JPH05310862A - 耐フロン性樹脂組成物及び断熱用箱体 - Google Patents
耐フロン性樹脂組成物及び断熱用箱体Info
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- JPH05310862A JPH05310862A JP33863792A JP33863792A JPH05310862A JP H05310862 A JPH05310862 A JP H05310862A JP 33863792 A JP33863792 A JP 33863792A JP 33863792 A JP33863792 A JP 33863792A JP H05310862 A JPH05310862 A JP H05310862A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 HCFC−123やHCFC−141bを発
泡剤とするウレタン発泡断熱材に接する構造材料として
好適な樹脂組成物を提供する。 【構成】 ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体及びシア
ン化ビニル単量体をグラフトしてなるグラフト共重合体
(A)を含有してなる樹脂組成物のゴム質重合体含有量
は10〜35重量%。樹脂組成物中の芳香族ビニル単量
体成分とシアン化ビニル単量体成分の合計に対するシア
ン化ビニル単量体成分の割合が58〜65モル%。 【効果】 押出加工性、押出シートの外観、強度等に優
れる。HCFC−123及びHCFC−141bを発泡
剤とするウレタン発泡断熱材と接しても劣化、変形しな
い。強度や外観意匠性に優れる断熱用箱体が提供され
る。
泡剤とするウレタン発泡断熱材に接する構造材料として
好適な樹脂組成物を提供する。 【構成】 ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体及びシア
ン化ビニル単量体をグラフトしてなるグラフト共重合体
(A)を含有してなる樹脂組成物のゴム質重合体含有量
は10〜35重量%。樹脂組成物中の芳香族ビニル単量
体成分とシアン化ビニル単量体成分の合計に対するシア
ン化ビニル単量体成分の割合が58〜65モル%。 【効果】 押出加工性、押出シートの外観、強度等に優
れる。HCFC−123及びHCFC−141bを発泡
剤とするウレタン発泡断熱材と接しても劣化、変形しな
い。強度や外観意匠性に優れる断熱用箱体が提供され
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐フロン性樹脂組成物及
び断熱用箱体に係り、詳しくは、ウレタン発泡断熱材を
用いた断熱用箱体を製造する用途に好適に使用される樹
脂組成物と、該組成物を用いて成形された箱体を有する
断熱用箱体に関し、更に詳しくは、1,1−ジクロロ−
2,2,2−トリフロロエタン(以下「HCFC−12
3」と称す。)及び/又は1,1−ジクロロ−1−フロ
ロエタン(以下「HCFC−141b」と称す。)を発
泡剤とするウレタン発泡断熱材に接する構造材料の製造
原料として好適な耐フロン性樹脂組成物及びこの組成物
を用いて成形された箱体を有する断熱用箱体に関する。
び断熱用箱体に係り、詳しくは、ウレタン発泡断熱材を
用いた断熱用箱体を製造する用途に好適に使用される樹
脂組成物と、該組成物を用いて成形された箱体を有する
断熱用箱体に関し、更に詳しくは、1,1−ジクロロ−
2,2,2−トリフロロエタン(以下「HCFC−12
3」と称す。)及び/又は1,1−ジクロロ−1−フロ
ロエタン(以下「HCFC−141b」と称す。)を発
泡剤とするウレタン発泡断熱材に接する構造材料の製造
原料として好適な耐フロン性樹脂組成物及びこの組成物
を用いて成形された箱体を有する断熱用箱体に関する。
【0002】
【従来の技術】冷蔵庫、製氷機などの保冷を目的とする
断熱用箱体は、一般に、例えば塗装或いはコーティング
を施した鋼板を外箱形状(門型又は逆門型など)に成形
し、次に所定の形状に成形した合成樹脂製内箱と組み合
わせ、この内箱と外箱との間にウレタン発泡断熱材の原
料であるウレタン原液を注入した後発泡させ、ウレタン
発泡断熱材により外箱と内箱とを接合一体化する。即
ち、ウレタン発泡断熱材を、断熱材としての役割を果た
させると共に、構造体としての強度部材として利用して
いる。なお、使用目的により、外箱と内箱とは、同材質
であっても異材質であっても良い。
断熱用箱体は、一般に、例えば塗装或いはコーティング
を施した鋼板を外箱形状(門型又は逆門型など)に成形
し、次に所定の形状に成形した合成樹脂製内箱と組み合
わせ、この内箱と外箱との間にウレタン発泡断熱材の原
料であるウレタン原液を注入した後発泡させ、ウレタン
発泡断熱材により外箱と内箱とを接合一体化する。即
ち、ウレタン発泡断熱材を、断熱材としての役割を果た
させると共に、構造体としての強度部材として利用して
いる。なお、使用目的により、外箱と内箱とは、同材質
であっても異材質であっても良い。
【0003】ところで、ウレタン発泡の際には、ウレタ
ンの硬化反応時の発熱によりウレタン発泡断熱材の中心
部では60℃以上の高温となる。このため、ウレタンの
硬化反応後、冷却時にウレタン発泡断熱材は収縮を起こ
し、収縮応力が発生する。そして、この収縮応力によ
り、ウレタン発泡断熱材や内箱に歪が生じ、内箱材料の
強度が不十分であると内箱に白化現象やクラックが発生
することになる。そのため、内箱材料としては、成形性
が良好であり、ウレタン発泡断熱材との接着性が良好
で、かつ、低温収縮に対する応力耐性に優れ、また、使
用に際し、内部に収納した品物の落下に対する耐衝撃
性、更には、収納物、例えば、食用油、調味料等の汚染
に対する耐薬品性に優れること等が要求され、従来、こ
れらを満足する材料としてABS樹脂(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン3元共重合体)やスチロール
樹脂又は塩化ビニル樹脂などが用いられている。
ンの硬化反応時の発熱によりウレタン発泡断熱材の中心
部では60℃以上の高温となる。このため、ウレタンの
硬化反応後、冷却時にウレタン発泡断熱材は収縮を起こ
し、収縮応力が発生する。そして、この収縮応力によ
り、ウレタン発泡断熱材や内箱に歪が生じ、内箱材料の
強度が不十分であると内箱に白化現象やクラックが発生
することになる。そのため、内箱材料としては、成形性
が良好であり、ウレタン発泡断熱材との接着性が良好
で、かつ、低温収縮に対する応力耐性に優れ、また、使
用に際し、内部に収納した品物の落下に対する耐衝撃
性、更には、収納物、例えば、食用油、調味料等の汚染
に対する耐薬品性に優れること等が要求され、従来、こ
れらを満足する材料としてABS樹脂(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン3元共重合体)やスチロール
樹脂又は塩化ビニル樹脂などが用いられている。
【0004】一方、ウレタン発泡断熱材の発泡剤として
は、フロン(CCl3 F:トリクロロフロロメタン)で
あるCFC−11が断熱性、毒性、安全性、作業性、コ
ストの点から最も一般的に用いられている。そして、こ
のCFC−11はウレタン原料中に液状で混合され、ウ
