JP2610626B2 - 耐食、耐摩耗性に優れた溶融亜鉛メッキ用浴中浸漬部材 - Google Patents

耐食、耐摩耗性に優れた溶融亜鉛メッキ用浴中浸漬部材

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JP2610626B2 JP62265771A JP26577187A JP2610626B2 JP 2610626 B2 JP2610626 B2 JP 2610626B2 JP 62265771 A JP62265771 A JP 62265771A JP 26577187 A JP26577187 A JP 26577187A JP 2610626 B2 JP2610626 B2 JP 2610626B2
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Nippon Steel Hardfacing Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、亜鉛溶融メッキ用のポットロールやその軸
受部材、サポートロール、スナウトのようなメッキ浴中
に浸漬された状態で使用される耐食、耐摩耗性に優れた
溶融亜鉛メッキ用浴中浸漬部材に関するものである。
(従来の技術) 自動車用防錆鋼板の溶融亜鉛メッキ処理等に用いられ
るポットロール等の溶融亜鉛メッキ用浴中浸漬部材は、
12Cr系ステンレスなどのステンレス鋼よりなるものが一
般に使用されているが、このようなものは被メッキ物と
の接触時にそのエッジ部によって浸漬部材表面に疵が付
いて局部的腐食が生じ、このためメッキ製品に疵跡が転
写されて製品不良が多発するという大きな問題があるう
え、耐久性に乏しいために1週間程度で取替えなければ
ならない。このような問題点をなくすため本発明者等は
特開昭59−153875号公報により開示されているように、
重量%でW:10〜30%、Ni:15%以下のCo基自溶合金より
なる溶射層を基材表面に形成した溶融亜鉛メッキ浴中ロ
ールを先に開発した。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前記したような溶融亜鉛メッキ浴中ロ
ールは、耐摩耗性と耐食性の点で従来のステンレス系の
ものよりはるか優れたものではあるが、浴成分と反応し
て合金層が形成されたり局部的な亜鉛との合金化が見ら
れるためロール表面に凹凸が生じ、この凹凸がメッキ製
品表面に疵を生じさせることとなって寿命は1ケ月程度
となり、より耐食、耐久性に優れたものとすることが業
界において強く要望されていた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は前記のような問題点を解決するために種々の
研究を行った結果、従来のCo基合金において形成されて
いた合金層および局部的な亜鉛との合金化の問題の解決
と、浸漬部材に生じるストリップエッヂ摩耗によるプロ
フィル異常の問題の解決にはMoとWが効果を発揮するこ
とを発見し、これらの適量を含有させることにより浸漬
部材の表面異常をなくして長寿命化させるとともに、メ
ッキ製品の品質を向上させるようにしたもので、浸漬部
材本体の少なくとも表面が、重量%でC:0.5〜2.0%、B:
1.5〜4.5%、Si:1.5〜4.5、Mo:4〜20%、W:5〜17%、N
i:4〜30%、Cr:10〜20%含有し残部がCo、Fe、Cuのいず
れか1種または2種以上からなる合金により形成されて
いることを特徴とするものである。
本発明では浸漬部材本体の少なくとも表面が前記した
ような合金により形成されたものであればよいので、全
体を前記合金により作られたものの外、SUS−304などで
作られた主体表面に前記合金の溶射被膜を形成するよう
にしてもよい。また、前記した合金の各成分を前記した
範囲に限定した理由は次の通りである。
C:Cはマトリックス中にカーバイドを分散形成して耐
摩耗性を向上する効果があり、本発明合金の場合はWの
添加によりWカーバイドを形成させてCrカーバイドの形
成を抑制し、耐食性も向上させた。そして、その含有量
は0.5%未満では耐摩耗性は得られるもののカーバイド
の形成が不充分なため耐食性が得られず、これに対し2
%を越えると脆化して割れやすくなり、浸漬部材として
適さないため、0.5〜2.0%の範囲とした。
B、Si:両者は合金に自溶性をもたせるために必要不
可欠な成分であり、ボライド及びシリサイドを形成して
マトリックス中に分散し、耐摩耗性と溶融亜鉛浴中での
耐食性を向上する効果がある。そして、その含有量はい
ずれも1.5%未満では前記した効果が得られず、これに
対し4.5%を越えると脆化しやすくなって浸漬部材とし
て適さないため、1.5〜4.5%の範囲とした。
Ni:Niは溶融亜鉛に濡れやすい成分であるが、マトリ
ックスの靱性を保持するために必要であり、その含有量
が4%未満では耐摩耗性は向上するが割れを生じやす
く、浸漬部材として適さない。これに対し浸漬部材にお
