JPH0679375B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0679375B2
JPH0679375B2 JP60154090A JP15409085A JPH0679375B2 JP H0679375 B2 JPH0679375 B2 JP H0679375B2 JP 60154090 A JP60154090 A JP 60154090A JP 15409085 A JP15409085 A JP 15409085A JP H0679375 B2 JPH0679375 B2 JP H0679375B2
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は塗布型磁気記録層を有する磁気記録媒体に関
し、特に磁気記録層の組成に特徴を有する磁気記録媒体
に関する。 従来の技術及び発明が解決しようとする問題点 現在、磁気記録媒体は、オーディオ、ビデオ、コンピュ
ーター、磁気ディスク、8m/m等の分野で広範囲に使用さ
れるようになっており、将来ビデオフロッピー、高密度
フロッピー等の分野でも使用されることが予想され、そ
れに伴い、磁気記録媒体に記録する情報量も年々増加の
一途をたどり、そのため磁気記録媒体に対しては記録密
度の向上が益々要求されるようになってきている。 従来より、磁気テープなどの磁気記録媒体では、磁気記
録層中の針状磁性粉を長手方向に配向させる等して、磁
気特性を向上させているが、針状磁性粉を長手方向に配
向させたものは低周波帯域では高い出力が得られる反面
高密度記録には限界があるものであった。 又、このため最近では磁性粉末が平板状であり、垂直方
向に磁化容易軸を有するバリウムフェライト磁性粉末を
磁気記録層に使用した磁気記録媒体が提案されている
(特開昭57−195328号公報)。 特にバリウムフェライト自体は電気抵抗が10Ω/cm2以上
と高く、そのためバリウムフェライトにカーボンブラッ
ク等の導電性物質が併用して用いられていない場合、磁
気記録媒体はヘッドにはりついたり、ドロップアウトを
生じたり、又塗布工程等の製造工程中にガイドローラ
ー、カレンダーローラー等にはりつきが生じ、激しい場
合には放電ノイズが発生するため、通常は導電性物質を
併用して用いることが考えられ、カーボンブラックを入
れてその電気抵抗を下げているのが通常である。 しかしながら、通常のカーボンブラックは分散性が悪い
ので、光沢、飽和磁束密度の低下が大きく、そのためカ
ーボンブラックが電磁変換特性に影響する事が無視出来
なかった。そこで、その分散性の改善性が望まれ、それ
に伴なって、飽和磁束密度及び光沢の向上等が強く望ま
れていた。 問題点を解決するための手段 本発明者等は上記の点を改善すべく、更に研究を重ねた
結果、特定の物性を有するカーボンブラックを用いるこ
とにより、上記問題点を解決できることを見出し、本発
明に到達したものである。 すなわち、本発明は非磁性基材上に塗布型磁気記録層を
設けた磁気記録媒体において、磁気記録層が灰分0.05%
以下のカーボンブラックを含有することを特徴とする磁
気記録媒体に関するものである。 通常、磁気記録層に使用されるカーボンブラックの灰分
は少なくとも0.1%、多いものではほぼ1%、通常は0.3
〜0.4%である。 灰分である不純物はFe2O3、Fe2(SO4、TiO2、MnO、
CaSO4、MgSO4、Al2O3、SiO2、K2SO4などであり、これら
はカーボンブラックの製造中に混入される。 これらの不純物を少なくすると、カーボンブラックの分
散性が向上することがわかった。これら不純物が0.05%
以下になると分散性が著しく向上し、磁気記録層の光沢
があがったのである。そのため、カーボンブラックの比
表面積、吸油量、平均粒径がそれぞれより広い範囲で使
用できることを見出したのである。 通常はかなり限定された比表面積、吸油量、平均粒径を
有するカーボンブラックでないと好ましい特性が得られ
ないのであるが、本発明では灰分を上記のとおり少なく
することにより、上記の広範囲のものが使用できるので
ある。 本発明の磁気記録層に使用するカーボンブラックはファ
ーネス、チャンネル、アセチレン、サーマル、ランプ
等、いずれの方法で製造されたものでもよいが、アセチ
レンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラッ
ク、ローラーおよびディスクブラック及びドイツナフタ
リングブラックが好ましい。本発明で用いるカーボンブ
ラックは灰分0.05%以下のものであり、さらに比表面積
20〜350m2/g、吸油量200ml/100g以下、平均粒径13〜60m
μのものが好ましい。これらは例えば原料系での不純物
を少なくしたり、製造工程上、不純物が入らないよう特
殊な製造装置を使用したり、クリーニングを極端に良く
したり後で水洗を施す等によって製造される。 比表面積及び吸油量が前記の範囲であると分散性の点で
更に好ましいものとなる。 又、粒子径が60mμを超えると分散性が低下し、電特の
点で好ましくない。一方、粒子径10mμ未満では磁気記
録層の塗料中での分散が不均一となり、均一分散となら
ず、表面粗度の低下を生じ、電特低下を招いた。 一方、本発明の磁性層は、強磁性微粒子およびバインダ
ーを含む塗膜からなる塗布型に適用でき、強磁性物質と
してはγ−Fe2O3、Fe3O4、Coドープγ−Fe2O3、Coドー
プγ−Fe2O3−Fe3O4固溶体、Co系化合物被覆型γ−Fe2O
3、Co系化合物被覆型γ−Fe3O4(γ−Fe2O3との中間酸
化状態も含む、ここでいうCo系化合物とは、酸化コバル
ト、水酸化コバルト、コバルトフェライト、コバルトイ
オン吸着物等、コバルトの磁気異方性を保磁力向上に活
用する場合を示す)、あるいは鉄、コバルト、ニッケル
その他の強磁性金属あるいはFe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、
Fe−Rh、Fe−Cu、Fe−Au、Co−Cu、Co−Au、Co−Y、Co
−La、Co−Pr、Co−Gd、Co−Sm、Co−Pt、Ni−Cu、Fe−
Co−Nd、Mn−Bi、Mn−Sb、Mn−Al、Fe−Co−Cr、Co−Ni
−Crのような磁性合金、更にBaフェライト、Srフェライ
トのようなフェライト系磁性体を挙げることができる。 磁性粒子の粒径は、針状粉の場合は長軸0.1〜1μm、
短軸0.02〜0.1μm、粒状の場合は平均粒径が0.01〜0.5
μmである。 本発明で使用するバリウムフェライト磁性粉は六方晶系
板状のものであり、化学式BaO・6Fe2O3で表わされ、こ
の外、この化学式のBa及びFeの一部がTi,Cr,Co,Zn,In,M
n,Cu,Ge,Nb,Ca,Sr,Pb,Ni等の金属で配置されたものも含
まれる。 バリウムフェライト磁性粉は直径0.2μm以下、好まし
くは0.15μm以下、更に好ましくは0.1μm以下、板状
