JP2002313577A - 表示デバイス - Google Patents

表示デバイス

Info

Publication number
JP2002313577A
JP2002313577A JP2001114234A JP2001114234A JP2002313577A JP 2002313577 A JP2002313577 A JP 2002313577A JP 2001114234 A JP2001114234 A JP 2001114234A JP 2001114234 A JP2001114234 A JP 2001114234A JP 2002313577 A JP2002313577 A JP 2002313577A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
display device
organic layer
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001114234A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Nukada
克己 額田
Wataru Yamada
渉 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2001114234A priority Critical patent/JP2002313577A/ja
Publication of JP2002313577A publication Critical patent/JP2002313577A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 劣化防止剤と相溶性の低いケイ素樹脂等を用
いた場合であっても、相分離やマイグレーションが十分
に防止されており、機械的強度と熱・化学的安定性とを
十分に高水準で両立することを可能とする表示デバイス
を提供すること。 【解決手段】 本発明の表示デバイスは、対向する2つ
の電極2、5と、電極2、5の間に配置された有機層3
等とを備える表示デバイスであって、有機層3等が、重
合性単量体及び光機能性化合物からなる群より選ばれる
少なくとも1種と、反応性基を有する劣化防止剤とを反
応せしめて得られる複合体を含有することを特徴とする
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスに関
するものであり、詳しくは、対向する2つの電極と、反
応性劣化防止剤を反応せしめて得られる複合体を含有す
る有機層を備える表示デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、生産性、材料設計の容易さ、安全
性などの点から、有機光導電性材料を用いた有機電界発
光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、有機EL
素子)等の表示デバイスが注目されており、種々の改良
を重ねながら実用化が進められている。
【0003】例えば、薄膜型のEL素子としては、Zn
S、CaS、SrS等のII−VI族化合物半導体にMnや
希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)を発行中心と
してドープした無機EL素子が一般的であったが、交流
駆動が必要である(通常50〜1000Hz)、駆動電
圧が高い(通常200V程度)、フルカラー化が困難で
あり、特に青色に問題がある、周辺駆動回路のコストが
高い、といった課題を有していた。
【0004】これに対して、有機EL素子は、印加電圧
を大幅に低減し得る上、容易に小型化でき、面発光が可
能であり、且つ三原色発光が容易であることから、次世
代のEL素子として期待されている。
【0005】これらの表示デバイスに使用される光機能
性有機材料には、表示デバイスの安定化、長寿命化の観
点から様々な特性が要求される。例えば、有機電界発光
素子の駆動時に発熱が起こると、有機非晶質膜の結晶化
や凝集、酸化、光劣化等によって発光輝度の低下、定電
流駆動時の電圧上昇、非発光部分(ダークスポット)の
発生等の現象が起こり、その結果十分な寿命が得られな
い場合がある。そのため、有機電界発光素子に使用され
る材料の場合は、熱や機械力などの物理的なストレスに
対する機械的強度に加えて、発生するジュール熱により
膜のモルホルジー変化を引き起こさないといった熱・化
学的安定性が必要とされる。
【0006】そこで、このような特性を有する光機能性
有機材料を得るための検討がなされており、酸化防止剤
等の劣化防止剤を樹脂中に分散させた有機電界発光素子
が特開平9−106889号公報、特開平9−1250
54号公報、特開平10−255981号公報等に開示
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の表示デバイスにおいては、劣化防止剤と樹脂との相
溶性は必ずしも十分とは言い難く、かかる劣化防止剤と
樹脂とを混合した塗工液を用いて成膜を行うと、樹脂の
硬化反応前又は硬化反応中に樹脂と劣化防止剤との相分
離やマイグレーション(migration)が起こりやすくな
り、有機層の界面に劣化防止剤が偏析したり有機層中で
結晶化して層間の接着力が低下してしまう。したがっ
て、このようにして得られる有機膜においては、有機膜
中での劣化防止剤の結晶化や有機膜の剥がれなどの現象
が起こりやすくなり、機械的強度と熱・化学的安定性と
を高水準で両立することは非常に困難であった。
【0008】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、特に、劣化防止剤と相溶性の
低いケイ素樹脂等を用いた場合であっても、相分離やマ
イグレーションが十分に防止されており、機械的強度と
熱・化学的安定性とを十分に高水準で両立することを可
能とする表示デバイスを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の重合性単量
体及び/又は光機能性化合物と特定の劣化防止剤とを反
応せしめて得られる複合体を表示デバイスの有機層に含
有させることによって、上記課題が解決されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の表示デバイスは、対向
する2つの電極と、前記2つの電極の間に配置された有
機層とを備える表示デバイスであって、前記有機層が、
重合性単量体及び光機能性化合物からなる群より選ばれ
る少なくとも1種と、反応性基を有する劣化防止剤とを
反応せしめて得られる複合体を含有することを特徴とす
るものである。
【0011】本発明によれば、有機層が、重合性単量体
及び光機能性化合物からなる群より選ばれる少なくとも
1種と、反応性基を有する劣化防止剤とを反応せしめて
得られる複合体を含有することによって、結着樹脂と劣
化防止剤との相分離やマイグレーションを生じることな
く、また、結着樹脂が本来的に有する機械的強度を損な
うことなく、劣化防止剤が有機層中に保持される。した
がって、機械的強度と熱・化学的安定性を十分に高水準
で両立することが可能となる。
【0012】本発明においては、前記有機層が前記重合
性単量体と前記劣化防止剤とを反応せしめて得られる複
合体を含有し、前記重合性単量体が下記一般式(1): W[−SiR3-aab (1) [式(1)中、Wは2価以上の有機基を表し、Rは水素
原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基
を表し、Qは加水分解性基を表し、aは1〜3の整数を
表し、bは2以上の整数を表す]で表される化合物であ
ることが好ましい。
【0013】また、本発明においては、前記劣化防止剤
が、下記一般式(2): −SiR3-aa (2) [式(2)中、Rは水素原子、アルキル基又は置換若し
くは無置換のアリール基を表し、Qは加水分解性基を表
し、aは1〜3の整数を表す]で表される官能基を有す
ることが好ましい。
【0014】さらに、本発明においては、前記有機層が
前記光機能性化合物と前記劣化防止剤とを反応せしめて
得られる複合体を含有し、前記光機能性化合物が下記一
般式(3): W’[−D−SiR’3-a'Q’a'b' (3) [式(3)中、W’は1〜4価の光機能性有機基を表
し、Dは2価の基を表し、R’は水素原子、アルキル基
又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、Q’は加
水分解性基を表し、a’は1〜3の整数を表し、b’は
1〜4の整数を表す]で表される化合物であることが好
ましい。
【0015】さらにまた、本発明においては、前記有機
層が、前記重合性単量体と前記光機能性化合物と前記劣
化防止剤とを反応せしめて得られる複合体を含有するこ
とが好ましい。
【0016】さらにまた、本発明の表示デバイスは、前
記2つの電極に電圧を印加することにより発光するもの
であることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、場合により図面を参照しつ
