JP2556139B2 - 実像式変倍ファインダー光学系 - Google Patents

実像式変倍ファインダー光学系

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JP2556139B2 JP1172788A JP17278889A JP2556139B2 JP 2556139 B2 JP2556139 B2 JP 2556139B2 JP 1172788 A JP1172788 A JP 1172788A JP 17278889 A JP17278889 A JP 17278889A JP 2556139 B2 JP2556139 B2 JP 2556139B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は実像式変倍ファインダー光学系に関し、特に
撮影系とは別体に設けた外部式のファインダー光学系の
レンズ構成を適切に設定し、良好なるファインダー像の
観察を可能とした例えばスチルカメラやビデオカメラ等
に好適な実像式変倍ファインダー光学系に関するもので
ある。
(従来の技術) 従来より撮影系とファインダー光学系が別体に構成さ
れているカメラでは撮影系が変倍系のときには変倍に伴
いファインダー視野倍率が変化する構成の変倍ファイン
ダーが撮影上好ましい。又、変倍ファインダーはカメラ
に組込むことから小型でしかも所定の変倍比が容易に得
られる構成のものが好ましい。
変倍ファインダー光学系を2次結像方式で構成し、こ
のうち変倍ファインダー光学系を構成する対物レンズを
多群のレンズ群で構成し、該対物レンズの多群のレンズ
群のうち所定のレンズ群を光軸上移動させて変倍を行う
ようにした実像式変倍ファインダー光学系は良く知ら
れ、従来より種々と提案されている。
又、実像式ファインダー光学系を構成する正立正像用
のエレクターレンズを物体側から順に正レンズ、負レン
ズ、そして正レンズの3つのレンズより構成し、良好な
るファインダー像の観察を可能とした2次結像式の単一
の焦点距離のファインダー光学系が例えば特開昭63−81
415号公報で提案されている。
従来より撮影系と別体に構成された外部式のファイン
ダー光学系はTTL方式のファインダー光学系に比べファ
インダー系全体を小型化出来る。しかもファインダー光
学系のレンズ構成を比較的容易に構成することができる
等の利点が多い為近年スチルカメラやビデオカメラ等に
多く用いられている。
従来の実像式変倍ファインダー光学系の1つとして対
物レンズを多群のレンズ群で構成し変倍の際、各レンズ
群の空気間隔を変化させることによって変倍を行う実像
式変倍ファインダー光学系が例えば特開昭61−156019号
公報で提案されている。
又、対物レンズを構成するレンズ群の一部を変倍の
際、移動させると同時にエレクターレンズを構成するレ
ンズ群の一部も対物レンズの移動量と同じ移動量だけ移
動させることによって変倍を行う実像式変倍ファインダ
ー光学系が例えば特公昭47−1912号公報で提案されてい
る。
更に対物レンズによる1次結像面を固定としエレクタ
ーレンズの倍率が例えば となる位置(Zはファインダー系の変倍比)でエレクタ
ーレンズを切換えるようにした2焦点切換え式の実像式
変倍ファインダー光学系が例えば実開昭59−186832号公
報で提案されている。(TTL方式) (発明が解決しようとする問題点) しかしながら前記の特開昭61−156019号公報で提案さ
れている実像式変倍ファインダー光学系は対物レンズで
変倍を行う場合、対物レンズを構成する各レンズ群の移
動量をある程度制限条件を加えて構成しようとすると、
対物レンズが全体的に大型化しかつレンズ全長が極めて
長くなってくるという問題点があった。
又前記の特公昭47−1912号公報で提案されている実像
式変倍ファインダー光学系では変倍用のレンズ群の移動
量を、あまり大きくすることができず変倍比を大きくす
るのが難しく、又変倍比が大きくなってくると変倍中フ
ァインダー視度を一定に保つことが困難となってくると
いった問題点があった。
又前記の実開昭59−186832号公報で提案されている実
像式変倍ファインダー光学系はエレクターレンズの倍率
となる位置でエレクターレンズを切換えるようにしてい
る為、連続した変倍比を得ることができず、2焦点切換
え式としてしか使うことができないといった問題点があ
った。
本発明は実像式変倍ファインダー光学系において、特
にエレクターレンズのレンズ構成を適切に設定し更に好
ましくは非球面を適切に用いることにより、高変倍比で
かつ高倍率でありながら比較的レンズ全長が短かくしか
