JP2576960B2 - 機械的強度を付与させた平滑性ミクロポーラス銀面の製造方法 - Google Patents

機械的強度を付与させた平滑性ミクロポーラス銀面の製造方法

Info

Publication number
JP2576960B2
JP2576960B2 JP15384088A JP15384088A JP2576960B2 JP 2576960 B2 JP2576960 B2 JP 2576960B2 JP 15384088 A JP15384088 A JP 15384088A JP 15384088 A JP15384088 A JP 15384088A JP 2576960 B2 JP2576960 B2 JP 2576960B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver surface
water
substrate
polyurethane elastomer
surfactant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP15384088A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02139483A (ja
Inventor
博之 若原
憲一 田川
公允 浅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP15384088A priority Critical patent/JP2576960B2/ja
Publication of JPH02139483A publication Critical patent/JPH02139483A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2576960B2 publication Critical patent/JP2576960B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、人工皮革の銀面の製造方法に関するもので
ある。更に詳しくは、透湿性を持つ風合い良好な且つ平
滑性に優れた湿式の薄層銀面に、耐摩耗性,耐屈曲性等
機械的強度を付与させる製造方法に係るものである。
(従来の技術) 従来200ミクロン以下、好ましくは100ミクロン以下の
平滑性銀面を得る技術としては、離型紙上に銀面樹脂原
料をコーティングし、基材に転写し乾燥する所謂、乾式
離型紙法が採用されている。しかし本方法では、ミクロ
ポーラスを有する銀面化は望めず、高い透湿と云う機能
性を犠牲にせざるを得ないものである。
又、織編物,不織布の繊維集合体にバインダー加工し
た基材上に、銀面樹脂原料をコーティングし、湿式再生
する所謂、湿式再生法ではミクロポーラス銀面は得られ
るが、基材上の織編目又は、不織布の毛羽,バインダー
の凹凸で200ミクロン好ましくは、100ミクロン以下のミ
クロポーラス銀面を得る事は、非常に難かしくましてや
平滑性を、期待する事は、至難の事であった。
一方この技術的欠点を比較的上手く改良しようとする
方法に、水蒸気凝固法がある。例えば特公昭37−4434,
同42−56499etcであり、これらは未凝固銀面に直接水蒸
気を当てて、平滑性水平面を保ちつつ凝固せしめる所
謂、水蒸気凝固法関連の技術である。これらの方法は、
比較的多量の銀面樹脂原料をコーティングし、その液体
の水平面原理により平滑性は得られやすいが、銀面の厚
味は300〜500ミクロンが通常であり、200ミクロン以下
では、安定な平滑面を得る事が出来なかった。そこで我
々は、上記の問題点に鑑み、特願昭62−327946号,同63
−68889号の通り、透湿性を持ち風合い良好な、且つ平
滑性に優れた湿式薄層銀面の製造方法を開発したが、透
湿性を付与させる為のミクロポーラス層のセル構造(発
泡構造)を制御する事が出来なかった為、透湿性を得る
ために耐摩耗性,耐屈曲性等の機械的強度を犠牲にせざ
るを得なかった。
以上述べた如く、高い透湿性を持つ風合い良好な、且
つ平滑性に優れた、200ミクロン以下の薄層湿式銀面
で、耐屈曲性等機械的強度に富むものは、従来得る事が
困難であった。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、ソフトで風合い良好な且つ平滑性に優れ
た、湿式薄層銀面に、高い透湿性と同時に耐摩耗性,耐
屈曲性等機械的強度を付与させる事を狙ったものであ
る。勿論銀面の下にくる基材は、ほとんどの繊維集合体
もしくはそれらにバインダー加工されたものが充当さ
れ、特別な基材上の加工を施す必要はなしに、上記特徴
の銀面を得る事を狙ったものである。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究
した結果、まず平滑性離型ベルト上に、界面活性剤を添
加した銀面形成溶液をコーティングし、次いでその上に
水湿潤化させた基材をラミネートし、その基材上から加
