JPH07300642A - 被覆用材料及びこの材料が被覆された金属浴浸漬用部材 - Google Patents

被覆用材料及びこの材料が被覆された金属浴浸漬用部材

Info

Publication number
JPH07300642A
JPH07300642A JP11018594A JP11018594A JPH07300642A JP H07300642 A JPH07300642 A JP H07300642A JP 11018594 A JP11018594 A JP 11018594A JP 11018594 A JP11018594 A JP 11018594A JP H07300642 A JPH07300642 A JP H07300642A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
coating layer
balance
molten metal
hardness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11018594A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Uda
厚司 右田
Takaaki Iwamoto
隆明 岩本
Tatsuo Shimatani
竜男 島谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OSAKA WELDING KOGYO KK
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Nippon Steel Hardfacing Corp
Original Assignee
OSAKA WELDING KOGYO KK
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Nippon Steel Hardfacing Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OSAKA WELDING KOGYO KK, Sumitomo Metal Mining Co Ltd, Nippon Steel Hardfacing Corp filed Critical OSAKA WELDING KOGYO KK
Priority to JP11018594A priority Critical patent/JPH07300642A/ja
Publication of JPH07300642A publication Critical patent/JPH07300642A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少なくともこれまでに実用化されてきたCo
基自溶合金の被覆層と同程度の耐摩耗性を有し、かつ、
前記のCo基自溶合金被覆層やステライト被覆層では得
られなかった溶融金属腐食耐性の高い表面被覆層を形成
することのできる被覆用材料と、この被覆用材料を用い
て製造される金属浴浸漬用部材とを提供する。 【構成】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であり、
Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜24.
0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、Wが
3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%であ
り、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、Fe
が0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避的不
純物である組成物からなる被覆用材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続溶融金属めっき処
理工程にて使用されるシンクロール、サポートロール及
びそれらの軸受け部品等で代表される金属浴浸漬用部材
を製造する場合に、上記部材の表面を被覆して金属浴中
に浸漬された部材が浸蝕されるのを防止する被覆用材料
と、前記被覆用材料が被覆された金属浴浸漬用部材に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車、家電製品、屋外構造物等に利用
されている鋼板は、一般に表面処理鋼板が主流を占めて
おり、その大部分は溶融亜鉛連続めっきや溶融アルミニ
ウム連続めっき等の溶融金属連続めっきにより製造され
ている。
【0003】これらの場合、浴槽中を連続的に通過する
鋼板を支持し、案内し、さらには、鋼板の表面に加工さ
れるめっき厚さの均一度を保持する等の目的をもって、
シンクロール、サポートロール、これらのロールの回転
軸を支持する軸受け部品等が溶融金属を貯えている溶融
金属浴槽中に常時浸漬され、非常に過酷な条件下にて配
備されている。
【0004】シンクロール、サポートロール、ロールの
回転軸を支持する軸受け部品等のこれらの部材は、従来
から、その耐食性と耐摩耗性とを観点として、ステンレ
ス鋼や高Cr鋼を用いて製造されていた。
【0005】しかしながら、そのいづれもが、1週間以
内程のごく短時間で溶融金属と反応して、表面を腐食さ
れ、磨耗損失も高い状態を示していた。
【0006】さらに、前記のシンクロールを例にとって
見ると、表面が浸蝕をうけたシンクロールの表面には、
通常肌荒れと呼称されている多くの凹凸模様が発生す
る。
【0007】この凹凸模様が発生したシンクロール表面
に接して搬送された鋼板の表面には、シンクロールの表
面に発生した凹凸模様が転写されて押疵を構成される様
になって商品価値を低下させ、さらには、これを避けて
出荷する場合の製品歩留まりを低下させていた。
【0008】また、前記の軸受け部品についても、これ
らの部品の磨耗や腐食の量が所定量を上回るようになる
と、金属浴中を通過する鋼板やロール自体にも振動を与
える様になり、ロールの回転不良を引き起こすと共に、
走行する鋼板の不安定化等も引き起こしていた。
【0009】そこで、従来より、これらの溶融金属浴中
にて作動する部材については、溶融金属に対する耐食性
(以下、「溶融金属腐食耐性」という)や耐摩耗性を付
加させた部材を得るため、SUS316Lステンレス鋼
の表面に溶射被覆層や肉盛り溶接層を施工する等、特定
の被覆材料で表面を被覆した部材を作製してその目的を
果たしていた。
【0010】この場合に用いられる部材表面の被覆層形
成用の材料例としては、溶射被覆層形成の場合にはJI
S H 8303により規定された市販のCo基自溶合
金が、さらに、プラズマ粉体肉盛り溶接層形成の場合に
はCo合金のステライトが挙げられる。
【0011】しかしながら、前記のCo基自溶合金やス
テライト等の組成範囲の被覆材料では、溶融金属腐食耐
性や耐摩耗性に優れた緻密な組織構造をもった被覆層を
形成させることは不可能である。
【0012】従って、通常の操業条件下にては溶融金属
浴中にて使用される部材の耐用期間は2週間程度でしか
なく、短期間の操業毎にめっき工程の稼働を停止して、
損耗部材の補修交換を行っているが、このことが装置の
回転率を低いものとし、結果的に表面処理鋼板の生産性
を著しく低下させる要因ともなっている。
【0013】これらの問題を解決するための方法とし
て、特開平5−163559号公報にW、又はMo、又
はW−Mo合金からなる部材、さらには、重量%で、
W、又はMo、又はW−Mo合金が15.0〜50.0
%であって、残部がFe又はCoからなる部材等が開示
されている。また、特開平1−108335号公報にC
o、Fe又はCuを基として、B、Si、Mo、Ni、
Crを配合した耐食性の浸漬部材が開示されている。
【0014】しかしながら、これらの部材の利用によっ
て溶融金属浴による腐食に対する性質に向上が認められ
たものの、耐摩耗性に関しては満足する結果が得られず
結果として充分な成果は得られていない。これに関し、
特開平1−108334号公報では、特開平1−108
335号公報の浸漬部材に対しWを添加している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑み、少なくともこれまでに実用化されてきたCo
基自溶合金の被覆層と同程度の耐摩耗性を有し、かつ、
