JP2604900B2 - カラー感熱記録方法 - Google Patents

カラー感熱記録方法

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JP2604900B2 JP2280303A JP28030390A JP2604900B2 JP 2604900 B2 JP2604900 B2 JP 2604900B2 JP 2280303 A JP2280303 A JP 2280303A JP 28030390 A JP28030390 A JP 28030390A JP 2604900 B2 JP2604900 B2 JP 2604900B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、サーマルプリンタに用いられるカラー感熱
記録方法に関するものである。
〔従来の技術〕 サーマルプリンタには、感熱プリンタと熱転写プリン
トとがあるが、これらのうち感熱プリンタは感熱記録材
料に直接に画像を熱記録することができるため、転写シ
ート等の廃棄物が発生せず、また構造が簡単である等の
特長がある。このような特長から感熱プリンタは広く用
いられる傾向にあり、例えばファクシミリの殆どはモノ
クロの感熱プリンタが組み込まれている。最近では、例
えば、特開昭61−213169号公報に記載されているよう
に、支持体上にマゼンタ感熱発色層,シアン感熱発色
層,イエロー感熱発色層を順次層設して、フルカラーの
画像を直接に熱記録することができるようにしたカラー
感熱記録材料が提案されている。
また、特開昭61−213169号公報には、カラー感熱記録
材料にカラー画像を記録するためのカラー感熱プリンタ
が記載されている。このカラー感熱プリンタは、サーマ
ルヘッドの下流側に、光源と三色フイルタとからなる光
源ユニットが配置されている。熱記録に際しては、カラ
ー感熱記録材料を装着したドラムを正転させて、サーマ
ルヘッドでイエロー感熱発色層にイエロー画像を記録す
るとともに、イエロー画像を記録した部分に、イエロー
フイルタを通して光源からの光を照射してイエロー感熱
発色層を光定着させる。次に、ドラムを逆転させてカラ
ー感熱記録材料を記録開始位置にいったん戻してから、
ドラムを正転させながらサーマルヘッドでシアン画像を
シアン感熱発色層に記録する。これとともに、シアンフ
イルタを通して光源からの光をシアン画像を記録した部
分に照射し、シアン感熱発色層を光定着する。再びドラ
ムを逆転してカラー感熱記録材料を初期位置に戻してか
ら、ドラムを正転させながらサーマルヘッドでマゼンタ
画像をマゼンタ感熱発色層に記録し、そしてマゼンタフ
イルタを使用して光定着する。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述したカラー感熱プリンタは、カラー感熱記録材料
の2往復半で、イエロー画像,シアン画像,マゼンタ画
像を面順次感熱記録を行うものであるため、熱記録に時
間がかかるという問題がある。
本発明は、短時間でカラー画像を熱記録することがで
きるようにしたカラー感熱記録方法を提供することを目
的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、サーマルヘッ
ドに接触する記録材料表面側の第1感熱発色層を光定着
するための第1の光源と、前記第1感熱発色層の下の第
2感熱発色層を光定着するための第2の光源とをサーマ
ルヘッドの両側にそれぞれ配置し、カラー感熱記録材料
を第1の方向に移動しながら、サーマルヘッドで第1感
熱発色層に画像を記録するとともに、第1の光源を点灯
してサーマルヘッドを通過したカラー感熱記録材料の部
分を照射して第1感熱発色層を光定着し、次にカラー感
熱記録材料を第1の方向と逆の第2の方向に移動しなが
ら、サーマルヘッドで第1感熱発色層への熱記録時より
も高い熱エネルギーを与えて第2感熱発色層に画像を記
録するとともに、第2の光源を点灯してサーマルヘッド
を通過したカラー感熱記録材料の部分を照射して第2感
熱発色層を光定着し、次にカラー感熱記録材料を第1の
方向に移動しながらサーマルヘッドで第2感熱発色層へ
の熱記録時よりも高い熱エネルギーを与えて第2感熱発
色層の下の第3感熱発色層に画像を記録するようにした
ものである。
