JP2596634B2 - 断熱用箱体 - Google Patents
断熱用箱体Info
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- JP2596634B2 JP2596634B2 JP2207390A JP20739090A JP2596634B2 JP 2596634 B2 JP2596634 B2 JP 2596634B2 JP 2207390 A JP2207390 A JP 2207390A JP 20739090 A JP20739090 A JP 20739090A JP 2596634 B2 JP2596634 B2 JP 2596634B2
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Description
【発明の詳細な説明】 本発明は、ウレタン発泡断熱材を用いた断熱用箱体に
関するものである。
関するものである。
[従来の技術] まず、断熱用箱体の一種である冷蔵庫箱体の一般的な
構成および製造方法を例えば刊行物(ポリウレタン樹脂
ハンドブック 日刊工業新聞社刊 P.238〜243,248〜25
0およびプラスチックの市場と商品設計 電機・電子機
器 プラスチックス・エージ(株)刊 P.58〜67)に示
されているものに基づいて説明する。第1図は一般的な
冷蔵庫箱体の斜視図第2図は上記冷蔵庫箱体の断面図で
ある。図において、(1)は外箱、(2)は内箱、
(3)はウレタン発泡断熱材である。即ち、外箱(1)
は例えば塗装あるいはコーティングを施した鋼板を、外
箱形状(門型あるいは逆門型など)に成形することによ
り製造する。次に所定の形状に成形した内箱(2)と外
箱(1)を組み合わせて、内箱(2)と外箱(1)の間
にウレタン発泡断熱材(3)の原料であるウレタン原液
を注入した後発泡させ、ウレタン発泡断熱材(3)によ
り外箱(1)と内箱(2)とを接合一体化し、ウレタン
発泡断熱材(3)を断熱材の役割を果たさせるとともに
構造体としての強度部材として用いる。また、使用目的
により外箱と内箱の材料を同様にしても良い。
構成および製造方法を例えば刊行物(ポリウレタン樹脂
ハンドブック 日刊工業新聞社刊 P.238〜243,248〜25
0およびプラスチックの市場と商品設計 電機・電子機
器 プラスチックス・エージ(株)刊 P.58〜67)に示
されているものに基づいて説明する。第1図は一般的な
冷蔵庫箱体の斜視図第2図は上記冷蔵庫箱体の断面図で
ある。図において、(1)は外箱、(2)は内箱、
(3)はウレタン発泡断熱材である。即ち、外箱(1)
は例えば塗装あるいはコーティングを施した鋼板を、外
箱形状(門型あるいは逆門型など)に成形することによ
り製造する。次に所定の形状に成形した内箱(2)と外
箱(1)を組み合わせて、内箱(2)と外箱(1)の間
にウレタン発泡断熱材(3)の原料であるウレタン原液
を注入した後発泡させ、ウレタン発泡断熱材(3)によ
り外箱(1)と内箱(2)とを接合一体化し、ウレタン
発泡断熱材(3)を断熱材の役割を果たさせるとともに
構造体としての強度部材として用いる。また、使用目的
により外箱と内箱の材料を同様にしても良い。
ウレタン発泡時には、ウレタンの硬化反応時の発熱に
よりウレタン発泡断熱材(3)の中心部では60℃以上の
高温となる。このため、ウレタンの硬化反応後、冷却時
にウレタン発泡断熱材(3)は収縮を起こし、収縮応力
が発生する。この収縮応力によりウレタン発泡断熱材
(3)や内箱(2)に歪が生じ、内箱材料の強度が不十
分であると内箱に白化現象やクラックが発生することに
なる。そのため内箱材料としては、成形性が良好であ
り、ウレタン発泡断熱材(3)との接着性が良好でかつ
低温収縮に対する応力耐性に優れ、また、庫内での品物
の落下に対する耐衝撃性あるいは冷蔵庫内での食用油、
調味料等の汚染に対する耐薬品性に優れること等が要求
