JP2611379B2 - ポリフェニレンスルフィドフィルム - Google Patents

ポリフェニレンスルフィドフィルム

Info

Publication number
JP2611379B2
JP2611379B2 JP24343288A JP24343288A JP2611379B2 JP 2611379 B2 JP2611379 B2 JP 2611379B2 JP 24343288 A JP24343288 A JP 24343288A JP 24343288 A JP24343288 A JP 24343288A JP 2611379 B2 JP2611379 B2 JP 2611379B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
metal
weight
polyphenylene sulfide
resin composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP24343288A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0291130A (ja
Inventor
喜代彦 伊藤
雄吉 出口
弘明 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP24343288A priority Critical patent/JP2611379B2/ja
Publication of JPH0291130A publication Critical patent/JPH0291130A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2611379B2 publication Critical patent/JP2611379B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリフェニレンスルフィドフィルムに関す
るものである。
[従来の技術] 従来、ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とす
る樹脂組成物を2軸延伸、熱処理した2軸配向フィルム
が、特開昭56−62121等で提案されている。上記のフィ
ルムは、耐熱性、誘電特性に優れているため、電気絶縁
材料、コンデンサの誘電体をはじめ種々の用途への応用
が期待されている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、これら従来ポリフェニレンスルフィドフィル
ムは、絶縁破壊電圧の平均値(以下、BDVと略す。)
が、汎用フィルムとして広く用いられているポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルムと略
す。)に比べ2〜3割劣っているため、例えば、これら
のフィルムをコンデンサの誘導体として使用した場合、
従来のPPSフィルムを用いたものでは、耐電圧特性をPET
フィルム並にするためにフィルム厚みを大きくする必要
が有り、その結果、PETフィルムを用いたものに比べフ
ィルムの厚みが大きい分、得られたコンデンサ単体の体
積も大きくなるという欠点があった。
本発明は、かかる問題点を解決し、BDVのみならず、
耐熱性、機械特性に優れたポリフェニレンスルフィドフ
ィルムを提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記課題を解決するため、ポリ−p−フェ
ニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成物からなり、
かつ該ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする
樹脂組成物中に含まれる金属の標準電極電位E0の重量平
均値が、−1.5V以下であり、かつ該金属の含有量の合計
量Y(単位:ppm)が80≦Y≦700で、かつクロロホルム
抽出可能な金属の重量X(単位:ppm)が、該ポリ−p−
フェニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成物の重量
に対して、下記(1)式を満足することを特徴とするポ
リフェニレンスルフィドフィルムとしたものである。
0≦X≦(0.5Y−40) ……(1) 本発明において、ポリフェニレンスルフィドフィルム
(以下、PPSフィルムと略称することがある)とは、ポ
リ−p−フェニレンスルフィドを主成分とする樹脂組成
物の二軸配向フィルムである。該フィルムの厚さは、0.
4〜25μmの範囲であるが、0.4〜10μmの範囲が効果が
大きい。該フィルムの平面表面粗さRaは、巻回時の作業
性および巻回後の加熱プレス時の密着性の点から、0.03
〜0.10の範囲が好ましい。またX線回折法による結晶化
度25%〜45%の結晶化フィルムであることが好ましい。
