JP2575536B2 - 官能性ハイブリッド化合物およびゾルーゲル法による薄膜 - Google Patents

官能性ハイブリッド化合物およびゾルーゲル法による薄膜

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般に電子写真に関し、さらに詳細には、
ハイブリッド化合物、薄膜、並びにこれらハイブリッド
化合物および薄膜の調製および使用方法に関する。
〔従来技術〕
電子写真像形成部材の製造においては、容易に調製で
きかつより大きい機械的安定性を有する材料が求められ
ている。電子写真像形成部材を製造するための多くの方
法および材料が公知である。Roy等の“Multi-phase Cer
amic Composites Made by Sol-Gel Technique"Mat.Res.
Soc.Symp.Proc.,Vol.326、1984は無機ゲル中に分散させ
たZnOおよびCdSのような光導電性発泡体または種の調製
を開示している。これらおよび他の関連した研究におい
ては、ガラス質ネットワーク内に機能性サブユニットを
分散させることが強調されている。しかしながら、これ
らのハイブリッド材料は分散体であるので、化学結合の
欠如に基づく安定性に関する問題が存在する。
ゾル−ゲル法は種々の無機セラミックガラスの低温で
の製造を可能にする。一般に、ゾルは無機中間体粒子の
溶媒中溶液から部分加水分解によって調製される。次い
で、ゾルを縮合により重合させてゲルを形成する。高分
子ネットワークは、このゲルを乾燥させて縮合生成物中
に捕捉された溶媒および反応副生成物を除去することに
よって最後に得られる。
ゾル−ゲル法の概念は、公知であり種々の分野で用い
られている。例えば、Yoldas等は、米国特許第4,753,82
7号および第4,754,012号において、耐磨耗性のオルガノ
アルコキシシラン/金属酸化物ゾル−ゲル組成物、およ
びその製造方法を開示している。オルガノアルコキシシ
ランまたはオルガノアルコキシシラン混合物を金属アル
コキシドまたは金属アルコキシド混合物と混合する。こ
の混合物を加水分解し、縮合させ、乾燥させてオルガノ
シロキサン/金属酸化物耐磨耗性コーティングを調製し
ている。
シリカネットワークとポリシロキサン可撓性サブユニ
ットとからなるハイブリッド材料の薄膜は、G.L.Wilkes
等、“Ceramics:Hybrid Materials Incorporating Pol
ymeric/Oligomeric Species into Inorganic Glasses U
tilizing a Sol-Gel Approach"、Polymer.Prep.,Vol.2
6、No.3、page300、1985において開示されている。この
ハイブリッド材料は、先ずテトラエトキシオルトシリケ
ート(TEOS)をヒドロキシ末端シリケートに加水分解
し、次いでヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンと縮
合反応させることによって調製された。
〔発明の解決すべき課題〕
種々の機能性と特性を有する材料を製造することが求
められている。特に、はく離特性、誘電特性、並びに他
の望ましい電子写真特性(電荷発生性および電荷輸送
性)、電気特性、磁気特性および光学特性(以下、“光
応答性”と称す)のような諸性質を有する機能性を有す
る材料を製造することが望まれている。これらの性質の
幾つかは電子写真において特に重要である。
電子写真においては、導電性基体上に光導電性絶縁層
を有する電子写真プレートを、先ずその表面を均一に静
電的に帯電させることによって像形成させる。次いで、
プレートを光のような活性化用電磁照射像に露光する。
この照射は非照射領域内に静電潜像を残しながら光導電
性絶縁層の照射領域内の電荷を選択的に消散させる。こ
の静電像は、その後、光導電性絶縁層の表面上に微分割
トナー粒子を付着させることによって現像して可視像を
形成させる。次に、得られた可視像は上記電子写真プレ
ートから紙のような支持体に転写し得る。この像形成プ
ロセスは再使用可能な光導電性絶縁層によって多数回繰
返すことができる。
電子写真像形成部材は多くの形態で提供し得る。例え
ば、像形成部材はガラス質セレンのような単一物質の均
質層であり得あるいは光導電体と他の材料とを含有する
複合層であり得る。1つのタイプの複合像形成層は電気
絶縁性有機樹脂バインダー中に分散させた光導電性無機
化合物の微分割粒子を含む。米国特許第4,265,990号は
別々の光生成層と電荷輸送層とを有する多層型感光体を
開示している。光生成層は正孔を光生成し得かつこの光
生成正孔を電荷輸送層に注入し得る。
高度に可撓性でありかつ狭い操作限界内で所期の電気
特性を示して幾千回のサイクルに亘って優れた像を与え
る多くの層を有する他の複合像形成部材も開発されてい
る。電子写真像形成システムにおいてベルトとして使用
する1つのタイプの多層型感光体は基体、導電層、ブロ
ッキング層、接着層、電荷発生層、電荷輸送層、および
像形成層の1端に隣接する導電性基ストリップ層とを含
む。この感光体はまた抗カール性裏打コーティングおよ
び任意にオーバーコーティング層のような追加の層も含
み得る。
支持基体は不透明または実質的に透明であり得、所定
の機械的性質を有する多くの適当な材料を含み得る。基
体はさらに導電性表面を有するように調製できる。従っ
て、基体は無機または有機化合物のような非導電性また
は導電性化合物の層を含み得る。非導電性材料として
