JP3013431B2 - 混合樹脂組成物 - Google Patents

混合樹脂組成物

Info

Publication number
JP3013431B2
JP3013431B2 JP29784590A JP29784590A JP3013431B2 JP 3013431 B2 JP3013431 B2 JP 3013431B2 JP 29784590 A JP29784590 A JP 29784590A JP 29784590 A JP29784590 A JP 29784590A JP 3013431 B2 JP3013431 B2 JP 3013431B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
weight
mixed resin
hcfc
box
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29784590A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04170451A (ja
Inventor
裕 五十嵐
浩二 平田
純久 赤星
Original Assignee
宇部サイコン株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 宇部サイコン株式会社 filed Critical 宇部サイコン株式会社
Priority to JP29784590A priority Critical patent/JP3013431B2/ja
Publication of JPH04170451A publication Critical patent/JPH04170451A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3013431B2 publication Critical patent/JP3013431B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は混合樹脂組成物に係り、詳しくは、ウレタン
発泡断熱材を用いた断熱用箱体を製造する用途に好適に
使用される樹脂組成物に関し、更に詳しくは、1,1−ジ
クロロ−2,2,2−トリフロロエタン(以下「HCFC−123」
と称す。)及び/又は1,1−ジクロロ−1−フロロエタ
ン(以下「HCFC−141b」と称す。)を発泡剤とするウレ
タン発泡断熱材に接する構造材料の製造原料として用い
られる混合樹脂組成物に関する。
[従来の技術] 冷蔵庫、製氷機などの保冷を目的とする断熱用箱体
は、一般に、例えば塗装或いはコーティングを施した鋼
板を外箱形状(門型又は逆門型など)に成形し、次に所
定の形状に成形した合成樹脂製内箱と組み合わせ、この
内箱と外箱との間にウレタン発泡断熱材の原料であるウ
レタン原液を注入した後発泡させ、ウレタン発泡断熱材
により外箱と内箱とを接合一体化する。即ち、ウレタン
発泡断熱材を、断熱材としての役割を果たさせると共
に、構造体としての強度部材として利用している。な
お、使用目的により、外箱と内箱とは、同材質であって
も異材質であっても良い。
ところで、ウレタン発泡の際には、ウレタンの硬化反
応時の発熱によりウレタン発泡断熱材の中心部では60℃
以上の高温となる。このため、ウレタンの硬化反応後、
冷却時にウレタン発泡断熱材は収縮を起こし、収縮応力
が発生する。そして、この収縮応力により、ウレタン発
泡断熱材や内箱に歪が生じ、内箱材料の強度が不十分で
あると内箱に白化現象やクラックが発生することにな
る。そのため、内箱材料としては、成形性が良好であ
り、ウレタン発泡断熱材との接着性が良好で、かつ、低
温収縮に対する応力耐性に優れ、また、使用に際し、内
部に収納した品物の落下に対する耐衝撃性、更には、収
納物、例えば、食用油、調味料等の汚染に対する耐薬品
性に優れること等が要求され、従来、これらを満足する
材料としてABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン3元共重合体)やスチロール樹脂又は塩化ビニ
ル樹脂などが用いられている。
一方、ウレタン発泡断熱材の発泡剤としては、フロン
(CCl3F:トリクロロフロロメタン)であるCFC−11が断
熱性、毒性、安全性、作業性、コストの点から最も一般
的に用いられている。そして、このCFC−11はウレタン
原料中に液状で混合され、ウレタン発泡時にウレタン樹
脂の反応熱により気化し、微細なセルを形成する。この
セル中のCFC−11は経時的に発泡体セルから外部に拡散
する。そのため、内箱はウレタン原料注入時はもちろん
のこと、発泡後もセル内からの拡散によりCFC−11の影
響を受ける。
従来、内箱材料としてスチロール樹脂を用いた場合に
は、このCFC−11に対する耐性が低いために、発泡材に
直接接触しないように防御フィルムや防御コートを必要
としている。また、塩化ビニル樹脂は、CFC−11からの
影響は受けにくい反面、耐熱性が低く、断熱材の硬化反