も簡易な構成で低コストでありながら諸収差を良好に補
正した高い光学性能を有した例えばスチルカメラやビデ
オカメラ等に好適な実像式変倍ファインダー光学系の提
供を目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明の実像式変倍ファインダー光学系は、対物レン
ズによって1次結像面上に結像させた倒立の第1ファイ
ンダー像を変倍系を有するエレクターレンズにより固定
の2次結像面に正立の第2ファインダー像として再結像
させ、該2次結像面上の第2ファインダー像を接眼レン
ズを介して観察する実像式変倍ファインダー光学系であ
って、該対物レンズを移動させると共に該エレクターレ
ンズを移動させて該対物レンズによって形成される第1
ファインダー像を該2次結像面上に再結像させるように
して変倍を行う際、該エレクターレンズは物体側より順
に正の屈折力を有する第1レンズ、負の屈折力を有する
第2レンズ、そして正の屈折力を有する第3レンズを有
しており、該第2レンズの物体側と像面側の曲率半径を
各々Rn1、Rn2としたとき、 なる条件を満足することを特徴としている。
(実施例) 第1図(A)、(B)は本発明の一実施例の実像式変
倍ファインダー光学系の近軸屈折力配置を示す要部概略
図である。
第2図(A)、(B)、第3図(A)、(B)は各々
後述する本発明の数値実施例1、2のレンズ断面図、第
4図(A)、(B)、第5図(A)、(B)は本発明の
数値実施例1、2の諸収差図である。
第1図〜第5図において(A)は広角端、(B)は望
遠端を各々示している。
図中、1は対物レンズ、2は1次結像面であり対物レ
ンズ1によって倒立の第1ファインダー像が結像されて
いる。
3は第1フィールドレンズであり1次結像面2に形成
された第1ファインダー像に基づく光束を後方のエレク
ターレンズに導光している。尚、これらの対物レンズ1
と第1フィールドレンズ3より成る前方レンズ群11は広
角端から望遠端への変倍に伴って一体となって物体側に
移動している。
4はエレクターレンズであり変倍系より構成されてお
り1次結像面2上に結像された倒立の第1ファインダー
像を正立正像に補正し後述する2次結像面6に結像させ
ている。
本実施例におけるエレクターレンズ4は物体側より順
に正の屈折力を有した第1レンズ41、負の屈折力を有し
た第2レンズ42、そして正の屈折力を有した第3レンズ
43の3つのレンズを有している。
5は第2フィールドレンズであり後述する2次結像面
6近傍に設けられている。6は固定の2次結像面であり
エレクターレンズ4により正立正像の第2ファインダー
像が形成されている。
7は接眼レンズ、8はアイポイントである。
本実施例においては不図示の被写体からの光束は対物
レンズ1により集光され1次結像面2に倒立の第1ファ
インダー像が結像されている。そして1次結像面2に結
像された第1ファインダー像に基づく光束は第1フィー
ルドレンズ3を通過してエレクターレンズ4と第2フィ
ールドレンズ5を介し、これにより2次結像面6に正立
正像の第2ファインダー像が再結像している。そして接
眼レンズ7を介して2次結像面6上に形成された第2フ
ァインダー像をアイポイント8から観察している。
次に広角端から望遠端への変倍を行う際には対物レン
ズ1と第1フィールドレンズ3を一体化して同図に示す
矢印の如く物体側へ移動させる。
そしてそれに伴ってエレクターレンズ4を対物レンズ
1により1次結像面2上に形成された倒立の第1ファイ
ンダー像を固定の2次結像面6上に再結像させるように
矢印の如く物体側に移動させている。そして2次結像面
6上に再結像された正立正像の第2ファインダー像を接
眼レンズ7を介してアイポイント8から所定の倍率で観
察している。
この様に構成することにより本実施例ではエレクター
レンズ4の近軸横倍率の変化に応じてファインダー倍率
を変化させている。
特に本実施例においてはエレクターレンズ4を物体側
より順に正レンズ、負レンズ、そして正レンズの3つの
レンズから構成すると共に第2レンズ42の形状を前述の
条件式の如く構成することによりエレクターレンズ4で
発生する諸収差を良好に補正している。
又、1次結像面2近傍に第1フィールドレンズ3を配
置すると該第1フィールドレンズ3に付着したゴミがエ
レクターレンズ4と接眼レンズ7で拡大されて目立って
観察されるのを防止する為、第1フィールドレンズ3を
1次結像面2から接眼レンズ7側へ所定量離れた位置に
配置し、これにより見易いファインダー像を提供してい
る。
又、後述する本実施例の数値実施例1では対物レンズ
1をプラスチック材より成る非球面レンズ1枚より構成
し、これによりレンズ枚数の削減を図っている。