レタン発泡時にウレタン樹脂の反応熱により気化し、微
細なセルを形成する。このセル中のCFC−11は経時
的に発泡体セルから外部に拡散する。そのため、内箱は
ウレタン原料注入時はもちろんのこと、発泡後もセル内
からの拡散によりCFC−11の影響を受ける。
は、フロン(CCl3 F:トリクロロフロロメタン)で
あるCFC−11が断熱性、毒性、安全性、作業性、コ
ストの点から最も一般的に用いられている。そして、こ
のCFC−11はウレタン原料中に液状で混合され、ウ
レタン発泡時にウレタン樹脂の反応熱により気化し、微
細なセルを形成する。このセル中のCFC−11は経時
的に発泡体セルから外部に拡散する。そのため、内箱は
ウレタン原料注入時はもちろんのこと、発泡後もセル内
からの拡散によりCFC−11の影響を受ける。
【0005】従来、内箱材料としてスチロール樹脂を用
いた場合には、このCFC−11に対する耐性が低いた
めに、発泡材に直接接触しないように防御フィルムや防
御コートを必要としている。また、塩化ビニル樹脂は、
CFC−11からの影響は受けにくい反面、耐熱性が低
く、断熱材の硬化反応時の熱により変形を生じたり、衝
撃強度が低く割れ易いという欠点がある。これに対し
て、ABS樹脂は、成形性、耐衝撃性、耐溶剤性、耐C
FC−11性等のバランスに優れた材料であり、現在で
は最も広く用いられている。
いた場合には、このCFC−11に対する耐性が低いた
めに、発泡材に直接接触しないように防御フィルムや防
御コートを必要としている。また、塩化ビニル樹脂は、
CFC−11からの影響は受けにくい反面、耐熱性が低
く、断熱材の硬化反応時の熱により変形を生じたり、衝
撃強度が低く割れ易いという欠点がある。これに対し
て、ABS樹脂は、成形性、耐衝撃性、耐溶剤性、耐C
FC−11性等のバランスに優れた材料であり、現在で
は最も広く用いられている。
【0006】ところで、最近になって、CFC−11を
はじめフロンの放出が成層圏のオゾン層を破壊する原因
として、フロン物質の生産及び消費に関して国際的に規
制され始めた。CFC−11は、この規制対象物質に含
まれているため、上記のようなウレタン発泡断熱材の発
泡剤としての使用が困難となり、代替発泡剤の使用が検
討されている。CFC−11の代替発泡剤としては、C
FC−11と物理特性(沸点、蒸発潜熱等)が類似する
ものであって、フロン規制対象外物質であるHCFC−
123及びHCFC−141bなどが提案されている。
はじめフロンの放出が成層圏のオゾン層を破壊する原因
として、フロン物質の生産及び消費に関して国際的に規
制され始めた。CFC−11は、この規制対象物質に含
まれているため、上記のようなウレタン発泡断熱材の発
泡剤としての使用が困難となり、代替発泡剤の使用が検
討されている。CFC−11の代替発泡剤としては、C
FC−11と物理特性(沸点、蒸発潜熱等)が類似する
ものであって、フロン規制対象外物質であるHCFC−
123及びHCFC−141bなどが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、HCFC−1
23やHCFC−141bは、CFC−11と比較して
高分子材料に対する溶解性が高く、従来の内箱用箱体材
料に対する溶解性が高く、従来の内箱用箱体材料である
スチロール樹脂やABS樹脂に対する膨潤、溶解能が大
きい。このため、これらの発泡剤による代替は、箱体の
強度低下や破壊、外観不良につながる。例えば、ウレタ
ン発泡断熱材の発泡剤としてHCFC−123やHCF
C−141bを用いた場合、従来、内箱材料として最も
広く使用されているABS樹脂では、発泡剤のアタック
が大きく、内箱にクラック或いは白化を発生し、冷蔵庫
箱体等の強度不足や外観不良となるという問題がある。
そのため、内箱材料の肉厚を非常に厚くするか、或いは
HCFC−123及びHCFC−141b(以下「HC
FC」と総称する。)に優れた耐性を示すフィルムをラ
ミネートするなどの対策が講じられているが、内箱材料
の肉厚を厚くしても経時的にHCFCの影響を受け、長
期では冷蔵庫箱体等の品質が低下することになり、本質
的な解決策とはならない。また、肉厚を厚くすると成形
時間が長くなり、生産性が低下したり材料重量が大きく
なり、断熱用箱体の重量が増加するという欠点もある。
また、耐HCFC性に優れた材料をラミネートすること
は、必要最小限の厚みでHCFCからのアタックを防止
する効果があるが、内箱の切り欠き部に対するHCFC
からの影響を防止するための保護構造が必要となり、製
造が複雑になること、異種材料から構成されるため材料
の再生利用が困難であること等の問題がある。
23やHCFC−141bは、CFC−11と比較して
高分子材料に対する溶解性が高く、従来の内箱用箱体材
料に対する溶解性が高く、従来の内箱用箱体材料である
スチロール樹脂やABS樹脂に対する膨潤、溶解能が大
きい。このため、これらの発泡剤による代替は、箱体の
強度低下や破壊、外観不良につながる。例えば、ウレタ
ン発泡断熱材の発泡剤としてHCFC−123やHCF
C−141bを用いた場合、従来、内箱材料として最も
広く使用されているABS樹脂では、発泡剤のアタック
が大きく、内箱にクラック或いは白化を発生し、冷蔵庫
箱体等の強度不足や外観不良となるという問題がある。
そのため、内箱材料の肉厚を非常に厚くするか、或いは
HCFC−123及びHCFC−141b(以下「HC
FC」と総称する。)に優れた耐性を示すフィルムをラ
ミネートするなどの対策が講じられているが、内箱材料
の肉厚を厚くしても経時的にHCFCの影響を受け、長
期では冷蔵庫箱体等の品質が低下することになり、本質
的な解決策とはならない。また、肉厚を厚くすると成形
時間が長くなり、生産性が低下したり材料重量が大きく
なり、断熱用箱体の重量が増加するという欠点もある。
また、耐HCFC性に優れた材料をラミネートすること
は、必要最小限の厚みでHCFCからのアタックを防止
する効果があるが、内箱の切り欠き部に対するHCFC
からの影響を防止するための保護構造が必要となり、製
造が複雑になること、異種材料から構成されるため材料
の再生利用が困難であること等の問題がある。
【0008】また、ガラス繊維(以下「GF」と称
す。)及び炭素繊維(以下「CF」と称す。)等の充填
材を混入し、材料の機械的特性を向上させることも一般
的に良く行なわれているが、GF及びCFはいずれも繊
維径が5〜20μmで長さが100μm〜数mmと形状
が大きく、成形品の表面平滑性、表面意匠性を著しく低
下させるという欠点がある。また、繊維により材料の成
形性が低下するという欠点もあり、GFやCF等の充填
材の使用は好ましいことではない。
す。)及び炭素繊維(以下「CF」と称す。)等の充填
材を混入し、材料の機械的特性を向上させることも一般
的に良く行なわれているが、GF及びCFはいずれも繊
維径が5〜20μmで長さが100μm〜数mmと形状
が大きく、成形品の表面平滑性、表面意匠性を著しく低
下させるという欠点がある。また、繊維により材料の成
形性が低下するという欠点もあり、GFやCF等の充填
材の使用は好ましいことではない。
【0009】なお、従来、ウレタン断熱材料に接触する
箱体製造用原料として、シアン化ビニル成分量の多いA
BS樹脂を用いることが提案されている。即ち、特開昭