され、これらを満足する材料としてABS樹脂(アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン3元共重合体)やスチ
ロール樹脂、または塩化ビニル樹脂などが用いられてい
る。
よりウレタン発泡断熱材(3)の中心部では60℃以上の
高温となる。このため、ウレタンの硬化反応後、冷却時
にウレタン発泡断熱材(3)は収縮を起こし、収縮応力
が発生する。この収縮応力によりウレタン発泡断熱材
(3)や内箱(2)に歪が生じ、内箱材料の強度が不十
分であると内箱に白化現象やクラックが発生することに
なる。そのため内箱材料としては、成形性が良好であ
り、ウレタン発泡断熱材(3)との接着性が良好でかつ
低温収縮に対する応力耐性に優れ、また、庫内での品物
の落下に対する耐衝撃性あるいは冷蔵庫内での食用油、
調味料等の汚染に対する耐薬品性に優れること等が要求
され、これらを満足する材料としてABS樹脂(アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン3元共重合体)やスチ
ロール樹脂、または塩化ビニル樹脂などが用いられてい
る。
一方、ウレタン発泡断熱材(3)の発泡剤としては、
フロンであるCFC−11(CCl3F)が断熱性、毒性、安全
性、作業性、コストの点から最も一般的に用いられてい
る。そしてこのCFC−11はウレタン原料中に液状で混合
され、ウレタン発泡時にウレタン樹脂の反応熱により気
化し、微細なセルを形成する。このセル中のCFC−11は
経時的に発泡体セルから外部に拡散する。このため内箱
(2)は、ウレタン原料注入時はもちろんのこと発泡後
もセル内からの拡散によりCFC−11の影響をうける。現
在、内箱(2)に用いられているスチロール樹脂は、CF
C−11に対する耐性が低く、直接発泡材(3)と接触し
ないように防御フィルムや防御コートを必要としてい
る。また、塩化ビニル樹脂は、CFC−11からの影響は受
けにくい反面、耐熱性が低く断熱材(3)の反応時の熱
により変形を生じたり、衝撃強度が低く割れ易いという
欠点がある。ABS樹脂は、成形性、低温収縮時における
応力緩和、耐衝撃性、耐溶剤性、耐CFC−11性等のバラ
ンスに優れた材料であり、現在では最も広く用いられて
いる。
フロンであるCFC−11(CCl3F)が断熱性、毒性、安全
性、作業性、コストの点から最も一般的に用いられてい
る。そしてこのCFC−11はウレタン原料中に液状で混合
され、ウレタン発泡時にウレタン樹脂の反応熱により気
化し、微細なセルを形成する。このセル中のCFC−11は
経時的に発泡体セルから外部に拡散する。このため内箱
(2)は、ウレタン原料注入時はもちろんのこと発泡後
もセル内からの拡散によりCFC−11の影響をうける。現
在、内箱(2)に用いられているスチロール樹脂は、CF
C−11に対する耐性が低く、直接発泡材(3)と接触し
ないように防御フィルムや防御コートを必要としてい
る。また、塩化ビニル樹脂は、CFC−11からの影響は受
けにくい反面、耐熱性が低く断熱材(3)の反応時の熱
により変形を生じたり、衝撃強度が低く割れ易いという
欠点がある。ABS樹脂は、成形性、低温収縮時における
応力緩和、耐衝撃性、耐溶剤性、耐CFC−11性等のバラ
ンスに優れた材料であり、現在では最も広く用いられて
いる。
ところでCFC−11をはじめフロンの放出が成層圏のオ
ゾン層を破壊する原因として、フロン物質の生産および
消費に関して国際的に規制され始めた。CFC−11はこの
規制対象物質に含まれており、ウレタン断熱材の発泡剤
としての使用が困難となり代替発泡剤が必要である。CF
C−11の代替発泡剤としてはCFC−11と物理特性(沸点、
蒸発潜熱等)が類似し、フロン規制対象外物質であるHC
FC−123(CHCl2CF3)およびHCFC−141b(CH3CCl2F)が
ある。
ゾン層を破壊する原因として、フロン物質の生産および
消費に関して国際的に規制され始めた。CFC−11はこの
規制対象物質に含まれており、ウレタン断熱材の発泡剤