熱し、あるタイミング時間後、ベルトを離型すると云う
非常に単純な操作ではあるが、安定した銀面加工方法を
見い出し、本発明に至ったものである。
その特徴は、ポリウレタンエラストマーを主体とす
る、銀面形成溶液に、該ポリウレタン固形分に対して8
重量パーセント以下の界面活性剤を添加する事により、
ミクロポーラス層のセル構造(発泡構造)を制御した事
である。
(問題点を解決するための手段) 上述の問題点を解決するためには、まず平滑性離型ベ
ルト上にポリウレタンエラストマーを主体とする水混和
性有機溶媒溶液に界面活性剤を添加した混合液をコーテ
ィングし、その上に水湿潤化された基材の一面を重ね合
せ、次いで他の一面より加熱し基材内に生じる飽和水蒸
気により、該ポリウレタンエラストマーを実質的に凝固
せしめた後、該ベルト上から離型し、水洗,乾燥してな
る平滑性薄層ミクロポーラス銀面の製造方法によって達
成される。
以下、本発明の構成要件を具体的に詳述する。
本発明で云う基材とは、合成繊維,天然繊維からなる
織物,編物及びそれらの起毛加工物又は、不織布等の繊
維集合体そのもの、及びそれらの繊維集合体にバインダ
ー加工されたものが用いられる。通常繊維としては工業
的に容易に入手しやすい綿,レーヨン,ナイロン,ポリ
エステル等が、よく用いられる。
基材のバインダーとしては、高分子エラストマーが最
適でありポリアクリル酸エステル,ポリウレタン,SBR,N
BR主体又はそれらの共重合物が用いられる。バインダー
加工の方法としては、湿式凝固法・乾式凝固法等が採用
され、風合い,弾性等人工皮革として好ましい範囲に繊
維とエラストマーの重量比を調整する必要がある。
一般に基材の密度としては、0.15〜0.50g/cm3が良
く、特に好ましい範囲は、0.25〜0.45g/cm3である。
繊維単独の場合は、風合いはソフトであるが腰がな
く、また二次製品化のときの後加工がしにくいきらいが
ある為通常は、バインダー加工された基材が好まれる。
該基材の表面は、バインダー加工されたそのままの面
でも良く、又はスライス加工・サンディング加工された
比較的平滑化加工されたものでも良い。
人工皮革として、最も好まれる基材として一例を挙げ
ると、ナイロン短繊維からなる不織布に、ポリウレタン
エラストマーのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を含浸
し、湿式凝固・水洗乾燥したもので、必要に応じて更に
柔軟・撥水加工したものである。
次いで平滑性離型ベルトについて述べる。離型ベルト
はフラットなものでも良いし、所望のシボに対して逆転
彫刻加工、或いは型押しされたものでも良い。装置的に
は、エンドレスタイプが望ましいが、勿論単独の一枚型
物であっても良い。比較的安価なシボ加工された離型紙
でも良いが、この場合は、連続使用に耐えにくいもので
ある。
離型ベルトの材質としては、ステンレススチール、X
繊維又はガラスクロスで補強された高分子エラストマー
複合体状ベルトが好ましい。該高分子エラストマーとし
ては、ポリ弗化エチレン・NBR・SBR・エチレンプロピレ
ン系ジエンゴム・シリコン系ゴム等が良好である。又ポ
リエステルフィルム・ポリプロピレンフィルム・テトロ
ンフィルム等も本発明のベルトに、好適なものである。
いずれにしても水及び次に述べるポリウレタンエラスト
マーの水混合性溶媒に膨潤しない材質が好ましく、ある
程度の弾性を保持しているものが更に好ましい。又、後
の工程でポリウレタンエラストマーの湿式フィルム面と
の離型性が軽い材質が、好ましい。例えば、ステンレス
スチールベルト等の基本的に離型性が重い金属等は、表
面に弗素樹脂加工する事は、良い結果をもたらす。
次いで本発明の主要な特徴の一つである該平滑性離型
ベルト上にコーティングするポリウレタンエラストマー
を主体とする水混和性溶媒溶液について述べる。
ポリウレタンエラストマーとは、ポリオールと有機ジ
イソシヤネートと鎖伸長剤からなる主としては、ウレタ
ン結合により高分子化されたポリマーをいう。該ポリマ
ーを主体として、その目的によって他のポリマーを小
量、例えば5〜30%混合されても良い。他のポリマーと
しては、ポリウレタン主体ポリマーと相溶性であること
が好ましい。
ポリウレタンエラストマーを構成する成分について、
もう少し詳細に述べる。まずポリオールとは、主として
両末端に水酸基を有する分子量500〜3000程度の化合物
である。ポリエーテルタイプとポリエステルタイプがあ
り、ポリエーテルタイプには、ポリプロピレングリコー
ルエーテル,ポリテトラメチレングリコールエーテル等
があり、それらの共重合物であっても良い。ポルエステ
ルタイプには、低分子グリコール、1.4−ブチレングリ
コール,1.6−ヘキサングリコール等と、ジカルボン酸例
えば、アジピン酸,セバシン酸,イソフタル酸等とを、
重縮合反応せしめたもの、或いはポリε−カプロラクト
ン等のポリラクトンタイプがある。又、有機ジイソシヤ
ネートとは、有機化合物に2つのイソシヤネート基を有
するもので、例えば2.4−トリレンジイソシヤネート,4.