さらに、広角X線回折で2θ=20〜21℃の結晶ピークに
ついて求めた配向度OFがEnd方向およびEdge方向で0.07
〜0.5、Through方向で0.6〜1.0の範囲にある二軸配向フ
ィルムであることが好ましい。
ここでポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分とす
る樹脂組成物(以下、PPS系組成物と略称することがあ
る)とは、ポリ−p−フェニレンスルフィドを70重量%
以上含む組成物を言う。ポリ−p−フェニレンスルフィ
ドの含有量が70重量%未満では、組成物としての結晶
性、熱転移温度等が低くなり、該組成物からなるフィル
ルの特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損
なう。該組成物中の残りの30重量%未満はポリ−p−フ
ェニレンスルフィド以外のポリマ、無機または有機のフ
ラー、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤などの添加物を含む
ことも差し支えない。該樹脂組成物の溶融粘度は、温度
300℃、せん断速度200 1/secのもとで、500〜12000ポ
イズ(より好ましくは700〜10000ポイズ)の範囲がフィ
ルムの成形性の点で好ましい。該樹脂組成物の溶融粘度
は、最終的に得られるポリフェニレンスルフィドフィル
ムの、溶融粘度に等しい。
本発明においてポリ−p−フェニレンスルフィド(以
下、PPSと略称することがある)とは、繰り返し単位の7
0モル%以上(好ましくは85モル%以上)が構造式 で示される構成単位からなる重合体をいう。係る成分が
70モル%未満ではポリマの結晶性、熱転移温度等が低く
なりPPSを主成分とする樹脂組成物からなるフィルムの
特長である耐熱性、寸法安定性、機械的特性等を損な
う。
繰り返し単位の30モル%未満、好ましくは15モル%未
満であれば共重合可能なスルフィド結晶を含有する単位
が含まれていても差し支えない。繰り返し単位の30モル
%未満、好ましくは15モル%未満の繰り返し単位として
は、例えば、3官能単位、エーテル単位、スルホン単
位、ケトン単位、メタ結合単位、アルキル基等の置換基
を有するアリール単位、ビフェニル単位、ターフェニレ
ン単位、ビニレン単位、カーボネート単位などが具体例
としてあげられ、このうち1つまたは2つ以上共存させ
て構成することができる。この場合、該構成単位は、ラ
ンダム共重合、ブロック共重合のいずれの形態でも差し
支えない。また、ポリマの末端または末端近くに該ポリ
マの主要構成単位 以外の構成単位が存在することはなんら差し支えない。
また本発明のフィルム中に、表面粗さを整える目的な
どのために、無機の微粒子を含有することは好ましい。
本発明において、該ポリ−p−フェニレンスルフィド
を主成分とする樹脂組成物中に含まれる金属の標準電極
電位E0の重量平均値が、−1.5V以下(好ましくは、−2.
5V以下)である必要がある。該金属の標準電極電位E0
重量平均値が−1.5V(好ましくは、−2.5V)を超えると
本発明の効果は著しく減少するのみならず耐熱性が悪化
する場合があるので好ましくない。本発明を満足する該
金属の具体例としては、Li、Na、Mg、などが挙げられる
が、特に、周期律表の第I a族および/または第II a族
の金属の含有量が該フィルム中に含まれる金属の重量に
対して80%、好ましくは90%以上含有していることが望
ましい。
該金属の標準電極電位E0は、特に下限はないが、−6.
0V未満の金属は、事実上存在しない。
本発明において、該ポリ−p−フェニレンスルフィド
を主成分とする樹脂組成物中に含まれる金属の含有量の
合計量Yならびにクロロホルム抽出可能な金属の重量X
が、該樹脂組成物の重量に対して、特許請求の範囲の
(1)式を満足する範囲にあることが必要である。該金
属の重量Xが、特許請求の範囲の(1)式に示した範囲
外であると本発明の効果がほとんど得られない。
また、本発明において、該ポリ−p−フェニレンスル
フィドを主成分とする樹脂組成物中に含まれる金属の含
有量の合計量Y、クロロホルム抽出可能な金属の重量X
ならびに熱水抽出可能な金属の重量Zが、該樹脂組成物
の重量に対して特許請求の範囲の(1)式および(2)
式を満足する範囲にあるこのが好ましい。該金属の重量
XならびにZが、特許請求の範囲の(1)式および
(2)式を満足する範囲内にあると本発明の効果がより
明確に発現する。
ここで、該ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分
とする樹脂組成物中に含まれる金属とは、ICP発光分光
分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)で分
析可能なすべての金属を言う。
また、標準電極電位E0とは、Chemical−Data−Book
(Ed:G.H.Ayiward,T.J.V.Findlay)、2nd Ed.(1966)
によるもので、標準状態における金属のイオン化傾向や
