JPH0762882B2 - 磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録方法

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JPH0762882B2
JPH0762882B2 JP60285329A JP28532985A JPH0762882B2 JP H0762882 B2 JPH0762882 B2 JP H0762882B2 JP 60285329 A JP60285329 A JP 60285329A JP 28532985 A JP28532985 A JP 28532985A JP H0762882 B2 JPH0762882 B2 JP H0762882B2
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magnetic
head
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resin
acid
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徹 下沢
薫代 宮森
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TDK Corp
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/012Recording on, or reproducing or erasing from, magnetic disks

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  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
I 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録方法に関するものである。さらに詳
しくはより一層の高記録密度化が可能な磁気記録方法に
関する。 先行技術とその問題点 近年、磁気記録に関して、記録の大容量化、小型化を達
成するために記録密度の向上が強く要望されている。 従来、生産性等に優れたメリットを有する塗布型の磁気
記録媒体としては、r−Fe2O3、Co被着γ−FeO3等の針
状磁性粉を含有させた磁性層を有するものが汎用されて
きた。 しかしながら、このような磁性粉を有する磁気記録媒体
では、その記録密度に、おのずから限界がある。 そこで、より高記録密度化を可能ならしめる方策とし
て、磁気記録媒体の面に対し垂直方向の残留磁化を有す
るBaフェライトやSrフェライト等の六方晶系板状磁性粉
を磁性層に含有する磁気記録媒体がある。 このような媒体を用いることによって、より高い記録密
度化等が可能になるが、これらの媒体特性は例えば磁気
ヘッド等の記録・再生手段を有するハードをも含めたシ
ステム全体に大きく左右される。 とりわけ、記録、再生、消去をつかさどる磁気ヘッドと
媒体とは特に密接な関係を有する。 ところで、フロッピー用の磁気ヘッドとしては、従来か
ら、トンネルイレーズ型ヘッド、ストラドルイレーズ型
ヘッド等のいわゆる1ヘッドタイプと呼ばれるものと、
リードライト独立型ヘッド、イレーズおよびリードライ
トコンビネーションヘッド等のいわゆる2ヘッドタイプ
と呼ばれるものが知られている。 前者のものは1つのリードライトコアに記録および再生
の2つの機能を有する1つのリードライトギャップを有
する構造となっている。そのため記録・再生・消去を同
一のギャップで行わなければならない。このような場
合、ギャップ間隙を小さくすれば、それだけ記録密度は
向上するが、その反面オーバーライト特性が悪くなり、
そのため高記録密度化は容易に達成できなくなる。 他方、後者のものは、リードライトヘッドあるいはリー
ドヘッドに、それぞれイレーズヘッドあるいはライトヘ
ッドを別個に付加し、独立でしかもそれぞれ別個のギャ
ップ間隙を有する2つのギャップを用いて記録、再生、
消去を行っているために、通常、上述した前者の場合の
ようなオーバーライト特性の問題は生じず、そのため、
高記録密度に適した磁気ヘッドであると考えられてい
る。 そこで後者の磁気ヘッドを用い、より一層の高記録密度
化を達成すべく磁気記録媒体と磁気ヘッドとの諸条件と
を関連づけた磁気記録方法が要望されている。 II 発明の目的 本発明の目的は、いわゆる2ヘッドタイプと呼ばれるフ
ロッピー用磁気ヘッドと、磁気記録媒体を用いて、高記
録密度化を可能にした磁気記録方法を提案することにあ
る。 III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成される。 すなわち、本発明は支持体上に平均粒径が0.2μm以下
の六方晶系板状磁性粉とバインダーとを含有する膜厚1.
5μm以下の磁性層を有し、膜面垂直方向の垂直角型比
が0.65以上である磁気記録媒体と、第1の磁気ヘッドと
してライトヘッドおよび第2の磁気ヘッドとしてリード
ヘッド、あるいは第1の磁気ヘッドとしてイレーズヘッ
ドおよび第2の磁気ヘッドとしてリードライトヘッドを
用いて記録、再生および消去を行う磁気記録方法におい
て、 上記磁性層の膜厚をt(μm)、第1の磁気ヘッドのギ
ャップ間隙をa(μm)、第2の磁気ヘッドのギャップ
間隙をb(μm)としたとき、 t/a≦1でa=0.4〜1.5かつb=0.1〜0.4 であることを特徴とする磁気記録方法である。 IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。 本発明においては、以下に述べるような磁気記録媒体と
磁気ヘッドとを用いて磁気記録方法を行う。 用いる磁気ヘッドは、いわゆる2ヘッドタイプと呼ばれ
るフロッピー用磁気ヘッドであり、このものはライトヘ
ッドまたはイレーズヘッドの第1の磁気ヘッドと、それ
ぞれに対応してリードヘッドまたはリードライトヘッド
の第2の磁気ヘッドとを有している。 そして、この具体例としては、第1図および第2図にお
いて示されるリードライト独立型ヘッド1、イレーズお
よびリードライトコンビネーションヘッド2等がある。 第1図には、リードライト独立型ヘッド1のフロント面
(媒体との摺接面)が示されている。 リードライト独立型ヘッド1は、ギャップ33を介して閉
磁路を形成するライトコア31を有するライトヘッドであ
る第1の磁気ヘッド3と、ギャップ53を介して閉磁路を
形成するリードコア51を有するリードヘッドである第2
の磁気ヘッド5とを有している。 この場合、第1の磁気ヘッド3は、使用に際して記録と
消去の2機能を有するものであり、ライトヘッドとイレ
ーズヘッドとの役割を兼用するものである。 このような第1の磁気ヘッドのギャップ間隙は、その値
をaμmとしたとき、後述する磁気記録媒体の磁性層の
膜厚tとの関係において、t/a≦1である。 この値が1をこえるとオーバーライト特性が悪くなる。 本発明の磁性層の膜厚tの上限値および下限値は、後述
するように通常、それぞれ1.5μmおよび0.4μm程度で
ある。 そのため、ギャップ間隙aの値は0.4〜1.5μm程度とす
る。 また、媒体との摺動方向に対して垂直方向のトラック幅
cは、60〜600μm程度とする。 一方、第2の磁気ヘッド5は、使用に際して再生を行う
ものであり、そのギャップ間隙bは0.1〜0.4μmであ
る。この値が0.4μmをこえると、高記録密度化の達成
が困難になるという不都合が生じる。 また、媒体との摺動方向に対して垂直方向のトラック幅
dは30〜400μm程度であり、前述した第1の磁気ヘッ
ドのトラック幅c値との比d/cは0.4〜0.8程度とするこ
とが好ましい。この値が小さくなりすぎると、高記録密
度化の達成が困難となる。 なお本発明においては、前述したt/aの値とbの値とを
両方満足するように設定させなければ、本発明の実効は
なくなってしまう。 なお上述してきたような第1の磁気ヘッド3および第2
の磁気ヘッド5のコア材質やコア形状、その他コイル、
スライダー、ケーシング、ジンバル等の部材は公知の種
々のものとすればよい。 また第2図には、前述した磁気ヘッドと同様にいわゆる
2ヘッドタイプと呼ばれるのイレーズおよびリードライ
トコンビネーションヘッド2(以下単にコンビネーショ