比に制限はないが、板状比6以上、更に好ましくは8以
上が垂直配向し易いのである。この場合、板状比の上限
値には特に制限はないが、通常30以下である。ここで平
均粒径とは、電子顕微鏡写真〔走査型顕微鏡(SEM)お
よび透過型顕微鏡(TEM)〕によって、例えば六方晶系
バリウムフェライト粒子の断面50個程度を観察し、粒径
についての測定値を平均したものである。平均厚みも電
子顕微鏡写真による測定値の平均である。また板状比と
は平均粒径/平均厚の値である。あるいは平均厚はX線
回折の半値巾によって測定することも出来る。バリウム
フェライトは六方晶系板状であるため、針状磁性粉と比
べて表面粗度への影響が大きくなり、上記の径よりも大
きくなると表面粗度の低下が激しく好ましくない。粒径
が前記のような範囲にある場合は垂直成分が充分に利用
され、かつ磁性層の表面平滑性が良好となり、ノイズも
充分に低く、高密度記録が達成できる。 バリウムフェライトの製法としては、セラミック法、共
沈−焼成法、水熱合成法、フラックス法、ガラス結晶化
法、アルコキシド法、プラズマジェット法等があり、い
ずれの方法も利用できることは言うまでもない。 従来、強磁性粉末としては例えばγ−Fe2O3、Co含有γ
−Fe2O3、Fe3O4、Co含有Fe3O4、CrO2等がよく使用され
ていたが、これら強磁性粉末の保磁力および最大残留磁
束密度等の磁気特性は高感度高密度記録用としては不十
分であり、約1μm以下の記録波長の短い信号や、トラ
ック巾の狭い磁気記録にはあまり適していない。 磁気記録媒体に対する要求が激しくなるにつれて、高密
度記録に適する特性を備えた強磁性粉末が開発され、ま
た提案されている。このような磁性粉末はFe、Co、Fe−
Co、Fe−Co−Ni、Co−Ni等の金属または合金、これらと
Al、Cr、Si等との合金などがある。かかる合金粉末を用
いた磁気記録層は高密度記録の目的には高い保磁力と高
い残留磁束密度とを有する必要があり、上記磁性粉末が
これらの基準に合致するように種々の製造方法或いは合
金組成を選択するのが好ましい。 本発明者等は種々の合金粉末を用いて磁気記録媒体を製
作したところ、BET法による比表面積が48m2/g以上で、
磁性層の保磁力が1000Oe以上で、しかも磁性層の表面粗
度〔後述のタリステップによる測定においてカットオフ
0.17mmでR20(20回平均値)のこと、以下同じ〕が0.08
μ以下のときに、ノズルレベルが充分に低く、高密度、
短波長の記録に適する磁気記録媒体が得られる。 本発明の磁気記録層には通常用いられる有機バインダ
ー、無期顔料、潤滑剤、その他、分散剤、帯電防止剤等
を常法に従って用いることができる。 本発明の磁気記録層で用いる有機バインダーは、従来、
磁気記録媒体用に利用されている熱可塑性、熱硬化性又
は反応型樹脂やこれらの混合物が使用されるが、得られ
る塗膜強度等の点から硬化型、特に放射線硬化型の樹脂
が好ましい。 熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以下、平均分子
量が10,000〜200,000、重合度が約200〜2,000程度のも
ので、例えば塩化ビニール−酢酸ビニール共重合体(カ
ルボン酸導入のものも含む)、塩化ビニル−酢酸ビニル
−ビニルアルコール共重合体(カルボン酸導入のものも
含む)、塩化ビニール−塩化ビニリデン共重合体、塩化
ビニール−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エス
テル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル
−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル−スチ
レン共重合体、メタクリル酸エステル−アクリロニトリ
ル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共
重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、ウ
レタンエラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニト
ロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニル、塩
化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン
−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビ
ニールブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセ
テート、セルロースダイアセテート、セルローストリア
セテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロー
ス等)、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル
樹脂、クロロビニルエーテル−アクリル酸エステル共重
合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂及
びこれらの混合物が使用される。 熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、塗布液の状態で
は200,000以下の分子量であり、塗布、乾燥後に加熱す
ることにより、縮合、付加等の反応により分子量は無限
大のものとなる。又、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱
分解するまでの間に軟化又は溶融しないものが好まし
い。具体的には例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ア
ルキッド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、エ
ポキシ−ポリアミド樹脂、ニトロセルロースメラミン樹
脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポ
リマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシア
ネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオール
とポリイソシアネートの混合物、尿素ホルムアルデヒド
樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオール/トリフ
ェニルメタントリイソシアネートの混合物、ポリアミン
樹脂、及びこれらの混合物である。 バインダーは放射線硬化型化合物を硬化したものを用い