電極反応を構成する酸化還元系の酸化力(または還元
力)を示す尺度として定義されるものである。
また、クロロホルム抽出の方法を具体的に説明する
と、200〜250メッシュに粉砕したフィルムあるいはポリ
マ10gをソックスレー抽出器に入れ、クロロホルム100g
にて110〜120℃の湯浴下で還流させながら、120時間抽
出を行なう方法が用いられる。上記において、ソックス
レー抽出器は、抽出管25×10mm 冷却管200mm フラスコ150ml から構成されるものを用いる。
また、熱水抽出の方法を具体的に説明すると、200〜2
50メッシュに粉砕したフィルムあるいはポリマ10gを300
gのイオン交換水とともに1Lのチタン製オートクレーブ
に入れ100℃で窒素で置換した後180℃で30時間撹拌しな
がら抽出を行ないこの抽出液を0.5μのフィルターで瀘
過した後、瀘液を5〜50倍にロータリエバポレータ等で
濃縮する方法が用いられる。
また、本発明のポリフェニレンスルフィドフィルムを
コンデンサの誘電体として用いる場合は、JIS K−676
8−71によるフィルム表面の濡れ指数を30〜45dyne/cmの
範囲とすることが好ましく、また、フィルムの熱収縮率
は、250℃、10分間でフィルムの長さ方向が+3〜8
%、幅方向が−1〜+3%の範囲が好ましい。
次に本発明のポリフェニレンスルフィドフィルムの製
造法について説明する。
まず、本発明に使用するPPSの重合方法としては、硫
化アルカリとp−ジハロベンゼンを極性溶媒中で高温高
圧下に反応させる方法を用いる。
特に、硫化ナトリウムとp−ジクロロベンゼンをN−
メチル−2−ピロリドン等のアミド系極性溶媒中で反応
させるのが好ましい。この場合、重合度を調製するため
に、苛性アルカリ、カルボン酸アルカリ金属塩等のいわ
ゆる重合助剤を添加して230〜280℃で反応させるのが最
も好ましい。重合系内の圧力および重合時間は、使用す
る助剤の種類や量および所望する重合度などによって適
宜決定される。
重合終了後、系を徐冷し、ポリマを析出させた後、水
中に投入してできるスラリーをフィルターで瀘別して粒
状ポリマを得る。得られた粒状ポリマは、必要に応じ
て、さらに本発明の標準電極電位を有する金属の酢酸塩
等の水溶液中で30〜100℃の温度で10〜60分間撹拌処理
後、イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回洗浄を繰
り返した後乾燥する。該乾燥後において、乾燥雰囲気中
の酸素分圧は30torr、好ましくは10torr、さらに好まし
くは5torrであることが必要である。酸素分圧が、上記
範囲を超えると前記クロロホルム抽出可能な金属含有量
を本発明の範囲内とすることが非常に難しくなるのみな
らずフィルム製膜性も悪化することがある。また乾燥温
度としては70〜150℃の範囲が好ましく、さらに、この
温度範囲で酸素分圧が上記範囲内になるような真空雰囲
気下で乾燥するのが好ましい。
さらに、上記のようにして得られた粉状および/また
は粒状ポリマを酸素分圧30torr、好ましくは10torr、さ
らに好ましくは5torr以下の雰囲気下でNMPにて洗浄後、
イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回洗浄を繰り返
すことが本発明の効果をより明確に生じせしめる上で有
効である。この時のポリマ重量に対するNMPの重量は、
2倍以上が好ましく、また洗浄温度は60〜150℃が好ま
しいがこの限りではない。例えば、酸素分圧が上記範囲
にある不活性ガス雰囲気下でソックスレー抽出器にてNM
Pの抽出後、イオン交換水にて30〜80℃の温度にて数回
洗浄を繰り返す方法も有効である。このようにして得ら
れたポリマを乾燥する場合、上記のように、乾燥雰囲気
中の酸素分圧が3torr、好ましくは10torr、さらに好ま
しくは5torrであることが必要である。ここで、NMPによ
る洗浄時に酸素分圧が上記範囲を外れると得られたポリ
マの溶融結晶化温度Tmcが上昇し、フィルムの製膜性が
著しく悪化する。酸素分圧が上記範囲内でNMPによる洗
浄を行なったポリマのTmcは、通常160〜190℃の範囲と
なりフィルム製膜性も良好である。
このようにして得られたPPSポリマに、必要に応じ
て、その他のポリマ、無機粒子、添加剤などを本発の特
許請求の範囲の要件を満足するように混合添加してPPS
系組成物を作製する このようにして得られたPPS系組成物を特開昭55−111
235等に記載された周知の方法で押出機などに供給して
溶融し、Tダイから冷却ドラム上に押し出して無配向シ
ートとし該シートを95〜115℃の温度で縦、横に同時、
もしくは逐次2軸延伸し、さらに200℃以上、融点以下
の温度で熱処理して、中間体を得、次に該中間体を、30
〜120℃で5秒〜10日間熱処理する方法が挙げられるが
これに限定される物ではない。該熱処理の時間は、温度
によって適宜選定することができる。一般に低温では長
時間を要し、高温では短時間になる。該熱処理は、フィ
