JP3143911B2 - 電子写真現像方法 - Google Patents

電子写真現像方法

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JP3143911B2
JP3143911B2 JP02184922A JP18492290A JP3143911B2 JP 3143911 B2 JP3143911 B2 JP 3143911B2 JP 02184922 A JP02184922 A JP 02184922A JP 18492290 A JP18492290 A JP 18492290A JP 3143911 B2 JP3143911 B2 JP 3143911B2
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佳久 寺阪
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ等の像担
持体上に形成される静電潜像を磁性キャリアとトナーか
らなる2成分現像剤を用いて可視像とする電子写真現像
方法に関する。
〔従来の技術〕 この種の現像方法は広く知られており、現像剤中のキ
ャリアとトナーを混合することによりトナーを帯電させ
るとともに、磁石体内蔵の現像スリーブにより、キャリ
アを帯電トナーと共に現像領域へ搬送し、そこで該帯電
トナーを像担持体上の静電潜像へ付着させるものであ
る。
この場合、現像の良否は2成分現像剤中のトナー濃度
に左右される。
トナー濃度が高いと、最終的に得られる転写紙上の画
像のにじみやつぶれ、トナーカブリによる背景部の汚れ
等の問題が発生し、トナー濃度が低いと、所望の画像濃
度が得られず、画像のカスレ等の問題が生じる。
このため、2成分現像剤中のトナー濃度を所定のもの
に制御する必要があるが、その制御方法の代表例とし
て、2成分現像剤中のキャリアの透磁率を測定してトナ
ー濃度を制御するという方法がある。
すなわち、2成分現像剤中のキャリアの割合に比例し
て変化するキャリア透磁率をキャリア透磁率センサで測
定し、トナー濃度が上昇することにより相対的にキャリ
ア量が低下してキャリア透磁率が低下するとトナー補給
を抑制し、トナー濃度が低下することにより相対的にキ
ャリア量が増えてキャリア透磁率が上昇するとトナー補
給を行うのである(例えば特公昭60−35663号公報参
照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記トナー補給の自動制御は、トナー濃度検出手段で
あるキャリア透磁率センサの出力値が、現像剤中のトナ
ーの濃度のみに依存して変化するとの認識に基づいて行
われるものであるが、実際には、キャリア透磁率センサ
の出力値は、トナーの濃度のみではなく、トナーの帯電
量にも依存して変化する。
第10図のグラフは、前記キャリア透磁率センサの出力
値Eとトナー濃度が低いほど相対的に多くなるキャリア
量Cとの関係を示しており、第11図のグラフは、透磁率
センサ出力値Eとトナー濃度が一定のときのトナー帯電
量Qとの関係を示している。これらのグラフから分かる
ように、キャリア透磁率センサからの出力値Eは、具体
的には電圧信号で、現像剤所定体積あたりのキャリア量
が多くてトナー濃度が低いほど、大きくなるものである
が、一方、トナー濃度が同じでもトナー帯電量が低いほ
ど、大きくなるものである。
すなわち、実際のトナー濃度が同じであっても、キャ
リア透磁率センサからの出力値Eは、トナー帯電量Qに
よっても変化する。その理由としては、トナー帯電量が
低い場合にはトナーと磁性キャリアとの吸着力が小さい
のでトナーは比較的自由に移動でき、第12図(イ)に示
すように、トナーが磁性キャリアに囲まれた部分に多数
存在することで磁性キャリアの嵩密度が高くなるから、
キャリア透磁率センサからの出力値はトナー濃度が低下
した場合と同様に大きくなり、一方、トナー帯電量が高
い場合にはトナーと磁性キャリアとの吸着力が大きいの
でトナーの移動が抑制され、第12図(ロ)に示すよう
に、トナーが磁性キャリア同士の間に束縛された状態で
存在することで磁性キャリアの嵩密度が低くなるから、
キャリア透磁率センサからの出力値はトナー濃度が上昇
した場合と同様に低下するものと考えられる。
従って、キャリア透磁率センサからの出力値Eを常に
同一の目標トナー濃度に対応する値と比較した結果に基
づいてトナーの補給を制御すると、制御の目標値が実際
の目標値とは異なることとなって、トナーの供給過剰に
よる画像のにじみやつぶれ、背景部の汚れ等が生じた
り、トナーの供給不足による画像濃度の低下、画像のカ
スレが生じる場合がある。
特に、従来の2成分現像剤では、トナーの帯電量の立
ち上がりが悪く、実際には目標トナー濃度にあるにも拘
らず、トナー帯電量が低いために透磁率センサの出力値
が上昇し、その結果、トナーが余分に補給され、画像カ
ブリ等の問題が生じやすい。
また、B/W比の高い画像を得る場合には、トナー補給
量が増加し、B/W比の低い画像を得る場合にはトナー補
給量が減少するのであるが、従来の2成分現像剤のよう
にトナー帯電の立ち上がりの悪い現像剤を使用すると、
B/W比が高くて新たなトナー補給が増加するときには、
トナー帯電量が減少し易いため、透磁率センサ出力値が