ることが好ましい。 放射線硬化性化合物の具体例としては、ラジカル重合性
を示す不飽和二重結合を有すアクリル酸、メタクリル
酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル
系二重結合、シアリルフタレートのようなアリル系二重
結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結合等
の、放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱
可塑性樹脂の分子中に含有または導入した樹脂である。
その他放射線照射により架橋重合する不飽和二重結合を
有する化合物であれば用いることができる。 放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可塑
性樹脂の分子中に含有する樹脂としては次の様な不飽和
ポリエステル樹脂がある。 分子鎖中の放射線硬化性不飽和二重結合を含有するポリ
エステル化合物、例えば下記(2)の多塩基酸と多価ア
ルコールのエステル結合から成る飽和ポリエステル樹脂
で多塩基酸の一部をマレイン酸とした放射線硬化性不飽
和二重結合を含有する不飽和ポリエステル樹脂を挙げる
ことができる。放射線硬化性不飽和ポリエステル樹脂は
多塩基酸成分1種以上と多価アルコール成分1種以上に
マレイン酸、フマル酸等を加え常法、すなわち触媒の存
在下で、180〜200℃、窒素雰囲気下、脱水あるいは脱ア
ルコール反応の後、240〜280℃まで昇温し、0.5〜1mmHg
の減圧下、縮合反応により得ることができる。マレイン
酸やフマル酸等の含有量は、製造時の架橋、放射線硬化
性等から酸成分中1〜40モル%、好ましくは10〜30モル
%である。 放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例として
は、次のようなものを挙げることができる。 (1)塩化ビニール系共重合体 塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニールアルコール共重
合体、塩化ビニール−ビニールアルコール共重合体、塩
化ビニール−ビニールアルコール−プロピオン酸ビニー
ル共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−マレイン酸
共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニルビニルアルコール
−マレイン酸共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−
末端OH側鎖アルキル基共重合体、たとえばUCC社製VRO
H、VYNC、VYBGX、VERR、VYES、VMCA、VAGH、UCARMAG52
0、UCARMAG528等が挙げられ、このものに後述の手法に
より、アクリル系二重結合、マレイン酸系二重結合、ア
クリル系二重結合を導入して放射線感応変性を行う。 (2)飽和ポリエステル樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸のような飽和多塩基酸と、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、1,2プロピレングリコール、1,3
ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,4ブタン
ジオール、1,6ヘキサンジオール、ペンタエリスリッ
ト、ソルビトール、グリセリン、ネオペンチグリコー
ル、1,4シクロヘキサンジメタノールのような多価アル
コールとのエステル結合により得られる飽和ポリエステ
ル樹脂又はこれらのポリエステル樹脂をSO3Na等で変性
した樹脂(例えばバイロン53S)が例として挙げられ、
これらも同様にして放射線感応変性を行う。 (3)ポリビニルアルコール系樹脂 ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、アセタール樹
脂、ホルマール樹脂及びこれらの成分の共重合体で、こ
れら樹脂中に含まれる水酸基に対し後述の手法により放
射線感応変性を行う。 (4)エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂 ビスフェノールAとエピクロルヒドリン、メチルエピク
ロルヒドリンの反応によるエポキシ樹脂、例えばシェル
化学製(エピコート152、154、828、1001、1004、100
7)、ダウケミカル製(DEN431、DER732、DER511、DER33
1)、大日本インキ製(エピクロン400、800)、更に上
記エポキシの高重合度樹脂であるUCC社製フェノキシ樹
脂(PKHA、PKHC、PKHH)、臭素化ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンとの共重合体、大日本インキ化学工業
製(エピクロン145、152、153、1120)等があり、又こ
れらにカルボン酸基を含有するものも含まれる。これら
樹脂中に含まれるエポキシ基を利用して放射線感応変性
を行う。 (5)繊維素誘導体 各種のものが用いられるが、特に効果的なものは硝化
綿、セルローズアセトブチレート、エチルセルローズ、
ブチルセルローズ、アセチルセルローズ等が好適であ
る、樹脂中の水酸基を活用して後述の方法により放射線
感応変性を行う。 その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂とし
ては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステル
樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂及び誘導体(PVPオレ
フィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、
フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を含有
するアクリルエステル及びメタクリルエステルを重合成
分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有効であ
る。 以下にエラストマーもしくはプレポリマーの例を挙げ
る。 (1)ポリウレタンエラストマーもしくはプレポリマー ポリウレタンの使用は耐摩耗性、及び基体フィルム、例
えばPETフィルムへの接着性が良い点で特に有効であ
る。ウレタン化合物の例としては、イソシアネートとし
て、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジ
イソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4