4´−ジフェニールメタンジイソシヤネート,1.6−ヘキ
サンジイソシヤネート,イソホロンジイソシヤネート等
が、挙げられる。更に、最後の成分である鎖伸長剤とし
ては、2つの活性水素を有する化合物であり、主として
低分子の化合物である。例えば、エチレングリコール,
ブチレングリコール等のグリコール類、ヒドラジン,エ
チレンジアミン,1.2−プロピレンジアミン,m−トリレン
ジアミン等のジアミン類、アミノアルコール類がある。
ポリウレタンエラストマーを重合する方法としては、
溶液重合,塊状重合,粉末重合等で行うが、本発明の目
的には以下に述べる溶媒中で行う溶液重合が望ましい。
その理由は、使用する形が溶液状で前述のベルト上にコ
ーティングする為に粘度・濃度等が、精度よくコントロ
ール出来る重合法だからである。
以上述べたポリウレタンエラストマーの中で、最も好
んで用いられる標準的なものは、ポリオールとしてポリ
ブチレンアジベート,有機ジイソシヤネートとして4.4
−ジフェニルジイソシヤネート,鎖伸長剤としてはエチ
レングリコールから成るものである。又、ポリオールと
有機ジイソシヤネートのモル比の変化により該ポリウレ
タンの、硬軟度が比較的自由に変化出来る事もポリウレ
タンエラストマーの特徴の一つである。
これらのポリウレタンエラストマーの溶媒としては、
種々あるが、本発明のミクロポーラス銀面の製造方法と
しては、水混和性溶媒が必要である。例えば、N.N−ジ
メチルホルムアミド,N.N−ジメチルアセトアミド,ジメ
チルスルホキシド,テトラメチル尿素,N−メチルピロリ
ドン等がある。又、一部稀釈溶媒として、ジオキサン,
メチルエチルケトン,テトラヒドロフラン等も可能であ
る。
前述のポリウレタンエラストマーを主体とするポリマ
ーを該溶媒溶液とするものであるが、そのポリマー濃度
は、一般に10〜40wt%であり、好ましくは15〜30wt%,
更に好ましくは20〜25wt%である。又その粘度は、適用
する基材の密度によっても異なるが、5000cps/30℃から
30,000cps/30℃である。最も好んで用いられる溶媒とし
ては、工業的安価及びポリウレタンエラストマーの良好
な溶媒である見地からN.N−ジメチルホルムアミドが挙
げられる。
以上が、ポリウレタンエラストマーを主体とする水混
和性有機溶媒溶液である。この溶液には、無機・有機系
の充填剤や接着剤その他の添加物の混合も可能である。
ここで本発明の目的である高い透湿性と同時に耐摩耗
性,耐屈曲性等機械的強度を付与させる為に、該ポリウ
レタンエラストマーに対して界面活性剤を添加する。好
ましくは0.5〜8重量パーセントより好ましくは、1〜
4重量パーセントの界面活性剤を添加する。界面活性剤
について、もう少し詳しく述べる。
界面活性剤としては、イオン性,非イオン性,両性の
いずれでも使用可能である。該界面活性剤によるミクロ
ポーラス銀面のセル構造(発泡構造)を制御する方法
は、非常に簡単なものであり、親水性(非イオン界面活
性剤では、H.L.Bの値が高い)界面活性剤を添加すれ
ば、容易にセル構造は大きくなり、反対に疎水性(非イ
オン界面活性剤では、H.L.Bの値が低い)界面活性剤を
添加すれば、容易にセル構造は小さくなる。該方法によ
り、ポリウレタンエラストマーの種類及び濃度にかかわ
らず、ミクロポーラス銀面のセル直径を5〜10μ程度に
制御出来、高い透湿性と同時に耐屈曲性,耐摩耗性等機
械的強度を得る事が出来る。従来より界面活性剤は、湿
式再生法等で利用されていたが、湿式再生法のミクロポ
ーラス銀面は、その厚味が厚かた為、セル構造を制御す
るまでには至らなかった。しかし、本発明の薄層ミクロ
ポーラス銀面は、その厚味が200μ以下と薄い為、従来
の界面活性剤によって、上述した簡単な方法で、セル構
造を制御することが出来、その結果高い透湿性と同時に
耐屈曲性,耐摩耗性等機械的強度を得る事が、可能にな
った。
本発明の重要な構成の要件は、前述の平滑性離型ベル
トに、界面活性剤を添加したポリウレタン溶液をコーテ
ィングし、その上に頭初に述べた水湿潤化させた基材の
一面を重ね合せ、次いで他の一面より加熱する事であ
る。
この水湿潤化基材の度合としては、多くの場合絞り率
は、30〜150重量%であり、10重量%より低いと単に乾
燥した基材を重ね合わせた場合に近く、他の一面より加
熱した場合溶媒が乾燥し易く、該ポリウレタンエラスト
