JP2610851B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2610851B2
JP2610851B2 JP61309894A JP30989486A JP2610851B2 JP 2610851 B2 JP2610851 B2 JP 2610851B2 JP 61309894 A JP61309894 A JP 61309894A JP 30989486 A JP30989486 A JP 30989486A JP 2610851 B2 JP2610851 B2 JP 2610851B2
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体およびその製造方法に関す
る。
さらに詳しくは、磁性粉とバインダーとを含有する磁
性層を有するディスク状の磁気記録媒体およびその製造
方法に関する。
先行技術とその問題点 ディスク状の磁気記録媒体は、いわゆるフロッピーデ
ィスクとして、種々のものが実用化されている。このよ
うなディスク状の媒体は、その使用に際して、媒体を回
転させながら、ディスク周方向に磁気ヘッドを摺接させ
て記録・再生するものであり、そのため、例えばディス
ク状の媒体の磁性層中に含有される磁性粉が一定方向に
配向していれば、回転に伴なって、最大出力と最小出力
が交互にあらわれる、いわゆるモジュレーションと呼ば
れる出力変動が生じる。
モジュレーションが大きくなるとディスク状の媒体に
記録された情報の正確な読みとりができなくなり、時と
して信頼性の低下の大きな要因となり、実用上好ましく
ない。
このようなモジュレーションはディスク状の媒体が持
つ種々の特性、たとえば磁性粉の配向度等に起因するも
のと考えられているが、モジュレーションの向上とディ
スク状の媒体の特性との相互関係については未だ不明瞭
であり、安定してモジュレーション値の小さい磁気ディ
スクを得るのは困難である。
そこで、このモジュレーションが良好で、しかも、デ
ィジタル記録における電磁変換特性に優れた磁気記録媒
体の開発が要望されている。
ところで、ディスク状の磁気記録媒体の製造方法は、
一般に長尺の非磁性支持体上に磁性塗料を塗布し、その
後、熱風等で強制乾燥された後、所望の磁性層厚さとし
てディスク状に打ち抜いて製造される。
このようにして製造されたディスク状の磁気記録媒体
において、磁性層中に含有される磁性粉は、前述したよ
うに規則性のないいわゆるランダムな配向をしているこ
とが必要である。
ところが、通常の製造方法では、一連の工程中でグラ
ビアコート法等の塗布や、塗布後の搬送・平滑化処理等
の際に磁性層中に剪断応力が加わるため、磁性層中に含
有される磁性粉は、支持体の搬送方向に機械的配向ない
し自然配向してしまう。
このような磁性粉の機械的ないし自然配向をキャンセ
ルし、ランダムな状態の配向を得るための提案が種々行
われている。
例えば、磁界の方向を交互に変更し、かつ磁界の強さ
を減少させるような磁界を用いるもの(特開昭第54−15
9204号公報)、ローラ軸方向に多数の円筒状永久磁石を
同種のものが相対するように密着配置した無配向用ロー
ラないしこのローラとフィルム長手方向と一致する方向
に配向するように作用する配向装置との併用(特開昭第
57−189344号、同第57−189345号公報)、フィルムの長
手方向に対して斜めに磁化された磁場を用いるもの(特
開昭第58−141446号公報)、厚み方向に着磁された複数
個の帯状磁石の着磁の向きが走行方向に交互に反転する
装置(特開昭第60−124029号公報)、所定のコイルが巻
かれた巻線枠中にフィルムを通過させ、フィルム幅方向
に磁界をかけるランダム配向装置(特開昭第60−138737
号公報)等がある。
しかしながら、これらのものでは、用いる磁性粉の物
性や、磁性塗料の粘度、機械的作用による自然配向の程
度、フィルム搬送スピード等の諸条件に影響され、容易
にしかも安定して支持体の全幅にわたって一様にランダ
ム配向化したものが得にくいという欠点がある。
また、支持体搬送方向に磁性塗料の厚みムラに起因す
るスジが生じたり、配向装置に起因するスジが生じた
り、磁性層上に不必要な凹凸が形成される場合もあり、
好ましくない。
II 発明の目的 本発明の目的は、出力変動が小さく、電磁変換特性に
優れた磁気記録媒体およびその製造方法を提供すること
にある。
III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。
すなわち、第1の発明は、可撓性の非磁性支持体上
に、針状の磁性粉とバインダーとを含有する磁性層を有
するディスク状磁気記録媒体において、 磁性層がランダム配向処理されており、 媒体のトラック周方向の残留磁化φrを測定したと
き、φrの最小値を最大値で除した値が0.98〜1であ
り、 トラック周方向の角型比φr/φmの平均が0.55〜0.65
であることを特徴とする磁気記録媒体である。
第2の発明は、長尺の非磁性の可撓性の支持体上に、
磁性粉とバインダーとを含有する磁性塗料を塗布し、支
持体に対向させた磁石によって磁界を印加し、乾燥し、
しかる後、ディスク状に打ち抜く磁気記録媒体の製造方
法において、 上記磁石が、多数の単位磁石を交互に異極となるよう
に支持体に対向させて連結して支持体幅以上の2つのほ
ぼ直線状の直線部とこの直線部に連接する2つの湾曲部
とからなるループ形状としたものであり、ループ形状平
面の交互異極配置面を支持体平面とほぼ平行に、しかも
支持体進行方向とループ形状の直線部とがほぼ直角とな
るように設置し、単位磁石をループ形状内にて一方向に
移動させ、媒体のトラック周方向の残留磁化φrを測定
したとき、φrの最小値を最大値で除した値が0.95〜1
となるようにすることを特徴とする磁気記録媒体の製造
方法である。
第3の発明は、長尺の非磁性の可撓性の支持体上に、
磁性粉とバインダーとを含有する磁性塗料を塗布し、支
持体に対向させた磁石によって磁界を印加し、乾燥し、
しかる後、ディスク状に打ち抜く磁気記録媒体の製造方
法において、 上記磁石が、支持体の上方および下方にそれぞれ設置
され、各々の磁石が多数の単位磁石を交互に異極となる
ように支持体に対向させて連結して支持体幅以上の2つ
のほぼ直線状の直線部とこの直線部に連接する2つの湾
曲部とからなるループ形状としたものであり、ループ形
状平面の交互異極配置面を支持体平面とほぼ平行に、し
かも支持体進行方向とループ形状の直線部とがほぼ直角
とするように設置し、各磁石の各単位磁石をループ形状