−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニ
レンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォ
ロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、デスモジュールL、デスモジュールN等の
各種多価イソシアネートと、線状飽和ポリエステル(エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリット、ソルビ
トール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールの様な多価アルコールと、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸の様な飽和多塩基酸との縮重合によるもの)、
線状飽和ポリエーテル(ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル)やカプロラクタム、ヒドロキシル含有アクリル酸エ
ステル、ヒドロキシル含有メタクリル酸エステル等の各
種ポリエステル類の縮重合物より成るポリウレタンエラ
ストマー、プレポリマーが有効である。 これらのウレタンエラストマーの末端のイソシアネート
基又は水酸基と、アクリル系二重結合又はアリル系二重
結合等を有する単量体とを反応させることにより、放射
線感応性に変性することは非常に効果的である。又、末
端に極性基としてOH、COOH等を含有するものも含む。 さらに不飽和二重結合を有する長鎖脂肪酸のモノあるい
はジグリセリド等、イソシアネート基と反応する活性水
素を持ち、かつ放射線硬化性を有する不飽和二重結合を
有する単量体も含まれる。 (2)アクリロニトリル−ブタジエン共重合エラストマ
ー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジン
として市販されている末端水酸基のあるアクリロニトリ
ルブタジエン共重合体プレポリマーあるいは日本ゼオン
社製ハイカー1432J等のエラストマーは、特にブタジエ
ン中の二重結合が放射線によりラジカルを生じ架橋及び
重合させるエラストマー成分として適する。 (3)ポリブタジエンエラストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジン
R−15等の低分子量末端水酸基を有するプレポリマーが
特に熱可塑性樹脂との相溶性の点で好適である。R−15
プレポリマーにおいては分子末端が水酸基となっている
為、分子末端にアクリル系不飽和二重結合を付加するこ
とにより放射線感応性を高めることが可能であり、バイ
ンダーとして更に有利となる。 またポリブタジエンの環化物、日本合成ゴム製CBR−M90
1も熱可塑性樹脂との組合せによりすぐれた性質を有し
ている。 その他、熱可塑性エラストマー及びそのプレポリマーの
系で好適なものとしては、スチレン−ブタジエンゴム、
塩化ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム及びその環化
物(日本合成ゴム製CIR701)があり、エポキシ変性ゴ
ム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋紡バイロン
#300)等のエラストマーも下記に述べる放射線感応変
性処理を施こすことにより有効に利用できる。 オリゴマー、モノマーとして本発明で用いられる放射線
硬化性不飽和二重結合を有する化合物としては、スチレ
ン、エチルアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリ
レート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、多官能オリゴエステル
アクリレート(アロニックスM−7100、M−5400、550
0、5700等、東亜合成)、ウレタンエラストマー(ニッ
ポラン4040)のアクリル変性体、あるいはこれらのもの
にCOOH等の官能基が導入されたもの、トリメチロールプ
ロパンジアクリレート(メタクリレート)、フェノール
エチレンオキシド付加物のアクリレート(メタクリレー
ト)、下記一般式で示されるペンタエリスリトール縮合
環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カプロラク
トンアクリル基のついた化合物、 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊ペ
ンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 及び下記一般式で示される特殊アクリレート類等が挙げ
られる。 (1)(CH2=CHCOOH2−CCH2OH(特殊アクリレート
A) (2)(CH2=CHCOOCH2−CCH2CH3(特殊アクリレー
トB) (3)〔CH2=CHCOOC3H6)n−OCH2−CCH2CH
3(n=3) (特殊アクリレートC) (8)CH2=CHCOO−(CH2CH2O)−COCH=CH2(特殊ア
クリレートH) 次に、放射線感応性バインダー合成例を説明する。 a)塩化ビニール酢酸ビニール共重合系樹脂のアクリル
変性体(放射線感応変性樹脂)の合成 OH基を有する一部ケン化塩ビ−酢ビ共重合体(平均重合
度n=500)750部とトルエン1250部、シクロヘキサノン
500部を51の4つ口フラスコに仕込み加熱溶解し、80℃
昇温後トリレンジイソシアネートの2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレートアダクト※を61.4部加え、更にオクチ
ル酸スズ0.012部、ハイドロキノン0.012部を加え80℃で
N2気流中、NCO反応率が90%となるまで反壮せしめる。
反応終了後冷却し、メチルエチルケトン1250部を加え希
釈する。
【※トリレンジイソシアネート(TDI)の2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(2HEMA)アダクトの製
法 TDI1348部をN2気流中11の4つ口フラスコ内で80℃に加
熱後、2−エチレンメタクリレート260部、オクチル酸
スズ0.07部、ハイドロキノン0.05部を反応缶内の温度が
80〜85℃となるように冷却コントロールしながら滴下終
了後80℃で3時間撹拌し反応を完結させる。反応終了後
取り出して冷却後白色ペースト状のTDIの2HEMAを得た】 b)ブチラール樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応
変性樹脂) ブチラール樹脂積水化学製BM−S100部をトルエン191.2
部、シクロヘキサノン71.4部と共に51の4つ口フラスコ