応時の熱により変形を生じたり、衝撃強度が低く割れ易
いという欠点がある。これに対して、ABS樹脂は、成形
性、耐衝撃性、耐溶剤性、耐CFC−11性等のバランスに
優れた材料でり、現在では最も広く用いられている。
ところで、最近になって、CFC−11をはじめフロンの
放出が成層圏のオゾン層を破壊する原因として、フロン
物質の生産及び消費に関して国際的に規制され始めた。
CFC−11は、この規制対象物質に含まれているため、上
記のようなウレタン発泡断熱材の発泡剤としての使用が
困難となり、代替発泡剤の使用が検討されている。CFC
−11の代替発泡剤としては、CFC−11と物理特性(沸
点、蒸発潜熱等)が類似するのであって、フロン規制対
象外物質であるHCFC−123及びHCFC−141bなどが提案さ
れている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、HCFC−123やHCFC−141bは、CFC−11と比較し
て高分子材料に対する溶解性が高く、従来の内箱用箱体
材料であるスチロール樹脂やABS樹脂に対する膨潤、溶
解能が大きい。このため、これらの発泡剤による代替
は、箱体の強度低下や破壊、外観不良につながる。例え
ば、ウレタン発泡断熱材の発泡剤としてHCFC−123やHCF
C−141bを用いた場合、従来、内箱材料として最も広く
使用されているABS樹脂では、発泡剤のアタックが大き
く、内箱にクラック或いは白化を発生し、冷蔵庫箱体等
の強度不足や外観不良となるという問題がある。そのた
め、内箱材料の肉厚を非常に厚くするか、或いはHCFC−
123及びHCFC−141b(以下「HCFC」と総称する。)に優
れた耐性を示すフィルムをラミネートするなどの対策が
講じられているが、内箱材料の肉厚を厚くしても経時的
にHCFCの影響を受け、長期では冷蔵庫箱体等の品質が低
下することになり、本質的な解決策とはならない。ま
た、肉厚を厚くすると成形時間が長くなり、生産性が低
下したり材料重量が大きくなり、断熱用箱体の重量が増
加するという欠点もある。また、耐HCFC性に優れた材料
をラミネートすることは、必要最小限の厚みでHCFCから
のアタックを防止する効果があるが、内箱の切り欠き部
に対するHCFCからの影響を防止するための保護構造が必
要となり、製造が複雑になること、異種材料から構成さ
れるため材料の再生利用が困難であること等の問題があ
る。
また、ガラス繊維(以下「GF」と称す。)及び炭素繊
維(以下「CF」と称す。)等の充填材料を混入し、材料
の機械的特性を向上させることも一般的に良く行なわれ
ているが、GF及びCFはいずれも繊維径が5〜20μmで長
さが100μm〜数mmと形状が大きく、成形品の表面平滑
性、表面意匠性を著しく低下させるという欠点がある。
また、繊維により材料の成形性が低下するという欠点も
あり、GFやCF等の充填材の使用は好ましいことではな
い。
本発明は上記従来の問題点を解決し、従来の製造設備
を用いて製造することができ、HCFC−123やHCFC−141b
を発泡剤としたウレタン発泡断熱材と接触した場合であ
っても、強度低下や破壊、外観不良をひき起こすことの
ない構造材を提供することができる混合樹脂組成物を提
供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明の混合樹脂組成物は、HCFC−123及び/又はHCF
C−141bを発泡剤とするウレタン発泡断熱材に接する構
造材製造用の混合樹脂組成物であって、エチレン−αオ
レフィン系ゴム質共重合体(A)、該ゴム質共重合体
(A)にその一部がグラフト結合したガラス状共重合体
であって、シアン化ビニル単量体と芳香族ビニル単量体
及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体と
で構成されるガラス状共重合体(B)、並びに、熱可塑
性ポリエステルエラストマー(C)を含み、前記ゴム質
共重合体(A)の含有量が10〜35重量%であり、前記ガ
ラス状共重合体(B)のうちゴム質共重合体(A)にグ
ラフト結合している割合が該ゴム質共重合体(A)100
重量部に対して30重量部以上であり、該ガラス状共重合
体(B)を構成するシアン化ビニル単量体成分量が25〜
40重量%であり、前記熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー(C)の含有量が5〜40重量%であり、かつ、ゴム質
共重合体(A)と熱可塑性ポリエステルエラストマー
(C)との合計含有量が20〜45重量%であることを特徴
とする。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の混合樹脂組成物において、エチレン−αオレ
フィン系ゴム質共重合体(A)としては、エチレン−プ
ロピレン又はエチレン−ブテン共重合体(EPR)、エチ
レン−プロピレン又はブテン−非共役ジエン共重合体
(EPDM)などが挙げられ、これらの共重合体におけるエ
