処理して、中間体を得、次に該中間体を、30
〜120℃で5秒〜10日間熱処理する方法が挙げられるが
これに限定される物ではない。該熱処理の時間は、温度
によって適宜選定することができる。一般に低温では長
時間を要し、高温では短時間になる。該熱処理は、フィ
ルム製造ラインで中間体の製造と連続して行なうことも
できるし、いったん巻取ってから、行なうこともでき
る。後者では、フィルムを巻きだしながら連続的に行な
うこともできるし、ロール状で熱風オーブン中などに入
れて行なうこともできる。また、該熱処理を、異なる温
度で二段階以上にわたって行なうこともできる。
以上のようにして本発明のポリフェニレンスルフィド
フィルムを得る。
フィルムを得る。
次に、本発明の記述に用いたポリマ、フィルム等の特
性値の測定・評価法について説明する。
性値の測定・評価法について説明する。
(1)ポリフェニレンスルフィドフィルム中の金属含有
量 ポリフェニレンスルフィドフィルムを220℃のα−ク
ロロナフタレンに溶解後0.1μφカットフィルターにて
瀘過し、不活性微粒子等の固形分を除去する、次に、こ
の瀘過液を遠心分離器にかけ、上澄み液を分別する。こ
の上澄み液からα−クロロナフタレンを留去しポリフェ
ニレンスルフィドを得る。次に、該ポリフェニレンスル
フィドの粉末(約2g)を白金ルツボにとり、電気炉で灰
化した。さらに、灰分を硫酸およびフッ化水素酸を加え
て加熱分解し、塩酸を加えて加熱処理した後、希硝酸に
溶解して定容とした。
量 ポリフェニレンスルフィドフィルムを220℃のα−ク
ロロナフタレンに溶解後0.1μφカットフィルターにて
瀘過し、不活性微粒子等の固形分を除去する、次に、こ
の瀘過液を遠心分離器にかけ、上澄み液を分別する。こ
の上澄み液からα−クロロナフタレンを留去しポリフェ
ニレンスルフィドを得る。次に、該ポリフェニレンスル
フィドの粉末(約2g)を白金ルツボにとり、電気炉で灰
化した。さらに、灰分を硫酸およびフッ化水素酸を加え
て加熱分解し、塩酸を加えて加熱処理した後、希硝酸に
溶解して定容とした。
各溶液について、プラズマ発光分析(ICP分析)、原
子吸光分析で定量を行い、ポリフェニレンスルフィドフ
ィルム中の金属含有量とした。
子吸光分析で定量を行い、ポリフェニレンスルフィドフ
ィルム中の金属含有量とした。
(2)クロロホルム抽出可能な金属の含有量 200〜250メッシュに粉砕したポリフェニレンスルフィ
ドフィルム10gをクロロホルム100gでソックスレー抽出
器にて、オイルバス温度120℃で120時間還流して抽出を
行なう。次に、この抽出液からクロロホルムを留去し得
られた固形分および/または液体を上記(1)の測定と
同様の方法にて各種金属の含有量を求める。
ドフィルム10gをクロロホルム100gでソックスレー抽出
器にて、オイルバス温度120℃で120時間還流して抽出を
行なう。次に、この抽出液からクロロホルムを留去し得
られた固形分および/または液体を上記(1)の測定と
同様の方法にて各種金属の含有量を求める。
(3)熱水抽出可能な金属の含有量 200〜250メッシュに粉砕したポリフェニレンスルフィ
ドフィルム10gとイオン交換水300gを1Lのチタン製オー
トクレーブに入れ100℃で窒素で置換した後オートクレ
ーブを密閉し、180℃で30時間撹拌しながら抽出を行な
った後0.5μのフィルターで瀘過し、この瀘過液を遠心
分離器にかけ、上澄み液を分別する。この上澄み液を適
宜濃縮後、金属量をプラズマ発光分析(ICP分析)、原
子吸光分析で定量する。
ドフィルム10gとイオン交換水300gを1Lのチタン製オー
トクレーブに入れ100℃で窒素で置換した後オートクレ
ーブを密閉し、180℃で30時間撹拌しながら抽出を行な
った後0.5μのフィルターで瀘過し、この瀘過液を遠心
分離器にかけ、上澄み液を分別する。この上澄み液を適
宜濃縮後、金属量をプラズマ発光分析(ICP分析)、原
子吸光分析で定量する。
(4)絶縁破壊電圧 ポリフェニレンスルフィドポリマの1部を310℃で押
し出して未延伸フィルムを得る。この未延伸フィルムT.
M.Long社のフィルムストレッチャーで延伸温度97℃で3.
