JP2586520B2 - 変倍ファインダー - Google Patents

変倍ファインダー

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JP2586520B2
JP2586520B2 JP62274965A JP27496587A JP2586520B2 JP 2586520 B2 JP2586520 B2 JP 2586520B2 JP 62274965 A JP62274965 A JP 62274965A JP 27496587 A JP27496587 A JP 27496587A JP 2586520 B2 JP2586520 B2 JP 2586520B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は変倍ファインダーに関し、特に写真用カメ
ラ、ビデオカメラ等のファインダーにおいて好適なファ
インダ視度を一定に保ちつつ視野倍率の変倍を行った高
倍率の変倍ファインダーに関するものである。
(従来の技術) 従来より撮影系とファインダー系が別体に構成されて
いるカメラでは、撮影系が変倍系のときには変倍に伴い
ファインダーの視野倍率が変化する構成の変倍ファイン
ダーが撮影上好ましい。又、カメラに組込むことから小
型で、しかも所定の変倍比が容易に得られる構成のもの
が好ましい。
ファインダーとしては一般に逆ガリレオ式ファインダ
ーとケプパー式ファインダーがある。このうち、ケプラ
ー式ファインダーは正の屈折力の対物レンズで形成され
た実像のファインダー像を観察する構造である為、実像
位置に視野マスクを設けることが出来、ファインダー視
野の輪郭が明瞭で、かつ眼の位置が変化してもファイン
ダー視野が変化しない等の長所を有している。
しかしながらケプラー式ファインダーは、実像のファ
インダー像を形成する為にファインダー系が大型化しや
すく、又、光学性能を良好に維持させようとするとファ
インダー系が複雑化する傾向があった。特に変倍機能を
有するケプラー式ファインダーではこの傾向が顕著であ
った。
これに対して本出願人は先に特開昭61−156018号公報
において、所定の変倍比が容易に得られる簡易な構成の
ケプラー式の小型の変倍ファインダーを提案した。同公
報においては、変倍に伴う収差変動を良好に補正した高
い光学性能を有した変倍ファインダーを達成している。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は本出願人が先に提案した変倍ファインダーを
更に改良し、簡易な構成にもかかわらず、高い変倍比が
容易に得られ、しかも全変倍範囲にわたり良好なる光学
性能の得られるケプラー式の小型の変倍ファインダーの
提供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 物体側より順に負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折
力の第2レンズ群、そして正の屈折力の第3レンズ群の
3つのレンズ群を有し、全体として正の屈折力の対物レ
ンズと全体として正の屈折力の接眼レンズとを有し、前
記第2レンズ群を物体側へ移動させることにより変倍を
行うと共に、それに伴うファインダー視度の変化を、前
記第1レンズ群を物体側へ移動させることにより補正す
る変倍ファインダーにおいて、前記第1レンズ群と第2
レンズ群の合成焦点距離のうち最も短くなる焦点距離の
値をf12w、そのときの前記第2レンズ群と前記第3レン
ズ群との間隔を123w、全変倍域における前記第2レンズ
群の横倍率をβ2としたとき 0.05f12w<123w<0.8f12w ……(1) 1.3<|β2| ……(2) なる条件を満足することである。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例の光学系の概略図である。
同図において10は対物レンズ、1,2,3は各々正の屈折力
の対物レンズ10を構成する負の屈折力の第1レンズ群、
正の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群
である。
本実施例では第2レンズ群を矢印の如く物体側へ移動
させて変倍を行い、それに伴うファインダー視度の変化