としての使用が困難となり代替発泡剤が必要である。CF
C−11の代替発泡剤としてはCFC−11と物理特性(沸点、
蒸発潜熱等)が類似し、フロン規制対象外物質であるHC
FC−123(CHCl2CF3)およびHCFC−141b(CH3CCl2F)が
ある。
[発明が解決しようとする課題] しかし、HCFC−123およびHCFC−141bはCFC−11と比較
して高分子材料に対する溶解性が高く、箱体材料である
スチロール樹脂やABS樹脂に対して膨潤、溶解能が大き
く、これらの発泡剤の代替は箱体の強度低下や破壊、外
観不良につながる。ウレタン発泡断熱材(3)の発泡剤
としてHCFC−123およびHCFC−141bを用いた場合、従来
箱体に使用されているABS樹脂では、発泡剤のアタック
が大きく箱体がクラックを発生して強度不足や外観不良
となるという課題がある。そのため箱体材料の肉厚を非
常に厚くするか、あるいはHCFC−123およびHCFC−141b
に優れた耐性を示すフィルムをラミネートすること等が
行なわれるが、箱体材料の肉厚を厚くしても経時的にHC
FCの影響を受け、長期では冷蔵庫箱体等の品質が低下す
ることになり、本質的な解決策とはならない。また、板
厚を厚くすると成形時間が長くなり生産性が低下した
り、材料重量が大きくなり冷蔵庫箱体の重量が増加する
という欠点もある。また、耐HCFC性に優れた材料のラミ
ネートは、必要最小限の厚みでHCFCからのアタックを防
止する効果があるが、箱体の切り欠き部に対するHCFCか
らの影響をうけるため、HCFCのアタックを防止するため
の保護が必要となり製造が複雑になること、異種材料か
ら構成されるため材料の再生利用が困難であること等の
課題がある。
して高分子材料に対する溶解性が高く、箱体材料である
スチロール樹脂やABS樹脂に対して膨潤、溶解能が大き
く、これらの発泡剤の代替は箱体の強度低下や破壊、外
観不良につながる。ウレタン発泡断熱材(3)の発泡剤
としてHCFC−123およびHCFC−141bを用いた場合、従来
箱体に使用されているABS樹脂では、発泡剤のアタック
が大きく箱体がクラックを発生して強度不足や外観不良
となるという課題がある。そのため箱体材料の肉厚を非
常に厚くするか、あるいはHCFC−123およびHCFC−141b
に優れた耐性を示すフィルムをラミネートすること等が
行なわれるが、箱体材料の肉厚を厚くしても経時的にHC
FCの影響を受け、長期では冷蔵庫箱体等の品質が低下す
ることになり、本質的な解決策とはならない。また、板
厚を厚くすると成形時間が長くなり生産性が低下した
り、材料重量が大きくなり冷蔵庫箱体の重量が増加する
という欠点もある。また、耐HCFC性に優れた材料のラミ
ネートは、必要最小限の厚みでHCFCからのアタックを防
止する効果があるが、箱体の切り欠き部に対するHCFCか
らの影響をうけるため、HCFCのアタックを防止するため
の保護が必要となり製造が複雑になること、異種材料か
ら構成されるため材料の再生利用が困難であること等の
課題がある。
また、ガラス繊維(GF)および炭素繊維(CF)等の充
填材を混入し、材料の機械的特性を向上させることも一
般的によく行われているが、GFおよびCFはいずれも繊維
径が5〜20μmで長さが100μm〜数mmと形状が大き
く、成形品の表面平滑性、表面意匠性を著しく低下させ
るという欠点がある。また、繊維により材料の成形性が
低下する欠点も有している。
填材を混入し、材料の機械的特性を向上させることも一
般的によく行われているが、GFおよびCFはいずれも繊維
径が5〜20μmで長さが100μm〜数mmと形状が大き
く、成形品の表面平滑性、表面意匠性を著しく低下させ
るという欠点がある。また、繊維により材料の成形性が
低下する欠点も有している。
本発明は、かかる課題を解消するためになされたもの
で、従来の製造設備を用いても得ることができ、HCFC−
123およびHCFC−141bの内の少なくとも一種を発泡剤と