58−113215ではゴム成分を除くABS樹脂中の
シアン化ビニル成分量として40%以下を提案している
が、本発明者らが検討した結果、特開昭58−1132
15記載の組成物はCFC−11を用いて発泡されたウ
レタン断熱材料と接触する用途に対しては充分な耐性を
示すが、本発明が対象とするHCFC−123又はHC
FC−141bを用いて発泡されたウレタン断熱材料と
接触させた状態で、高温と低温に繰り返し保持する促進
劣化テスト(ヒートサイクルテスト)によって、前記組
成物で成形された箱体表面に小さな膨れが生じて断熱用
箱体製品の外観意匠性を著しく損なうことが判明した。
箱体製造用原料として、シアン化ビニル成分量の多いA
BS樹脂を用いることが提案されている。即ち、特開昭
58−113215ではゴム成分を除くABS樹脂中の
シアン化ビニル成分量として40%以下を提案している
が、本発明者らが検討した結果、特開昭58−1132
15記載の組成物はCFC−11を用いて発泡されたウ
レタン断熱材料と接触する用途に対しては充分な耐性を
示すが、本発明が対象とするHCFC−123又はHC
FC−141bを用いて発泡されたウレタン断熱材料と
接触させた状態で、高温と低温に繰り返し保持する促進
劣化テスト(ヒートサイクルテスト)によって、前記組
成物で成形された箱体表面に小さな膨れが生じて断熱用
箱体製品の外観意匠性を著しく損なうことが判明した。
【0010】一方、特開平2−284906ではゴム成
分を除くABS樹脂中のシアン化ビニル成分量として5
0%以上を提案している。シアン化ビニル成分を高濃度
に含む樹脂は、いわゆる高ニトリル樹脂或いはバリヤー
樹脂として知られているが、このような樹脂に共通する
性質として、成形加工時の熱安定性が著しく劣るために
大型の成形品を成形し得ないという本質的な欠点を有す
ることもまた良く知られている。また、高ニトリル樹脂
に用いられるシアン化ビニル単量体としてはアクリロニ
トリル単量体を用いるのが一般的であるが、アクリロニ
トリル単量体が共重合体中に連続して存在する場合に
は、通常のABS樹脂の加工温度範囲においてアクリロ
ニトリル連鎖部分が分子内環化或いは分子間架橋して安
定化することが知られている。このために、高ニトリル
樹脂を加工する場合には樹脂の増粘をもたらす温度以下
の温度を用い、かつ、樹脂が高温にさらされる時間を短
くするなどの配慮が必要である。このため、高ニトリル
樹脂では、樹脂の粘度を下げる目的で樹脂の分子量を下
げることが必要とされ、この場合には樹脂の衝撃強度が
著しく低下して断熱用箱体用途において必要とされる衝
撃強度を満たすことができない。
分を除くABS樹脂中のシアン化ビニル成分量として5
0%以上を提案している。シアン化ビニル成分を高濃度
に含む樹脂は、いわゆる高ニトリル樹脂或いはバリヤー
樹脂として知られているが、このような樹脂に共通する
性質として、成形加工時の熱安定性が著しく劣るために
大型の成形品を成形し得ないという本質的な欠点を有す
ることもまた良く知られている。また、高ニトリル樹脂
に用いられるシアン化ビニル単量体としてはアクリロニ
トリル単量体を用いるのが一般的であるが、アクリロニ
トリル単量体が共重合体中に連続して存在する場合に
は、通常のABS樹脂の加工温度範囲においてアクリロ
ニトリル連鎖部分が分子内環化或いは分子間架橋して安
定化することが知られている。このために、高ニトリル
樹脂を加工する場合には樹脂の増粘をもたらす温度以下
の温度を用い、かつ、樹脂が高温にさらされる時間を短
くするなどの配慮が必要である。このため、高ニトリル
樹脂では、樹脂の粘度を下げる目的で樹脂の分子量を下
げることが必要とされ、この場合には樹脂の衝撃強度が
著しく低下して断熱用箱体用途において必要とされる衝
撃強度を満たすことができない。
【0011】ところで、高ニトリル樹脂の熱安定性は、
前記したように、樹脂の加工性と製品強度を決定する上
で極めて重要である。ここで、高ニトリル樹脂の熱安定
性について考察すると、アクリロニトリル成分はABS
樹脂中のゴム成分を除くガラス状重合体部分に主に存在
し、アクリロニトリル以外の単量体成分との共重合体に
含まれる。アクリロニトリル単量体が分子内環化或いは
分子間架橋を起こすためには、前記したガラス状共重合
体部分に、アクリロニトリル単量体が少なくとも3個以
上連続して存在することが必要であることは良く知られ
ている(アクリロニトリル3連鎖)。このアクリロニト
リル3連鎖の生成は重合の諸条件によっても大きく変化
するが、最も理想的な条件で重合された場合を想定して
も、前記ガラス状共重合体部分に占めるアクリロニトリ
ル成分量が多いほどアクリロニトリル3連鎖以上が生成
し易く、この結果として熱安定性が劣るものであること
は理解し易い。前記、特開平2−284906ではゴム
質重合体を除く高ニトリル熱可塑性樹脂中のシアン化ビ
ニル成分量として50〜75重量%を提案しているが、
アクリロニトリル成分量が50重量%以上ではアクリロ
ニトリル単量体のモル比が70%以上となるために、熱
安定性が極めて劣る樹脂しか得られないのである。
前記したように、樹脂の加工性と製品強度を決定する上
で極めて重要である。ここで、高ニトリル樹脂の熱安定
性について考察すると、アクリロニトリル成分はABS
樹脂中のゴム成分を除くガラス状重合体部分に主に存在
し、アクリロニトリル以外の単量体成分との共重合体に
含まれる。アクリロニトリル単量体が分子内環化或いは
分子間架橋を起こすためには、前記したガラス状共重合
体部分に、アクリロニトリル単量体が少なくとも3個以
上連続して存在することが必要であることは良く知られ
ている(アクリロニトリル3連鎖)。このアクリロニト
リル3連鎖の生成は重合の諸条件によっても大きく変化
するが、最も理想的な条件で重合された場合を想定して
も、前記ガラス状共重合体部分に占めるアクリロニトリ
ル成分量が多いほどアクリロニトリル3連鎖以上が生成
し易く、この結果として熱安定性が劣るものであること
は理解し易い。前記、特開平2−284906ではゴム
質重合体を除く高ニトリル熱可塑性樹脂中のシアン化ビ
ニル成分量として50〜75重量%を提案しているが、
アクリロニトリル成分量が50重量%以上ではアクリロ
ニトリル単量体のモル比が70%以上となるために、熱
安定性が極めて劣る樹脂しか得られないのである。
【0012】本発明はかかる課題を解決するためになさ
れたものであり、加工時の熱安定性、衝撃強度等の製品
品質のバランスが優れ、従来の製造設備を用いて製造す
ることができ、HCFC−123及びHCFC−141
bの内の少なくとも1種を発泡剤としたウレタン発泡断
熱材と接触しても、強度低下や破壊、外観不良をひき起
こすことのない構造材を提供することができる耐フロン
性樹脂組成物及び該組成物よりなる内箱を有する断熱用
箱体を提供することを目的とする。
れたものであり、加工時の熱安定性、衝撃強度等の製品
品質のバランスが優れ、従来の製造設備を用いて製造す
ることができ、HCFC−123及びHCFC−141
bの内の少なくとも1種を発泡剤としたウレタン発泡断
熱材と接触しても、強度低下や破壊、外観不良をひき起
こすことのない構造材を提供することができる耐フロン
性樹脂組成物及び該組成物よりなる内箱を有する断熱用
箱体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の耐フロン性樹
