JP2621517B2 - 実像式変倍ファインダー光学系 - Google Patents

実像式変倍ファインダー光学系

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は実像式変倍ファインダー光学系に関し、特に
撮影系とは別体に設けた外部式のファインダー光学系に
おいて、そのファインダー光学系を構成するエレクター
レンズを変倍可能の複数のレンズ群より構成し、該複数
のレンズ群のレンズ構成を適切に設定することにより、
ファインダー倍率を変化させた良好なるファインダー像
の観察を可能とした例えばスチルカメラやビデオカメラ
等に好適な実像式変倍ファインダー光学系に関するもの
である。
(従来の技術) 従来より撮影系とファインダー光学系が別体に構成さ
れているカメラでは撮影系が変倍系のときには変倍に伴
いファインダー視野倍率が変化する構成の変倍ファイン
ダーが撮影上好ましい。又変倍ファインダーはカメラに
組み込むことから小型でしかも所定の変倍比が容易に得
られる構成のものが好ましい。
変倍ファインダー光学系を2次結像方式で構成し、こ
のうち変倍ファインダー光学系を構成する対物レンズを
多群のレンズ群で構成し、該対物レンズの多群のレンズ
群のうち所定のレンズ群を光軸上移動させて変倍を行な
うようにした実像式変倍ファインダー光学系は良く知ら
れ、従来より種々と提案されている。
このような実像式変倍ファインダー光学系のうち撮影
系と別体に構成された外部式のファインダー光学系は一
般に一眼レフレックスカメラの如きTTL方式のファイン
ダー光学系に比べファインダー系自体は小型化出来、又
ファインダー光学系のレンズ構成を比較的容易に構成す
ることができる等の利点が多い為、近年スチルカメラや
ビデオカメラ等に多く用いられている。
実像式変倍ファインダー光学系の1つとして対物レン
ズを多群のレンズ群で構成し変倍の際、各レンズ群の空
気間隔を変化させることによって変倍を行う実像式変倍
ファインダー光学系が例えば特開昭61−156019号公報で
提案されている。
又対物レンズを構成するレンズ群の一部を変倍の際、
移動させると同時にエレクターレンズを構成するレンズ
群の一部も対物レンズの移動量と同じ移動量だけ移動さ
せることによって変倍を行う実像式変倍ファインダー光
学系が例えば特公昭47−1912号公報で提案されている。
更に対物レンズによる1次結像面を固定としエレクタ
ーレンズの倍率が、例えば となる位置(zは変倍比)でエレクターレンズを切換え
るようにした2焦点切換え式の実像式変倍ファインダー
光学系が例えば実開昭59−186832号公報で提案されてい
る。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら前記の特開昭61−156019号公報で提案さ
れている実像式変倍ファインダー光学系は対物レンズで
変倍を行う場合、対物レンズを構成する各レンズ群の移
動量をある程度制限条件を加えて構成しようとすると、
対物レンズが全体的に大型化し、かつレンズ全長が極め
て長くなってくるという問題点があった。
又、前記の特公昭47−1912号公報で提案されている実
像式変倍ファインダー光学系では変倍比を大きくするの
が難しく、又変倍比が大きくなってくると変倍中ファイ
ンダー視度を一定に保つことが困難となってくるといっ
た問題点があった。
又、前記の実開昭59−186832号公報で提案されている
実像式変倍ファインダー光学系はエレクターレンズの倍
率が となる位置でエレクターレンズを切換えるようにしてい
る為、連続した変倍を得ることができず2焦点切換え式
としてしか使うことができないといった問題点があっ
た。
本発明は実像式変倍ファインダー光学系において、エ
レクターレンズを変倍可能な複数のレンズ群より構成
し、該複数のレンズ群を適切に設定することにより、フ
ァインダー視度を一定に維持しつつ、ファインダー倍率
を変化させるようにした高変倍比でかつ高倍率でありな
がら比較的レンズ全長が短く、又変倍の際においてもレ
ンズ全長が変化しない、しかも簡易な構成で諸収差を良
好に補正した高い光学性能を有した例えばスチルカメラ
やビデオカメラ等に好適な実像式変倍ファインダー光学