5倍に同時2軸延伸を行なう。さらにこのフィルムを250
℃で1分間熱処理して、厚さ約10μの2軸延伸フィルム
を得た。このフィルムをASTM−D−149に準じて絶縁破
壊電圧(BDV)を求めた。
し出して未延伸フィルムを得る。この未延伸フィルムT.
M.Long社のフィルムストレッチャーで延伸温度97℃で3.
5倍に同時2軸延伸を行なう。さらにこのフィルムを250
℃で1分間熱処理して、厚さ約10μの2軸延伸フィルム
を得た。このフィルムをASTM−D−149に準じて絶縁破
壊電圧(BDV)を求めた。
[発明の効果] 本発明のフィルムは、以上のような構成とした結果、
従来の2軸配向PPSフィルムに比べ大幅にBDVが向上し、
電気絶縁材料、コンデンサの誘電体として極めて信頼性
の高い材料となった。本発明のフィルムをコンデンサの
誘電体として用いた場合、従来の2軸配向PPSフィルム
を用いたものに比べ絶縁耐圧が大幅に向上する他、同容
量のコンデンサについては、コンデンサ単体の容積が減
少し、より小型化が可能になるという効果が得られる。
従来の2軸配向PPSフィルムに比べ大幅にBDVが向上し、
電気絶縁材料、コンデンサの誘電体として極めて信頼性
の高い材料となった。本発明のフィルムをコンデンサの
誘電体として用いた場合、従来の2軸配向PPSフィルム
を用いたものに比べ絶縁耐圧が大幅に向上する他、同容
量のコンデンサについては、コンデンサ単体の容積が減
少し、より小型化が可能になるという効果が得られる。
[実施例] 次に、本発明の実施例を挙げて、さらに詳細に説明す
る。
る。
実施例1〜9、比較例1〜9 (1)本発明のPPSフィルムの調製 50Lオートクレーブ(SUS316製)に水硫化ナトリウム
(NaSH)56.25モル、水酸化ナトリウム54.8モル、酢酸
ナトリウム16モル、およびN−メチルピロリドン(NM
P)170モルを仕込む。次に、窒素ガス気流下に撹拌しな
がら内温を220℃まで昇温させ脱水を行なった。脱水終
了後、系を170℃まで冷却した後、55モルのp−ジクロ
ロベンゼン(p−DCB)と0.055モルの1,2,4−トリクロ
ロベンゼン(TCB)を2.5LのNMPとともに添加し、窒素気
流下に系を2.0kg/cm2まで加圧封入した。235℃にて1時
間、さらに270℃にて2〜5時間撹拌下にて加熱後、系
を室温まで冷却、得られたポリマのスラリーを水200モ
ル中に投入し、70℃で30分間撹拌後、ポリマを分離す
る。このポリマをさらに約70℃のイオン交換水(ポリマ
重量の9倍)で撹拌しながら5回洗浄後、約70℃の酢酸
リチウムの5重量%水溶液にて窒素気流下にて約1時間
撹拌した。さらに、約70℃のイオン交換水で3回洗浄
後、分離し、120℃、0.8〜1torrの雰囲気下で20時間乾
燥することによって白色のPPS粉末が得られた。
(NaSH)56.25モル、水酸化ナトリウム54.8モル、酢酸
ナトリウム16モル、およびN−メチルピロリドン(NM
P)170モルを仕込む。次に、窒素ガス気流下に撹拌しな
がら内温を220℃まで昇温させ脱水を行なった。脱水終
了後、系を170℃まで冷却した後、55モルのp−ジクロ
ロベンゼン(p−DCB)と0.055モルの1,2,4−トリクロ
ロベンゼン(TCB)を2.5LのNMPとともに添加し、窒素気
流下に系を2.0kg/cm2まで加圧封入した。235℃にて1時
間、さらに270℃にて2〜5時間撹拌下にて加熱後、系
を室温まで冷却、得られたポリマのスラリーを水200モ
ル中に投入し、70℃で30分間撹拌後、ポリマを分離す
る。このポリマをさらに約70℃のイオン交換水(ポリマ
重量の9倍)で撹拌しながら5回洗浄後、約70℃の酢酸
リチウムの5重量%水溶液にて窒素気流下にて約1時間
撹拌した。さらに、約70℃のイオン交換水で3回洗浄
後、分離し、120℃、0.8〜1torrの雰囲気下で20時間乾
燥することによって白色のPPS粉末が得られた。
次に、このPPS粉末を市販の窒素ガス雰囲気下90℃のN
MP(PPSポリマ重量の3倍量)にて5分間〜1時間の撹
拌処理を1〜5回行なった。このPPS粉末をさらに約70
℃のイオン交換水で4回洗浄した後分離し、上記のよう
にして乾燥することによって白色のPPS粉末を得た。
MP(PPSポリマ重量の3倍量)にて5分間〜1時間の撹
拌処理を1〜5回行なった。このPPS粉末をさらに約70
℃のイオン交換水で4回洗浄した後分離し、上記のよう
にして乾燥することによって白色のPPS粉末を得た。
このPPS粉末に、平均粒径1.0μφのシリカ微粉末0.4
重量%を添加して、60mmφの押出機でガット状に押出し
切断してペレット化した。このペレットを40mmφの押出
機に供給して、310℃で溶融押出、金属繊維を用いた95
%カット孔径10μφのフィルターで瀘過した後、長さ40
0cm、間隙1.5mmの直線状リップを有するTダイから押