内にて一方向に移動させしかも上方と下方の単位磁石の
運動方向が同方向とし、媒体のトラック周方向の残留磁
化φrを測定したとき、φrの最小値を最大値で除した
値が0.95〜1となるようにすることを特徴とする磁気記
録媒体の製造方法である。
第4の発明は、長尺の非磁性の可撓性の支持体上に、
磁性粉とバインダーとを含有する磁性塗料を塗布し、支
持体に対向させた磁石によって磁界を印加し、乾燥し、
しかる後、ディスク状に打ち抜く磁気記録媒体の製造方
法において、 上記磁石が、支持体の上方および下方にそれぞれ設置
され、各々の磁石が多数の単位磁石が交互に異極となる
ように支持体に対向させて連結して支持体幅以上の2つ
のほぼ直線状の直線部とこの直線部に連接する2つの湾
曲部とからなるループ形状としたものであり、ループ形
状平面の交互異極配置面を支持体平面とほぼ平行に、し
かも支持体進行方向とループ形状の直線部とがほぼ直角
となるように設置し、各磁石の各単位磁石をループ形状
内にて一方向に移動させしかも上方と下方の単位磁石の
運動方向が逆方向とし、媒体のトラック周方向の残留磁
化φrを測定したとき、φrの最小値を最大値で除した
値が0.95〜1となるようにすることを特徴とする磁気記
録媒体の製造方法である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、磁性粉
とバインダーとを含有する磁性層を有している。
このような磁気記録媒体は、通常、長尺の非磁性支持
体を一定速度で走行させながら、グラビアコーター、リ
バースロールコーターなどで磁性塗料を塗布し、その後
塗膜を乾燥・硬化させた後、所定のディスク形状に打ち
抜いて製造される。このようにして製造される磁気記録
媒体において、磁性層上で測定されるトラック周方向の
残留磁化φrを測定したとき、φrの最小値を最大値で
除した値(φr min/φr max)は0.95〜1、より好まし
くは0.98〜1.0である。
この値が上記の範囲をはずれるとモジュレーションが
大きくなり、実用上好ましくない。
またさらに、トラック周方向の角型比φr/φmの最小
値を最大値で除した値が(φr/φm)min/(φr/φm)
maxが0.95〜1、特に0.98〜1.0であることが好ましい。
また、周方向の平均角型比を径方向の平均角型比で除し
た値が0.97〜1.03、特に0.98〜1.02であることが好まし
い。これらの範囲をはずれると、モジュレーションの向
上が困難となり、好ましくない。
加えて、このような磁気記録媒体のトラック周方向の
角型比の平均▲▼は0.55〜0.65、特に0.58〜
0.63である。▲▼値が0.55未満になったり、
0.65をこえたりすると、十分な出力が得られなかった
り、分解能でも満足な結果が得られなくなる。
上述したようなφrおよびφr/φmの測定方法として
は、例えば、ディスク媒体に設けられているインデック
スホールを基点として、ディスクをほぼ均等に8分割す
るように描かれたディスク中心を通る4本の直線と、デ
ィスクのゼロトラック(最外周トラック)とその交点に
よってつくられた8点の位置を測定点とし、これらの位
置での磁化曲線を測定して求め、この曲線からφr、φ
mをよみとる。
そして、得られた8点のφr、およびφr/φmのそれ
ぞれの最大値および最小値から(φr min/φr max)と
(φr/φm)min/(φr/φm)maxを算出する。さらに
トラック周方向の平均角型比▲▼を算出す
る。加えて、径方向の角型比を同様によみとり、その値
で先に求めた周方向の値を除して配向比を算出する。
なお、測定点は8点以上とすることもできるが、その
場合には4の倍数個の測定点を設けて測定することが好
ましい。
いわゆる両面記録の磁気記録媒体の場合は、通常、片
面の磁性層を溶剤等で剥離して上記の測定を行うが、磁
性層を両面に残したまま測定してもよい。
このような特性値を有する本発明の磁気記録媒体の非
磁性支持体としては、可撓性を有する樹脂を用い、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテー
ト等のセルロール誘導体、ポリイミド、ポリカーボネー
ト、ポリサルホン、ポリエチレンナフタレート、芳香族
アラミド、芳香族ポリエステル等の各種樹脂が用いられ
る。
これらの中では、特に、ポリエステル、ポリアミド、
ポリイミド等を用いることが好ましい。
なお、基板の厚さは20〜150μm程度とする。
また、磁性層中に含有される磁性粉としては、金属磁
性粉、γ−Fe2O3磁性粉、コバルト被着酸化鉄磁性粉等
が用いられる。
金属磁性粉としては、 1)α−FeOOH(Goethite), β−FeOOH(Akaganite),γ−FeOOH(Lepidocrocite)
等のオキシ水酸化鉄や; α−Fe2O3,γ−Fe2O3,Fe2O4,γ−Fe2O3−Fe2O3(固
溶体)等の酸化鉄や; Co,Mn,Ni,Ti,Bi,B,Ag等の金属の1つまたは2つ以上が
ドープされ、その表面にアルミニウム化合物またはケイ
素化合物を吸着、被着したものを、還元性ガス気流中で
加熱還元して、鉄または鉄を主成分とする磁性粉末を製
造する方法、 2)金属塩水溶液よりNaBH4により液相還元して作製す
る方法、 3)あるいは低圧力の不活性ガス雰囲気中で金属を蒸発
させて作製する方法等により得られる。
金属磁性粉の組成としては、Fe,Co,Niの単体および、
これらの合金、またはこれらの単体および合金に、Cr,M
n,Co,Ni、さらにはZn,Cu,Zr,Al,Ti,Bi,Ag,Pt等を添加し
た金属が使用できる。
また、これらの金属にB,C,Si,P,Nなどの非金属元素を
少量添加したものでも本発明の効果は失われない。
あるいは、Fe4N等、一部窒化ないし炭化された金属磁
性粉であってもよい。
さらに、金属磁性粉は、粒子表面に酸化被膜を有する
ものであってもよい。
このような酸化被膜をもつ金属磁性粉を用いた磁気記
録媒体は、温度湿度等の外部環境による磁化の低下、磁
性層のサビの発生による特性劣化に有利であるが、磁性
層の電気抵抗が上昇し、使用時の帯電によるトラブルを
生じやすい。
金属磁性粉は、磁気ディスクに使用する場合は針状形
態のものが好ましい。
また、γ−Fe2O3粉としては、α−FeOOH(geothite)
を400℃以上で脱水してα−Fe2O3とし、H2ガス中で350
℃以上で還元してFe3O4とし、さらに250℃以下で酸化し
て作製したものを用いればよい。
コバルト被着酸化鉄粉としては、γ−Fe2O3粒子の表
面から数10Å以内のごく薄い層にCo2+を拡散させたもの
を用いればよい。
