JP2001181428A - 熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents
熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体及びその製造方法Info
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Abstract
押し出し発泡を容易にするとともに、得られた発泡体を
二次成形し易いものとし、さらに二次成形して得られた
成形体が良好なものとなるようにする。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル系樹脂として、ポ
リエチレンナフタレート樹脂が5〜60重量%を占め、
ポリエチレンテレフタレート樹脂が95〜40重量%を
占めるものを用い、この熱可塑性ポリエステル系樹脂1
00重量部に、ゴム状物質にエチレン状不飽和カルボン
酸アルキルエステルをグラフト重合させて得られたグラ
フト共重合体2〜20重量部を加えた混合物を押し出し
発泡させる。
Description
ステル系樹脂発泡体、及びその製造方法に関するもので
ある。
ATという)は、芳香族のジカルボン酸と、二価のアル
コールすなわちジオールとの間で、エステル化反応を行
わせて得られた高分子量の鎖状ポリエステルである。ジ
カルボン酸としては、古くはフタル酸、とくにテレフタ
ル酸又はイソフタル酸が多く用いられたが、最近ではナ
フタレンジカルボン酸も用いられている。他方、ジオー
ルとしては、脂肪族アルコール、例えばエチレングリコ
ールが多く用いられているが、芳香族アルコールも用い
られている。
張力、耐衝撃性などの機械的強度が大きく、寸法安定
性、耐熱性及び耐候性も良好であるために、色々な方面
で用いられている。例えば、食品を始めとして色々な商
品を入れる容器として、とくに瓶として広く用いられ、
また色々な商品を包み又は嵌め込むためのフィルム又は
シートとして、とくにブリスターパックとして広く使用
されている。また、磁気テープ用の基材フィルムとして
も広く使用されている。
て一旦シート又はフィルムにし、その後これを加熱し、
成形型に押し付け又は成形型の間に挟んで、所望の形に
成形して使用されることが多い。従って、PATとして
は、シート又はフィルムとして押出成形が容易であるこ
と、並びに成形型による二次成形が容易であることが必
要とされる。
ン酸として何を用いるか、またジオールとして何を用い
るかによって、物理的性質に若干の差異を生じる。例え
ば、ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下、PETと
いう)は、芳香族カルボン酸としてテレフタル酸を使用
し、ジオールとしてエチレングリコール等の脂肪族ジア
ルコールを使用して作られたものである。PETはさき
に述べたPATの一般的特性を持つが、PATの中では
ガスバリヤ性に劣り、また特異な耐熱性を持っている。
特異な耐熱性とは、PETを成形体としたあとでこれを
加熱して結晶割合を多くすると、耐熱性を向上させるこ
とができるが、加熱しなければ65〜75℃のガラス転
移点を持ったものとなって、耐熱性がさほど良好でない
ものとなる。
下、PENという)は、芳香族ジカルボン酸としてナフ
タレンジカルボン酸を使用し、ジオールとしてエチレン
グリコール等の脂肪族ジアルコールを使用して作られた
ものである。PENもさきに述べたPATの一般的特性
を持っているが、とくにガラス転移点が約120℃であ
って、PETより少なくとも45℃ほど高く、従って耐
熱性に富んでいる。そのために、PENは加熱して成形
することが困難である。また、PENはPETに比べて
ガスバリヤ性には優れているが、耐衝撃性には劣ってい
る。
欠点を互いに補い合う関係にある。そこで、PETとP
ENとを混合して、それぞれの欠点を改良した樹脂組成
物を作ろうとの試みがなされた。しかし、この試みには