チレンとプロピレン又はブテンとのモル比は5:1〜1:3の
範囲であることが好ましい。なお、前記EPDMにおける非
共役ジエンとしては、エチリデンノルボルネン、1,4−
ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、1,4−シクロヘ
プタジエン、1,5−シクロオクタジエン等が挙げられ
る。
本発明に係る混合樹脂組成物では、これらのゴム質共
重合体(A)は樹脂中に粒子状に分散しており、その粒
子径については特に制限は無いが、混合樹脂の衝撃強度
を発現するために0.2〜1μmの範囲が好ましい。
このようなゴム質共重合体(A)は、該ゴム質共重合
体(A)を構成する単量体に、必要により重合開始剤、
分子量調節剤、架橋剤、等を加えて公知の溶液重合法で
製造することができる。
ガラス状共重合体(B)は、シアン化ビニル単量体
と、芳香族ビニル単量体及び/又は不飽和カルボン酸ア
ルキルエステル単量体とで構成される。このうち、芳香
族ビニル単量体としては、スチレン、P−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、クロルスチレン等の1種又は
2種以上が、シアン化ビニル単量体としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等の1種又は2種以上
が、また、不飽和カルボン酸アルキルエステル単量体と
しては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチル
アクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の1
種又は2種以上を用いることができる。
このようなガラス状共重合体(B)の一部を前記ゴム
質共重合体(A)にグラフト結合させる方法としては、
ゴム質共重合体(A)の存在下でガラス状共重合体
(B)を構成する単量体と、必要により乳化剤、重合開
始剤、分子量調節剤、懸濁剤等とを加えて、公知の乳化
重合、懸濁重合或いは溶液重合等の方法によってグラフ
ト重合する方法が挙げられる。なお、ゴム質共重合体
(A)の存在下でガラス状共重合体(B)を構成する単
量体を加えて重合して得られるグラフト重合体は、これ
をそのまま用いても良く、更にこの得られたグラフト重
合体に、ゴム質共重合体(A)の非存在下で別に重合し
て得たガラス状共重合体を添加混合して用いても良い。
熱可塑性ポリエステルエラストマー(C)は、ポリエ
ステル系ブロック共重合体であり、主として芳香族ポリ
エステル単位からなる高融点ハードセグメントと脂肪族
ポリエーテル単位及び/又は脂肪族ポリエステル単位か
らなる低融点ソフトセグメントで構成される。このう
ち、ハードセグメントは、芳香族カルボン酸とグリコー
ル成分とで構成され、芳香族カルボン酸としては、好ま
しくは実質的にテレフタール酸及び/又は2,6−ナフタ
レンジカルボン酸が用いられるが、他に少量のイソフタ
ール酸等の芳香族ジカルボン酸或いはアジピン酸、セバ
チン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等の脂肪
族ジカルボン酸を併用しても良い。また、グリコール成
分としては、炭素数2〜12のグリコール、例えばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレン
グリコール、ヘキサンジオール、デカンジオール等が好
適である。一方、ソフトセグメントとしては、前述の如
くポリアルキレングリコール、脂肪族ポリエステル、ポ
リラクトン等が用いられ、このうちポリアルキレングリ
コールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエ
チレングリコール−ポリプロピレングンリコールブロッ
ク共重合体が、脂肪族ポリエステルとしてはコハク酸、
アジピン酸、セバチン酸、デカンジカルボン酸などの脂
肪族ジカルボン酸と前記したハードセグメントを構成す
るグリコール成分と同様のグリコール成分との重縮合物
が挙げられる。
本発明の混合樹脂組成物において、ゴム質共重合体
(A)の含有量は10〜35重量%である。ゴム質共重合体
(A)の含有量が10重量%未満では、断熱用箱体に用い
た場合の促進劣化テストによって膨れ、割れ、白化等の
外観不良を生じ、35重量%を超えると、混合樹脂の熔融
粘度が高くなって押出成形性が低下するとともに混合樹
脂の剛性と機械的強度が低下して、断熱用箱体に用いた
場合に必要となる強度と箱体表面の耐傷性を保持でき
ず、更に断熱用箱体の組立てが困難になるなどの問題を
生じる。
また、ガラス状共重合体(B)のゴム質共重合体
(A)にグラフト結合している割合は、ゴム質共重合体
(A)100量部に対して30重量部以上である。この割合
が30重量部未満では、シートが層状に剥離したり、衝撃
強度が劣るなどの欠点を生じる。このガラス状共重合体
(B)を構成する単量体成分量比については、本発明の
目的であるHCFC−123又はHCFC−141bなどのフロンに対