は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポ
リウレタン等の本目的において公知の各種樹脂を使用で
きる。電気絶縁性または導電性基体は可撓性であるべき
であり、例えば、シート、スクロール、エンドレス可撓
性ベルト等のような任意の多くの種々の形状を有し得
る。好ましいのは、基体はエンドレス可撓性ベルトの形
でありE.I.デュポン社より入手できるマイラー(Myla
r)またはICIアメリカ社より入手できるメリネックス
(Melinex)として知られる市販の軸配向型ポリエステ
ルを含み得る。
基体層の厚さは、経済性のような多くの要因による。
この層の厚さは、小直径ロール、例えば19mm径ロールの
回りでサイクル操作したときの最適可撓性および最小誘
起表面曲げ応力のためには、約65〜約150μm、好まし
くは約75〜約125μmの範囲であり得る。可撓性ベルト
用の基体は、最終光導電性装置に悪影響を及ぼさない限
り、例えば200μm以上の実質的な厚さあるいは例えば5
0μm以下の最小厚さを有し得る。
導電性基平面は、例えば、基体上に真空蒸着法のよう
な任意の適当なコーティング法によって形成し得る導電
性金属層であり得る。典型的な金属にはアルミニウム、
ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ハフニ
ウム、チタン、ニッケル、ステンレススチール、クロ
ム、タングステン、モリブデンおよびこれらの混合物等
がある。この導電性層は光導電性部材に望まれる光透過
性および可撓性によって実質的に広い範囲に亘って変化
し得る。従って、可撓性の感光性像形成装置において
は、この導電性層の厚さは導電性、可撓性および光透過
性の最適の組合せとするため、約20〜約750オングスト
ローム、より好ましくは約50〜約200オングストローム
であり得る。
導電性基平面層の付着後、その上に、電荷ブロッキン
グ層を塗布し得る。正帯電型感光体用の電子ブロッキン
グ層は、感光体の像形成表面からの正孔を上記導電性層
に向けて移行させ得る。負帯電型感光体においては、上
記導電性層から反対の導電性層への正孔注入を防止する
ためのバリヤーを形成し得る任意の適当な正孔ブロッキ
ング層を使用し得る。正孔ブロッキング層には、ポリビ
ニルブチラール、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリシ
ロキサン、ポリアミド、ポリウレタン等のようなポリマ
ーがあり得、あるいは米国特許第4,291,110号、第4,33
8,387号、第4,286,033号および第4,291,110号に記載さ
れているような、トリメトシキシリルプロピレンジアミ
ン、加水分解トリメトキシシリルプロピルエチレンジア
ミン、N−ベータ(アミノエチル)ガンマ−アミノ−プ
ロピルトリメトキシシラン、イソプロピル4−アミノベ
ンゼンスルホニル、ジ(ドデシル−ベンゼンスルホニ
ル)チタネート、イソプロピルジ(4−アミノベンゾイ
ル)イソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ
(N−エチルアミノ−エチルアミノ)チタネート、イソ
プロピルトリアンスラニルチタネート、イソプロピルト
リ(N,N−ジメチル−エチルアミノ)チタネート、チタ
ン−4−アミノベンゼンスルホネートオキシアセテー
ト、チタン−4−アミノベンゾエートイソステアレート
オキシアセテート、〔H2N(CH2)4〕CH3Si(OCH3)2、(ガ
ンマ−アミノブチル)メチルジエトキシシラン、および
〔H2N(CH2)3〕CH3Si(OCH3)2、(ガンマ−アミノブチ
ル)メチルジエトキシシランのような窒素含有シロキサ
ンまたは窒素含有チタン化合物がある。好ましい正孔ブ
ロッキング層は、加水分解シランまたは加水分解シラン
混合物と金属基平面層の酸化表面との反応生成物を含
む。上記酸化表面は、殆んどの金属基平面層の外表面上
に、付着後に空気に暴露されたときに、固有的に生成す
る。この組合せは低RHでの電気的安定性を向上させる。
加水分解シランは一般式: を有し、式中、R1は1〜20個の炭素原子を有するアルキ
リデン基であり、R2、R3およびR7は個々にH、1〜3個
の炭素原子を有する低級アルキル基およびフェニル基か
らなる群より選ばれ、Xは酸または酸塩のアニオンであ
り、nは1〜4であり、yは1〜4である。像形成部材
は、好ましくは金属導電性層の金属酸化物層上にpH約4
〜約10の加水分解アミノシランの水溶液を塗布し、反応
生成物層を乾燥させてシロキサン膜を調整し、接着層を
供給し、その後、光発生体層および正孔輸送層のような
電気作動層を上記シロキサン膜に付着させることによっ
て調製する。
正孔ブロッキング層は、連続性でかつ約0.5μm以下
の厚さを有すべきであり、それ以上の厚さは望ましくな
い高残留電圧をもたらし得る。約0.005〜約0.3μmの正
孔ブロッキング層が、露光工程後の電荷中和が容易であ
り、最適の電気的性能が得られるので好ましい。約0.03
〜約0.6μmの厚さは金属酸化物層においての最適の電
気的挙動のために好ましい。ブロッキング層はスプレー
法、ディップコーティング法、引延し棒コーティング
法、グラビアコーティング法、シルクスクリーニング
法、エアナイフコーティング法、リバースロールコーテ
ィング法、真空蒸着および化学処理等のような任意の通
常の方法により塗布し得る。薄層を得るのに好都合なの
は、ブロッキング層を好ましくは希溶液の形で塗布し、
溶媒をコーティングの付着後に真空、加熱等によるよう
な通常の方法により除去する。一般に、約0.05:100〜約