出、表面を50℃に保った金属ドラム上にキャストして冷
却固化して、厚さ30μの未延伸フィルムを得た。
重量%を添加して、60mmφの押出機でガット状に押出し
切断してペレット化した。このペレットを40mmφの押出
機に供給して、310℃で溶融押出、金属繊維を用いた95
%カット孔径10μφのフィルターで瀘過した後、長さ40
0cm、間隙1.5mmの直線状リップを有するTダイから押
出、表面を50℃に保った金属ドラム上にキャストして冷
却固化して、厚さ30μの未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを、ロール群からなる縦延伸装置
によって、フィルム温度105℃、延伸速度30000%/分で
3.9倍縦延伸し、続いてテンタを用いて、温度100℃、延
伸速度1000%/分で3.5倍横延伸し、さらに同一テンタ
ー内の後続する熱処理室で275℃で10秒間熱処理して、
厚さ2.5μのPPSフィルムA〜J、フィルムL、フィルム
M(実施例1〜9、比較例1、3、4)を得た。このフ
イルムA〜J、フィルムL、フィルムM中の金属含有量
を分析したところ、前述のペレットのそれと全く同じで
あった。ここで、実施例1〜9のPPSフィルム中に含ま
れる金属の含有量、PPSフィルムからクロロホルム抽出
可能な各種金属の含有量ならびに熱水抽出可能な各種金
属の含有量の調製は、上記270℃における重合時間を2
〜5時間の範囲で、かつNMPによる撹拌処理時間を15分
間〜1時間範囲内および/または撹拌処理回数を2〜5
回の範囲内で適宜調整することによって行なった。ま
た、比較例1、3、4のPPSフィルム中に含まれる金属
の含有量、PPSフィルムからクロロホルム抽出可能な各
種金属の含有量ならびに熱水油抽出可能な各種金属の含
有量の調製は、上記270℃における重合時間を2〜5時
間の範囲で、かつNMPによる撹拌処理を処理時間5〜15
分間の範囲内で1回行なうことによって適宜調整した。
これとは別に比較のためPPSの重合後、酢酸リチウム5
重量%水溶液の代わりに、氷酢酸の5重量%水溶液を用
いて上記実施例1〜9と同様の方法にてフィルムK(比
較例2)、フィルムN(比較例5)を得た。同様に、酢
酸リチウム5重量%水溶液の代わりに、酢酸亜鉛の5重
量%水溶液を用いて上記と同様の方法にてフィルムO
(比較例6)を得た。また同様に、酢酸リチウム5重量
%水溶液の代わりに、酢酸ニッケルの5重量%水溶液を
用いて上記と同様の方法にてフィルムP(比較例7)を
得た。また、PPSの重合後、得られたポリマのスラリー
をイオン交換水中に投入し70℃で30分間撹拌後、ポリマ
を分離し、約70℃のイオン交換水で5回洗浄した後に得
られたPPS粉末を、NMPによって撹拌処理しない以外は、
実施例1〜9と同じ条件で処理してフィルムQ、フィル
ムR(比較例8、9)を得た。
によって、フィルム温度105℃、延伸速度30000%/分で
3.9倍縦延伸し、続いてテンタを用いて、温度100℃、延
伸速度1000%/分で3.5倍横延伸し、さらに同一テンタ
ー内の後続する熱処理室で275℃で10秒間熱処理して、
厚さ2.5μのPPSフィルムA〜J、フィルムL、フィルム
M(実施例1〜9、比較例1、3、4)を得た。このフ
イルムA〜J、フィルムL、フィルムM中の金属含有量
を分析したところ、前述のペレットのそれと全く同じで
あった。ここで、実施例1〜9のPPSフィルム中に含ま
れる金属の含有量、PPSフィルムからクロロホルム抽出
可能な各種金属の含有量ならびに熱水抽出可能な各種金
属の含有量の調製は、上記270℃における重合時間を2
〜5時間の範囲で、かつNMPによる撹拌処理時間を15分
間〜1時間範囲内および/または撹拌処理回数を2〜5
回の範囲内で適宜調整することによって行なった。ま
た、比較例1、3、4のPPSフィルム中に含まれる金属
の含有量、PPSフィルムからクロロホルム抽出可能な各
種金属の含有量ならびに熱水油抽出可能な各種金属の含
有量の調製は、上記270℃における重合時間を2〜5時
間の範囲で、かつNMPによる撹拌処理を処理時間5〜15
分間の範囲内で1回行なうことによって適宜調整した。
これとは別に比較のためPPSの重合後、酢酸リチウム5
重量%水溶液の代わりに、氷酢酸の5重量%水溶液を用
いて上記実施例1〜9と同様の方法にてフィルムK(比
較例2)、フィルムN(比較例5)を得た。同様に、酢
酸リチウム5重量%水溶液の代わりに、酢酸亜鉛の5重
量%水溶液を用いて上記と同様の方法にてフィルムO
(比較例6)を得た。また同様に、酢酸リチウム5重量
%水溶液の代わりに、酢酸ニッケルの5重量%水溶液を
用いて上記と同様の方法にてフィルムP(比較例7)を
得た。また、PPSの重合後、得られたポリマのスラリー
をイオン交換水中に投入し70℃で30分間撹拌後、ポリマ
を分離し、約70℃のイオン交換水で5回洗浄した後に得