する耐溶剤性を改善するために、25重量%以上のシアン
化ビニル単量体を含有することが必要である。シアン化
ビニル単量体含有量が25重量%未満では、前記フロンに
対する耐溶剤性が十分でないために、断熱用箱体に用い
た場合に割れ、白化等の外観不良を生じる。一方、その
含有量が40重量%を超える場合には、混合樹脂の熱安定
性が低下し、断熱用箱体に成形加工する工程において、
著しく変色するために好ましくない。
また、本発明の混合樹脂組成物において、熱可塑性ポ
リエステルエラストマー(C)の含有量は5〜40重量%
である。この含有量が5重量%未満では断熱用箱体に用
いた場合の促進劣化テストによって割れ、白化等の外観
不良を生じ、40重量%を超える場合には剛性と機械的強
度が低下して、断熱用箱体の強度、箱体表面の耐傷性を
低下させ、更に断熱用箱体の組立てが困難となるなどの
問題がある。
更に、本発明の混合樹脂組成物中のゴム質共重合体
(A)と熱可塑性ポリエステルエラストマー(C)との
合計含有量は20〜45重量%とする。この合計含有量が20
重量%未満では断熱用箱体に用いた場合の促進劣化テス
トによって割れ、白化等の外観不良を生じ、45重量%を
超える場合には剛性と機械的強度が低下して断熱用箱体
の強度、箱体表面の耐傷性を低下させ、更に断熱用箱体
の組立てが困難になるなどの問題を生じる。
このような本発明の混合樹脂組成物の製造方法には特
に制限はなく、一般には、前述のグラフト重合により得
られた、ガラス状共重合体(B)が結合したゴム質共重
合体に所定量の熱可塑性ポリエステルエラストマーを添
加して混合することにより容易に調製される。
[作用] 本発明の混合樹脂組成物を構成するゴム質共重合体
(A)及び熱可塑性ポリエステルエラストマー(C)は
混合樹脂組成物に可撓性を付与するとともに、これらは
HCFC−123及びHCFC−141bに溶解しないために、本発明
の目的であるHCFC−123及び/又はHCFC−141bを用いて
発泡されたウレタン断熱材と接触する用途に必要な耐溶
剤性を付与する。
本発明の別の構成物質であるガラス状共重合体(B)
は、本発明の混合樹脂組成物に機械的強度、表面光沢な
どを付与するが、その耐溶剤性は本発明の範囲において
異なる。即ち、ガラス状共重合体(B)に含まれるシア
ン化ビニル単量体成分量が33重量%以下の場合にはガラ
ス状共重合体(B)はHCFC−123に溶解(無制限膨潤)
し、HCFC−141bに対して膨潤するが、その量が33重量%
を超えるに従って前記フロンへの溶解性が低下し、シア
ン化ビニル単量体成分量が40重量%の場合にはガラス状
共重合体(B)とほぼ同じ重量のHCFC−123を吸収し、H
CFC−141bに対する膨潤量は無視できる程度である。従
って、ガラス状共重合体を構成するシアン化ビニル単量
体成分量を40重量%を超えて上げることによって、本発
明の目的である特定のフロンに対する耐溶剤性は改善さ
れるが、この場合には前記したように、シアン化ビニル
単量体成分量が多すぎることが原因となって混合樹脂の
熱安定性が著しく低下する。このように、ガラス状共重
合体(B)の耐溶剤性は本発明の範囲において必ずしも
充分でないが、本発明者らは鋭意検討の結果、このよう
なガラス状共重合体(B)の一部をゴム質共重合体
(A)に結合させて、本発明の範囲に調整した混合樹脂
を用いて、シートを成形し、これとHCFC−123及びHCFC
−141bの内の少なくとも1種を発泡剤とするウレタン発
泡断熱材と接する状態で高温と低温条件に繰り返し保持
する試験(ヒートサイクルテスト)を行ったところ、こ
のウレタン発泡断熱材と接する上記シートにクラック等
の劣化が生じないことを見出し、本発明に到達したもの
である。
また、本発明の混合樹脂組成物は優れた加工性と、着
色性、衝撃強度、耐寒性などの特徴を有し、本発明の混
合樹脂組成物を箱体に用いることによりHCFC−123及びH
CFC−141bの内の少なくとも1種を発泡剤としたウレタ
ン発泡断熱材と接する用途に対して樹脂が劣化せず、成
形加工性、外観意匠性に優れた断熱用箱体を提供するこ
とができるものである。
[実施例] 以下、本発明を製造例及び実施例に基いて具体的に説
明する。
なお、実施例における評価方法は下記の通りである。
押出成形性 押し出し成形工程における混合樹脂の熔融粘度と熱安
定性を考慮して、実用の可能性を判定した。
押出シートの外観 押出シートの色調と表面光沢を評価して、断熱用箱体
としての外観意匠性が判定した。
押出シートの強度 押出シートの引張強度、曲げ弾性率、表面剛性を評価
して、断熱用箱体に組み込んだ場合の断熱用箱体の強度
及び樹脂製内箱表面の傷つき易さを考慮して判定した。
ヒートサイクル性 まず、押出シートを真空成形して厚み約1mmの成形品
を得た。
この真空成形シートを適当な大きさに切断した後、外
枠が金属で作られた間口200mm×100mm、深さ20mmの弁当
箱状容器の上面に固定した後、この1面が樹脂製シー
ト、他の5面が金属で形成されている中空容器の中空部
に発泡ポリウレタン原料を注入発泡させた。発泡操作後