〔作用〕
本発明は、カラー感熱記録材料の往き工程の他に、戻
り工程においても画像記録を行う。したがって、1往復
半でフルカラー画像を記録するから、従来のカラー感熱
記録方法に比べて高速記録を行うことができる。
〔実施例〕
以下、図面を参照して本発明の実施例について詳細に
説明する。
供給リール10には、長尺のカラー感熱記録材料11がロ
ール状に巻かれており、一対の引出しローラ12によって
引き出され、そしてカッター13で所定の長さのカラー感
熱シート14に切断される。このカラー感熱シート14は、
ガイド部材15によってドラム16の外周に接触するように
案内される。このドラム16は、紙面の方向に伸びてお
り、パルスモータ17によって回転される。また、ドラム
16の外周には、ドラム16と一緒に回転する複数のローラ
18〜23が配置されており、これらの間にカラー感熱記録
シート14を挟んで搬送する。なお、ドラム16に、チャッ
キング機構を設けて、カラー感熱記録シート14の先端を
チャッキングしたり、あるいはドラム16の外周に多数の
吸引孔を形成し、カラー感熱記録シート14を真空吸着し
てもよい。
熱記録位置には、多数の発熱素子をライン状に配列し
たサーマルヘッド25が配置されており、記録すべき画素
の色とその濃度に応じた温度に各発熱素子が発熱する。
このサーマルヘッド25の両側には、ピーク波長が365nm
の紫外線を発生するマゼンタ定着光源26と、ピーク波長
が420nmの近紫外線(青紫光)を発生するイエロー定着
光源27とが配置されている。これらの定着光源26,27と
しては棒状光源が用いられ、ドラム16の軸方向に伸びて
いる。また、光源26,27は、同じ紫外線ランプを用い、
これにバンドパスフイルタを組み合わせて、特定波長域
の電磁線を取り出すようにしてもよい。プリント済みの
カラー感熱記録シート14を排出するために、分離爪28が
設けられている。この分離爪28で剥離されたカラー感熱
記録シート14は、一対の排出ローラ29を経てトレイ30に
送られる。
ヘッド制御部32は、TVカメラ,ビデオ再生機,スキャ
ナー等の画像信号入力部33から取り込んだ画像信号に応
じてサーマルヘッド25の発熱量を制御する。ランプ制御
部34は、マゼンタ画像の熱記録時にマゼンタ定着ランプ
26を発光させ、そしてイエロー画像の熱記録時にイエロ
ー定着ランプ27を発光させる。コントローラ35は、ヘッ
ド制御部32,ランプ制御部34,カッター駆動部36,ドライ
バ37,38をそれぞれシーケンス制御する。このカッター
駆動部36はカッター13を作動させ、またドライバ37は引
出しローラ12を回転させるためのパルスモータ39を制御
する。
第3図は、カラー感熱記録材料の一例を示すものであ
る。支持体40の上に、シアン感熱発色層41,マゼンタ感
熱発色層42,イエロー感熱発色層43,保護層44が順次層設
されている。これらの各感熱発色層41〜43は、熱記録さ
れる順番に表面から層設されているが、例えばマゼン
タ,イエロー,シアンの順番に熱記録する場合には、イ
エロー感熱発色層とマゼンタ感熱発色層との位置が入れ
換えられる。
前記支持体40としては、不透明なコート紙又はプラス
チックフイルムが用いられ、またOHPシートを作成する
場合には透明なプラスチックフイルムが用いられる。シ
アン感熱発色層41は、電子供与性染料前駆体と電子受容
性化合物を生成分として含有し、加熱されたときにシア
ンを発色する。マゼンタ感熱発色層42としては、最大吸
収波長が360±20nmであるジアゾニウム塩化合物と、こ
れと熱反応してマゼンタに発色するカプラーとを含有し
ている。このマゼンタ感熱発色層42は、サーマルヘッド
でマゼンタ画像を熱記録した後に、360±20nmの紫外線
を照射するとジアゾニウム塩化合物が光分解して発色能
力が失われる。イエロー感熱発色層43は、最大吸収波長
が420±20nmであるジアゾニウム塩化合物と、これと熱
反応してイエローに発色するカプラーとを含有してい
る。このイエロー感熱発色層43も、420nm±20nm付近の
近紫外線を照射すると光定着して発色能力が失われる。
なお、このカプラー感熱記録材料は、平成2年4月4日
に本出願人によって出願された特願平2−89384号に詳
細に説明されている。
第4図は、各感熱発色層41〜43の特性を示すものであ
