JP2580306B2 - ポリオレフィン系樹脂被覆キャリア - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂被覆キャリア

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JP2580306B2
JP2580306B2 JP1007255A JP725589A JP2580306B2 JP 2580306 B2 JP2580306 B2 JP 2580306B2 JP 1007255 A JP1007255 A JP 1007255A JP 725589 A JP725589 A JP 725589A JP 2580306 B2 JP2580306 B2 JP 2580306B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は二成分現像方式に使用されるキャリア、さら
に詳しくは、ポリオレフィン系樹脂で被覆されたキャリ
アに関する。
従来の技術 従来より、電子写真用静電潜像現像方式として、絶縁
性非磁性トナーとキャリア粒子とを混合することによ
り、トナーを摩擦帯電させると共に、現像剤を搬送さ
せ、静電潜像と接触させ現像する二成分系現像方式が知
られている。
このような二成分系現像方式に使用される粒状キャリ
アは、キャリア表面へのトナーのフィルミング防止、キ
ャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下の防
止、現像剤の寿命の延長、感光体のキャリアによるキズ
あるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御または帯電量
の調節等の理由で、適当な材料でコーティングされるこ
とが通常である。
係るコーティング材料として、ポリオレフィン系樹脂
を適用したキャリアが知られている(例えば、特開昭52
−154639号公報、特開昭54−35735号公報等)。
特開昭52−154639号公報は、ポリプロピレン樹脂等を
適当な溶剤に加熱溶融し、その溶融樹脂をキャリア芯材
にスプレー塗布することにより、表面にポリエチレン樹
脂を被覆したキャリアが得られることを開示する。
特開昭54−35735号公報は、キャリア粒子表面に被覆
材料粉末を付着させ、これを被覆材料の融点以上に加熱
して固定したコートキャリアが開示されている。
しかし、上記のようにポリオレフィン系樹脂をキャリ
ア表面に被覆したキャリアは、コート層とキャリアとの
接着性に乏しく、連続してコピーを続けると、コート材
がはがれてしまう等耐久性に劣る欠点がある。また、上
記製法によれば膜厚の制御が容易でない等の欠点があ
る。
発明が解決しようとする課題 本発明は、連続コピーを続けても画質に劣化がなく、
かつ耐久性、耐スペント性に優れたポリオレフィン系樹
脂被覆キャリアを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明は表面が下記式: [式中、外周はキャリア粒子の投影像の外周、面積はキ
ャリア粒子の投影面積の平均値を表わす]で表わされる
形状係数として140〜170の値を有する凹凸構造を有する
ポリオレフィン系樹脂被覆層からなり、該樹脂被覆層が
荷電制御能を有する微粒子および/または導電性微粒子
を添加剤として含有し、かつキャリア芯材含有率が90%
以上であるポリオレフィン系樹脂被覆キャリアに関す
る。
また本発明は、キャリア芯材と、予め触媒で処理され
た該キャリア芯材表面でオレフィンモノマーを重合する
ことにより形成され、かつ荷電制御能を有する微粒子お
よび/または導電性微粒子を添加剤として含有するポリ
オレフィン系樹脂被覆層とを有することを特徴とするポ
リオレフィン系樹脂被覆キャリアに関する。
本発明キャリアはポリオレフィン系樹脂で被覆されて
いるが、そのポリオレフィン系樹脂被覆層の形態に特徴
がある。わかりやすさのために、第1図にポリエチレン
系樹脂被覆層を有する本発明キャリアの粒子構造を示す
写真を示す。以下、本明細書においてはポリエチレンな
る用語をポリオレフィンの用語を代表するものとして使
用し、ポリエチレン系樹脂被覆層を有するキャリアにつ
いて説明する。第1図は後述するキャリアの製造例1で
得られたキャリアを反射型電子顕微鏡により1000倍に拡
大し撮影したものを表している。キャリア表面被覆ポリ
エチレン樹脂層は不規則的に凸部を有することがわか
る。従来、キャリアの表面上にこのような凸部を有し、
かつその凸部がポリエチレン樹脂よりなるキャリアは存
在しない。参考のために、スプレードライ法で熱硬化性
アクリル樹脂被覆層を設けたキャリアの粒子構造を示す
写真を第2図に示す。第2図は後述する比較例4で得ら
れたキャリアを反射型電子顕微鏡により1500倍に拡大し
撮影したものである。第2図の写真は第1図の倍率より
さらに大きな倍率で撮影しているにもかかわらず、表面
は滑らかで、第1図の表面と比べ明らかにその構造にお