に仕込み加熱溶解し80℃昇温後TDIの2HEMAアダクト※を
7.4部加え、更にオクチル酸スズ0.015部、ハイドロキノ
ン0.015部を加え、80℃でN2気流中NCO反応率が90%以上
となるまで反応せしめる。反応率が90%以上となるまで
反応せしめる。反応終了後冷却し、メチルエチルケトン
にて希釈する。 c)飽和ポリエステル樹脂アクリル変性体の合成(放射
線感応変性樹脂) 飽和ポリエステル樹脂(東洋紡製バイロンRV−200)、1
00部をトルエン116部、メチルエチルケトン116部に加熱
溶解し80℃昇温後TDIの2HEMAアダクト※を3.55部加え、
オクチル酸スズ0.007部、ハイドロキノン0.007部を加
え、80℃、N2気流中NCO反応率が90%以上となるまで反
応せしめる。 d)◎エポキシ樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応
変性樹脂) エポキシ樹脂(シエル化学製エピコート1007)、400部
をトルエン50部、メチルエチルケトン50部に加熱溶解
後、N,N−ジメチルベンジルアミン0.006部、ハイドロキ
ノン0.003部を添加し80℃とし、アクリル酸69部を滴加
し80℃で酸価5以下となるまで反応せしめる。 ◎フェノキシ樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応変
性樹脂) OH基を有するフェノキシ樹脂(PKHH:UCC社製 分子量3
0,000)600部、メチルエチルケトン1800部を31の4ッ口
フラスコに仕込み、加熱溶解し、80℃昇温後、トリレン
ジイソシアネートの2ヒドロキシエチルメタクリレート
アダクトを6.0部加え、更にオクチル酸スズ0.012部、ハ
イドロキノン0.012部を加え、80℃でN2気流中、NCO反応
率が90%となるまで反応せしめる。このフェノキシ変性
体の分子量は35,000、1分子当りの二重結合は1個であ
る。 e)ウレタンエラストマーアクリル変性体の合成(放射
線硬化性エラストマー) 末端イソシアネートのジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)系ウレタンプレポリマー(日本ポリウレタン
製ニッポラン3119)250部、2HEMA32.5部、ハイドロキノ
ン0.07部、オクチル酸スズ0.009部を反応缶に入れ、80
℃に加熱溶解後TDI43.5部を反応缶内の温度が80〜90℃
となるように冷却しながら滴下し、滴下終了後80℃で反
応率95%以上となるまで反応せしめる。 f)ポリエーテル系末端ウレタン変性エラストマーアク
リル変性体(放射線硬化性エラストマー)の合成 日本ポリウレタン社製ポリエーテルPTG−500、250部、2
HEMA32.5部、ハイドロキノン0.007部、オクチル酸スズ
0.009部を反応缶に入れ、80℃に加熱溶液後TDI43.5部を
反応缶内の温度が80〜90℃となるように冷却しながら滴
下し、滴下終了後80℃で反応率95%以上となるまで反応
せしめる。 g)ポリブタジエンエラストマーアクリル変性体の合成
(放射線硬化性エラストマー) シンクレアペトロケミカル社製低分子量末端水酸基ポリ
ブタジエンポリBDリクイットレジンR−15、250部、2HE
MA32.5部、ハイドロキノン0.007部、オクチル酸スズ0.0
09部を反応缶に入れ、80℃に加熱溶解後TD143.5部を反
応缶内の温度が80〜90℃となるように冷却しながら滴下
し、滴下終了後80℃で反応率95%以上となるまで反応せ
しめる。 高分子には放射線照射により崩壊するものと分子間に架
橋を起こすものが知られている。分子間に架橋を起こす
ものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリビニルピロリ
ドンゴム、ポリビニルアルコール、ポリアクロレインが
ある。この様な架橋型ポリマーであれば上記のような変
性を特に施さなくても、架橋反応が起るので、前記変性
体の他に、これらの樹脂はそのまま放射線架橋用として
使用可能である。 更にまた、この方法によれば溶剤を使用しない無溶剤型
の樹脂であっても短時間で硬化することができるので、
この様な樹脂を用いることができる。 而して特に好ましいものは、繊維素樹脂(硝化綿等)及
び/又は塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニールアルコ
ール共重合体、ウレタンの組合せからなる熱硬化性樹脂
(硬化剤使用)、或いは塩化ビニール−酢酸ビニール−
ビニールアルコール共重合体(カルボン酸導入のものを
含む)、及び又はアクリル変性塩化ビニール−酢酸ビニ
ール−ビニールアルコール共重合体(カルボン酸導入の
ものも含む)及びウレタンアクリレートからなる放射線
硬化系樹脂からなるものである。 ポリマーの分子量は次のような測定方法による数平均分
子量によっている。 ※GPCによるバインダーの平均分子量測定 GPC(Gel Permeation Chromatography)とは試料中の
分子を移動相中のその大きさに基いて分離する方法で、
分子ふるいの役をする多孔質ゲルをカラムに充填し液体
クロマトグラフィーを行なう方法である。平均分子量を
算出するには標準試料として分子量既知のポリスチレン
を使いその溶出時間から検量線を作成する。これよりポ
リスチレン換算の平均分子量を計算する。 与えられた高分子量物質中に分子量Miである分子がNi個
あったとすると で表わせる。 放射線硬化型樹脂を用いた場合、硬化時間が短かく、巻
き取り後の充填剤等の転移がないので、好適である。一
方、熱硬化性樹脂の場合、硬化時の巻きしまりによる裏
型転移のため、熱硬化中のジャボロールの内側、外側で
の電磁変換特性の差が問題となる。 なお、熱硬化系樹脂に使用される硬化剤としてはTDI,MD
I,IPDI,HMDI,HDI等があるが、通常用いられるものは全
て用い得ることができ、特にイソシアネート系硬化剤が
好ましく、それらの例としては大日本インキ化学工業株
式会社製のクリスポン4565、4560、日本ポリウレタン工
業株式会社製のコロネートL及び武田薬品工業株式会社
製のタケネートXL−1007を挙げることができる。 磁性層には無機顔料が含まれていてもよい。 無機顔料としては、1)導電性のあるカーボンブラッ
ク、グラファイト、グラファイト化カーボンブラック、
また2)無機充填剤としてSiO2、TiO2、Al2O3、Cr2OSi
O、CaO、CaCO3、酸化亜鉛、ゲーサイト、γFe2O3、タル
ク、カオリン、CaSO4、窒化硼素、フッ化黒鉛、二硫化
モリブデン、ZnS等がある。またこの他、次のような微
粒子顔料(エアロジルタイプ、コロイダルタイプ):SiO
2、Al2O3、TiO2、ZrO2、Cr2O3、Y2O3、CeO2、Fe3O4、Fe
2O3、ZrSiO4、Sb2O5、SnO等も用いられる。これら微粒
子顔料は、例えばSiO2の場合、無水珪酸の超微粒子コ