0.5:100の正孔ブロッキング層物質対溶媒の重量比がス
プレーコーティングにおいては満足できる。
殆んどの場合において、上記注入ブロッキング層と隣
接の電荷発生層即ち光生成層との間の中間層が接着促進
のために望まれ得る。例えば、接着層を用い得る。その
ような層を用いる場合、その層は約0.001〜約0.2μmの
乾燥厚を有する。典型的な接着層にはポリエステルであ
るデュポン49,000樹脂(E.I.デュポン社より入手でき
る)、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、
ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート等がある。
任意の適当な電荷発生(光生成)層を上記接着層に塗
布でき、次いで、その上に、後述するような連続正孔輸
送層をコーティングできる。光生成層用の物質の例に
は、フィルム形成性高分子バインダー中に分散させた非
晶質セレン、三方晶セレン;セレン−テルル、セレン−
テルル−ひ素、セレン−ひ素からなる群より選ばれたセ
レン合金;米国特許第3,357,989号に記載されているよ
うなX形の無金属フタロシアニン、バナジルフタロシア
ニンおよび銅フタロシアニンのようなフタロシアニン顔
料;ジブロモナンサンスロン;スキュアリリウム;デュ
ボン社より商品名モナストラル(Monastral)レッド、
モナストラルバイオレットおよびモナストラルレッドY
として入手できるキナクリドン類;ジブロモアンサンス
ロン顔料の商品名であるバット(Vat)オレンジ1およ
びバットオレンジ3;ベンズイミダゾールペリレーン;米
国特許第3,442,781号に開示されている置換2,4−ジアミ
ノトリアジン;アライドケミカル社より商品名インドフ
ァースト(Indofast)ダブルスカーレット、インドファ
ーストバイオレットレークB、インドファーストブリリ
アントスカーレットおよびインドファーストオレンジと
して入手できる多核芳香族キノン類等がある。多光生成
層組成物も1つの光導電性層が光生成層の性質を向上ま
たは低下させる場合に使用できる。このタイプの形状の
例は米国特許第4,415,639号に記載されている。当該技
術分野において公知の他の適当な光生成性材料も必要に
応じ使用できる。バナジルフタロシアニン、無金属フタ
ロシアニン、ベンズイミダゾールペリレーン、非晶質セ
レン、三方晶セレン、セレン−テルル、セレン−テルル
−ひ素、セレン−ひ素等のセレン合金およびこれらの混
合物のような光導電性物質を含む電荷発生層は、その白
色光に対する感受性故に特に好ましい。バナジルフタロ
シアニン、無金属フタロシアニンおよびテルル合金はま
たこれらの物質が赤外光に対して感受性であるというさ
らなる利点を与える点でも好ましい。
任意の適当な高分子フィルム形成性バインダー物質を
光生成層のマトリックスとして使用できる。典型的な高
分子フィルム形成性物質には、例えば、米国特許第3,12
1,006号に記載された物質がある。このバインダーポリ
マーは、接着層に良好に接着し、接着層の上部表面をも
溶解する溶媒中に溶解しさらに接着層のコポリエステル
と混和性であってポリマーブレンド領域を形成するよう
でなければならない。典型的な溶媒には、テトラヒドロ
フラン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、1,1,1−ト
リクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロ
ロエチレン、トルエン等、およびこれらの混合物があ
る。溶媒混合物も蒸発範囲を調節するのに使用できる。
例えば、満足できる結果は、約90:10〜約10:90のテトラ
ヒドロフラン対トルエン比(重量比)によって達成され
得る。一般に、光生成性成顔料、バインダーポリマーお
よび溶媒の組合せは、電荷発生層コーティング組成物中
で均一な光生成性顔料分散体を形成すべきである。典型
的な組合せには、ポリビニルカルバゾール、三方晶セレ
ンおよびテトラヒドロフラン;フェノキシ樹脂、三方晶
セレンおよびトルエン;並びにポリカーボネート樹脂、
バナジルフタロシアニンおよび塩化メチレンがある。電
荷発生層バインダーポリマー用の溶媒は、電荷発生層で
用いるポリマーバインダーを溶解し、電荷発生層中に存
在する光生成性顔料粒子を分散させ得るべきである。
光生成性組成物または顔料は、樹脂バインダー組成物
中で種々の量で存在すべきである。一般に、約5〜約90
容量%の光生成性顔料を約10〜約90容量%の樹脂バイン
ダー中に分散させる。好ましくは、約20〜約30容量%の
光生成性顔料を約70〜約80容量%の樹脂バインダー組成
物中に分散させる。1つの組合せにおいては、約8容量
%の光生成性顔料を約92容量%の樹脂バインダー組成物
中に分散させる。
光生成層は一般に、約0.1〜約5.0μm、好ましくは約
0.3〜約3μmの厚さ範囲にある。光生成層の厚さは、
バインダー含有量に相関する。高バインダー含有量の組
成物は、一般に厚目の層を光生成において必要とする。
上記以外の厚さも本発明の目的が達成される限り使用で
きる。任意の適当な通常の方法を用いて混合し、その
後、光生成層コーティング混合物を、前以って乾燥させ
た接着層に塗布し得る。典型的な塗布方法には、スプレ
ー法、ディップコーティング法、ロールコーティング
法、ワイヤー巻き棒コーティング法等がある。塗布した
コーティングの乾燥は、オーブン乾燥、赤外線乾燥、風
乾等の適当な従来の技術によって行い、コーティングを
行うのに用いた実質的にすべての溶媒を除去できる。