したウレタン発泡断熱材を用いても、強度や外観および
意匠性に優れた断熱用箱体を提供することを目的とす
る。
で、従来の製造設備を用いても得ることができ、HCFC−
123およびHCFC−141bの内の少なくとも一種を発泡剤と
したウレタン発泡断熱材を用いても、強度や外観および
意匠性に優れた断熱用箱体を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 本発明の断熱用箱体は、HCFC−123およびHCFC−141b
の内の少なくとも一種を発泡剤としたウレタン発泡断熱
材およびこの断熱材と接する箱体を備え、上記箱体をゴ
ム成分を20重量%より多く40重量%まで含有したゴム補
強スチレン系樹脂で形成したものである。
の内の少なくとも一種を発泡剤としたウレタン発泡断熱
材およびこの断熱材と接する箱体を備え、上記箱体をゴ
ム成分を20重量%より多く40重量%まで含有したゴム補
強スチレン系樹脂で形成したものである。
[作用] 本発明に使用したゴム補強スチレン系樹脂の耐溶剤性
は、構成成分のアクリロニトリルの共重合比率によって
大きく変化し、スチレン100重量部に対して、アクリロ
ニトリルが40重量部以下の場合には、HCFC−123に溶解
(無制限膨潤)し、HCFC−141bに対して膨潤する。この
ように、本発明に用いたゴム補強スチレン系樹脂のHCFC
−123およびHCFC−141bに対する耐溶剤性は必ずしも好
ましいものではないが、本発明者は、公知のゴム補強ス
チレン系樹脂を使用して、HCFC−123およびHCFC−141b
の内の少なくとも一種を発泡剤としたウレタン発泡断熱
材と接する箱体を形成し、この箱体を用いた断熱用箱体
に、高温と低温条件に繰り返し保持する試験(ヒートサ
イクルテスト)を行ったところ、上記ウレタン発泡断熱
材と接する上記箱体にクラックが生じるのを防止でき
た。また、ゴム補強スチレン系樹脂はシート押出加工と
シート真空成形における成形加工温度範囲が広く、優れ
た真空成形性を示す。更にゴム補強スチレン系樹脂は良
好は着色性、衝撃強度、耐寒性に優れることから本発明
のゴム補強スチレン系樹脂を箱体に用いることにより、
所期目的を達成することができる。
は、構成成分のアクリロニトリルの共重合比率によって
大きく変化し、スチレン100重量部に対して、アクリロ
ニトリルが40重量部以下の場合には、HCFC−123に溶解
(無制限膨潤)し、HCFC−141bに対して膨潤する。この
ように、本発明に用いたゴム補強スチレン系樹脂のHCFC
−123およびHCFC−141bに対する耐溶剤性は必ずしも好
ましいものではないが、本発明者は、公知のゴム補強ス
チレン系樹脂を使用して、HCFC−123およびHCFC−141b
の内の少なくとも一種を発泡剤としたウレタン発泡断熱
材と接する箱体を形成し、この箱体を用いた断熱用箱体
に、高温と低温条件に繰り返し保持する試験(ヒートサ
イクルテスト)を行ったところ、上記ウレタン発泡断熱
材と接する上記箱体にクラックが生じるのを防止でき
た。また、ゴム補強スチレン系樹脂はシート押出加工と
シート真空成形における成形加工温度範囲が広く、優れ
た真空成形性を示す。更にゴム補強スチレン系樹脂は良
好は着色性、衝撃強度、耐寒性に優れることから本発明
のゴム補強スチレン系樹脂を箱体に用いることにより、
所期目的を達成することができる。
[実施例] 本発明に係るゴム補強スチレン系樹脂はアクリロニト
リル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)に代
表されるものであり、ゴム成分がブタジエン、スチレン
−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、アクリル酸アルキルエステル系重合体、エチ
レン−プロピレン共重合体等の内の少なくとも一種の混
合物で構成され、これらのゴム成分が粒子状に分散し、
かつこれらのゴム分散粒子に対してその一部が化学的に