ルム製造ラインで中間体の製造と連続して行なうことも
できるし、いったん巻取ってから、行なうこともでき
る。後者では、フィルムを巻きだしながら連続的に行な
うこともできるし、ロール状で熱風オーブン中などに入
れて行なうこともできる。また、該熱処理を、異なる温
度で二段階以上にわたって行なうこともできる。
以上のようにして本発明のポリフェニレンスルフィド
フィルムを得る。
次に、本発明の記述に用いたポリマ、フィルム等の特
性値の測定・評価法について説明する。
(1)ポリフェニレンスルフィドフィルム中の金属含有
量 ポリフェニレンスルフィドフィルムを220℃のα−ク
ロロナフタレンに溶解後0.1μφカットフィルターにて
瀘過し、不活性微粒子等の固形分を除去する、次に、こ
の瀘過液を遠心分離器にかけ、上澄み液を分別する。こ
の上澄み液からα−クロロナフタレンを留去しポリフェ
ニレンスルフィドを得る。次に、該ポリフェニレンスル
フィドの粉末(約2g)を白金ルツボにとり、電気炉で灰
化した。さらに、灰分を硫酸およびフッ化水素酸を加え
て加熱分解し、塩酸を加えて加熱処理した後、希硝酸に
溶解して定容とした。
各溶液について、プラズマ発光分析(ICP分析)、原
子吸光分析で定量を行い、ポリフェニレンスルフィドフ
ィルム中の金属含有量とした。
(2)クロロホルム抽出可能な金属の含有量 200〜250メッシュに粉砕したポリフェニレンスルフィ
ドフィルム10gをクロロホルム100gでソックスレー抽出
器にて、オイルバス温度120℃で120時間還流して抽出を
行なう。次に、この抽出液からクロロホルムを留去し得
られた固形分および/または液体を上記(1)の測定と
同様の方法にて各種金属の含有量を求める。
(3)熱水抽出可能な金属の含有量 200〜250メッシュに粉砕したポリフェニレンスルフィ
ドフィルム10gとイオン交換水300gを1Lのチタン製オー
トクレーブに入れ100℃で窒素で置換した後オートクレ
ーブを密閉し、180℃で30時間撹拌しながら抽出を行な
った後0.5μのフィルターで瀘過し、この瀘過液を遠心
分離器にかけ、上澄み液を分別する。この上澄み液を適
宜濃縮後、金属量をプラズマ発光分析(ICP分析)、原
子吸光分析で定量する。
(4)絶縁破壊電圧 ポリフェニレンスルフィドポリマの1部を310℃で押
し出して未延伸フィルムを得る。この未延伸フィルムT.
M.Long社のフィルムストレッチャーで延伸温度97℃で3.
5倍に同時2軸延伸を行なう。さらにこのフィルムを250
℃で1分間熱処理して、厚さ約10μの2軸延伸フィルム
を得た。このフィルムをASTM−D−149に準じて絶縁破
壊電圧(BDV)を求めた。
[発明の効果] 本発明のフィルムは、以上のような構成とした結果、
従来の2軸配向PPSフィルムに比べ大幅にBDVが向上し、
電気絶縁材料、コンデンサの誘電体として極めて信頼性
の高い材料となった。本発明のフィルムをコンデンサの
誘電体として用いた場合、従来の2軸配向PPSフィルム
を用いたものに比べ絶縁耐圧が大幅に向上する他、同容
量のコンデンサについては、コンデンサ単体の容積が減
少し、より小型化が可能になるという効果が得られる。
[実施例] 次に、本発明の実施例を挙げて、さらに詳細に説明す
る。
実施例1〜9、比較例1〜9 (1)本発明のPPSフィルムの調製 50Lオートクレーブ(SUS316製)に水硫化ナトリウム
(NaSH)56.25モル、水酸化ナトリウム54.8モル、酢酸
ナトリウム16モル、およびN−メチルピロリドン(NM
P)170モルを仕込む。次に、窒素ガス気流下に撹拌しな
がら内温を220℃まで昇温させ脱水を行なった。脱水終
了後、系を170℃まで冷却した後、55モルのp−ジクロ
ロベンゼン(p−DCB)と0.055モルの1,2,4−トリクロ
ロベンゼン(TCB)を2.5LのNMPとともに添加し、窒素気
流下に系を2.0kg/cm2まで加圧封入した。235℃にて1時
間、さらに270℃にて2〜5時間撹拌下にて加熱後、系
を室温まで冷却、得られたポリマのスラリーを水200モ
ル中に投入し、70℃で30分間撹拌後、ポリマを分離す
る。このポリマをさらに約70℃のイオン交換水(ポリマ
重量の9倍)で撹拌しながら5回洗浄後、約70℃の酢酸
リチウムの5重量%水溶液にて窒素気流下にて約1時間
撹拌した。さらに、約70℃のイオン交換水で3回洗浄
後、分離し、120℃、0.8〜1torrの雰囲気下で20時間乾
燥することによって白色のPPS粉末が得られた。
次に、このPPS粉末を市販の窒素ガス雰囲気下90℃のN
MP(PPSポリマ重量の3倍量)にて5分間〜1時間の撹
拌処理を1〜5回行なった。このPPS粉末をさらに約70
℃のイオン交換水で4回洗浄した後分離し、上記のよう
にして乾燥することによって白色のPPS粉末を得た。
このPPS粉末に、平均粒径1.0μφのシリカ微粉末0.4
重量%を添加して、60mmφの押出機でガット状に押出し
切断してペレット化した。このペレットを40mmφの押出
機に供給して、310℃で溶融押出、金属繊維を用いた95