ンヘッド2という)のフロンド面(媒体との摺接面)が
示されている。 コンビネーションヘッド2は、ギャップ34を介して閉磁
路を形成するイレーズコア32とを有するイレーズヘッド
である第1の磁気ヘッド3と、ギャップ54を介して閉磁
路を形成するリードライトコア52を有するリードライト
ヘッドである第2の磁気ヘッド5とを有している。 この場合、第1の磁気ヘッド3は、使用に際して消去を
行うためのものであり、そのギャップ間隙aは、前述し
たリードライト独立型ヘッド1の第1の磁気ヘッドの場
合と同様に、後述する磁気記録媒体の磁性層の膜厚tと
の関係において、t/a≦1となるように設定することが
必要である。この値が1をこえると、前述した場合と同
様な不都合が生じる。 また、トラック幅cは、前記したと同様である。 通常、このギャップ間隙aおよびトラック幅c等の設定
は前述の場合と同様に行われる。 他方、第2の磁気ヘッド5は、使用に際して記録、再生
を行うものであり、ギャップ間隙bは0.1〜0.4μmとさ
れる。この値が0.4μmをこえると、高記録密度化が達
成できない。 また、媒体との摺動方向に対して垂直方向の第2の磁気
ヘッド5のトラック幅dは30〜400μm程度であり、上
記第1の磁気ヘッド3のトラック幅c値との比、d/cは
前述のように0.4〜0.8程度とすることが好ましい。 なお、上述してきたような第1の磁気ヘッド3および第
2の磁気ヘッド5のコア材質やコア形状ならびにその他
のコイル、スライダー、ケーシング、ジンバル等の部材
は公知の種々のものとすればよい。 さらに第2図に示されるコンビネーションヘッド2は、
通常、非磁性チップないし非磁性材7を介して、第1の
磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドとを連接するように一体
化して形成される。 またトラック幅cおよびdを規制するために通常溝が形
成されガラス等の非磁性充填材36,56が充填される。 以上述べてきたような第1の磁気ヘッドのギャップと第
2の磁気ヘッドのギャップとの距離lは通常50〜400μ
m程度とすればよい。 ところで、本発明で用いる磁気記録媒体は、支持体上に
平均粒径が0.2μm以下の六方晶系板状磁性粉とバイン
ダーとを含有する磁性層を有する。 本発明で用いる六方晶系の板状磁性粉としては、バリウ
ムフェライト、ストロンチウムフェライト等の六方晶フ
ェライト系が好適である。 このような磁性粉の平均粒径は、電磁変換特性上0.2μ
m以下、特に0.04〜0.15μmが好ましい。 また、磁性粉の平均厚みは、0.001〜0.1μm程度であ
る。 ここで、平均粒径とは、電子顕微鏡写真〔走査形顕微鏡
(SEM)および透過形顕微鏡(TEM)〕によって、例えば
六方晶系のバリウムフェライト粒子の断面50個程度を観
察し、粒径についての測定値を平均にしたものである。 平均厚みも電子顕微鏡写真による測定値の平均である。
また平均板状比とは平均粒径/平均厚みの値である。 あるいは、X線回折による2θの半値巾によってのこれ
らの値を測定することもできる。 平均粒径が0.20μmをこえると表面粗度が低下し、線記
録密度特性が悪くなる。 なお、平均粒径を平均厚みで除した値である平均板状比
については特に制限はないが、使用時の耐久走行性の向
上を目的とする場合には6以上、特に7〜40であること
が好ましい。 バリウムフェライトとしては、BaFe12O19等の六方晶系
バリウムフェライトやバリウムフェライトのBa、Feの一
部をCa、Sr、Pb、Co、Ni、Ti、Cr、Zn、In、Mn、Cu、G
e、Nb、Zr、Snその他の金属で置換したもの等が挙げら
れる。 これらは併用してもよい。 また、六方晶ストロンチウムフェライトSrFe12O19、あ
るいはこれを上記に準じて置換したものであってもよ
い。 バリウムフェライト等の製法としては、セラミック法、
共沈−焼成法、水熱合成法、フラックス法、ガラス結晶
化法、アルコキシド法、プラズマジェット法等があり、
本発明ではいずれの方法を用いてもよい。これらの方法
の詳細については小池吉康、久保修共著“セラミックス
18(1983)No.10"などを参照することができる。 なお、磁性粉の保磁力は、1000Oe以下、より好ましくは
450〜900Oe、特に好ましくは500〜900Oeとすることが好
ましい。 そして、このような磁性粉と後述するバインダーとを含
有する磁性層の膜厚t(μm)は、前述した第1の磁気
ヘッドのギャップ間隙aとの関係、すなわちt/a≦1を
満たすように設定される。通常、このような磁性層の膜
厚は1.5μm以下、特に0.4〜1.5μmが好ましい。この
値が1.5μmをこえると、膜面垂直方向の垂直角型比Br
⊥/Bm⊥が大きくならず、そのため記録密度特性が向上
しないからである。 膜厚の下限値は通常0.4μm程度であって、0.4μm未満
になると磁性塗料を塗布しにくくなり、磁性層の表面が
平滑な記録媒体を得ることが困難となってしまう。そし
て、エンベローブ特性が悪化する。さらには記録密度特
性が向上しない。 このような磁性層を有する媒体の特性として、膜面垂直
方向の垂直角型比Br⊥/Bm⊥は、0.65以上程度である。 さらに垂直方向の媒体の保磁力Hc⊥は1000Oe以下、より
好ましくは450〜900Oeである。 この値が1000Oeをこえると実用に際してフェライトヘッ
ドを用いた消去が困難となり、しかもオーバーライト特
性が悪くなる。 またHc⊥450Oe未満では十分な出力が得られない。 なお、垂直角型比(Br⊥/Bm⊥)および保持力Hc⊥は下
記のように測定する。すなわち、媒体表面に垂直方向に
て磁化曲線を測定し、これを反磁界補正する。そして、
これから残留磁化Br⊥、飽和磁化Bm⊥、保持力Hc⊥を測
定する。垂直角型比は、このBr⊥/Bm⊥の比である。い
わゆる両面記録媒体の場合であっても上記の測定方法に
よればよい。 磁性粉を磁性塗料とする際に用いるバインダーは、放射
線硬化性、熱可塑性樹脂、熱硬化性もしくは反応型樹脂
またはこれらの混合物等が使用されるが、得られる膜強
度等から熱硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂を用いること
が好ましい。 熱可塑性樹脂としては軟化温度が150℃以下、平均分子
量10000〜200000、重合度200〜2000程度のものである。 熱硬化樹脂または反応型樹脂としてもこのような重合度
等のものであり、塗布、乾燥後に加熱することにより、
縮合、付加等の反応により分子量は無限大のものとなる
ものである。そして、これらの樹脂のなかで、樹脂が熱
分解するまでの間に軟化または溶融しないものが好まし
い。 具体的には例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、ブチラール樹脂、ホル
マール樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコー
ン樹脂、アクリル系反応樹脂、ポリアミド樹脂、エポキ
シ−ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂、尿素ホル
ムアルデヒド樹脂などの縮重合系の樹脂あるいは高分子
量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混
合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシアネートプレ
ポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソ
シアネートの混合物、低分子量グリコール/高分子量ジ
オール/トリフェニルメタントリイソシアネートの混合
物など、上記の縮重合系樹脂とイソシアネート化合物な
どの架橋剤との混合物、塩化ビニル−酢酸ビニル(カル
ボン酸含有も含む)、塩化ビニル−ビニルアルコール−
酢酸ビニル(カルボン酸含有も含む)、塩化ビニル−塩
化ビニリデン、塩化ビニル−アクリロニトリル、ビニル
ブチラール、ビニルホルマール等のビニル共重合系樹脂
と架橋剤との混合物、ニトロセルロース、セルロースア
セトブチレート等の繊維素系樹脂と架橋剤との混合物、
ブタジエン−アクリロニトリル等の合成ゴム系と架橋剤