前記のCo基自溶合金被覆層やステライト被覆層では得
られなかった溶融金属腐食耐性の高い表面被覆層を形成
することのできる被覆用材料と、この被覆用材料を用い
て製造される金属浴浸漬用部材とを前記先行技術とは異
なる技術的思想で提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するべく、Co基自溶合金の被覆層とFe基自
溶合金の被覆層とを対象に鋭意研究開発を重ねた結果、
溶融金属腐食耐性や耐磨耗性を高めるためには、自溶合
金の溶射被覆層を再溶融処理する際にCo若しくはFe
を主体とする素地(マトリックス)中に形成されるMo
−Cr−W−Co系又はMo−Cr−W−Fe系の複硼
化物、或いはMo−Cr−Co系又はMo−Cr−Fe
系の複硼化物が有効であることと、さらに、これらの複
硼化物を緻密にして適量、しかも均一に素地中に分散さ
せて形成させるためには、同族元素であるMo、Cr及
びWに最適添加範囲の存在することを見出だした。
【0017】その結果、従来のCo基自溶合金やステラ
イトの被覆処理によっては得られない高い溶融金属腐食
耐性と耐摩耗性とを具備した被覆用材料と、この被覆用
材料を用いて被覆処理した金属浴浸漬用部材を発明する
に至った。
【0018】以下に本発明の詳細を記述する。
【0019】すなわち、本発明は、重量%にて、Cが
0.3〜1.5%であり、Siが1.5〜3.5%であ
り、Crが2.0〜24.0%であり、Moが10.0
〜45.0%であり、Wが3.0〜7.0%であり、B
が2.5〜4.5%であり、Niが1.0〜4.0%で
あり、Mnが0.1〜0.5%であり、Cuが0.3〜
1.2%であり、Feが0.1〜2.0%であり、残部
がCo及び不可避的不純物である被覆用材料である。
【0020】また、重量%にて、Cが0.3〜1.5%
であり、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0
〜24.0%であり、Moが10.0〜45.0%であ
り、Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5
%であり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.
1〜0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、
Feが0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避
的不純物である粉末組成物からなり、粒度が120〜3
50メッシュに分級され、溶射被覆層を形成する際に使
用される被覆用材料である。
【0021】さらに、重量%にて、Cが0.3〜1.5
%であり、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.
0〜24.0%であり、Moが10.0〜45.0%で
あり、Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.
5%であり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが
0.1〜0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であ
り、Feが0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不
可避的不純物である組成物によって表面が被覆されてい
る金属浴浸漬用部材である。
【0022】一方、重量%にて、Cが0.3〜1.5%
であり、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0
〜24.0%であり、Moが10.0〜45.0%であ
り、Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5
%であり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.
1〜0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、
Feが0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避
的不純物である組成物であり、かつ、CrとMoとWと
の合計が38.0〜53.0%である被覆用材料が好ま
しい。
【0023】また、重量%にて、Cが0.3〜1.5%
であり、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0
〜24.0%であり、Moが10.0〜45.0%であ
り、Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5
%であり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.
1〜0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、
Feが0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避
的不純物である粉末組成物であり、かつ、CrとMoと
Wとの合計が38.0〜53.0%であり、粒度が12
0〜350メッシュに分級され、溶射被覆層を形成する
際に使用される被覆用材料が好ましい。
【0024】その上、重量%にて、Cが0.3〜1.5
%であり、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.
0〜24.0%であり、Moが10.0〜45.0%で
あり、Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.
5%であり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが
0.1〜0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であ
り、Feが0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不
可避的不純物であり、かつ、CrとMoとWとの合計が
38.0〜53.0%である組成物によって表面が被覆
されている金属浴浸漬用部材が好ましい。
【0025】さらに、重量%にて、Cが0.3〜1.5
%であり、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.
0〜24.0%であり、Moが10.0〜45.0%で
あり、Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.
5%であり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが
0.1〜0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であ
り、残部がFe及び不可避的不純物である組成物であ
り、かつ、CrとMoとWとの合計が38.0〜53.
0%である被覆用材料も好ましい。
【0026】そして、重量%にて、Cが0.3〜1.5
%であり、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.
0〜24.0%であり、Moが10.0〜45.0%で
あり、Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.
5%であり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが
0.1〜0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であ
り、残部がFe及び不可避的不純物である粉末組成物で
あり、かつ、CrとMoとWとの合計が38.0〜5
3.0%であり、粒度が120〜350メッシュに分級
され、溶射被覆層を形成する際に使用される被覆用材料
も好ましい。
【0027】その上、重量%にて、Cが0.3〜1.5
%であり、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.
0〜24.0%であり、Moが10.0〜45.0%で
あり、Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.