つ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付する
こととする。
【0018】本発明の表示デバイスは、対向する2つの
電極と、前記2つの電極の間に配置された有機層とを備
える表示デバイスであって、前記有機層が、重合性単量
体及び光機能性化合物からなる群より選ばれる少なくと
も1種と、反応性基を有する劣化防止剤とを反応せしめ
て得られる複合体を含有することを特徴とするものであ
る。
【0019】電極本発明の表示デバイスにおいては、2
つの電極が相互に対向するように配置される。かかる電
極の材料としては、具体的には、アルミニウム、ニッケ
ル、クロム、ステンレス鋼などの金属;紙、プラスチッ
ク又はガラス上に、アルミニウム、銅、金、銀、白金、
パラジウム、チタン、ニッケルークロム、ステンレス
鋼、銅−インジウム等の金属や酸化インジウム・酸化錫
などの導電性金属化合物を蒸着又はラミネートすること
によって薄膜を設けたもの;紙、プラスチック又はガラ
ス上に、カーボンブラック、酸化インジウム、酸化錫−
酸化アンチモン粉、金属粉、沃化銅などを結着樹脂に分
散して塗布することによって導電処理したもの、などが
挙げられる。
【0020】本発明の表示デバイスにおいては、電極と
して上記の材料からなる導電性支持体を用いてもよく、
また、上記の材料からなる蒸着膜を有機層の対向する2
面上に形成して電極としてもよい。
【0021】有機層本発明にかかる有機層は、前述の通
り、重合性単量体及び光機能性化合物からなる群より選
ばれる少なくとも1種と、反応性基を有する劣化防止剤
とを反応せしめて得られる複合体を含有するものであ
る。
【0022】(重合性単量体)本発明にかかる複合体が
重合性単量体と劣化防止剤とを反応せしめて得られるも
のである場合、かかる重合性単量体としては、劣化防止
剤と反応して複合体を形成し得るものであれば特に制限
されないが、炭素原子とケイ素原子とが酸素原子を介し
て結合した構造を有するものを用いると、機械的強度と
熱・化学的安定性との双方がより高められるので好まし
い。このような重合性単量体としては、具体的には、下
記一般式(1): W[−SiR3-aab (1) で表される化合物が好ましく用いられる。
【0023】上記式(1)中、Wは2価以上の有機基を
表す。かかる有機基としては、直鎖状又は分岐鎖状の脂
肪族炭化水素基(好ましくは炭素数2〜20の脂肪族炭
化水素基)、芳香族炭化水素基(好ましくは炭素数6〜
20の芳香族炭化水素基)、又はこれらの炭化水素基に
窒素原子やフッ素原子が導入された基などが挙げられ
る。また、上記式(1)中、bはWで表される有機基の
価数を表すが、bは2又は3であることが好ましい。
【0024】また、上記式(1)中のRは水素原子、ア
ルキル基(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基)又は
置換若しくは無置換のアリール基(好ましくは炭素数6
〜10の置換若しくは無置換のアリール基)を表し、a
は1〜3の整数を表す。
【0025】さらに、上記式(1)中、Qで表される加
水分解性基とは、上記式(1)で表される化合物同士の
反応、又は上記式(1)で表される化合物と劣化防止剤
との反応において、加水分解によりシロキサン結合(O
−Si−O)を形成し得る官能基のことをいう。本発明
にかかる加水分解性基の好ましい例としては、具体的に
は、水酸基、アルコキシ基、メチルエチルケトオキシム
基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ
基、クロロ基が挙げられるが、これらの中でも、−O
R”(R”は炭素数1〜15のアルキル基またはトリメ
チルシリル基)で表される基がより好ましい。
【0026】上記式(1)で表される化合物の中でも、
下記(1−a)〜(1−e): T1(−SiR3-aah (1−a) HN(−T1−SiR3-aa2 (1−b) T2(−NH−T1−SiR3-aah (1−c)
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】 [式(1−a)〜(1−e)中、T1及びT2は同一でも
異なっていてもよく、直鎖状又は分岐鎖状の2価又は3
価の炭化水素基を表し、Rは水素原子、アルキル基又は
置換若しくは無置換のアリール基を表し、Qは加水分解
性基を表し、aは1〜3の整数を表し、h、i及びjは
同一でも異なっていてもよく、それぞれ1〜3の整数を
表し、一分子中の−SiR3-aaで表される基は2以上
である]のうちのいずれかで表される化合物がより好ま
しく、下記表1に記載される化合物(I−1)〜(I−1
5)のうちのいずれかの化合物がさらに好ましい。
【0029】
【表1】
【0030】また、本発明においては、重合性単量体と
してシランカップリング剤又はシリコーン系ハードコー
ト剤を用いることができる。シランカップリング剤とし
ては、具体的には、ビニルトリクロロシラン、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N
−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシランなどが挙げられる。ま
た、撥水性などの付与を目的として、(トリデカフルオ
ロ −1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエ
トキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)
トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポ
キシ)プロピルトリエトキシシラン、1H,1H,2
H,2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、
1H,1H,2H,2H−パーフルオロデシルトリエト
キシシラン、1H−1H−2H−2H−パーフルオロオ
クチルトリエトシキシラン、などのフッ素含有シラン化
合物を用いることもできる。なお、上記のシランカップ
リング剤の使用量は任意であるが、フッ素含有シラン化
合物の使用量は、フッ素を含有しない重合性単量体10
0重量部に対して25重量部以下であることが好まし
い。フッ素含有シラン化合物の使用量が前記上限値を超
えると、有機層の成膜性が低下する傾向にある。
【0031】また、本発明において用いられるハードコ
ート剤として、KP−85、X−40−9740、X−
40−2239(以上、信越シリコーン社製)、AY4
2−440、AY42−441、AY49−208(以
上、東レダウコーニング社製)などの市販品を用いるこ
とができる。
【0032】なお、本発明においては、上記式(1)で
表される化合物、シランカップリング剤、シリコーン系
ハードコート剤のうちの1種を単独で用いてもよく、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】なお、本発明にかかる劣化防止剤が光機能
性化合物との間に複合体を形成し得る場合には、複合体
の材料として必ずしも上記の重合性単量体を用いる必要
はない。このとき、有機層の結着樹脂として、エポキシ
系樹脂、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、カーボネー
ト系樹脂等を用いることができる。
【0034】(劣化防止剤)本発明にかかる劣化防止剤
とは、トリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合
物、ヒンダードアミン系化合物などが示す光安定化機
能、金属ジチオラート系化合物などが示す活性酸素失活
機能、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミ
ン系化合物、フォスファイト系化合物などが示す酸化防
止機能、チオエーテル系化合物などが示す2次酸化防止
機能などの劣化防止機能を有し、且つ上記の重合性単量
体又は後述する光機能性化合物と反応し得る化合物をい
う。このような劣化防止剤のうち、ヒンダードフェノー
ル型構造、ヒンダードアミン型構造、有機硫黄型構造、
フォスファイト型構造、ジチオカルバミン酸型構造、チ
オウレア型構造、ベンズイミダゾール型構造のうちのい
ずれかを有するものを用いると、オゾンやNOxなどの
酸化性ガスに長い時間接触しても特性劣化を十分に防止
することができ、有機電子デバイスの寿命が長くなる傾
向にあるので好ましい。中でも、ヒンダードフェノール
型構造又はヒンダードアミン型構造を有する化合物は、
相溶性と酸化防止性との点で特に好ましい。
【0035】なお、特開平9−106889号公報、特
開平9−125054号公報、特開平10−25598
1号公報には、樹脂中に劣化防止剤が添加された有機電
界発光素子が開示されているが、樹脂中に劣化防止剤を
単に分散させただけでは樹脂中での劣化防止剤のマイグ
レーションや相分離の発現を抑制することは非常に困難
である。これに対して、本発明の表示デバイスにおいて