なお、磁性粉は、平均長軸径が2μm以下、特に0.01
〜1μm、平均長軸径/平均短軸径で表わされる軸比が
2〜20の形状異方性を有する針状磁性粉からなることが
好ましい。
軸比2未満のものは、媒体として使用した場合電特上
好ましくない。
バインダーとしては、放射線硬化性樹脂、熱硬化性樹
脂、反応型樹脂、熱可塑性樹脂等が用いられる。
放射線硬化性樹脂を用いる場合、その具体例として
は、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を有するアク
リル酸、メタクリル酸あるいはそれらのエステル化合物
のようなアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのよ
うなアリル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体
等の不飽和結合等の放射線照射による架橋あるいは重合
乾燥する基を熱可塑性樹脂の分子中に含有または導入し
た樹脂である。その他放射線照射により架橋重合する不
飽和二重結合を有する化合物であれば用いることができ
る。
放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可
塑性樹脂の分子中に含有または導入した樹脂としては、
樹脂中にマレイン酸やフマル酸等を含有するもので、そ
の含有量は、製造時の架橋、放射線硬化性等から酸成分
中1〜40モル%、好ましくは10〜30モル%である。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例とし
ては、次のようなものを挙げることができる。
塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニールアルコール共
重合体、塩化ビニール−ビニールアルコール共重合体、
塩化ビニール−ビニールアルコール−プロピオン酸ビニ
ール共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−マレイン
酸共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニルアル
コール−マレイン酸共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニ
ール−末端OH側鎖アルキル基共重合体、例えばUCC社製V
ROH、VYNC、VYEGX、VERR、VYES、VMCA、VAGH、UCARMAG5
20、 UCARMAG528等が挙げられる。
そして、このものにアクリル系二重結合、マレイン酸
系二重結合、アリル系二重結合を導入して放射線感応変
性を行う。
これらはカルボン酸を含有してもよい。
この他、飽和ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコー
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂、繊維素
誘導体等が好適である。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂と
しては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステ
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVP
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少なくとも一種含むアクリル系樹脂等も
有効である。
そして、これらは単独で、あるいは2種以上併用して
用いられる。
エラストマーもしくはプレポリマーも使用でき、その
好適例としては、ポリウレタンエラストマーもしくはプ
レポリマーがある。
ポリウレタンの使用は耐摩耗性、および支持体、例え
ばPETフィルムへの接着性が良い点で特に有効である。
ウレタン化合物の例としては、イソシアネートとして、
2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソ
シアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4−キ
シレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシア
ネート、 m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニレンジイソシ
アネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシ
アネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、
デスモジュールL、デスモジュールN等の各種多価イソ
シアネートと、線状飽和ポリエステル(エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、ペンタエリスリット、ソルビトール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの
様な多価アルコールと、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸の様な飽
和多塩基酸との縮重合によるもの)、線状飽和ポリエー
テル(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール)やカプロラクタ
ム、ヒドロキシル含有アクリル酸エステル、ヒドロキシ
ル含有メタクリル酸エステル等の各種ポリエステル類の
縮重合物により成るポリウレタンエラストマー、プレポ
リマーが有効である。
これらのウレタンエラストマーの末端のイソシアネー
ト基または水酸基と、アクリル系二重結合またはアリル
系二重結合等を有する単量体とを反応させることによ
り、放射線感応性に変性することは非常に効果的であ
る。また、末端に極性基としてOH、COOH等を含有するも
のも含む。
さらに、不飽和二重結合を有する長鎖脂肪酸のモノあ
るいはジグリセリド等、イソシアネート基と反応する活
性水素を持ち、かつ放射線硬化性を有する不飽和二重結
合を有する単量体も含まれる。
上述のアクリロ変性塩化ビニル系共重合体とのこれら
ウレタンエラストマーの併用は、配向度および面粗れの
改良に特に好適である。
この他、アクリロニトリル−プタジエン共重合エラス
トマー、ポリブタジエンエラストマーも好適である。