結合したガラス状重合体としてスチレン、P−メチルス
チレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アク
リル酸アルキル系ビニルモノマー、アクリル酸系ビニル
モノマー、N−フェニルマレイミド等の内の少なくとも
一種の単量体を重合して得られる連続相で構成されるも
のであり、ABS樹脂以外には、ゴム成分がアクリル酸ア
ルキルエステル系重合体である。いわゆるAAS樹脂、あ
るいはエチレン−プロピレン共重合体ゴムをゴム成分と
するAES樹脂などである。
リル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS樹脂)に代
表されるものであり、ゴム成分がブタジエン、スチレン
−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、アクリル酸アルキルエステル系重合体、エチ
レン−プロピレン共重合体等の内の少なくとも一種の混
合物で構成され、これらのゴム成分が粒子状に分散し、
かつこれらのゴム分散粒子に対してその一部が化学的に
結合したガラス状重合体としてスチレン、P−メチルス
チレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アク
リル酸アルキル系ビニルモノマー、アクリル酸系ビニル
モノマー、N−フェニルマレイミド等の内の少なくとも
一種の単量体を重合して得られる連続相で構成されるも
のであり、ABS樹脂以外には、ゴム成分がアクリル酸ア
ルキルエステル系重合体である。いわゆるAAS樹脂、あ
るいはエチレン−プロピレン共重合体ゴムをゴム成分と
するAES樹脂などである。
本発明に係るゴム補強スチレン系樹脂に含まれるゴム
成分量は20重量%より多く40重量%までであり、20重量
%以下の場合には箱体を形成して断熱剤を注入後、冷熱
サイクル等の促進劣化テストによって箱体に白化クラッ
ク等の劣化が生じる。また、40重量%を越える場合には
樹脂の溶融粘度が高すぎるために成形加工が困難にな
り、箱体の剛性が低下する為に断熱用箱体組立時の作業
性を低下させたり、箱体強度が低下するなどの不都合を
生じる。
成分量は20重量%より多く40重量%までであり、20重量
%以下の場合には箱体を形成して断熱剤を注入後、冷熱
サイクル等の促進劣化テストによって箱体に白化クラッ
ク等の劣化が生じる。また、40重量%を越える場合には
樹脂の溶融粘度が高すぎるために成形加工が困難にな
り、箱体の剛性が低下する為に断熱用箱体組立時の作業
性を低下させたり、箱体強度が低下するなどの不都合を
生じる。
実施例1 ゴム補強スチレン系樹脂としてポリブタジエンゴム成
分を含むABS樹脂を用い、表1に示すゴム成分量に調整
した後、安定剤、滑剤などを加えて公知の方法である混
練押出機を用いて溶融混合しペレットとした。次にコー
トーハンガーダイを有するシート押出機にてシートを成
形し、このシートを用いて真空成形機にて断熱用箱体と
しての冷蔵庫の内箱の成形を行った。これをHCFC−123
またはHCFC−141bを発泡剤としてウレタン原液を用いて
発泡成形し、第1図に示した冷蔵庫箱体の組立を行い、
ヒートサイクル試験を行ったところ表1の結果を得た。
なお、ヒートサイクルテストは−20℃で12時間、+50℃
で12時間を10サイクル行った後の状態を目視観察した結
果である。
分を含むABS樹脂を用い、表1に示すゴム成分量に調整
した後、安定剤、滑剤などを加えて公知の方法である混
練押出機を用いて溶融混合しペレットとした。次にコー
トーハンガーダイを有するシート押出機にてシートを成
形し、このシートを用いて真空成形機にて断熱用箱体と
しての冷蔵庫の内箱の成形を行った。これをHCFC−123
またはHCFC−141bを発泡剤としてウレタン原液を用いて
発泡成形し、第1図に示した冷蔵庫箱体の組立を行い、
ヒートサイクル試験を行ったところ表1の結果を得た。