は、重合性単量体及び/又は光機能性化合物と劣化防止
剤とを反応せしめて得られる複合体を有機層に含有させ
ることによって、マイグレーションや相分離の発現が十
分に抑制されるので、熱・化学的安定性と機械的強度と
の双方を十分に高めることが可能となる。
【0036】本発明において用いられる劣化防止剤とし
ては、水酸基、カルボキシル基、ビニル基、エポキシ
基、加水分解性基等の反応性基を有し、重合性単量体又
は光機能性化合物の少なくとも一方と反応し得るもので
あれば特に制限されないが、下記表2に示す化合物(II
−1)〜(II−24)のいずれかが好ましく、中でも下
記一般式(2): −SiR3-aa (2) で表される官能基を有する化合物が好ましい。
【0037】
【表2】
【0038】なお、本発明にかかる劣化防止剤は、1種
を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。また、本発明にかかる劣化防止剤の添加量は、
有機層全量を基準として0.05〜15重量%であるこ
とが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好
ましい
【0039】本発明にかかる有機層は、重合性単量体及
び/又は光機能性化合物と劣化防止剤とを反応せしめて
得られる複合体を含有するものであるが、必要に応じて
本発明にかかる劣化防止剤以外の劣化防止剤(以下、
「他の劣化防止剤」という)をさらに含有してもよい。
【0040】本発明において用いられる他の劣化防止剤
としては、具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノ
ン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネ
ートジエチルエステル、2,4−ビス[(オクチルチ
オ)メチル]−o−クレゾール、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’
−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、2,5−ジ−t−アミルヒドロ
キノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒド
ロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルア
クリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)など公知のヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤と併用してもよい。
【0041】光機能性化合物 本発明でいう光機能性化合物とは、光キャリア輸送特
性、発光性等を有する化合物をいう。
【0042】本発明にかかる光機能性化合物のうち、光
キャリア輸送特性を有する化合物としては、トリアリー
ルアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアル
カン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチル
ベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化
合物、キノン系化合物、フルオレノン系化合物、キトサ
ン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系
化合物、エチレン系化合物など;発光性を有する化合物
としては、白金錯体、イリジウム錯体、アルミニウム錯
体、ナフタレン、ターフェニル、ペリレン、ルブリン、
クマリン等のケイ光発光効率又はリン光発光効率が高い
化合物が挙げられる。
【0043】本発明において、重合性単量体と劣化防止
剤とが複合体を形成し得る場合には、光機能性化合物は
必ずしも劣化防止剤と反応し得るものでなくてもよい。
【0044】また、本発明にかかる光機能性化合物が劣
化防止剤との間に複合体を形成し得る場合、当該光機能
性化合物として下記一般式(3): W’[−D−SiR’3-a'a'b' (3) [式(3)中、W’は1〜4価の光機能性有機基を表
し、Dは2価の基を表し、R’は水素原子、アルキル基
又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、Q’は加
水分解性基を表し、a’は1〜3の整数を表し、b’は
1〜4の整数を表す]で表される化合物を用いると、機
械的強度と熱・化学的安定性との双方がより高められる
ので好ましい。
【0045】上記式(3)中、W’で表される光機能性
有機基としては、光機能性を示すものである限り特に制
限されないが、好ましくは芳香環を有する基であり、よ
り好ましくはフタロシアニン構造、ポルフィリン構造、
アゾベンゼン構造、スチルベン構造、トリス(ビピリジ
ル)−ロジウム構造、アズレン構造、ポリエン構造、ニ
トロアニリン構造、トリアリールアミン構造、ベンジジ
ン構造、アリールアルカン構造、アリール置換エチレン
構造、アントラセン構造、ヒドラゾン構造、キノン構造
及びフルオレノン構造からなる群より選ばれる1種を有
する基であり、より好ましくは下記一般式(4):
【0046】
【化3】 [式(4)中、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4はそれ
ぞれ同一でも異なっていてもよく、置換または無置換の
アリール基を表し、Ar5は置換または無置換の2価の
芳香族炭化水素基を表し、kは0または1を表し、Ar
1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5のうちの1〜4個は上
記一般式(1)中の−D−SiR3-aaで表される基と
結合する結合手を有する)で表される基である。
【0047】ここで、上記式(4)中、Ar1、Ar2
Ar3およびAr4で表される置換または無置換のアリー
ル基としては、下記式(5)〜(11):
【0048】
【化4】
【0049】
【化5】
【0050】
【化6】
【0051】
【化7】
【0052】
【化8】
【0053】
【化9】
【0054】
【化10】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
フェニル基、炭素数7〜10のアルキルフェニル基、炭
素数7〜10のアルコキシフェニル基または炭素数7〜
10のアラルキル基を表し、R2およびR3はそれぞれ水
素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のア
ルコキシ基、フェニル基、炭素数7〜10のアルコキシ
フェニル基、炭素数7〜10のアラルキル基またはハロ
ゲン基を表し、Ar6は置換または無置換の2価の芳香
族炭化水素基を表し、Zは2価の官能基を表し、sは1
〜3の整数を表し、・は上記一般式(3)中の−D−S
iR’3-a'Q’a'で表される基が結合する場合の結合位
置を表す)で表される構造のうちのいずれかを有するも
のが好ましい。さらに、上記式(11)中のAr6で表
される置換または無置換の2価の芳香族炭化水素基とし
ては、下記一般式(12)または(13):
【0055】
【化11】
【0056】
【化12】 (式中、R4およびR5はそれぞれ水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニ
ル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基、炭素数
7〜10のアラルキル基またはハロゲン基を表し、tは
1〜3の整数を表す)で表される構造を有するものが好
ましく;上記式(11)中のZで表される2価の基とし
ては、下記式(14)〜(21):
【0057】
【化13】
【0058】
【化14】
【0059】
【化15】
【0060】
【化16】
【0061】
【化17】
【0062】
【化18】
【0063】
【化19】
【0064】
【化20】 (式中、R6およびR7はそれぞれ水素原子、炭素数1〜
4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニ
ル基、炭素数7〜10のアルコキシフェニル基、炭素数
7〜10のアラルキル基またはハロゲン基を表し、Z’
は2価の基を表し、qおよびrはそれぞれ1〜10の整
数を表し、tは1〜3の整数を表す)で表される構造の
うちのいずれかを有するものが好ましい。さらにまた、
上記式(20)、(21)中のZ’で表される2価の基
としては、下記式(22)〜(30):
【0065】
【化21】
【0066】
【化22】
【0067】
【化23】
【0068】
【化24】
【0069】
【化25】
【0070】
【化26】
【0071】
【化27】
【0072】
【化28】
【0073】
【化29】 (式中、pは0〜3の整数を表す)で表される構造のう
ちのいずれかを有するものが好ましい。
【0074】また、上記式(3)中のDで表される2価
の基としては、好ましくは、−Cn2n−、−Cn2n-2