増加し、トナーが余分に補給されるので、実際のトナー
濃度が高くなりがちであり、B/W比が高いときと、低い
ときとでは、トナー濃度制御に大きなズレが生じるとい
う問題がある。
このようなトナー帯電量の変化によるトナー濃度の誤
制御を補正するため、トナー補給頻度を検出し、該頻度
に基づいてトナー補給量を制御するという方法もあるが
(特開昭62−25777号公報参照)、トナー補給頻度計測
回路等を設けなければならない。
なお、トナー帯電の立ち上がりの悪い現像剤を使用す
ると、帯電不良によりトナーが飛散し易くなるという問
題もある。
そこで本発明は、磁性キャリアとトナーからなる2成
分現像剤を用い、キャリアの透磁率を測定してトナー濃
度を制御しつつ像担持体上の静電潜像を現像する電子写
真現像方法であって、トナー補強頻度にかかわりなくト
ナー濃度を適切に制御して、カブリ等のない良好な画像
を得ることができ、トナー飛散も少ない現像方法を提供
することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は前記目的に従い、磁性キャリアとトナーから
なる2成分現像剤を用い、この現像剤中のキャリアの透
磁率を測定してトナー濃度を制御しつつ像担持体上の静
電潜像を現像する電子写真現像方法において、前記キャ
リアが磁性芯材表面を樹脂で被覆してなる樹脂被覆キャ
リアであり、この樹脂被覆層が芯材表面でオレフィン系
モノマーを重合させることにより形成され且つ樹脂被覆
層の表面に前記重合によって形成された多数の細孔を有
し、この細孔の細孔径が0.001μm〜3μmの範囲に分
布しており、且つ、平均細孔径が0.1μm〜0.5μmであ
ることを特徴とする電子写真現像方法を提供するもので
ある。
〔作 用〕
本発明方法によると、2成分現像剤中の磁性キャリア
が表面に前記多数の細孔を有するため、該キャリアとト
ナーが良く混合接触し、トナーは立ち上がり良く帯電す
る。そのため、キャリア透磁率センサは、常時、トナー
帯電量が略一定の状態下にキャリア透磁率を測定し、該
測定結果に基づいてトナー濃度を目標に向け制御する。
かくして制御されたトナー濃度のもとに像担持体上の静
電潜像が現像される。
また、使用する磁性キャリアが表面に前記多数の細孔
を有するため、トナー帯電性が良く、帯電不良によるト
ナー飛散が減少し、トナー捕捉性もよいので、この点か
らもトナー飛散が減少する。さらに、前記キャリア表面
の細孔の存在によって凝集トナーが解砕されやすい。
さらに言えば、キャリア芯材表面を被覆している樹脂
被覆表面層の細孔の細孔径が0.001μm〜3μmの範囲
に分布しており、且つ、平均細孔径が0.1μm〜0.5μm
であるから、トナーの解砕性、トナーに対する良好な帯
電特性が得られ、現像剤の流動性、現像性がよい。
さらに、樹脂被覆層が芯材表面でオレフィン系モノマ
ーを重合させることにより形成されているから、前記所
定の細孔が形成されるうえ、該樹脂被覆層強度、芯材と
の密着性に優れ、キャリアの耐久性がよい。また、離型
性がよく、トナーのスペント化を抑制できる。
〔実 施 例〕
以下、図面に基づいて、本発明方法例を説明する。
第1図は、本発明方法の実施に使用する画像形成装置
の一例である電子写真複写機の概略構成を示している。
この複写機は像担持体としての感光体1を有し、感光
体1はドラム状で、モータ(図示せず)の駆動によっ
て、図中時計方向に定速回転駆動される。感光体1の周
囲には、その表面を一様に帯電させるための帯電装置
2、原稿からの画像光を受ける露光部3、現像装置4、
転写装置5、分離装置6、クリーニング装置7、および
イレーサランプ8が配設されている。
帯電装置2により表面が一様に帯電された感光体1
は、その回転に伴って露光部3に達し、この露光部3で
画像露光され、原稿の画像に対応した静電潜像が形成さ
れる。
この静電潜像は、感光体1がその回転に伴って続いて
通過する現像装置4において、本発明方法のもとにトナ
ーの選択的な付着により顕像化される。その後、感光体
1はさらに回転して転写装置5に達し、この転写装置5
において、感光体1の回転に同期して給紙ガイド9を経
て転写装置5に送り込まれた記録紙P上に、静電吸着に
よって上述のように顕像化されたトナー像が転写され
る。
トナー像が転写された記録紙Pは、その後、分離装置
6によって感光体1の表面から剥離され、搬送ベルト10
によって定着装置11に送られ、この定着装置11における
加圧を伴った加熱で前記トナー像が定着された後、機外
に排出される。
一方、トナー像を記録紙Pに転写した後の感光体1
は、クリーニング装置7のクリーニングブレード12によ
ってその表面に付着した残留トナーを掻き落とされた
後、イレーサランプ8によってその表面の残存電荷を消
去されて初期状態に戻り、その後、再度帯電装置2に達
して新たな帯電が行われることで、次の複写動作に備え
られる。
前記現像装置4では後述するトナーと磁性キャリアか
らなる2成分現像剤を使用する。この現像装置は、トナ
ーを収容するホッパ13、現像剤を収容する現像剤槽14、
撹拌羽根15、磁石体16aを内装した現像スリーブ16、前
記ホッパ13から現像剤槽14へのトナーの流れを断続する
シャッタ17、このシャッタ17を開閉駆動するモータ18等
からなっている。
前記モータ18は、制御部19からの制御信号を受けて前