60℃で30分キュアリングを行った後、−10℃で12時間放
置した後+50℃に12時間放置する操作を7回繰り返すヒ
ートサイクル試験を行なって試験終了後の樹脂製シート
の表面状態を観察した。なお、発泡ウレタン原料は東洋
ゴム(株)製「#1903−25」発泡ポリウレタン原料を用
いたが、この原料のうち、フロンについてのみHCFC−12
3或いはHCFC−141bを用いた。
また、熱可塑性ポリエステルエラストマーとしては、
市販の熱可塑性ポリエステルエラストマーとして、東洋
紡(株)製ペルプレンP55B、P153D、S3001、及び東レ・
デュポン(株)製ハイトレル5557を用いた。
製造例1 グラフト重合体の製造 エチレン−αオレフィン系ゴム乳化ラテックス、アク
リロニトリル、スチレンを公知の乳化重合により重合す
る際にゴムラテックス添加量、分子量調節剤及び開始剤
の種類と量を変えて、ゴム含有量とグラフト率の異なる
表1のグフト重合体(I),(II)を得た。
なお、グラフト率はグラフト重合体を重合する際に仕
込んだゴム量とアクリロニトリル、スチレン単量体の重
合率からグラフト重合体のゴム含量(a)を求めた後、
グラフト重合体1gを50mlのテトラヒドロフランに室温で
溶解した後に超遠心装置を用いて不溶分を求め、その重
量%(b)を用いて次式により計算した。
グラフト率(重量%)={(b)−(a)}×100/(a) また、グラフト重合体中のアクリロニトリルとスチレ
ン単量体成分の量比は赤外分光分析、元素分析等の公知
の分析方法により求めた。
製造例2 共重合体の製造 アクリロニトリル、スチレン、メチルメタクリレート
等の単量体の組合せと量比を変えて公知の懸濁重合によ
り表2の共重合体(i)〜(iii)を得た。
実施例1 グラフト重合体(I)と熱可塑性ポリエステルエラス
トマーとしてペルプレンP55B又はP153Dを表3の量比で
配合し、これに滑剤、可塑剤、安定剤等を加えた後、公
知の押出機又はバンバリーミキサーにて混練して混合樹
脂ペレットを得た。この混合樹脂ペレットを公知のコー
トハンガーダイを有する押出機にて押し出し成形し、厚
み約2mmのシートを成形した。
評価結果を表3に示す。
実施例2 熱可塑性ポリエステルエラストマーとしてペルプレン
S3001又はハイトレル5557を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして評価を行ない、結果を表4に示した。
実施例3 グラフト重合体(II)と、熱可塑性ポリエステルエラ
ストマーとしてペルプレンP153Dを用い、更に表5に示
す共重合体を表5に示す配合割合で添加して、実施例1
と同様にして評価を行ない、結果を表5に示した。
以上の結果から明らかなように、本発明の混合樹脂組
成物は、押出加工性、押出シートの外観、強度等に優
れ、また、本発明の混合樹脂組成物を用いて成形された
シートはHCFC−123及び/又はHCFC−141bを発泡剤とす
るウレタン発泡断熱材と接する状態における促進劣化テ
ストによってもウレタンと接触することによって樹脂が
劣化しない。このため、本発明の混合樹脂組成物によっ
て、強度や外観意匠性に優れる断熱用箱体製造用の混合
樹脂が提供されることが明らかである。
なお、上記実施例において、若干の白化現象が見られ
る場合があるが、十分に実用に供し得る程度のものであ
る。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明の混合樹脂組成物によれ
ば、HCFC−123及び/又はHCFC−141bを発泡剤としたウ
レタン発泡断熱材と接する箱体として、強度や外観意匠
性に優れた断熱用箱体を製造することができる。しか
も、本発明の混合樹脂組成物による樹脂製箱体は、いず
れも従来の製造設備を用いて製造できるため工業的に極
めて有利である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−205149(JP,A) 特開 昭63−241062(JP,A) 特開 昭56−143235(JP,A) 特開 昭57−102945(JP,A) 特許2921075(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 51/00 - 51/10 C08L 55/02 C08L 67/00 - 67/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフロロエタン
    及び/又は1,1−ジクロロ−1−フロロエタンを発泡剤
    とするウレタン発泡断熱材に接する構造材製造用の混合
    樹脂組成物であって、 エチレン−αオレフィン系ゴム質共重合体(A)、該ゴ
    ム質共重合体(A)にその一部がグラフト結合したガラ
    ス状共重合体であって、シアン化ビニル単量体と芳香族
    ビニル単量体及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエス
    テル単量体とで構成されるガラス状共重合体(B)、並