との混合物、さらにはこれらの混合物が好適である。 そして、特に、エポキシ樹脂とブチラール樹脂とフェノ
ール樹脂との混合物、米国特許第3,058,844号に記載の
エポキシ樹脂とポリビニルメチルエーテルとメチロール
フェノールエーテルとの混合物、また特開昭49−131101
号に記載のビスフェノールA型エポキシ樹脂とアクリル
酸エステルまたはメタクリル酸エステル重合体との混合
物が好ましい。 このような、熱硬化性樹脂を硬化するには、一般に加熱
オーブン中で50〜80℃にて6〜100時間加熱すればよ
い。 バインダーとしては、放射線硬化型化合物を硬化したも
の、すなわち放射線硬化性樹脂を用いたものが特に好ま
しい。 放射線硬化性化合物の具体例としては、ラジカル重合性
を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、メタクリル
酸、あるいはそれらのエステル化合物のようなアクリル
系二重結合、ジアリルフタレートのようなアリル系二重
結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不飽和結合等
の放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可
塑性樹脂の分子中に含有または導入した樹脂である。そ
の他放射線照射により架橋重合する不飽和二重結合を有
する化合物であれば用いることができる。 放射線照射による架橋あるいは重合乾燥する基を熱可塑
性樹脂の分子中に含有する樹脂としては次の様な不飽和
ポリエステル樹脂がある。 分子鎖中に放射線硬化性不飽和二重結合を含有するポリ
エステル化合物、例えば下記(2)の多塩基酸と多価ア
ルコールのエステル結合から成る飽和ポリエステル樹脂
で多塩基酸の一部をマレイン酸とした放射線硬化性不飽
和二重結合を含有する不飽和ポリエステル樹脂を挙げる
ことができる。放射線硬化性不飽和ポリエステル樹脂は
多塩基酸成分1種以上と多価アルコール成分1種以上に
マレイン酸、フマル酸等を加え常法、すなわち触媒存在
下で、180〜200℃、窒素雰囲気下、脱水あるいは脱アル
コール反応の後、240〜280℃まで昇温し、0.5〜1mmHgの
減圧下、縮合反応により得ることができる。マレイン酸
やフマル酸等の含有量は、製造時の架橋、放射線硬化性
等が酸成分中1〜40モル%、好ましくは10〜30モル%で
ある。 放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例として
は、次のようなものを挙げることができる。 (1)塩化ビニール系共重合体 塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニールアルコール共重
合体、塩化ビニール−ビニールアルコール共重合体、塩
化ビニール−ビニールアルコール−プロピオン酸ビニー
ル共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−マレイン酸
共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニール−ビニルアルコ
ール−マレイン酸共重合体、塩化ビニール−酢酸ビニー
ル−末端OH側鎖アルキル基共重合体、例えばUCC社製VRO
H、VYNC、VYEGX、VERR、VYES、VMCA、VAGH、UCARMAG52
0、UCARMAG528等が挙げられ、このものにアクリル系二
重結合、マレイン酸系二重結合、アリル系二重結合を導
入して放射線感応変性を行う。 これらはカルボン酸を含有してもよい。 (2)飽和ポリエステル樹脂 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸のような飽和多塩基酸と、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ト
リメチロールプロパン、1,2プロピレングリコール、1,3
ブタンジオール、ジプロピレングリコール、1,4ブタン
ジオール、1,6ヘキサンジオール、ペンタエリスリッ
ト、ソルビトール、グリセリン、ネオペンチルグリコー
ル、1,4シクロヘキサンジメタノールのような多価アル
コールとのエステル結合により得られる飽和ポリエステ
ル樹脂またはこれらのポリエステル樹脂をSO3Na等で変
性した樹脂(例えばバイロン53S)が例として挙げら
れ、これらも放射線感応変性を行う。 (3)ポリビニルアルコール系樹脂 ポリビニルアルコール、ブチラール樹脂、アセタール樹
脂、ホルマール樹脂およびこれらの成分の共重合体で、
これらの樹脂中に含まれる水酸基に対し放射線感応変性
を行う。 (4)エポキシ系樹脂、フォノキシ系樹脂 ビスフェノールAとエピクロルヒドリン、メチルエピク
ロルヒドリンの反応によるエポキシ樹脂、例えばシェル
化学製(エピコート152、154、828、1001、1004、100
7)、ダウケミカル製(DEN431、DER732、DER511、DER33
1)、大日本インキ製(エピクロン400、800)、さらに
上記エポキシの高重合度樹脂であるUCC社製フェノキシ
樹脂(PKHA、PKHC、PKHH)、臭素化ビスフェノールAと
エピクロルヒドリンとの共重合体、大日本インキ化学工
業製(エピクロン145、152、153、1120)等があり、ま
たこれらにカルボン酸基を含有するものも含まれる。こ
れら樹脂中に含まれるエポキシ基を利用して放射線感応
変性を行う。 (5)繊維素誘導体 各種のものが用いられるが、特に効果的なものは硝化
綿、セルローズアセトブチレート、エチルセルローズ、
ブチルセルローズ、アセチルセルローズ等が好適である
樹脂中の水酸基を活用して放射線感応変性を行う。 その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂とし
ては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステル
樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVPオ
レフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少なくとも一種含むアクリル系樹脂等も
有効である。 以下にエラストマーもしくはプレポリマーの例を挙げ
る。 (1)ポリウレタンエラストマーもしくはプレポリマー ポリウレタンの使用は耐摩耗性、および基体フィルム、
例えばPETフィルムへの接着性が良い点で特に有効であ
る。ウレタン化合物の例としては、イソシアネートとし
て、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジ
イソシアネート、1,3−キシレンジイソシアネート、1,4
−キシレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソ
シアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、3,3′−ジメチルビフェニ
レンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォ
ロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、デスモジュールL、デスモジュールN等の
各種多価イソシアネートと、線状飽和ポリエステル(エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ペンタエリスリット、ソルビ
トール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールの様な多価アルコールと、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸の様な飽和多塩基酸との縮重合によるもの)、
線状飽和ポリエーテル(ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコー
ル)やカプロラクタム、ヒドロキシル含有アクリル酸エ
ステル、ヒドロキシル含有メタクリル酸エステル等の各
種ポリエステル類の縮重合物により成るポリウレタンエ
ラストマー、プレポリマーが有効である。 これらウレタンエラストマーの末端のイソシアネート基