問題が伴った。その問題は、PEN自体が成形加工の困
難なものであるのに、PENとPETとの混合物は、P
ET単独よりもさらに成形加工が困難になる、というこ
とである。詳しく言えば、PET単独の場合でもそれを
押し出し発泡させたり、発泡したシートを真空成形した
りすることは、他の樹脂に比べて困難であるのに、PE
NとPETとの混合物は、PETよりもさらに成形加工
することが困難になるから、この試みは簡単に成功しな
い。
PENの中から特殊な極限粘度を持つものを選んで組成
物とすることによって、二次成形が容易になることを開
示している。また、特開平7−188530号公報は、
二次成形にまで言及していないが、PATの耐衝撃性を
改良するために、芳香族ジカルボン酸に特殊な芳香族ジ
オールを反応させて特殊なPATを作り、これにガラス
転移点が0℃以下の樹脂を配合することを教えている。
この場合、ガラス転移点が0℃以下の樹脂としては、ポ
リオレフィン、ABS樹脂、合成ゴム、コアシェル型の
ゴム等、色々なものが使用できると記載している。
組成物について説明しているだけで、PATを発泡体に
することについては全く言及していない。それは、PA
Tが発泡させるに困難な樹脂だからである。発泡の困難
な理由は、PATを常温から徐々に加熱して行くと、結
晶融点近くで急激に溶融するため、発泡に適した粘度を
示す温度範囲が狭く、従って発泡に適した溶融状態に維
持することが困難だからである。
改質剤が用いられる。改質剤は、PATの溶融時におけ
る粘度を上昇させることを目的としたものである。改質
剤は架橋剤とも言われている。その代表的なものは、酸
二無水物、ジグリシジル化合物及び多官能エポキシ化合
物である。酸二無水物とは、例えば無水ピロメリット酸
のような1分子中に2個の酸無水物基を持った化合物で
ある。また、ジグリシジル化合物とは、ジグリシジルフ
タレートのようなものである。
いる。特公平7−8531号公報は、主として食品容器
を目的として、PET発泡シートから容器を作る方法を
開示している。この方法は、PET発泡体が常温で耐衝
撃性に劣るという欠点を持つと見做して、この欠点を改
良するためにPETに少量のポリオレフィンを添加して
組成物を作り、この組成物に不活性ガスを圧入して発泡
させることを提唱している。ところが、この方法による
と、常温での耐衝撃性は向上するが、低温での耐衝撃性
は向上せず、その上に外観の劣った発泡体しか得られな
い、という問題がある。
性、機械的強度、耐候性、耐薬品性、ガスバリヤ性にす
ぐれた発泡樹脂シートを得ることを目的として、PET
とPENとを混合し、これを押し出し発泡させて、唯1
つのガラス転移点を持ち、且つ結晶融点を持った樹脂か
らなる発泡体とすることを提案している。また、この公
報は、押し出し発泡させる際には、架橋剤又は分岐剤を
樹脂に加え、サーキュラー金型から円筒状の発泡シート
として押し出し、これを切り開いて発泡シートとするこ
とをすすめている。この提案によると、発泡時に樹脂の
分解もなく、また切り開き時に亀裂の生じることもなく
なる、という利点がもたらされる。
報が提案する方法では、PETとPENとの混合物を押
し出し発泡させることがまだ容易でないし、また得られ
た発泡シートを二次成形することも容易でない。そこ
で、さらに押し出し発泡が容易であり、また得られた発
泡体を二次成形することが容易であって、しかも二次成
形によって得られた成形体が良好な性質のものとなるよ
うなPAT発泡体の製造方法を開発する必要があった。
に応じて生まれたものである。すなわち、この発明は、
PATを用いて、その押し出し発泡を容易にするととも
に、得られた発泡体を二次成形し易いものとし、さらに
二次成形して得られた成形体が良好な性質を持ったもの
にすることを目的として、PAT発泡体の製造方法と、
改良されたPAT発泡体とを提供しようとするものであ
る。
PETとPENとの混合物に特殊なグラフト共重合体を