脂組成物は、ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体及びシ
アン化ビニル単量体をグラフトしてなるグラフト共重合
体(A)を含有してなる樹脂組成物であって、(i) 該
樹脂組成物が前記ゴム質重合体を10〜35重量%含有
し、(ii) 該樹脂組成物中の前記芳香族ビニル単量体成
分とシアン化ビニル単量体成分の合計に対するシアン化
ビニル単量体成分の割合が58〜65モル%であり、(i
ii) 1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフロロエタン
及び/又は1,1−ジクロロ−1−フロロエタンを発泡
剤とするウレタン発泡断熱材に接する構造材料製造用樹
脂組成物である、ことを特徴とする。
脂組成物は、ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体及びシ
アン化ビニル単量体をグラフトしてなるグラフト共重合
体(A)を含有してなる樹脂組成物であって、(i) 該
樹脂組成物が前記ゴム質重合体を10〜35重量%含有
し、(ii) 該樹脂組成物中の前記芳香族ビニル単量体成
分とシアン化ビニル単量体成分の合計に対するシアン化
ビニル単量体成分の割合が58〜65モル%であり、(i
ii) 1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフロロエタン
及び/又は1,1−ジクロロ−1−フロロエタンを発泡
剤とするウレタン発泡断熱材に接する構造材料製造用樹
脂組成物である、ことを特徴とする。
【0014】請求項2の耐フロン性樹脂組成物は、請求
項1の樹脂組成物において、前記グラフト共重合体
(A)と、更に、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニ
ル単量体を共重合して得られる共重合体(B)を含有す
ることを特徴とする。
項1の樹脂組成物において、前記グラフト共重合体
(A)と、更に、芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニ
ル単量体を共重合して得られる共重合体(B)を含有す
ることを特徴とする。
【0015】請求項3の耐フロン性樹脂組成物は、請求
項1又は2の樹脂組成物において、グラフト共重合体
(A)は、ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体、シアン
化ビニル単量体及びこれらの単量体と共重合可能なビニ
ル化合物をグラフトしてなることを特徴とする。
項1又は2の樹脂組成物において、グラフト共重合体
(A)は、ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体、シアン
化ビニル単量体及びこれらの単量体と共重合可能なビニ
ル化合物をグラフトしてなることを特徴とする。
【0016】請求項4の耐フロン性樹脂組成物は、請求
項2の樹脂組成物において、共重合体(B)は、芳香族
ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びこれらの単量
体と共重合可能なビニル化合物を共重合して得られるこ
とを特徴とする。
項2の樹脂組成物において、共重合体(B)は、芳香族
ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びこれらの単量
体と共重合可能なビニル化合物を共重合して得られるこ
とを特徴とする。
【0017】請求項5の耐フロン性樹脂組成物は、請求
項2ないし4のいずれか1項の樹脂組成物において、共
重合体(B)の数平均分子量が20000〜11000
0であることを特徴とする。
項2ないし4のいずれか1項の樹脂組成物において、共
重合体(B)の数平均分子量が20000〜11000
0であることを特徴とする。
【0018】請求項6の耐フロン性樹脂組成物は、請求
項1ないし5のいずれか1項の樹脂組成物において、グ
ラフト共重合体(A)のゴム質重合体成分含有量が15
〜80重量%であることを特徴とする。
項1ないし5のいずれか1項の樹脂組成物において、グ
ラフト共重合体(A)のゴム質重合体成分含有量が15
〜80重量%であることを特徴とする。
【0019】請求項7の耐フロン性樹脂組成物は、請求
項1ないし6のいずれか1項の樹脂組成物において、グ
ラフト共重合体(A)のグラフト率が30〜80重量%
であることを特徴とする。
項1ないし6のいずれか1項の樹脂組成物において、グ
ラフト共重合体(A)のグラフト率が30〜80重量%
であることを特徴とする。
【0020】請求項8の耐フロン性樹脂組成物は、請求
項3又は4の樹脂組成物において、共重合可能なビニル
化合物がメタクリル酸メチルであることを特徴とする。
項3又は4の樹脂組成物において、共重合可能なビニル
化合物がメタクリル酸メチルであることを特徴とする。
【0021】請求項9の断熱用箱体は、前記請求項1の
耐フロン性樹脂組成物を用いて成形された箱体を有する
ことを特徴とする。
耐フロン性樹脂組成物を用いて成形された箱体を有する
ことを特徴とする。
【0022】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
耐フロン性樹脂組成物に用いられるゴム質重合体として
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレ
ン、アクリル酸エステルゴム、エチレン−プロピレン系
ゴムなどの1種又は2種以上が挙げられる。このゴム質
重合体は、本発明の樹脂組成物中に粒子状に分散してお
り、その粒子径については特に制限は無いが、混合樹脂
の衝撃強度を発現するために0.1〜1μmの範囲が好
ましい。
耐フロン性樹脂組成物に用いられるゴム質重合体として
は、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリイソプレ
ン、アクリル酸エステルゴム、エチレン−プロピレン系
ゴムなどの1種又は2種以上が挙げられる。このゴム質
重合体は、本発明の樹脂組成物中に粒子状に分散してお
り、その粒子径については特に制限は無いが、混合樹脂
の衝撃強度を発現するために0.1〜1μmの範囲が好
ましい。
【0023】このようなゴム質重合体は、該ゴム質重合
体を構成する1種以上の単量体と、必要により重合開始
剤、分子量調節剤、架橋剤などを加えて公知の溶液重合
方法で製造することができる。
体を構成する1種以上の単量体と、必要により重合開始
剤、分子量調節剤、架橋剤などを加えて公知の溶液重合
方法で製造することができる。
【0024】本発明の樹脂組成物が含有する前記ゴム質
重合体の量は、10〜35重量%、好ましくは15〜2
5重量%の範囲である。この含有量が10重量%未満で
は断熱用箱体に用いた場合に衝撃強度が低下して好まし
くなく、35重量%を超える場合には樹脂組成物の溶融
粘度が高くなって成形加工温度を上げる必要が生じ、実
質的な熱安定性が低下するといった問題を生じる。
重合体の量は、10〜35重量%、好ましくは15〜2
5重量%の範囲である。この含有量が10重量%未満で
は断熱用箱体に用いた場合に衝撃強度が低下して好まし