活性電荷輸送層は、後述するバイブリッド材料の任意
のものを含み得るが、この材料は電荷発生層からの光生
成した正孔および電子の注入を支持し得、かつこれら正
孔または電子の該有機層を通しての輸送を行って、表面
電荷を選択的に放電し得るものである。活性電荷輸送層
は、正孔または電子を輸送するように作動するだけでな
く光導電性層を磨耗および化学侵蝕から保護し、従って
感光体像形成部材の操作寿命を延長させるものである。
電荷輸送層は、ゼログラフィーで有用な光の波長、例え
ば、4,000〜9,000オングストロームに露光させたとき、
あったとしても無視し得る放電を示す。電荷輸送層は、
感光体を使用すべき領域の照射に対して実質的に透明で
ある。電荷輸送層は、電荷発生層からの光生成正孔の注
入を支持する実質的に非光導電性の物質を含む。活性電
荷輸送層は、該層を通して露光を行うとき通常透明であ
って、殆んどの照射光が下層の電荷発生層によって利用
されるようにする。透明基体を使用する場合には、像形
成的露光または消去は基体を通して行い、すべての光が
基体を通過する。この場合、活性電荷輸送材料は使用波
長領域の光を透過する必要はない。電荷発生層に対して
の電荷輸送層は、電荷輸送層上の静電荷が照射なしでは
伝導しない程度に絶縁体である。
活性電荷輸送層は、活性化化合物を、これらの物質を
電気的に活性にする、電気的に不活性な高分子物質中に
分散させた有用な添加剤として含み得る。これらの化合
物は高分子物質に添加し得るが、その高分子物質は、発
生体からの光生成正孔の注入を支持し得えずまたこれら
正孔の輸送も行い得ないものである。この添加により、
電気的に不活性な高分子物質を発生体からの光生成正孔
の注入を支持し得かつこれら正孔の活性層を通しての輸
送を行い活性層上の表面電荷を放電させ得る物質に転化
させる。多層光導電体の2つの電気作動層の1つに用ら
れる特に好ましい輸送層は、約25〜約75重量%の少なく
とも1種の電荷輸送性芳香族アミン化合物と約25〜約75
重量%の該芳香族アミンが可溶性である高分子フィルム
形成性樹脂とを含む。
電荷輸送層形成用混合物は、好ましくは、一般式: を有する1種以上の芳香族アミン化合物を含み、式中、
R1およびR2は置換されたまたは置換されてないフェニル
基、ナフチル基およびポリフェニル基からなる群より選
ばれた芳香族基であり、R3は置換または置換されてない
アリール基、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基お
よび3〜18個の炭素原子を有する脂環式化合物からなる
群より選ばれる。各置換基はNO2基、CN基等の電子吸引
基を含むべきでない。上記の構造式で示される典型的な
芳香族アミン化合物には次のものがある: I.次のようなトリフェニルアミン類: II.次のようなビスおよびポリトリアリールアミン類: III.次のようなビスアリールアミンエーテル類: IV.次のようなアルキル−アリールアミン類: 好ましい芳香族アミン化合物は、一般式: を有し、式中、R1およびR2は前述したとおりであり、R4
は置換または置換されてないビスフェニル基、ジフェニ
ルエーテル基、1〜18個の炭素原子を有するアルキル
基、および3〜12個の炭素原子を有する脂環式基からな
る群より選ばれる。これらの置換基はNO2基、CN基等の
電子吸引基を含むべきでない。
電荷発生層からの光生成正孔の注入を支持し得かつこ
れら正孔を電荷輸送層を通して輸送し得る電荷輸送層用
の上述の構造式で示される電荷輸送性芳香族アミンの例
には、不活性樹脂バインダー中に分散させた、トリフェ
ニルメタン、ビス(4−ジエチルアミン−2−メチルフ
ェニル)フェニルメタン、4′,4″−ビス(ジエチルア
ミノ)−2′,2″−ジメチルトリフェニルメタン、N,
N′−ビス(アルキルフェニル)−〔1,1′−ビフェニ
ル〕−4,4′−ジアミン(式中、アルキルは、例えば、
メチル、エチル、プロピル、n−ブチル等である)、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3″−メチルフェニ
ル)−(1,1′ビフェニル)−4,4′−ジアミン等があ
る。
塩化メチレンまたは他の適当な溶媒に可溶な任意の適
当な不活性樹脂バインダーを用いることができる。塩化
メチレンに可溶性の典型的な不活性樹脂バインダーに
は、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルカルバゾール、
ポリエステル、ポリアリレート、ポリアクリレート、ポ
リメタクリレート、ポリエーテル、ポリスルホン等があ
る。分子量は約20,000〜約1,500,000で変化し得る。こ
れらをバインダーに溶解し得る他の溶媒には、テトラヒ
ドロフラン、トルエン、トリクロロエチレン、1,1,2−
トリクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン等があ
る。
好ましい電気的に不活性の樹脂物質は、分子量約20,0
00〜約120,000、好ましくは約50,000〜約100,000を有す
るポリカーボネート樹脂である。電気的に不活性な樹脂
物質として最も好ましい物質は、ジェネラルエレクトリ
ック社よりレクサン(Lexan)145として入手できる分子
量約35,000〜約40,000を有するポリ(4,4′−ジプロピ
リデン−ジフェニレンカーボネート);ジェネラルエレ
クトリック社よりレクサン141として入手できる分子量
約40,000〜約45,000を有するポリ(4,4′−イソプロピ
リデン−ジフェニレンカーボネート);ファーベンファ