なお、ヒートサイクルテストは−20℃で12時間、+50℃
で12時間を10サイクル行った後の状態を目視観察した結
果である。
実施例2 ゴム補強スチレン系樹脂としてアクリル酸ブチルエス
テルゴム成分を含むAAS樹脂を用い、表2に示すゴム成
分量に調整した後、安定剤、滑剤などを加えて実施例1
と同様の方法で冷蔵庫の内箱の成形を行った。これをHC
FC−123またはHCFC−141bを発泡剤としたウレタン原液
を用いて発泡成形し第1図に示した冷蔵庫箱体の組立を
行い、実施例Iと同様のヒートサイクル試験を行って表
2の結果を得た。
テルゴム成分を含むAAS樹脂を用い、表2に示すゴム成
分量に調整した後、安定剤、滑剤などを加えて実施例1
と同様の方法で冷蔵庫の内箱の成形を行った。これをHC
FC−123またはHCFC−141bを発泡剤としたウレタン原液
を用いて発泡成形し第1図に示した冷蔵庫箱体の組立を
行い、実施例Iと同様のヒートサイクル試験を行って表
2の結果を得た。
実施例3 ゴム補強スチレン系樹脂としてエチレン−プロピレン
共重合体ゴム成分を含むAES樹脂を用い表3に示すゴム
成分量に調整した後、安定剤、滑剤などを加えて実施例
1と同様の方法で冷蔵庫の内箱の成形を行った。これを
HCFC−123またはHCFC−141bを発泡剤としたウレタン原
液を用いて発泡成形し第1図に示した冷蔵庫箱体の組立
を行い、実施例1と同様のヒートサイクル試験を行って
表3の結果を得た。
共重合体ゴム成分を含むAES樹脂を用い表3に示すゴム
成分量に調整した後、安定剤、滑剤などを加えて実施例
1と同様の方法で冷蔵庫の内箱の成形を行った。これを
HCFC−123またはHCFC−141bを発泡剤としたウレタン原
液を用いて発泡成形し第1図に示した冷蔵庫箱体の組立
を行い、実施例1と同様のヒートサイクル試験を行って
表3の結果を得た。
なお、以上の実施例から明らかなように、ゴム成分量
は25重量%から35重量%までがヒートサイクル性と押出
成形性の特性バランスに優れ、より好ましい範囲であ
る。比較例1また、比較のため表4は、従来の押出成形
用ABS樹脂であるGSM、GSE、EX200、EX201、EX245(いず
れも宇部サイコン(株)製)を用いて内箱を製造し、実
施例1と同様に冷蔵庫として評価した場合の結果を示し
た。いずれのABS樹脂の場合もHCFC−123、HCFC−141bを
発泡剤に用いたヒートサイクルテストにおいて、内箱に
クラック等が発生し、冷蔵庫内箱材料として不適であ
る。
は25重量%から35重量%までがヒートサイクル性と押出
成形性の特性バランスに優れ、より好ましい範囲であ
る。比較例1また、比較のため表4は、従来の押出成形
用ABS樹脂であるGSM、GSE、EX200、EX201、EX245(いず
れも宇部サイコン(株)製)を用いて内箱を製造し、実
施例1と同様に冷蔵庫として評価した場合の結果を示し
た。いずれのABS樹脂の場合もHCFC−123、HCFC−141bを
発泡剤に用いたヒートサイクルテストにおいて、内箱に
クラック等が発生し、冷蔵庫内箱材料として不適であ
る。
比較例2 ゴム補強スチレン系樹脂としてABS樹脂、AAS樹脂、AE
S樹脂などを用い、表5に示すゴム成分量に調整した
後、安定剤、滑剤などを加えて実施例1と同様の方法で
冷蔵庫の内箱の成形を行った。これをHCFC−123またはH
CFC−141bを発泡剤としたウレタン原液を用いて発泡成
形し、第1図に示した冷蔵庫箱体の組立を行い、実施例
1と同様のヒートサイクル試験を行って表5の結果を得
た。
S樹脂などを用い、表5に示すゴム成分量に調整した
後、安定剤、滑剤などを加えて実施例1と同様の方法で
冷蔵庫の内箱の成形を行った。これをHCFC−123またはH
CFC−141bを発泡剤としたウレタン原液を用いて発泡成
形し、第1図に示した冷蔵庫箱体の組立を行い、実施例
1と同様のヒートサイクル試験を行って表5の結果を得
た。
以上の結果から解るように、本発明の実施例の断熱用