いて差異があることがわかる。第2図には熱硬化性アク
リル樹脂被覆キャリアを示したが、ポリエチレン樹脂を
単にスプレードライ、融着法等で被覆したキャリアの表
面構造は第2図に示したものと同様の構造を有してお
り、そのようなキャリアを現像剤として繰り返し使用す
ると耐久性不足(被覆層の剥離)、スペントトナー量の
増大、画質の低下等を引き起こす。
係る凸部を直接的に規定することは難しいが、下記式
[I] [式中、外周はキャリア粒子の投影像の外周、面積はキ
ャリア粒子の投影面積の平均値を表わす。]で表わされ
る形状係数Sにより表わすと、その値は130〜200、好ま
しくは140〜170である。S値は、粒子表面の凹凸の程度
を表わし、表面状態の凹凸の度合が大きいほど、100か
ら離れた値となる。その値が130より小さいと必然的に
被覆層が薄くなり、電気抵抗が低下するのでキャリア現
像が生ずる。また200より大きいと流動性が損なわれ、
また被覆層が剥離しやすくなる。
形状係数Sは、本発明においては、イメージアナライ
ザー(ルーゼックス5000;日本レギュレータ社製)によ
り測定した平均値をいうが、一般に形状係数Sの測定に
おいては、機種によって大きな差は認められないので、
特に上記機種で測定されなければならないことを意味す
るものではない。
表面に凹凸を有するポリエチレン樹脂被覆キャリア
は、さらにキャリア芯材と被覆層の構造との関係により
得られる電気抵抗、被覆率、充填率、比重等において、
一定の範囲の値を有し、その範囲内で本発明の目的、効
果をより有効に達成することができる。
キャリア芯材としては、静電潜像担持体へのキャリア
付着(飛散)防止の点から小さくとも20μm(平均粒
径)の大きさのものを使用し、キャリアスジ等の発生防
止等画質の低下防止の点から大きくとも100μmのもの
を使用する。具体的材料としては、電子写真用二成分キ
ャリアとして公知のもの、例えばフェライト、マグネタ
イト、鉄、ニッケル、コバルト等の金属、これらの金属
と亜鉛、アンチモン、アルミニウム、鉛、スズ、ビスマ
ス、ベリリウム、マンガン、セレン、タングステン、ジ
ルコニウム、バナジウム等の金属との合金あるいは混合
物、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸
化物、窒化クロム、窒化バナジウム等の窒化物、炭化ケ
イ素、炭化タングステン等の炭化物との混合物および強
磁性フェライト、ならびにこれらの混合物等を適用する
ことができる。
本発明のキャリア表面は、ポリエチレン樹脂で70%以
上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上被覆
することが好ましい。被覆率が70%より下回ると、地肌
を通してキャリア芯材自体の特性(耐環境性の不安定
さ、電気抵抗の低下、帯電の不安定さ)が強く現れ、樹
脂被覆の利点を生かせない。
キャリア芯材の充填率は約90wt%以上、好ましくは95
wt%以上に設定する。充填率は、キャリアの樹脂被覆層
厚を間接的に規定するものとして表現するものとし、キ
ャリア充填率が90wt%より小さくなると、被覆層が厚く
なりすぎ、実際に現像剤に適用しても、被覆層のはが
れ、帯電量の増大等、現像剤に要求される耐久性、荷電
の安定性を満足しない、また、画質的にも細線再現性に
劣る、画像濃度が低下する等の問題が生じる。
ポリエチレン樹脂被覆層厚を比重で、間接的に表わす
ことも可能である。本発明キャリアの比重は、キャリア
芯材の種類に大きく影響されるが、前記キャリア芯材を
適用する限りは、3.5〜7.5、好ましくは4.0〜6.0、より
好ましくは4.0〜5.5程度の範囲内の値を示す。その範囲
外の値であれば、前述したように適切な充填率で被覆さ
れていないキャリアと同様の弊害が生じる。
本発明の表面に凹凸を有するポリエチレン樹脂被覆キ
ャリアの電気抵抗は、1×106〜1×1014Ω・cm、好ま
しくは108〜1013Ω・cm、より好ましくは109〜1012Ω・
cm程度に設定する。電気抵抗が1×106Ω・cmを下回る
とキャリアの現像が生じ、画質が低下する。また、1×
1014Ω・cmより大きいと、トナーを過剰に帯電させるの
で適正な画像濃度が得られない。電気抵抗は前述のポリ
エチレン樹脂被覆率、キャリア充填率を間接的に表現し
ているとみることもできる。
本発明のキャリア被覆ポリエチレン層には、荷電付与
機能のある微粒子または導電性微粒子等の添加剤を添加
する。
荷電付与機能のある微粒子としては、CrO2、Fe2O3、F
e3O4、IrO2、MnO2、MoO2、NbO2、PtO2、TiO2、Ti2O3、T
i3O5、WO2、V2O3、Al2O3、MgO、SiO2、ZrO2、BeOなどの
金属酸化物、ニグロシンベース、スピロンブラックTRH
などの染料、などを具体例として挙げることができる。
導電性微粒子としては、カーボンブラック、アセチレ
ンブラックなどカーボンブラック、SiC、TiC、MoC、ZrC
などの炭化物、BN、NbN、TiN、ZrNなどの窒化物、フェ