5%であり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが
0.1〜0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であ
り、残部がFe及び不可避的不純物であり、かつ、Cr
とMoとWとの合計が38.0〜53.0%である組成
物によって表面が被覆されている金属浴浸漬用部材も好
ましい。
【0028】
【作用】本発明材料及び部材の成分構成は上記のように
なるが、以下に、それぞれの成分限定の理由について述
べる。
【0029】C:本発明は、Mo、Cr及びWと結合し
て微細な複炭化物を形成すると共に、素地(マトリック
ス)中に固溶して被覆層全体の硬さを高め、耐摩耗性の
向上に寄与するCを0.3〜1.5重量%含有させてい
ることにより、この材料を用いて加工した加工部材の耐
摩耗性は向上する。
【0030】Cの含有量が0.3重量%未満では炭化物
の生成量が少ないために充分な耐摩耗性が得られない。
なお、Cの含有量を0.7重量%以上にするのが炭化物
生成量確保の点からは好ましい。逆に、1.5重量%を
超えると、炭化物の生成量が多くなり過ぎて溶融金属に
よる腐食量が増す。すなわち、溶融金属腐食耐性が低下
すると共に、靱性も低下するので好ましい結果が得られ
なくなる。
【0031】Si:本発明は、脱酸剤として効果を示
し、自溶性、耐摩耗性、硬度等の性質を向上させるSi
を1.5〜3.5重量%含有させていることにより、所
定の性能を示すことを可能にしている。従って、Siの
含有量が1.5%未満では所定の成果が得られず、ま
た、3.5重量%を超えて含有する場合には逆に、被覆
層の硬さが高くなり過ぎて脆くなり、後工程の機械加工
や使用時において、部材の被覆層に割れ不良や剥離現象
が発生し易くなる。
【0032】Mo:本発明は、Cr、W、Co及びFe
と共に、CやBと結合して微細な複炭化物及び複硼化物
を形成し、溶融金属腐食耐性を向上させる性質を有する
Moを10.0〜45.0重量%含有せしめることによ
り、溶融金属腐食耐性を大幅に向上させる。特に、Mo
−Cr−W−Co(Fe)からなる複硼化物は溶融金属
耐性を著しく向上させる。
【0033】Moの含有量が10.0重量%未満では前
記の複複硼化物を形成するCr、B及びWをどの様に調
整しても充分な成果は得られず、逆に、45重量%を超
えて添加すると、融点が上昇して材料の自溶性が損なわ
れると共に、被覆層の脆化現象が進行して被覆層の割れ
や剥離を招き易くなる。
【0034】Cr:本発明は、Moと同様にして、W、
Co及びFeと共に、CやBと結合して微細な複炭化物
及び複硼化物を形成し、溶融金属による腐食現象を軽減
する性質を有するCrを2.0〜25.0重量%含有せ
しめることにより、溶融金属腐食耐性を向上し、部材の
使用時における耐摩耗性も改善する。
【0035】Crの添加量が2.0重量%未満では目的
を達成できず、逆に25.0重量%を超えると、靱性の
低下と融点の上昇とにより自溶性を低下させると共に、
加工面にブローホール等の施工欠陥を招き易い。
【0036】W:本発明は、CrやMoと同様に、Bと
結合した複硼化物を形成して、溶融金属腐食耐性を向上
させると共に、耐摩耗性をも高め、その上、CoやFe
の素地中に固溶して被覆層全体の強度を高める性質をも
ったWを3.0〜7.0%含有させて、被覆層の特性を
改善している。Wが3.0重量%未満では添加の効果が
明瞭で無く、逆に、Wが7.0重量%を超えると材料の
融点が高くなって自溶性を阻害したり製造が困難にな
る。
【0037】そして、同族の元素であるMoと、Cr
と、Wとの合計を38.0〜53.0重量%と限定する
ことによって、被覆層の脆化や剥離現象を抑制してい
る。
【0038】B:本発明は、Siと同様に材料に対して
自溶性を与え、かつ、Mo、Cr、Wと結合して複硼化
物を形成し、溶融金属による腐食を軽減する性質を有す
るBを2.5〜4.5重量%含有しているため、大幅に
溶融金属腐食耐性を向上させると共に、耐摩耗性も合わ
せて改善できる。
【0039】Bが2.5重量%未満では被覆層の硬さが
低下して目的とする耐摩耗性が得られず、逆に4.5重
量%を超えると被覆層は脆さを増して、剥離や割れを生
じ易くなる。
【0040】Ni:本発明は、CoやFeの素地中に固
溶して被覆層全体の靱性を向上する作用をもつNiを
1.0〜4.0重量%含有しているため、被覆層が脆さ
を示す恐れはない。
【0041】Niが1.0重量%未満の場合には被覆層
の脆さが避けられず、逆に、4.0重量%を超える場合
には被覆層全体の溶融金属腐食耐性を低下させる。
【0042】Mn:本発明は、材料に対して脱酸剤とし
て効果を示すと共に、湯流れ性を向上させ、自溶性を与
えるMnを0.1〜0.5重量%含有せしめたことによ
り、再溶解時の作業を容易にする。
【0043】ただし、Mnの添加量が0.1重量%未満
では添加する効果が認められず、逆にMnの添加量が
0.5重量%を超えると溶融金属腐食耐性が劣ってく
る。
【0044】Cu:本発明は、固層−液層温度範囲を狭
くし、複硼化物の形成を助長するための元素であるCu
を0.3〜1.2重量%添加したことにより、被覆層の
耐摩耗性を向上させる。
【0045】Cuは、Coマトリックス中に固溶し、前
記の複炭化物及び複硼化物の形成を促し、組織的に安定
させる元素である。また、高温環境下に於いても、Cu
の存在により、これらの複炭化物及び複硼化物は安定し
た状態になるため、優れた溶融金属腐食耐性と耐摩耗性
を得ることができる。
【0046】しかしながら、そのCu量が0.3重量%
未満では、固相ー液相温度範囲が大きくなるため、再溶
融処理された被覆層が凝固する際、複炭化物及び複硼化
物は偏析し易くなる。また、これらが形成される量も不
十分となるため、Coマトリックスの占める面積が広く
なり、所望の溶融金属腐食耐性及び耐摩耗性が得られな
くなる。
【0047】逆に、1.2重量%を超えるCuの添加は
複炭化物及び複硼化物の形成効果が大きくなることによ
る被覆層の脆化も招き、さらに、高温において酸化が激
しくなったり、自溶性も阻害されるため好ましくない。
【0048】Fe:本発明でCoを素地とする場合に
は、素地中に固溶して被覆層全体の強度を高めるFeを
0.1〜2.0重量%添加することにより、好ましい結
果を示している。
【0049】Coを素地とし、Feの添加量が0.1重
量%未満では添加の効果が認められず、逆に、Feの添
加量が2.0重量%を超えると、被覆層の耐摩耗性をか
えって低下させる。
【0050】本発明では、Co又はFeを基とした浸漬
部材において、適量のMnを脱酸剤として使用し、そし
て、適量のCuを添加することにより、少量のNiでも
耐食性、耐摩耗性を確保できるようにし、かつ、Niが
多いことによる脆性を防止した。
【0051】
【実施例】
[実施例1]高周波誘導真空溶解炉を用いて真空溶解し