系の提供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明の実像式変倍ファインダー光学系は、対物レン
ズによって1次結像面上に結像させた倒立の第1ファイ
ンダー像を変倍手段を有するエレクターレンズにより固
定の2次結像面に正立の第2ファインダー像として再結
像させ、該2次結像面上の第2ファインダー像を接眼レ
ンズを介して観察する実像式変倍ファインダー光学系で
あって、該エレクターレンズは複数のレンズ群を有し、
該複数のレンズ群を高軸上移動させてファインダー倍率
を変化させて該2次結像面上に第2ファインダー像を再
結像しており、該対物レンズと該接眼レンズの焦点距離
を各々fo,fe、該エレクターレンズを構成する負レンズ
の材質の平均アッベ数とするとき 0.1<fo/fe<3.0 ……(1) 23<<40 ……(2) なる条件を満足することを特徴としている。
(実施例) 第1図〜第4図は本発明の実施例1〜4の実像式変倍
ファインダー光学系の近軸屈折力配置を示す要部概略図
である。同図において(A)は広角端、(B)は中間、
(C)は望遠端を各々示している。
図中、1は対物レンズ、2は1次結像面であり対物レ
ンズ1によって倒立の第1ファインダー像が結像されて
いる。4はエレクターレンズであり複数のレンズ群より
成る変倍系より構成されており後述するように複数のレ
ンズ群を移動させて1次結像面2上に結像された倒立の
第1ファインダー像を正立正像に補正し後述する光学的
に固定の2次結像面6に所定の倍率で結像させている。
6は固定の2次結像面でありエレクターレンズにより正
立正像の第2ファインダー像が形成されている。7は接
眼レンズ、8は観察者のアイポイントである。
本実施例において不図示の被写体からの光束は対物レ
ンズ1により集光され1次結像面2に倒立の第1ファイ
ンダー像が結像されている。そして1次結像面2に結像
された第1ファインダー像に基づく光束はエレクターレ
ンズ4で中継され、これにより2次結像面6に正立正像
の第2ファインダー像が再結像している。そして接眼レ
ンズ7を介して2次結像面6上に形成された第2ファイ
ンダー像をファインダー視度を一定に維持しつつアンポ
イント8から観察している。
次に第1図〜第4図に示す実像式変倍ファインダー光
学系のエレクターレンズ4による変倍方法について順に
説明する。
第1図に示す実施例1はエレクターレンズ4を物体側
より順に正の屈折力の第1レンズ群4−1と負の屈折力
の第2レンズ群4−2の2つのレンズ群より構成してい
る。そして双方のレンズ群4−1,4−2を矢印で示す如
くレンズ群間隔を変化させながら物体側へ移動させて広
角端から望遠端への変倍を行っている。これにより対物
レンズ1により1次結像面2上に形成された第1ファイ
ンダー像を光学的に固定の2次結像面6上に第2ファイ
ンダー像としてファインダー倍率を種々と変化させて結
像している。
そして接眼レンズ7で2次結像面6上に形成された第
2ファインダー像をファインダー視度を一定に保ちつつ
種々の倍率で観察している。
第2図に示す実施例2はエレクターレンズ4を物体側
より順に負の屈折力の第1レンズ群4−1の正の屈折力
の第2レンズ群4−2の2つのレンズ群より構成してい
る。そして双方のレンズ群4−1,4−2を矢印で示す如
くレンズ群間隔を変化させながら物体側へ移動させて広
角端から望遠端への変倍を行っている。この他の構成は
第1図の実施例1と同様である。
第3図に示す実施例3はエレクターレンズ4を物体側
より順に正の屈折力の第1レンズ群4−1と負の屈折力
の第2レンズ群4−2、そして正の屈折力の第3レンズ
群4−3の3つのレンズ群より構成している。そしてこ
れら3つのレンズ群を矢印で示す如く、互いに独立に物
体側へ移動させることにより広角端から望遠端への変倍
を行っている。この他の構成は第1図の実施例1と同じ
である。
第4図に示す実施例4はエレクターレンズ4を物体側
より順に負の屈折力の第1レンズ群4−1と正の屈折力
の第2レンズ群4−2、そして負の屈折力の第3レンズ
群4−3の3つのレンズ群より構成している。そしてこ
れら3つのレンズ群を矢印で示す如く、互いに独立に物
体側へ移動させることにより広角端から望遠端への変倍
を行っている。この他の構成は第1図の実施例1と同じ
である。
第5図,第6図は後述する数値実施例1,2のレンズ断
面図である。