−、−Cn2n-4−(nは1〜15の整数であり、好ま
しくは2〜10の整数である)、−CH2−C64−又
は−C64−C64−で表される2価の炭化水素基、オ
キシカルボニル基(−COO−)、チオ基(−S−)、
オキシ基(−O−)、イソシアノ基(−N=CH−)、
或いはこれら2種以上の組み合わせによる2価の基であ
る。なお、これらの2価の基は側鎖にアルキル基、フェ
ニル基、アルコキシ基、アミノ基などの置換基を有して
いてもよい。Dが上記の好ましい2価の基であると、多
官能型光機能性フッ素含有有機シリケート骨格に適度な
可とう性が付与されて層の強度が向上する傾向にある。
【0075】さらに、上記式(3)中、R’としては、
上記式(1)中のRの説明において例示された水素原
子、アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基;
Q’としては、上記式(1)中の説明において例示され
た加水分解性基、がそれぞれ挙げられる。
【0076】このような構成を有する光機能性化合物
(3)のうち、W’が上記一般式(20)で表される基
である化合物におけるAr1、Ar2、Ar3、Ar4、A
5、D−SiR’3-a'Q’a'で表される基および整数
kの好ましい組み合わせを下記表3〜29に示す。な
お、表中、XはAr5と結合したD−SiR’3-a'a'
を表し、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表
し、Prはプロピル基を表す。
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】
【表12】
【0087】
【表13】
【0088】
【表14】
【0089】
【表15】
【0090】
【表16】
【0091】
【表17】
【0092】
【表18】
【0093】
【表19】
【0094】
【表20】
【0095】
【表21】
【0096】
【表22】
【0097】
【表23】
【0098】
【表24】
【0099】
【表25】
【0100】
【表26】
【0101】
【表27】
【0102】
【表28】
【0103】
【表29】
【0104】本発明においては、有機層が、重合性単量
体と光機能性化合物と劣化防止剤とを反応せしめて得ら
れる複合体を含有すると、機械的強度と熱・化学的安定
性との双方を更に高めることができるので特に好まし
い。
【0105】また、本発明の表示デバイスは、十分に高
い機械的強度と十分に高い熱・化学的安定性とを有する
ものであり、2つの電極に電圧を印加することにより発
光させる場合に特に優れた効果を発揮するものである。
【0106】(表示デバイスの製造方法)本発明の表示
デバイスを製造するに際し、上記の重合性単量体及び/
又は光機能性化合物と劣化防止剤とを含有する塗工液を
支持体上に塗布して硬化させることによって、本発明に
かかる複合体を含有する有機層を成膜することができ
る。
【0107】本発明において用いられる塗工液は溶剤を
含有しなくてもよく、必要に応じてメタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラ
ヒドロフラン、ジブチルエーテル、ジオキサンなどのエ
ーテル類、などの溶剤(好ましくは沸点が100℃以下
の溶剤)を含有してもよい。なお、これらの溶剤の使用
量は任意であるが、光機能性化合物1重量部に対して
0.5〜30重量部であることが好ましく、1〜20重
量部であることがより好ましい。溶剤の使用量が前記下
限値未満であると塗工液から光機能性化合物が析出しや
すくなる傾向にあり、他方、溶剤の使用量が前記上限値
を超えても使用量に見合う光機能性化合物の析出防止効
果が得られない傾向にある。
【0108】また、本発明においては、塗工液をそのま
ま導電性支持体上に塗布し硬化させることによって有機
層を成膜できるが、加水分解性基が結合したケイ素を有
する原料化合物を用いる場合には、塗工液を塗布する前
に、予め重合性単量体と劣化防止剤とを加水分解して縮
合させることが好ましい。
【0109】重合性単量体及び/又は光機能性化合物と
劣化防止剤とを加水分解して縮合させる際の水の添加量
は特に制限されないが、縮合物の保存安定性や後述する
硬化反応の際のゲル化抑制の点から、加水分解性基を有
する化合物の全てを加水分解するために必要な理論量の
0.3〜5倍であることが好ましく、0.5〜3倍であ
ることがより好ましい。水の添加量が当該理論量の5倍
を超えると、縮合物の保存安定性が低下したり、光機能
性化合物が析出しやすくなる傾向にある。他方、水の添
加量が当該理論量の0.3倍未満であると、塗工液中の
未反応化合物の量が増加して、塗工液を塗布し硬化させ
る際に相分離が起こりやすくなったり、得られるケイ素
樹脂の機械的強度や化学的安定性が低下する傾向にあ
る。
【0110】また、加水分解の際に、光機能性化合物、
反応生成物、水、溶剤などに不溶な固体触媒を用いる
と、塗工液の安定性が向上する傾向にある。本発明にお
いて好ましく用いられる固体触媒としては、具体的に
は、アンバーライト15、アンバーライト200C、ア
ンバーリスト15E(以上、ローム・アンド・ハース社
製);ダウエックスMWC−1−H、ダウエックス8
8、ダウエックスHCR−W2(以上、ダウ・ケミカル
社製);レバチットSPC−108、レバチットSPC
−118(以上、バイエル社製);ダイヤイオンRCP
−150H(三菱化成社製);スミカイオンKC−47
0、デュオライトC26−C、デュオライトC−43
3、デュオライト−464(以上、住友化学工業社
製);ナフィオン−H(デュポン社製)などの陽イオン
交換樹脂;アンバーライトIRA−400、アンバーラ
イトIRA−45(以上、ローム・アンド・ハース社
製)などの陰イオン交換樹脂;Zr(O3 PCH2 CH
2 SO3 H)2 ,Th(O3 PCH2 CH2 COOH)
2 などのプロトン酸基を含有する基が表面に結合されて
いる無機固体;スルホン酸基を有するポリオルガノシロ
キサンなどのプロトン酸基を含有するポリオルガノシロ
キサン;コバルトタングステン酸、リンモリブデン酸な
どのヘテロポリ酸;ニオブ酸、タンタル酸、モリブデン
酸などのイソポリ酸;シリカゲル、アルミナ、クロミ
ア、ジルコニア、CaO、MgOなどの単元系金属酸化
物;シリカ−アルミナ、シリカ−マグネシア、シリカ−
ジルコニア、ゼオライト類など複合系金属酸化物;酸性
白土、活性白土、モンモリロナイト、カオリナイトなど
の粘土鉱物;LiSO4 ,MgSO4 などの金属硫酸
塩;リン酸ジルコニア、リン酸ランタンなどの金属リン
酸塩;LiNO3 ,Mn(NO3 2 などの金属硝酸
塩;シリカゲル上にアミノプロピルトリエトキシシラン
を反応させて得られた固体などのアミノ基を含有する基
が表面に結合されている無機固体;アミノ変性シリコー
ン樹脂などのアミノ基を含有するポリオルガノシロキサ
ンなどが挙げられる。これらの固体触媒の使用量は特に
制限されないが、加水分解性基を有する化合物の合計1
00重量部に対して0.1〜20重量部が好ましい。ま
た、これらの固体触媒は、前述の通り、原料化合物、反
応生成物、溶剤などに不溶であるため、反応後、常法に
したがって容易に除去することができる。
【0111】上記の固体触媒を用い、固定床流通式、バ
ッチ式などの方法によって重合性単量体と劣化防止剤と
を加水分解して縮合させることが可能である。反応温度
及び反応時間は原料化合物や固体触媒の種類及び使用量
に応じて適宜選択されるものであるが、反応温度は通常
0〜100℃、好ましくは10〜70℃、より好ましく
は15〜50℃であり、反応時間は好ましくは10分〜
100時間である。反応時間が前記上限値を超えると、
ゲル化が起こりやすくなる傾向にある。
【0112】このようにして調製された塗工液を支持体
上に塗布し、硬化させることによって、本発明にかかる
複合体を含有する有機層が形成される。本発明において
は、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などのプロトン酸;アン
モニア、トリエチルアミンなどの塩基;ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジオクトエート、オクエ酸第一錫
などの有機錫化合物;テトラ−n−ブチルチタネート、
テトライソプロピルチタネートなどの有機チタン化合
物;アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムトリア
セチルアセトナートなどの有機アルミニウム化合物;有
機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛
塩、ジルコニウム塩、等の硬化触媒を用いることによっ
て塗工液の硬化を好適に行うことができるが、上記の硬
化触媒の中でも、保存安定性の点で金属化合物が好まし
く、さらに、金属のアセチルアセトナート、あるいは、
アセチルアセテートが好ましい。これらの硬化触媒の使
用量は任意であるが、塗工液の保存安定性、並びに得ら
れる有機層の光電特性及び機械的強度の点から、加水分
解性基を有する化合物の合計100重量部に対して0.