または水酸基と、アクリル系二重結合またはアリル系二
重結合等を有する単量体とを反応させることにより、放
射線感応性に変性することは非常に効果的である。ま
た、末端に極性基としてOH、COOH等を含有するものも含
む。 さらに、不飽和二重結合を有する長鎖脂肪酸のモノある
いはジグリセリド等、イソシアネート基と反応する活性
水素を持ち、かつ放射線硬化性を有する不飽和二重結合
を有する単量体も含まれる。 (2)アクリロニトリル−ブタジエン共重合エラストマ
ー シンクエアペトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジン
として市販されている末端水酸基のあるアクリロニトリ
ルブタジエン共重合体プレポリマーあるいは日本ゼオン
社製ハイカー1432J等のエラストマーは、特にブタジエ
ン中の二重結合が放射線によりラジカルを生じ架橋およ
び重合させるエラストマー成分として適する。 (3)ポリブタジエンエラストマー シンクレアペトロケミカル社製ポリBDリタイッドレジン
R−15等の低分子量末端水酸基を有するプレポリマーが
特に熱可塑性樹脂との相溶性の点で好適である。R−15
プレポリマーにおいては分子末端が水酸基となっている
為、分子末端にアクリル系不飽和二重結合を付加するこ
とにより放射線感応性を高めることが可能であり、バイ
ンダーとしてさらに有利となる。 またポリブタジエンの環化物、日本合成ゴム製CBR−M90
1も熱可塑性樹脂との組合せによりすぐれた性質を有し
ている。 その他、熱可塑性エラストマーおよびそのプレポリマー
の系で好適なものとしては、スチレン−ブタジエンゴ
ム、塩化ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴムおよびそ
の環化物(日本合成ゴム製CIR701)があり、エポキシ変
性ゴム、内部可塑化飽和線状ポリエステル(東洋紡バイ
ロン#300)等のエラストマーも放射線感応変性処理を
施すことにより有効に利用できる。 オリゴマー、モノマーとして本発明で用いられる放射線
硬化性不飽和二重結合を有する化合物としては、スチレ
ン、エチルアクリレート、エチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリ
レート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、
N−ビニルピロリドン、ペンタエリスリトールテトラア
クリレート(メタクリレート)、ペンタエリスリトール
トリアクリレート(メタクリレート)、トリメチロール
プロパントリアクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、多官能オリゴエステルアクリレート
(アロニックスM−7100、M−5400、5500、5700等、東
亜合成)、ウレタンエラストマー(ニッポンラン4040)
のアクリル変性体、あるいはこれらのものにCOOH等の官
能基が導入されたもの、トリメチロールプロパンジアク
リレート(メタクリレート)フェノールエチレノキシド
付加物のアクリレート(メタクリレート)、下記一般式
で示されるペンタエリスリトール縮合環にアクリル基
(メタクリル基)またはεカプロラクトン−アクリル基
のついた化合物、 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊ペ
ンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 および下記式一般式で示される特殊アクリレート類等が
挙げられる。 1) (CH2=CHCOOCH2−CCH2OH (特殊アクリレートA) 2) (CH2=CHCOOCH2−CCH2OH3 (特殊アクリレートB) 3) 〔CH2=CHCO(OC3H6−OCH2−CCH2CH3 (特殊アクリレートC) 8) CH2=CHCOO−(CH2CH2O)−COCH=CH2 (特殊アクリレートH) 12) AM−N−M−A A:アクリル酸、M:2価アルコール N:2塩基酸 (特殊アクリレートL) 次に、放射線感応性バインダー合成例を説明する。 a)塩化ビニール酢酸ビニール共重合系樹脂のアクリル
変性体(放射線感応変性樹脂)の合成OH基を有する一部
ケン化塩ビ−酢ビ共重合体(平均重合度 n=500)750
部とトルエン1250部、シクロヘキサノン500部を51の4
つ口フラスコに仕込み、加熱溶解し、80℃昇温後トリレ
ンジイソシアネートの2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートアダクト※を61.4部加え、さらにオクチル酸スズ0.
012部、ハイドロキノン0.012部を加え、80℃でN2気流
中、NCO反応率が90%となるまで反応せしめる。 反応終了後冷却し、メチルエチルケトン1250部を加え希
釈する。
【※トリレンジイソシアネート(TDI)の2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート(2HEMA)アダクトの製
法 TDI348部をN2気流中11の4つ口フラスコ内で80℃に加熱
後、2−エチレンメタクリレート260部、オクチル酸ス
ズ0.07部、ハイドロキノン0.05部を反応缶内の温度が80
〜85℃となるように冷却コントロールしながら滴下終了
後80℃で3時間攪拌し、反応を完結させる。 反応終了後取り出して、冷却後、白色ペースト状のTDI
の2HEMAを得た。】 b)ブラチール樹脂アクリル変性体に合成(放射線感応
変性樹脂) ブチラール樹脂積水化学製BM−S100部をトルエン191.2
部、シクロヘキサノン71.4分と共に51の4つ口フラスコ
に仕込み、加熱溶解し、80℃昇温後TDIの2HEMAアダクト
※を7.4部加え、さらにオクチル酸スズ0.015部,ハイド
ロキノン0.015部を加え、80℃でN2気流中NCO反応率が90
%以上となるまで反応せしめる。 反応終了後冷却し、メチルエチルケトンにて希釈する。 c)飽和ポリエステル樹脂アクリル変性体の合成(放射
線感応変性樹脂) 飽和ポリエステル樹脂(東洋紡バイロンRV−200)、100
部をトルエン116部、メチルエチルケトン116部に加熱溶
解し、80℃昇温後、TDIの2HEMAアダクト※を3.55部を加
え、さらにオクチル酸スズ0.007部、ハイドロキノン0.0
07部を加え、80℃でN2気流中NCO反応率が90%以上とな
るまで反応せしめる。 d)◎エポキシ樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応
変性樹脂) エポキシ樹脂(シエル化学製エピコート1007)400部を
トルエン50部、メチルエチルケトン50部に加熱溶解跡、
N,N−ジメチルベンジルアミン0.006部、ハイドロキノン
0.003部を添加し80℃とし、アクリル酸69部を滴下し、8
0℃で酸価5以下となるまで反応せしめる。 ◎フェノキシ樹脂アクリル変性体の合成(放射線感応変
性樹脂) OH基を有するフェノキシ樹脂(PKHH:UCC社製 分子量30
000)600部、メチルエチルケトン1800部を31の4つ口フ
ラスコに仕込み、加熱溶解し、80℃昇温後、トリレンジ
イソシアネートの2ヒドロキシエチルメタクリレートア
ダクトを6.0部加え、さらにオクチル酸スズ0.012部、ハ
イドロキノン0.012部を加え、80℃でN2気流中、NCO反応
率が90%となるまで反応せしめる。 このフェノキシ変性体の分子量は、35000、1分子当り
の二重結合は1個である。 e)ウレタンエラストマーアクリル変性体の合成(放射
線硬化性エラストマー) 末端イソシアネートのジフェニルメタンジイソシアネー
ト(MDI)系ウレタンプレポリマー(日本ポリウレタン
製ニッポラン3119)250部,2HEMA32.5部、ハイドロキノ
ン0.07部、オクチル酸スズ0.009部を反応缶にいれ、80
℃に加熱溶解後、TDI43.5部を反応缶内の温度が80〜90
℃となるように冷却しながら滴下し、滴下終了後、80℃
で反応率95%以上となるまで反応せしめる。 f)ポリエーテル系末端ウレタン変性エラストマーアク
リル変性体(放射線硬化性エラストマー)の合成 日本ポリウレタン社製ポリエーテルPTG−500、250部、2
HEMA32.5部、ハイドロキノン0.07部、オクチル酸スズ0.