またポリブタジエンの環化物、日本合成ゴム製CBR−M
901も熱可塑性樹脂との組合せによりすぐれた性質を有
している。
その他、熱可塑性エラストマーおよびそのプレポリマ
ーの系で好適なものとしては、スチレン−ブタジエンゴ
ム、塩化ゴム、アクリルゴム、イソブレンゴムおよびそ
の環化物(日本合成ゴム製CIR701)があり、エポキシ変
性ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋紡バイ
ロン#300)等のエラストマーも放射線感応変性処理を
施すことにより有効に利用できる。
この他、各種放射線硬化性不飽和二重結合を有するオ
リゴマー、モノマーも好適に用いられる。
熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以下、平均分
子量10,000〜 200,000、重合度200〜2,000程度のもので、 例えば塩化ビニール−酢酸ビニール共重合体(カルボ
ン酸導入のものも含む)、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体(カルボン酸導入のものも含
む)、塩化ビニール−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビ
ニール−アククリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル
−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−スチ
レン共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロニトリ
ル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニルデン共
重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、ウ
レタンエラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニト
ロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、塩
化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビ
ニールブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセ
テート、セルロースダイアセテート、セルローストリア
セテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス等)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル
樹脂、クロロビニルエーテル−アクリル酸エステル共重
合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂お
よびこれらの混合物が使用される。
熱硬化性樹脂または反応型樹脂としては、塗布液の状
態では200000以下の分子量であり、塗布、乾燥後に加熱
することにより、縮合、付加等の反応により分子量が無
限大のものとなる。また、これらの樹脂のなかで、樹脂
が熱分解するまでのあいだに軟化または溶融しないもの
が好ましい。
具体的には例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、ブチラール樹脂、ホ
ルマール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコ
ーン樹脂、アクリル系反応樹脂、ポリアミド樹脂、エポ
キシ−ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、尿素ホ
ルムアルデヒド樹脂などの縮重合系の樹脂あるいは高分
子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの
混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプ
レポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイ
ソシアネートの混合物、低分子量グリコール/高分子量
ジオール/トリフェニルメタントリイソシアネートの混
合物など、上記の縮重合系樹脂とイソシアネート化合物
などの架橋剤との混合物、塩化ビニル−酢酸ビニル(カ
ルボン酸含有も含む)、塩化ビニル−ビニルアルコール
−酢酸ビニル(カルボン酸含有も含む)、塩化ビニル−
塩化ビニリデン、塩化ビニル−アクリロニトリル、ビニ
ルブチラール、ビニルホルマール等のビニル共重合系樹
脂と架橋剤との混合物、ニトロセルロース、セルロース
アセトブチレート等の繊維素系樹脂と架橋剤との混合
物、ブタジエン−アクリロニトリル等の合成ゴム系と架
橋剤との混合物、さらにはこれらの混合物が好適であ
る。
このような、熱硬化性樹脂を硬化するには、一般に加
熱オーブン中で50〜80℃にて6〜100時間加熱すればよ
い。
上述したようなバインダーの中で、耐久性および磁性
層との接着強度を向上させるには、特に放射線硬化性樹
脂を含有させることが好ましい。
このような放射線硬化性樹脂をバインダーとして用い
た場合、磁性塗膜の架橋に使用する活性エネルギー線と
しては、電子線加速器を線源とした電子線、Co60を線源
としたγ−線、Sr90を線源としたβ−線、X線発生器を
線源としたX線等が使用される。
特に、照射線源としては、吸収線量の制御、製造工程
ラインへの導入、電離放射線のしゃ閉等の見地から電子
線加速器による電子線を使用する方法が有利である。
磁性塗膜を硬化する際に使用する電子線特性として
は、透過力の面から加速電圧100〜750KV、好ましくは15
0〜300KVの電子線加速器を用い、吸収線量を0.5〜20メ
ガラッドになるように照射するのが好都合である。
また、放射線架橋に際しては、H2ガス、Heガス等の不
活性ガス気流中で放射線を記録媒体に照射することが重
要であり、磁性塗膜のように非常に磁性粒子充填度の高
い塗膜は、非常に多孔質となっている為に、空気中で放
射線を照射することは、バインダー成分の架橋に際し、
放射線照射により生じたO3等の影響でポリマー中に生じ
たラジカルが有効に架橋反応に働くことを阻害する。
その影響は磁性層表面は当然として、多孔質のため塗
膜内部までバインダー架橋阻害の影響を受ける。