1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜10重
量部であることがより好ましい。
【0113】塗工液を硬化させる際の反応温度及び反応
時間は特に制限されないが、得られるケイ素樹脂の機械
的強度及び化学的安定性の点から、反応温度は好ましく
は60℃以上、より好ましくは80〜200℃であり、
反応時間は好ましくは10分〜5時間である。また、塗
工液の硬化により得られる有機層を高湿度状態に保つこ
とは、有機層の特性の安定化を図る上で有効である。さ
らには、用途に応じてヘキサメチルジシラザンやトリメ
チルクロロシランなどを用いて有機層に表面処理を施し
て疎水化することもできる。
【0114】なお、電極が導電性支持体である場合に
は、上記の塗工液を導電性支持体上に塗布し、硬化させ
ることによって本発明の表示デバイスを得ることができ
る。また、電極が導電性材料からなる蒸着膜である場合
は、上記の塗工液を所定の支持体上に塗布し、硬化させ
て有機層を成膜した後、得られる有機層の少なくとも一
方の側に導電性材料を蒸着させることによって本発明の
表示デバイスを得ることができる。
【0115】このようにして得られる本発明の表示デバ
イスは、機械的強度と熱・化学的安定性との双方が十分
に高いものであり、有機電界発光素子等の幅広い分野で
用いることができる。
【0116】(有機電界発光素子)図1〜3はそれぞれ
本発明にかかる有機電界発光素子の一例を示す模式断面
図である。
【0117】図1に示す有機電界発光素子は、基板1上
に、陽極(電極)2と、正孔注入層3と、発光層4と、
陰極(電極)5とが順次積層された構造を有しており;
図2に示す有機電界発光素子は、正孔注入層3と発光層
4との間に正孔輸送層6を設けたこと以外は、図1に示
す有機電界発光素子と同様の構成であり;図3に示す有
機電界発光素子は、発光層4と陰極5との間に電子輸送
層7を設けた以外は、図2に示す有機電界発光素子と同
様の構成である。そして、図7〜9に示す有機電界発光
素子はそれぞれ正孔注入層3、正孔輸送層6又は電子輸
送層7のうちの少なくとも一つの層が本発明にかかる有
機層である。
【0118】基板1としては、有機電界発光素子の支持
体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属
箔、プラスチックフィルムやシートなどが挙げられる。
特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、
ポリカーボネート、ポリスルホンなどの実質的に透明な
合成樹脂板が好ましい。また、合成樹脂板を使用する場
合にはガスバリア性に留意する必要があるり、このガス
バリヤ性が低すぎると、基板1を通過する外気により有
機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくな
い。このため、合成樹脂基板のどちらか片側もしくは両
側に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確
保する方法も好ましい方法の一つである。
【0119】陽極2としては、通常、アルミニウム、
金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジ
ウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化
銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック等により構
成される。これらは、通常、スパッタリング法、真空蒸
着法などにより形成することができる。また、陽極11
は、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カー
ボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子等を適当なバ
インダー樹脂に含有させた構成されてもよい。これら
は、通常、バインダー樹脂塗布液を、塗布することによ
り形成することができる。また、陽極2としては、上記
の材料のうちの1種からなるものであってもよく、2種
以上を組み合わせたものであってもよい。
【0120】陽極2の厚みは、必要とする透明性により
異なるが、一般には透明性が高いほど好ましいため、可
視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以
上とすることが好ましい。この場合、厚みは、通常10
〜1000nm程度、好ましくは20〜500nm程度
である。また、端面からのレーザー発振等の目的で両電
極間で反射させるなどの目的で、金属蒸着膜等を設ける
場合など不透明でよい場合は陽極2は基板1と同一でも
よい。
【0121】正孔注入層3は、通常、陽極2と発光層4
との間に設けられるものであり、この正孔注入層3に用
いられる材料に要求される条件としては、陽極11から
の正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よ
く輸送することができる材料であることが挙げられる。
そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光
の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大き
く、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造
時や使用時に発生しにくいことが要求される。上記の一
般的な要求条件以外に、例えば車載表示用の応用を考え
た場合、さらに100℃以上、より好ましくは120℃
以上の耐熱性が要求される。このため、本発明にかかる
有機層を正孔注入層3として形成することで、化学的安
定性と機械的強度との双方が十分に高められて、素子の
発光特性と耐熱性を同時に改善することが可能となる。
【0122】正孔注入層3の厚さは、通常5〜3000
nm程度、好ましくは10〜2000nm程度である。
ここで、正孔注入層3として本発明にかかる有機層を用
いる場合には、本発明にかかるケイ素樹脂と電子受容性
材料との所定量に、必要により正孔のトラップにならな
いバインダー樹脂や塗布性改良剤を加えることができ
る。また、種々の目的で、他のシランカップリング剤、
アルミニウムカップリング剤、チタネートカップリング
剤などを添加することもできる。これらを溶解して塗布
溶液を所望の濃度に調製し、スピンコート法やディップ
コート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して
正孔注入層3を形成することができる。
【0123】発光層4は、電界を与えられた電極間にお
いて電極(陰極)から注入された電子と正孔注入層3
(陽極)から注入された正孔を効率よく再結合し、且
つ、再結合により効率よく発光材料から形成される。こ
のような条件を満たす発光材料としては、8−ヒドロキ
シキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭
59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ
[h]キノリンの金属錯体(特開平6−322362号
公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1−24
5087号公報、同2−222484号公報)、ビスス
チリルアリーレン誘導体(特開平2−247278号公
報)、(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの
金属錯体(特開平8−315983号公報)、シロール
誘導体等が挙げられる。これらの発光材料は、通常は真
空蒸着法や塗布法により形成することができる。
【0124】発光層4は、素子の発光効率を向上させる
とともに発光色を変える目的で、例えば、8−ヒドロキ
シキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、ク
マリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J.A
ppl.Phys.,65巻,3610頁,1989
年)等が行われている。この方法の利点は、1)高効率
の蛍光色素により発光効率が向上、2)蛍光色素の選択
により発光波長が可変、3)濃度消光を起こす蛍光色素
も使用可能、4)薄膜性のわるい蛍光色素も使用可能、
等が挙げられる。
【0125】発光層4は、素子の駆動寿命を改善する目
的においても、発光材料をホスト材料として、蛍光色素
をドープすることが有効である。例えば、8−ヒドロキ
シキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト
材料として、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体
(特開平4−335087号公報)、キナクリドン誘導
体(特開平5−70773号公報)、ペリレン等の縮合
多環芳香族環(特開平5−198377号公報)を、ホ
スト材料に対して0.1〜10重量%ドープすることに
より、素子の発光特性、特に駆動安定性を大きく向上さ
せることができる。これら上記ナフタセン誘導体、キナ
クリドン誘導体、ペリレン等の蛍光色素を、ホスト材料
にドープする方法としては、共蒸着による方法と蒸着源
を予め所定の濃度で混合しておく方法がある。
【0126】発光層4は、高分子系の発光材料として、
先に挙げたポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2
−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,
4−フェニレンビニレン]、ポリ(3−アルキルチオフ
ェン)等の高分子材料や、ポリビニルカルバゾール等の
高分子に発光材料と電子移動材料を混合した系等も挙げ
られる。これらの材料はスピンコートやディップコート
等の方法により形成することができる。
【0127】発光層4の膜厚は、通常10〜200nm
程度、好ましくは30〜100nmである。なお、発光
層4を正孔注入層3上に塗布法により形成する際には、
正孔注入層3を実質的に溶解しない溶剤を用いることが
好ましいが、正孔注入層3が本発明にかかる有機層であ
ると、三次元架橋構造を有しているので溶剤に対する耐
性が高く、溶剤を広範な範囲の中から選択することが可
能となる。
【0128】陰極5は、発光層4に電子を注入する役割
を果たす。陰極5として用いられる材料は、上記陽極2
の説明において例示された材料と同様のものを用いるこ
とが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕
事関数の低い金属が好ましく、より具体的には、スズ、
マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウ
ム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が好ましく、
マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合
金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電
極がより好ましい。
【0129】陰極5の膜厚は、通常、陽極2と同様であ
る。低仕事関数金属からなる陰極を保護する目的で、こ
の上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属
層を積層することが素子の安定性を増す上で有効であ
る。かかる金属層の材料としては、アルミニウム、銀、
銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が挙げられ