記シャッタ17を開閉する。そして、シャッタ17の開状態
において、ホッパ13内のトナーが現像剤槽14に補給され
る。トナーは、現像剤槽14内において図示しない磁性キ
ャリアと混合され、駆動回転される撹拌羽根15によって
撹拌されることで、磁性キャリアとの接触摩擦で帯電す
る。一方、磁性キャリアはトナーとは逆極性に帯電し、
この磁性キャリアの周囲に、摩擦帯電の吸引力によって
トナーが付着する。
現像スリーブ16の周辺には、磁石体16aの異なる磁極
間に形成される磁力線に沿って、トナーを付着した磁性
キャリアが鎖状に連なり、磁性キャリアとトナーとから
なる二成分現像剤の穂が形成される。前記磁石体16aは
固定状態に設けられるとともに、前記現像スリーブ16
が、感光体1の回転速度よりも速い(1.1〜3.0倍)の速
度で図中反時計方向に駆動回転され、その回転に伴っ
て、現像スリーブ16表面の現像剤の穂も図中反時計方向
に搬送されて感光体1の表面と接触する領域にまで達す
る。
そして、現像剤中のトナーは、現像スリーブ16への現
像バイアス電圧印加の下に感光体1上の静電潜像に付着
し、これにより、静電潜像が顕像化する。一方、磁性キ
ャリアは現像スリーブ16によってさらに搬送されて現像
剤槽14に至り、再び使用される。
現像剤槽14には、磁性キャリアの透磁率を測定してト
ナー濃度として出力するキャリア透磁率センサ20が付設
してある。現像装置4中には前述のようにトナーと磁性
キャリアとが混在するので、トナー濃度を直接検出する
ことはできないものの、磁性キャリアの透磁率の測定を
行うことによって所定体積の現像剤中における磁性キャ
リアの量を検出できるから、それをもってトナーの濃度
として出力するのである。
トナー濃度検出手段であるこのキャリア透磁率センサ
20の出力は、前記制御部19に入力され、ここで目標トナ
ー濃度と比較され、検出トナー濃度が目標トナー濃度を
下回ればホッパ13から現像剤槽14へトナーを補給するよ
うに、検出トナー濃度が目標トナー濃度を超えればホッ
パ13から現像剤槽14へのトナーの補給を停止するよう
に、それぞれモータ18へ制御信号を出力され、現像装置
4内の現像中のトナー濃度が目標トナー濃度となるよう
に現像装置4へのトナーの補給が自動的に制御される。
要するに、トナー濃度制御は、現像装置の現像剤槽に
設けられた透磁率センサによる測定値が予め基準値が設
定された制御手段に入力され、この制御手段において両
者を比較し、測定値が基準値を下回るとトナー収容ホッ
パーから現像剤槽にトナーを補給し、測定値が基準値を
超えるとトナー収容ホッパーから現像剤槽へのトナーの
補給を停止させることにより行われる。
次に現像装置4において使用する2成分現像剤につい
て説明する。この現像剤は樹脂被覆の磁性キャリアとト
ナーからなる。
まず、樹脂被覆キャリアについて説明する。
理解を容易にするため、本発明の方法で使用する樹脂
被覆キャリアの断面図を、模式的に第2図に示し、従来
の樹脂被覆キャリアの模式的断面図を第3図に示した。
本発明方法に使用する樹脂被覆キャリア21は、キャリ
ア芯材22および該芯材を被覆する樹脂被覆層23からな
り、該樹脂被覆層表面には細孔24が形成されている。第
3図に示した従来の芯材27上に樹脂被覆層28を有するキ
ャリア26と比べ、細孔24が存在することが大きな特徴で
ある。
前記静電潜像の現像においては、このように、樹脂被
覆キャリア21の表面に細孔24が存在するため、トナー粒
子25とキャリア粒子21との混合接触を十分に確保するこ
とができ、そのため、トナーの帯電立上がりが速やかに
なり、かつ、各トナー粒子を十分均一に帯電させること
ができ、帯電不良によるトナー飛散を防止することがで
きるるとともに、この2成分現像剤が前記透磁率センサ
20を通過するときには、トナーが所定帯電状態に帯電し
ており、センサ20は、常時、略一定のトナー帯電量の下
にキャリア透磁率を測定でき、そのため、トナー濃度制
御がそれだけ正確に行われる。
また、キャリア21表面上の細孔24は、トナー粒子25の
捕捉性に優れているので、この点からもトナー飛散防止
に効果がある。
さらに、細孔24の存在により、トナー25とキャリア21
の接触が頻繁に起こる結果、トナー凝集防止さらには凝
集トナーの解砕にも効果があり、その結果、特にトナー
小粒径化に伴う、トナー凝集という問題が解決される。
本発明において樹脂被覆キャリア表面の細孔は、具体
的にはその細孔径分布、平均細孔径、全細孔容積により
規定される。
キャリア表面上に存在する各細孔径は0.001〜3μ
m、好ましくは0.001〜2μm、より好ましくは0.005〜
2μmの範囲に分布していることが望ましい。細孔径が
0.001μmより小さいものはトナーの解砕性の点から細
孔の効果が発現しにくくなると思われる。3μmより大
きいものはトナーの捕捉性が強すぎて、流動性、現像性
の低下をきたす。
前述した細孔径の分布範囲に対応して平均細孔径はお
よそ0.1〜0.5μmとなる。したがってこの範囲で、トナ
ーの解砕性、トナーに対する良好な帯電特性を示すと考
えられる。
全細孔容積は、本発明においてはキャリア1g当たりの
全細孔容積(ml/g)と被膜樹脂層1ml当たりの全細孔容
積(ml/ml)の2通りで表現する。