添加することによって、解決できることを見出した。こ
こで、特殊なグラフト共重合体とは、ゴム状物質にエチ
レン状不飽和カルボン酸アルキルエステルをグラフト重
合させて得られたグラフト共重合体である。それは、例
えばスチレン・ブタジエン共重合体からなるゴム状物質
にメタクリル酸エチルをグラフト重合させて、ゴム状物
質をコアとしポリアクリル酸エチルをシェルとしたグラ
フト共重合体である。
割合に混合して得られた混合物に上記グラフト共重合体
と架橋剤とを加え、これを押出機に入れ押出機内で発泡
剤を圧入して発泡性樹脂とし、この発泡性樹脂を押し出
し発泡させると、押出条件の調整により格別の困難な
く、所望の密度を持った発泡体が得られることを見出し
た。また、この発明者は、こうして得られた発泡体が連
続気泡の少ないものとなり、また二次成形が容易で、し
かも外観の良好な二次成形体を与えるものであることを
見出した。この発明はこのような知見に基づいて完成さ
れたものである。
明と、この発泡体の製造方法という方法の発明とを含ん
でいる。
ン状不飽和カルボン酸アルキルエステルをグラフト重合
させて得られたグラフト共重合体2〜20重量部をPA
T100重量部に加えてなる樹脂組成物であって、前記
PATがPEN5〜60重量%とPET95〜40重量
%からなるものであって、前記樹脂組成物を密度0.9
〜0.07g/cm3 に発泡させ、連続気泡率を20%以
下としたことを特徴とする、PAT発泡体である。
60重量%とPET95〜40重量%とからなるPAT
100重量部に、ゴム状物質にエチレン状不飽和カルボ
ン酸アルキルエステルをグラフト重合させて得られたグ
ラフト共重合体2〜20重量部を加え、この混合物を押
出機に入れて押出機内で溶融し、これに発泡剤を圧入し
てのち、これを低圧領域へ押し出し発泡させることを特
徴とするものである。
得るために、PETとPENとを特定の割合に混合して
用いることとし、この混合物の発泡を容易にするため
に、この混合物にグラフト共重合体を加えることを最大
の特徴としている。このグラフト共重合体は、ゴム状物
質にエチレン状不飽和カルボン酸アルキルエステルをグ
ラフト共重合させたものである。とくにこのグラフト共
重合体はゴム状物質をコアすなわち核とし、その周りに
エチレン状不飽和カルボン酸アルキルエステルの重合体
を形成して、これをシェルすなわち殻としたものであ
る。
るものは、ゴム状物質である。このゴム状物質は、スチ
レンとブタジエンのようなゴム成分を一般の乳化重合
法、懸濁重合法などの方法により重合させたものであ
る。ゴム状物質としては前述のスチレン・ブタジエン共
重合体以外に、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロ
ロプレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴ
ム、ニトリルゴム、アクリルゴム等を使用することがで
きる。
は、エチレン状不飽和カルボン酸アルキルエステル単量
体が重合したものである。このような単量体としては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸オク
チル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸オクチル等を用いることができる。このような
単量体は単独で用いることもできるが、また2種以上の
ものを混合して用いることもできる。なお、上記単量体
に少量の他の単量体、例えば芳香族ビニル化合物を混合
して用いることもできる。
の単量体をグラフト重合させて、コアの周りに単量体の
重合物をシェルとして形成するには、格別の技術が必要
とされるかも知れない。しかし、このようなコアの周り
にシェルを形成したグラフト共重合体は市販されてい
る。従って、このようなグラフト共重合体は市販のもの
を購入して使用することができる。
げると、次のとおりである。呉羽化学工業株式会社から