ライト、マグネタイトなどを磁性粉等を挙げることがで
きる。
金属酸化物、金属フッ化物および金属窒化物の添加は
荷電性をより高めることに効果がある。係る効果はこれ
らの化合物とポリエチレンおよび芯材とで構成される複
雑な界面とトナーとの接触により、各成分とトナーとの
帯電効果が相乗しあって発現するものと考える。
カーボンブラックの添加は現像性を高めること、画像
濃度が高くコントラストの鮮明な画像を得ることに効果
がある。カーボンブラックのような導電性微粒子の添加
によって、キャリアの電気抵抗が適度に低下し、電荷の
リーク、蓄積がバランスよく行なわれるためと考える。
従来バインダー型キャリアの特徴の一つとして、ハー
フトーンの再現性、階調再現性に優れる点を挙げること
ができるが、本発明のコーティングキャリアの場合、ポ
リエチレン樹脂被覆層に磁性粉を添加することにより階
調再現性に優れたキャリアが得られる。これはポリエチ
レンコート層に磁性粉を添加することによってバインダ
ー型キャリアと同様の表面組成となり、荷電性および比
重がバインダー型キャリアのそれに近づいたためと考え
る。
ホウ化物、金属炭化物の添加は帯電の立上りに効果が
ある。
上記添加剤の大きさ、添加量等は、本発明キャリアの
諸特性として本明細書に説明する凹凸性、被覆率、電気
抵抗等の諸特性を満足する限り特に限定するものでない
が、微粒子の大きさとしては、後述する好ましい本発明
のキャリアの製法との関係においては、例えば脱水ヘキ
サン中で凝集することなく、均一に分離してスラリー状
となる粒子径であればよく、具体的には、平均粒径2〜
0.01μm、好ましくは1〜0.01μm程度であればよい。
また、上記両微粒子の添加量としても、上述したよう
に一概にその量を規定することはできないが、被覆ポリ
エチレン樹脂に対して0.1wt%〜60wt%、好ましくは1.0
wt%〜40wt%が適当である。
特にキャリアの充填率が90wt%程度と小さく、被覆層
の厚さが比較的厚い場合、係るキャリアを使用して細線
の連続コピーを行なうと、その再現性が低下するという
問題が発生するが、係る問題が上記添加剤の添加により
解決される。
本発明のキャリアの製造は特に限定されるものでな
く、公知の方法を適用することができるが、例えば、特
開昭60−106808号公報に記載の方法が適している。該公
報を本明細書の一部として、ここに引用する。すなわ
ち、ポリエチレン被覆層はチタンおよび/またはジル
コニウムを含有するとともに、炭化水素溶媒に可溶な高
活性触媒成分とキャリア芯材とを予め接触処理して得
られる生成物および有機アルミニウム化合物を用い、
該キャリア芯材の表面にエチレンを重合させて形成する
ことができる。さらに荷電付与機能を有する微粒子また
は導電性微粒子を添加する場合は、上記ポリエチレン被
覆層形成時にそれらの添加剤を添加して存在させておけ
ばよい。
このポリエチレン形成方法は、キャリア芯材の表面上
に直接ポリエチレン被覆層を形成するので得られる膜は
強度、耐久性に優れたものとなる。特に、ポリエチレン
の重量平均分子量が5.0×103〜5.0×105、好ましくは1.
0×104〜4.5×105、より好ましくは5.0×104〜4.0×105
であるとき、樹脂の強度、キャリアとの密着性に優れた
ポリエチレン樹脂層とすることができる。
ポリエチレン樹脂層とキャリア芯材との接着性をより
高めるために、重合初期は分子量が低くなるような条件
で重合を行なうことは有効である。
本発明は、キャリア表面上に形成される被覆膜が上述
したようにキャリア表面にポリエチレン樹脂被覆層と同
様な凹凸構造、被覆率、充填率、電気抵抗等の条件を満
たす限りあれば、他のオレフィン系樹脂、例えばポリプ
ロピレンも適用可能である。
本発明によるキャリアは、既に公知のトナーと混合し
て二成分系現像剤として使用される。
キャリアの製造例1 (1)チタン含有触媒成分の調製 アルゴン置換した内容積500mlのフラスコに、室温に
て脱水n−ヘプタン200mlおよびあらかじめ120℃で減圧
(2mmHg)脱水したステアリン酸マグネシウム15g(25ミ
リモル)を入れてスラリー化する。撹拌下に四塩化チタ
ン0.44g(2.3ミリモル)を滴下後昇温を開始し、還流下
にて1時間反応させ、粘性を有する透明なチタン含有触
媒成分の溶液を得た。
(2)チタン含有触媒成分の活性評価 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブに脱水
ヘキサン400ml、トリエチルアルミニウム0.8ミリモル、
ジエチルアルミニウムクロリド0.8ミリモルおよび上記
(1)で得られたチタン含有触媒成分をチタン原子とし
て0.004ミリモルを採取して投入し、90℃に昇温した。
このとき、系内圧は1.5kg/cm2Gであった。次いで、水素
を供給し、5.5kg/cm2Gに昇圧したのち、全圧が9.5kg/cm
2Gに保たれるようにエチレンを連続的に供給し、1時間
重合を行い70gのポリマーを得た。重合活性は、365kg/g