て得た1740℃の溶湯から、Cが1.08重量%であ
り、Siが2.90重量%であり、Crが22.0重量
%であり、Moが17.2重量%であり、Wが4.06
重量%であり、Bが3.05重量%であり、Niが1.
59重量%であり、Mnが0.19重量%であり、Cu
が0.44重量%であり、残部がCoと不可避的不純物
である合金粉末を水アトマイズ法によって作製し、この
合金粉末を乾燥の後、振動式分級機にて120〜350
メッシュの合金粉末を分級し、粉末式フレーム溶射ガン
を用いて、ステンレス鋼の基板上に2〜3mmの厚さの
被覆層を形成した。
【0052】その後、酸素ーアセチレン・バーナーを用
いて1150℃で再加熱する再溶融処理を行って、ステ
ンレス鋼の基板上に自溶合金被覆層を形成し、機械加工
と表面研磨により、表面に形成された酸化物層を除去す
る仕上げ加工をして試験片とした。
【0053】この場合、図1のEPMAを用いた金属組
織写真図に示すように、Co−Cr−Si−Niよりな
る素地中に、主としてMo−Cr−W−Coよりなる数
多くの微細な複硼化物が緻密に、かつ、均一に分散した
状態を呈している。
【0054】この場合の試験片被覆層の硬度はビッカー
ス硬度で960であり、上記のようにして得られた被覆
層を形成した試験片を470℃のZn−0.15重量%
Al組成の溶融亜鉛浴中に96時間浸漬した後、10%
塩酸で酸洗いし、その腐食減量を測定したところ、1.
80mg/cm2 であり、一方、スガ式磨耗試験機を用
い、JIS H 8503 第9項に規定された試験方
法にしたがって、相手材はSiC研磨紙320番、試験
荷重は0.7kgf、往復回数は1600回として行っ
た耐摩耗性測定結果としては、1.71mg/cm2
磨耗減量しか得られず、本発明の有効性が立証された。
なお、溶融亜鉛中浸漬腐食試験には、公知の浸漬腐食試
験装置を使用した。
【0055】[実施例2]Cが0.50重量%であり、
Siが1.87重量%であり、Crが2.57重量%で
あり、Moが36.6重量%であり、Wが3.36重量
%であり、Bが3.76重量%であり、Niが1.52
重量%であり、Mnが0.37重量%であり、Cuが
0.47重量%であり、Feが1.37重量%であり、
残部がCoと不可避的不純物である組成の合金粉末を作
製した他は、実施例1と同様にして溶射、再溶融処理及
び仕上げ加工を行った場合、その硬度はビッカース硬度
で985であり、実施例1と同様にその腐食減量を測定
したところ、1.40mg/cm2 であり、一方、スガ
式磨耗試験機を用いて行った耐摩耗性測定結果として
は、1.55mg/cm2 の磨耗減量しか得られず、本
発明の有効性が立証された。
【0056】[実施例3]Cが0.71重量%であり、
Siが3.32重量%であり、Crが2.73重量%で
あり、Moが42.8重量%であり、Wが6.34重量
%であり、Bが4.05重量%であり、残部がCoと不
可避的不純物である組成の合金粉末を作製した他は、実
施例1と同様にして溶射、再溶融処理及び仕上げ加工を
行った場合、その硬度はビッカース硬度で1021であ
り、実施例1と同様にその腐食減量を測定したところ、
2.00mg/cm2 であり、一方、スガ式磨耗試験機
を用いて行った耐摩耗性測定結果としては、1.37m
g/cm2 の磨耗減量しか得られず、本発明の有効性が
立証された。
【0057】[実施例4]Cが0.80重量%であり、
Siが2.84重量%であり、Crが19.7重量%で
あり、Moが23.8重量%であり、Bが3.62重量
%であり、Niが1.69重量%であり、Mnが0.2
8重量%であり、Cuが0.42重量%であり、Feが
0.12重量%であり、残部がCoと不可避的不純物で
ある組成の合金粉末を作製した他は、実施例1と同様に
して溶射して被覆層を形成した。
【0058】そして、Ar雰囲気中で1250℃で30
分する再溶融処理を行い、自溶合金被覆層を形成し、さ
らに表面研磨や機械加工により酸化物を除去する仕上げ
加工を行って試験片を得た場合、その硬度はビッカース
硬度で976であり、実施例1と同様にその腐食減量を
測定したところ、0.29mg/cm2 であり、一方、
スガ式磨耗試験機を用いて行った耐摩耗性測定結果とし
ては、1.60mg/cm2 の磨耗減量しか得られず、
本発明の有効性が立証された。
【0059】[実施例5]Cが0.83重量%であり、
Siが1.79重量%であり、Crが14.3重量%で
あり、Moが20.4重量%であり、Wが4.79重量
%であり、Bが3.14重量%であり、Niが3.00
重量%であり、Mnが0.36重量%であり、Cuが
1.04重量%であり、残部がFeと不可避的不純物で
ある組成の合金粉末を作製した他は、実施例4と同様に
して溶射、再溶融処理及び仕上げ加工を行った場合、そ
の硬度はビッカース硬度で835であり、実施例1と同
様にその腐食減量を測定したところ、3.12mg/c
2 であり、一方、スガ式磨耗試験機を用いて行った耐
摩耗性測定結果としては、1.33mg/cm2 の磨耗
減量しか得られず、本発明の有効性が立証された。
【0060】[比較例1]Cが1.28重量%であり、
Siが2.76重量%であり、Crが19.0重量%で
あり、Wが14.5重量%であり、Bが2.55重量%
であり、Niが12.3重量%であり、Mnが0.12
重量%であり、Cuが0.34重量%であり、Feが
0.15重量%であり、残部がCoと不可避的不純物で
ある組成の市販の合金粉末を使用した他は、実施例1と
同様にして溶射、再溶融処理及び仕上げ加工を行った場
合、試験片の硬度はビッカース硬度で792でしかな
く、さらに、470℃のZn−0.15重量%Alの溶
融亜鉛浴中に72時間浸漬した後の腐食減量を測定した
ところ、12.10mg/cm2 もあり、一方、スガ式
磨耗試験機を用いて行った耐摩耗性測定結果としては、
2.50mg/cm2 の磨耗減量が示され、本発明に比
較してはるかに劣る性質の被膜層しか生成し得なかっ
た。
【0061】なお、図2に比較例1による場合のEPM
Aによる金属組織写真図を示すが、Co−Cr−Si−
Niの素地中にCr−W−Coよりなる微細な複硼化物
(写真中、黒い粒)と複炭化物(写真中、白い柱状粒)
が均一に分散しているものの、その量は実施例1に比較
して少なく、視野の中で前記素地の占める面積が多くな
っており、充分な溶融金属腐食耐性が得られていない。
【0062】[比較例2]Cが0.65重量%であり、
Siが1.81重量%であり、Crが27.4重量%で
あり、Moが9.80重量%であり、Wが3.99重量
%であり、Bが39重量%であり、Niが5.06重量
%であり、残部がCoと不可避的不純物である組成の合
金粉末を得た他は実施例1と同様にして溶射、再溶融処
理及び仕上げ加工を行った場合、その硬度はビッカース
硬度で710でしかなく、さらに、比較例1と同様にそ
の腐食減量を測定したところ、9.66mg/cm2
