JP2610553B2 - エンジンの始動制御装置 - Google Patents

エンジンの始動制御装置

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JP2610553B2
JP2610553B2 JP33658291A JP33658291A JP2610553B2 JP 2610553 B2 JP2610553 B2 JP 2610553B2 JP 33658291 A JP33658291 A JP 33658291A JP 33658291 A JP33658291 A JP 33658291A JP 2610553 B2 JP2610553 B2 JP 2610553B2
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充 宮田
智之 広瀬
晃彦 隠田
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セルフスタータと手動
式スタータとの両方を備えると共に、燃料供給が電子制
御されるエンジンにおいて、始動時のバッテリ電圧低下
による始動性の悪化を防止し得る始動制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エンジンへの燃料供給を電子制御する装
置として、エンジンの吸入空気量又は吸入負圧を検出
し、これらとエンジン回転速度とに基づいてエンジンへ
の燃料供給量を演算し、該演算された燃料供給量に対応
する駆動パルス信号を燃料噴射弁に出力し、燃料噴射弁
による燃料噴射量を電子制御するよう構成されたものが
知られている(特開昭57−68533号公報等参
照)。
【0003】また、エンジンを始動させるための装置と
して、バッテリを電源として駆動されるスタータモータ
によってエンジンを始動させるセルフスタータと、プー
リに巻回させた紐を手動によって引っ張ってエンジンを
始動させる手動式スタータとがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
に燃料供給を電子制御する場合に一般的に用いられるマ
イクロコンピュータを内蔵した制御ユニットにおいて
は、正常動作に必要な電圧(以下、動作下限電圧とい
う。)があり、この動作下限電圧を下回ると、通常に燃
料供給を制御できなくなってしまう。
【0005】一方、上記のセルフスタータは、前述のよ
うにバッテリを電源とするスタータモータによってエン
ジンを始動させるものであるから、スタータモータの駆
動によるバッテリ電圧の低下が避けられない。このた
め、バッテリが劣化しているときや長期放置後の始動時
で、バッテリ電圧が前記動作下限電圧付近であるときに
は、スタータモータを用いたセルフスタータによる始動
によってバッテリ電圧が前記動作下限電圧を下回ってし
まうと、制御ユニットの作動が停止してしまって燃料噴
射が行なわれず、始動不能となってしまうことがあっ
た。
【0006】更に、上記のようにセルフスタータを用い
た始動に失敗すると、スタータモータを駆動させたこと
によって更にバッテリ電圧が低下し、その後手動式スタ
ータに切り換えても、バッテリ電圧が前記動作下限電圧
以下であるために始動不可能となってしまう惧れもあっ
た。本発明は上記問題点に鑑みなさたものであり、セル
フスタータと手動式スタータとの両方を備えたエンジン
において、燃料供給を電子制御する制御ユニットの動作
下限電圧以下にバッテリ電圧が低下してしまうことを確
実に回避しつつ始動動作を行なわせることが可能な始動
制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのため本発明にかかる
エンジンの始動制御装置は、バッテリを電源とするスタ
ータモータを用いるセルフスタータと手動式スタータと
の両方を備えると共に、前記バッテリを電源としてエン
ジンへの燃料供給を電子制御する制御ユニットを備えた
エンジンの始動制御装置であって、図1に示すように構
成される。
【0008】図1において、バッテリ電圧検出手段は、
バッテリの電圧を検出する手段であり、また、警告手段
は、セルフスタータに代えて手動式スタータによる始動
を促す警告を発する手段であり、更に、セルフスタータ
遮断手段は、セルフスタータへの通電回路を強制的に遮
断する手段である。そして、スタータ選択手段は、バッ
テリ電圧検出手段で検出されたバッテリの電圧が基準電
圧未満であるときに、前記警告手段及びセルフスタータ
遮断手段を作動させ、セルフスタータによる始動を禁止
し手動式スタータによる始動を促す。
【0009】ここで、前記スタータ選択手段が、キース
イッチがオンされたときに検出されたバッテリ電圧が第
1基準電圧未満であるときに、警告手段及びセルフスタ
ータ遮断手段を作動させてセルフスタータによる始動を
禁止し、第1基準電圧以上であるときにセルフスタータ
による始動を許可する一方、セルフスタータによる始動
動作中において検出されたバッテリ電圧が前記第1基準
電圧よりも低い第2基準電圧を下回ったときに直ちに警
告手段及びセルフスタータ遮断手段を作動させてセルフ
スタータによる始動を中断させるよう構成すると良い。
【0010】
【作用】かかる構成によると、バッテリ電圧が基準電圧
未満になると、セルフスタータへの通電回路が強制的に
遮断されてしまうから、バッテリを電源とするスタータ
モータが駆動されてバッテリ電圧を低下させてしまうこ
とが回避される。また、上記のように、セルフスタータ
への通電回路が強制的に遮断されるときには、同時に、
セルフスタータに代えて手動式スタータによる始動を促
す警告が発せられるから、かかる警告に従って手動式ス
タータにより始動操作を行なわせることができる。
【0011】また、前記基準電圧として、第1基準電圧
とこの第1基準電圧よりも低い第2基準電圧とが設定さ
れ、キースイッチがオンされたときに第1基準電圧より
もバッテリ電圧が高ければセルフスタータによる始動を
可能とするが、第1基準電圧よりも高くセルフスタータ
による始動動作を開始してから、前記第2基準電圧を下
回るようになると、直ちにセルフスタータへの通電が遮
断され、代わりに手動式スタータを用いるように警告さ
れる。
【0012】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
のシステム概略を示す図2において、マイクロコンピュ
ータを内蔵した制御ユニット1は、エンジン2への燃料
供給を電子制御すべく設けられたものである。
【0013】ここで、前記制御ユニット1には、エアフ
ローメータ3(又は吸入負圧センサ),クランク角セン
サ4,水温センサ5等の各種センサからの検出信号が入
力されるようになっており、エアフローメータ3で検出
される吸入空気流量と、クランク角センサ4からの検出
信号に基づき算出されるエンジン回転速度とに基づいて
基本燃料噴射量Tpを演算する一方、この基本燃料噴射
量Tpを水温センサ5で検出される冷却水温度などのエ
ンジン運転条件に応じて適宜補正して最終的な燃料噴射
量Tiを設定し、この燃料噴射量Tiに対応するパルス
幅の駆動信号を電磁式の燃料噴射弁6に所定タイミング
で出力する電子制御燃料噴射用の制御ユニットであり、
イグニッションキースイッチ7を介して接続されるバッ
テリ8を電源として動作する。
【0014】尚、前記制御ユニット1には、前記バッテ
リ8の電圧を検出するためのハードウェア構成が備えら
れているものとする。従って、本実施例において、前記
制御ユニット1は、バッテリ電圧検出手段を兼ねること
になる。また、制御ユニット1には、スタータスイッチ
9のオン・オフ信号が入力されるようになっている一
方、制御ユニット1からの制御信号に応じてオン・オフ
されるスタータリレー10が設けられており、前記スター
タスイッチ9のオン・オフに応じて後述するようにスタ
ータリレー10を制御するようにしている。前記スタータ
リレー10は、スタータモータ11への通電をオン・オフす
るリレーであり、かかる構成によりスタータスイッチ9
のオン・オフに対して独立してスタータモータ11をオン
・オフ制御できるようにしてある。従って、前記スター
タリレー10が本実施例におけるセルフスタータ遮断手段
に相当する。
【0015】前記スタータモータ11は、フライホイール
12を回転駆動させるためのものであり、フライホイール
12の外周に形成した歯と、スタータモータ1によって回
転駆動されるギヤとの噛み合わせを選択的に行なわせる
ためのマグネットスイッチ11aを備える。上記のように
本実施例のエンジン2は、スタータモータ11により始動
を行なうセルフスタータ13を備えているが、手動によっ
てエンジン2を始動させるための手動式スタータ14も同
時に備えている。
【0016】前記手動式スタータ14は、始動用プーリ15
に巻回させたロープ16を手動で引っ張ることで、始動用
プーリ15を回転させ、以て、エンジン2を手動で回転さ
せるものである。また、セルフスタータ13に代えて手動
式スタータ14による始動を運転者に促すための警告手段
としての警告ランプ17が設けられており、この警告ラン
プ17は前記制御ユニット1からの信号によって点灯制御
される。
【0017】ここで、前記制御ユニット1は、図3のフ