・Ti/Hrであり、得られたポリマーのMFR(190℃、荷重
2.16kgにおける溶融流れ性;JIS K 7210)は40であっ
た。
(3)チタン含有触媒成分と充填剤の反応およびエチレ
ンの重合 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブに室温
にて脱水ヘキサン500mlおよび200℃で3時間減圧(2mmH
g)乾燥した焼結フェライト粉F−300H(日本鉄粉
(株)社製、平均粒径60μm)450gを入れ、撹拌を開始
した。次いで40℃まで昇温し、上記(1)のチタン含有
重合触媒成分をチタン原子として0.02ミリモル添加、約
1時間反応を行なった。その後、オートクレーブ上部ノ
ズルより三酸化モリブデン(新日本金属(株)製、平均
粒径約0.4μm)2.0gを投入した。なお三酸化モリブデ
ンは、200℃において1時間減圧乾燥したものを脱水ヘ
キサンにてスラリ長状としておいたものを使用した。そ
の後トリエチルアルミニウム2.0ミリモル、ジエチルア
ルミニウムクロリド2.0ミリモルを添加し、90℃に昇温
した。このときの系内圧は1.5kg/cm2Gであった。次いで
水素を供給し、2kg/cm2Gに昇圧したのち、全圧を6kg/cm
2Gに保つようにエチレンを連続的に供給しながら58分間
重合を行ない、全量472gのフェライトおよび三酸化モリ
ブデン含有ポリエチレン組成物を得た。乾燥した粉末
は、均一に灰色を呈し、電子顕微鏡によるとフェライト
表面は薄くポリエチレンに覆われ、三酸化モリブデンは
そのポリエチレンに均一に分散していることが観察され
た。なお、この組成物をTGA(熱天秤)により測定した
ところ、フェライト、及び三酸化モリブデンは合わせて
95.8wt%であり、仕込量から計算すると、フェライト、
ポリエチレン、三酸化モリブデンは22.5:1:0.10の重量
比であった。
キャリアの製造例2 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブに製造
例1の(3)と同様にして、フェライト450gに対して製
造例1の(1)で調製したチタン含有触媒成分をチタン
原子として0.02ミリモル添加し、1時間反応を行なっ
た。その後、オートクレーブ上部ノズルよりカーボンブ
ラック(Ketchen black EC、ライオンアクゾ(株)社
製)0.22gを投入した。なおカーボンブラックは、200℃
において1時間減圧乾燥したものを脱水ヘキサンにてス
ラリー状としておいたものを使用した。その後トリエチ
ルアルミニウム2.0ミリモル、ジエチルアルミニウムク
ロリド2.0ミリモルを添加し、90℃に昇温した。このと
きの系内圧は1.5kg/cm2Gであった。次いで水素を供給
し、2kg/cm2Gに昇圧したのち、全圧を6kg/cm2Gに保つよ
うにエチレンを連続的に供給しながら45分間重合を行な
い、全量472gのフェライトおよびカーボンブラック含有
ポリエチレン組成物を得た。乾燥した粉末は、均一に黒
色を呈し、電子顕微鏡によるとフェライト表面は薄くポ
リエチレンに覆われ、カーボンブラックはそのポリエチ
レンに均一に分散していることが観察された。なお、こ
の組成物をTGA(熱天秤)により測定したところ、フェ
ライト含量は95.3wt%であり、仕込量から計算するとフ
ェライト、ポリエチレン、カーボンブラックは21:1:0.0
1の重量比であった。
条件および結果を表1に示す。
キャリアの製造例3 キャリアの製造例2において、カーボンブラック量を
表1に示すものとした以外は製造例2と同様にして重合
を行なった。条件および結果を表1に示す。
キャリアの製造例4 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブにキャ
リアの製造例1の(3)と同様にして、脱水ヘキサン50
0ml、フェライト450gを投入した。次いで撹拌下にジエ
チルアルミニウムクロリド1.0ミリモルを添加、40℃に
て30分間処理を行なったのち、製造例1の(1)で調製
したチタン含有触媒成分をチタン原子として0.02ミリモ
ル添加し、1時間反応を行なった。その後200℃で3時
間減圧(2mmHg)乾燥したマグネタイトRB−BL微粒子
(チタン工業(株)社製)7.5g、およびトリエチルアル
ミニウム2.0ミリモルを投入し、90℃に昇温した。この
ときの系内圧は1.5kg/cm2Gであった。次いで水素を供給
し、1.7kg/cm2Gに昇圧したのち、全圧を3.2kg/cm2Gに保
つようエチレンを連続的に供給しながら58分間重合を行
ない全量495gの組成物を得た。乾燥した組成物粉末に
は、遊離したマグネタイト微粉末の存在はほとんど見ら
れず、電子顕微鏡による観察においてもマグネタイト微
粉末はフェライト(60μm)表面上のポリエチレンに均
一に分散しているのが確認された。なおこの組成物をTG
A(熱天秤)により測定したところ、フェライト及びマ
グネタイト含量は92.4wt%であり、仕込量から計算する