マーによる乾式バインダー加工を、基材の表面に行った
場合に近い結果になり、風合いは非常に固くなり良好な
ミクロポーラスを有する薄層銀面は、得られない。又、
200重量%以上に及ぶ場合は、基材表面に遊離水が部分
的に現れ該ポリウレタン溶液が、その遊離水により直ち
にゲル化し、該基材と銀面との接着性が得られず、良好
な銀面を有する製品を作る事が出来ない。ちょうどこれ
らの中間である30〜150重量%の絞り率の場合、更に60
〜100%の場合が最適であり、裏面からの水蒸気による
銀面凝固が順調に進み、面平滑性を得る事が出き、且つ
ソフト性,接着性が極めて良好となる。
次いで裏面より加熱する方法としては、熱の原理であ
る熱の移動・輻射を利用する事である。即ち水湿潤化さ
せた基材の裏面を加熱体に接触させる方法,加熱空気に
当てる方法,熱線を照射する方法等が考えられる。一般
にその加熱温度と時間は、50〜150℃で0.1〜10分程度で
充分であるが、その適正条件は次に挙げる条件を検討し
た上で決定出来るものである。それは、基材の厚味・密
度及び水分率、又加熱方法による熱の伝導、ポリウレタ
ンエラストマーを主体とする溶液のコーティング量の相
乗作用の影響を受けるからである。好ましい条件範囲と
しては、60〜90℃前後、時間は1〜2分という加工条件
である。温度が低すぎると該エラストマーの凝固に長時
間かかり、工業的見地から好ましくないし、又100℃以
上になれば基材の水分が乾燥にて失われる率が高く、凝
固コントロールに難がある。時間は、実質的に該エラス
トマーが凝固するに充分な時間を採用すれば良いが、こ
れも工業的見地から、ある程度短い程有利である。
次いで基材上にて該エラストマーが実質的に凝固した
段階で平滑性離型ベルトから離型し、水洗した上で乾燥
すれば平滑性に優れた薄層ミクロポーラス銀面が得られ
る。この時点でミクロポーラスな構造は完成している
が、その内部に水混和性溶媒を多量に保持している為
に、充分水洗して脱溶媒を行う事は、従来からの湿式凝
固法と全く同じである。脱溶媒不充分のまま乾燥すれ
ば、該エラストマーのミクロポーラスが再溶解を起こ
し、単なる乾式フィルムに近い状態になり、ソフトな風
合いは出ない上に、更に透湿性も期待出来ない物になる
ことがある。
(発明の効果) 以上本発明の実施態様について詳しく述べてきたが、
本発明の特徴は、湿式法ミクロポーラスと同一以上の銀
面が薄層でいかなる基材上にも容易に加工出来る事であ
る。また小量の界面活性剤を添加する事により、高い透
湿性と同時に耐摩耗性・耐屈曲性等機械的強度を付与出
来る事は、驚くべき事と考える。
以下、本発明の好適な実施態様をまとめて記す。
(イ)界面活性剤の量は、該ポリウレタン固形分に対し
て8重量パーセント以下とする事を特徴とする特許請求
範囲第1項記載の人工皮革の製造方法。
(ロ)基材の水分率は、30〜150%とする事を特徴とす
る特許請求範囲第1項記載の人工皮革の製造方法。
(実施例) 次に実施例にて詳細に述べる。
なお、実施例中に示した物性項目は、下記に準じて測
定した。
(1)銀面剥離強力 25m/m×150m/mの試験片を2枚裁断し、両銀面を接着
用ポリウレタンエラストマー溶液により接着し、自記記
録装置付引張試験機を用い、ツカミ間隔を50m/m,引張速
度100mm/minとして50m/m剥離する。測定は5回としそれ
ぞれ極大値及び極小値を除き、残りの3箇所の平均値で
表す。
(2)ガーレ剛軟度 JIS L−1096に準拠し、3回測定の平均値を取る。
(3)摩耗率 JIS L−1079に準拠し、3回測定の平均値を取る。
ASTM D−1175(ロータリー法)に規定する試験器を
使用。
(4)耐屈曲性 JIS K−6545に準拠した。屈曲回数50万回(常温)
とし、その判定方法は、以下に示す。
1級−一部分が切断するか、または亀裂が著しく使用に
耐えないもの。
2級−亀裂が、著しいもの。
3級−亀裂が、やや著しいもの。
4級−亀裂が、少数のもの。
5級−亀裂が、生じないもの。
(5)面状態 肉眼判定による。カーフ調の平滑性が得られたものを
良好とし、得られなかったものを不良とした。
実施例1〜7及び比較例1 ポリエステル短繊維から不織布(F)及び、ブチレン
アジペート系エステル型ポリウレタンエラストマー
(R)を含浸してなる厚味1.30m/m,目付470g/m2,見掛け