クレハBTA751として販売されている樹脂は、MB
S系ゴムに属するものであって、スチレン・ブタジエン
ゴムをコアとし、これにメタクリル酸メチルをグラフト
重合させたものである、と言われている。そのほかに呉
羽化学工業株式会社の製造するものとしては、MBS系
ゴムとしてクレハEXL2602、EXL2603、ア
クリル系ゴムとしてEXL2315、EXL2313、
EXL2314、EXL2311などがある。また、ク
ラレリビング株式会社からパラフェイスME−120の
商品名で販売されているものは、詳しい組成は分明でな
いが、コア・シェル型のグラフト共重合体である。
RTと略称する)は、これを微細な粒子として用いるこ
とが好ましい。その粒径は数百ないし数拾μm、とくに
75〜500μmの範囲内のものが好ましい。その理由
は、粒径が500μmを越えると、組成物に部分的にム
ラが生じ易くなり、従って全体にわたって一様に発泡さ
せることが困難となるからであり、逆に粒径が75μm
未満になると、微細過ぎて取扱いにくくなるからであ
る。
PETとPENとの混合物を用いる。その混合割合は、
PET95〜40重量%に対してPEN5〜60重量%
である。このような割合にする理由は、PETが40重
量%未満では、PENが60重量%を越えることとなっ
て、押し出し成形並びに二次成形が困難となるからであ
り、逆に、PETが95重量%を越えるとPENが5重
量%未満になり、耐熱性の改良が顕著でなくなるからで
ある。
割合に混合して組成物とする。特定の割合とは、重量で
PAT100部に対し、GRTを2〜20部である。そ
の理由は、GRTが2部未満では、PATの発泡を容易
にするという効果が顕著に現れないからであり、逆にG
RTが20部を越えると、得られたPAT発泡体の剛性
が低下し、また発泡体の気泡が粗大になり過ぎて、何れ
にしても良好な発泡体を得ることができなくなるからで
ある。
には次の点に注意しなければならない。PETもPEN
も何れも加水分解し易い性質を持っているので、これを
加熱する前にまず乾燥することが好ましい。乾燥は、P
ETとPENとを除湿乾燥機に入れ、露点が−30℃以
下の空気を130℃以上に加熱して吹き込み、この空気
にPETとPENとを3時間程度接触させて行うことが
できる。また、PETとPENとは軟化点が高いのに対
し、GRTは軟化点が低く、その開きが大きいので、両
者を混合機に入れて直ちに加熱すると、ブロッキングを
起こし易く、従って均一な組成物とすることが困難とな
る。そこで、混合して組成物とするには押出機を用いる
ことが好ましい。
ともできるが、バレルの途中にベント口を備えたものを
用いることが好ましい。ベント口は、樹脂が溶融された
状態になるところに設けられていることが好ましい。ベ
ント口は、例えば20Torr以下の減圧状態とされた
部屋に接続されて、ベント口から真空吸引を行うことが
好ましい。このようにすると、PAT中に含まれている
揮発分を押出機中で除くことができるので、PATの乾
燥を簡略化し、またPATの加水分解を完全に防ぐこと
ができる。
ことが好ましい。2軸押出機を用いると、軟化点が大き
く開いているPET及びPENとGRTとを容易に混練
して、均一な組成物にすることができるからである。2
軸押出機の中では、2本のスクリュが完全に咬み合って
いるものを用いるのが好ましく、その中でも2本のスク
リュが同方向に回転するものを用いることが好ましい。
の圧入口を設けて、PEN、PETとGRTとが混練さ
れて組成物となったあとで、この中に発泡剤を圧入する
ことが好ましい。また押出機としては、押出機が2台縦
に接続されたタンデム型の押出機を使用し、一段目の押
出機を2軸押出機としてこの中でよく混練して一様な組
成物とし、二段目の押出機を単軸押出機として、この中
で発泡剤を圧入するとともに、組成物を均一に加熱され
た状態にすることが好ましい。また、必要に応じてギア
ポンプを一段目と二段目の押出機の間、又は二段目の押
出機の後に設けることもできる。
