JP2581304Y2 - 天井用目地カバー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本考案は、少なくとも一方を天井
とする目地を介して隣接する構造物間の、目地を覆う天
井用目地カバー装置に関する。 【０００２】 【従来の技術】この種の目地カバー装置としては、天井
と側壁、又は天井と天井間に生ずる目地を目地カバーで
覆うために、天井裏面に差し渡された吊持杆に支持して
目地から垂下させた付装体に支持杆を保持して、該支持
杆を目地に対して直交状に差渡して複数配設し、この複
数の支持杆にカバー板を被着して、該カバー板により目
地を覆うようにしてなる天井用目地カバー装置は、実開
昭６０−１６８７０９号に開示されているように公知で
ある。 【０００３】 【考案が解決しようとする課題】ところで、前記カバー
板は、支持杆に被着して保持する場合に、自重により該
カバー板の中央部が湾曲して、支持杆とカバー板間に隙
間を生じ易い。これを防止するために、カバー板を被着
して後、その表面からドリル等で孔を明けて前記支持杆
に螺子を螺合する手段も行なわれている。しかるに、か
かる構成にあっては、目地カバーの表面から螺子の頭部
が露出し、美観を損なうと共に施工が面倒であるという
問題がある。尚、このように後付による螺子固着によら
ざるをえないのは、カバー板の被着は支持杆を取付けた
最終工程でなされること、及び支持杆と目地カバーとの
位置関係を厳密に規定すると施工が困難となるためであ
る。そして、この条件を満足させながら、カバー板の中
央部を保持するには、技術的困難性を生じ、このため上
述の手段を採用するか、またはカバー板の中央部が湾曲
した状態を放置しているのが実状である。本考案は、か
かる従来構成の問題点を除去することを目的とするもの
である。 【０００４】 【課題を解決するための手段】少なくとも一方を天井と
する目地を介して隣接する構造物間の、該天井裏面に差
し渡された吊持杆に支持して目地から垂下させた付装体
に支持杆を吊持することにより、該支持杆を目地に対し
て直交状に差渡して複数配設し、この複数の支持杆にカ
バー板を被着して、該カバー板により目地を覆うように
してなる天井用目地カバー装置において、前記カバー板
の裏面に、円周方向に沿って形成された係止溝を、突出
方向に沿って多段状に列設してなる連結突杆を突設する
と共に、前記連結突杆を挿通する目地に沿った長孔を備
え、かつ該長孔の両側縁に前記連結突杆の係止溝に先端
が食い込む可撓係止片を突成してなる固着片を前記支持
杆に取付けたことを特徴とするものである。 【０００５】前記カバー板の裏面に、係止溝を長手方向
に多数形成した連結突杆を突設すると共に、前記連結突
杆を挿通する目地に沿った長孔を備え、かつ該長孔の両
側縁に連結突杆の係止溝に先端が食い込む可撓係止片を
突成してなる固着片を前記支持杆に取付けたことを特徴
とするものである。 【０００６】 【作用】カバー板のその裏面に突設した連結突杆を、支
持杆に固定した固着片の長孔に挿通しながら、該カバー
板を前記支持杆に被着する。これにより、可撓係止片の
撓みにより連結突杆の挿通が可能となると共に、その被
着状態で、可撓係止片の先端が連結突杆の係止溝に食い
込んで、該連結突杆が可撓係止片に保持される。而し
て、該カバー板が支持杆により保持されて自重による湾
曲を防止されると共に、その表面には螺子頭が露出する
ことがない。しかも、長孔で連結突杆を支持するもので
あるから、該カバー板と支持杆との位置が厳密に規定さ
れることもなく、従来通りの施工が可能となる。 【０００７】 【実施例】本考案の一実施例を図１〜３を用いて説明す
る。図１は、天井ｘ，ｘ間に生じた目地ｓに適用する目
地カバー装置であり、該天井ｘ，ｘ間に差し渡された吊
持杆１によって吊持された付装体１０と、該付装体１０
にホルダー２０を介して吊持されて、天井ｘ，ｘに差し
渡される支持杆３０と、該支持杆３０に被着して支持さ
れて目地ｓを覆うカバー板４０とにより構成されてい
る。 【０００８】前記吊持杆１は、その断面が下面を開放し
たコ字状をした長尺状板材からなり、天井ｘ，ｘの裏面
に差し渡した介装バー２，２の上面に載置されて、目地
ｓに差し渡されている。また、吊持杆１の前記目地ｓの
ほぼ中央位置には、透孔４が設けられている。 【０００９】前記付装体１０は、短鞘状の嵌合片１０ａ
と、該嵌合片１０ａに嵌入されて支持される主体片１０
ｂとから構成された略Ｌ形状をしている。そして前記嵌
合片１０ａの中央部に形成した透孔１２に、下方から螺