ブリケンバイエル社よりマクロロン(Makrolon)として
入手できる分子量約50,000〜約100,000を有するポリカ
ーボネート樹脂;モーベイケミカル社よりメルロン(Me
rlon)として入手できる分子量約20,000〜約50,000を有
するポリカーボネート;ポリエーテルカーボネート;お
よび4,4′−シクロヘキシリデンジフェニルポリカーボ
ネートである。塩化メチレン溶媒は、すべての成分を適
切に溶解する故に、また、その低沸点故に電荷輸送層コ
ーティング混合物の望ましい成分である。
特に好ましい多層型光導電体は、光導電性物質のバイ
ンダー層を含む電荷発生層と約25〜約75重量%の一般
式: (式中、Xは1〜約4個の炭素原子を有するアルキル基
および塩素からなる群より選ばれる) を有する化合物1種以上を分散させた分子量約20,000〜
約120,000を有するポリカーボネート樹脂物質の連続正
孔輸送層とを含み、上記光導電性層は、正孔の光生成お
よび正孔の注入の能力を発揮し、上記正孔輸送層は、上
記光導電性層が、正孔を光生成し該光生成した正孔を注
入するスペクトル領域では実質的に非吸収性であるが、
上記光導電性層からの光生成正孔の注入を支持しかつこ
れら正孔を上記正孔輸送層を通して輸送し得るものであ
る。
基ストリップ層は、米国特許第4,664,995号に列挙さ
れているような材料を含む。基ストリップ層は、フィル
ム形成性ポリマーバインダーと導電性粒子を含み得る。
典型的な導電性粒子には、カーボンブラック、グラファ
イト、銅、銀、金、ニッケル、タンタル、クロム、ジル
コニウム、バナジウム、ニオブ、インジュウム、酸化錫
等がある。これらの導電性粒子は任意の適当な形状を有
し得る。典型的な形状には不規則形、粒状、球状、楕円
状、立方形、フレーク、フィラメント等がある。好まし
いのは、導電性粒子は、導電性基ストリップ層の厚さよ
りも小さい粒径を有して、過度の不規則外表面を有する
導電性基ストリップ層を回避すべきである。約10μm以
下の平均粒度が一般に乾燥基ストリップ層の外表面で導
電性粒子の過度の突出を回避し、乾燥基ストリップ層の
マトリックス全体に亘って粒子の比較的均一な分散を確
実にする。基ストリップ層中で使用すべき導電性粒子の
濃度は、使用する特定の導電性粒子の導電性のような要
因による。
抗カール層は、電気絶縁性またはわずかに半導電性の
有機ポリマーまたは無機ポリマーを含み得る。抗カール
層は平坦性および/または耐磨耗性を与える。
任意成分としてのオーバーコーティング層は、電荷輸
送層上に調製できる。オーバーコーティング層は、電気
絶縁性またはわずかに半導電性の有機ポリマーまたは無
機ポリマーを含み得る。
機械的に安定でありかつ感光性像形成部材に必要な電
気的、機械的および他の性質を与える感光性像形成部材
用の材料が求められている。
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服した感光性像
形成部材用の材料を提供することである。
本発明のさらなる目的は、種々の望ましい電気的およ
び機械的性質を与える特別の機能性を有する感光性像形
成部材用の材料を提供することである。
本発明のさらなる目的は、感光性像形成部材用の新規
な電荷発生用および電荷輸送用材料を提供することであ
る。
本発明のさらなる目的は官能性サブユニットをその場
で化学的に結合させた電荷発生用および電荷輸送用材料
を提供することである。
また、本発明の目的は上記の新規材料の製造方法を提
供することである。
本発明のさらに別の目的は光化学的に安定な像形成部
材を提供することである。
本発明のさらに別の目的は熱的に安定な像形成部材を
提供することである。
本発明のさらに別の目的は化学的に安定な像形成部材
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の上記および他の目的は無機ガラス質サブユニ
ット、可撓性有機サブユニットおよび機能性感光性サブ
ユニットとを加水分解および縮合により化学的に結合さ
せてハイブリッド材料を調製することによって達成され
る。
本発明のハイブリッド材料は、3つの主要成分:
(1)無機ガラス質ネットワークサブユニット;(2)
可撓性有機サブユニット;および(3)機能性サブユニ
ットを含む。無機ガラス質ネットワークサブユニットは
アルコキシド、酸、ハライドおよびオキサレートのよう
な加水分解および縮合を受け得る任意の多くの無機物質
から得ることができる。可撓性有機サブユニットは、例
えば、可撓性またはフィルム形成性のようなハイブリッ
ド材料に組み入れることが望ましい機械的性質を有する
ポリマーであり得る。機能性サブユニットは、はく離特
性、誘電特性、望ましい電子写真特性(電荷発生性およ
び電荷輸送性)、電気特性、磁気特性および光学特性
(以下、“光応答性”)のような種々の性質を有するよ
うに選択され得る。機能性サブユニットと可撓性有機サ
ブユニットは、1つの実施態様においては単一のサブユ
ニットとして組合せ得る。
本発明の材料は、ゾル−ゲル法により得ることができ
る。本発明の各サブユニット用の各プレカーサーは、最
初反応性の末端基を有して、これらプレカーサーがゾル
−ゲル法により互いに化学的に結合し得るものである。
ガラス質ネットワークは、好ましくは、本発明の材料
中に、一般式M〔X〕nを有する物質の使用によって含
有させ得る。式M〔Xn〕の物質は、金属アルコキシド、
酸、ハライド、酢酸塩およびオキサレートのような加水
分解および縮合を受け得る物質であり得る。例えば、M
はSi、Al、Ti、Cu、Fe、As、SeおよびTeのような第V族