と、フェライト(60μm)、ポリエチレン、マグネタイ
ト微粉末の重量比は12:1:0.2であった。
条件および結果を表1に示す。
キャリア製造例5 製造例4において、マグネタイト微粉末RB−BL(チタ
ン工業(株)社製)の添加量6.6gとした以外は製造例4
と同様にして重合を行なった。
条件および結果を表1に示す。
キャリア製造例6〜8 キャリアの製造例2において、カーボンブラックに変
えて、それぞれ炭化ケイ素(イビデン(株)社製)、酸
化亜鉛(23−K、堺化学工業(株)社製)、導電性酸化
チタン(三菱金属(株)社製)11.7、11.1、14.3gそれ
ぞれ添加した以外は製造例2と同様にして重合を行なっ
た。
条件および結果を表1に示す。
キャリアの製造例9 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブにキャ
リアの製造例1と同様にして、フェライト450gに対し
て、製造例1の(1)で調製したチタン含有触媒成分を
チタン原子として0.01ミリモル添加し、1時間反応を行
なった。その後、オートクレーブ上部ノズルよりカーボ
ンブラック(Ketchen black EC、ライオンアクゾ社製)
0.46gを投入した。なおカーボンブラックは、200℃にお
いて1時間減圧乾燥したものを脱水ヘキサンにてスラリ
ー状としておいたものを使用した。その後トリエチルア
ルミニウム1.0ミリモル、ジエチルアルミニウムクロリ
ド1.0ミリモルを添加し、90℃に昇温した。このときの
系内圧は1.5kg/cm2Gであった。次に、1−ブテン37.5ミ
リモル(2.1g)を導入、次いで水素を供給し、2kg/cm2G
に昇圧した後、全圧を6kg/cm2Gに保つようにエチレンを
連続的に供給しながら33分間重合を行ない、全量469gの
フェライトおよびカーボンブラック含有ポリエチレン系
組成物を得た。乾燥した粉末は、均一に黒色を呈し、電
子顕微鏡によるとフェライト表面はうすくポリマーに覆
われ、カーボンブラックはそのポリマーに均一に分散し
ていることが観察された。なお、この組成物をTGA(熱
天秤)により測定し、仕込量から換算したところ、フェ
ライト、ポリマー、カーボンブラックは97:4:0.1の重量
比であった。更にソックスレー抽出(溶媒、キシレン)
によりフェライトおよびカーボンブラックを除いたポリ
マーをIRにより分析したところ、8wt%のブテンを含む
ポリエチレン系共重合体であることが確認された。
キャリアの製造例10、11 キャリアの製造例2において、カーボンブラックに変
えて、それぞれフッ化第1スズ(森田化学工業(株)社
製)、窒化ケイ素(日本新金属(株)社製)を1.1g、5.
2gそれぞれ添加した以外は製造例2と同様にして重合を
行なった。
条件および結果を表1に示す。
キャリアの製造例12〜33 三酸化モリブデンの代わりに、下記添加剤を添加する
以外、キャリアの製造例1と同様にキャリアを製造し
た。詳細な製造条件は表1に示した。
なお、上記添加剤の製造メーカーは下記のごとくであ
る。
三酸化モリブデン(MoO3):日本新金属(株)社製 酸化亜鉛(ZnO):23−K;堺化学工業(株)社製 弗化第1鉄(FeF2):森田化学工業(株)社製 弗化第1錫(SnF2): 同上 窒化チタン(TiN):日本新金属(株)社製 ホウ化チタン(TiB2): 同上 炭化ケイ素(SiC):昭和電工(株)社製 アセチレンブラック:電気化学工業(株)社製 マグネタイト粉RB−BL:チタン工業(株)社製 二酸化チタン(TiO2):R−830;石原産業(株)社製 酸化マグネシウム(MgO):500−1W;旭硝子(株)社製 弗化マグネシウム(MgF2):森田化学工業(株)社製 窒化ケイ素(Si3N4):日本新金属(株)社製 ホウ化ジルコニウム(ZrB2): 同上 炭化タングステン(WC): 同上 ケッチェンブラックEC:ライオンアクゾ(株)社製 フェライト粉MFP−2:TDK(株)社製 キャリアの製造例34 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブにキャ
リアの製造例1と同様にして、フェライト450gに対し
て、製造例1の(1)で調製したチタン含有触媒成分を
チタン原子として0.01ミリモル添加し、1時間反応を行
なった。その後、オートクレーブ上部ノズルよりカーボ
ンブラック(ケッチェンブラック(Ketchen black)E
C、ライオンアクゾ社製)0.50gを投入した。なおカーボ
ンブラックは、200℃において1時間減圧乾燥したもの
を脱水ヘキサンにてスラリー状としておいたものを使用
した。その後トリエチルアルミニウム1.0ミリモル、ジ
エチルアルミニウムクロリド1.0ミリモルを添加し、90
℃に昇温した。このときの系内圧は1.5kg/cm2Gであっ
た。次に1−ブテン37.5ミリモル(2.1g)を導入、次い
で水素を供給し、2kg/cm2Gに昇圧した後、全圧を6kg/cm
2Gに保つようにエチレンを連続的に供給しながら28分間