を第1レンズ群を矢印の如く物体側へ移動させて補正し
ている。第3レンズ群は変倍の際固定であり、光束を光
軸方向に集光する、所謂フィールドレンズの機能を有し
ている。5は上下左右の逆像をつくるポロプリズムで簡
単の為に展開した2つのガラスブロック51,52で示して
いる。6は正の屈折力の接眼レンズである。4は対物レ
ンズ10によるファインダー像であり、プリズム51とプリ
ズム52との間に形成されており、該ファインダー像4を
正立正像用のポロプリズムを介して接眼レンズ6で観察
している。
本実施例においては対物レンズを第1,第2,第3レンズ
群の3つのレンズ群より構成し、このうち第1レンズ群
を負の屈折力、第2レンズ群を正の屈折力とし、第1レ
ンズ群と第2レンズ群とにより実像のファインダー像を
第3レンズ群を介して、ポロプリズム5の光路中に形成
する構成をとることにより収差補正を容易にし、光学性
能の良いファインダー像を得ている。又、第2レンズ群
と第1レンズ群を共に物体側へ移動させて変倍を行うこ
とにより高い変倍比を容易に得ている。
特に第1,第2レンズ群によるファインダー像を第3レ
ンズ群と接眼レンズの最終面との間に形成するようにし
て、変倍ファインダー全体の小型化を図りつつ、高倍率
のファインダー像を容易に得ている。
そして変倍に伴う第1レンズ群と第2レンズ群との合
成の焦点距離と第2レンズ群と第3レンズとの間隔を条
件式(1)を満足するようにし、更に第2レンズ群の変
倍に伴う横倍率β2を条件式(2)を満足するようにし
てレンズ全長の短縮化を図りつつ、高い変倍比を得てい
る。
条件式(1)の上限値を越えるとファインダー全体が
大型化し、ファインダー倍率の高倍率化を図るのが難し
くなってくる。又、下限値を越えると第2レンズ群と第
3レンズ群との間隔が狭くなりすぎ、対物レンズによる
ファインダー像が観察側に接近しすぎ、この為接眼レン
ズの屈折力を増大させねばならず、ファインダー像の光
学性能が低下してくるので良くない。
条件式(2)を逸脱して第2レンズ群の結像倍率が小
さくりすぎると、高い変倍比を維持しつつ、小型化を図
るのが難しくなってくる。
尚、本実施例において変倍ファインダーの各レンズ群
の動きの簡素化を図りつつ、全系の小型化を図るには広
角端から望遠端への変倍に際して、第1,第2レンズ群を
物体側へ移動させると共に、特に広角端と望遠端におけ
る第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を各々112w,112
Tとしたとき 112T<112w ………(3) の如く設定するのが良い。
この条件式(3)を逸脱すると、特に望遠側でのレン
ズ全長が増大してくるので良くない。
本発明において簡易な構成にもかかわらず、変倍にお
ける収差変動を少なくし、全変倍範囲にわたり良好な収
差補正を達成する為には、対物レンズにおける第1レン
ズ群を両レンズ面が凹面の負の屈折力の単一のレンズ、
第2レンズ群を両レンズ面が凸面の単一レンズ、若しく
は両レンズ面が凸面の2つのレンズ、第3レンズ群を物
体側のレンズ面が凸面の単一レンズ、若しくは2つの正
レンズより構成するのが良い。
又、接眼レンズを少なくとも1枚の正の屈折力のレン
ズで構成するのが好ましい。
尚、本実施例で用いたポロプリズムの入射面と射出面
の少なくとも一方に屈折力を付与しても良く、これによ
れば全系のレンズ枚数を少なくすることができるので好
ましい。
前述の実施例においてファインダー像を正立正像とす
る為に用いたポロプリズムは必ずしも必要ではなく、例
えば天体望遠鏡の照準用に本発明を適用したときは上下
左右の像が逆転しても差支えないので不要となる。
本発明において各レンズを樹脂成形によるレンズで構
成すれば、任意の形状のレンズが容易に得られるので好
ましい。又、第1レンズ群と第2レンズ群、そして第3
レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ面に非球面を施
せば歪曲収差、非点収差、ハロー等の諸収差を良好に補
正することができるので好ましい。
特に第2レンズ群の像面側のレンズ面に非球面を施せ
ばコマ収差と非点収差がより軽減でき、また、第3レン
ズ群の像面側のレンズ面に非球面を施せば両ズーム端に
おいて、歪曲収差をバランス良く補正することができ