られたPPS粉末を、NMPによって撹拌処理しない以外は、
実施例1〜9と同じ条件で処理してフィルムQ、フィル
ムR(比較例8、9)を得た。
表1に得られたポリマおよびフィルムの評価結果を示
す。
す。
本発明の特許要件を満たす本発明のフィルムは、大幅
にBDVが向上してることがわかる。
にBDVが向上してることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00
Claims (2)
- 【請求項1】ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分
とする樹脂組成物からなり、かつ該ポリ−p−フェニレ
ンスルフィドを主成分とする樹脂組成物中に含まれる金
属の標準電極電位E0の重量平均値が、−1.5V以下であ
り、かつ該金属の含有量の合計量Y(単位:ppm)が80≦
Y≦700で、かつクロロホルム抽出可能な金属の重量X
(単位:ppm)が、該ポリ−p−フェニレンスルフィドを
主成分とする樹脂組成物の重量に対して、下記(1)式
を満足することを特徴とするポリフェニレンスルフィド
フィルム。 0≦X≦(0.5Y−40) ……(1) - 【請求項2】熱水抽出可能な金属の重量Z(単位:ppm)
が、下記(2)式を満足することを特徴とする特許請求
の範囲第1項記載のポリフェニレンスルフィドフィル
ム。 Z≦50 ……(2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24343288A JP2611379B2 (ja) | 1988-09-28 | 1988-09-28 | ポリフェニレンスルフィドフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24343288A JP2611379B2 (ja) | 1988-09-28 | 1988-09-28 | ポリフェニレンスルフィドフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0291130A JPH0291130A (ja) | 1990-03-30 |
JP2611379B2 true JP2611379B2 (ja) | 1997-05-21 |
Family
ID=17103786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24343288A Expired - Lifetime JP2611379B2 (ja) | 1988-09-28 | 1988-09-28 | ポリフェニレンスルフィドフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2611379B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021132308A1 (ja) * | 2019-12-23 | 2021-07-01 | 東レ株式会社 | 固体電解質、電極、電池、コンデンサー、及び固体電解質の製造方法 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007169521A (ja) * | 2005-12-22 | 2007-07-05 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリフェニレンサルファイド系樹脂製フィルム |
JP2011140150A (ja) * | 2010-01-06 | 2011-07-21 | Toray Ind Inc | 積層体 |
JP6124067B2 (ja) * | 2013-07-03 | 2017-05-10 | Dic株式会社 | 微多孔質膜、その製造方法および電池用セパレータ |
-
1988
- 1988-09-28 JP JP24343288A patent/JP2611379B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021132308A1 (ja) * | 2019-12-23 | 2021-07-01 | 東レ株式会社 | 固体電解質、電極、電池、コンデンサー、及び固体電解質の製造方法 |
CN114868207A (zh) * | 2019-12-23 | 2022-08-05 | 东丽株式会社 | 固体电解质、电极、电池、电容器和固体电解质的制造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0291130A (ja) | 1990-03-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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