JP2574363Y2 - 脱穀装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、全稈投入型の扱室から
漏下供給される被選別物を受止め処理するグレンパン
を、その揺動に伴って被選別物が扱胴本体の回転軸芯方
向に搬送される状態で選別部に設け、前記選別部からの
２番物を前記グレンパンに戻す２番物還元用コンベアを
設け、前記２番物還元用コンベアの吐出口を、その吐出
口からの放出方向が前記扱胴本体の下側部分の回転方向
と逆になる状態で前記グレンパンの横一側方に配置した
脱穀装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、上記脱穀装置においてグレンパン
を、例えば実開平３‐５０８３４号公報中に示されるよ
うに左右方向において水平な形状に形成していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、扱室を、刈取
穀稈の稈身部と穂先部との全体にわたって供給されて脱
穀処理するように全稈投入型に構成してあるから、さら
に、扱室から漏下供給される被選別物を受止め処理する
グレンパンをその揺動に伴って被選別物が扱胴本体の回
転軸芯方向に搬送される状態で設けるとともに、２番物
還元用コンベアの吐出口を、その吐出口からの放出方向
が扱胴本体の下側部分の回転方向と逆になる状態でグレ
ンパンの横一側方に配置してあるから、図７に示すよう
に、グレンパン１３に対して扱室２からは扱胴本体５の
回転の影響で横一側方に偏って、かつ、コンベア１０か
らは吐出口１０ａの配置の影響で横他側方に偏って被選
別物が供給され、グレンパン１３への被選別物の供給分
布が選別効率の低い横側に偏るとともにグレンパン１３
の左右方向において不均一になりやすく、選別性能向上
の面から改良の余地があった。本考案の目的は、グレン
パンの簡単な改造によりグレンパン上の被選別物の分布
を左右方向において均等化できるようにし、選別性能向
上を図る点にある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案による脱穀装置の
特徴構成は、全稈投入型の扱室から漏下供給される被選
別物を受止め処理するグレンパンを、その揺動に伴って
被選別物が扱胴本体の回転軸芯方向に搬送される状態で
前記扱室の始端部の下方に位置させて選別部に設け、前
記選別部からの２番物を前記グレンパンに戻す２番物還
元用コンベアを設け、前記２番物還元用コンベアの吐出
口を、その吐出口からの放出方向が前記扱胴本体の下側
部分の回転方向と逆になる状態で前記グレンパンの横一
側方に配置し、かつ、前記グレンパンの少なくとも両横
側部分を中央側ほど低くなる傾斜面に形成してあること
にある。

【０００５】

【作用】つまり、扱室と２番物還元用コンベアからグレ
ンパン上に左右に偏った状態で供給された被選別物を、
グレンパンの揺動による搬送に伴ってグレンパン両横側
部分の傾斜面の作用でグレンパン左右中央側に移動させ
ることができ、グレンパン上での被選別物の分布を左右
方向において均等化でき、選別性能を十分に向上でき
る。グレンパン上で被選別物が左右方向において均等な
分布になれば、揺動選別手段におけるチャフシーブな
ど、被選別物をグレンパンから供給されて選別処理する
ようにグレンパン以後に位置する選別処理部においても
被選別物が左右方向に極力均等に分布しながら選別処理
されることになり、チャフシーブなどグレンパン以後で
被選別物が均等分布になるに比し、揺動選別手段や選別
部の前後長さを極力短くしながら被選別物を選別性能の
よい状態で選別処理できる。しかも、グレンパンの両横
側部分を中央側ほど低くなる傾斜面に形成するだけの簡
単な改造を施すだけでよいから、コストアップ上昇を十
分に抑制できる。

【０００６】

【考案の効果】その結果、全稈投入型の割りには、コス
トアップを十分に抑制しながら、揺動選別手段や選別部
の面からコンパクト化を図りながら、選別性能向上を実
現できる、一段と優れた脱穀装置を提供できるようにな
った。

【０００７】

【実施例】全稈投入型コンバインの軸流型脱穀装置を構
成するに、図１に示すように、刈取部から穀稈供給する
フィードコンベア１に連通した扱室２を、刈取穀稈が稈
身部と穂先部との全体にわたって供給されて脱穀処理す
るように全稈投入型に構成した状態でケース内上部に形
成し、扱室２の下方に選別部３を配置し、扱室２から選
別部３に穀粒を漏下供給する受網４を設けてある。