る。
次に本発明の数値実施例を示す。数値実施例において
Riは物体側より順に第i番目のレンズ面の曲率半径、Di
は物体側より第i番目のレンズ厚及び空気間隔、Niとν
iは各々物体側より順に第i番目のレンズのガラスの屈
折率とアッベ数である。また条件式(1),(2)と数
値実施例における諸数値との関係を表−1に示す。
非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH
軸、光の進行方向を正としRをを近軸曲率半径、a1,a2,
…,a5、b1,b2,…,b4を各々非球面係数としたとき なる式で表わしている。
又、例えば「D−0x」の表示は「10-x」を意味する。
R4面 非球面係数 a1=0 a2= 1.059D−04 a3=9.909D−07 a4=1.247D−08 a5=−2.543D−09 R6面 非球面係数 a1=0 a2= 1.485D−04 a3=−2.057D−06 a4=1.367D−08 a5=−2.791D−11 R4面 非球面係数 a1=0 a2= 1.107D−04 a3=−3.027D−08 a4=1.704D−08 a5=−6.660D−10 R6面 非球面係数 a1=0 a2= 1.094D−04 a3=−1.374D−06 a4=7.195D−09 a5=−1.140D−11 R2面 非球面係数 a1= 0 a2=−2.411D−03 a3=4.819D−03 a4= 1.252D−03 a5= 1.457D−05 b1= 2.986D−
03 b2=−1.833D−03 b3=−3.551D−03 b4=−2.157D−
04 (発明の効果) 本発明によれば対物レンズを負、正、そして正の屈折
力の3つのレンズ群より構成し、このうち第1,第2レン
ズ群を前方へ繰り出すことにより変倍を行い、更に前述
の如くレンズ構成を特定することにより簡易な構成にも
かかわらず、高変倍で、しかも全変倍範囲にわたり高い
光学性能が容易に得られる実像式の変倍ファインダーを
達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の変倍ファインダーの光学構成を示す一
実施例の模式図、第2図〜第5図は本発明の数値実施例
1〜4のレンズ断面図、第6図〜第9図は本発明の数値
実施例1〜4の諸収差図である。第1図〜第5図におい
て、矢印は広角端から望遠端への変倍の際の各レンズ群
の移動方向を示す。収差図において(A)は広角端、
(B)は中間、(C)は望遠端を示す。 図中、10は対物レンズ、5はポロプリズム、6は接眼レ
ンズ、1,2,3は順に第1,第2,第3レンズ群、4は対物レ
ンズ10によるファインダー像、Hは入射瞳の高さであ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体側より順に負の屈折力の第1レンズ
    群、正の屈折力の第2レンズ群、そして正の屈折力の第
    3のレンズ群の3つのレンズ群を有し、全体として正の
    屈折力の対物レンズと全体として正の屈折力の接眼レン
    ズとを有し、前記第2レンズ群を物体側へ移動させるこ
    とにより変倍を行うと共に、それに伴うファインダー視
    度の変化を、前記第1レンズ群を物体側へ移動させるこ
    とにより補正する変倍ファインダーにおいて、前記第1
    レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離のうち最も短く
    なる焦点距離の値をf12w、そのときの前記第2レンズ群
    と前記第3レンズ群との間隔を123w、全変倍域における
    前記第2レンズ群の横倍率をβ2としたとき 0.05f12w<123w<0.8f12w 1.3<|β2| なる条件を満足することを特徴とする変倍ファインダ
    ー。
  2. 【請求項2】前記第3レンズ群と前記接眼レンズの最終
    面との間に、前記対物レンズによるファインダー像を形
    成したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の変
    倍ファインダー。
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