従って、活性エネルギー線を照射する部分の雰囲気は
特に酸素濃度が最大で1%のN2、He、CO2等の不活性ガ
ス雰囲気に保つことが重要となる。
なお、磁性塗膜の硬化に際して、紫外線を用いる場
合、上述したような、放射線硬化性樹脂を含有するバイ
ンダーの中には、光重合増感剤が加えられる。
この光重合増感剤としては、従来公知のものでよく、
例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、α−メチルベンゾイン、α−クロルデオキシベ
ンゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフ
ェノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケト
ン類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類、等を挙げることができ
る。光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%
の範囲が望ましい。
紫外線照射は、例えばキセノン放電管、水素放電管な
どの紫外線電球等を用いればよい。
なお、バインダーと磁性粉の重量比は1:1〜1:9程度と
する。
また、磁性層の厚さは0.1〜15μm程度とする。
磁性層には無機顔料が含まれていてもよい。
無機顔料としては、1)導電性のあるカーボンブラッ
ク、グラファイト、グラファイト化カーボンブラック、
また2)無機充填剤としてSiO2、TiO2、Al2O3、 Cr2O3、SiC、CaO、CaCO3、酸化亜鉛、ゲーサイト、γ−
Fe2O3、タルク、カオリン、CaSO4、窒化硼素、フッ化黒
鉛、二硫化モリブデン、ZnS等がある。
またこの他、次のような微粒子顔料(エアロジルタイ
プ、コロイダルタイプ):SiO2,Al2O3、TiO2、ZrO2、 Cr2O3、Y2O3、CeO2、 Fe3O4、Fe2O3、ZrSiO4、 Sb2O5、SnO2等も用いられる。これら微粒子顔料は、例
えばSiO2の場合、 無水硅酸の超微粒子コロイド溶液(スノーテックス、
水系、メタノールシリカゾル等、日産化学)、精製四
塩化ケイ素の燃焼によって製造される超微粒子状無水シ
リカ(標準品100Å)(アエロジル、日本アエロジル株
式会社)などが挙げられる。また、前記の超微粒子コ
ロイド溶液およびと同様の気相法で製造される超微粒
子状の酸化アルミニウム、並びに酸化チタンおよび前述
の微粒子顔料が使用され得る。この様な無機顔料の使用
量は1)に関しては磁性粉100重量部に対して1〜30重
量部、また2)に関しては1〜30重量部が適当であり、
これらがあまり多くなると、塗膜がもろくなり、かえっ
てドロップアウトが多くなるという欠点がある。
また、無機顔料の径については1)に関しては0.1μ
m以下、さらには0.05μm以下が好ましく、2)に関し
ては0.7μm以下、さらには0.5μm以下が好ましい。
さらに、磁性塗料には、溶剤、分散剤および潤滑剤等
が含まれていてもよい。
溶剤としては特に制限はないが、バインダーの溶解性
および相溶性等を考慮して適宜選択される。
例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のア
ルコール類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素類、イソプロピルエーテル、エチルエー
テル、ジオキサン等のエーテル類、テトラヒドロフラ
ン、フルフラール等のフラン類等を単一溶剤またはこれ
らの混合溶剤として用いる。
これらの溶剤はバインダーに対して10〜10000wt%、
特に100〜5000wt%の割合で用いる。
磁性層中の添加剤および/または磁性層のトップコー
ト材として潤滑剤が用いられる。
潤滑剤としては、公知の種々の潤滑剤の中で、特に脂
肪酸および/または脂肪酸エステルを用いるのが好まし
い。脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベ
ヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノ
レン酸、ステアロール酸等の炭素数8以上の脂肪酸(RC
OOH、Rは炭素数7以上のアルキル基)であり、なかで
も、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン
酸、ステアロール酸等の不飽和脂肪酸が好適である。ま
た、脂肪酸エステルとしては、炭素数10〜22個の一塩基
性の不飽和ないし飽和の脂肪酸と炭素数3〜22個の一価
の飽和ないし不飽和のアルコールとからなる脂肪酸エス
テル等が好ましい。
エステルにおける脂肪酸および/またはアルコールの
脂肪族鎖は飽和でも不飽和であってもよく、n−体、i
−体等種々のものであってよい。
なお、これらは2種以上、併用してもよい。
なお、その他の潤滑剤として、前記脂肪酸のアルカリ
金属またはアルカリ土類金属からなる金属石鹸、シリコ
ーンオイル、フッ素オイル、パラフィン、流動パラフィ
ン、界面活性剤等も使用可能である。
用いる潤滑剤量は、磁性粉100重量部に対して総計20
重量部以下、特に0.1〜15重量部とする。
本発明の磁気記録媒体を製造するには以下の製造方法
に従えばよい。
第1図〜第9図は、それぞれ本発明の磁気記録媒体の
製造方法の実施例を示したものである。
第1図において、巻き出しロール1から引き出された
長尺・フィルム状の非磁性支持体2上には、グラビアコ
ート、エアドクターコート、ブレードコート、エアナイ
フコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロー
ルコート、トランスファーロールコート、スプレイコー
ト等の種々の塗布手段によって磁性塗料3が膜状に塗布
される。
なお、第1図には、これらの塗布手段の1例として、
リバースロールコートのロール41,45,49が示されてい
る。
なお、同図において、磁性塗料3は、ノズル7から各
ロールに供給されており、ロール41に近接して、ドクタ
ーブレード8が配置されている。
非磁性支持体2は前述したような各種樹脂が用いられ
る。
磁性塗料3には、前述の針状の磁性粉、バインダー、
溶剤等が含有される。
このような塗布工程の後に、通常は、次工程として非
磁性支持体上に設層された磁性塗料3のランダム配向化
が行われる。
なお、この配向の前にウェット膜面のスムージング化
や塗膜規制等に関する種々の処理が行われてもよいが、
支持体長手方向の自然配向を助長するような処理はでき