または第VI族金属であり得る。Xは式ORのアルコキシド
またはアリールオキシド基であり得、式中、Rは1〜20
個の炭素原子を有するアルキルまたはアリール基を示
す。Xはまたクロロ、ブロモ、イオドおよびフルオロの
ようなハロゲン基であり得る。上述の式において、nは
Mの原子価に等しい。この物質は、X基が反応性を保持
する限りは、二量体またはより高級の縮合形の金属アル
コキシドであり得る。本発明の好ましい態様において
は、M〔X〕nはテトラエトキシオルトシリケート(TEO
S)である。
本発明の有機サブユニットは、最初1個以上の反応性
末端基を有するポリマープレカーサーから得ることがで
きる。連続の延長構造においては、この高分子プレカー
サーはガラス質ネットワークプレカーサーおよび機能性
プレカーサーと反応する2個以上の反応性基を有して延
長化合物を形成する。1個の反応性基のみが高分子プレ
カーサー上に存在する場合には、その時は、高分子プレ
カーサーは感光特性も有すべきである。その反応性基は
ガラス質ネットワークと反応する。また、2個以上の反
応性基をそのような高分子プレカーサーに付与して、よ
り緊密結合型の構造体を調製できる。
高分子プレカーサーには、事実上、任意のヒドロキシ
未満ポリマーまたはそのプレカーサー、好ましくはポリ
シロキサンまたはポリオールがある。ヒドロキシ末端、
ビニル末端、クロロ末端およびアルコキシ末端ポリシロ
キサンが最も有用である。例としては、ジエトキシ末端
ポリジメチルシロキサンがある。エトキシ基は、ヒドロ
キシ基に加水分解され、このヒドロキシ基はその後ゾル
−ゲル方式により縮合反応に関与する。ポリオールとし
ては、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレングリ
コール、またはポリブタジエンジオールを使用できる。
上記ポリマーの分子量は、得られるハイブリッド材料
に機械的可撓性を与えるのに十分に高くなければならな
い。ポリシロキサンの分子量範囲は約300〜約10,000ダ
ルトンであり得る。好ましいのは約700〜約4000ダルト
ンである。ポリオールの分子量範囲は約200〜約20,000
ダルトンであり得る。好ましくは約500〜約3500ダルト
ンである。
2種以上のポリシロキサンまたはポリオール、または
ポリシロキサンとポリオールの組合せもまた使用でき
る。例えば、ポリエチレングリコールとポリジメチルシ
ロキサンの組合せを使用できる。ある場合には、1種よ
りも多いポリマーを用いて所定の機械的性質を得ること
が望ましい。
機能性サブユニットを得るプレカーサーは、ガラス質
ネットワークサブユニットおよび有機サブユニットと同
様に、1種以上の反応性基を初めに含有する。機能性サ
ブユニットは“光応答性”のような種々の機能性を有す
る物質であり得る。例えば、機能性サブユニットは電荷
輸送物質としてまたは電荷発生物質として適する物質で
あり得る。適当な電荷輸送物質には、ピラゾリン、オキ
サジアゾール、ヒドラゾン、トリフェニルアミン、トリ
フェニルメタン誘導体、トリニトロフルオレノン(TN
F)、およびブトキシカルボニルフルオレニリデンマロ
ノニトリル(BCFM)のような(アルコキシカルボニルフ
ルオレニリデン)マロノニトリル等がある。適当な電荷
発生物質にはチオピリリウム、フタロシアニン、アゾ顔
料、ペリレーン、カルボシアニン、スクアライン、イミ
ノイソインドリン等がある。フタロシアニンには、Saue
r等の“Rigid Rod Polymers from Liquid Crystalline
Phthalocyanines",Makromol.Chem.,Macromol.Symp.,Vo
l.24,pp.303-309(1989)に開示されているようなアル
コキシ置換シリコンジヒドロキシフタロシアニンがあ
り、好ましくはシリコンジヒドロキシフタロシアニンお
よびバナジウムジヒドロキシフタロシアニンがある。こ
れらの物質のすべてにおける1つの条件はゾル−ゲル反
応に関与するヒドロキシ、アルコキシおよびクロロのよ
うな官能性を有することであり、その結果として、その
分子は無機および/または有機サブユニットと化学的に
結合し得る。米国特許第4,515,882号はそのような物質
の特定の例を含んでいる。
好ましい物質にはトリアリールアミン(TAA)および
その同族体があり、その1つの例は式: で表わすことができ、上式中、Xはハロゲン、ヒドロキ
シ、アルコキシおよびアミノ、好ましくはヒドロキシお
よびアルコキシから選択し得る。例えば、Xがヒドロキ
シである場合、その化合物はN,N′−ジフェニル−N,N′
−ビス(ヒドロキシフェニル)−(1,1′−ビフェニ
ル)−4,4′−ジアミンのジヒドロキシ誘導体である。
この化合物は以下ジヒドロキシ−TAAと称する。以下でT
AAとは上記式を有する任意の多くのトリアリールアミン
を称するものとする。
もっと適切に反応性であるような機能性プレカーサー
物質および/または高分子物質を誘導することが望まれ
得る。誘導とは特定の物質をガラス質ネットワークおよ
び高分子サブユニット用の各プレカーサーに含有される
反応性基とより大きいまたはより小さい反応性にする任
意の方法を包含するものとする。例えば、機能性物質の
1部または基をより反応性の1部または基でその機能性
に悪影響を及ぼすことなく置換えることができる。
誘導は、例えば、式:Y−(CH2−Si(X)3を有し、
Yがイソシアネートまたはチオシアネートであり得る化
合物によって行い得る。その条件はYがアリールアミン
の官能基と反応して上記化合物の末端をトリアリールア