重合を行ない、全量467gのフェライトおよびカーボンブ
ラック含有ポリエチレン系組成物を得た。乾燥した粉末
は、均一に黒色を呈し、電子顕微鏡によるとフェライト
表面はうすくポリマーに覆われ、カーボンブラックはそ
のポリマーに均一に分散していることが観察された。な
お、この組成物をTGA(熱天秤)により測定したとこ
ろ、フェライト、ポリマー、カーボンブラックは27:1:
0.03の重量比であった。更にソックスレー抽出(溶媒、
キシレン)によりフェライトおよびカーボンブラックを
除いたポリマーをIRにより分析したところ、8wt%のブ
テンを含むポリエチレン系共重合体であることが確認さ
れた。
キャリアの製造例35 キャリアの製造例23において芯材に球状鉄粉(関東電
化工業(株)社製、ST−60、平均粒径65μm)を用いた
以外は同様の条件で製造を行なった。
キャリア製造例1〜35で得られたキャリアのフェライ
ト充填率(wt%)(ただし実施例35では鉄粉の充填
率)、比重、ポリエチレン樹脂層の重量平均分子量(M
W)、電気抵抗(Ω・cm)および被覆率(%)を下記表
2に示した。
なお、フェライト充填率(wt%)はTGAにより求めた
フェライトの重量比から換算した。
比重測定は、 ・電子天秤:感度0.1mgのもの。
・ピクノメータ:JIS R3501(分析化学用ガラス器具)
に規定されたゲーリュサック温度計付き比重びん、内容
積50ml。
・恒温水槽:水温を23±0.5℃に保持できるもの。
を備えた測定装置を用い次の操作手順により測定した。
あらかじめ乾燥したピクノメーターの質量を0.1mgの
桁まで正確に秤量する。
ピクノメーターに十分脱気したn−ヘプタンを満た
し、23±0.5℃の恒温水槽に1時間保持したのち、液表
面を正確に標線に合わせる。恒温水槽から取り出し、外
部の水を完全に拭ってから、その質量を0.1mgの桁まで
正確に秤量する。
次にそのピクノメーターを空にしてから試料10〜15g
採取し、再び0.1mgまで正確に秤量し、の結果を差し
引いて試料の質量を求める。
試料の入っているピクノメーターに脱気したn−ヘプ
タンを20〜30ml静かに加えて、試料を完全に覆ったの
ち、真空デシケーター中で液中の空気を静かに除く。
次にそのピクノメーターに標線付近まで脱気したn−
ヘプタンを満たし、23±0.5℃の恒温水槽に1時間保持
する。液表面を正確に標線に合わせたのち取りだし、外
部の水を完全に拭ってから、その質量を0.1mgの桁まで
正確に秤量する。
比重は次の式によって算出する。
S=a・d/(b−c+a) ここで S:比重. a:試料の質量(g). b:ピクノメーターの標線まで浸漬液を入れたときの質量
(g). c:試料の入ったピクノメーターの標線まで浸漬液を満た
したときの質量(g). d:23℃における浸漬液の比重. ポリエチレン樹脂被覆層の重量平均分子量はゲル・パ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により下
記条件で求めた。
測定装置:ウォーターズ社 ALC−GPC150C カラム:トーソー TSK HM+GMH×2 溶 媒:トリクロルベンゼン 温 度:135℃ 濃 度:5mg/10ml 注入量:400μ 流 量:1μ/分 電気抵抗は、金属性の円形電極上に厚さ1mm、直径50m
mとなる様に試料を置き、質量895.4g、直径20mmの電
極、内径38mm、外径42mmのガード電極を載せ、500Vの直
流電圧印加時の1分後の電流値を読みとり、試料の体積
固有抵抗ρ換算した。測定環境は温度25±1℃、相対湿
度55±5%であり、測定は5回繰り返し、その平均を取
った。
キャリア被覆率は本発明においては、イメージアナラ
イザー(ルーゼックス5000;日本レギュレータ社製)に
より測定した平均値をいうが、一般に被覆率の測定にお
いては、測定に用いた機種によって大きな差は認められ
ないので、特に上記機種で測定されなければならないこ
とを意味するものではない。すなわち反射型電子顕微鏡
によるキャリア像をイメージアナライザーに取込み、こ
れを用いて芯材のコート層で覆われている部分の面積を
計測し、その量がその粒子の投影像の全面積に占める割
合を被覆率とした。
あるいは反射型電子顕微鏡を用いて得られたキャリア
写真上で、注目するキャリア粒子およびその粒子上に観
察される芯材のコート層で覆われている部分をトレーシ
ングペーパー等に写し取り、各々の部分を切り取って、
秤量し、それらの重量比から被覆率を算出する方法もあ
る。
トナーの製造例1[(−)帯電性トナー(トナーA)]成 分 重量部 ・ポリエステル樹脂 100 (軟化点、130℃;ガラス転移点、60℃、AV25、OHV38) ・カーボンブラック 5 (三菱化成(株)社製、MA#8) ・染料 3 (保土ケ谷化学工業(株)社製、スピロンブラックTR
H) 上記材料をボールミルで充分混合した後、140℃に加
熱した3本ロール上で混練した。混練物を放置冷却後、
フェザーミルを用い粗粉砕し、さらにジェットミルで微