第5図は第1図の実施例1に、第6図は第2図の実施
例2に各々レンズ構成が対応している。
第5,第6図において第1図の実施例1で示した要素と
同一要素には同符番を付している。
第5,6図において1次結像面2の近傍には第1フィー
ルドレンズ3が、2次結像面6近傍には第2フィールド
レンズ5が各々配置されており、これらのフィールドレ
ンズ3,5により軸外光束を効率良くアイポイント8へ導
光している。
第5図に示す実施例ではエレクターレンズ4を構成す
る正の屈折力の第1レンズ群4−1の非球面を有する単
一の正レンズ4aより、又負の屈折力の第2レンズ群4−
2を負レンズ4bと正レンズ4cより構成している。
第6図に示す実施例ではエレクターレンズ4を構成す
る負の屈折力の第1レンズ群4−1を単一の負レンズ4a
より、第2レンズ群4−2を接眼レンズ側に非球面を施
した単一の正レンズ4bより構成している。
尚、第5,第6図においてはエレクターレンズの広角端
から望遠端への変倍における結像関係が等倍結像を挟む
ようにして変倍を行っている。これによりファインダー
視度を一定に保つ為にエレクターレンズの合成焦点距離
が中間のズーム位置で最も長くなるようにし、2つのレ
ンズ群4−1,4−2の空気間隔が中間のズーム位置で最
も狭くなるようにして効率の良い変倍を行っている。
この他本実施例において良好なるファインダー像の観
察を行う為に対物レンズ1と前記接眼レンズ7の焦点距
離を各々fo,fe、前記エレクターレンズ4を構成する負
レンズの材質の平均アッベ数とするとき 前述の条件式(1),(2)を満足するようにしてい
る。
条件式(1)の上限値を越えると全系のファインダー
倍率が高くなりすぎ、視野周辺部でのファインダー視度
のズレを良好に補正するのが難しくなってくる。又下限
値を越えると観察倍率が小さくなりすぎる為、ファイン
ダー像の良好なる観察が難しくなってくる。
条件式(2)を外れると色収差、特に望遠側において
軸上色収差が多く発生し、全変倍範囲にわたり色収差を
バランス良く補正するのが難しくなってくる。
次に本発明の数値実施例を示す。数値実施例において
Riは物体側より順に第i番目のレンズ面の曲率半径、Di
は物体側より第i番目のレンズ厚及び空気間隔、Niとν
iは各々物体側より順に第i番目のレンズのガラスの屈
折率とアッベ数である。
非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH
軸、光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、A,B,C,D,
Eを各々非球面係数としたとき なる式で表わしている。
尚、「D−0x」の表示は「10-x」を意味している。
数値実施例 1 2ω=55.4゜〜19.9゜ R 1= 15.20 D 1= 6.0 N1=1.49171 ν 1=57.4 *R 2= −7.08 D 2=13.0 R 3= 13.64 D 3= 4.0 N2=1.49171 ν 2=57.4 R 4= 99.60 D 4=可変 *R 5= 11.04 D 5= 4.0 N3=1.49171 ν 3=57.4 R 6= −8.84 D 6=可変 R 7=−39.13 D 7= 2.0 N4=1.80518 ν 4=25.4 R 8= 8.23 D 8= 3.3 R 9= 82.26 D 9= 4.0 N5=1.49171 ν 5=57.4 R10= −8.62 D10=可変 R11= 17.55 D11= 3.0 N6=1.49171 ν 6=57.4 R12=∞ D12=可変 *R13= 15.00 D13=3.5 N7=1.49171 ν 7=57.4 R14= −26.39 D14=16.0 R15=アイポイント *:非球面 非球面係数 R 2面 A B C D
E 0.0 4.58D−04 −3.32D−06 5.79D−07 −7.5