ミン上に結合させ得ることである。nはメチレン単位の
数であり1〜20好ましくは3〜10の範囲であり得る。X
は、例えば、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロまたはアミ
ノであり得、好ましいのはアルコキシである。ジヒドロ
キシ−TAAを用いるある特定の例での誘導は、TAAのヒド
ロキシ基をアルコキシ基で置換でき、このアルコキシ基
は無機ガラス質ネットワークおよび高分子プレカーサー
の反応性基とより反応性であり得る。
本発明の最終ハイブリッド材料は式G−D−Fで示し
得、式中、Gは無機ガラス質ネットワークであり、Dは
有機サブユニットであり、Fは機能性サブユニットであ
る。TAAを用いる代表的なハイブリッド材料は次のとお
りである: 上記式において、波線はマトリックス様構造の連続を示
す。
本発明の材料を製造するためのゾル−ゲル法の一般的
特徴は、ガラス質ネットワーク、高分子サブユニットお
よび機能性サブユニット用の各プレカーサーを含むゾル
を調製し、このゾルを縮合してゲルを調製し、次いで、
ゲルを乾燥させることである。各プレカーサーは、必要
ならば、溶液中で一緒にあるいは別々に加水分解でき
る。金属アルコキシドを用いてガラス質ネットワークを
調製する場合には、その金属アルコキシドは次のように
加水分解できる: M(OR)n+nH2O→M(OH)n+nROH M(OH)n→(MOn/2)x+n/2 H2O 式中、nはMの原子価状態である。有機および機能性の
各プレカーサーは、この混合物に加水分解前、加水分解
中または加水分解後に加え得る。加水分解は、一般に酸
条件下に低温で行う。pHは約1〜6で変化し得、好まし
くは2〜4である。温度は約20℃〜約150℃で変化し
得、使用する溶媒およびプレカーサーによる。好ましい
温度は約25℃〜75℃である。機能性サブユニットおよび
任意の個々の高分子サブユニット用の各プレカーサー
は、ガラス質ネットワーク成分用の加水分解溶液に加え
てもよくあるいは加水分解前に加えても良い。機能性お
よび高分子の各サブユニットは同じ工程で加えるべきで
ない。種々の溶媒または溶媒混合物を使用でき、それに
は、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン;脂肪族炭化水素、例えば、石油エーテル、ヘキ
サン、ヘプタン;アルコール、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール;エーテル、例え
ば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジアルキ
ルまたはジフェニルエーテルがある。好ましい溶媒はプ
ロパノール、トルエン、テトラヒドロフランおよびこれ
らの混合物である。特定の溶媒は各種サブユニット用の
プレカーサーの溶解性によって選定する。テトラエトキ
シオルトシリケート(無機ネットワーク用のプレカーサ
ー)、ジエトキシポリジメチルシロキサン(有機ポリマ
ープレカーサー)およびシラニル化トリアリールアミン
(機能性プレカーサー)においては、プロパノールとト
ルエンの混合物(1:1)が好ましい。
加水分解(1種より多い加水分解性成分が溶液中に存
在する場合)および縮合の速度は、ゾル−ゲル反応中に
含まれるプレカーサーすべてにおいて拮抗し得て、各サ
ブユニットの均一なマトリックスを得るべきである。各
サブユニットの量は、各プレカーサについての相対的反
応性を選択することによって制御できる。換言すれば、
本発明の化合物中の特定のサブユニットの割合は、その
プレカーサーが他の各ブレカーサーに比し比較的大きい
反応性を有する場合に大きくなるであろう。
加水分解および縮合を終えたのち、得られた材料を乾
燥させてガラス質ネットワーク中に捕捉され得る溶媒お
よび反応副生成物を除去する。急速乾燥条件はスポンジ
状物質を生成する傾向にあり、一方、ゆっくりした乾燥
条件は、より縮合したネットワークを生成する。
この方法で得られたゲルは、薄層形成用の基体上にコ
ーティングできる。通常のコーティング方法を用いて該
ハイブリッド材料を基体に薄膜の形で塗布できる。典型
的なコーティング方法には溶媒コーティング法、押出コ
ーティング法、スプレーコーティング法、ラミネーショ
ン法、ディップコーティング法、溶液スピンコーティン
グ法等がある。
本発明の1つの実施態様においては、縮合反応は2つ
の成分を用いて実施できる。さらに詳細には、所望の高
分子特性と所望の機能特性の両方を有する物質を無機ガ
ラス質ネットワークプレカーサーと反応させることがで
きる。換言すれば、機能性サブユニットが所定の高分子
特性を有し、無機ガラス質ネットワークプレカーサーと
直接反応させ得る場合である。例としては、式: (式中、Xはハロ、ヒドロキシ、アルコキシ等であり
得、R′およびR″はアルキルまたはアリールであり得
る) を有するポリシリレンを無機ガラス質ネットワークプレ
カーサーと反応させ得る。好ましくは、Xはエトキシで
あり、R′はフェニルであり、R″はメチルである。ポ
リシリレンは電子写真像形成部材での正孔輸送性を与え
るのに使用できる。ポリニルカルバゾールもまた所望の
高分子および機能特性を与えるのに使用できる。第1の
実施態様におけるように、誘導を行ってより反応性の物
質を得ることができる。
所望の高分子および機能特性を有する他の化合物に
は、式: の化合物があり、式中、 m=0、1であり、 Zは、次の群: および−Ar−(X)n−Arから選ばれ、 Arは、次の群: から選ばれ、 Rは−CH3、−C2H5,−C3H7および−C4H9からなる群