ロイド溶液(スノーテックス、水系、メタノールシリカ
ゾル等、日産化学)、精製四塩化ケイ素の燃焼によっ
て製造される超微粒子状無水シリカ(標準品100Å)
(アエロジル、日本アエロジル株式会社)などが挙げら
れる。又、前記の超微粒子コロイド溶液及びと同様
の気相法で製造される超微粒子状の酸化アルミニウム、
並びに酸化チタン及び前述の微粒子顔料が使用され得
る。この様な無機顔料の使用量は1)に関しては磁性粉
100重量部に対して1〜30重量部、又2)に関しては1
〜30重量部が適当であり、これらがあまり多くなると、
塗膜がもろくなり、かえってドロップアウトが多くなる
という欠点がある。 また、無機顔料の径については1)に関しては0.1μm
以下、さらには0.05μm以下が好ましく、2)に関して
は0.7μm以下、さらには0.5μm以下が好ましい。 磁性層には潤滑剤が含まれていてもよい。 潤滑剤としては従来この種の磁気記録媒体に用いられる
潤滑剤としてシリコンオイル、弗素オイル、脂肪酸、脂
肪酸エステル、パラフィン、流動パラフィン、界面活性
剤等を用いることができるが、脂肪酸および/又は脂肪
酸エステルを用いるのが好ましい。 脂肪酸としてはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、
ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン
酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン
酸、ステアロール酸等の炭素数12以上の脂肪酸(RCOO
H、Rは炭素数11以上のアルキル基)であり、脂肪酸エ
ステルとしては、炭素数12〜16個の一塩基性脂肪酸と炭
素数3〜12個の一価のアルコールからなる脂肪酸エステ
ル類、炭素数17個以上の一基性脂肪酸と該脂肪肪酸の炭
素数と合計して炭素数が21〜23個より成る一価のアルコ
ールとから成る脂肪酸エステル等が使用され、又前記脂
肪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる金属
石鹸、レシチン等が使用される。 シリコーンとしては脂肪酸変性よりなるもの、一部フッ
素変性されているものが使用される。アルコールとして
は高級アルコールよりなるもの、フッ素としては電解置
換、テロメリゼーション、オリゴメリゼーション等によ
って得られるものが使用される。 潤滑剤の中では放射線硬化型のものも使用して好都合で
ある。 放射線硬化型潤滑剤としては、滑性を示す分子鎖とアク
リル系二重結合とを分子中に有する化合物、例えばアク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル酢酸エ
ステル、アクリル酸アミド系化合物、ビニルアルコール
エステル、メチルビニルアルコールエステル、アリルア
ルコールエステル、グリセライド等があり、これらの潤
滑剤を構造式で表すと、 CH2=CHCOOR、 CH2=CH−CH2COOR、 CH2=CHCONHCH2OCOR、 RCOOCH2−CH=CH2等で、ここでRは直鎖又は分枝状の飽
和もしくは不飽和炭化水素基で、炭素数は7以上、好ま
しくは12以上23以下であり、これらは弗素置換体とする
こともできる。弗素置換体としては CnF2n+1−、CnF2n+1(CH2)m−(但し、m=1〜
5)、 CnF2n+1CH2CH2NHCH2CH2−、 等がある。 これら放射線硬化型潤滑剤の好ましい具体例としては、
ステアリン酸メタクリレート(アクリレート)、ステア
リルアルコールのメタクリレート(アクリレート)、グ
リセリンのメタクリレート(アクリレート)、グリコー
ルのメタクリレート(アクリレート)、シリコーンのメ
タクリレート(アクリレート)等が挙げられる。 潤滑剤の入っていない磁気記録層は摩擦係数が高いため
画像のゆらぎが生じ、ジッターが発生し易いと共に、特
に高温走行下で摩擦係数が高いため磁気記録層の削れが
発生し易く、巻きみだれを生じ易いものである、又、デ
ィスク媒体では耐久走行性が劣ったり、塗膜ケズレが発
生したりする。 分散剤としては有機チタンカップリング剤、シランカッ
プリング剤や界面活性剤が、帯電防止剤としてはカーボ
ンブラックなどの導電性微粉末;サポニンなどの天然界
面活性剤;アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グ
リシドール系などのノニオン界面活性剤;高級アルキル
アミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジンその他の
複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類などのカチ
オン界面活性剤;カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステ
ル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むアニオン界面活
性剤;アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ
ールの硫酸または燐酸エステル類等の両性活性剤などが
使用される。 分散剤及び潤滑剤はバインダーに対して0.1〜20重量部
含ませるがよい。 本発明において、バリウムフェライト磁性粉とカーボン
ブラックとの混合割合はバリウムに対しカーボンブラッ
クを1〜30wt%、好ましくは2〜20wt%である。 又、バリウムフェライト磁性粉末と有機バインダーの混
合割合はバリウムフェライト/バインダー=1/1〜9/1、
好ましくは2/1〜8/1である。 バインダー量が多すぎるとブロッキングが出、バインダ
ーが少なすぎるとカレンダー工程での付着が発生して好
ましくない。 なお本発明の磁気記録層の塗布乾燥後の厚みは0.1〜10
μmの範囲が一般的である。 磁性層の潤滑剤、有機バインダーが放射線硬化型の場
合、その架橋に使用する活性エネルギー線としては、放
射線加速器を線源とした電子線、Co60を線源としたγ−
線、Sr90を線源としたβ−線、X線発生器を線源とした
X線あるいは紫外線等が使用される。 特に照射線源としては吸収線量の制御、製造工程ライン
の導入、電離放射線の遮蔽等の見地から放射線加熱器に
より放射線を使用する方法が有利である。 バリウムフェライト磁性粉、カーボン、有機バインダ
ー、その他の添加剤を混合塗布されるために使用される
溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
系;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル等のアルコール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、乳酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエーテル
等のエステル系;エーテル、グリコールジメチルエーテ
ル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグ
リコールエーテル系;ベンゼン、トルエン、キシレン等
のタール系(芳香族炭化水素);メチレンクロライド、
エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチ
レンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化
水素、その他テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド等が使用される。 これらの溶剤はバインダーに対して10〜10000wt%、特
に100〜5000wt%の割合で用いる。 本発明に使用される非磁性基材としては、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等
のポリオレフィン類、セルローストリアセテート等のセ
ルロース誘導体、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ
サルホン、ポリエチレンナフタレート、芳香族アラミ
ド、芳香族ポリエステル、アルミニウム、ガラス等が使
用されるが、これらに限定されるものではない。特にポ
リエステル、ポリイミド等が好ましい。 本発明の磁気記録媒体は通常の方法で製造され得る。例
えば磁性粉、バインダー、その他の添加剤の混合分散液
を非磁性基材上に塗布し、配向方法としては面内、無配
向、垂直配向があり、例えば垂直芳香の場合、乾燥させ
ながら垂直配向磁場で磁性粒子を非磁性基材面に垂直に
配向させる。その後直ちにバインダーを硬化又は架橋せ
しめ、所望の磁気記録媒体を得る。なお磁気記録層に
は、磁性層の下にアンダーコート層、磁性層上にトップ
コート層を設けることもできる。バックコートがあった
り、ディスク用として両面コーティングであってもよ
い。 配向方法としては永久磁石、直流磁場、交流磁場が代表
的なものとして用いられ、それらのものの各種組合せ等
も、垂直配向の場合は例えば垂直と水平の組合せ、永久
磁石又は直流磁場と交流磁場の組合せ、機械的配向や機
械的配向と上記の組合せ等種々のものが用いられる。 そして磁場外で磁性粒子が反磁場のために配向したもの
が、乱れ、配向性の低下を生じないよう、磁場内で乾燥
させ、反磁場が働いてもそれらの影響が出ないよう、磁
場内である程度、乾燥させ、磁性粉が動かないようにす
る必要がある。 また本発明の磁気記録媒体はバック層、トップコート
層、アンダーコート層を設けることもでき、バック層、
トップコート層及びアンダーコート層には通常用いられ
る無機顔料、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤等の添加剤を
結合剤たる熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂あるいは放射線
硬化型樹脂と共に含有させる。該樹脂としては放射線硬
化型のものが、その電特、ドロップアウト等に与える影
響や経済性の点で好ましく、添加剤としては磁気記録層
と同様のものが用いられる。 実施例 以下に本発明の実施例を示す。なお、本発明がこの実施
例に限定されるものでないことは理解されるべきであ
る。 特性は以下のようにして評価した。 (1)表面粗度 R20 JISB0601に規定してある10点平均粗さの求め方に準じて
行った。なおJISでは10点平均法を規定しているが、本
発明の評価方法として、さらに厳密にするため20点平均
とした。 カットオフ値は、触針スピード30μm/secで0.18〜9Hz程
度、または針圧は2mgとした。 使用した触針式表面粗さ測定器はタリステップ−1、TA
YLOR HOBSON社製である。 (2)垂直角型比 磁気テープの垂直方向の角形比Br/Bmを測定し、反磁場
補正を行った。 (3)線記録密度D50(KFRPI) 回転数300r.p.m.、ヘッド;フェライトヘッド、キャッ
プ0.3μmにて低記録密度領域での出力(E)が高記録
密度領域でE/2となる線記録密度D50(KFRPI)を測定し
た。 下記のような数種の磁性層を形成し、これらからなる磁
気テープを製造し、本発明の効果を見た。 実施例1 ◎磁性層(金属酸化物型)の形成 磁性層1(熱硬化型磁性層) 重量部 コバルト被覆針状Coγ−Fe2O3 120部 (長軸0.4μ、単軸0.05μ、Hc 660Oe) カーボンブラック 5部 (灰分0.01%、比表面積110m2/g、吸油量125m/100g、平
均粒径27mμ) α−Al2O3粉末(0.5μ粉状) 2部 分散剤(大豆油精製レシチン) 3部 溶剤(MEK/トルエン 50/50) 100部 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、針状磁性
酸化鉄を分散剤により良く湿潤させる。 次に 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社
製VAGH) 15部 熱可塑性ウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製ニッポン
3022) 15部 溶剤(MEK/トルエン 50/50) 200部 潤滑剤(高級脂肪酸変性シリコンオイル) 3部 の混合物を良く混合溶解させる。 これを先の磁性粉処理を行なったボールミル中に投入
し、再び42時間分散させる。分散後、磁性塗料中のバイ
ンダーの水酸基を主体とした官能基と反応し架橋結合し
得るイソシアネート化合物(バイエル社製デスモジュー
ルL)を5部(固形分換算)、上記ボールミル仕込塗料
に20分で混合を行なった。 磁性塗料を15μのポリエステルフィルム上に塗布し、面
内配向用永久磁石(2000ガウス)上で配向させ、赤外線
ランプまたは熱風により溶剤を乾燥させた後、表面平滑
化処理後、80℃に保持したオーブン中にロールを48時間
保持し、イソシアネートによる架橋反応を促進させた。 上記のもの、および灰分0.1%のカーボンブラックを用
いた比較例の磁気記録媒体の各特性を第1表に示す。 本発明のものは分散性が良好な為、飽和磁束密度の低下
がなく(Bm)、そのため配向度、出力、表面粗度の良好
なものとなる。 磁性層2(放射線硬化型) 湿式還元法により種々の合金粉末を製造した。 これらは軸比(短軸/長軸)が1/5〜1/10の針状粒子よ
り成り、残留磁束密度2000〜3000ガウス、保磁力1000〜
2000Oe:BET比表面積45〜70m2/gを有するものであった。
これらの磁性粉を次の配合比で通常の方法で混合し、各
磁性層を形成した。 重量部 Fe−Co−Ni合金粉末 100 (Hc=1200Oe、長軸0.4μm、短軸0.05μm、BET比表面