係は、押出量(kg/時間)と回転数(回転数/分)と
の比が、1:0.28ないし1:1.67の範囲内にあ
るようにすることが好ましく、とりわけ1:0.33な
いし1:1.43の範囲内にあるようにすることが好ま
しい。押出量を1とした時の回転数の比において、回転
数が0.28より少ないと、シリンダー内に樹脂量が多
くなり、ベント口又は原料投入口からオーバーフローし
て好ましくない。回転数が1.67より多いと、シリン
ダー内に樹脂量が少なくなり、空間部分が多くなるの
で、減圧不足になり樹脂の加水分解が進行し好ましくな
い。
ものを用いることができる。具体的には、窒素、二酸化
炭素、ヘリウムなどの不活性ガス、プロパン、ブタン、
ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、塩化メチル、
テトラフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素、メチル
ターシャリブチルエーテル、ジメチルエーテル等のエー
テル等である。また、これらの物理的発泡剤以外に、炭
酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の化学的発泡剤も用
いることができる。これらの発泡剤は、単独で用いるこ
ともできるが、混合して用いることもできる。
いので、これを発泡させることが困難である。そこで、
前述のように、PATを発泡させる際には、溶融粘度と
溶融張力を上昇させるために、改質剤を添加する。この
発明においても、これまでPATの改質剤として知られ
ているもの、例えば前述の酸二無水物、ジグリシジル化
合物、オキサゾリン化合物、多官能エポキシ化合物を使
用することができる。また、PATはその中に少量の3
価以上のアルコール(例えばグリセリン、ペンタエリス
リトール)、又は3価以上のカルボン酸(例えばトリメ
リット酸、ピロメリット酸)を含んでもよい。
形に応じて適当なダイを付設する。発泡体としてシート
を得ようとする場合にはダイとしてフラットダイ又はサ
ーキュラーダイを付設し、円柱を得ようとする場合には
ノズルダイを付設し、板を得ようとする場合にはフラッ
トダイ又はマルチノズルダイを付設する。ダイの先には
場合に応じて円筒状マンドレル、チルロール、又は上下
一組の冷却板等を付設して、押出物の形を整えつつ押出
物を冷却するようにする。
0.9〜0.07g/cm3 の範囲に押さえる。これは上
述した製造方法に加え、押出機出口の圧力を8MPa〜
35MPaの範囲内に調整することにより達成すること
ができる。密度をこのような範囲に押さえる理由は、発
泡体の密度が0.9g/cm3 を越えると、発泡体の熱絶
縁性や緩衝特性が低下するからであり、逆に密度が0.
07g/cm3 未満になると、発泡体中に連続した気泡が
多くなり、発泡体の機械的強度が低下するとともに、二
次成形した場合の二次発泡性が低下し、また、得られた
成形体の肉厚が不均一となるからである。
とからなるPAT100重量部に、GRT2〜20重量
部を加えた混合物を押出機に入れ、押出機内で溶融し、
これに発泡剤を圧入してのち、これを低圧領域へ押し出
し発泡させるので、GRTの添加によりPATの押し出
し発泡が容易となる。その場合、押出条件の調整によ
り、0.9〜0.07g/cm3 の密度と、20%以下の
連続気泡率とを持った発泡体を容易に得ることができ
る。この発明方法は、このような利益をもたらすもので
ある。
0重量%のPENと95〜40重量%のPETとで構成
されているので、良好な耐熱性と耐衝撃性とを持ち、ま
たバリヤ性に富み、そのほかの機械的強度も大きく、P
AT一般の特性を備えているので、食品用容器を始め各
種の容器とするに適している。その上に、軽量であり、
連続気泡率が20%以下となっていて低く、さらにGR
Tを含んでいるので、二次成形することが容易であり、
しかも外観が美麗であるから、複雑な形状に容易に成形