あり、一方、スガ式磨耗試験機を用いて行った耐摩耗性
測定結果としては、2.81mg/cm2 の磨耗減量が
示され、本発明に比較してはるかに劣る性質の被膜層し
か生成し得なかった。
【0063】[比較例3]Cが1.50重量%であり、
Siが1.20重量%であり、Crが30.4重量%で
あり、Moが0.01重量%であり、Wが8.20重量
%であり、Niが0.04重量%であり、Mnが0.6
6重量%であり、Feが0.01重量%であり、残部が
Coと不可避的不純物である組成の合金粉末をガスアト
マイズ法により80〜280メッシュに作製し、プラズ
マ粉体肉盛溶接により被覆層を形成した。その硬度はビ
ッカース硬度で520でしかなく、さらに、比較例1と
同様にその腐食減量を測定したところ、32.54mg
/cm2 もあり、一方、スガ式磨耗試験機を用いて行っ
た耐摩耗性測定結果としては、7.96mg/cm2
磨耗減量が示され、本発明に比較してはるかに劣る性質
の被膜層しか生成し得なかった。
【0064】[比較例4]Cが0.25重量%であり、
Siが2.00重量%であり、Crが27.2重量%で
あり、Moが4.88重量%であり、Niが2.84重
量%であり、Feが2.00重量%であり、残部がCo
と不可避的不純物である組成の合金粉末を比較例3と同
様にして作製し、プラズマ粉体肉盛溶接により被覆層を
形成した。その硬度はビッカース硬度で500でしかな
く、さらに、比較例1と同様にその腐食減量を測定した
ところ、13.56mg/cm2 もあり、一方、スガ式
磨耗試験機を用いて行った耐摩耗性測定結果としては、
8.35mg/cm2 の磨耗減量が示され、本発明に比
較してはるかに劣る性質の被膜層しか生成し得なかっ
た。
【0065】[比較例5]Cが0.97重量%であり、
Siが1.15重量%であり、Crが13.4重量%で
あり、Wが19.6重量%であり、Bが3.66重量%
であり、Niが3.42重量%であり、残部がFeと不
可避的不純物である組成の合金粉末を使用し、実施例1
と同様にして被覆層を形成した。そしてAr雰囲気の加
熱炉にて1250℃にて30分保持する再溶融処理を行
って自溶合金被覆層とし、表面研磨や機械加工で酸化物
を除去する仕上げ加工を行って試験片とした。その硬度
はビッカース硬度で1041をしめしたものの、比較例
1と同様にその腐食減量を測定したところ、12.40
mg/cm2 もあり、一方、スガ式磨耗試験機を用いて
行った耐摩耗性測定結果としては、1.23mg/cm
2 の磨耗減量が示され、本発明に比較して劣る性質の被
膜層しか生成し得なかった。
【0066】[比較例6]Siが2.60重量%であ
り、Crが8.8重量%であり、Moが31.3重量%
であり、残部がCoと不可避的不純物である組成の合金
線材を用いて爆発溶射により被覆層を形成した他は実施
例1と同様にして行った。被覆層の硬度はビッカース硬
度で458を示したに止まり、比較例1と同様にその腐
食減量を測定したところ、1.50mg/cm2 であっ
たものの、一方、スガ式磨耗試験機を用いて行った耐摩
耗性測定結果としては、12.76mg/cm2 の磨耗
減量が示され、本発明に比較して劣る性質の被膜層しか
生成し得なかった。
【0067】[比較例7]Siが1.30重量%であ
り、Crが18.2重量%であり、Wが21.8重量%
であり、Bが3.5重量%であり、残部がFeと不可避
的不純物である組成の合金粉末を得て、粉体プラズマ肉
盛溶接により被覆層を形成した。被覆層の硬度はビッカ
ース硬度は521を示したにすぎず、比較例1と同様に
その腐食減量を測定したところ、4.83mg/cm2
もあり、一方、スガ式磨耗試験機を用いて行った耐摩耗
性測定結果としては、15.68mg/cm2 の磨耗減
量が示され、本発明に比較してはるかに劣る性質の被膜
層しか生成し得なかった。
【0068】以上に示したように、本発明による場合は
溶融金属による腐食減量が少なく、また硬度は高く、耐
摩耗性も良好な結果が得られている。
【0069】これらの結果をまとめて、表1に使用材料
の化学組成を、また、表2に以上の試験結果をそれぞれ
まとめて表示する。
【0070】
【表1】 化 学 組 成 例 示 No C Si Cr Mo W B Ni Mn Cu Fe Co 実 1 1.08 2.90 22.0 17.2 4.06 3.05 1.59 0.19 0.44 -- 残 2 0.50 1.87 2.57 36.6 3.36 3.76 1.52 0.37 0.47 1.37 残 施 3 0.71 3.32 2.73 42.8 6.34 4.05 -- -- -- -- 残 4 0.80 2.84 19.7 23.8 -- 3.62 1.69 0.28 0.42 0.12 残 例 5 0.83 1.79 14.3 20.4 4.79 3.14 3.00 0.36 1.04 残 -- 1 1.28 2.76 19.0 -- 14.5 2.55 12.3 0.12 0.34 0.15 残 比 2 0.65 1.81 27.4 9.80 3.99 3.39 5.06 -- -- -- 残 3 1.50 1.20 30.4 0.01 8.20 -- 0.04 0.66 -- 0.01 残 較 4 0.25 2.00 27.2 4.88 -- -- 2.84 -- -- 2.00 残 5 0.97 1.15 13.4 -- 19.6 3.66 3.42 -- -- 残 -- 例 6 -- 2.60 8.8 31.3 -- -- -- -- -- -- 残 7 -- 1.30 18.2 -- 21.8 3.30 -- -- -- 残 --
【0071】
【表2】 例 硬さ 溶融亜鉛 耐摩耗性 合金の種類 被覆方法 腐食耐性 磨耗減量 示 No (Hv) 腐食減量 (mg/cm2) (mg/cm2) 実 1 960 1.80 1.71 Co基自溶合金 自溶合金溶射 2 985 1.40 1.55 Co基自溶合金 自溶合金溶射 施 3 1021 2.00 1.37 Co基自溶合金 自溶合金溶射 4 976 0.29 1.60 Co基自溶合金 自溶合金溶射 例 5 835 3.12 1.33 Fe基自溶合金 自溶合金溶射 1 792 12.10 2.50 JIS MSFCo2相当合金 自溶合金溶射 比 2 710 9.66 2.81 JIS MSFCo1相当合金 自溶合金溶射 3 520 32.54 7.96 ステライト合金#12 フ゜ラス゛マ粉体肉盛溶接 較 4 500 13.56 8.35 ステライト合金#21 フ゜ラス゛マ粉体肉盛溶接 5 1041 12.40 1.23 Fe基自溶合金 自溶合金溶射 例 6 458 1.50 12.76 Co基自溶合金 爆発溶射 7 521 4.83 15.68 Fe基自溶合金 フ゜ラス゛マ粉体肉盛溶接
【0072】
【発明の効果】本発明による場合には、被覆層素地中に
緻密な組織が均一に分散された溶融金属浸漬部材の製造
を容易にし、耐蝕性高く、耐摩耗性にも優れた被覆層を