又、エレクターレンズ4を構成する第1レンズ41と接
眼レンズ7にもプラスチック材より成る非球面レンズよ
り構成して良好なる収差を保ちつつつレンズ枚数を削減
してレンズ系全体の簡素化及び低コスト化を図ってい
る。
尚、後述する数値実施例においてはエレクターレンズ
4を構成する負の第2レンズ42以外は全てプラスチック
材より成るレンズより構成している。
次に前述の条件式(1)の技術的意味について説明す
る。
条件式(1)は負の屈折力の第2レンズのレンズ形状
に関し、上限値を越えるとエレクターレンズより像面湾
曲収差の発生量が多くなり、又ファインダー視野周辺部
で視野中心に対して正方向に視野ずれが大きくなってく
るので良くない。
本発明の目的とする実像式変倍ファインダー光学系は
以上の諸条件を満足することにより達成されるが、更に
画面全体の色収差を良好に補正するには前記エレクター
レンズ4を構成する負の屈折力を有する第2レンズ42の
材質のアッベ数をνとしたとき 23<ν>40 ……(2) なる条件を満足させることが良い。
条件式(2)の上限値を越えると望遠側で軸上色収差
の発生が増大しこれを良好に補正するのが困難となる。
又、条件式(2)の下限値を越えると第2レンズ42の
材質のガラスが柔らかいものとなる為レンズ製造上精度
の良いレンズ面を得るのが困難となってくるので良くな
い。
次に本発明の数値実施例を示す。数値実施例において
Riは物体側より順に第i番目のレンズ面の曲率半径、Di
は物体側より第i番目のレンズ厚及び空気間隔、Niとν
iは各々物体側より順に第i番目のレンズのガラスの屈
折率とアッベ数である。
非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH
軸、光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、A、B、
C、D、Eを各々非球面係数としたとき なる式で表わしている。尚、「D−X」とは「10-x」を
意味している。
又、前述の各条件式と数値実施例における諸数値との
関係を表−1に示す。
数値実施例 1 数値実施例 2 (発明の効果) 本発明によればエレクターレンズの構成を前述の如く
適切に設定することにより、高変倍比、高倍率でありな
がら比較的レンズ全長が短く、しかも簡易な構成で諸収
差を良好に補正した高い光学性能を有する実像式変倍フ
ァインダー光学系を達成することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図(A)、(B)は本発明の一実施例の実像式変倍
ファインダー光学系の近軸屈折力配置を示す要部概略
図、第2図(A)、(B)、第3図(A)、(B)は各
々本発明の数値実施例1、2のレンズ断面図、第4図
(A)、(B)、第5図(A)、(B)は各々本発明の
数値実施例1、2の諸収差図である。レンズ断面図及び
諸収差図において(A)は広角端、(B)は望遠端であ
る。 図中、1は対物レンズ、2は1次結像面、3は第1フィ
ールドレンズ、4はエレクターレンズ、5は第2フィー
ルドレンズ、6は2次結像面、7は接眼レンズ、8はア
イポイント、11は前方レンズ群、41は第1レンズ、42は
第2レンズ、43は第3レンズ、である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズによって1次決像面上に結像さ
    せた倒立の第1ファインダー像を変倍系を有するエレク
    ターレンズにより固定の2次結像面に正立の第2ファイ
    ンダー像として再結像させ、該2次結像面上の第2ファ
    インダー像を接眼レンズを介して観察する実像式変倍フ
    ァインダー光学系であって、該対物レンズを移動させる
    と共に該エレクターレンズを移動させて該対物レンズに
    よって形成される第1ファインダー像を該2次結像面上
    に再結像させるようにして変倍を行う際、該エレクター
    レンズは物体側より順に正の屈折力を有する第1レン
    ズ、負の屈折力を有する第2レンズ、そして正の屈折力
    を有する第3レンズを有しており、該第2レンズの物体
    側と像面側の曲率半径を各々Rn1、Rn2としたとき、 なる条件を満足することを特徴とする実像式変倍ファイ
    ンダー光学系。
  2. 【請求項2】前記第2レンズの媒質のアッベ数をν
    したとき 23<ν<40 なる条件を満足することを特徴とする請求項1記載の実
    像式変倍ファインダー光学系。
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