る。横軸の熱エネルギーは、サーマルヘッド25の発熱素
子が発生する熱エネルギーを表しており、イエロー感熱
発色層43の熱エネルギーが最も低く、シアン感熱発色層
41の熱エネルギーが最も高い。この熱エネルギーの差異
の主たる要因は、シアン感熱発色層41は、イエロー感熱
発色層43,マゼンタ感熱発色層42を介して加熱しなけれ
ばならないからである。
第5図は、イエロー感熱発色層の吸収特性と、イエロ
ー定着光源の発光特性を示すものである。イエロー感熱
発色層43は、点線で示すように、ほぼ300nm〜450nmの範
囲に光吸収性があり、この範囲の紫外線を照射すると、
ジアゾニウム塩化合物が分解して光定着する。そこで、
イエロー定着光源27は、ハッチング50で示すように、42
0nmの発光エネルギーが最大となっている。
第6図は、マゼンタ感熱発色層の吸収特性と、マゼン
タ定着光源の発光特性を示すものである。マゼンタ感熱
発色層42は、点線で示すように、ほぼ300nm〜400nmの範
囲に光吸収性がある。そこで、マゼンタ定着光源26は、
ハッチング51で示すように、365nmの発光エネルギーが
最大となっている。これらの定着光源26,27についても
特願平2−89384号に示されている。
次に、第1図に示す装置の作用について第2図を参照
して説明する。コントローラ35に熱記録を指示すると、
パルスモータ17,39が始動し、ドラム16と引出しローラ1
2とを回転させる。この引出しローラ12は、供給リール1
0からカラー感熱記録材料11を引き出してドラム16に向
けて搬送する。このカラー感熱感光材料11の先端は、ガ
イド部材15によって方向が変えられ、そして回転中のド
ラム16とローラ18との間に銜えられてドラム16とともに
移動する。カラー感熱記録材料11が一定長引き出される
と、パルスモータ17,39の回転が停止し、その直後にカ
ッター駆動部36によってカッター13が作動され、カラー
感熱記録シート14に切り離される。第2図(A)示すよ
うに、カッター13の作動後にパルスモータ17が高速回転
し、ドラム16,ローラ18〜23を回転させてカラー感熱記
録シート14を熱記録位置に送る。
前記カラー感熱記録シート14の記録エリアの先端が熱
記録位置に達すると、イエロー画像の熱記録が開始され
る。まず、ヘッド制御部32は、画像入力部からイエロー
画像の第1ライン分の画像信号を読み出す。この1ライ
ン分の画像信号は、第4図に示す発色特性を考慮して駆
動信号に変換される。この1ライン分の駆動信号は、サ
ーマルヘッド25に送られ、対応する発熱素子に供給さ
れ、各発熱素子を記録すべき濃度に応じた温度に発熱さ
せる。これにより、カラー感熱記録シート14にイエロー
画像の第1ライン目が熱記録される。この第1ライン目
の記録が終了すると、パルスモータ17はドラム16を1ラ
イン分回転させる。前述した手順で、イエロー画像の第
2ライン目の駆動信号がサーマルヘッド25に送られ、第
2ライン目がカラー感熱記録シート14に熱記録される。
以下同様にしてイエロー画像が1ラインずつ熱記録され
る。
第2図(B)に示すように、イエロー画像の熱記録時
に、イエロー定着光源27が点灯し、420nm付近の近紫外
線を発生し、イエロー画像が熱記録されたカラー感熱記
録シート14の部分に照射する。この420nmの近紫外線に
よって、イエロー感熱発色層43に含有されたジアゾニウ
ム塩化合物を分解し、発色能力を消失させる。
イエロー画像の記録が終了した後に、パルスモータ17
を逆転させてカラー感熱記録シート14を戻す。このカラ
ー感熱記録シート14の戻し工程において、第2図(C)
に示すように、サーマルヘッド25がマゼンタ画像をマゼ
ンタ感熱発色層42に1ラインずつ熱記録する。これとと
もに、マゼンタ画像を記録した部分に、マゼンタ定着光
源26から発生した365nmの紫外線を照射してマゼンタ感
熱発色層42を光定着する。なお、このマゼンタ画像の熱
記録時には、第4図に示されているように、ほぼ40〜70
mJ/mm2の範囲内で、かつ記録すべき濃度に応じた熱エネ
ルギーが用いられる。この範囲の熱エネルギーは、イエ
ロー感熱発色層43を記録するに必要な熱エネルギーより
も高いが、既にイエロー感熱発色層43は光定着されてい
るから、このイエロー感熱発色層43が発色することはな
い。
マゼンタ画像の記録後に、第2図(D)に示すよう