キャリア1g当たりの全細孔容積(ml/g)は水銀ポロシ
メトリーによって求めることができる。本発明方法で使
用するキャリアにおいては、その値が、0.001〜0.1ml/
g、好ましくは0.01〜0.05ml/gであることが望ましい。
その値が0.001ml/gより小さいと、キャリア表面に存在
する細孔が不十分であり、細孔の効果が得られなくなる
恐れがあり、0.1ml/gより大きいと、細孔が多すぎて、
被覆層がもろくなる。
被覆樹脂層1ml当たりの全細孔容積(ml)は、前述し
たキャリア1g当たりの全細孔容積(ml/g)を、被覆層の
真比重およびキャリア芯材充填率から換算することによ
り求めることができる。本発明方法において使用するキ
ャリアにおいては、その値が0.1〜2ml/ml、好ましくは
0.5〜1.5ml/mlであることが望ましい。その値が0.1ml/m
lより小さいと、キャリア表面に存在する細孔が不十分
であり、細孔の効果が得られなくなる恐れがあり、2ml/
mlより大きいと細孔が多すぎて、被覆層がもろくなる。
次にキャリア21の構成材料について説明する。
キャリア21の構成要素であるキャリア芯材22として
は、感光体1へのキャリア付着(飛散)防止の点から、
小さくとも20μm(平均粒径)の大きさのものを使用
し、キャリアスジ等の発生防止等画質の低下防止の点か
ら大きくとも100μmのものを使用する。具体的材料と
しては、電子写真用二成分キャリアとして公知のもの、
例えばフェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバ
ルト等の金属、これらの金属と亜鉛、アンチモン、アル
ミニウム、鉛、スズ、ビスマス、ベリリウム、マンガ
ン、セレン、タングステン、ジルコニウム、バナジウム
等の金属との合金あるいは混合物、酸化鉄、酸化チタ
ン、酸化マグネシウム等の金属酸化物、窒化クロム、窒
化バナジウム等の窒化物、炭化ケイ素、炭化タングステ
ン等の炭化物との混合物および強磁性フェライト、なら
びにこれらの混合物等を挙げることができる。
キャリア被覆樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が
用いられる。
特に、キャリアと組み合わせて使用するトナーが、小
粒径トナーであると、トナーは小粒径化すればするほど
トナーの熱容量が小さくなり、スペント化しやすいの
で、このようなときは、スペント化防止の観点から、離
型性のよいポリオレフィン系樹脂が好ましい。
キャリア21の表面は、キャリア被覆樹脂で70%以上、
好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上被覆する
ことが好ましい。被覆率が70%より下回ると、地肌を通
してキャリア芯材自体の特性(耐環境性の不安定さ、電
気抵抗の低下、帯電の不安定さ)が強く現れ、樹脂被覆
の利点を生かせない。
キャリア芯材の充填率は約90wt%以上、好ましくは95
wt%以上に設定する。充填率は、キャリアの樹脂被覆層
厚を間接的に規定するものと解してもよく、キャリア充
填率が90wt%より小さくなると、被覆層が厚くなりす
ぎ、実際に現像剤に適用しても、被覆層のはがれ、帯電
量の増大等、現像剤に要求される耐久性、荷電の安定性
を満足せず、また、画質的にも細線再現性に劣る、画像
濃度が低下する等の問題が生じる。
樹脂被覆層厚を比重で、間接的に表すことも可能であ
る。キャリア21の比重はキャリア芯材の種類に大きく影
響されるが、前記キャリア芯材を適用する限りは、3.5
〜7.5、好ましくは4.0〜6.0、より好ましくは4.0〜5.5
程度の範囲内の値を示す。その範囲外での値であれば、
前述したように適切な充填率で被覆されていないキャリ
アと同様の弊害が生ずる。
樹脂被覆キャリア21の電気抵抗は、1×106〜1×10
14Ω・cm、好ましくは108〜1013Ω・cm、より好ましく
は109〜1012Ω・cm程度に設定する。電気抵抗が1×106
Ω・cmを下回るとキャリアの現像が生じ、画質が低下す
る。また、1×1014Ω・cmより大きいと、トナーを過剰
に帯電させるので、適正な画像濃度が得られない。電気
抵抗は前述の樹脂被覆率、キャリア充填率を間接的に表
現しているとみることもできる。
キャリア21は、さらに樹脂被覆層に凹凸を付与するこ
とが好ましい。第3図は、樹脂被覆層23が凹凸を有する
形態を示しており、細孔24は、その凹凸のある樹脂被覆
層23の表面に存在する。このような凹凸をキャリア表面
に付与することにより、トナー帯電の立ち上がり特性、
トナー飛散、トナー凝集解砕性等がより向上したキャリ
アとすることができる。
表面凹凸をより詳しく説明する。
表面被覆層の表面凹凸構造を下記式〔1〕; 〔式中、外周はキャリア粒子の投影像の外周、面積はキ
ャリア粒子の投影面積の平均値を表す。〕で表される形
状係数Sにより表すと、その値は130〜200の範囲内にあ
ることが好ましい。S値は、粒子表面の凹凸の程度を表
し、表面状態の凹凸の度合いが大きいほど、100から離
れた値となる。形状係数Sは、例えば、イメージアナラ
イザー(ルーゼックス5000;日本レギュレータ社製)に
より測定できるが、一般に形状係数Sの測定において
は、機種によって大きな差は認められないので、特に上
記機種で測定されなければならないことを意味するもの