より選ばれ、Ar′は、次の群: から選ばれ、 Xは、次の群: −CH2−,−C(CH3)2−,−O−,−S−, N−Ar,およびN−R, から選ばれ、 Sは0、1または2であり、そして、 Xは2〜10個の炭素原子を含有するアルキレンおよび
イソアルキレン基からなる群より選ばれたアルキレン基
である。誘導もまたより反応性の物質を得るのに行うこ
とができる。
本発明の材料は感光性像形成部材の種々の層において
使用できる。そのような用途においては、機能性サブユ
ニットは目的層へ必要な性質を付与するように選択すべ
きである。例えば、電荷輸送層または電荷発生層は、電
荷輸送性または電荷発生性を有する官能基を有する本発
明のハイブリッド材料から形成し得る。オーバーコーテ
ィング層は、はく離特性を有する官能基を有する本発明
のハイブリッド化合物から形成できる。得られた像形成
部材層は微細に分散した化学結合した形で機能性サブユ
ニットを含有する。これらの層は光化学的に、化学的
に、熱的におよび機械的に安定である。
図面は本発明の材料を使用できる電子写真像形成部材
の代表的な構造を示す。この像形成部材は、抗カール裏
打コーティング層1、支持基体2、導電性基平面層3、
正孔ブロッキング層4、接着層5、電荷発生層6、電荷
輸送層7、任意成分としてのオーバーコーティング層
8、および基ストリップ層9を有するよう製造する。
〔実施例〕
本発明は、以下の非限定的な実施例により、より一層
理解されるであろう。
実施例1 ハイブリッド組成物は、テトラエトキシオルトシリケ
ート(TEOS)、(C2H5O)2PDMSおよびカルバメート
(A)とから45:30:25の重量比で出発して調製した。カ
ルバメート(A)はPirkle等、“α−Arylalkylamine-D
evived Chiral Stationary Phases Evaluation of Urea
Linkages",Journal of Chromatography,Vol.322,pp.29
5-307(1985)に従って得ることができる。テトラヒド
ロフラン(THF)およびイソプロパノールの混合物を溶
媒として使用した。塩酸を触媒として使用した。混合物
は、加水分解および縮合するためにリフラックス下に保
った。
透明な可撓性の自由固定性薄膜を上記混合物をペトリ皿
に注ぐことによって調製した。これらの膜は紫外線下で
蛍光を発してTAAの膜中への均質な分散を示した。多層
型電子写真像形成部材は上記ハイブリッド組成物のゲル
からの電荷輸送薄膜層アルミニウム基体上の真空蒸着As
2Se3電荷発生層上にコーティングすることによって製造
した。これらの装置は、フラットプレートスキャナー中
で試験して良好な放電を示した。
実施例2 イソシアネートプロピルトリメトキシシランを用いて
誘導したテトラヒドロキシTAA〔(OH)4TAA〕を含有する
ハイブリッド組成物を調製した。上記誘導体をゾル−ゲ
ル反応に供して次の物質を得た: 上記ハイブリッド材料から形成させた層を有する多層型
装置を製造した。特に、アルミニウム処理マイラーの基
体層、真空蒸着非晶質セレンの電荷発生層、および上記
ハイブリッド材料の電荷輸送層を有する装置を製造し
た。次いで、装置をフラットプレートスキャナー中で試
験した。負帯電させ次いで4,330オングストローム照射
に露光させたとき、装置は良好な放電を示した。
本発明を特定の好ましい実施態様について説明して来
たけれども、本発明をこれらに限定するものではない。
当業者であれば、本発明の精神および特許請求する範囲
内での変形および修正がなし得ることは理解されるであ
ろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の材料を含有し得る多層感光体の断面図
である。 1……抗カール裏打コーティング層、2……支持基体、
3……導電性基平面層、4……正孔ブロッキング層、5
……接着層、6……電荷発生層、7……電荷輸送層、8
……オーバーコーティング層、9……基ストリップ層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン エフ ヤヌス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14580 ウェブスター リトル バード フィールド ロード 924 (72)発明者 ジョン エイチ ホッジ アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14616 ロチェスター ストーンウッド アベニュー 360 (56)参考文献 特開 昭63−280259(JP,A) 特開 昭55−84942(JP,A) 特開 昭59−4649(JP,A) 特開 昭64−19049(JP,A) 特開 昭60−147732(JP,A) 特開 昭63−123838(JP,A) 特開 平2−259767(JP,A) 特開 平1−202759(JP,A) 特開 平2−153359(JP,A) 特開 平1−134457(JP,A) 特開 昭61−189559(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式:G−D−F(式中、Gは無機ガラス質ネ
    ットワークサブユニットであり、Dは可撓性有機サブユ
    ニットであり、Fは光応答性サブユニットである)で表
    される化合物を含有する層を含む電子写真像形成部材。
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