粉砕した。つぎに、風力分級し、平均粒径13μmの微粉
末を得た(トナーA)。
トナーの製造例2[(+)帯電性トナー(トナーB)] つぎの組成によりトナーの製造例1と同様の方法を用
いてトナーBを製造した。成 分 重量部 ・スチレン−n−ブチルメタクリレート樹脂 100 (軟化点、132℃;ガラス転移点、60℃) ・カーボンブラック 5 (三菱化成(株)社製、MA#8) ・ニグロシン染料 3 (オリエント化学(株)社製、ボントロンN−01) 実施例1 キャリアの製造例1で得られたキャリアとトナーBと
を用いトナー混合比7wt%の現像剤を得た。このときの
トナー帯電量は+18.4μC/g、 次にこの現像剤を用いて耐刷試験を行なった。複写機
としてEP−490Z(ミノルタカメラ(株)社製)を使用し
た。50万枚の耐刷中トナー帯電量、画像濃度ともに大き
な変動はなく、これらは安定していた。耐刷中10万枚、
30万枚、50万枚の各時点でスペントトナー量を測定し、
また細線の再現性を評価した。スペントトナー量は現像
剤をサンプリングしブローオフ法によって現像剤をトナ
ーとキャリアに分離し単離したキャリア約1.00gをエタ
ノール20mlに2時間浸漬した後、ろ過してろ液の500nm
における吸光度を分光光度計で測定する。これとは別に
トナー中の染料成分について検量線を得ておき先の500n
mでの吸光度から溶出したトナー中の染料の量を算出す
る。この値とトナーに含まれる染料の割合とからキャリ
アに固着したトナーの量としてスペントトナー量(mg/c
arrier 1g)を求める。
しかしこのようにして求めたスペントトナー量はほと
んど0.0mg/carrier 1gもしくは検量線の範囲から外れた
ために負の値を示した。結局このキャリアについてスペ
ントトナーは生じなかったことを示している。なお表3
に求めたスペントトナーの有無をまとめて示した。
細線の再現性は線幅50μm、反射濃度1.5の黒線によ
り評価し、複写画像上で、この原稿画像が 良;ほぼ再現されているもの 劣(小);線幅が細くなり、一部欠落しているもの 劣(大);線の細り、欠落が甚だしいか、ほとんど再現
されていないもの としたランク付けした。
一方、この現像剤を35℃、85%RHの高温高湿下に24時
間保存したのち、トナー帯電量を測定したところ、+1
8.1μC/gという値を示した。このことはこのキャリアの
環境性がすぐれていることを示している。
実施例2〜35 表3中に示したキャリアとトナーを用いた以外実施例
1と同様に現像剤を調製し、評価した。ただしトナーA
を使用した場合、耐刷試験に用いた複写機はEP−570Z
(ミノルタカメラ(株)社製)とした。
結果を表3に示した。
比較例1 キャリアとして熱硬化性樹脂コートキャリア(アクリ
ル樹脂コートキャリア;F141−3040、日本鉄粉(株)社
製、平均粒径53.2μm、S値115、芯材充填率99.3wt
%)を使用した。このキャリアとトナーAとを用いて、
トナー混合比7wt%の現像剤を得た。このときのトナー
帯電量は−11.7μC/g、であった。また高温高湿下での
トナー帯電量の減衰が大きかった。
次にこの現像剤を用いて実施例1と同様に耐刷試験を
行なった。50万枚の耐刷中、コピー枚数とともにトナー
帯電量は低下していった。10万枚、30万枚、50万枚の各
時点でスペントトナー量を調べた結果、表3に示したよ
うに、コピー枚数に伴いスペントトナー量が次第に増加
していったことが判明した。このことは耐刷中のトナー
帯電量低下の原因を裏付けるとともに、このキャリアが
耐スペント性について劣ることを示す。これらの結果は
環境試験の結果とともに表3にまとめて示した。
比較例2 低密度ポリエチレン(ハイワックス220P、三井石油化
学(株)社製)をトルエンに加熱溶解(2%溶液)し、
芯材として鉄粉キャリア(AT−50、関東電化工業(株)
社製、平均粒径50μm)を用いて、スピラコータ(岡田
精工(株)社製)により芯材に対し1.0wt%の被覆がで
きるように被覆した。
このようにして得られたキャリアのS値は120、芯材
充填率は99.0wt%、電気抵抗値は1.4×107Ω・cmであ
り、比重は5.0であった。このキャリアとトナーAとを
用いて、トナー混合比7wt%の現像剤を得た。このとき
のトナー帯電量は−18.2μC/gであった。
次にこの現像剤を用いて実施例1と同様に耐刷社試験
を行なった。50万枚の耐刷中、コピー枚数とともに画像
上特に細線部分(たとえばラインチャートにおける100
μm(濃度1.2)の部分あるいは5ポイント活字(濃度
0.9)の部分など)の再現性が劣っていった。このこと
は未コートキャリアの特徴であるから、被覆層の剥離を
示唆する。さらにスペントトナー量が0.0g/キャリア1g
であったことはスペントトナーがまったく発生しなかっ
たか被覆層の剥離が生じたかのいずれかを意味する。こ
れらの結果は表3にまとめて示した。
比較例3 比較例2において同様の材料を用い、芯材に対し5.0w
t%の被覆ができるように条件を設定しキャリアを得
