JP2608914B2 - シート感材の給紙装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新聞ファックスやCTSでプロッターにおい
て、シート感材が納まっているマガジンボックスからシ
ート感材を１枚ずつ取り出し、例えば、搬送ローラに受
け渡すことを可能にしたシート感材の給紙装置に関す
る。

従来の技術 一般に新聞ファックス、CTSプロッター等において、
フイルムや印画紙等のシート感材の供給には、通常多数
のシート感材を収納したマガジンボックスを使用してい
る。第５図はマガジンボックスを使用した従来のシート
感材の給紙装置の１例を示すもので、１は多数のシート
感材２を収容したマガジンボックスである。このマガジ
ンボックス１は、シート感材２を載せる可動底板３と、
その下に設けられた複数の圧縮コイルスプリング４と、
先端上面に設けられた先端爪５とを有しており、シート
感材２を圧縮コイルスプリング４の作用で先端爪５に押
しつけ、収容したシート感材２の量に関係なく、最上部
のシート感材が常に先端爪５で定まる一定高さに保つ構
成となっている。

このマガジンボックス１からシート感材２を１枚ずつ
引き出し、一対の搬送ローラ6A、6B（一部のみ図示）に
供給するための給紙装置７は、複数の真空パッド８と、
その真空パッド８を保持したパッド取付板９と、パッド
取付板９を支軸10によって回動可能に保持したパッド駆
動ディスク11と、本体壁板12に回転可能に保持され、パ
ッド駆動ディスク11を固定保持したパッド駆動シャフト
13と、パッド駆動シャフト13を正逆回転させるモータ14
と、パッド駆動ディスク11の近傍で本体壁板12に固定し
て設けられたカム板15と、このカム板15に接触可能なよ
うにパッド取付板９に取付けられたガイド軸16と、ガイ
ド軸16がカム15に接触するようにパッド取付板９を引っ
張るコイルスプリング17と、パッド駆動シャフト13に取
付けられた２枚の位置決めディスク18,19と、各位置決
めディスク18,19に対応して設けられた反射型センサ20,
21等を有している。

この給紙装置７によるシート感材給紙動作は次のよう
に行われる。すなわち、モータ14によってパッド駆動デ
ィスク11が矢印Ａ方向に回転する。この回転により、パ
ッド取付板９及びそれに保持された真空パッド８が、そ
の姿勢をカム板15及びガイド軸16によって規制されなが
ら降下し、マガジンボックス１内の最上部のシート感材
２に接触してこれを吸着保持し、次いで、モータ14の逆
回転によりパッド駆動ディスク11が矢印Ｂ方向に回転し
てパッド取付板９を上昇させ、吸着パッド８で保持した
シート感材をマガジンボックス１から取り出し、搬送ロ
ーラ6A,6B間に供給する。ここで、パッド駆動ディスク1
1が矢印Ａ方向に回転して停止する位置（真空パッド８
がマガジンボックス１内の最上部のシート感材を吸着す
る位置）は、位置決めディスク18と反射型センサ20によ
って検出し、また、パッド駆動ディスク11が矢印Ｂ方向
に回転して停止する位置（真空パッド８で保持したシー
ト感材を搬送ローラ6A,6Bに受け渡す位置）は、位置決
めディスク19と反射型センサ21によって検出している。

なお、真空パッド８で吸着したシート感材２を取り出
す際、その下のシート感材がくっついて供給されるのを
防ぐため、シート感材間に圧縮空気を吹き込み、シート
感材間をさばくように構成したものもある。

発明が解決しようとする課題 しかし、かかる構成によれば、 マガジンボックスに複数の圧縮スプリングと可動底
板を装備しなければならず、このため人が持ち運びする
マガジンボックスが複雑になり、重くなる、 真空パッドの吸着位置（モータ14の反転位置）が位
置決めディスク18と反射型センサ20に依存しているた
め、位置の変化により吸着、搬送不良となることがあ
る。

一つのパッド取付板に複数の真空パッドを取付けて
いるが、各真空パッドの下端位置を正確に取り付けるこ
とが困難であり、もし取付位置の悪い真空パッドがある
とその真空パッドでは吸着不良を生じることがある等の
問題があった。