くなく、35重量%を超える場合には樹脂組成物の溶融
粘度が高くなって成形加工温度を上げる必要が生じ、実
質的な熱安定性が低下するといった問題を生じる。
【0025】一方、このようなゴム質重合体にグラフト
させる単量体成分は、芳香族ビニル単量体及びシアン化
ビニル単量体である。これらの単量体成分のうち、芳香
族ビニル単量体としてはスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、クロルスチレンなどの1種又
は2種以上が用いられ、シアン化ビニル単量体としては
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの1種又は
2種以上を用いることができる。この単量体成分として
は、更に、上記芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単
量体と共重合可能なビニル化合物を用いても良く、この
ようなビニル化合物としては、メタクリル酸メチルが挙
げられる。
させる単量体成分は、芳香族ビニル単量体及びシアン化
ビニル単量体である。これらの単量体成分のうち、芳香
族ビニル単量体としてはスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレン、クロルスチレンなどの1種又
は2種以上が用いられ、シアン化ビニル単量体としては
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの1種又は
2種以上を用いることができる。この単量体成分として
は、更に、上記芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単
量体と共重合可能なビニル化合物を用いても良く、この
ようなビニル化合物としては、メタクリル酸メチルが挙
げられる。
【0026】本発明の樹脂組成物を構成するグラフト共
重合体(A)は、前記ゴム質重合体の存在下で、前記単
量体成分と、必要により乳化剤、重合開始剤、分子量調
節剤、懸濁剤等を加えて公知の乳化重合、懸濁重合、或
いは溶液重合などの方法によってグラフト共重合して得
られる。
重合体(A)は、前記ゴム質重合体の存在下で、前記単
量体成分と、必要により乳化剤、重合開始剤、分子量調
節剤、懸濁剤等を加えて公知の乳化重合、懸濁重合、或
いは溶液重合などの方法によってグラフト共重合して得
られる。
【0027】このようにして得られるグラフト共重合体
(A)のグラフト率はゴム質重合体100重量部に対し
て前記単量体成分が30重量部以上、即ちグラフト率3
0重量%でグラフト結合していることが好ましい。この
グラフト率が30重量%未満ではシートが層状に剥離し
たり、衝撃強度が劣るなどの欠点を生じる。好ましいグ
ラフト率は30〜80重量%である。なお、グラフト共
重合体(A)のゴム質重合体成分含有量は15〜80重
量%、特に40〜80重量%であることが好ましい。
(A)のグラフト率はゴム質重合体100重量部に対し
て前記単量体成分が30重量部以上、即ちグラフト率3
0重量%でグラフト結合していることが好ましい。この
グラフト率が30重量%未満ではシートが層状に剥離し
たり、衝撃強度が劣るなどの欠点を生じる。好ましいグ
ラフト率は30〜80重量%である。なお、グラフト共
重合体(A)のゴム質重合体成分含有量は15〜80重
量%、特に40〜80重量%であることが好ましい。
【0028】なお、上記グラフト共重合体(A)の製造
に当っては、用いた単量体成分のうちの一部は、ゴム質
重合体にグラフト共重合することなく、単量体成分同志
で共重合して遊離の共重合体を形成する。
に当っては、用いた単量体成分のうちの一部は、ゴム質
重合体にグラフト共重合することなく、単量体成分同志
で共重合して遊離の共重合体を形成する。
【0029】従って、本発明のグラフト共重合体(A)
は、ゴム質重合体に単量体がグラフトして得られるグラ
フト共重合体と共に、芳香族ビニル単量体及びシアン化
ビニル単量体或いは更にこれらと共重合可能なビニル化
合物が共重合して得られる遊離の共重合体(B)が含ま
れるものとなる。
は、ゴム質重合体に単量体がグラフトして得られるグラ
フト共重合体と共に、芳香族ビニル単量体及びシアン化
ビニル単量体或いは更にこれらと共重合可能なビニル化
合物が共重合して得られる遊離の共重合体(B)が含ま
れるものとなる。
【0030】本発明において、このような遊離の共重合
体(B)の数平均分子量は20000〜110000の
範囲であることが、樹脂の押出成形性の向上の面で好ま
しい。
体(B)の数平均分子量は20000〜110000の
範囲であることが、樹脂の押出成形性の向上の面で好ま
しい。
【0031】また、本発明の樹脂組成物は、本発明の目
的であるHCFC−123又はHCFC−141bなど
のフロンに対する耐溶剤性を改善するために、当該樹脂
組成物中に含まれるシアン化ビニル単量体成分と芳香族
ビニル単量体成分の合量に対してシアン化ビニル単量体
成分が58モル%以上含有されていることが必要とされ
る。このシアン化ビニル単量体成分量が、58モル%未
満では、前記フロンに対する耐溶剤性が充分でないため
に、断熱用箱体に用いた場合の促進劣化テストにおいて
断熱用箱体に膨れ等の外観不良を生じる。しかしなが
ら、この割合が65モル%を超える場合には、本発明の
混合樹脂を断熱用箱体に成形加工する工程において、経
時的に材料粘度が増加するために、連続して成形加工す
ることができず、また、これを回避する目的で樹脂組成
物の分子量を下げて、低い温度で加工しようとする場合
には、断熱用箱体が必要とする衝撃強度を満足しえない
という問題を生じる。このため、本発明の樹脂組成物に
おいては、芳香族ビニル単量体成分とシアン化ビニル単
量体成分の合量に対して、実質的にシアン化ビニル単量
体成分含有量が65モル%以下であることが必要とされ
る。
的であるHCFC−123又はHCFC−141bなど
のフロンに対する耐溶剤性を改善するために、当該樹脂
組成物中に含まれるシアン化ビニル単量体成分と芳香族
ビニル単量体成分の合量に対してシアン化ビニル単量体
成分が58モル%以上含有されていることが必要とされ
る。このシアン化ビニル単量体成分量が、58モル%未
満では、前記フロンに対する耐溶剤性が充分でないため
に、断熱用箱体に用いた場合の促進劣化テストにおいて
断熱用箱体に膨れ等の外観不良を生じる。しかしなが
ら、この割合が65モル%を超える場合には、本発明の
混合樹脂を断熱用箱体に成形加工する工程において、経
時的に材料粘度が増加するために、連続して成形加工す
ることができず、また、これを回避する目的で樹脂組成
物の分子量を下げて、低い温度で加工しようとする場合
には、断熱用箱体が必要とする衝撃強度を満足しえない
という問題を生じる。このため、本発明の樹脂組成物に
おいては、芳香族ビニル単量体成分とシアン化ビニル単
量体成分の合量に対して、実質的にシアン化ビニル単量
体成分含有量が65モル%以下であることが必要とされ
る。
【0032】本発明の樹脂組成物は、このようにして製
造された遊離の共重合体(B)を含むグラフト共重合体
(A)をそのまま用いるものであっても良く、また、こ
のグラフト共重合体(A)に、ゴム質重合体の非存在下
で別に重合した共重合体(C)を添加混合したものであ
っても良い。