1D−09 R 5面 A B C D E 0.0 −6.23D−04 −1.79D−06 0.00 0.00 R13面 A B C D E 0.0 −9.00D−05 1.50D−07 0.00 0.00 数値実施例 2 2ω=49゜〜24゜ R 1= 13.60 D 1= 6.0 N1=1.49171 ν 1=57.4 *R 2= −6.71 D 2=13.0 R 3= 11.37 D 3= 4.0 N2=1.49171 ν 2=57.4 R 4= 99.60 D 4=可変 R 5=−18.00 D 5= 1.8 N3=1.58306 ν 3=30.2 R 6= 18.00 D 6=可変 R 7= 10.00 D 7=4.0 N4=1.49171 ν 4=57.4 *R 8=−10.00 D 8=可変 R 9= 17.55 D 9− 3.0 N5=1.49171 ν 5=57.4 R10=∞ D10=可変 *R11= 15.00 D11= 3.5 N6=1.49171 ν 6=57.4 R12=−26.39 D12=16.0 R13=アイポイント *:非球面 非球面係数 R 2面 A B C D
E 0.0 8.50D−04 −8.31D−06 5.64D−07 −1.2
4D−09 R 8面 A B C D E 0.0 3.08D−04 1.14D−05 −2.60D−07 0.00 R11面 A B C D E 0.0 −9.00D−05 1.50D−07 0.00 0.00 (発明の効果) 本発明によれば変倍用のエレクターレンズのレンズ構
成を前述の如く適切に設定することにより、高変倍比、
高倍率でありながら比較的レンズ全長が短く、又変倍の
際にもレンズ全長が変化しない簡易な構成で諸収差を良
好に補正した高い光学性能を有する実像式変倍ファイン
ダー光学系を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の実施例1〜4の実像式変倍フ
ァインダー光学系の近軸屈折力配置を示す要部概略図、
第5図,第6図は各々本発明の数値実施例1,2のレンズ
断面図、第7図,第8図は各々本発明の数値実施例1,2
の諸収差図である。レンズ断面図及び諸収差図において
(A)は広角端、(B)は中間、(C)は望遠端であ
る。 図中、1は対物レンズ、2は1次結像面、3は第1フィ
ールドレンズ、4はエレクターレンズ、5は第2フィー
ルドレンズ、6は2次結像面、7は接眼レンズ、8はア
イポイントである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03B 13/06 G03B 13/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズによって1次結像面上に結像さ
    せた倒立の第1ファインダー像を変倍手段を有するエレ
    クターレンズにより固定の2次結像面に正立の第2ファ
    インダー像として再結像させ、該2次結像面上の第2フ
    ァインダー像を接眼レンズを介して観察する実像式変倍
    ファインダー光学系であって、該エレクターレンズは複
    数のレンズ群を有し、該複数のレンズ群を光軸上移動さ
    せてファインダー倍率を変化させて該2次結像面上に第
    2ファインダー像を再結像しており、該対物レンズと該
    接眼レンズの焦点距離を各々fo,fe、該エレクターレン
    ズを構成する負レンズの材質の平均アッベ数とする
    とき 0.1<fo/fe<3.0 23<<40 なる条件を満足することを特徴とする実像式変倍ファイ
    ンダー光学系。
  2. 【請求項2】前記エレクターレンズは物体側より順に正
    の屈折力の第1レンズ群と負の屈折力の第2レンズ群の
    2つのレンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際
    して双方のレンズ群をレンズ群間隔を変化させながら物
    体側へ移動させていることを特徴とする請求項1記載の
    実像式変倍ファインダー光学系。
  3. 【請求項3】前記エレクターレンズは物体側より順に負
    の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レンズ群の
    2つのレンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍に際
    して、双方のレンズ群をレンズ群間隔を変化させながら
    物体側へ移動させていることを特徴とする請求項1記載
    の実像式変倍ファインダー光学系。
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