【０００８】扱室２内に扱胴本体５を前後向きの駆動回
転軸で取付け、扱胴本体５の外周面に螺旋状扱歯６を全
長にわたってかつ同芯状に取付け、螺旋状扱歯６を形成
するに、スクリュー６ａの先端側に多数の扱歯６ｂを適
当間隔で突出付設し、扱胴本体５の駆動回転に伴って螺
旋状扱歯６の作用で穀稈を脱穀処理するとともに後方に
移送するように構成してある。

【０００９】選別部３に、扱室２の始端部の下方に位置
するグレンパン９を有する揺動選別手段３ａ、風選用唐
箕３ｂ、１番物回収用スクリューコンベア７、２番物還
元用スクリューコンベア８を設け、受網４から落下供給
される穀粒を揺動選別手段３ａにより処理し、揺動選別
手段３ａから落下供給される穀粒を唐箕３ｂの作用で風
選処理し、脱穀粒を１番物回収用スクリューコンベア７
からグレンタンクに送るように構成し、選別不十分な２
番物を２番物還元用スクリューコンベア８から揺動選別
手段３ａのグレンパン９にバケットコンベア１０により
戻すように構成してある。

【００１０】図２に示すように、バケットコンベア１０
の吐出口１０ａをグレンパン９の横一側方に、吐出口１
０ａからの放出方向が扱胴本体５の下側部分の回転方向
と逆になる状態で配置し、グレンパン９を左右中央側が
低くなる屈曲形状に形成し、扱室２及び吐出口１０ａか
らグレンパン９に左右に偏って供給された被処理物が、
グレンパン９の揺動に伴う搬送時にグレンパン９の傾斜
面の作用により左右中央側に移動して、グレンパン９上
の被選別物の分布が左右方向において均等化されるよう
に構成してある。

【００１１】バケットコンベア１０を形成するに、図３
及び図４に示すように、大豆の通過を阻止して泥土の通
過を許容する寸法の長孔を有する多孔板１１をコンベア
ケース１０ｃの底部に設け、支軸１２ａに樹脂製でスタ
ーホイール型の羽根１２ｂを取付けた羽根車１２を、羽
根１２ｂが長孔１１ａに入り込んだ状態で多孔板１１に
付設し、駆動回動されるバケット１０ｂとの引っ掛かり
によって羽根１２ｂが回転され、大豆収穫時にコンベア
ケース１０ｃ内の泥土が羽根１２ｂにより確実に掻き出
されるように構成してある。尚、稲や麦などの細かい穀
粒を対象とする場合にもコンバインを適用できるよう
に、多孔板１１を盲板と交換自在に取付けてある。

【００１２】〔別実施例〕 バケットコンベア１０に代えてスクリューコンベア等の
搬送手段を設けてもよく、それらを２番物還元用コンベ
ア１０と総称する。

【００１３】グレンパン９の形状は、例えば図５に示す
ように、中央部９ａが左右方向において水平で、両横側
９ｂ，９ｃが中央側ほど低い傾斜面になる屈曲形状でも
よく、図６に示すように、左右中央側ほど低くなるよう
に滑らかに湾曲した形状でもよく、要するに、グレンパ
ン９の少なくとも両横側部分を中央側ほど低くなる傾斜
面に形成してあればよい。

【００１４】本考案は脱穀専用機にも適用できる。

【００１５】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にするために符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】脱穀選別部の縦断側面図

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図

【図３】２番物還元用コンベアの部分断面図

【図４】図３のＢ−Ｂ断面図

【図５】別実施例の要部断面図

【図６】さらに別の実施例の要部断面図

【図７】従来例の要部断面図

【符号の説明】

２ 扱室 ３ 選別部 ５ 扱胴本体 ９ グレンパン １０ ２番物還元用コンベア １０ａ 吐出口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) A01F 12/00 - 12/60

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 全稈投入型の扱室（２）から漏下供給さ
   れる被選別物を受止め処理するグレンパン（９）を、そ
   の揺動に伴って被選別物が扱胴本体（５）の回転軸芯方
   向に搬送される状態で前記扱室（２）の始端部の下方に
   位置させて選別部（３）に設け、前記選別部（３）から
   の２番物を前記グレンパン（９）に戻す２番物還元用コ
   ンベア（１０）を設け、前記２番物還元用コンベア（１
   ０）の吐出口（１０ａ）を、その吐出口（１０ａ）から
   の放出方向が前記扱胴本体（５）の下側部分の回転方向
   と逆になる状態で前記グレンパン（９）の横一側方に配
   置し、かつ、前記グレンパン（９）の少なくとも両横側
   部分を中央側ほど低くなる傾斜面に形成してある脱穀装
   置。