%カット孔径10μφのフィルターで瀘過した後、長さ40
0cm、間隙1.5mmの直線状リップを有するTダイから押
出、表面を50℃に保った金属ドラム上にキャストして冷
却固化して、厚さ30μの未延伸フィルムを得た。
この未延伸フィルムを、ロール群からなる縦延伸装置
によって、フィルム温度105℃、延伸速度30000%/分で
3.9倍縦延伸し、続いてテンタを用いて、温度100℃、延
伸速度1000%/分で3.5倍横延伸し、さらに同一テンタ
ー内の後続する熱処理室で275℃で10秒間熱処理して、
厚さ2.5μのPPSフィルムA〜J、フィルムL、フィルム
M(実施例1〜9、比較例1、3、4)を得た。このフ
イルムA〜J、フィルムL、フィルムM中の金属含有量
を分析したところ、前述のペレットのそれと全く同じで
あった。ここで、実施例1〜9のPPSフィルム中に含ま
れる金属の含有量、PPSフィルムからクロロホルム抽出
可能な各種金属の含有量ならびに熱水抽出可能な各種金
属の含有量の調製は、上記270℃における重合時間を2
〜5時間の範囲で、かつNMPによる撹拌処理時間を15分
間〜1時間範囲内および/または撹拌処理回数を2〜5
回の範囲内で適宜調整することによって行なった。ま
た、比較例1、3、4のPPSフィルム中に含まれる金属
の含有量、PPSフィルムからクロロホルム抽出可能な各
種金属の含有量ならびに熱水油抽出可能な各種金属の含
有量の調製は、上記270℃における重合時間を2〜5時
間の範囲で、かつNMPによる撹拌処理を処理時間5〜15
分間の範囲内で1回行なうことによって適宜調整した。
これとは別に比較のためPPSの重合後、酢酸リチウム5
重量%水溶液の代わりに、氷酢酸の5重量%水溶液を用
いて上記実施例1〜9と同様の方法にてフィルムK(比
較例2)、フィルムN(比較例5)を得た。同様に、酢
酸リチウム5重量%水溶液の代わりに、酢酸亜鉛の5重
量%水溶液を用いて上記と同様の方法にてフィルムO
(比較例6)を得た。また同様に、酢酸リチウム5重量
%水溶液の代わりに、酢酸ニッケルの5重量%水溶液を
用いて上記と同様の方法にてフィルムP(比較例7)を
得た。また、PPSの重合後、得られたポリマのスラリー
をイオン交換水中に投入し70℃で30分間撹拌後、ポリマ
を分離し、約70℃のイオン交換水で5回洗浄した後に得
られたPPS粉末を、NMPによって撹拌処理しない以外は、
実施例1〜9と同じ条件で処理してフィルムQ、フィル
ムR(比較例8、9)を得た。
表1に得られたポリマおよびフィルムの評価結果を示
す。
本発明の特許要件を満たす本発明のフィルムは、大幅
にBDVが向上してることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ−p−フェニレンスルフィドを主成分
    とする樹脂組成物からなり、かつ該ポリ−p−フェニレ
    ンスルフィドを主成分とする樹脂組成物中に含まれる金
    属の標準電極電位E0の重量平均値が、−1.5V以下であ
    り、かつ該金属の含有量の合計量Y(単位:ppm)が80≦
    Y≦700で、かつクロロホルム抽出可能な金属の重量X
    (単位:ppm)が、該ポリ−p−フェニレンスルフィドを
    主成分とする樹脂組成物の重量に対して、下記(1)式
    を満足することを特徴とするポリフェニレンスルフィド
    フィルム。 0≦X≦(0.5Y−40) ……(1)
  2. 【請求項2】熱水抽出可能な金属の重量Z(単位:ppm)
    が、下記(2)式を満足することを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載のポリフェニレンスルフィドフィル
    ム。 Z≦50 ……(2)
JP24343288A 1988-09-28 1988-09-28 ポリフェニレンスルフィドフィルム Expired - Lifetime JP2611379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24343288A JP2611379B2 (ja) 1988-09-28 1988-09-28 ポリフェニレンスルフィドフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24343288A JP2611379B2 (ja) 1988-09-28 1988-09-28 ポリフェニレンスルフィドフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0291130A JPH0291130A (ja) 1990-03-30
JP2611379B2 true JP2611379B2 (ja) 1997-05-21

Family