できることとなり、従って容器及びトレイとして一層広
く利用できる。この発明に係る発泡体はこのような利益
を与えるものである。
発明の優れている所以を説明する。なお、以下で単に部
又は%というのは、それぞれ重量部又は重量%の意味で
ある。
び穿孔衝撃値を測定しているが、その測定方法は次のと
おりである。
型)を用い、JIS K 7121に規定されている測定方法の中
間点で求めた。
向に積み重ね、およそ25mmの高さとして測定サンプ
ルとする。その測定サンプルを空気比較式比重計(東京
サイエンス社製1000型)を用い、ASTM D 2856 に従
い1−1/2−1気圧法により測定した。なお、試験数
は5個でその平均値を採った。
突穴あけ強さ試験(穿孔衝撃試験)であるJIS P 8134に
従って測定した。また、試験数は10個で、その平均値
を採った。
段目の押出機として口径65mmφの2軸押出機で、バ
レルに2個のベント口が設けられ、スクリュが噛み合っ
て同方向に回転するものを用い、二段目の押出機として
口径65mmφの単軸押出機を用いた。
(遠東紡績社製CH611)を用い、PENとしては極
限粘度が0.65のもの(帝人社製TN−8065)を
用いた。また、GRTとしてはコアシェル型のもの(呉
羽化学社製BTA751)を用い、気泡調整剤として四
弗化エチレン樹脂粉末(旭硝子社製フルオン169J)
を用いて次の配合物を作った。 CH611 80% TN−8065 20% BTA751 5部 フルオン169J 0.01部 無水ピロメリット酸 0.5部 炭酸ソーダ 0.02部
記一段目の押出機の原料投入口に連続的に供給した。一
段目の押出機はスクリュ回転数を112rpm、シリン
ダー温度を265〜275℃とし、2個のベント口を減
圧度が14.5Torrの減圧室に接続して、押出機中
の揮発物を除去した。
している接続管の温度を265℃に維持した。二段目の
押出機はスクリュ回転数を60rpmとし、シリンダー
温度を265〜275℃に維持した。また、二段目の押
出機の途中から発泡剤としてブタンを0.3部の割合で
圧入した。
サーキュラーダイから大気中へ押し出して発泡させた。
押出機出口の圧力は15MPaであった。押出物は直径
が414mmφで長さが900mmの円筒形マンドレル
の上を滑って形が整えられながら冷却された。その際、
マンドレルには冷却水を循環させて表面を25℃に保っ
た。得られた発泡体は、厚さ1.65mm、密度0.3
g/cm3 、連続気泡率11.8%、ガラス転移点は85
℃で外観良好なものであった。また、その発泡体の穿孔
衝撃値を測定したところ14.8kgf・cmであっ
た。
2mmのマッチド型で加圧して複雑な形状に成形し、電
気製品の梱包用トレイとした。得られたトレイは、成型
品側壁の厚みが1.85mmで、成形性に優れ、表面に
損傷がなく、外観美麗なものであり、耐熱性、耐衝撃性
に優れたものであった。
TN−8065を40%とした以外は、実施例1と全く
同様にして発泡体を得て、これをトレイに成形した。
度0.3g/cm3 、連続気泡率12.5%、ガラス転移
点は94℃で外観良好であり、その発泡体の穿孔衝撃値
は12.1kgf・cmであった。
厚みが1.79mmで、成形性に優れ、外観美麗なもの
であり、耐熱、耐衝撃性に優れたものであった。
1の代わりに極限粘度が0.7のPETボトル回収フレ
ークを用いること以外は、実施例1と全く同様にして発
泡体を得て、これをトレイに成形した。
度0.3g/cm3 、連続気泡率13.1%、ガラス転移
点は93℃で外観良好であり、その発泡体の穿孔衝撃値
は11.1kgf・cmであった。
厚みが1.83mmで、成形性に優れ、外観美麗なもの
であり、耐熱、耐衝撃性に優れたものであった。
加させて10部とした以外は、実施例3と全く同様にし
て発泡体を得て、これをトレイに成形した。
度0.3g/cm3 、連続気泡率12.8%、ガラス転移
点は93℃で外観良好であり、その発泡体の穿孔衝撃値
は13.5kgf・cmであった。