なお、圧縮スプリングや可動底板を設けないマガジン
ボックスからシートを取り出すシート取出機構は従来よ
り知られており、例えば特開昭59−82235号公報に開示
されている。この公報に開示の装置は、第６図に示すよ
うに、真空パッド23を保持した第一アーム24と、その一
端にピン25Aによって回動可能に連結された第二アーム2
5と、第二アーム25の一端をピ26Aによって回動可能に保
持した第三アーム26と、第三アーム26をピン27Aによっ
て回動可能に保持したベース27と、引っ張りばね26B,27
Bと、ストッパー26C,26D,27Cと、モータＭと、モータＭ
の回転軸に取付けられたアーム28と、このアーム28と第
一アーム24とを連結するアーム29と、第一アーム24の先
端に保持されたローラ30と、定位置に設けられたガイド
31等を有しており、モータＭが矢印方向に回転する間
に、真空パッド23が、第７図で23₁〜23₇で示すように移
動し、マガジンボックス32内のシートを搬送ローラ33に
搬送するように構成したものである。なお、アーム29に
は伸張スプリングが内蔵されており、真空パッド23がマ
ガジンボックス32内の最上部のシートに押しつけられ、
それ以上移動出来なくなった後は、アーム29が縮むこと
によって真空パッド23とシートとの間に、過大な圧力が
加わらないように構成している。

しかしながら、この装置では、真空パッド23の移動に
複雑なリンク機構を必要としており、装置が複雑且つ大
型化する。しかも、真空パッドがシートに過大な圧力で
押しつけられるのを防ぐため、アーム29に伸張スプリン
グを内蔵しているが、アーム29が第一アーム23及びそれ
に関連した部品を移動させるためのものである以上、あ
まり弱いスプリングを使うことができず、真空パッドの
シートに対する押圧力はかなり大きくなってしまう。こ
のため、感材のように大きい接圧を嫌うシートに対して
使用するにはあまり好ましいとは言えない。

本発明は、上述の問題点に鑑みて為されたもので、ス
プリングや可動底板を使用しないマガジンボックスか
ら、内部のシート感材に対して過大な圧力を加えること
なく、確実にシート感材を引き出し所定位置に搬送する
ことの可能なシート感材の給紙装置を提供することを目
的とする。

課題を解決するための手段 本発明は上述の目的を達成するため、シート部材に対
して上下に伸縮可能な複数の真空パッドと、これらの複
数の真空パッドを互いに平行になるように整列して保持
したパッド取付板と、このパッド取付板を回動可能に保
持するパッド駆動ディスクと、このパッド駆動ディスク
を回転させる可逆回転モータと、前記パッド駆動ディス
クが回転する際に、前記パッド取付板の姿勢を規制する
カム機構と、前記真空パッドに真空を作用させる手段
と、前記真空パッドに連結された真空スイッチと、この
真空スイッチのオン、オフで前記可逆回転モータを制御
する制御手段とを有し、前記真空パッドが前記カム機構
により前記シート部材に対して略垂直姿勢を保持しつつ
揺動昇降する構成としたものである。

本発明は上述の構成であるので、可逆回転モータがパ
ッド駆動ディスクを一方向に回転させることにより、パ
ッド取付板を降下させそれに保持した真空パッドを下方
で待機しているシート感材に向かって降下させることが
できる。この真空パッドの降下の際、前記カム機構がパ
ッド取付板の姿勢を規制するので、最上面のシート感材
の位置に関わらず、真空パッドをシート感材位置まで降
下させ且つそのシート感材に対してほぼ垂直に接触させ
良好に吸引保持することができる。また、各真空パッド
は伸縮可能であるので、真空パッドがシート感材に接触
した後、パッド取付板が更に降下しても各真空パッドが
後退することによりシート感材に強い押圧力が作用する
ことがなく、全部の真空パッドで確実にシート感材を吸
着保持できる。このため、シート感材の最上面の位置を
必ずしも一定位置に保つ必要がなく、内部にばね、可動
底板を備えたマガジンボックスを使用する必要がなくな
る。

次に、各真空パッドがシート感材を吸着保持すると、
真空パッド内が真空になるので、真空スイッチが作動
し、可逆回転モータを逆転させる。これにより真空パッ
ドが上昇し、吸着保持したシート感材を取り出す。ここ
で、前記したように、真空パッドがシート感材に接触し
てそれを吸着すると同時に上昇するので、真空パッドが
シート感材に強く押しつけられることがなく、シート感
材を傷つけることがない。

実施例 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。第
１図〜第４図は、CTSプロッタ、新聞ファックス等のフ
イルムや印画紙等のシート感材の給紙装置に適用した本
発明の一実施例であり、第１図は全体を示す概略斜視
図、第２図は中央断面図、第３図は正面図、第４図は真
空パッドの移動状態を示す断面図である。第１図、第４
図において、35はマガジンボックス、36はその中に収納
されたシート感材である。ここで、マガジンボックス35
は単にシート感材36を収納したものであり、第５図に示
すように可動底板やばねを有していない。

37A,37Bはシート感材を送り出す搬送ローラであり、
第１図には一部のみを図示している。38はパッド取付板
であり、複数の真空パッド39を取付けている。この真空
パッド39はそれぞれが上下に伸縮可能であり、且つ圧縮
スプリング40で下方に、即ち伸び出す方向に付勢されて
いる。各真空パッド39には真空配管41が連結されてい
る。この真空配管41には真空スイッチ（図示せず）及び
真空源が接続されている。43は本体の壁板であり、パッ
ド駆動シャフト44を回転可能に保持している。このパッ
ド駆動シャフト44には、パッド駆動ディスク45が取付け
られている。パッド取付板38はこのパッド駆動ディスク
45に、その回転中心から離れた位置で、支軸46によって
回動可能に保持されており、且つコイルスプリング47に
よって矢印Ｃ方向に付勢されている。なお、図示は省略
しているが、パッド取付板38がパッド駆動ディスク45に
対して、第２図に示す位置よりも矢印Ｃ方向に移動する
ことがないように適当なストッパが設けられている。

49は本体の壁板43に取付けられたカム板であり、カム
面49aを有している。一方、パッド取付板38には、カム
面49aに接触しうる位置にガイド軸50が取付けられてい
る。このガイド軸50は、パッド駆動ディスク45が第２図
の位置から矢印Ａ方向に回転し、パッド取付板38が下降
した時に、カム面49aに接触し、パッド取付板38の姿勢
を規制する。すなわち、カム板49及びガイド軸50は、パ
ッド取付板38の姿勢を規制するカム機構を構成する。こ
こで、カム面49aの形状、ガイド軸50の取付位置等は、
パッド駆動ディスク45の矢印Ａ方向の回転によって、真
空パッド39が、第４図に39a→39gに示すように移動し、
またパッド駆動ディスク45の矢印Ｂ方向の回転によって
真空パッド39が、第４図の39g→39aに示すように移動す
るよう、定められている。特に、真空パッド39が39g→3
9dのように上昇する際、真空パッド39が若干横に揺れる
ように定められている。

52はパッド駆動シャフト44に連結された可逆回転モー
タ、53はパッド駆動シャフト44に取付けられた位置決め
ディスク、54は位置決めディスク53に対して設けられた
反射型センサである。この反射型センサ54は、パッド駆
動ディスク45が矢印Ｂ方向に回転し、真空パッド39が、
第２図に実線で示す位置、即ち真空パッド39に保持した
シート感材を搬送ローラ37A,37Bに受け渡す位置に到達
したことを検出する位置に設けられている。前記した真
空スイッチ及び反射型センサ54は可逆回転モータ52の制
御装置に接続されており、その信号は後述するように可
逆回転モータ52の制御に使用される。

以上の構成になるシート感材の給紙装置について、以
下その動作を説明する。

今、真空パッド39が第２図に実線で示す位置（第４図
39a位置）にあるものとする。まず、可逆回転モータ52
が矢印Ａ方向に回転し、パッド駆動ディスク45を矢印Ａ
方向に回転させる。このディスク45の矢印Ａ方向の回転
により、パッド取付板38も回転しながら降下する。これ
により、真空パッド39が第４図で39a→39b→39cに移動
する。パッド駆動ディスク45が或る程度回転すると、パ
ッド取付板38のガイド軸50がカム面49aに接触し、それ
以後は、このカム面49aに規制される。このため、パッ
ド取付板38はカム面49aで姿勢を規制されながら降下を
続け、真空パッド39は第４図で39d→39e→39fのように
移動し、第２図に破線で示す位置まで降下する。真空パ
ッド39がシート感材36上面に接触すると、真空パッド39
に作用している真空によりそのシート感材36を吸着保持
する。この際、各真空パッド39はそれぞれ圧縮スプリン
グ40で下方に押し出されており圧縮可能であるため、全
ての真空パッド39がシート感材36に接触して良好に吸着
保持するまで、パッド取付板38が降下を続けることがで
き、また、この間、シート感材に接触した真空パッド39
には大きい押圧力は作用しない。

真空パッド39によってシート感材36が吸着保持される
と、真空パッド39内の真空度が上がるため、吸引経路に
設けられた真空スイッチが作動し、その電気信号によ
り、モータ52を反転させる。このため、パッド取付板38
が上昇を始め、真空パッド39も上昇する。かくして、真
空パッド39がシート感材36に強く押しつけられることが
なく、且つ確実にシート感材36を吸着保持して上昇す
る。この時、真空パッド39は、第４図で39g→39f→39e
→39dの経路を取って上昇し、その際、真空パッド39が
左右に揺れる。このため、吸着したシート感材36を、そ
の下のシート感材に対してさばき、その間に空気を入れ
ることができ、１枚のシート感材のみを取り出すことが
できる。パッド駆動ディスク45が更に矢印Ｂ方向に回転
することにより、真空パッド39は第４図で39c→39b→39
aのように移動し、第２図に示す受け渡し位置にくる
と、反射型センサ54が作動してモータ52を停止させ、シ
ート感材を搬送ローラ37A,37Bに受け渡す。以上で１回
のシート感材給紙動作が終了する。

発明の効果 以上の説明から明らかなように、本発明は、シート部
材に対して上下に伸縮可能な複数の真空パッドと、これ
らの複数の真空パッドを互いに平行になるように整列し
て保持したパッド取付板と、このパッド取付板を回動可
能に保持するパッド駆動ディスクと、このパッド駆動デ
ィスクを回転させる可逆回転モータと、前記パッド駆動
ディスクが回転する際に、前記パッド取付板の姿勢を規
制するカム機構と、前記真空パッドに真空を作用させる
手段と、前記真空パッドに連結された真空スイッチと、
この真空スイッチのオン、オフで前記可逆回転モータを
制御する制御手段とを有し、前記真空パッドが前記カム
機構により前記シート部材に対して略垂直姿勢を保持し
つつ揺動昇降する構成とすることにより、可逆回転モー
タがパッド駆動ディスクを一方向に回転させるのに伴っ
てパッド取付板および真空パッドが下方のシート感材に
向かって下降し、この下降の際、カム機構がパッド取付
板の姿勢をシート感材に対してほぼ垂直に規制するの
で、垂直方向から接触してシート感材を良好に吸着保持
することができ、また上昇時にもカム機構がパッド取付
板の姿勢を規制してカム面の角度により左右に揺動させ
て次シート感材と分離させるので、一枚のみを確実に給
紙することができるという効果を有するものである。ま
た、パッド取付板の姿勢は、シート感材を収納するマガ
ジンボックスよりも上方位置においてカム機構により垂
直姿勢をとるため、シート感材の積載量が多大であって
も必ずシート感材に対し垂直に接触して良好に吸着保持
することができる。また、各真空パッドは圧縮スプリン
グにより伸縮可能なので、内部にばね、可動底板を備え
ていないマガジンボックスを使用しても、シート感材に
強い押圧力を作用させて損傷させることなく、全部の真
空パッドで確実にシート感材を吸着保持することができ
る。また、各真空パッドがシート感材を吸着保持して真
空パッド内が真空になると真空スイッチが作動して直ち
に可逆回転モータを逆転させて真空パッドを上昇させる
ので、マガジンボックス内に積載されたシート感材の量
に左右されずに常に最適な押圧力で真空パッドはシート
感材を吸着保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本発明の一実施例によるシート感材の
給紙装置を示すもので、第１図は全体を示す概略斜視
図、第２図は中央断面図、第３図は正面図、第４図は真
空パッドの移動状態を示す断面図、第５図は従来のシー
ト感材の給紙装置を示す概略斜視図、第６図は従来のシ
ート給紙装置の他の例を示す側面図、第７図はその動作
を説明する図である。 35……マガジンボックス、36……シート感材、37A,37B
……搬送ローラ、38……パッド取付板、39……真空パッ
ド、40……圧縮スプリング、41……真空配管、44……パ
ッド駆動シャフト、45……パッド駆動ディスク、46……
支軸、47……コイルスプリング、49……カム板、49a…
…カム面、50……ガイド軸、52……可逆回転モータ、53
……位置決めディスク、54……反射型センサ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−275940（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−169664（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−192839（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シート部材に対して上下に伸縮可能な複数
   の真空パッドと、これらの複数の真空パッドを互いに平
   行になるように整列して保持したパッド取付板と、この
   パッド取付板を回動可能に保持するパッド駆動ディスク
   と、このパッド駆動ディスクを回転させる可逆回転モー
   タと、前記パッド駆動ディスクが回転する際に、前記パ
   ッド取付板の姿勢を規制するカム機構と、前記真空パッ
   ドに真空を作用させる手段と、前記真空パッドに連結さ
   れた真空スイッチと、この真空スイッチのオン、オフで
   前記可逆回転モータを制御する制御手段とを有し、前記
   真空パッドが前記カム機構により前記シート部材に対し
   て略垂直姿勢を保持しつつ揺動昇降することを特徴とす
   るシート感材の給紙装置。