ではない。
また、キャリア被覆樹脂層23には、荷電付与機能のあ
る微粒子または導電性微粒子等の添加剤を添加してもよ
い。
荷電付与機能のある微粒子としては、CrO2、Fe2O3、F
e3O4、IrO2、MnO2、M0O2、NbO2、PtO2、TiO2、TiO3、Ti
3O5、WO2、V2O3、Al2O3、MgO、SiO2、ZrO2、BeOなどの
金属酸化物、ニグロシンベース、スピロンブラックTRH
などの染料、などを具体例として挙げることができる。
導電性微粒子としては、カーボンブラック、アセチレ
ンブラックなどカーボンブラック、Sic、TiC、MoC、ZrC
などの炭化物、BN、NbN、TiN、ZrNなどの窒化物、フェ
ライト、マグネタイトなどの磁性粉等を挙げることがで
きる。
金属酸化物、金属フッ化物および金属窒化物の添加は
荷電性をより高めることに効果がある。かかる効果はこ
れらの化合物と被覆樹脂および芯材とで構成される複雑
な界面とトナーとの接触により、各成分とトナーとの帯
電効果が相乗しあって発現するものと考える。
カーボンブラックの添加は現像性を高めること、画像
濃度が高くコントラストの鮮明な画像を得ることに効果
がある。カーボンブラックのような導電性微粒子の添加
によって、キャリアの電気抵抗が適度に低下し、電荷の
リーク、蓄積がバランスよく行れるためと考えられる。
従来バインダー型キャリアの特徴の一つとして、ハー
フトーンの再現性、階調再現性に優れる点を挙げること
ができるが、樹脂被覆キャリアの場合、樹脂被覆層に磁
性粉を添加することにより階調再現性に優れたキャリア
が得られる。これは樹脂被覆層に磁性粉を添加すること
によってバインダー型キャリアと同様の表面組成とな
り、荷電性および比重がバインダー型キャリアのそれに
近づくためと考えられる。
ホウ化物、金属炭化物の添加は帯電の立ち上がりに効
果がある。
前記添加剤の大きさ、添加量等は、キャリア21の諸特
性として本明細書に説明する細孔の形態、被覆率、電気
抵抗等の諸特性を満足する限り特に限定するものでない
が、微粒子の大きさとしては、後述する好ましいキャリ
ア21の製法との関係においては、例えば樹脂溶液中ある
いは脱水ヘキサン中で凝集することなく、均一に分散し
てスラリー状となる粒子径であればよく、具体的には、
体積平均粒径2〜0.001μm、好ましくは1〜0.01μm
程度であればよい。
また、前記両微粒子の添加量としても、上述したよう
に一概にその量を規定することはできないが、被覆樹脂
に対して0.1wt%〜60wt%、好ましくは0.1wt%〜40wt%
が適当である。
特に、充填率を90〜97wt%の範囲に設定して使用する
場合は、樹脂被覆層23に荷電付与機能のある微粒子、ま
たは導電性微粒子等の添加剤を添加することが好まし
い。キャリアの充填率が90wt%程度と小さく、被覆層の
厚さが比較的厚い場合、かかるキャリアを使用して細線
の連続コピーを行うと、その再現性が低下するという問
題が発生するが、かかる問題が前記添加剤の添加により
解決される。
次に、前記細孔を有する樹脂被覆キャリア21の製法に
ついて説明する。
キャリア21の好ましい製法は、表面重合被覆法であ
る。
表面重合被覆法は、チタンおよび/またはジルコニ
ウムを含有するとともに、炭化水素溶媒に可溶な高活性
触媒成分と、キャリア芯材とを予め接触処理して得ら
れる生成物および有機アルミニウム化合物を用い、該
キャリア芯材の表面にオレフィンモノマー、例えばエチ
レンを重合させて形成することができる。さらに荷電付
与機能を有する微粒子または導電性微粒子を添加する場
合は、前記被覆層形成時にそれらの添加剤を添加して存
在させておけばよい。具体的には、特開昭60−106808号
公報に記載の方法が適している。該公報を本明細書の一
部として、ここに引用する。
この表面重合被覆法により、キャリア被覆層を形成す
ると、表面に前記した、細孔を有する被覆層をキャリア
表面に形成することができることに加え、さらに膜強
度、核体芯粒子と樹脂被覆層との密着性に優れた、耐久
性のよいキャリアとすることができる。
前記キャリアと組み合せて使用されるトナーとして
は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂、着色
剤および/または荷電付与剤などを混合混練したあと、
粉砕分級して得る粉砕法トナー、またはモノマーに着色
剤および/または荷電付与剤を分散して、これを重合し
て得られる懸濁重合トナー、または着色剤とワックスな
どの低軟化点物質あるいは定着用樹脂を含んだ液体等の
周りを、これらよりも軟化点の高い壁材(カプセル殻)
でくるんだカプセルトナー、または表面に光導電性物質
を被覆した光導電性トナー等であり、平均粒径が3〜20
μm程度のものが使用可能である。
次に、第2図に示す凹凸のあるキャリア21の製造につ
き製造例1〜3として、第3図に示すタイプの従来型キ
ャリア26の製造につき製造例4として説明する。
キャリアの製造例1 (1)チタン含有触媒成分の調整 アルゴン置換した内容積500mlのフラスコに、室温に
て脱水n−ヘプタン200mlおよび予め120℃で減圧(2mmH
g)脱水したステアリン酸マグネシウム15g(25ミリモ
ル)を入れてスラリー化する。撹拌下に四塩化チタン0.