009部を反応缶にいれ、80℃に加熱溶解後、TDI43.5部を
反応缶内の温度が80〜90℃となるように冷却しながら滴
下し、滴下終了後、80℃で反応率95℃以上となるまで反
応せしめる。 g)ポリブタジエンエラストマーアクリル変性体の合成
(放射線硬化性エラストマー) シンクレアペトロケミカル社製低分子量末端水酸基ポリ
ブタジエンポリBDリクイットレジンR−15250部、2HEMA
32.5部、ハイドロキノン0.07部、オクチル酸スズ0.009
部を反応缶にいれ、80℃に加熱溶解後、TDI43.5部を反
応缶内の温度が80〜90℃となるように冷却しながら滴下
し、滴下終了後、80℃で反応率95℃以上となるまで反応
せしめる。 高分子には、放射線照射により崩壊するものと分子間に
架橋を起こすものが知られている。 分子間に架橋を起すものとしては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル、
ポリアクリルアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、
ポリビニルピロリドンゴム、ポリビニルアルコール、ポ
リアクロレンがある。このような架橋型ポリマーであれ
ば、上記のような変性を特に施さなくても、架橋反応が
起こるので、前記変性体の他に、これらの樹脂はそのま
ま使用可能である。 このような放射線硬化性樹脂を硬化するには、公知の種
々の方法に従えばよい。 なお、硬化に際して、紫外線を用いる場合、上述したよ
うな、放射線硬化型化合物の中には、光重合増感剤が加
えられる。 この光重合増感剤としては、従来公知のものでよく、例
えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、α−メチルベンゾイン、α−クロルデオキシベン
ゾイン等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフェ
ノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケトン
類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類、等を挙げることができ
る。光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%
の範囲が望ましい。 紫外線照射は、例えばキセノン放電管、水素放電管など
の紫外線電球等を用いればよい。 一方、電子線を用いる場合には、放射線特性としては、
加速電圧100〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加
速器を用い、吸収線量を0.5〜20メガラッドになるよう
に照射するのが好都合である。 特に照射線源としては、吸収線量の制御、製造工程ライ
ンへの導入、電離放射線の遮蔽等の見地から、放射線加
熱器により電子線を使用する方法および前述した紫外線
を使用する方法が有利である。 さらにまた、この方法によれば溶剤を使用しない無溶剤
型の樹脂であっても、短時間で硬化することができるの
で、このような樹脂を用いることができる。 このような放射線硬化性樹脂を用いることによって大径
のいわゆるジャンボロールで巻きしまりがなくなり、ジ
ャンボロール内外での電磁変換特性の差がなくなり特性
が向上する。またオンラインで行えるので生産性が良く
なる。 磁性粉/バインダーは、重量比で1/1〜9/1、特に2/1〜8
/1であることが好ましい。 このような割合とするのは1/1未満では飽和磁束密度が
低くなり、9/1をこえると分散不良により表面粗度が悪
くなり、また塗膜ももろくなり好ましくなるからであ
る。 本発明では必要に応じ、非反応性溶剤が使用される。溶
剤としては特に制限はないが、バインダーの溶解性およ
び相溶性等を考慮して適宜選択される。 例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のア
ルコール類、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の
芳香族炭化水素類、イソプロピルエーテル、エチルエー
テル、ジオキサン等のエーテル類、テトラヒドロフラ
ン、フルフラール等のフラン類等を単一溶剤またはこれ
らの混合溶剤として用いられる。 これらの溶剤はバインダーに対して10〜10000wt%、特
に100〜5000wt%の割合で用いる。 磁性層には無機顔料が含まれていてもよい。 無機顔料としては、1)導電性のあるカーボンブラッ
ク、グラファイト、グラファイト化カーボンブラック、
また2)無機充填剤としてSiO2、TiO2、Al2O3、Cr2O3
SiC、CaO、CaCO3、酸化亜鉛、ゲーサイト、γ−Fe2O3
タルク、カオリン、CaSO4、窒化硼素、フッ化黒鉛、二
硫化モリブデン、ZnS等がある。またこの他、次のよう
な微粒子顔料(エアロジルタイプ、コロイダルタイ
プ):SiO2、Al2O3、TiO2、ZrO2、Cr2O3、Y2O3、CeO2、F
e3O4、Fe2O3、ZrSiO4、Sb2O5、SnO2等も用いられる。こ
れら微粒子顔料は、例えばSiO2の場合、 無水硅酸の超微粒子コロイド溶液(スノーテックス、
水系、メタノールシリカゾル等、日産化学)、精製四
塩化ケイ素の燃焼によって製造される超微粒子状無水シ
リカ(標準品100Å)(アエロジル、日本アエロジル株
式会社)などが挙げられる。また、前記の超微粒子コ
ロイド溶液およびと同様の気相法で製造される超微粒
子状の酸化アルミニウム、並びに酸化チタンおよび前述
の微粒子顔料が使用され得る。この様な無機顔料の使用
量は1)に関してはバインダー100重量部に対して1〜3
0重量部、また2)に関しては1〜30重量部が適当であ
り、これらがあまり多くなると、塗膜がもろくなり、か
えってドロップアウトが多くなるという欠点がある。 また、無機顔料の径については1)に関しては0.1μm
以下、さらには0.05μm以下が好ましく、2)に関して
は0.7μm以下、さらには0.5μm以下が好ましい。 磁性層には分散剤が含まれていてもよい。 分散剤として有機チタンカップリング剤、シランカップ
リング剤や界面活性剤が、帯電防止剤としてサポニンな
どの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、グリセ
リン系、グリシドール系などのノニオン界面活性剤;高
級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ピリジ
ンその他の複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム
類などのカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン
酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基
を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類、アミノスルホ