子杆１１を挿通し、さらに前記吊持杆１のほぼ中央に設
けられた透孔４に遊挿してナット６を螺合して、透孔４
の周りで係止して付装体１０全体を螺子杆１１の螺子頭
で吊持している。これにより前記ナット６の螺合調整に
より付装体１０の高さ調整を可能としている。前記嵌合
片１０ａは、その断面を下方で一部開口したＣ字状と
し、そのＣ字状の内部には主体片１０ｂの上端に設けら
れた食込突片１４が嵌入されることによって連結されて
いる。主体片１０ｂの前記食込突片１４の下方には、ば
ね掛片１５が突成され、図４で示すように、その両側に
は透孔１５ａ，１５ａが設けられている。また、前記ば
ね掛片１５の下方には幅方向の摺動溝１６が設けられて
いる。 【００１０】前記ホルダー２０は、図２，３に示すよう
に、その中心部に上下方向の長尺状溝孔２１を備えると
ともに、該溝孔２１を形成する溝枠２２の中心部の両側
面からは円孔２３ａ，２３ａを備えた係止片２３が外側
方へ突成されている。前記円孔２３ａ，２３ａには、そ
の一端が前記ばね掛片１５，１５に係止された発条２
４，２４の他端が係止されている。また、前記溝孔２１
には案内螺子２６が挿入され、その先端部は前記付装体
１０の摺動溝１６に予め嵌合されたナット２７に螺合固
定されている。前記案内螺子２６の螺子頭２６ａの直径
は前記溝孔２１の幅よりも大であるため、前記ホルダー
２０の左右方向への移動を阻止している。前記ナット２
７は摺動溝１６に対して摺動可能となっており、このた
め、ホルダー２０は付装体１０に対して前後方向への移
動が可能となる。このとき、発条２４，２４は上下方向
へ変形することとなる。この構成によりホルダー２０
は、吊持杆１に対して前後、上下方向への移動可能に支
持されることになる。この構成により、前記ホルダー２
０は、付装体１０に対して前後、左右方向への移動可能
に支持されることになる。また、前記溝枠２２の下端に
は、その両側面に対称状に支持翼２５，２５が突成され
ている。 【００１１】前記支持杆３０は、上面が開口した鞘状型
材からなり、長尺状型材を適宜寸法に切り出して形成さ
れる。この支持杆３０は前記ホルダー２０の外端に突成
された支持翼２５，２５に摺動可能に外嵌されて、目地
ｓのほぼ中央位置で支持され、前記支持杆３０の両端部
に夫々嵌着した嵌着片３１ａ，３１ｂの内方突出縁３２
ａ，３２ｂを前記発条２４，２４の付勢作用により、天
井ｘ，ｘの下面に当接している。 【００１２】上述の構成によって支持される支持杆３０
は、目地ｓに沿ってほぼ等間隔に配置され、複数の支持
杆３０には後述するように下方からカバー板４５が被着
されることとなる。 【００１３】次に本考案の要部について説明する。前記
支持杆３０の中央部の一側部には、固着片３４が固定さ
れる。この固着片３４は、図２で示すように、背部と上
方が開口された筐体状をしており、その両側面３５，３
５を後方へ延出し、下部を外方へ水平に曲げ込んで、上
下方向の透孔３６を形成された取付け縁３７，３７を形
成している。前記取付け縁３７，３７の高さは前記支持
杆３０の厚に相当するものとしている。 【００１４】さらに前記固着片３４の底部３８は約４５
°屈曲させて、側面に沿った可撓係止片３９，３９を突
成して、該可撓係止片３９，３９間に長孔４０を生じさ
せている。この固着片３４は支持杆３０の中央部の一側
で取付け縁３７，３７を当てて、ボルトを透孔３６から
挿通して螺子固定され、これにより、前記長孔４０を固
着片３４の長手方向と直交する目地ｓに沿った方向とな
るようにその中央部に位置させている。そしてこの取付
け状態で、前記固着片３４の底面は支持杆３０の底面と
面一となる。 【００１５】一方、前記カバー板４５の裏面中央部には
等間隔で、連結突杆４８がその基端を溶接されて突出し
ている。この連結突杆４８は円周方向に沿って形成され
た係止溝を、突出方向に沿って多段状に列設してなるも
のである。具体的には、この連結突杆４８はボルトから
なり、その螺子溝を係止溝としている。そして上述した
ように前記カバー板４５を支持杆３０に被着する際に前
記連結突杆４８を固着片３４の長孔４０に挿入する。こ
の挿入は、前記可撓係止片３９，３９の弾性によりその
通過を許容されて可能となると共に、前記カバー板４５
の裏面が固着片３４の底面に当接した位置で、可撓係止
片３９，３９の先端が連結突杆４８の螺子溝（係止溝）
内に食い込んでその離脱を阻止するようにしている。
尚、この係止位置は長孔４０により目地方向に沿って変
位させることができ、このため連結突杆４８の固定位置
が厳格に定めれられるものではないから、前記支持杆３