ID=17103786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24343288A Expired - Lifetime JP2611379B2 (ja) 1988-09-28 1988-09-28 ポリフェニレンスルフィドフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2611379B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021132308A1 (ja) * 2019-12-23 2021-07-01 東レ株式会社 固体電解質、電極、電池、コンデンサー、及び固体電解質の製造方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007169521A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Asahi Kasei Chemicals Corp ポリフェニレンサルファイド系樹脂製フィルム
JP2011140150A (ja) * 2010-01-06 2011-07-21 Toray Ind Inc 積層体
JP6124067B2 (ja) * 2013-07-03 2017-05-10 Dic株式会社 微多孔質膜、その製造方法および電池用セパレータ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021132308A1 (ja) * 2019-12-23 2021-07-01 東レ株式会社 固体電解質、電極、電池、コンデンサー、及び固体電解質の製造方法
CN114868207A (zh) * 2019-12-23 2022-08-05 东丽株式会社 固体电解质、电极、电池、电容器和固体电解质的制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0291130A (ja) 1990-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0225471B1 (en) Polyphenylene sulfide containing covalently bonded chlorine in a reduced amount and process for producing the same
US5071949A (en) Process for preparation of polyphenylene-sulfide resins in the absence of specific polymerization assistants
JP2611379B2 (ja) ポリフェニレンスルフィドフィルム
JPS59219331A (ja) ポリフエニレンスルフイドの精製法
Tatarsky et al. Synthesis and phase transitions of 4-(dodecyloxy) benzamide derivatives of azacrowns [14]-N4 and [18]-N6
JP4734930B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドフィルム
JP2001261959A (ja) 二軸配向フィルム、金属化フィルムおよびフィルムコンデンサー
JPS62156139A (ja) ポリ−p−フエニレンスルフイドフイルム
JPH0798901B2 (ja) ポリフエニレンスルフイド組成物
JPS62106929A (ja) ポリフエニレンスルフイドおよびその製造方法
EP0299276B1 (de) Verfahren zur Isolierung von Polyarylensulfiden
JPS61293225A (ja) ポリフエニレンスルフイド樹脂の精製方法
JPH0629321B2 (ja) ポリフエニレンスルフイドの製造方法
JPS5915430A (ja) ポリフエニレンスルフイドの精製方法
JPS62156162A (ja) ポリフエニレンスルフイド樹脂組成物
JP3307018B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法およびポリフェニレンスルフィド樹脂
JPH0755988B2 (ja) 電気絶縁用ポリ―p−フェニレンスルフィドフイルム
JPH02225527A (ja) ポリアリーレンチオエーテル系ブロックコポリマーおよびその製造方法
JP2006104369A (ja) 二軸配向ポリフェニレンサルファイドフィルムおよびコンデンサ
KR101938347B1 (ko) 아렌계 산화제 제조 장치
JP2844473B2 (ja) ポリビフェニレンエーテルケトン共重合体フィルム
JPH0562447B2 (ja)
JPH10315321A (ja) ポリフェニレンスルフィドフイルム及びそれを用いたフイルムコンデンサ
JPS61287927A (ja) ポリフエニレンスルフイド樹脂組成物
JPH0573773B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 12