るだけさけた方が好都合である。
本発明における配向は、前述したように塗布手段等に
よって、自然配向された磁性粉をできるかぎり無配向状
態にするためのものである。
本発明において、ランダム配向の手段としては、磁石
を用い、この磁石としてはループ形状の磁石5,5′を用
いる。
用いる磁石は第3図に示されるように支持体面に対
し、上方または下方のいずれか一方、あるいは第4図お
よび第7図に示されるように支持体面に対し上方および
下方の両方に設けられる。
このような磁石5,5′は第2図〜第9図に示されるよ
うに複数個の単位磁石51、51′が支持体2との対向面に
おいて交互に異極となるように配置され、連結されて構
成されている。そして支持体幅以上の2つのほぼ直線部
と、それに連接する2つのほぼ半円状の湾曲部とからな
るループ形状を有する磁石5、5′が形成される。
なお、各単位磁石51、51′は設計上、磁界強度が等し
いものを用いるのが有利である。
そして、単位磁石51、51′の最大エネルキー積(BH)
maxは、通常0.1〜40MGOe程度とする。
このような磁石5、5′は、ループ形状平面である交
互異極配置面がほぼ支持体2平面とほぼ平行に、しかも
支持体進行方向とループ形状の直線部とがほぼ直角とな
るように設置される。この角度は通常90°±10°程度と
されるが、できるだけ90°に近づけた方が好ましい。
さらに磁石5,5′は、単位磁石51、51′が上記ループ
形状を維持したまま、隣接する単位磁石へ順次、連続的
に一方向に移動するようにほぼ環状に運動させる。
上記単位磁石の環状運動の手段としては、例えば環状
運動するベルトコンベヤー9、9′を基材として、この
コンベヤー上に複数個の単位磁石51、51′を所定の位置
に配置すればよい。
その他、チェーンなどのようにエンドレスループを形
成できるものなら、特に制限されることなく用いること
ができる。
このような単位磁石の移動速度(ベルトコンベヤーの
速度)は、通常、単位磁石51、51′の大きさと支持体2
の搬送速度によっても設定が異なり、支持体1m当りの磁
極の変化回数を単位として表示した場合、5〜5000回/
m、好ましいは100〜2000回/mである。
この値が5回/m未満であると、支持体長手方向に配向
状態の不均一が生じてしまう。
また5000回/mをこえと、磁界反転が多すぎ、表面状態
が粗雑になってしまう。
本発明において、磁石5、5′と磁性塗料3が塗布さ
れた支持体2との位置関係は、下記の関係式を満足する
ように規制することが好ましい。
すなわち第2図および第3図に示されるように、支持
体2の上方または下方(本図においては下方にて例示)
のいずれか一方に用いる場合、磁石5の直線部の長さ
(支持体2の幅方向と同一方向)をl1、磁石5の2つの
直線部の対向距離をl2、支持体2の幅をl0、支持体2と
磁石5との間隙距離をgとした場合、 l1≧1.0l0、l2≧0.1l0、 g≧2mmの条件を満足させることが好ましい。
また、第4図〜第9図に示されるように、支持体2の
上方および下方の両方にそれぞれ磁石5、5′を用いる
場合、一方の磁石5は上記の関係式を満足し、他方の磁
石5′は、その直線部の長さ(支持体2の幅方向と同一
方向)をl1、磁石5′の2つの直線部の対向距離を
l2′、支持体2と磁石5′との間隙距離をg′とした場
合、l1′、l2′およびg′はそれぞれ前述したl1、l2
よびgの値と通常等しくすることが好ましいが、前述し
た範囲と同等の範囲、すなわち、l1′≧1.0l0、l2≧0.1
l0、 g′≧2mmの範囲であれば、必ずしも等しくなくてもか
まわない。
磁石5および5′はどちらが上方になってもかまわな
い。
そして磁石5および5′を構成する単位磁石51および
51′の環状運動の方向は、互いに同一方向(第4図〜第
6図)あるいは、互いに逆方向(第7図〜第9図)とし
てもよい。
l1およびl1′を上記のように設定するのは、支持体幅
方向の配向度を均一にするためであり、上記の範囲をは
ずれると支持体幅方向両端部と中央部での配向度が異な
る傾向が生じてしまう。
l2およびl2′を上記のように設定するのは、支持体長
さ1m当りの磁極の変化回数と搬送速度とのかね合いもあ
るが磁界反転の影響を受ける時間の間隔が短過ぎると表
面粗度が悪化する傾向が見られるためである。
gおよびg′を上記のように設定するのは、間隙gが
小さすぎると印加される磁場強度が支持体のいわゆるバ
タツキ等により生じる磁場強度の変化割合が大きくなる
ためである。
なお、このようなl2の範囲で支持体2の通常の搬送ス
ピード5〜500m/分程度および通常の磁性塗料の粘度に
て、良好な結果を得られる。
さらに、支持体2の厚さ方向の磁石5、5′の長さ
l3、l3′は、一般に長くなればなるぼど印加できる磁界
強度が上がるので、支持体と磁石間の間隙が大きくと
れ、塗布されたものが磁石と接触する危険を回避できる
ようになる。一方、あまり長すぎると、磁石のユニット
が大きくまた重くなるので操作性が悪くなる。
このようなことから、これらの長さl3、l3′は経験的
にそれぞれ5〜50mmとすることが好ましい。
そして、磁性塗料3には、支持体2幅方向に、5〜30
0G、通常10〜200G程度の磁界が均一に印加される。
なお、支持体の幅l0は10〜500cm程度とすればよい。
このような磁石5,5′は支持体2の搬送方向に複数個
配設してもよい。この場合、各対向磁石は同一のもので
あっても同一のものでなくてもよい。
また、磁石5,5′に対し、一方の磁石のみを支持体の
上方または下方に対置するように並置してもよい。
塗設後、以上述べてきたようにランダム配向された磁
性塗料3は、通常、乾燥炉6等の内部に設けられた熱
風、遠赤外ランプ、電気ヒーター等の公知の乾燥手段に
よって乾燥・固化される。また、バインダーとして後述
するような放射線硬化型の化合物を用いた場合には、各
種の放射線照射装置をさらに付加して用いる。
このようにして磁性層を固化した後に、必要に応じて
表面平滑化処理を行う。
次いで、打ち抜きプレス機等によって所定のディスク
形状に打ち抜き、さらに二次加工を行い、媒体を作製す
る。
このようにして製造されるディスク状の磁気記録媒体
の磁性塗料3は、前述したように、針状の磁性粉とバイ
ンダー、必要に応じて各種添加剤と通常、溶剤とを含有
する。
磁性塗料の粘度は、塗布の段階で5〜10000 Cp程度
である。
なお、支持体には、下地層や下地処理が施されていて
もよい。
そして、磁性層は、支持体の片面に設けられても、両
面に設けられてもよい。
片面のみに設けるときには、バックコート層を設けて