積52m2/g) カーボンブラック 10 (灰分0.05%、比表面積140m2/g、吸油量100ml/100g、
平均粒径30mμ) 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体
(米国UCC社製VAGH) 15 アクリル二重結合導入塩酢ビ共重合体(固型分換算)10 アクリル二重結合導入ウレタン 10 メチルエチルケトン/トルエン(1/1) 250 ミリスチン酸 2 ソルビタンステアレート 2 この磁性塗料をポリエステルフィルムに3.5μの厚さに
塗布し、電子線硬化とカレンダー加工を行った。 なお比較例として磁性層2におけるカーボンブラックと
して灰分0.8%、比表面積140m2/g、吸油量100ml/100g、
平均粒径27mμのものを用いた磁性層を採用した(比較
例2)。 両者の各特性を第2表に示す。 本発明のものは分散性が良好な為、飽和磁束密度の低下
もなく、そのためC−S/Nも良好であり、表面粗度も良
好なものとなる。 磁性層3(放射線硬化型磁性層) 重量部 バリウムフェライト 120 (径0.1μ、厚み0.01μ、Hc800Oe) カーボンブラック(灰分0.01%、比表面積110m2/g、吸
油量125ml/100g、平均粒径27mμ) 10 α−Al2O3粉末(0.5μ粉状) 2 溶剤(MEK/トルエン 50/50) 100 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、六方晶系
板状バリウムフェライトを良く湿潤させる。 次に 塩ビ−酢ビ−ビニルアルコール共重合体(マレイン酸含
有)分子量40,000 6部(固型分換算) アクリル二重結合導入塩酢ビ共重合体(マレイン酸含
有)分子量20,000 12部(固型分換算) アクリル二重結合導入ポリエーテルウレタンエラストマ
ー 分子量40,000 9部(固型分換算) ペンタエリスリトールトリアクリレート 3部 溶剤(MEK/トルエン 50/50) 200部 ステアリン酸 4部 ステアリン酸ブチル 2部 のバインダーの混合物を良く混合溶解させる。これを先
の磁性粉処理を行なったボールミル中に投入し再び42時
間混合分散させる。 この様にして得られた磁性塗料を33μのポリエステルフ
ィルム上に塗布し、永久磁石(3000ガウス)上で乾燥さ
せながら垂直配向させ、その後赤外線ランプ又は熱風に
より溶剤を乾燥させた後、表面平滑化処理後、ESI社製
エレクトロカーテンタイプ電子線加速装置を使用して、
加速電圧150KeV、電極電流20mA、全照射量5Mradの条件
下でN2雰囲気下にて電子線を照射し、塗膜を硬化させ
た。 磁性層3において六方晶系板状バリウムフェライトの板
状比を変えると第1図のように垂直配向度が変化する。
板状比6未満のものは垂直配向度が悪く、6以上になる
と板状比が大となるため垂直配向し易い。 また第3表に示すように粒径0.1μm以下のものが電特
上好ましいが、実用に耐え得る範囲では粒径0.2μm迄
のものが使用できる。特に好ましいものは0.15μm迄で
ある。 上記粒径0.10μでの特性を第4表に示す。 比較例として灰分0.1%のカーボンブラックを採用し
た。 磁性層4(熱硬化型磁性層) 重量部 バリウムフェライト磁性粉 120 (径0.1μ、厚み0.015μ、Hc1000Oe)カーボンブラック
10 (灰分0.03%、比表面積120m2/g、吸油量110ml/100g、
平均粒径20mμ) α−Al2O3粉末(0.5μ粉状) 2 分散剤(大豆油精製レシチン) 3 溶剤(MEK/トルエン 50/50) 100 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、六方晶系
板状バリウムフェライトを分散剤により良く湿潤させ
る。次に 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社
製VAGH) 15 熱可塑性ウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製ニッポラ
ン3022) 15 溶剤(MEK/トルエン 50/50) 200部 潤滑剤(高級脂肪酸変性シリコンオイル) 3部 の混合物を良く混合溶解させる。 これを先に磁性粉処理を行なったボールミル中に投入
し、再び42時間分散させる。分散後、磁性塗料中のバイ
ンダーの水酸基を主体として官能基と反応し架橋結合し
得るイソシアネート化合物(バイエル社製デスモジュー
ルL)を5部(固形分換算)、上記ボールミル仕込塗料
に20分で混合を行なった。 磁性塗料を73μのポリエステルフィルム上に塗布し、交
流磁場(3000ガウス)上で乾燥させながら垂直配向さ
せ、赤外線ランプまたは熱風により溶剤を乾燥させた
後、表面平滑化処理後、80℃に保持したオーブン中にロ
ールを48時間保持し、イソシアネートによる架橋反応を
促進させた。 実施例4、2における外側、内側は各々ジャンボロール
の外側、内側を示す。 D50は低域出力(E0)の半分に落ちる高密度領域での線
記録密度特性を表わす。 ジャンボロールの内側では巻きしまりがあり、熱硬化は
やや記録密度が落ちた。 発明の効果 カーボンブラックの灰分を抑える事により分散性が良好
となり、飽和磁束密度、表面粗度の低下がなく、電磁変
換特性のすぐれたものとなる。そのため、オーディオ、
ビデオ特性、デジタル特性では線記録密度特性のすぐれ
たものとなる。しかもカーボンブラックの灰分を抑えて
も、通常のカーボンと同様の電気抵抗がとれる。そのた
めドロップアウト、エラーレートを抑える事が出来、ま
た工程でのハリツキ、放電ノイズ対策が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はバリウムフェライトの板状比と垂直配向度との
関係を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性基材上に塗布型磁気記録層を設けた
    磁気記録媒体において、磁気記録層が灰分0.05%以下の
    カーボンブラックを含有することを特徴とする磁気記録
    媒体。
  2. 【請求項2】灰分0.05%以下のカーボンブラックが比表
    面積20〜350m2/g、吸油量200ml/100g以下、平均粒径10
    〜60mμのものである特許請求の範囲第1項記載の磁気
    記録媒体。
  3. 【請求項3】磁気記録層がバリウムフェライト磁性粉を
    含有するものである特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載の磁気記録媒体。
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Cited By (1)

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