ン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル等
の両性活性剤などが使用される。 磁性層には潤滑剤が含まれていてもよい。 潤滑剤としては、従来この種の磁気記録媒体に用いられ
る潤滑剤として、シリコンオイル、フッ素オイル、脂肪
酸、脂肪酸エステル、パラフィン、流動パラフィン、界
面活性剤等を用いることができるが、脂肪酸および/ま
たは脂肪酸エステルを用いるのが好ましい。 脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレ
ン酸、ステアロール酸等の炭素数8以上の脂肪酸(RCOO
H、Rは炭素数7以上のアルキル基)であり、脂肪酸エ
ステルとしては、炭素数12〜16個の一塩基性脂肪酸と炭
素数3〜12個の一価のアルコールからなる脂肪酸エステ
ル類、炭素数17個以上の一塩基性脂肪酸と脂肪酸の炭素
数と合計して、炭素数が21〜23個よりなる一価のアルコ
ールとからなる脂肪酸エステル等が使用され、また前記
脂肪酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属からなる
金属石鹸、レシチン等が使用される。 シリコーンとしては、脂肪酸変性よりなるもの、一部フ
ッ素変性されているものが使用される。アルコールとし
ては高級アルコールよりなるもの、フッ素としては電解
置換、テロメリゼーション、オリゴメリゼーション等に
よって得られるものが使用される。 潤滑剤の中では、放射線硬化型のものも使用して好都合
である。これらは裏面への裏型転写を抑えるため、ドロ
ップアウトの防止、ロール状に巻かれたときの内外径の
個所よる出力差の減少の他、オンライン上での製造が可
能である等の利点を持つ。 放射線硬化型潤滑剤としては、滑性を示す分子鎖とアク
リル径二重結合とを分子中に有する化合物、例えばアク
リル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニル酢酸エ
ステル、アクリル酸アミド系化合物、ビニルアルコール
エステル、メチルビニルアルコールエステル、アリルア
ルコールエステル、グリセライド等があり、 これらの潤滑剤を構造式で表すと、 CH2=CHCOOR、 CH2=CH−CH2COOR、 CH2=CHCONHCH2COOR、 RCOOCH=CH2、 RCOOCH2−CH=CH2等で、ここでRは直鎖または分枝状の
飽和もしくは不飽和炭化水素基で、炭素数は7以上、好
ましくは12以上23以下であり、これらはフッ素置換体と
することもできる。 フッ素置換体としては、 CnF2n+1−、CnF2n+1(CH2−(ただし、m=1〜
5)、 CnFnCH2CH2NHCH2CH2−、 等がある。 これら放射線硬化型潤滑剤の好ましい具体例としては、
ステアリン酸メタクリレート(アクリレート)、ステア
リルアルコールのメタクリレート(アクリレート)、グ
リセリンのメタクリレート(アクリレート)、グリコー
ルのメタクリレート(アクリレート)、シリコーンのメ
タクリレート(アクリレート)等が挙げられる。 分散剤および潤滑剤はバインダーに対して0.1〜20重量
部含ませるがよい。 支持体としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セ
ルローストリアセテート等のセルロース誘導体、ポリイ
ミド、ポリカーボネート、ポリサルホン、ポリエチレン
ナフタレード、芳香族アラミド、芳香族ポリエステル、
さらにはアルミニウム等の金属板、ガラス板が使用され
るがこれらに限定されるものではない。 これらの中では、特に、ポリエステル、ポリアミド、ポ
リイミド等を用いることが好ましい。 本発明に用いる磁気記録媒体では通常、支持体の両面に
磁性層が設けられる。このような媒体としては、例えば
フロッピーディスク、ハードディスク等がある。 また必要に応じてアンダーコート、バックコートおよび
トップコートを設けてもよい。 なお、バックコートを設けるときには、バインダー、顔
料および潤滑剤からなる組成とするのがよい。 本発明に用いる磁気記録媒体を製造するには常法に従っ
て行えばよく、磁性粉をバインダー、有機溶剤等ととも
に混合分散して磁性塗料を調製し、この磁性塗料をポリ
エステルフィルムなどの基体上にグラビアコート、リバ
ースロールコート、エアーナイフコート、エアードクタ
ーコート、ブレードコート、キスコート、スプレイコー
トなどの手法を用いて塗布し、必要に応じて水平方向や
垂直方向の磁場等による配向処理を行って乾燥し、好ま
しくは常法に従い放射線硬化すればよい。そして必要に
応じてバックコートおよびトップコートを設ければよ
い。 配向処理は、常法に従い、上述したような所定の垂直角
型比および保磁力を得るために種々の方法をとりうる。 たとえば配向方法としては永久磁石、直流磁石、交流磁
場が代表的なものとして用いられ、それらのものの各種
組合せ、例えば垂直と水平の組合せ、水平配向、永久磁
石または直流磁場と交流磁場の組合せ、機械的配向や機
械的配向と上記の組合せ等、種々のものが用いられる。 これらのうち、特に本発明では、機械的配向や垂直配向
を行うことが好ましい。 配向に用いる磁場強度としては1000〜6000Gが好まし
い。 本発明に用いる記録媒体において、さらに支持体と磁性
層との間にパーマロイ等の高透磁率金属薄膜や各種塗膜
のアンダーコート層を設けることもできる。これらは併
用してもよい。 塗膜のアンダーコート層には、前述したような熱硬化性
樹脂または放射線硬化型化合物および導電性塗料、無機
充填剤、潤滑剤、界面活性剤の分散剤等が必要に応じ含
まれる。 導電性顔料としては、カーボンブラックが好ましい。カ
ーボンブラックとしては、ファーネス、チャンネル、ア
セチレン、サーマル、ランプ等、いずれの方法で製造さ
れたものでもよいが、アセチレンブラック、ファーネス
ブラック、チャンネルブラック、ローラーおよびディス
クブラック及びドイツナフタリンブラックが好ましい。 カーボンブラックの粒子径はどのようなものでもよい
が、好ましいのは、電子顕微鏡撮影法により測定して10
〜100mμm、特に好ましくは10〜80mμmである。更に
粒子径について言えば、粒子径100mμmを超えるとアン
ダーコート層面の表面粗度が悪くなり、磁性層塗布後の
電特低下の原因となる。また10mμm未満では分散がう
まくいかず、やはりアンダーコートの表面粗度が悪くな
る。 カーボンブラックには特殊なものとしてグラファイト化
カーボンブラックがあり、本発明ではグラファイト化カ
ーボンブラックも用いることができる。 このようなアンダーコート層を設けることによって、媒
体のヘッドへのはりつき、また、塗布工程等の製造工程
中にガイドローラ、カレンダローラ等のはりつき、放電
ノイズ等の発生を防止することができる。 アンダーコート層の厚さは10Å〜5μm程度とすること
が好ましい。 V 発明の具体的作用効果 本発明によれば、磁気記録媒体の垂直角型比を所定範囲
とし、磁性層の膜厚と、いわゆる2ヘッドタイプと呼ば
れるフロッピー用磁気ヘッドのそれぞれのギャップ間隙
とを所定の関係となるように設定するので、より一層の