る。さらに、陰極5と発光層4又は後述する電子輸送層
7との界面にLiF、MgF2、Li2O等の極薄絶縁膜
(膜厚0.1〜5nm程度)を挿入することも、素子の
効率を向上させる有効な方法である(Appl.Phy
s.Lett.,70巻,152頁,1997年;特開
平10−74586号公報;IEEE Trans.E
lectron.Devices,44巻,1245
頁,1997年)。
【0130】正孔輸送層6は、素子の発光特性を向上さ
せるために設けられるものであり、正孔注入層3からの
正孔注入効率が高く、且つ注入された正孔を効率よく輸
送することができる。このため正孔輸送層6を形成する
材料にはイオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移
動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不
純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求され
る。このような正孔輸送材料としては、例えば、1,1
−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘ
キサン等の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族
ジアミン化合物(特開昭59−194393号公報)、
4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル
アミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミン
を含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳
香族アミン(特開平5−234681号公報)、トリフ
ェニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する
芳香族トリアミン(米国特許第4,923,774
号)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メ
チルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳
香族ジアミン(米国特許第4,764,625号)、分
子全体として立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導
体(特開平4−129271号公報)、ピレニル基に芳
香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開平4−1
75395号公報)、エチレン基で3級芳香族アミンユ
ニットを連結した芳香族ジアミン(特開平4−2641
89号公報)、スチリル構造を有する芳香族ジアミン
(特開平4−290851号公報)、チオフェン基で芳
香族3級アミンユニットを連結したもの(特開平4−3
04466号公報)、スターバースト型芳香族トリアミ
ン(特開平4−308688号公報)、ベンジルフェニ
ル化合物(特開平4−364153号公報)、フルオレ
ン基で3級アミンを連結したもの(特開平5−2547
3号公報)、トリアミン化合物(特開平5−23945
5号公報)、ビスジピリジルアミノビフェニル(特開平
5−320634号公報)、N,N,N−トリフェニル
アミン誘導体(特開平6−1972号公報)、フェノキ
サジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7−138
562号公報)、ジアミノフェニルフェナントリジン誘
導体(特開平7−252474号公報)、シラザン化合
物(米国特許第4,950,950号公報)、シラナミ
ン誘導体(特開平6−49079号公報)、ホスファミ
ン誘導体(特開平6−25659号公報)等が挙げられ
る。これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、必
要に応じて、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0131】正孔輸送層6の材料としては、上記の正孔
輸送材料以外に、ポリビニルカルバゾールやポリシラ
ン、ポリフォスファゼン(特開平5−310949号公
報)、ポリアミド(特開平5−310949号公報)、
ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7−53953
号公報)、トリフェニルアミン骨格を有する高分子(特
開平4−133065号公報)、芳香族アミンを含有す
るポリメタクリレート等の高分子材料も挙げられる。
【0132】正孔輸送層6は、上記正孔輸送材料を塗布
法あるいは真空蒸着法により正孔注入層3上に積層する
ことができる。塗布法の場合は、正孔輸送材料の1種ま
たは2種以上に、必要に応じて、正孔のトラップになら
ないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤とを添
加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法など
の方法により塗布し、乾燥してを形成することができ
る。ここで、バインダー樹脂としては、本発明にかかる
ケイ素樹脂の他、ポリカーボネート、ポリアリレート、
ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量
が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が好ま
しく、通常50重量%以下が好ましい。真空蒸着法の場
合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたルツボ
に入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10-4Pa程
度にまで排気した後、ルツボを加熱して、正孔輸送材料
を蒸発させ、ルツボと向き合って置かれた、正孔注入層
3上に正孔輸送層6を形成することができる。
【0133】正孔輸送層6の膜厚は、通常10〜300
nm程度、好ましくは30〜100nmである。このよ
うに薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着
法がよく用いられる。また、正孔輸送層6を正孔注入層
3上に塗布法により形成する際には、正孔注入層3を実
質的に溶解しない溶剤を用いることが好ましいが、正孔
注入層12として本発明にかかる有機層を用いると、そ
の三次元架橋構造により溶剤に対する耐性が高く、溶剤
を広範な範囲の中から選択することが可能となる。
【0134】電子輸送層7は、素子の発光特性を向上さ
せるために設けられるものであり、陰極5からの電子注
入効率が高く、且つ注入された電子を効率よく輸送する
ことができる。このため電子輸送層7を形成する材料に
は、陰極5からの電子注入が容易で、電子の輸送能力が
さらに大きいことが要求される。このような電子輸送材
料としては、既に上記発光材料として挙げた8−ヒドロ
キシキノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体
(Appl.Phys.Lett.,55巻,1489
頁,1989年)やそれらをポリメタクリル酸メチル
(PMMA)等の樹脂に分散した系、フェナントロリン
誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブ
チル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジ
イミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜
鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。電子輸送層7
は、上述の正孔輸送層6と同様にして形成することがで
きる。但し、発光層4上に塗布法により形成する場合、
発光層4を実質的に溶解しない溶剤を用いることが好ま
しい。
【0135】電子輸送層7の膜厚は、通常5〜200n
m程度、好ましくは10〜100nmである。
【0136】図1に示す電界発光素子においては、例え
ば、基板1に積層される層の順序を逆にした構造、すな
わち、基板1上に陰極5、発光層4、正孔注入層3、陽
極2の順に積層することも可能である。上述したように
少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に有機電
界発光素子を設けることも可能である。また、膜厚方向
から光を取り出す場合、少なくとも一方の基板或いは電
極が透明となる構成であるが、膜厚方向に対して垂直方
向から光を取り出す場合、双方の基板或いは電極が光を
反射する構成とすることも可能である。同様に、図2及
び図3に示す電界発光素子についても、前記各構成層を
逆の構造に積層したりすることも可能である。さらにこ
の素子の寿命を高めるため、樹脂あるいは金属等の材料
で封じ、大気や水より保護する封止層を形成すること
や、素子自体を真空系中で動作させる構造とすることが
効果的である。
【0137】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何
ら限定されるものではない。なお、以下の実施例におい
て、重合性単量体の番号は表1中の化合物番号を表し、
劣化防止剤の番号は表2中の化合物番号を表し、光機能
性化合物の番号は表3〜29中の化合物番号を表し、ベ
ンジジン化合物の番号は表31〜32中の化合物番号を
表す。
【0138】実施例1 先ず、厚さ150nmのITO膜を5mm×5mmで設
けたガラス基板を用意し、プラズマ洗浄機(サムコイン
ターナショナル社製BP1)を用いて酸素プラズマにて
30秒間洗浄した。
【0139】次に、下記式(31):
【0140】
【化30】 で表される電荷輸送材料(飽和カロメル電極(SCE)
に対する酸化電位:0.88V)30mg、下記式(3
2):
【0141】
【化31】 で表されるイソシアネート20mg、劣化防止剤(II−
16)2mg及びトリス(4−ブロモフェニル)アンモ
ニウムヘキサクロロアンチモネート(TBAHA)5m
gをジクロロメタン1mlに溶解した溶液を、回転数3
00rpmで上記の基板上にスピンコートした後、12
0℃で1時間加熱して硬化させることにより正孔注入輸
送層(膜厚:700nm)を形成した。
【0142】次いで、トリス(8−ヒドロキシノリン)
アルミニウム(Alq)を上記の正孔注入輸送層上に膜
厚50nmとなるように真空蒸着して発光層を形成し、
さらにマグネシウム・銀合金膜を膜厚200nmとなる
ように蒸着して目的の有機電界発光素子を得た。
【0143】得られた有機電界発光素子のITO膜を陽
極、マグネシウム・銀合金膜を陰極として、7Vの直流
電圧を印加したときの電流密度及び輝度を測定した。ま
た、100cd/m2で100時間経過したときのブラ
ックスポットの発生の有無について評価を行った。得ら
れた結果を表30に示す。
【0144】実施例2 下記式(33):
【0145】
【化32】 で表されるポリマー(重量平均分子量(スチレン換算
値):56000、モノマーの飽和カロメル電極(SC
E)に対する酸化電位:0.79V)50mg、上記式
(32)で表される化合物5mg、劣化防止剤(II−1
9)2mg及びトリス(4−ブロモフェニル)アンモニ
ウムヘキサクロロアンチモネート(TBAHA)5mg
をジクロロメタン1mlに溶解した溶液を、回転数10
00rpmで実施例1と同様の基板上にスピンコートし
た後、120℃で1時間加熱して硬化させることにより
正孔注入輸送層(膜厚:700nm)を形成した。
【0146】次いで、トリス(8−ヒドロキシノリン)
アルミニウム(Alq)を上記の正孔注入輸送層上に膜