造された遊離の共重合体(B)を含むグラフト共重合体
(A)をそのまま用いるものであっても良く、また、こ
のグラフト共重合体(A)に、ゴム質重合体の非存在下
で別に重合した共重合体(C)を添加混合したものであ
っても良い。
【0033】この共重合体(C)についても、上記と同
様な理由から、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単
量体との合量に対するシアン化ビニル単量体の割合が5
8〜65モル%であることが必要である。この共重合体
(B)のシアン化ビニル単量体成分量が65モル%を超
えるものは、前記したように熱安定性が非常に劣るもの
である上に、たとえこのようなものが少量含まれていて
も、断熱用箱体の製造を連続して行う実際の工程におい
ては押出機内に蓄積されて樹脂が劣化し、小粒の変色樹
脂となって製品中に混入するために好ましくない。この
ため、前述の如く、本発明の樹脂組成物中に含有される
共重合体は実質的に65モル%以下のシアン化ビニル単
量体成分を含む共重合体である必要が有り、シアン化ビ
ニル単量体成分量が65モル%を超える共重合体の許容
量としては1〜3%以下にすることが好ましい。なお、
この共重合体(C)についても、芳香族ビニル単量体、
シアン化ビニル単量体と共重合可能なビニル化合物、例
えばメタクリル酸メチルが共重合されていても良い。
様な理由から、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単
量体との合量に対するシアン化ビニル単量体の割合が5
8〜65モル%であることが必要である。この共重合体
(B)のシアン化ビニル単量体成分量が65モル%を超
えるものは、前記したように熱安定性が非常に劣るもの
である上に、たとえこのようなものが少量含まれていて
も、断熱用箱体の製造を連続して行う実際の工程におい
ては押出機内に蓄積されて樹脂が劣化し、小粒の変色樹
脂となって製品中に混入するために好ましくない。この
ため、前述の如く、本発明の樹脂組成物中に含有される
共重合体は実質的に65モル%以下のシアン化ビニル単
量体成分を含む共重合体である必要が有り、シアン化ビ
ニル単量体成分量が65モル%を超える共重合体の許容
量としては1〜3%以下にすることが好ましい。なお、
この共重合体(C)についても、芳香族ビニル単量体、
シアン化ビニル単量体と共重合可能なビニル化合物、例
えばメタクリル酸メチルが共重合されていても良い。
【0034】なお、このように共重合体(C)を添加す
る場合、このような共重合体(C)の添加後において、
樹脂組成物中の芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単
量体の合量に対するシアン化ビニル単量体の割合が56
〜65モル%となれば良く、この場合には、遊離の共重
合体(B)を含むグラフト共重合体(A)のシアン化ビ
ニル単量体の割合が上記範囲を満たしてなくても良い。
る場合、このような共重合体(C)の添加後において、
樹脂組成物中の芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単
量体の合量に対するシアン化ビニル単量体の割合が56
〜65モル%となれば良く、この場合には、遊離の共重
合体(B)を含むグラフト共重合体(A)のシアン化ビ
ニル単量体の割合が上記範囲を満たしてなくても良い。
【0035】本発明の断熱用箱体は、このような耐フロ
ン性樹脂組成物を用いて成形した箱体を有するものであ
って、常法に従って、容易に製造される。
ン性樹脂組成物を用いて成形した箱体を有するものであ
って、常法に従って、容易に製造される。
【0036】
【作用】本発明の樹脂組成物を構成するゴム質重合体
は、本発明の樹脂組成物に可撓性と衝撃強度を付与す
る。本発明の別の構成物質であるシアン化ビニル単量体
及び芳香族ビニル単量体は、本発明の樹脂組成物に機械
的強度、表面光沢などを付与するとともに、本発明の目
的であるHCFC−123、HCFC−141b等への
耐フロン性を付与するために重要である。即ち、シアン
化ビニル単量体は、本発明の樹脂組成物の耐フロン性を
実質的に変化させる。因みに、HCFC−123は通常
のABS樹脂を溶解するが、本発明の樹脂組成物に対し
ても強い溶解力を示し、シアン化ビニル単量体成分量に
従って樹脂組成物が吸収するHCFC−123は図1の
ように変化する。本発明者らの検討の結果、HCFC−
123或いはHCFC−141bを発泡剤として用いた
ウレタン断熱材料と、樹脂で成形された箱体を接触させ
た状態で高温と低温に保持する促進劣化テスト(ヒート
サイクルテスト)を行うと、ポリウレタン発泡体に含ま
れる前記フロンが経時的に樹脂製箱体に浸透し、樹脂製
箱体が前記フロンを吸収し、ヒートサイクルテストの高
温サイクルにおいて前記フロンが気化する圧力によっ
て、箱体が変形することが分かった。このため、本発明
の樹脂組成物においてはシアン化ビニル単量体成分量を
本発明の範囲に保つことが必要であり、シアン化ビニル
単量体成分量を本発明の範囲に保つことによって、ヒー
トサイクルテストにおける箱体の変形を防止し、かつ、
箱体を成形する際の熱安定性を良好に保つことが可能と
なる。
は、本発明の樹脂組成物に可撓性と衝撃強度を付与す
る。本発明の別の構成物質であるシアン化ビニル単量体
及び芳香族ビニル単量体は、本発明の樹脂組成物に機械
的強度、表面光沢などを付与するとともに、本発明の目
的であるHCFC−123、HCFC−141b等への
耐フロン性を付与するために重要である。即ち、シアン
化ビニル単量体は、本発明の樹脂組成物の耐フロン性を
実質的に変化させる。因みに、HCFC−123は通常
のABS樹脂を溶解するが、本発明の樹脂組成物に対し
ても強い溶解力を示し、シアン化ビニル単量体成分量に
従って樹脂組成物が吸収するHCFC−123は図1の
ように変化する。本発明者らの検討の結果、HCFC−
123或いはHCFC−141bを発泡剤として用いた
ウレタン断熱材料と、樹脂で成形された箱体を接触させ
た状態で高温と低温に保持する促進劣化テスト(ヒート
サイクルテスト)を行うと、ポリウレタン発泡体に含ま
れる前記フロンが経時的に樹脂製箱体に浸透し、樹脂製
箱体が前記フロンを吸収し、ヒートサイクルテストの高
温サイクルにおいて前記フロンが気化する圧力によっ
て、箱体が変形することが分かった。このため、本発明
の樹脂組成物においてはシアン化ビニル単量体成分量を
本発明の範囲に保つことが必要であり、シアン化ビニル
単量体成分量を本発明の範囲に保つことによって、ヒー
トサイクルテストにおける箱体の変形を防止し、かつ、
箱体を成形する際の熱安定性を良好に保つことが可能と
なる。
【0037】また、本発明の樹脂組成物は優れた加工性
と、着色性、衝撃強度、耐寒性などの特徴を有し、本発
明の樹脂組成物を箱体に用いることによりHCFC−1
23及び/又はHCFC−141bを発泡剤としたウレ
タン発泡断熱材と接する用途に対して、樹脂が劣化せ
ず、成形加工性、外観意匠性に優れた断熱用箱体を提供
することができる。
と、着色性、衝撃強度、耐寒性などの特徴を有し、本発
明の樹脂組成物を箱体に用いることによりHCFC−1
23及び/又はHCFC−141bを発泡剤としたウレ
タン発泡断熱材と接する用途に対して、樹脂が劣化せ