密度0.36g/cm3であり、F/Rの重量比率が60/40である基
材を得た。この基材表面は、ニードリングの針跡等で多
少凹凸は見られるが、絞り率80%に水湿潤加工されてい
るものである。
次いで銀面用ポリウレタンエラストマーとして、ブチ
レン系エステル型/ポリテトラメチレンエーテル系エー
テル型の50/50重量パーセント混合物であり、固形分濃
度25%のN.N−ジメチルホルムアミド溶液を調整した。
なおこのものは、ポリウレタンエラストマーに対して0.
5重量%のカーボンブラックで着色されており、更に同
ポリウレタンエラストマーに対し、2.0重量%の界面活
性剤、詳しくは花王アトラス(株)のアニオン界面活性
剤ソジウムジオクチルスルフォサクシネートを添加し
た。なお、このポリウレタンエラストマーを主体とした
水混和性溶媒溶液の粘度は、12,000cps/30℃であった。
ポリ弗化エチレンで薄くコーティングされたステンレ
スベルト上に、該水混和性溶媒溶液を100g/m2の割合で
流延し、直ちに前述の水湿潤加工された基材を均一に重
ね合せ、その上から遠赤外線ヒーターで加熱した。湿潤
化された基材表面は70℃であり、4分間加熱したところ
その表面からは、うっすらと水蒸気が昇る程度であり、
次いで冷却ロール表面に接触せしめ40℃に冷却してから
該離型ベルトから銀面加工された基材を剥離し、更に60
℃の湯にて90分洗浄し、脱溶媒を完全にした後、乾燥し
た。
ここに得られたミクロポーラス銀面の平均厚味は、50
ミクロンであり、その銀面表面は見事に平滑性が固定さ
れていた。更に常法に従って黒のグラビアインクで仕上
げ加工したものは、その風合い、ルックスともに天然皮
革とそっくりのものであり、又その剥離強力は、9.5kg/
インチでありソフト性の目安であるガーレ剛軟度は、63
0mgと柔軟にして充実感のあるものであった。又透湿度
及び耐摩耗性,耐屈曲性等機械的強度は、第1表及び第
1図に示した。
なお実施例1に於いて、界面活性剤の添加量を、0wt
%,1wt%,3wt%,4wt%,6wt%,8wt%,10wt%と変え、そ
の他は、仕上げ加工まで実施例1と全く同様に処理した
(比較例1及び実施例2,3,4,5,6,7)。それぞれの物性
も、1表及び第1図に示した。
実施例8 ソジウムオクチルスルフォサクシネートの代わりとし
て、分子量3,000のポリプロピレングリコールの両末端
に、分子量500のポリエチレングリコールを付加させた
ノニオン系界面活性剤を2.5重量%用いる他は、実施例
1と全く同様にして薄層の人工皮革を得た。さな結果、
剥離強度9.3kg/インチ,ガーレ剛軟度640mg,透湿度7.9m
g/cm2・hr,摩耗率3.5%,耐屈曲性5級,面状態良好な
人工皮革を得た。
実施例9〜12及び比較例2 ポリウレタンエラストマー水混和性溶媒溶液の流延量
を60,200,350,500,650g/m2とする他は、すべて実施例1
と同様にして人工皮革を得た。(実施例9,10,11,12及び
比較例2)。それぞれの物性は、第2表に示したとお
り、銀面厚味200μ以下では、面状態,透湿度,摩耗
率,耐屈曲性とも良好な値となった。
実施例13 不織布基材の代りに、テトロン/レーヨン=65/35の
混合紡糸からなり、片面起毛された厚味0.9m/m、目付20
0g/m2の織物を90%の絞り率で水湿潤処理したものを用
いる他は、実施例1と全く同様とした。
ここに得られた皮革状物は、非常にソフトであり機械
的強度も良好であり、特に透湿度は13.2mg/cm2・hrと、
好結果を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、界面活性剤の添加量に対する透湿度及び摩耗
率を示すグラフである。第2図は、銀面剥離強力の測定
に使用する試験片を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材上に平均銀面厚味200ミクロン以下の
    ミクロポーラス銀面を被覆するに於いて、まず平滑性離
    型ベルト上にポリウレタンエラストマーを主体とする水
    混和性有機溶媒溶液に界面活性剤を添加した混合液をコ
    ーティングし、その上に水湿潤化された基材の一面を重
    ね合わせ、次いで他の一面より加熱し、基材内に生じる
    飽和水蒸気により、該ポリウレタンエラストマーを実質