厚50nmとなるように真空蒸着して発光層を形成し、
さらにマグネシウム・銀合金膜を膜厚200nmとなる
ように蒸着して目的の有機電界発光素子を得た。
【0147】得られた有機電界発光素子のITO膜を陽
極、マグネシウム・銀合金膜を陰極として、7Vの直流
電圧を印加したときの電流密度及び輝度を測定した。ま
た、100cd/m2で100時間経過したときのブラ
ックスポットの発生の有無について評価を行った。得ら
れた結果を表30に示す。
【0148】実施例3 下記式(34):
【0149】
【化33】 で表される化合物(飽和カロメル電極(SCE)に対す
る酸化電位:0.79V)500mg、劣化防止剤(II
−9)2mg、トリス(4−ブロモフェニル)アンモニ
ウムヘキサクロロアンチモネート(TBAHA)50m
g及び1規定塩酸2mgをブタノール20mlに溶解し
た溶液を、回転数300rpmで実施例1と同様の基板
上にスピンコートした後、120℃で1時間加熱して硬
化させることにより正孔注入輸送層(膜厚:500n
m)を形成した。
【0150】次いで、トリス(8−ヒドロキシノリン)
アルミニウム(Alq)を上記の正孔注入輸送層上に膜
厚50nmとなるように真空蒸着して発光層を形成し、
さらにマグネシウム・銀合金膜を膜厚200nmとなる
ように蒸着して目的の有機電界発光素子を得た。
【0151】得られた有機電界発光素子のITO膜を陽
極、マグネシウム・銀合金膜を陰極として、7Vの直流
電圧を印加したときの電流密度及び輝度を測定した。ま
た、100cd/m2で100時間経過したときのブラ
ックスポットの発生の有無について評価を行った。得ら
れた結果を表30に示す。
【0152】実施例4 TBAHAの代わりに2,3−ジクロロ−5,6−ジシ
アノ−p−ベンゾキノン(DDQ、飽和カロメル電極
(SCE)に対する酸化電位:0.52V)を用い、正
孔注入輸送層の膜厚を100nmとしたこと以外は実施
例3と同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0153】得られた有機電界発光素子のITO膜を陽
極、マグネシウム・銀合金膜を陰極として、7Vの直流
電圧を印加したときの電流密度及び輝度を測定した。ま
た、100cd/m2で100時間経過したときのブラ
ックスポットの発生の有無について評価を行った。得ら
れた結果を表30に示す。
【0154】実施例5 発光層の形成において、ポリ[2−メトキシ−5−(2
−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレ
ン]10mgをジクロロメタン1mlに溶解した溶液を
用い、この溶液を回転数1000rpmでスピンコート
し、120℃で1時間加熱して膜厚60nmの発光層を
成膜したこと以外は実施例3と同様にして有機電界発光
素子を作製した。
【0155】得られた有機電界発光素子のITO膜を陽
極、マグネシウム・銀合金膜を陰極として、7Vの直流
電圧を印加したときの電流密度及び輝度を測定した。ま
た、100cd/m2で100時間経過したときのブラ
ックスポットの発生の有無について評価を行った。得ら
れた結果を表30に示す。
【0156】実施例6 発光層の形成において、ポリ[2−メトキシ−5−(2
−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレ
ン]10mgをジクロロメタン1mlに溶解した溶液を
用い、この溶液を回転数1000rpmでスピンコート
し、120℃で1時間加熱して膜厚60nmの発光層を
成膜したこと以外は実施例2と同様にして有機電界発光
素子を作製した。
【0157】得られた有機電界発光素子のITO膜を陽
極、マグネシウム・銀合金膜を陰極として、7Vの直流
電圧を印加したときの電流密度及び輝度を測定した。ま
た、100cd/m2で100時間経過したときのブラ
ックスポットの発生の有無について評価を行った。得ら
れた結果を表30に示す。
【0158】比較例1 上記式(33)で表されるポリマー50mg、上記式
(32)で表されるイソシアネート5mg、下記式(3
5):
【0159】
【化34】 で表される劣化防止剤2mg及びトリス(4−ブロモフ
ェニル)アンモニウムヘキサクロロアンチモネート(T
BAHA)5mgをジクロロメタン1mlに溶解した溶
液を、回転数300rpmで実施例1と同様の基板上に
スピンコートした後、120℃で1時間加熱して硬化さ
せることにより正孔注入輸送層(膜厚:500nm)を
形成した。
【0160】次いで、ポリ[2−メトキシ−5−(2−
エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレ
ン]10mgをジクロロメタン1mlに溶解した溶液を
用い、この溶液を回転数1000rpmでスピンコート
し、120℃で1時間加熱して膜厚60nmの発光層を
形成し、さらにマグネシウム・銀合金膜を膜厚200n
mとなるように蒸着して目的の有機電界発光素子を得
た。
【0161】得られた有機電界発光素子のITO膜を陽
極、マグネシウム・銀合金膜を陰極として、7Vの直流
電圧を印加したときの電流密度及び輝度を測定した。ま
た、100cd/m2で100時間経過したときのブラ
ックスポットの発生の有無について評価を行った。得ら
れた結果を表30に示す。
【0162】比較例2 劣化防止剤(II−9)の代わりに上記式(34)で表さ
れる劣化防止剤10mgを用いたこと以外は実施例5と
同様にして有機電界発光素子を作製した。
【0163】得られた有機電界発光素子のITO膜を陽
極、マグネシウム・銀合金膜を陰極として、7Vの直流
電圧を印加したときの電流密度及び輝度を測定した。ま
た、100cd/m2で100時間経過したときのブラ
ックスポットの発生の有無について評価を行った。得ら
れた結果を表30に示す。
【0164】
【表30】
【0165】(テープ剥離試験)実施例5、6及び比較
例1、2の有機電界発光素子について、以下の手順でテ
ープ剥離試験を行った。
【0166】先ず、各有機電界発光素子において、マグ
ネシウム・銀合金膜を形成する前の素子の状態で、粘着
テープ(日東電工社製ポリエステル粘着テープNo.3
1B、幅10mm)をITO膜の全面に貼付した。次
に、貼付した面に対して90度の方向に粘着テープを勢
いよく剥がす操作を3回繰り返し、各層間での剥離の有
無を観察した。
【0167】上記の試験の結果、実施例5、6の有機電
界発光素子においては、剥離の発生は認められず、十分
に高い付着性を有していることが確認された。
【0168】これに対して、比較例1、2の有機電界発
光素子においては、電荷輸送層又は発光層と正孔電荷輸
送層との間に部分的な剥離が認められ、付着性が不十分
であった。
【0169】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の表示デバイ
スにおいては、特に、劣化防止剤と相溶性の低いケイ素
樹脂等を用いた場合であっても、相分離やマイグレーシ
ョンが十分に防止されており、機械的強度と熱・化学的
安定性とを十分に高水準で両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる有機電界発光素子の一例を示す
模式断面図である。
【図2】本発明にかかる有機電界発光素子の一例を示す
模式断面図である。
【図3】本発明にかかる有機電界発光素子の一例を示す
模式断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…陽極、3…正孔注入層、4…発光層、5
…陰極、6…正孔輸送層、7…電子輸送層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K007 AB02 AB11 AB14 AB15 AB18 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01 4J035 AA02 BA02 BA12 BA13 CA062 CA112 CA142 CA162 CA192 EA01 EB10 JA02 LA02 LB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する2つの電極と、前記2つの電極
    の間に配置された有機層とを備える表示デバイスであっ
    て、 前記有機層が、重合性単量体及び光機能性化合物からな
    る群より選ばれる少なくとも1種と、 反応性基を有する劣化防止剤とを反応せしめて得られる
    複合体を含有することを特徴とする表示デバイス。
  2. 【請求項2】 前記有機層が前記重合性単量体と前記劣
    化防止剤とを反応せしめて得られる複合体を含有し、前
    記重合性単量体が下記一般式(1): W[−SiR3-aab (1) [式(1)中、Wは2価以上の有機基を表し、Rは水素
    原子、アルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基
    を表し、Qは加水分解性基を表し、aは1〜3の整数を
    表し、bは2以上の整数を表す]で表される化合物であ
    ることを特徴とする、請求項1に記載の表示デバイス。
  3. 【請求項3】 前記劣化防止剤が、下記一般式(2): −SiR3-aa (2) [式(2)中、Rは水素原子、アルキル基又は置換若し
    くは無置換のアリール基を表し、Qは加水分解性基を表
    し、aは1〜3の整数を表す]で表される官能基を有す
    ることを特徴とする、請求項1又は2に記載の表示デバ
    イス。
  4. 【請求項4】 前記有機層が前記光機能性化合物と前記
    劣化防止剤とを反応せしめて得られる複合体を含有し、
    前記光機能性化合物が下記一般式(3): W’[−D−SiR’3-a'Q’a'b' (3) [式(3)中、W’は1〜4価の光機能性有機基を表
    し、Dは2価の基を表し、R’は水素原子、アルキル基
    又は置換若しくは無置換のアリール基を表し、Q’は加
    水分解性基を表し、a’は1〜3の整数を表し、b’は
    1〜4の整数を表す]で表される化合物であることを特
    徴とする、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の
    表示デバイス。
  5. 【請求項5】 前記有機層が、前記重合性単量体と前記
    光機能性化合物と前記劣化防止剤とを反応せしめて得ら
    れる複合体を含有することを特徴とする、請求項1〜4
    のうちのいずれか一項に記載の表示デバイス。
  6. 【請求項6】 前記2つの電極に電圧を印加することに
    より発光することを特徴とする、請求項1〜5のうちの
    いずれか一項に記載の表示デバイス。
JP2001114234A 2001-04-12 2001-04-12 表示デバイス Pending JP2002313577A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001114234A JP2002313577A (ja) 2001-04-12 2001-04-12 表示デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001114234A JP2002313577A (ja) 2001-04-12 2001-04-12 表示デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002313577A true JP2002313577A (ja) 2002-10-25

Family