ず、成形加工性、外観意匠性に優れた断熱用箱体を提供
することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明を製造例、実施例及び比較例に
基いて具体的に説明する。なお、実施例及び比較例にお
ける評価方法は下記の通りである。
基いて具体的に説明する。なお、実施例及び比較例にお
ける評価方法は下記の通りである。
【0039】 押出成形性 押し出し成形工程における混合樹脂の溶融粘度と熱安定
性を考慮して、実用の可能性を判定した。(○:良好,
△:使用可,×:不可) 押出シートの外観 押出シートの色調と表面光沢を評価して、断熱用箱体と
しての外観意匠性から判定した。(○:良好,△:使用
可,黄変:赤黄色に変色) 押出シートの強度 押出シートの引張強度、曲げ弾性率、表面剛性を評価し
て、断熱用箱体に組み込んだ場合の断熱用箱体の強度及
び樹脂製内箱表面の傷つき易さを考慮して判定した。
(○:良好,△:使用可) ヒートサイクル性 まず、押出シートを真空成形して厚み約1mmの成形品
を得た。この真空成形シートを適当な大きさに切断した
後、外枠が金属で作られた間口200mm×100m
m、深さ20mmの弁当箱状容器の上面に固定した後、
この1面が樹脂製シート、他の5面が金属で形成されて
いる中空容器の中空部に発泡ポリウレタン原料を注入発
泡させた。発泡操作後60℃で30分キュアリングを行
った後、−10℃で12時間放置した後+50℃に12
時間放置する操作を7回繰り返すヒートサイクル試験を
行なって試験終了後の樹脂製シートの表面状態を観察し
た。なお、発泡ウレタン原料は東洋ゴム(株)製「#1
903−25」発泡ポリウレタン原料を用いたが、この
原料のうち、フロンについてのみHCFC−123或い
はHCFC−141bを用いた。(○:良好,膨れ:ヒ
ートサイクルテストによりシートに膨れが発生,ク:ク
ラック発生) 押出シートの熱安定性 押出シートを多光源分光測色計を用いて標準白色板に対
する色差(ΔE)を求めた。(○:ΔE≦7,△:ΔE
=7〜10,×:ΔE>10) 製造例1グラフト共重合体の製造 ポリブタジエンゴム乳化ラテックス、アクリロニトリ
ル、スチレンを公知の乳化重合により重合する際にゴム
ラテックス添加量、分子量調節剤及び開始剤の種類と量
を変えて、ゴム含有量とグラフト率の異なる表1のグラ
フト共重合体(I)〜 (VII)を得た。
性を考慮して、実用の可能性を判定した。(○:良好,
△:使用可,×:不可) 押出シートの外観 押出シートの色調と表面光沢を評価して、断熱用箱体と
しての外観意匠性から判定した。(○:良好,△:使用
可,黄変:赤黄色に変色) 押出シートの強度 押出シートの引張強度、曲げ弾性率、表面剛性を評価し
て、断熱用箱体に組み込んだ場合の断熱用箱体の強度及
び樹脂製内箱表面の傷つき易さを考慮して判定した。
(○:良好,△:使用可) ヒートサイクル性 まず、押出シートを真空成形して厚み約1mmの成形品
を得た。この真空成形シートを適当な大きさに切断した
後、外枠が金属で作られた間口200mm×100m
m、深さ20mmの弁当箱状容器の上面に固定した後、
この1面が樹脂製シート、他の5面が金属で形成されて
いる中空容器の中空部に発泡ポリウレタン原料を注入発
泡させた。発泡操作後60℃で30分キュアリングを行
った後、−10℃で12時間放置した後+50℃に12
時間放置する操作を7回繰り返すヒートサイクル試験を
行なって試験終了後の樹脂製シートの表面状態を観察し
た。なお、発泡ウレタン原料は東洋ゴム(株)製「#1
903−25」発泡ポリウレタン原料を用いたが、この
原料のうち、フロンについてのみHCFC−123或い
はHCFC−141bを用いた。(○:良好,膨れ:ヒ
ートサイクルテストによりシートに膨れが発生,ク:ク
ラック発生) 押出シートの熱安定性 押出シートを多光源分光測色計を用いて標準白色板に対
する色差(ΔE)を求めた。(○:ΔE≦7,△:ΔE
=7〜10,×:ΔE>10) 製造例1グラフト共重合体の製造 ポリブタジエンゴム乳化ラテックス、アクリロニトリ
ル、スチレンを公知の乳化重合により重合する際にゴム
ラテックス添加量、分子量調節剤及び開始剤の種類と量
を変えて、ゴム含有量とグラフト率の異なる表1のグラ
フト共重合体(I)〜 (VII)を得た。
【0040】なお、グラフト率はグラフト共重合体を重
合する際に仕込んだゴム量とアクリロニトリル、スチレ
ン単量体の重合率からグラフト共重合体のゴム含量
(a)を求めた後、グラフト共重合体1gを50mlの
アセトニトリルに室温で溶解した後に超遠心装置を用い
て不溶分を求め、その重量%(b)を用いて次式により
計算した。 グラフト率(重量%)={(b)−(a)}×100/
(a) また、グラフト共重合体中のアクリロニトリルとスチレ
ン単量体成分の量比は赤外分光分析、元素分析等の公知
の分析方法により求め、アクリロニトリル/スチレン共
重合体中のアクリロニトリルのモル%で示した(表1中
では「AN/S中のAN(モル%)」と略記した。)。
合する際に仕込んだゴム量とアクリロニトリル、スチレ
ン単量体の重合率からグラフト共重合体のゴム含量
(a)を求めた後、グラフト共重合体1gを50mlの
アセトニトリルに室温で溶解した後に超遠心装置を用い
て不溶分を求め、その重量%(b)を用いて次式により
計算した。 グラフト率(重量%)={(b)−(a)}×100/
(a) また、グラフト共重合体中のアクリロニトリルとスチレ
ン単量体成分の量比は赤外分光分析、元素分析等の公知
の分析方法により求め、アクリロニトリル/スチレン共
重合体中のアクリロニトリルのモル%で示した(表1中
では「AN/S中のAN(モル%)」と略記した。)。
【0041】製造例2 n−アルキル酸ブチルゴム乳化ラテックス、アクリロニ
トリル、スチレンを公知の乳化重合により重合を行な
い、表1に示すグラフト共重合体(VIII)を得た。
トリル、スチレンを公知の乳化重合により重合を行な
い、表1に示すグラフト共重合体(VIII)を得た。
【0042】製造例3 エチレン−プロピレン・ジエンターポリマー乳化ゴムラ
テックス、アクリロニトリル、スチレンを公知の乳化重
合を行ない、表1に示すグラフト共重合体(IX)を得た。
テックス、アクリロニトリル、スチレンを公知の乳化重
合を行ない、表1に示すグラフト共重合体(IX)を得た。
【0043】
【表1】
【0044】製造例4共重合体の製造 アクリロニトリル、スチレンの組合せと量比を変えて公
知の乳化重合により表2の共重合体(i)〜(vi)を
得た。
知の乳化重合により表2の共重合体(i)〜(vi)を
得た。
【0045】
【表2】
【0046】実施例1〜9、比較例1〜10 表1のグラフト重合体、及び表2の共重合体の種類と量
比を変えて配合したものに、滑剤、可塑剤、安定剤等を
加えた後、公知の押出機又はバンバリーミキサーにて混
練して混合樹脂ペレットを得た。この混合樹脂ペレット
を公知のコートハンガーダイを有する押出機にて押し出
し成形し、厚み約2mmのシートを成形した。
比を変えて配合したものに、滑剤、可塑剤、安定剤等を
加えた後、公知の押出機又はバンバリーミキサーにて混
練して混合樹脂ペレットを得た。この混合樹脂ペレット
を公知のコートハンガーダイを有する押出機にて押し出
し成形し、厚み約2mmのシートを成形した。