高記録密度化が実現できる。 このような磁気記録方法は、各種フロッピーディスク、
オーディオ、ビデオ、ビデオフロッピー、画像ファイ
ル、計算機用ディスク、磁気ディスク、磁気カード等に
用いられる。 特にフロッピーディスク、計算機用ディスク、磁気ディ
スクに好適である。 VI 発明の具体的実施例 以下、発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明する。 [実施例1] 厚さ75μmのポリエステル(PET)フィルムの表面と裏
面の両面上に下記に示すようなアンダーコート層を設層
した。 アンダーコート層 重量部 カーボンブラック 20mμm 50 (A)アクリル変性塩ビ−酢ビ−ビニルアルコール共重
合体 分子量45,000 45 (B)アクリル変性ポリウレタンエラストマー分子量
5,000 45 (C)ペンタエリスリトールトリアクリレート 10 ステアリン酸 2 ステアリン酸ブチル 2 混合溶剤(MIBK/トルエン=1/1) 300 上記混合物をポールミル中5時間分散させ、上記のポリ
エステル(PET)フィルム上に乾燥厚0.7μmになるよう
に塗布し、表面平滑化処理を行い、エレクトロンカーテ
ンタイプ電子線加速装置を用いて加速電圧150KeV、電極
電流10mA、吸収線量5Mrad、N2ガス中で電子線をアンダ
ーコート層に照射した。 このようなアンダーコート層の両面上に、さらに下記に
示されるような磁性塗料からなる磁性層を形成し、種々
のサンプルを作製した。 すなわち、まず最初に、平均粒径0.08μm、平均板状比
8をもつ六方晶系バリウムフェライト(BaFe12O19のB
a、Feの一部をCo(9%)、Ti(3%)で置換したもの
を水熱合成法で合成)を用いて以下のようにして磁性塗
料を作成した。 バリウムフェライト(Hc=700 Oe) 120重量部 α−Al2O3(0.5μm粉状) 2重量部 カーボンブラック(20mμm) 10重量部 溶剤(MEK/トルンエン:50/50) 100重量部 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、バリウム
フェライトをよく湿潤させた。 次に、バインダーとして 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(マレイン酸1%含有;MW40,000)8重量部(固型分換
算)、 アクリル二重結合導入塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
(マレイン酸1%含有;MW20,000)10重量部(固型分換
算)、 アクリル二重結合導入ポリエーテルウレタンエラストマ
ー(MW40,000)9重量部(固型分換算)、 ペンタエリスリトールトリアクリレート3重量部、 溶剤(MEK/トルンエン;50/50)200重量部 ステアリン酸を4重量部、 および ステアリン酸ブチル2重量部 を混合溶解させた。 これを磁性粉混合物の入ったボールミル中に投入し、再
び42時間混合分散させた。 このようにして得られた磁性塗料を、上記アンダーコー
ト層上にグラビアコートによって塗設し、その磁性層を
乾燥させながら、垂直磁場内(2500G)で配向処理を行
った。 その後、さらに遠赤外線ランプまたは熱風により溶剤を
乾燥させた。 表面平滑化処理をした後、ESI社製エレクトロカーテン
タイプ電子線加速装置を使用して加速電圧150KeV、電極
電流20mA、全照射量5Mradの条件下でN2雰囲気下にて電
子線を照射し、塗膜を硬化させた。媒体サンプルとして
の垂直方向の保磁力Hc⊥は750Oeであった。硬化後の塗
膜(磁性層)の厚さは表1に示すように種々かえてサン
プルを作製した。なお、この膜厚の測定は電子マイクロ
メーターで行った。 これらの塗膜をフィルムの両面に形成し、両面コートと
した。 このようにして作製したものを媒体サンプル101〜107
(表1)とする。 これらのサンプルについて、第2図に示されるようなコ
ンビネーションヘッド2を用いて下記の特性を評価した
(サンプルNo.101〜108)。 なお、用いたコンビネーションヘッド2は、ギャップ間
隙a=1μm、b=0.38μm、トラック幅c=120μ
m、d=60μmであり、コア材質はフェライトとした。 なお、サンプルNo.108(比較)では、磁気ヘッドとして
上記の2ヘッドタイプのものを用いず、リードライトヘ
ッドのみの1ヘッドタイプのものを用いた場合の実験を
行った。 (1)線記録密度D50(KFRPI) 回転数300r.p.m.、上記のコンビネーションヘッドを用
いて低記録密度領域での出力(E)が高記録密度領域で
E/2となる線記録密度D50(KFRPI)を測定した。 (2)垂直角型比 磁気記録媒体サンプルの垂直方向の角型比Br⊥/Bm⊥を
測定し、反磁場補正を行った。 支持体の両面に磁性層を設層した場合は、それぞれの磁
性層についての測定を行った。 (3)オーバーライト特性 磁気記録媒体サンプル上10KFRPIの矩形をリング型ヘッ
ドにて書き込み、その上に20KFRPIを重ね書きし、出力
差を測定した。出力差大の方がオーバライト特性が良
い。 現行のフロッピーディスクのオーバーライト特性の規格
は−26dB以下であるが、フロッピーディスク間の互換性
を考えた場合、−30dB以下にすることが望ましい。 表1からあきらかなように、tが1.5μm以下のものはD
50が良好である。 しかし、t≦1.5μmでもt/a>1では、オーバーライト
特性が悪くなる。また1ヘッドの場合はt≦1.5μm、t
/a≦1でもオーバーライト特性が悪い。 この実験では、フロッピーディスクのドライブが270TPI
での評価を行ったため、記録密度10〜14Mバイトのもの
となり、本発明に従い非常に高い記録密度が得られるこ
とになる。 [実施例2] 実施例1で用いたポリエステル(PET)フィルムの表面
と裏面の両面上に下記に示すようなアンダーコート層を
設層した。 アンダーコート層 重量部 CaCO3 50mμm 10 カーボン 20mμm(グラファイト化カーボン) 30 塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体(ユニオンカー
バイド社製VAGH) 50 ポリウレタンエラストマー(BF、グッドリッチ エステ
ン5703) 50 ステアリン酸 2 ステアリン酸ブチル 2 混合溶剤(MIBK/トルエン=1/1) 300 上記混合物をボールミル中5時間分散させた後、さらに
イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製コロネー
トL)を20重量部加え、この混合物を上記のポリエステ
ル(PET)フィルム上に乾燥厚3μmになるように塗布
し、表面平滑化処理を行い、その後、80℃で48時間熱硬
化を行った。 このようなアンダーコート層の両面上に、さらに下記に
示されるような磁性塗料からなる磁性層を形成し、種々
のサンプルを作製した。 すなわち、実施例1で用いた磁性粉にかえて、下記に示
されるような保磁力をもつ六方晶系バリウムフェライト
(BaFe12O19のBa、Feを一部下記の置換金属で置換した