いても亜鉛浴に対する濡れ性を要求される部材もあり、
この場合はNi量を増加することにより特性を付与する
が、30%を越えると耐食性低下を生じるため、4〜30%
の範囲とした。
Cr:マトリックスを形成する元素であってマトリック
スを強化する効果がある。含有量が10%未満ではガーバ
イドおよびボライドの形成が不充分で耐摩耗性の向上が
得られず浸漬部材として適さない。これに対して20%を
越えると脆化するとともにカーバイド形成による耐食性
低下を生じるため、10〜20%の範囲とした。
W:カーバイドを形成して耐摩耗性と耐食性を向上させ
る効果がある。含有量が5%未満ではカーバイド形成が
不充分であり、Crカーバイドの形成を抑制できず耐食性
が低下する。これに対し17%を越えると耐食性は向上す
るが脆化して割れが生じやすくなり浸漬部材として適さ
ないため、5〜17%の範囲とした。
Mo:本発明を構成するうえで特に重要な元素であっ
て、溶融亜鉛に濡れにくい性質をもっており、潤滑性を
高める効果がある。そのため、ストリップとの接触およ
びスリップによる合金層の形成や局部的な亜鉛との合金
化を防止でき、摺動部での局部摩耗にも効果を発揮す
る。含有量が4%未満ではその効果が不充分であり、こ
れに対し20%を越えると脆化して割れやすくなり浸漬部
材として適さないため、4〜20%の範囲とした。
実施例 次に、本発明の実施例を従来のものと比較して述べ
る。
(実施例1) 図面に示すように、第1の浸漬部材(1)としてのロ
ーラ表面に本発明に用いる組成範囲の3種の合金を溶
射、溶着処理した溶融亜鉛メッキ浴中にロールを使用
し、これを浸漬させた溶融亜鉛浴(3)中を自動車溶鋼
板素材であるストリップ(4)を通過させて常法により
自動車用鋼板の溶融亜鉛メッキ処理を行ったところ、合
金層形成および局部的な亜鉛との合金化が生じることが
なく、このため寿命の延長が顕著なうえに自動車用防錆
鋼板の品質が向上した。なお、この実施例と従来のもの
との品質および浸漬部材の使用結果を表−1に示す。こ
の表から明らかなように、本発明は従来のものと比較し
て浸漬部材の表面異常が少なく、このため、本発明が従
来のものにおいて問題となっていたドロスかみ込みや局
部的な亜鉛との合金化による押し疵対策として優れた効
果を発揮することがわかった。
(実施例2) 図面に示すように、第2の浸漬部材(2)としてのロ
ールの軸受部材を本発明に用いる組成範囲の2種の合金
を溶射、溶着処理したものとする一方、第1の浸漬部材
(1)としての溶融亜鉛メッキ浴中ロールとしては前記
した実施例1で用いたものを使用して自動車用鋼板の溶
融亜鉛メッキ処理を実施例1と同様に行ったところ、第
2の浸漬部材(2)としての軸受部材の局部摩耗が少な
く、回転不良による生産トラブルおよび製品への疵入り
なくすとともに軸受部材の寿命の延長が顕著であった。
なお、この実施例と従来のものとの使用結果を表−2に
示す。この表から明らかなように、本発明のものは従来
のものと比較して、浸漬部材の耐食性および耐摩耗性が
向上しており、局部摩耗防止対策として有効であること
がわかった。
(発明の効果) 前記説明から明らかなように、本発明によれば耐摩耗
性と耐食性の点で従来のステンレス系のものやCo基自溶
合金よりなる溶射層を基材表面に形成したものより優れ
たものとなって局部的な亜鉛との合金化などがなくな
り、寿命を40日以上に延長できるうえに生産トラブルが
発生することがなく、厳格化する自動車用防錆鋼板の品
質を向上させることができる優れた効果があり、従来の
溶融亜鉛メッキ用浴中浸漬部材の問題点を解決したもの
として業界の発展に寄与するところ極めて大きいものが
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の浸漬部材の使用状況の1例を示す説明
図である。 (1):第1の浸漬部材、(2):第2の浸漬部材、
(3):溶融亜鉛浴、(4):ストリップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 2/00 C23C 2/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浸漬部材本体の少なくとも表面が、重量%
    でC:0.5〜2.0%、B:1.5〜4.5%、Si:1.5〜4.5、Mo:4〜2
    0%、W:5〜17%、Ni:4〜30%、Cr:10〜20%含有し残部
    がCo、Fe、Cuのいずれか1種または2種以上からなる合
    金により形成されていることを特徴とする耐食、耐摩耗
    性に優れた溶融亜鉛メッキ用浴中浸漬部材。
JP62265771A 1987-10-21 1987-10-21 耐食、耐摩耗性に優れた溶融亜鉛メッキ用浴中浸漬部材 Expired - Lifetime JP2610626B2 (ja)

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