た。
このようにして得られたキャリアのS値は124、芯材
充填率は95.0wt%、電気抵抗値は5.2×1015Ω・cmであ
り、比重は4.6であった。このキャリアとトナーBとを
用いて、トナー混合比7wt%の現像剤を得た。このとき
のトナー帯電量は+26.8μ/C/gであった。しかし比較例
1と同様に耐刷中細線の再現性が劣っていった。これら
の結果についても表3にまとめた。
比較例4 固形比2%のアクリル樹脂溶液(アクリデックA405;
大日本インキ(株)社製)に三酸化モリブデン(新日本
金属(株)社製、平均粒径0.4μm)を固形分に対して
3%添加、超音波によって十分に分散させたものと塗液
とした。芯材として焼結フェライト粉(F−300H、日本
鉄粉(株)社製、平均粒径60μm)を用いて、スピラコ
ータ(岡田精工(株)製)により芯材に対し1.0wt%の
被覆ができるように塗布した。その後系内の温度を150
℃に昇温して樹脂を硬化させ、熱硬化性アクリル樹脂に
より被覆されたキャリアを得た。
このようにして得られたキャリアのS値は118、芯材
充填率99.2wt%、電気抵抗値は4.3×1010Ω・cmであ
り、比重は5.07であった。このキャリアとトナーBとを
用いて、トナー混合比7wt%の現像剤を得た。このとき
のトナー帯電量は+12.1μC/gであった。しかし耐刷試
験中、耐刷枚数の増加とともにトナー帯電量は低下し
た。これとは別にトナースペント化が生じていることが
確認された。
比較例5 添加剤を添加せずエチレンの重合条件を フェライト仕込量450g 触媒添加量[Ti] 0.02ミリモル 重合条件 時間 51分 温度 90℃ 圧力 エチレン 6kg/cm2G 水素 3kg/cm2G 収量 500g とした以外キャリアの製造例1と同様に、キャリアを製
造し フェライト充填率 90.3% S値 197 キャリア比重 3.61 樹脂層MW(GPC値)6.4×103 添加剤 なし キャリア電気抵抗 1.0×1014Ω・cm 被覆率 100% なる特性を有するキャリアを得た。
このキャリアとトナーAとで現像剤を調製し、実施例
1と同様に評価し、結果を表3に示した。
発明の効果 本発明のキャリアは、静電特性、耐スペント性、荷電
安定性、耐環境性に優れ、良質の画像形成に有効であ
り、それらの効果は、キャリアを連続的に長期間使用し
た後も維持される。
【図面の簡単な説明】 第1図は、表面に凹凸構造を有するポリエチレン樹脂被
覆層で被覆された本発明キャリア粒子の構造を示す写真
である。 第2図は、スプレードライ法でポリアクリル樹脂被覆層
を有するキャリアの粒子構造を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 純二 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (72)発明者 太田 和夫 大阪府大阪市東区安土町2丁目30番地 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会社 内 (72)発明者 朝日 敏 千葉県君津郡袖ケ浦町上泉1280番地 出 光興産株式会社内 (72)発明者 林 宏 東京都千代田区丸の内3丁目1番1号 出光興産株式会社内 (72)発明者 真野 晃一 千葉県君津郡袖ケ浦町上泉1280番地 出 光興産株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−237066(JP,A) 特開 昭62−164054(JP,A) 特開 昭59−223454(JP,A) 特開 昭57−168256(JP,A) 特開 昭61−140952(JP,A) 特開 平2−69772(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面が下記式: [式中、外周はキャリア粒子の投影像の外周、面積はキ
    ャリア粒子の投影面積の平均値を表わす]で表わされる
    形状係数として140〜170の値を有する凹凸構造を有する
    ポリオレフィン系樹脂被覆層からなり、該樹脂被覆層が
    荷電制御能を有する微粒子および/または導電性微粒子
    を添加剤として含有し、かつキャリア芯材含有率が90%
    以上であるポリオレフィン系樹脂被覆キャリア。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン樹脂
    である請求項1記載のキャリア。
  3. 【請求項3】キャリア芯材と、予め触媒で処理された該
    キャリア芯材表面でオレフィンモノマーを重合すること
    により形成され、かつ荷電制御能を有する微粒子および
    /または導電性微粒子を添加剤として含有するポリオレ
    フィン系樹脂被覆層とを有することを特徴とするポリオ
    レフィン系樹脂被覆キャリア。
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