ローチャートに示すようにして前記スタータリレー10の
オン・オフを制御すると共に、前記警告ランプ17の点灯
を制御する。尚、本実施例において、スタータ選択手段
としての機能は、前記図3のフローチャートに示すよう
に制御ユニット1がソフトウェア的に備えている。図3
のフローチャートは、イグニッションキースイッチ7が
オンされて制御ユニット1に対して電源が投入されたと
きに実行されるようになっており、まず、ステップ1
(図中ではS1としてある。以下同様)では、現在のバ
ッテリ8の電圧VB(始動開始前の電圧VB)が、制御
ユニット1が正常に動作し得る最低電圧(以下、動作下
限電圧という。)よりも高い第1基準電圧V1よりも高
いか否かを判別する。
【0018】第1基準電圧V1よりも実際のバッテリ電
圧VBが高い場合には、セルフスタータ13による始動を
許可できるものと判断するが、第1基準電圧V1よりも
バッテリ電圧VBが低いときには、現状の電圧状態でス
タータモータ11を動作させることは、直ちに制御ユニッ
ト1の動作下限電圧を確保できなくなる惧れがあるもの
と判断する。
【0019】上記判断に基づき、バッテリ電圧VBが第
1基準電圧V1よりも低いときには、ステップ2へ進
み、スタータリレー10のオフ状態を保持させると共に、
警告ランプ17を点灯させ、運転者にバッテリ電圧VBが
低いために、セルフスタータ13ではなく手動式スタータ
14を始動に用いることが必要であることを警告する。こ
こで、運転者が前記警告を無視してスタータスイッチ9
をオンさせても、前述のようにスタータリレー10がオフ
に保持されてスタータモータ11への通電回路が強制的に
遮断されるから、セルフスタータ13が使用されてバッテ
リ電圧VBが動作下限電圧よりも低下してしまうことを
確実に回避できる。
【0020】警告ランプ17の点灯によって手動式スター
タ14の使用を促された運転者が、かかる警告に従って手
動式スタータ14によってエンジン2を始動させれば、ス
タータモータ11を駆動させることによってバッテリ電圧
VBが動作下限電圧よりも低くなってしまって、制御ユ
ニット1による燃料供給制御が不能になることを回避で
き、少なくとも制御ユニット1が正常に燃料供給を制御
し得る状態で始動を行なわせることができる。
【0021】一方、ステップ1でバッテリ電圧VBが第
1基準電圧V1よりも高いと判別されたときには、ステ
ップ3へ進み、運転者によって操作されるスタータスイ
ッチ9のオン・オフを判断する。そして、スタータスイ
ッチ9がオフ状態であるときには、ステップ4へ進んで
エンジン2が完爆しているか否かを回転速度の検出値な
どに基づいて判断し、完爆している場合には、手動式ス
タータ14によって始動が行なわれたものと推定してその
まま本プログラムを終了させる。また、完爆していない
場合には、再びステップ1に戻って第1基準電圧V1と
バッテリ電圧VBとの比較を行なわせる。
【0022】バッテリ電圧VBが第1基準電圧V1を上
回る状態でスタータスイッチ9がオンされると、ステッ
プ5へ進み、スタータリレー10をオンさせてスタータモ
ータ11を駆動させる。そして、スタータモータ11のオン
状態においては、次のステップ6でバッテリ電圧VBが
前記第1基準電圧V1よりも低く動作下限電圧よりも高
い第2基準電圧V2よりも低いか否かを判別する。
【0023】スタータモータ11の駆動によって、第1基
準電圧V1よりも高かったバッテリ電圧VBが、第2基
準電圧V2よりも低下してしまった場合には、スタータ
モータ11の駆動をそのまま継続させると、バッテリ電圧
VBが動作下限電圧以下に落ち込んでしまう惧れがある
ものと判断し、前述のステップ2へ進む。従って、一旦
スタータモータ11を駆動させての始動が開始されても、
バッテリ電圧VBが降下して第2基準電圧V2を下回る
ようになると、直ちにスタータリレー10がオフされてス
タータモータ11への通電が遮断され、それ以上のバッテ
リ電圧VBの低下を回避する(図4参照)。
【0024】運転者は、スタータスイッチ9をオンさせ
ている途中で、スタータモータ11の駆動が強制的に停止
され、警告ランプ17が点灯することによって、スタータ
モータ11の駆動によって動作下限電圧に近づきつつある
ために手動式スタータ14による始動が必要であることを
認識できることになる。従って、前記警告に促されてセ
ルフスタータ13による始動を諦め、手動式スタータ14に
よる始動に切り換えれば、制御ユニット1が正常に燃料
供給を制御し得る状態で始動を行なわせることができ
る。
【0025】ステップ6でバッテリ電圧VBが第2基準
電圧V2よりも高いと判別される状態(バッテリ電圧V
Bがセルフスタータ13による始動に耐え得る状態)のと
きには、ステップ7へ進み、継続してスタータスイッチ
9がオンされているか否かを判別し、オン状態が継続し
ているときには、ステップ6へ戻ってバッテリ電圧VB
の監視を行いつつ、スタータモータ11の駆動(スタータ
リレー10のオン状態)を継続させる。
【0026】一方、ステップ7でスタータスイッチ9が
オフされたと判別されると、ステップ8へ進んでスター
タリレー10をオンして、スタータモータ11への通電を遮
断する。尚、基準電圧V1,V2とバッテリ電圧VBと
の比較に基づいて、セルフスタータによる始動を行なう
べきでないと判断し、スタータリレー10をオフ状態にし
たときには、イグニッションキースイッチ7がオフされ
るまで、前記判断を継続させてスタータリレー10をオフ
状態に保持させるようにすることが望ましい。
【0027】また、本実施例における手動式スタータ
は、引っ張りロープを備える構成としたが、この他、手
回しクランクを有するものや、足踏みレバーを有するも
のであっても良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、セ
ルフスタータと手動式スタータとを備えたエンジンにお
いて、スタータモータを用いるセルフスタータによる始
動によって、バッテリ電圧が燃料の電子制御が不能にな
る電圧まで低下することを未然に防止することができ、
以て、始動時の燃料供給制御を正常に行なわせ、始動性
を改善できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例のシステム概略図。
【図3】実施例における始動制御の様子を示すフローチ
ャート。
【図4】実施例における電圧比較の様子を示す線図。
【符号の説明】
1 制御ユニット 2 エンジン 6 燃料噴射弁 7 イグニッションキースイッチ 8 バッテリ 9 スタータスイッチ 10 スタータリレー 11 スタータモータ 13 セルフスタータ 14 手動式スタータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−165536(JP,A) 特開 昭57−68533(JP,A) 特開 昭50−132333(JP,A) 実開 平2−132853(JP,U) 実公 昭44−19207(JP,Y1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッテリを電源とするスタータモータを用
    いるセルフスタータと手動式スタータとの両方を備える
    と共に、前記バッテリを電源としてエンジンへの燃料供
    給を電子制御する制御ユニットを備えたエンジンの始動
    制御装置であって、 前記バッテリの電圧を検出するバッテリ電圧検出手段
    と、 前記セルフスタータに代えて手動式スタータによる始動
    を促す警告を発する警告手段と、 前記セルフスタータへの通電回路を強制的に遮断するセ
    ルフスタータ遮断手段と、 前記バッテリ電圧検出手段で検出されたバッテリの電圧
    が基準電圧未満であるときに、前記警告手段及びセルフ
    スタータ遮断手段を作動させ、セルフスタータによる始
    動を禁止し手動式スタータによる始動を促すスタータ選
    択手段と、 を含んで構成されたエンジンの始動制御装置。
  2. 【請求項2】前記スタータ選択手段が、キースイッチが
    オンされたときに検出されたバッテリ電圧が第1基準電
    圧未満であるときに、警告手段及びセルフスタータ遮断
    手段を作動させてセルフスタータによる始動を禁止し、
    第1基準電圧以上であるときにセルフスタータによる始
    動を許可する一方、セルフスタータによる始動動作中に
    おいて検出されたバッテリ電圧が前記第1基準電圧より
    も低い第2基準電圧を下回ったときに直ちに前記警告手
    段及びセルフスタータ遮断手段を作動させてセルフスタ
    ータによる始動を中断させるよう構成された請求項1記
    載のエンジンの始動制御装置。
JP33658291A 1991-12-19 1991-12-19 エンジンの始動制御装置 Expired - Lifetime JP2610553B2 (ja)

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JPH05172021A JPH05172021A (ja) 1993-07-09
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