箱体に使用した樹脂材料により、若干の白化現象は見ら
れたが実用に供し得るものであり、所期目的を達成する
ことができた。
箱体に使用した樹脂材料により、若干の白化現象は見ら
れたが実用に供し得るものであり、所期目的を達成する
ことができた。
なお、上記実施例では本発明の断熱用箱体の実施例と
して、冷蔵庫箱体のものについて述べたが、それに限定
されず、例えば冷凍庫、保温庫などに適用しても同様の
効果を呈することは言うまでもない。
して、冷蔵庫箱体のものについて述べたが、それに限定
されず、例えば冷凍庫、保温庫などに適用しても同様の
効果を呈することは言うまでもない。
さらに、上記実施例では断熱用箱体の内箱にのみ上記
組成のものを用いたが、外箱に用いても同様の効果を呈
する。
組成のものを用いたが、外箱に用いても同様の効果を呈
する。
[発明の効果] 以上説明した通り本発明は、HCFC−123およびHCFC−1
41bの内の少なくとも一種を発泡剤としたウレタン発泡
断熱材およびこの断熱材と接する箱体を備え、上記箱体
をゴム成分を20重量%より多く40重量%まで含有したゴ
ム補強スチレン系樹脂で形成したものを用いることによ
り強度や外観および意匠性に優れた断熱用箱体を製造す
ることができる。
41bの内の少なくとも一種を発泡剤としたウレタン発泡
断熱材およびこの断熱材と接する箱体を備え、上記箱体
をゴム成分を20重量%より多く40重量%まで含有したゴ
ム補強スチレン系樹脂で形成したものを用いることによ
り強度や外観および意匠性に優れた断熱用箱体を製造す
ることができる。
また、本発明を構成するウレタン発泡断熱材および樹
脂製箱体はいずれも従来の製造設備を用いて製造できる
ために工業的に極めて有利である。
脂製箱体はいずれも従来の製造設備を用いて製造できる
ために工業的に極めて有利である。
第1図は一般的な冷蔵庫箱体の斜視図、第2図は断面図
である。 図において、(1)は外箱、(2)は内箱、(3)はウ
レタン発泡断熱材である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
である。 図において、(1)は外箱、(2)は内箱、(3)はウ
レタン発泡断熱材である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 嶋村 光助 静岡県静岡市小鹿3丁目18番1号 三菱 電機株式会社静岡製作所内 (72)発明者 赤星 純久 山口県宇部市大字沖宇部525―14 宇部 サイコン株式会社宇部工場内 (72)発明者 五十嵐 裕 山口県宇部市大字沖宇部525―14 宇部 サイコン株式会社宇部工場内 (72)発明者 平田 浩二 山口県宇部市大字沖宇部525―14 宇部 サイコン株式会社宇部工場内 (56)参考文献 特開 平4−90483(JP,A) 特開 平2−78885(JP,A) 特開 昭55−38404(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】HCFC−123およびHCFC−141bの内の少なく
とも一種を発泡剤としたウレタン発泡断熱材およびこの
断熱材と接する箱体を備え、上記箱体をゴム成分を20重
量%より多く40重量%まで含有したゴム補強スチレン系
樹脂で形成したことを特徴とする断熱用箱体。
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---|---|
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-
1990
- 1990-08-03 JP JP2207390A patent/JP2596634B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH0490482A (ja) | 1992-03-24 |
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