44g(2.3ミリモル)を滴下後昇温を開始し、還流下にて
一時間反応させ、粘性を有する透明なチタン含有触媒成
分の溶液を得た。
(2)チタン含有触媒成分の活性評価 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブに脱水
ヘキサン400ml、トリエチルアルミニウム0.8ミリモル、
ジエチルアルミニウムクロリド0.8ミリモルおよび前記
(1)で得られたチタン含有触媒成分をチタン原子とし
て0.004ミリモルを採取して投入し、90℃に昇温した。
このとき、系内圧は1.5kg/cm2Gであった。次いで、水素
を供給し、5.5kg/cm2Gに昇圧したのち、全圧が9.5kg/cm
2Gに保たれるようにエチレンを連続的に供給し、1時間
重合を行い、70gのポリマーを得た。重合活性は、365kg
/g・Ti・Hrであり、得られたポリマーのMFR(190℃、荷
電2.16kgにおける溶融流れ性;JIS K7210)は40であっ
た。
(3)チタン含有触媒成分と充填剤の反応およびエチレ
ンの重合 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブに室温
にて脱水ヘキサン500mlおよび200℃で3時間減圧(2mmH
g)乾燥した焼結フェライト粉F−200(パウダーテック
社製、体積平均粒径70μm)450gを入れ、前記(1)の
チタン含有重合触媒成分をチタン原子として0.02ミリモ
ル添加、約1時間反応を行った。その後、トリエチルア
ルミニウム2.0ミリモル、ジエチルアルミニウムクロリ
ド2.0ミリモルを添加し、90℃に昇温した。このときの
系の内圧は1.5kg/cm2Gであった。次いで水素を供給し、
2kg/cm2Gに昇圧したのち、全圧を6kg/cm2Gに保つように
エチレンを連続的に供給しながら40分間重合を行い、全
量473gのフェライト含有ポリエチレン組成物を得た。乾
燥した粉末は、均一に灰白色を呈し、電子顕微鏡にて観
察したところフェライト表面は薄くポリエチレンに覆わ
れ、しかもポリエチレンにフェライト粒子同士の凝集は
全く見られなかった。
なお、この組成物をTGA(熱天秤)により測定したと
ころ、芯材充填率は95.2wt%であった。その後120℃に
設定した熱気流中に投入し、2.0時間加熱処理を行っ
た。得られたキャリアを106μmのフルイで分級し、凝
集物を除去した。
キャリアの製造例2 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブに製造
例1の(3)と同様にしてフェライト450gに対して製造
例1の(1)で調整したチタン含有触媒成分をチタン原
子として0.02ミリモル添加し、1時間反応を行った。そ
の後、オートクレーブ上部ノズルよりカーボンブラック
(Ketchen black DJ−600、ライオンアクゾ社製)0.47
gを投入した。なおカーボンブラックは、200℃において
1時間減圧乾燥したものを脱水ヘキサンにてスラリー状
としておいたものを使用した。その後トリエチルアルミ
ニウム2.0ミリモル、ジエチルアルミニウムクロリド2.0
ミリモルを添加し、90℃に昇温した。このときの系内圧
は、1.5kg/cm2Gであった。次いで水素を供給し、2kg/cm
2Gに保つようにエチレンを連続的に供給しながら45分間
重合を行い、全量469.3gのフェライトおよびカーボンブ
ラック含有ポリエチレン組成物を得た。乾燥した粉末
は、均一に黒色を呈し、電子顕微鏡によると、フェライ
ト表面は薄くポリエチレンに覆われ、カーボンブラック
はそのポリエチレンに均一に分散していることが観察さ
れた。なお、この組成物をTGA(熱天秤)により測定し
たところ、芯材充填率は95.9wt%であり、仕込量から計
算すると、フェライト、ポリエチレン、カーボンブラッ
クは24:1:0.025の重量比であった。その後120℃に設定
した熱気流中に投入し、2.0時間加熱処理を行った。得
られたキャリアを106μmのフルイで分級し、凝集物を
除去した。
キャリアの製造例3 アルゴン置換した内容積1のオートクレーブに製造
例1と同様にして、フェライト450gに対して製造例1の
(1)で調整したチタン含有触媒成分をチタン原子とし
て0.01ミリモル添加し、1時間反応を行った。その後、
オートクレーブ上部ノズルよりカーボンブラック(ケッ
チェンブラック(Ketchen black)EC、ライオンアクゾ
社製)0.50gを投入した。なおカーボンブラックは、200
℃において1時間減圧乾燥したものを脱水ヘキサンにて
スラリー状としておいたものを使用した。その後トリエ
チルアルミニウム1.0ミリモル、ジエチルアルミニウム
クロリド1.0ミリモルを添加し、90℃に昇温した。この
ときの系内圧は、1.5kg/cm2Gであった。次に1−ブテン
37.5ミリモル(2.1g)を導入し、次いで水素を供給し、
2kg/cm2Gに昇温した後、全圧を6kg/cm2Gに保つようにエ
チレンを連続的に供給しながら28分間重合を行い、全量
467gのフェライトおよびカーボンブラック含有ポリエチ
レン組成物を得た。乾燥した粉末は、均一に黒色を呈
し、電子顕微鏡によるとフェライト表面は薄くポリマー
に覆われ、カーボンブラックはそのポリマーに均一に分
散していることが観察された。なお、この組成物をTGA
(熱天秤)により測定したところ、フェライト、ポリマ
ー、カーボンブラックは27:1:0.03の重量比であった。
更にソックスレー抽出(溶媒、キシレン)によりフェラ
イトおよびカーボンブラックを除いたポリマーをIRによ
り分析したところ、8wt%のブテンを含むポリエチレン