容易に生産できる被覆材料とこの材料を用いた被覆部材
を提供することによって、各種の溶融金属浴浸漬部材の
寿命を大幅に延長し、表面処理鋼板の生産性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1になる被覆層断面のEPMAによる金
属組織写真(400倍)である。
【図2】比較例1になる被覆層断面のEPMAによる金
属組織写真(400倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 30/00 B (72)発明者 岩本 隆明 大阪府茨木市安威2丁目20番11号 大阪ウ ェルディング工業株式会社内 (72)発明者 島谷 竜男 東京都港区新橋5丁目11番3号 住友金属 鉱山株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であ
    り、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜2
    4.0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、
    Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%で
    あり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
    0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、Fe
    が0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避的不
    純物である組成物からなることを特徴とする被覆用材
    料。
  2. 【請求項2】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であ
    り、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜2
    4.0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、
    Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%で
    あり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
    0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、Fe
    が0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避的不
    純物である粉末組成物からなり、粒度が120〜350
    メッシュに分級され、溶射被覆に使用されることを特徴
    とする被覆用材料。
  3. 【請求項3】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であ
    り、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜2
    4.0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、
    Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%で
    あり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
    0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、Fe
    が0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避的不
    純物である組成物によって表面が被覆されていることを
    特徴とする金属浴浸漬用部材。
  4. 【請求項4】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であ
    り、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜2
    4.0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、
    Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%で
    あり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
    0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、Fe
    が0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避的不
    純物である組成物であり、かつ、CrとMoとWとの合
    計が38.0〜53.0%であることを特徴とする被覆
    用材料。
  5. 【請求項5】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であ
    り、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜2
    4.0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、
    Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%で
    あり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
    0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、Fe
    が0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避的不
    純物である粉末組成物であり、かつ、CrとMoとWと
    の合計が38.0〜53.0%であり、粒度が120〜
    350メッシュに分級され、溶射被覆に使用されること
    を特徴とする被覆用材料。
  6. 【請求項6】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であ
    り、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜2
    4.0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、
    Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%で
    あり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
    0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、Fe
    が0.1〜2.0%であり、残部がCo及び不可避的不
    純物であり、かつ、CrとMoとWとの合計が38.0
    〜53.0%である組成物によって表面が被覆されてい
    ることを特徴とする金属浴浸漬用部材。
  7. 【請求項7】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であ
    り、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜2
    4.0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、
    Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%で
    あり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
    0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、残部
    がFe及び不可避的不純物である組成物であり、かつ、
    CrとMoとWとの合計が38.0〜53.0%である
    ことを特徴とする被覆用材料。
  8. 【請求項8】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であ
    り、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜2
    4.0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、
    Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%で
    あり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
    0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、残部
    がFe及び不可避的不純物である粉末組成物であり、か
    つ、CrとMoとWとの合計が38.0〜53.0%で
    あり、粒度が120〜350メッシュに分級され、溶射
    被覆に使用されることを特徴とする被覆用材料。
  9. 【請求項9】 重量%にて、Cが0.3〜1.5%であ
    り、Siが1.5〜3.5%であり、Crが2.0〜2
    4.0%であり、Moが10.0〜45.0%であり、
    Wが3.0〜7.0%であり、Bが2.5〜4.5%で
    あり、Niが1.0〜4.0%であり、Mnが0.1〜
    0.5%であり、Cuが0.3〜1.2%であり、残部
    がFe及び不可避的不純物であり、かつ、CrとMoと
    Wとの合計が38.0〜53.0%である組成物によっ
    て表面が被覆されていることを特徴とする金属浴浸漬用
    部材。
JP11018594A 1994-04-27 1994-04-27 被覆用材料及びこの材料が被覆された金属浴浸漬用部材 Pending JPH07300642A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11018594A JPH07300642A (ja) 1994-04-27 1994-04-27 被覆用材料及びこの材料が被覆された金属浴浸漬用部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11018594A JPH07300642A (ja) 1994-04-27 1994-04-27 被覆用材料及びこの材料が被覆された金属浴浸漬用部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07300642A true JPH07300642A (ja) 1995-11-14

Family

ID=14529205

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11018594A Pending JPH07300642A (ja) 1994-04-27 1994-04-27 被覆用材料及びこの材料が被覆された金属浴浸漬用部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07300642A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030052905A (ko) * 2001-12-21 2003-06-27 재단법인 포항산업과학연구원 용융금속 도금용 침지롤 저널베어링
KR100457238B1 (ko) * 2000-12-22 2004-11-16 주식회사 포스코 용융금속 도금설비용 저널베어링 제조방법
EP1704263A2 (en) * 2003-12-29 2006-09-27 Deloro Stellite Holdings Corporation Ductile cobalt-based laves phase alloys
JP2008501073A (ja) * 2004-05-28 2008-01-17 プラックセアー エス.ティ.テクノロジー、 インコーポレイテッド 耐摩耗性合金粉末および被覆
KR100816055B1 (ko) * 2006-12-28 2008-03-21 현대하이스코 주식회사 내마모성이 우수한 용융아연도금라인의 싱크 로울러축지지용 베어링부
JP2010099693A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Sumitomo Heavy Ind Ltd 耐磨耗性ライニング層の製造方法および複合シリンダ
EP2535434A1 (en) * 2011-06-17 2012-12-19 Deloro Stellite Holdings Corporation Wear resistant inner coating for pipes and pipe fittings
JP2013128976A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Shin Nippon Yogyo Kk 硬化肉盛用溶接材料とそれによる肉盛溶接層を有する機械部品