もよく、磁性層にはトップコート層を設けてもよい。
V 発明の具体的作用効果 本発明の磁気記録媒体は、実用に際して、このディス
ク状の媒体を回転させながら、ディスク周方向に磁気ヘ
ッドを摺接させて磁気ディスクの磁性層中に記録の書き
込みおよび再生を行うものである。
本発明によれば、ランダム配向用の磁石が、多数の単
位磁石が支持体との対向面において交互に異極となるよ
うに支持体に対向させて連結して、支持体幅以上の2つ
のほぼ直線状の直線部とこの直線部に連接する2つの湾
曲部とからなるループ形状としたものでありループ形状
平面の交互異極配置面をほぼ支持体平面とほぼ平行に、
しかも支持体進行方向とループ形状の直線部とがほぼ直
角となるように設置し、単位磁石をループ形状内にて一
方向に移動させてランダム配向を行う。
従って、このようにして製造された媒体は、モジュレ
ーション特性が均一でしかもその値が良好である。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
[実施例1] (磁性塗料1) コバルト被着γ−Fe2O3 (長軸0.5μm、短軸0.05μm、Hc 600 Oe) 100重量
部 カーボンブラック (帯電防止用、三菱カーボンブラックMA−600) 10重量
部 α−Al2O3粉末(0.5μm粒状) 5重量部 分散剤(大豆精製レシチン) 2重量部 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン50/50)100重量部 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、針状磁
性酸化鉄を分散剤によりよく湿潤させた。
次に、バインダーとして 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール 共重合体(マレイン酸1%含有;MW40,000) 10重量部 (固型分換算)、 アクリル二重結合導入塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニル
アルコール共重合体(マレイン酸含有;MW25,000) 10重
量部 (固型分換算)、 アクリル二重結合導入ポリエーテルウレタンエラストマ
ー(MW40,000)11重量部(固型分換算)、 ペンタエリスリトールトリアクリレート 3重量部 溶剤(MEK/トルエン;50/50) 200重量部 ステアリン酸を5重量部、 および ステアリン酸ブチル5重量部を混合溶解させた。
これを磁性粉混合物の入ったボールミル中に投入し、
再び42時間混合分散させた。
このようにして得られた磁性塗料を媒体の磁性層の原
料とし、第1図に示される製造ラインを用い、下記に示
すような磁気記録媒体を製造した。
支持体としては幅300mm、75μm厚のポリエステル(P
ET)フィルムを使用し、その搬送スピードは100m/minと
した。
リバースロールコートによって塗膜を塗布した。
次に磁石5を用いてランダムな配向を行った。
配向条件、すなわち、磁石の大きさ、磁石と支持体と
の位置関係を下記のように種々かえてランダム配向を行
った。
なお、ランダム配向No.9として、第4図に示すごと
く、ランダム配向No.1の磁石を支持体の上方および下方
にそれぞれg=15mm、g′=15mmとなるように設置し
て、両磁石を互いに同方向にループ運動させた。
また、ランダム配向No.10として、第7図に示すごと
く、ランダム配向No.1の磁石を支持体の上方および下方
にそれぞれg=10mm、g′=10mmとなるように設置し、
これら対向する両磁石を互いに逆方向にループ運動させ
た。
さらに、表1に示される比較用ランダム配向No.11を
行った。
なお、単位磁石51は15l×20Wmmとし、また、各単位磁
石51の磁力は、最大エネルギー積(BH)max4.0MGOeとし
た。
支持体の長手方向の長さ1m当りの磁極の変化回数は10
00回とした。
次いで、乾燥炉を通過させ、表面平滑化処理を行い、
放射線照射装置内を通過させて塗膜を乾燥硬化させた。
なお、硬化に際してはESI社製エレクトロンカーテン
タイプ電子線加速装置を使用して加速電圧150KeV、電極
電流20mA、吸収線量5Mradの条件下でN2雰囲気下にて電
子線を照射し、塗膜を硬化させた。
なお、膜厚の測定は、電子マイクロメーターで行っ
た。これらの塗膜をフィルムの両面に形成し、両面コー
トした。
このように塗膜を硬化させた後、3.5″のディスク形
状に打ち抜いて磁気記録媒体サンプルを作製した。な
お、硬化後の塗膜(磁性層)の厚さは2μmとした。
作製した種々の磁気記録媒体サンプルについて前述し
た方法でφr min/φr max、 (φr/φm)min/(φr/φm)max、および平均角型比
▲▼および周方向の平均角型比を径方向の平
均角型比で除した値(▲▼)/(▲
▼)を測定しさらに下記の特性を測定した。
(1)モジュレーション トラック1周の最大振幅のところで測定される平均振
幅と、そのトラックの最小振幅のところで測定される平
均振幅を測定する。前者をA、後者をBとしたとき、モ
ジュレーションは次式で求められる。
モジュレーションは最内周トラックで2fで測定した。
本発明の実施例では、支持体の幅方向にて3枚のディ
スクの打ち抜きを行っている。従って、両端部と中央部
とから打ち抜かれたディスク媒体についてモジュレーシ
ョンを測定し、それらの値を、 M1(両端打ち抜き部分について測定) M2(中央打ち抜き部分について測定) とし、計10個のサンプルについて平均した。
(2)分解能の測定 NEC製(1Mバイト)MFDドライブFD−1035を用い、最適
記録電流にて最内周トラックにて1fおよび2fを記録し再
生する。
そして各平均信号振幅を測定し、次式より分解能を求
めた。
分解能=2fの平均振幅/1fの平均振幅 (3)1f出力 平均信号振幅は、TDK標準ディスクを用いて、トラッ
ク00において1fを記録し、標準信号振幅に対して1f出力
を測定し、%表示した。
(4)信号エラー 最内周79トラック上に記録した孤立波を再生し、オシ
ロスコープの画面でショルダーピークを確認した。ショ
ルダーピークの発生が認められたものを×、認められな
いものを○とした。
結果を表1に示す。
表1に示される結果より本発明の効果が明らかであ
る。
すなわち、本発明のサンプルは、4%以下のきわめて
小さいモジュレーションを示す。また、このモジュレー
ションは、支持体巾方向の端部でも中央部でもともに良
好な値を示す。
さらに、分解能は0.7以上の良好な値を示す。ただ