０の取付け位置はほぼ等間隔であれば良く、従前通りの
施工手順を可能としている。 【００１６】かかる構成にあって、カバー板４５はその
両端がコ字状に屈曲して係止縁４６，４６を形成してお
り、連結突杆４８を長孔４０に挿入しながら一方の係止
縁４６を前記嵌着片３１ａに外嵌し、さらに他方の係止
縁４６を板ばね３３を介して前記嵌着片３１ｂの突出縁
３２に連係し、この板ばねの付勢作用により、該カバー
板４５を支持杆３０に対して幅方向にガタツキなく取付
けられることとなる。而して、前記カバー板４５は、そ
の両端の係止縁４６，４６を支持杆３０の両端に支持さ
れると共に、その中央部を前記固着片３４の長孔４０両
側に形成した可撓係止片３９，３９により連結突杆４８
を係止されて固定される。このためカバー板４５はその
取付け状態にあって、自重により中央部が湾曲すること
はなく、適正な施工状態を確保し得ることとなる。 【００１７】上述した目地カバー装置の追従性能にあっ
ては、ホルダー２０と支持杆３０は摺動可能に嵌合され
ているから、天井ｘ，ｘが隣接方向に相対移動した場合
に、ホルダー２０は、前記支持杆３０に対して摺動し、
カバー板４５を変形させることなくその相対移動を可能
にする。また、天井ｘ，ｘが目地ｓに沿って（図１の紙
面に対して直交する方向）へ相対移動した場合には、前
記カバー板４５はいずれの天井ｘ，ｘにも固定されてい
ないから、その相対移動に追従することとなる。さらに
また、天井ｘ，ｘが上下方向へ相対移動した場合には、
ホルダー２０は溝孔２２に案内螺子１６が挿通して支持
されているものであり、該案内螺子１６に対して傾斜し
て、カバー板４５の傾斜を可能としており、しかも発条
２４，２４の付勢作用により、カバー板４５の両端の係
止縁４６，４６は天井ｘ，ｘに圧接維持されることとな
る。而して、上記実施例の目地カバー装置によりカバー
板４５は、天井ｘ，ｘの左右、上下及び前後方向に相対
移動しても、これに変形することなく追従しながら、目
地を覆うこととなる。 【００１８】上述の構成にあっては、天井ｘ，ｘに設け
られる目地カバー装置について説明したが、天井ｘと側
壁間に設けられる目地カバー装置（実願平３−１４７０
１号参照）も、同様に前記カバー板４５は自重による湾
曲を生ずるものであるから、かかる構成にあっても本考
案は適用可能となる。 【００１９】 【考案の効果】本考案は、カバー板４５のその裏面に突
設した連結突杆４８を、支持杆３０に固定した固着片３
４の長孔４０に挿通しながら、該カバー板４５を支持杆
３０に被着することにより、可撓係止片３９，３９の端
縁が連結突杆４８の係止溝に食い込んで、該カバー板４
５の中央部が支持杆３０により保持されるようにしたも
のであるから、該カバー板４５の自重による湾曲を防止
されると共に、その表面には螺子頭が露出することがな
いから美観を損なうことはなく、しかも、長孔４０で連
結突杆３９，３９を支持するものであるから、該カバー
板４５と支持杆３０との位置が厳密に規定されることも
なく、従来通りの施工が可能となり、さらには螺子によ
り外側から固定するものとことなって、施工が容易であ
る等の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】 【図１】本考案の目地カバー装置の装着状態を示す横断
面図である。 【図２】支持杆３０と固着片３４の分離斜視図である。 【図３】付装体１０等を示す斜視図である。 【図４】同上の正面図である。 【符合の説明】 １ 吊持杆 １０ 付装体 ２４ 発条 ３０ 支持杆 ３４ 固着片 ３９，３９ 可撓係止片 ４０ 長孔 ４５ カバー板 ４８ 連結突杆 ｓ 目地 ｘ，ｘ 天井

Claims (1)

1. (57)【実用新案登録請求の範囲】 少なくとも一方を天井とする目地を介して隣接する構造
   物間の、該天井裏面に差し渡された吊持杆に支持して目
   地から垂下させた付装体に支持杆を吊持することによ
   り、該支持杆を目地に対して直交状に差渡して複数配設
   し、この複数の支持杆にカバー板を被着して、該カバー
   板により目地を覆うようにしてなる天井用目地カバー装
   置において、 前記カバー板の裏面に、円周方向に沿って形成された係
   止溝を、突出方向に沿って多段状に列設してなる連結突
   杆を突設すると共に、前記連結突杆を挿通する目地に沿
   った長孔を備え、かつ該長孔の両側縁に前記連結突杆の
   係止溝に先端が食い込む可撓係止片を突成してなる固着
   片を前記支持杆に取付けたことを特徴とする天井用目地
   カバー装置。