【0047】評価結果を表3,4に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】以上の結果から明らかなように、本発明の
樹脂組成物は、押出加工性、押出シートの外観、強度等
に優れ、また、本発明の混合樹脂組成物を用いて成形さ
れたシートはHCFC−123及び/又はHCFC−1
41bを発泡剤とするウレタン発泡断熱材と接する状態
における促進劣化テストによってもウレタンと接触する
ことによって樹脂が劣化、変形しない。このため、本発
明の樹脂組成物によって、強度や外観意匠性に優れる断
熱用箱体製造用の混合樹脂が提供されることが明らかで
ある。
樹脂組成物は、押出加工性、押出シートの外観、強度等
に優れ、また、本発明の混合樹脂組成物を用いて成形さ
れたシートはHCFC−123及び/又はHCFC−1
41bを発泡剤とするウレタン発泡断熱材と接する状態
における促進劣化テストによってもウレタンと接触する
ことによって樹脂が劣化、変形しない。このため、本発
明の樹脂組成物によって、強度や外観意匠性に優れる断
熱用箱体製造用の混合樹脂が提供されることが明らかで
ある。
【0051】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の耐フロン性
樹脂組成物及び断熱用箱体によれば、HCFC−123
及び/又はHCFC−141bを発泡剤としたウレタン
発泡断熱材と接する箱体として、強度や外観意匠性に優
れた断熱用箱体が提供される。しかも、本発明の樹脂組
成物を用いてなる本発明の断熱用箱体は、いずれも従来
の製造設備を用いて製造できるため工業的に極めて有利
である。
樹脂組成物及び断熱用箱体によれば、HCFC−123
及び/又はHCFC−141bを発泡剤としたウレタン
発泡断熱材と接する箱体として、強度や外観意匠性に優
れた断熱用箱体が提供される。しかも、本発明の樹脂組
成物を用いてなる本発明の断熱用箱体は、いずれも従来
の製造設備を用いて製造できるため工業的に極めて有利
である。
【図1】芳香族ビニル単量体及びシアン化ビニル単量体
の合量に対するシアン化ビニル単量体成分量とHCFC
−123吸収量との関係を示すグラフである。
の合量に対するシアン化ビニル単量体成分量とHCFC
−123吸収量との関係を示すグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 ゴム質重合体に芳香族ビニル単量体及び
シアン化ビニル単量体をグラフトしてなるグラフト共重
合体(A)を含有してなる樹脂組成物であって、 (i) 該樹脂組成物が前記ゴム質重合体を10〜35重
量%含有し、 (ii) 該樹脂組成物中の前記芳香族ビニル単量体成分と
シアン化ビニル単量体成分の合計に対するシアン化ビニ
ル単量体成分の割合が58〜65モル%であり、 (iii) 1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフロロエタ
ン及び/又は1,1−ジクロロ−1−フロロエタンを発
泡剤とするウレタン発泡断熱材に接する構造材料製造用
樹脂組成物である、ことを特徴とする耐フロン性樹脂組
成物。 - 【請求項2】 請求項1の樹脂組成物において、前記グ
ラフト共重合体(A)と、更に、芳香族ビニル単量体及
びシアン化ビニル単量体を共重合して得られる共重合体
(B)を含有することを特徴とする耐フロン性樹脂組成
物。 - 【請求項3】 請求項1又は2の樹脂組成物において、
グラフト共重合体(A)は、ゴム質重合体に芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体及びこれらの単量体と
共重合可能なビニル化合物をグラフトしてなることを特
徴とする耐フロン性樹脂組成物。 - 【請求項4】 請求項2の樹脂組成物において、共重合
体(B)は、芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量
体及びこれらの単量体と共重合可能なビニル化合物を共
重合して得られることを特徴とする耐フロン性樹脂組成
物。 - 【請求項5】 請求項2ないし4のいずれか1項の樹脂
組成物において、共重合体(B)の数平均分子量が20
000〜110000であることを特徴とする耐フロン
性樹脂組成物。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項の樹脂
組成物において、グラフト共重合体(A)のゴム質重合
体成分含有量が15〜80重量%であることを特徴とす
る耐フロン性樹脂組成物。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項の樹脂
組成物において、グラフト共重合体(A)のグラフト率
が30〜80重量%であることを特徴とする耐フロン性
樹脂組成物。 - 【請求項8】 請求項3又は4の樹脂組成物において、
共重合可能なビニル化合物がメタクリル酸メチルである
ことを特徴とする耐フロン性樹脂組成物。 - 【請求項9】 請求項1に記載の耐フロン性樹脂組成物
を用いて成形された箱体を有する断熱用箱体。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-341046 | 1991-12-24 | ||
JP34104691 | 1991-12-24 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05310862A true JPH05310862A (ja) | 1993-11-22 |
Family
ID=18342737
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33863792A Pending JPH05310862A (ja) | 1991-12-24 | 1992-12-18 | 耐フロン性樹脂組成物及び断熱用箱体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05310862A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5554688A (en) * | 1993-09-28 | 1996-09-10 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Thermoplastic resin composition and its synthetic resin composite |
-
1992
- 1992-12-18 JP JP33863792A patent/JPH05310862A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5554688A (en) * | 1993-09-28 | 1996-09-10 | Denki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Thermoplastic resin composition and its synthetic resin composite |
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