し、この分解能は0.9をこえると、信号にショルダーピ
ークが生じ、その微分曲線にサドルが生じ、信号エラー
が生じる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造工程の概略側面図である。 第2図および第3図はそれぞれ本発明における磁石と支
持体との関係を示す平面図および正面図である。 第4図は本発明における2本の磁石と支持体との関係を
示す正面図である。 第5図および第6図は、それぞれ第4図の平面図および
底面図である。 第7図は本発明における第4図の変形例を示す正面図で
ある。 第8図および第9図は、それぞれ第7図の平面図および
底面図である。 符号の説明 1…巻き出しロール、2…非磁性支持体、3…磁性塗
料、41,45,49…ロール、5,5′…磁石、51,51′…単位磁
石、6…乾燥炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 人見 洋介 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 五十嵐 庸彦 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 徳田 典道 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−66322(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可撓性の非磁性支持体上に、針状の磁性粉
    とバインダーとを含有する磁性層を有するディスク状磁
    気記録媒体において、 磁性層がランダム配向処理されており、 媒体のトラック周方向の残留磁化φrを測定したとき、
    φrの最小値を最大値で除した値が0.98〜1であり、 トラック周方向の角型比φr/φmの平均が0.55〜0.65で
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】トラック周方向の角型比φr/φmの最小値
    を最大値で除した値が0.95〜1である特許請求の範囲第
    1項に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】トラック周方向の平均角型比を径方向の平
    均角型比で除した値が0.97〜1.03である特許請求の範囲
    第1項または第2項に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】長尺の非磁性の可撓性の支持体上に、磁性
    粉とバインダーとを含有する磁性塗料を塗布し、支持体
    に対向させた磁石によって磁界を印加し、乾燥し、しか
    る後、ディスク状に打ち抜く磁気記録媒体の製造方法に
    おいて、 上記磁石が、多数の単位磁石を交互に異極となるように
    支持体に対向させて連結して支持体幅以上の2つのほぼ
    直線状の直線部とこの直線部に連接する2つの湾曲部と
    からなるループ形状としたものであり、ループ形状平面
    の交互異極配置面を支持体平面とほぼ平行に、しかも支
    持体進行方向とループ形状の直線部とがほぼ直角となる
    ように設置し、単位磁石をループ形状内にて一方向に移
    動させ、媒体のトラック周方向の残留磁化φrを測定し
    たとき、φrの最小値を最大値で除した値が0.95〜1と
    なるようにすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】磁石のループ形状直線部の長さをl1、支持
    体巾の長さをl0としたとき、l1≧1.0l0である特許請求
    の範囲第4項に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】長尺の非磁性の可撓性の支持体上に、磁性
    粉とバインダーとを含有する磁性塗料を塗布し、支持体
    に対向させた磁石によって磁界を印加し、乾燥し、しか
    る後、ディスク状に打ち抜く磁気記録媒体の製造方法に
    おいて、 上記磁石が、支持体の上方および下方にそれぞれ設置さ
    れ、各々の磁石が多数の単位磁石を交互に異極となるよ
    うに支持体に対向させて連結して支持体幅以上の2つの
    ほぼ直線状の直線部とこの直線部に連接する2つの湾曲
    部とからなるループ形状としたものであり、ループ形状
    平面の交互異極配置面を支持体平面とほぼ平行に、しか
    も支持体進行方向とループ形状の直線部とがほぼ直角と
    するように設置し、各磁石の各単位磁石をループ形状内
    にて一方向に移動させしかも上方と下方の単位磁石の運
    動方向が同方向とし、媒体のトラック周方向の残留磁化
    φrを測定したとき、φrの最小値を最大値で除した値
    が0.95〜1となるようにすることを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】長尺の非磁性の可撓性の支持体上に、磁性
    粉とバインダーとを含有する磁性塗料を塗布し、支持体
    に対向させた磁石によって磁界を印加し、乾燥し、しか
    る後、ディスク状に打ち抜く磁気記録媒体の製造方法に
    おいて、 上記磁石が、支持体の上方および下方にそれぞれ設置さ
    れ、各々の磁石が多数の単位磁石が交互に異極となるよ
    うに支持体に対向させて連結して支持体幅以上の2つの
    ほぼ直線状の直線部とこの直線部に連接する2つの湾曲
    部とからなるループ形状としたものであり、ループ形状
    平面の交互異極配置面を支持体平面とほぼ平行に、しか
    も支持体進行方向とループ形状の直線部とがほぼ直角と
    なるように設置し、各磁石の各単位磁石をループ形状内
    にて一方向に移動させしかも上方と下方の単位磁石の運
    動方向が逆方向とし、媒体のトラック周方向の残留磁化
    φrを測定したとき、φrの最小値を最大値で除した値
    が0.95〜1となるようにすることを特徴とする磁気記録
    媒体の製造方法。
JP61309894A 1986-03-10 1986-12-27 磁気記録媒体およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2610851B2 (ja)

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