に、パルスモータ17を正転させてドラム16を矢線方向に
回転させる。この回転中に、サーマルヘッド25でシアン
感熱発色層41にシアン画像をラインずつ熱記録する。な
お、シアン感熱発色層41は、感熱発色するに必要な熱エ
ネルギーがほぼ80mJ/mm2以上であるため、通常の保管状
態では発色することはない。そこで、このシアン感熱発
色層41に対しては光定着を省略している。
ドラム16は、シアン画像の記録後も引続き回転するか
ら、第2図(E)に示すように、3色面順次熱記録が行
われたカラー感熱記録シート14は分離爪29に到達し、こ
の分離爪28により、カラー感熱記録シート14の先端側か
ら剥離されて排出ローラ29に向けて送られ、トレイ30へ
排出される。
前記実施例では、ドラムでカラー感熱記録シートを搬
送しているが、この代わりに上下一対のベルトを用い、
これらの間でカラー感熱記録シートを挟んで搬送しても
よく、更にはドラムとベルトとを組み合わせて用いても
よい。また、スライドテーブルにカラー感熱記録シート
をセットし、このスライドテーブルを往復動させてもよ
い。更にまた、カラー感熱記録シートを収納したカセッ
トを用いてもよい。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によれば、カラー
感熱記録材料の往き工程と、戻り工程の両方で画像を熱
記録するから、従来のカラー感熱記録方法に比べて、短
時間で熱記録を行うことができる。特に、第1の方向に
記録材料を送りながら第1感熱発色層に対して記録とそ
の光定着とを行い、次に第2の方向に記録材料を送りな
がら第2感熱発色層に対して記録とその光定着とを行
い、次に第1の方向に記録材料を送りながら第3感熱発
色層に記録を行う構成により、1往復半の記録材料の送
りによってフルカラー画像を記録することができるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法を実施するカラー感熱プリンタ
の一例を示す概略図である。 第2図(A)〜(E)は、カラー画像の感熱記録の手順
を示す説明図である。 第3図は、カラー感熱記録材料の層構造を示す説明図で
ある。 第4図は、カラー感熱記録材料の発色特性を示すグラフ
である。 第5図は、イエロー感熱発色層の吸収特性と、イエロー
定着光源の分光エネルギーを示すグラフである。 第6図は、マゼンタ感熱発色層の吸収特性と、マゼンタ
定着光源の分光エネルギーを示すグラフである。 14……カラー感熱記録シート 16……ドラム 25……サーマルヘッド 26……マゼンタ定着光源 27……イエロー定着光源。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上にイエロー,マゼンタ,シアンの
    各感熱発色層を層設したカラー感熱記録材料を用い、サ
    ーマルヘッドによって面順次記録によりフルカラー画像
    を記録するカラー感熱記録方法において、 前記サーマルヘッドに接触する該記録材料表面側の第1
    感熱発色層を光定着するための第1の光源と、前記第1
    感熱発色層の下の第2感熱発色層を光定着するための第
    2の光源とをサーマルヘッドの両側にそれぞれ配置し、 カラー感熱記録材料を第1の方向に移動しながら、サー
    マルヘッドで第1感熱発色層に画像を記録するととも
    に、第1の光源を点灯してサーマルヘッドを通過したカ
    ラー感熱記録材料の部分を照射して第1感熱発色層を光
    定着し、 次にカラー感熱記録材料を第1の方向と逆の第2の方向
    に移動しながら、サーマルヘッドで第1感熱発色層への
    熱記録時よりも高い熱エネルギーを与えて第2感熱発色
    層に画像を記録するとともに、第2の光源を点灯してサ
    ーマルヘッドを通過したカラー感熱記録材料の部分を照
    射して第2感熱発色層を光定着し、 次にカラー感熱記録材料を第1の方向に移動しながらサ
    ーマルヘッドで第2感熱発色層への熱記録時よりも高い
    熱エネルギーを与えて第2感熱発色層の下の第3感熱発
    色層に画像を記録するようにしたことを特徴とするカラ
    ー感熱記録方法。
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