WO2014050082A1 (ja) * 2012-09-27 2014-04-03 Jfeスチール株式会社 スナウト内異物排出装置
CN104404388A (zh) * 2014-10-31 2015-03-11 武汉科技大学 一种陶瓷钢复合材料及其制备方法
JP2019177393A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 トヨタ自動車株式会社 肉盛用合金粉末およびこれを用いた組み合わせ構造
CN113278960A (zh) * 2020-12-11 2021-08-20 中国南方电网有限责任公司超高压输电公司柳州局 一种新型等离子堆焊Fe-Mo2FeB2过渡层的制备方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100457238B1 (ko) * 2000-12-22 2004-11-16 주식회사 포스코 용융금속 도금설비용 저널베어링 제조방법
KR20030052905A (ko) * 2001-12-21 2003-06-27 재단법인 포항산업과학연구원 용융금속 도금용 침지롤 저널베어링
EP1704263A2 (en) * 2003-12-29 2006-09-27 Deloro Stellite Holdings Corporation Ductile cobalt-based laves phase alloys
EP1704263A4 (en) * 2003-12-29 2009-06-03 Deloro Stellite Holdings Corp DUCTILE LAVES PHASE ALLOYS ON COBALT BASE
JP2008501073A (ja) * 2004-05-28 2008-01-17 プラックセアー エス.ティ.テクノロジー、 インコーポレイテッド 耐摩耗性合金粉末および被覆
KR100816055B1 (ko) * 2006-12-28 2008-03-21 현대하이스코 주식회사 내마모성이 우수한 용융아연도금라인의 싱크 로울러축지지용 베어링부
JP2010099693A (ja) * 2008-10-23 2010-05-06 Sumitomo Heavy Ind Ltd 耐磨耗性ライニング層の製造方法および複合シリンダ
US8962154B2 (en) 2011-06-17 2015-02-24 Kennametal Inc. Wear resistant inner coating for pipes and pipe fittings
EP2535434A1 (en) * 2011-06-17 2012-12-19 Deloro Stellite Holdings Corporation Wear resistant inner coating for pipes and pipe fittings
JP2013128976A (ja) * 2011-12-22 2013-07-04 Shin Nippon Yogyo Kk 硬化肉盛用溶接材料とそれによる肉盛溶接層を有する機械部品
JP2014065950A (ja) * 2012-09-27 2014-04-17 Jfe Steel Corp スナウト内異物排出装置
WO2014050082A1 (ja) * 2012-09-27 2014-04-03 Jfeスチール株式会社 スナウト内異物排出装置
CN104404388A (zh) * 2014-10-31 2015-03-11 武汉科技大学 一种陶瓷钢复合材料及其制备方法
JP2019177393A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 トヨタ自動車株式会社 肉盛用合金粉末およびこれを用いた組み合わせ構造
CN113278960A (zh) * 2020-12-11 2021-08-20 中国南方电网有限责任公司超高压输电公司柳州局 一种新型等离子堆焊Fe-Mo2FeB2过渡层的制备方法
CN113278960B (zh) * 2020-12-11 2022-11-08 中国南方电网有限责任公司超高压输电公司柳州局 一种新型等离子堆焊Fe-Mo2FeB2过渡层的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6027583A (en) Material in powder or wire form on a nickel basis for a coating and processes and uses therefor
EP0223202B1 (en) Iron alloy containing molybdenum, copper and boron
US7645493B2 (en) Composite wires for coating substrates and methods of use
EP1485220B1 (en) Corrosion resistant powder and coating
CN101326309B (zh) 热喷涂布辊
JPH07300642A (ja) 被覆用材料及びこの材料が被覆された金属浴浸漬用部材
JP2904809B2 (ja) 溶融亜鉛めっき熱延鋼板の製造方法
JPS61272358A (ja) 軸受材料の製造方法
JP2978384B2 (ja) 熱間圧延用ロール材
JPH08325698A (ja) 連続溶融金属めっき浴中ロール軸部材用被覆材料
JPH08296023A (ja) 被覆用材料およびこの材料が被覆された金属浴浸漬用部材
JP2610626B2 (ja) 耐食、耐摩耗性に優れた溶融亜鉛メッキ用浴中浸漬部材
EP0552194A4 (en) Nickel or cobalt based cermet with dispersed niobium carbide
JPH10195547A (ja) 耐摩耗性、耐ビルドアップ性に優れたハースロールおよびその製造方法
KR100529064B1 (ko) 내마모성이 우수한 냉연 롤 제조방법
JP3664450B2 (ja) フロートガラス製造用ロール
JPH11267731A (ja) 熱延工場用ロールおよびローラー
JPH06116703A (ja) 耐熱耐摩耗性ハースロール
JP4774786B2 (ja) 炉内構造物被覆用溶射被膜およびその形成方法
JPH02125833A (ja) 溶融亜鉛メッキ浴中浸漬部材及びその製造方法
KR101194459B1 (ko) 용융 아연도금 욕조 부재용 코팅조성물의 코팅방법 및 코팅부재
JPS60216906A (ja) 肉盛ロ−ルおよびその製造方法
JP2825675B2 (ja) 加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP3207958B2 (ja) 複合Al合金めっき鋼板及びその製造方法
JPS60128257A (ja) 耐摩耗性及び耐食性コ−テイング及びその製造方法