厚みが1.72mmで、成形性に優れ、外観美麗なもの
であり、耐熱、耐衝撃性に優れたものであった。
こととした以外は、実施例1と全く同様にして発泡体を
得た。
度0.3g/cm3 、連続気泡率15.8%、ガラス転移
点は94℃であったが、外観が悪く、表面状態が荒れた
ものであった。その発泡体の穿孔衝撃値は6.8kgf
・cmであり、衝撃強度の劣るものであった。
く、成型品側壁の厚みが1.67mmで、ほとんど二次
発泡せず、外観が悪く、耐熱性は優れていたが耐衝撃性
に劣ったものであった。
TN−8065を80%とした以外は、実施例1と全く
同様にして発泡体を得た。
度0.3g/cm3 、連続気泡率26%、ガラス転移点は
113℃であったが、外観が悪く、表面状態が荒れたも
のであった。その発泡体の穿孔衝撃値は4.1kgf・
cmであり、衝撃強度の劣るものであった。
く、成型品側壁の厚みが1.68mmで、ほとんど二次
発泡せず、外観が悪く、耐熱性は優れていたが耐衝撃性
に劣ったものであった。
とした以外は、実施例1と全く同様にして発泡体を得
て、これをトレイに成形した。
度0.3g/cm3 、連続気泡率18%、ガラス転移点は
83℃であった。その発泡体の穿孔衝撃値は35.6k
gf・cmで衝撃強度は優れていた。
に、成形性が悪く、発泡体の伸びが悪く、成形されたト
レイの成型品側壁の厚みが0.97mmであった。外観
が悪く、耐熱性、耐衝撃性は優れていたが、成型品側壁
に亀裂が生じていた。
とした以外は、実施例1と全く同様にして発泡体を得
た。これをトレイに成形する際にマッチド型の凹凸部の
温度を180℃に加温してトレイを得た。
度0.3g/cm3 、連続気泡率8.2%、ガラス転移点
は76℃であった。その発泡体の外観は良好であり、穿
孔衝撃値は15.2kgf・cmであった。
く、成型品側壁の厚みが1.16mmであった。耐熱
性、耐衝撃性は優れていたが、成型品側壁が薄く、表面
の気泡が挫屈していた。
Claims (5)
- 【請求項1】 ゴム状物質にエチレン状不飽和カルボン
酸アルキルエステルをグラフト重合させて得られたグラ
フト共重合体2〜20重量部を、熱可塑性ポリエステル
系樹脂100重量部に加えてなる樹脂組成物であって、
前記熱可塑性ポリエステル系樹脂がポリエチレンナフタ
レート樹脂5〜60重量%とポリエチレンテレフタレー
ト樹脂95〜40重量%からなるものであって、前記樹
脂組成物を密度0.9〜0.07g/cm3 に発泡させ、
連続気泡率を20%以下としたことを特徴とする、熱可
塑性ポリエステル系樹脂発泡体。 - 【請求項2】 ポリエチレンナフタレート樹脂5〜60
重量%と、ポリエチレンテレフタレート樹脂95〜40
重量%とからなる熱可塑性ポリエステル系樹脂100重
量部に、ゴム状物質にエチレン状不飽和カルボン酸アル
キルエステルをグラフト重合させて得られたグラフト共
重合体2〜20重量部を加え、この混合物を押出機に入
れて押出機内で溶融してこれに発泡剤を圧入してのち、
これを低圧領域へ押し出し発泡させることを特徴とす
る、熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項3】 押出機としてバレルにベント口を備えて
いるものを用い、ベント口から真空吸引して溶融された
組成物中の揮発分を除去することを特徴とする、請求項
2に記載の方法。 - 【請求項4】 押出機として2軸押出機を用い、2軸を
同方向に回転させて混合物を押出機内で混練することを
特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。 - 【請求項5】 押出機出口の圧力を8MPa〜35MP
aの範囲内に調整することにより、発泡体に0.9〜
0.07g/cm3 の密度と20%以下の連続気泡率とを
与えることを特徴とする、請求項2−4の何れか1つの
項に記載の方法。
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