ものを水熱合成法で合成)の磁性粉として用いた。 なお、これらの磁性粉の平均粒径は0.11μm、平均板状
比は16であった。 置換金属は蛍光X線で分析を行い、Feを100%として換
算した。 これらの磁性粉を用い、以下のようにして磁性塗料を作
製した。 バリウムフェライト 120重量部 α−Al2O3(0.5μm粉状) 2重量部 カーボンブラック(20mμm) 10重量部 溶剤(MEK/トルエン:50/50) 100重量部 上記組成物をボールミル中にて3時間混合し、バリウム
フェライトをよく湿潤させた。 次に下記に示すバインダーを磁性粉混合物の入ったボー
ルミル中に投入し、再び42時間混合分散させた。 バインダー組成 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(ユニオンカーバイド社製UCARMAG528) 15重量部(固型分換算)、 ウレタン(日本ポリウレタン社製ニッポラン3022)15重
量部(固型分換算)、 溶剤(MEK/シクロヘキサノン;70/30) 200重量部、 高級脂肪酸変性シリコーンオイル 3重量部、 および ミリスチン酸ブチル 3重量部 を混合溶解させた。 さらに、分散後、磁性塗料中にイソシアネート化合物
(日本ポリウレタン社製コロネートL)を5重量部(固
型分換算)加えた。 このようにして得られた磁性塗料を、上記アンダーコー
ト層上にグラビアコートによって塗設し、その後、遠赤
外ランプまたは熱風により溶剤を乾燥させた。 その後、表面平滑化処理をした後、80℃で48時間熱硬化
を行って、塗膜を硬化させた。 硬化後の塗膜(磁性層)の厚さは1.0μmであった。 この膜厚の測定は電子マイクロメーターで行った。 これら塗膜をフィルムの両面に形成し、両面コートとし
た。 なお、このような種々の媒体サンプルの垂直方向の保磁
力および垂直角型比Br⊥/Bm⊥は下記表2に示されると
おりであった。 なお、No.213、214の媒体については、前述した実施例
1の場合と同様に磁性層を乾燥させながら、垂直磁場内
(2500G)で配向処理を行った。 これら各サンプルについて、第2図に示されるようなコ
ンビネーションヘッドを用いて上記の線記録密度D50(K
FRPI)を求めた。 なお、コンビネーションヘッドとしては、表2に示され
るようなギャップ間隙aを有するものを用い、その他ギ
ャップ間隙b=0.35μm、トラック幅c=250μm、d
=120μmは一定とした。コア材質はフェライトとし
た。 結果を表2に示す。 表2に示される結果から、t/a≦1で良好な結果がえら
れること、および媒体のHc⊥は1000Oe以下、より好まし
くは450〜900Oeが好ましいことがわかる。 [実施例3] PETフィルムおよびアンダーコート層は実施例1の場合
と同様にし、磁性層を下記のようにかえた。 すなわち、平均粒径0.12μm、平均板状比34であって、
BaFe12O19のBa、Feの一部をCu(2%)、Zr(13%)で
置換した磁性粉(保磁力650Oe)を用いて、その他の混
合物組成、媒体作製方法等は以下に示すようなバインダ
ー組成および磁性粉の配向処理にかえた以外は実施例1
の場合と同様にした。 なお、設層乾燥後の磁性層厚さは、1.2μmとした。 バインダー組成 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(マレイン酸1%含有;NW20,000) 10重量部(固型分換
算)、 アクリル変性フェノキシ(MW35,000) 6重量部(固型分
換算)、 アクリル変性ポリエーテルウレタンエラストマー(MW2
0,000) 24重量部(固型分換算)、 溶剤(MEK/シクロヘキサノン;70/30) 200重量部、
高級脂肪酸変性シリコーンオイル 3重量部、
ミリスチン酸ブチル 3重量部 これらの媒体サンプルについて、第2図に示されるよう
なコンビネーションヘッドを用いて、上記の線記録密度
D50KFRPI)を求めた。 なお、コンビネーションヘッドとしては、表3に示され
るようなギャップ間隙bを有するものを用い、その他ギ
ャップ間隙a=1.25μm、トラック幅c=120μm、d
=60μmは一定とした。コア材質はフェライトとした。 なお、媒体としての垂直方向の保磁力Hc⊥は700Oeであ
った。 結果を表3に示す。 以上の結果より本発明の効果があきらかである。 なお、実施例1〜3の中で、バインダー組成を熱硬化性
樹脂としたものは放射線硬化性樹脂に比べ熱硬化時の巻
きしまりによりカールが発生しやすいということが確認
された。従って、実用面ではバインダー組成を放射線硬
化性樹脂とした方が好適である。 また、上記各実施例では、第2図に示されるヘッドを用
いたが、第1図に示されるような独立型のヘッドでも全
く同様の結果がえられた。
【図面の簡単な説明】
第1図はリードライト独立型ヘッドの正面図である。 第2図は、イレーズおよびリードライトコンビネーショ
ンヘッドの正面図である。 符号の説明 1……リードライト独立型ヘッド、2……イレーズおよ
びリードライトコンビネーションヘッド、3……第1の
磁気ヘッド、31……ライトコア、32……イレーズコア、
33,34……ギャップ、36……非磁性充填材、5……第2
の磁気ヘッド、51……リードコア、52……リード・ライ
トコア、53,54……ギャップ、56……非磁性充填材、7
……非磁性チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−201527(JP,A) 津野尾忠昭「テープレコーダ」(昭46− 12−25)日刊工業新聞社P.142−144

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に平均粒径が0.2μm以下の六方
    晶系板状磁性粉とバインダーとを含有する膜厚1.5μm
    以下の磁性層を有し、膜面垂直方向の垂直角型比が0.65
    以上である磁気記録媒体と、第1の磁気ヘッドとしてラ
    イトヘッドおよび第2の磁気ヘッドとしてリードヘッ
    ド、あるいは第1の磁気ヘッドとしてイレーズヘッドお
    よび第2の磁気ヘッドとしてリードライトヘッドを用い
    て記録、再生および消去を行う磁気記録方法において、 上記磁性層の膜厚をt(μm)、第1の磁気ヘッドのギ
    ャップ間隙をa(μm)、第2の磁気ヘッドのギャップ
    間隙をb(μm)としたとき、 t/a≦1でa=0.4〜1.5かつb=0.1〜0.4であることを
    特徴とする磁気記録方法。
  2. 【請求項2】tが0.4〜1.5μmである特許請求の範囲第
    1項に記載の磁気記録方法。
  3. 【請求項3】六方晶系板状磁性粉の板状比が6以上であ
    る特許請求の範囲第1項または第2項に記載の磁気記録
    方法。
  4. 【請求項4】磁気記録媒体の垂直方向の保磁力Hc⊥が10
    00Oe以下である特許請求の範囲第1項ないし第3項のい
    ずれかに記載の磁気記録方法。
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