ID=18965337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001114234A Pending JP2002313577A (ja) 2001-04-12 2001-04-12 表示デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002313577A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007520858A (ja) * 2003-12-19 2007-07-26 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 光学装置
JP2009280822A (ja) * 2009-07-03 2009-12-03 Honeywell Internatl Inc フォトリソグラフィ用のスピンオングラス反射防止性コーティング
JP2010018776A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Samsung Mobile Display Co Ltd ポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0384892A (ja) * 1989-08-25 1991-04-10 Seiko Epson Corp 発光素子
JPH03191358A (ja) * 1989-12-15 1991-08-21 Xerox Corp 官能性ハイブリッド化合物およびゾル―ゲル法による薄膜
JPH09279135A (ja) * 1996-04-17 1997-10-28 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 電界発光素子
JPH09324176A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Casio Comput Co Ltd 電界発光素子
JPH1095787A (ja) * 1996-07-17 1998-04-14 Fuji Xerox Co Ltd シラン化合物及びその製造方法
JPH10255981A (ja) * 1997-03-13 1998-09-25 Sumitomo Chem Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH1138656A (ja) * 1996-07-17 1999-02-12 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体
JPH11236391A (ja) * 1997-12-19 1999-08-31 Fuji Xerox Co Ltd 光機能性有機けい素化合物およびその製造方法
JP2000214602A (ja) * 1999-01-25 2000-08-04 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2000256565A (ja) * 1999-03-08 2000-09-19 Idemitsu Kosan Co Ltd 蛍光変換膜用樹脂組成物、蛍光変換膜およびカラー化有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2000273316A (ja) * 1999-03-26 2000-10-03 Idemitsu Kosan Co Ltd 蛍光媒体、蛍光媒体の製造方法および蛍光媒体を用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2000306669A (ja) * 1999-04-20 2000-11-02 Canon Inc 有機発光素子
JP2001013707A (ja) * 1999-07-01 2001-01-19 Konica Corp 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Patent Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0384892A (ja) * 1989-08-25 1991-04-10 Seiko Epson Corp 発光素子
JPH03191358A (ja) * 1989-12-15 1991-08-21 Xerox Corp 官能性ハイブリッド化合物およびゾル―ゲル法による薄膜
JPH09279135A (ja) * 1996-04-17 1997-10-28 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 電界発光素子
JPH09324176A (ja) * 1996-06-05 1997-12-16 Casio Comput Co Ltd 電界発光素子
JPH1138656A (ja) * 1996-07-17 1999-02-12 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体
JPH1095787A (ja) * 1996-07-17 1998-04-14 Fuji Xerox Co Ltd シラン化合物及びその製造方法
JPH10255981A (ja) * 1997-03-13 1998-09-25 Sumitomo Chem Co Ltd 有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH11236391A (ja) * 1997-12-19 1999-08-31 Fuji Xerox Co Ltd 光機能性有機けい素化合物およびその製造方法
JP2000214602A (ja) * 1999-01-25 2000-08-04 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2000256565A (ja) * 1999-03-08 2000-09-19 Idemitsu Kosan Co Ltd 蛍光変換膜用樹脂組成物、蛍光変換膜およびカラー化有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2000273316A (ja) * 1999-03-26 2000-10-03 Idemitsu Kosan Co Ltd 蛍光媒体、蛍光媒体の製造方法および蛍光媒体を用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2000306669A (ja) * 1999-04-20 2000-11-02 Canon Inc 有機発光素子
JP2001013707A (ja) * 1999-07-01 2001-01-19 Konica Corp 電子写真感光体と、該感光体を用いた電子写真画像形成装置、及びプロセスカートリッジ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007520858A (ja) * 2003-12-19 2007-07-26 ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド 光学装置
JP2010018776A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Samsung Mobile Display Co Ltd ポリシルセスキオキサン共重合体、その製造方法、これを利用するポリシルセスキオキサン共重合体薄膜、及びこれを利用する有機電界発光表示装置
JP2009280822A (ja) * 2009-07-03 2009-12-03 Honeywell Internatl Inc フォトリソグラフィ用のスピンオングラス反射防止性コーティング

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100822417B1 (ko) 유기 전계발광 소자
KR101031719B1 (ko) 유기 전기발광 소자용 재료 및 그것을 이용한 유기전기발광 소자
EP1612202B1 (en) Aromatic amine derivative and organic electroluminescent element employing the same
EP0610514B1 (en) Charge injection assistant and organic electroluminescence device containing the same
JP3564859B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
US7705183B2 (en) Aromatic amine derivative and organic electroluminescence device employing the same
KR100934068B1 (ko) 신규한 스티릴 화합물 및 유기 전기발광 소자
US20050175857A1 (en) Novel blue emitters for use in organic electroluminescence devices
WO2004101491A1 (ja) アリールアミン化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
WO2004083162A1 (ja) 芳香族アミン誘導体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2009194042A (ja) カルバゾリル基を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子用電荷輸送材料およびその用途
JP2003201472A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料およびそれを使用した有機エレクトロルミネッセンス素子
US9024304B2 (en) Naphthalene derivative, organic material including the same, and organic electroluminescent device including the same
JPH10265478A (ja) イミダゾール金属錯体及びそれを用いた有機電界発光素子
JP2000150168A (ja) 耐熱性低抵抗正孔輸送材料および有機薄膜発光素子
WO2006030527A1 (ja) 芳香族アミン誘導体及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3693224B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP3700916B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2924810B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
JP2002313577A (ja) 表示デバイス
JP2008021575A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子および該素子の製造方法
JP4028996B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子
JPH08231950A (ja) 有機電界発光素子
JP3340687B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス素子
KR100841253B1 (ko) 방향족 아민 화합물 및 이를 이용한 유기 전기발광 소자

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040916

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080115