    的に凝固せしめた後、該ベルト上から離型し、水洗・乾
    燥してなる平滑性薄層ミクロポーラス銀面を有する人工
    皮革の製造方法。
JP15384088A 1988-06-22 1988-06-22 機械的強度を付与させた平滑性ミクロポーラス銀面の製造方法 Expired - Lifetime JP2576960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15384088A JP2576960B2 (ja) 1988-06-22 1988-06-22 機械的強度を付与させた平滑性ミクロポーラス銀面の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15384088A JP2576960B2 (ja) 1988-06-22 1988-06-22 機械的強度を付与させた平滑性ミクロポーラス銀面の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02139483A JPH02139483A (ja) 1990-05-29
JP2576960B2 true JP2576960B2 (ja) 1997-01-29

Family

ID=15571250

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15384088A Expired - Lifetime JP2576960B2 (ja) 1988-06-22 1988-06-22 機械的強度を付与させた平滑性ミクロポーラス銀面の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2576960B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19931255A1 (de) * 1999-07-07 2001-01-11 Bayer Ag Polyurethanharnstoffasern mit erhöhter Festigkeit

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02139483A (ja) 1990-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3187357B2 (ja) 皮革様シート状物およびその製造方法
KR101146030B1 (ko) 드레싱이 제공된 기재
JP5588357B2 (ja) 織物シート材料を含む多層複合材料、その製造と利用方法
TWI312021B (ja)
JPWO2010140201A1 (ja) 透湿防水性布帛およびその製造方法
JPH0635712B2 (ja) 透湿性、柔軟性および機械的強度に優れた人工皮革およびその製造方法
KR100804042B1 (ko) 마모강도가 우수한 인공피혁 및 그의 제조 방법
JP2576960B2 (ja) 機械的強度を付与させた平滑性ミクロポーラス銀面の製造方法
JPS6043475B2 (ja) スエ−ド革の特長を有する立毛シ−トおよびその製造法
CN113474509B (zh) 片状物和其制造方法
JPH06192966A (ja) 銀付人工皮革
JP4048160B2 (ja) 皮革様シート状物およびその製造方法
JPH01246481A (ja) シボつき薄層ミクロポーラス銀面の製造方法
JP2801254B2 (ja) シートの状物の製造法
JPH0515832B2 (ja)
JP3961327B2 (ja) 皮革様シート
JPH06294077A (ja) 合成皮革およびその製造方法
JPS6215673B2 (ja)
JP3126566B2 (ja) ヌバック調人工皮革の製造法
JP2801252B2 (ja) シート状物の製造法
JP3076933B2 (ja) スェード調布帛
JPH0827676A (ja) ミクロポーラス銀面を有する人工皮革の製造方法
JPH1193081A (ja) 表面物性に優れた立体感のある合成皮革
JPH06330474A (ja) 柔軟性に優れた皮革様シート状物およびその製造方法
JPH06346379A (ja) ヌバック調の外観を有するシート材およびその製造方法