系共重合体であることが確認された。
その後120℃に設定した熱気流中に投入し、2.5時間加
熱処理を行った。得られたキャリアを106μmのフルイ
で分級し、凝集物を除去した。
キャリアの製造例4 塗液として固形比2%のアクリル樹脂溶液(アクリデ
ックA405:大日本インキ社製)を、芯材として焼結フェ
ライト粉(F−200:パウダーテック社製、体積平均粒径
70μm)を用いて、スピラコーター(岡田精工社製)に
より芯材に対し1.0wt%の被覆ができるように塗布し
た。その後系内の温度を150℃に昇温して樹脂を硬化さ
せ、熱硬化性アクリル樹脂被覆キャリアを得た。得られ
たキャリアの芯材充填率は99.0wt%であった。
キャリア21の製造例1〜3およびキャリア26の製造例
4で得られた各キャリア1g当たりの全細孔容積(ml/
g)、被覆層1ml当たりの全細孔容積(ml/ml)および平
均細孔径を表1に示した。
なお、キャリアの全細孔容積、平均細孔径は、キャリ
ア細孔分布の測定結果より算出した値である。キャリア
の細孔分布は水銀ポロシメトリーに依った。測定はポア
サイザ9310(島津製作所社製)を用い、水銀の接触角13
0℃表面張力484dyn/cmとした。結果を第5図から第10図
に示す。
第4図は、細孔径と浸入容積の関係を示す図である。
浸入容積とは測定時の最大圧力までで水銀が圧入された
細孔容積を表す。
第5図〜第7図は、細孔径と容積分率の関係を示す図
である。容積分率とは、ある細孔径の範囲に占める細孔
容積の全細孔容積に対する割合を百分率で表したもので
ある。
また、キャリア製造例1〜4で得られたキャリアの芯
材充填率(wt%)、真比重(g/cm3)、嵩比重(g/c
m3)、電気抵抗および比表面積(m2/g)を次の表2に示
した。
なお、比重測定は、 ・電子天秤 :感度0.1mgのもの。
・ピクノメータ:JIS R 3501(分析化学用ガラス器
具)に規定されたゲーリュサック温度計付き比重びん、
内容積50ml。
・恒温水槽 :水温を23±0.5℃に保持できるもの。
を備えた測定装置を用い、次の操作手順により測定し
た。
予め乾燥したピクノメータの質量を0.1mgの桁まで
正確に秤量する。
ピクノメータに十分脱気したn−ヘプタンを満た
し、23±0.5℃の恒温水槽に1時間保持したのち、液表
面を正確に標線に合わせる。恒温水槽から取り出し、外
部の水を完全に拭ってから、その質量を0.1mgの桁まで
正確に秤量する。
次に、そのピクノメータを空にしてから試料10〜15
g採取し、再び0.1mgの桁まで正確に秤量し、の結果を
差し引いて試料の質量を求める。
試料の入っているピクノメータに脱気したN−ヘプ
タンを20〜30ml静かに加えて、試料を完全に覆ったの
ち、真空デシケータ中で液中の空気を静かに除く。
次に、そのピクノメータに標線付近まで脱気したN
−ヘプタンを満たし、23±0.5℃の恒温水槽に1時間保
持する。液表面を正確に標線に合わせたのち取り出し、
外部の水を完全に拭ってから、その質量を0.1mgの桁ま
で正確に秤量する。
比重は次の式によって算出する。
S=a・d/(b−c+a) ここで、S:比重 a:試料の質量(g) b:ピクノメータの標線まで浸漬液を入れたと
きの質量(g) c:試料の入ったピクノメータの標線まで浸漬
液を満たしときの質量(g) d:23℃における浸漬液の比重 嵩比重JIS Z2504によった。
電気抵抗は、金属性の円形電極上に厚さ1mm、直径50m
mとなるように試料を置き、質量895.4g、直径20mmの電
極、内径38mm、外径42mmのガード電極を載せ、500vの直
流電圧印加時の1分後の電流値を読み取り、試料の体積
固有抵抗ρに換算した。測定環境は温度25±1℃、相対
湿度55±5%であり、測定は5回繰り返し、その平均を
とった。
比表面積は窒素ガス吸着によるBET法により測定し
た。装置はフローソーブ2300(島津製作所社製)を使用
した。
次に、本発明方法において使用するトナー25の例をそ
の製造例とともに説明する。
成分 重量部 ・ポリエステル樹脂 (軟化点:130℃;ガラス転移点: 60℃、AV25、OHV38) 100 ・カーボンブラック(三菱化成社製、MA#8) 5 ・染料(保土ケ谷化学工業社製、 スピロンブラックTRH) 3 前記材料をボールミルで充分混合した後、140℃に加
熱した3本ロール上で混練した。混練物を放置冷却後、
フェザーミルを用い粗粉砕し、さらにジェットミルで微
粉砕した。
その後風力分級し、体積平均粒径8.1μmとした後、
疎水性シリカ(日本アエロジル社製、R974)をトナーに
対して0.3wt%添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混
合し、トナーを得た。
以上のトナーおよび製造例2のキャリア21からなる2
成分現像剤と、該トナーおよび製造例4のキャリア26
(比較従来例)からなる2成分現像剤につき、トナー帯
電の立ち上がり性を評価したところ、第8図に示すよう
に、製造例2のキャリア21を使用した場合(○印)は、
製造例4のキャリア26を使用した場合(△印)よりもト
ナー帯電の立ち上がり性は優れていた。製造例1、3の
キャリアを使用した場合も製造例2のキャリアと同様に
優れた帯電立ち上がり性を示した。
なお、トナー帯電立ち上がり性の評価は次のように行
った。
(評価方法) 文献(電子写真学会誌、第27巻第3号(1988)「現像
剤帯電速度の決定」)に記載されている方法によりトナ
ー混合比2wt%に調整した現像剤を用いて、現像剤混合
時間tにおける帯電量qを測定した。
(結果) log(qm−q)と混合時間tの関係を第11図に示す。
ここで、qmは飽和(または極大)帯電量を示す。
log(qm−q)は時間に対して、直線性を示し、その
傾きが帯電立ち上がり速度の大小を示す。
また、前記トナーおよび製造例2のキャリア21からな
る2成分現像剤と、該トナーおよび製造例4のキャリア
26(比較従来例)からなる2成分現像剤とによって、B/
W比が6%、15%、30%の各原稿につき、1500枚ずつ複
写したところ、第9図に示すように、製造例2のキャリ
ア21を使用した場合(○印)は、製造例4のキャリア26
を使用した場合(△印)より、現像剤中の実際のトナー
濃度が安定していた。これは、キャリア21を使用した方
が、トナー帯電の立ち上がりが良く、B/W比が高くてト
ナー補給量が増加する(トナー補給頻度が増す)場合で
も、キャリア透磁率センサ20が、略一定したトナー帯電
量のもとに透磁率を測定でき、それだけ正確にトナー濃
度が制御されていることを意味する。製造例1、3のキ
ャリアを使用した場合も製造例2のキャリアと同様、ト
ナー濃度は安定した。
以上のように、表面に細孔を有する樹脂被覆層備えた
樹脂被覆キャリアを使用することにより、キャリアとト
ナーの混合接触性、トナーの解砕性、トナー帯電の立ち
上がり性に優れ、その結果、トナー飛散が無いか、少な
く、良好な画像を安定して得ることが可能となった。
なお、本発明方法を実施する現像装置は第1図に示す
ものに限定されないことはいうまでもない。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によると、磁性キャリアと
トナーからなる2成分現像剤を用い、キャリアの透磁率
を測定してトナー濃度を制御しつつ像担持体上の静電潜
像を現像する電子写真現像方法であって、トナー補給頻
度に拘らずトナー濃度を適切に制御して、カブリ等のな
い良好な画像を得ることができ、トナー飛散も少ない方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施する現像装置を備えた複写機
の概略構成図、第2図は本発明方法で使用する樹脂被覆
キャリアの模式的断面図、第3図は従来の樹脂被覆キャ
リアの模式的断面図である。第4図はキャリア表面細孔
の細孔径と浸入容積の関係を示すグラフ、第5図〜第7
図は、各キャリア製造例で得られたキャリアの表面細孔
の細孔径と容積分率の関係を示す図、第8図はトナー帯
電の立ち上がり特性を示すグラフ、第9図はB/W比が異
なる原稿を複写したときの現像剤中のトナー濃度の変化
を示すグラフ、第10図はキャリア量とキャリア透磁率セ
ンサの出力値との関係を示すグラフ、第11図はトナー帯
電量とキャリア透磁率センサの出力値との関係を示すグ
ラフ、第12図(イ)(ロ)はトナー混合比一定でトナー
帯電量が異なる場合のトナー及びキャリアの存在状態を
示す模式図である。 1……感光体ドラム、4……現像装置 13……トナーホッパ、14……現像剤槽 15……撹拌羽根、16……現像スリーブ 16a……磁石体、17……シャッタ 18……シャッタ駆動モータ、19……制御部 20……キャリア透磁率センサ 21……キャリア、22……芯材 23……樹脂被覆層、24……細孔 25……トナー、26……従来キャリア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 純二 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 合議体 審判長 植野 浩志 審判官 伏見 隆夫 審判官 城所 宏 (56)参考文献 特開 昭57−94754(JP,A) 特開 平2−89066(JP,A) 特開 昭59−191070(JP,A) 特開 昭60−106808(JP,A) 特開 昭62−35663(JP,A) 特開 昭62−15562(JP,A) 特開 昭62−23054(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性キャリアとトナーからなる2成分現像
    剤を用い、この現像剤中のキャリアの透磁率を測定して
    トナー濃度を制御しつつ像担持体上の静電潜像を現像す
    る電子写真現像方法において、前記キャリアが磁性芯材
    表面を樹脂で被覆してなる樹脂被覆キャリアであり、こ
    の樹脂被覆層が芯材表面でオレフィン系モノマーを重合
    させることにより形成され且つ樹脂被覆層の表面に前記
    重合によって形成された多数の細孔を有し、この細孔の
    細孔径が0.001μm〜3μmの範囲に分布しており、且
    つ、平均細孔径が0.1μm〜0.5μmであることを特徴と
    する電子写真現像方法。
  2. 【請求項2】前記トナー濃度制御は、現像装置の現像剤
    槽に設けられた透磁率センサによる測定値が、予め基準
    値が設定された制御手段に入力され、この制御手段にお
    いて両者を比較し、測定値が基準値を下回るとトナー収
    容ホッパーから現像剤槽にトナーを補給し、測定値が基
    準値を超えるとトナー収容ホッパーから現像剤槽へのト
    ナーの補給を停止させることにより行われることを特徴
    とする請求項1記載の電子写真現像方法。
  3. 【請求項3】前記キャリアのキャリア1gに対する全細孔
    容積(ml/g)が0.001〜0.1(ml/g)であることを特徴と
    する請求項1記載の電子写真現像方法。
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