    びに、熱可塑性ポリエステルエラストマー(C)を含
    み、 前記ゴム質共重合体(A)の含有量が10〜35重量%であ
    り、前記ガラス状共重合体(B)のうちゴム質共重合体
    (A)にグラフト結合している割合が該ゴム質共重合体
    (A)100重量部に対して30重量部以上であり、該ガラ
    ス状共重合体(B)を構成するシアン化ビニル単量体成
    分量が25〜40重量%であり、前記熱可塑性ポリエステル
    エラストマー(C)の含有量が5〜40重量%であり、か
    つ、ゴム質共重合体(A)と熱可塑性ポリエステルエラ
    ストマー(C)との合計含有量が20〜45重量%であるこ
    とを特徴とする混合樹脂組成物。
JP29784590A 1990-11-02 1990-11-02 混合樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3013431B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29784590A JP3013431B2 (ja) 1990-11-02 1990-11-02 混合樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29784590A JP3013431B2 (ja) 1990-11-02 1990-11-02 混合樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04170451A JPH04170451A (ja) 1992-06-18
JP3013431B2 true JP3013431B2 (ja) 2000-02-28

Family

ID=17851897

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29784590A Expired - Fee Related JP3013431B2 (ja) 1990-11-02 1990-11-02 混合樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3013431B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109401006A (zh) * 2018-09-30 2019-03-01 三斯达(江苏)环保科技有限公司 一种增强型复合发泡材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04170451A (ja) 1992-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100262832B1 (ko) 열성형가능한내화학성중합체블렌드
JP2821351B2 (ja) 気泡体として成形される熱可塑性プラスチックの造核剤としてポリテトラフルオロエチレン樹脂を使用する方法
CN1171804A (zh) 冷藏室中使用的阻挡层
JP2008525610A (ja) 環境応力抵抗性が優れた冷蔵庫用熱可塑性樹脂組成物
JPWO2017171031A1 (ja) 軽量化及びリブ設計が可能な樹脂組成物による表面性が良好な射出発泡成形体
JPH05262992A (ja) 防油性重合体組成物
KR101912985B1 (ko) 열가소성 수지 조성물 및 성형품
JP3013431B2 (ja) 混合樹脂組成物
JP3006073B2 (ja) 混合樹脂組成物
JP3018473B2 (ja) ゴム強化スチレン系樹脂組成物
KR102183901B1 (ko) 스티렌계 수지 조성물, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 성형품
JP3063146B2 (ja) 混合樹脂組成物
JP2921075B2 (ja) 混合樹脂組成物
JP3010715B2 (ja) ゴム補強スチレン系樹脂組成物
JP3520575B2 (ja) ゴム強化スチレン系樹脂組成物及び断熱用構造体
KR100541061B1 (ko) 금속 질감을 갖는 냉장고 내상용 다층 쉬트
JP2905345B2 (ja) 断熱用箱体
JP2001181428A (ja) 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体及びその製造方法
JPH05310862A (ja) 耐フロン性樹脂組成物及び断熱用箱体
JP3519912B2 (ja) 発泡性塩化ビニル系樹脂組成物
JP3514551B2 (ja) 低発泡成形用樹脂組成物
JP2596634B2 (ja) 断熱用箱体
JPH05339450A (ja) 合成樹脂組成物
JPH03292112A (ja) 断熱用箱体
JPH05148414A (ja) 冷蔵庫用樹脂内装品

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees