JPH068675Y2 - スクリユ−型脱穀装置におけるチヤフシ−ブ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案はコンバインの中でも、特に穀稈全体を扱室に投
入して脱穀処理する普通型コンバインの脱穀装置に関す
るものである。

（ロ）従来技術 スクリューオーガーやチャフシーブを設けた脱穀装置に
関する技術は公知とされているのである。例えば実開昭
６１−１１５０３６号公報に記載の技術の如くである。

また、自脱形コンバインにおいて揺動選別装置後部を、
中央を凹部とした形状とした点は、実公昭６２−７０７
８号公報に記載の技術が公知とされているのである。

また、従来から自脱型コンバインに搭載する扱歯式脱穀
装置の揺動選別装置において、チャフシーブ上の被選別
物の落下位置の偏在を解消する為に、ガイド板を設ける
技術は公知とされているのである。

例えば実公昭５７−３１７０６号公報や実開昭５２−１
７７９５号公報の如き技術が公知とされているのであ
る。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 本考案は、扱歯により穂先部のみを脱穀する装置ではな
く穀稈全体を扱室内に投入して脱穀する普通型コンバイ
ンの脱穀装置に関するものである。特に扱胴をスクリュ
ーオーガーに構成した普通型コンバインの脱穀装置に関
するものである。

扱歯式の場合には、揺動式選別装置の内でフィードチェ
ーンと逆の側の部分の上に特に沢山の被選別物が落下す
る傾向があり、従来から該偏りを無くすべくガイド板等
を設ける技術があったのである。

しかし普通型の脱穀装置の場合には、フィードチェーン
がなく穀稈全体が内部を回転したりスクリューオーガー
により送られたりするので、従来の扱歯式で穂先部のみ
を脱穀する場合とは違った状態を発生するのである。

即ちクリンプ綱２の左右端から揺動選別装置の左右端に
偏って被選別物が落下する傾向にあるのである。

本考案はこのスクリューオーガーの場合に発生する揺動
選別装置上の両側の被選別物の偏りを無くすべく構成し
たものである。

また偏りを無くす為にＶ字型または円弧型に構成したに
も関わらず、チャフシーブフィンの搬送量の調整を可能
とすべく、チャフシーブフィン３の１本ずつを前後に角
度調整可能に上端を枢支したものである。

（ニ）問題を解決するための手段 本考案の目的は以上の如くであり、次に該目的を達成す
るための構成を説明する。

扱胴１の周囲にスクリューオーガー１ａを巻設し、該ス
クリューオーガー１ａとクリンプ網２との間に、穀稈全
体を投入し脱穀するスクリュー型脱穀装置において、ク
リンプ網２の下方に前後にわたりチャフシーブフィン３
を長く配置し、該チャフシーブフィン３の１本ずつを前
後に角度調整可能とし、該チャフシーブフィン３を、中
央を凹部としたＶ字型または円弧型としたものである。

（ホ）作用 本考案の構成は以上の如くであり、次の如く作用するも
のである。

扱胴１にスクリューオーガー１ａを付設し穀稈全体を扱
室内で脱穀処理する普通型コンバイン用の脱穀装置にお
いては、クリンプ綱２の全面から略均等に被選別物が落
下するのである。

しかしクリンプ綱２が円弧状に張設されているので、第
２図の如くチャフシーブを左右に幅ａだけ三等分する
と、その上に位置するクリンプ綱２の幅は、チャフシー
ブの左右の幅ａの上のクリンプ綱２が幅ｂであるのに対
して、中央の幅ａの上方のクリンプ網２の該当する幅ｃ
はｂ＞ｃとなり、該大きな幅ｂの部分から落下する穀粒
が断然多くなるのである。

該構成から発生するチャフシーブの上の左右に出来る被
選別物の山を、本考案においてはチャフシーブフィン３
をＶ字型または円弧型に構成することにより解消してい
るものである。

（ヘ）実施例 本考案の目的・構成・作用は以上の如くであり、次に添
付の図面に示した実施例の構成を説明する。

第１図は本考案のチャフシーブ部分の分解斜視図、第２
図はチャフシーブフィン３をＶ字型に構成した実施例の
前面断面図、第３図はチャフシーブフィン３を円弧型に
構成した実施例の前面断面図、第４図は普通型コンバイ
ンの脱穀装置を示す側面図、第５図は普通型コンバイン
の内部を示す平面図である。

第４図，第５図において普通型コンバインの全体構成に
ついて説明する。

普通型コンバインはクローラー式走行装置の前部にリー
ル式引起し装置と、刈刃と、掻き寄せオーガー等により
構成された刈取搬送プラットフォームＡが配置されてい
る。

該刈取搬送プラケットフォームＡの後部に、掻き上げ装
置Ｂが配置されており、刈取搬送プラケットフォームＡ
により刈取搬送した穀稈全体を掻き上げ装置Ｂにより脱
穀装置Ｄの扱室に投入するのである。

本考案の要部は該穀物装置Ｄの扱胴１にスクリューオー
ガー１ａを設けた構成に関するものである。

従来の扱歯式でフィードチェーンを配置した自動脱穀基
の場合には、穀稈をフィードチェーンが挟持して離さな
いので、フィードチェーン側のクリンプ綱は該フィード
チェーンにより挟持された穀稈により覆われており、綱
目が潰されているので該部分からは被選別物が落下しな
いのである。逆にフィードチェーンと逆の側は穀稈によ
り覆われていないので、主として被選別物が該部分から
落下することにより、一方のみの偏り状態が発生するの
である。

これに対して、穀稈をまるごとスクリューオーガー１ａ
により脱穀処理する普通型コンバインの脱穀装置におい
ては、穀稈と穂先部が共に扱室の内部を回転したり移動
したりするので、クリンプ綱の一方が穀稈により潰され
るということがなく、クリンプ網２全面にわたり略均一
に被選別物が落下するのである。

しかし、円弧状に張ったクリンプ網２を平面的に見る
と、左右端部に行く程、展開した状態のクリンプ網２の
面積が増加するので、該左右端の部分が最も多く被選別
物が落下するのである。

該揺動選別装置の左右端部において被選別物が偏って落
下するという状態で選別を行うと、穀粒の多い部分にお
いては選別容量を超えてしまい、選別性能が低下し、中
央の穀粒の少ない部分では、穀粒の量が少ないことによ
り充分な選別な出来ないという不具合があるのである。

本考案は該不具合を無くすべく、左右端部の被選別物の
山を中央部に移動させる為の構成である。

扱胴１とスクリューオーガー１ａの回転により、クリン
プ網２との間で摩擦を受けて脱粒された被選別物はクリ
ンプ綱２から落下するのである。

そして扱室の入口側で最初に落下した被選別物はグレイ
ンパン１０の上に落下し、該グレインパン１０上にて比
重選別した後に、精粒は選別網４の上に落下して、該選
別綱４により粒径選別された後に、選別ファン１１によ
る風選を受けながら、１番コンベア１２または２番コン
ベア１３の上に落下するのである。

またグレインパン１０の上で浮き上がった藁屑は、チャ
フシーブフィーン３の上に受け継がれて、チャフシーブ
による選別を受けるのである。

また扱胴１の後部に至り脱粒された被選別物は、クリン
プ網２から落下すると、グレインパン１０の上には乗ら
ず、直接にチャフシーブフィン３の上に落下するのであ
る。

本考案は該チャフシーブフィン３の形状に関するもので
ある。

次に第１図，第２図，第３図について説明する。

脱穀装置の側板６，６に接近した位置で、揺動選別装置
の左右板５，５が上下に揺動するのである。該左右板
５，５の内側にチャフシーブフィン取付板１５ｂ，１５
ｂが設けられ、更にその内側にフィン角度調整板１５
ａ，１５ａを介装し、該フィン角度調整板１５ａ，１５
ａに、前後に重複状態で併置された複数本のチャフシー
ブフィン３を、前後に角度調整可能に上端を枢支して配
置しているのである。

オペレーターが運転席の部分からレバーにより操作する
ことにより、フィン角度調整板１５ａ，１５ａが移動し
て、該チャフシーブフィン３の前後への傾斜角が変化す
るものである。

そして本考案において要部は該チャフシーブフィン３を
前後から見た場合に、中央部が低いＶ字型または円弧型
に構成したものである。

該構成としたことにより、チャフシーブの上の左右端に
偏った落下してくる被選別物を、揺動選別装置の動きに
より徐々に中央に移動することができるものである。

（ト）考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏
するものである。

第１に、揺動選別装置上の左右両側に偏って落下する被
選別物を、Ｖ字型または円弧型に構成したチャフシーブ
フィン３の上の往復揺動運動により、徐々に後方へ送り
ながらチャフシーブフィン３の傾斜に沿って中央部分に
移送することができ、左右端における選別容量以上の被
選別物の堆積による選別性能の不良と、中央部に被選別
物が少な過ぎることによる、過剰選別による選別性能の
低下を、均一化することにより解消することが出来たも
のである。

第２に、チャフシーブフィン３のＶ字型または円弧型に
構成したものでありながら、チャフシーブフィン３を構
成する１本ずつを、前後に角度調整可能に枢支したの
で、チャフシーブフィン３の送り速度を調整することが
可能となり、選別性能の調整を行うことが出来るのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のチャフシーブ部分の分解斜視図、第２
図はチャフシーブフィン３をＶ字型に構成した実施例の
前面断面図、第３図はチャフシーブフィン３を円弧型に
構成した実施例の前面断面図、第４図は普通型コンバイ
ンの脱穀装置を示す側面図、第５図は普通型コンバイン
の内部を示す平面図である。 Ａ……掻込搬送プラットフォーム Ｂ……掻き上げ装置 １……扱胴 １ａ……スクリューオーガー ２……クリンプ網 ３……チャフシーブフィン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】扱胴１の周囲にスクリューオーガー１ａを
   巻設し、該スクリューオーガー１ａとクリンプ網２との
   間に、穀稈全体を投入し脱穀するスクリュー型脱穀装置
   において、クリンプ網２の下方に前後にわたりチャフシ
   ーブフィン３を長く配置し、該チャフシーブフィン３の
   １本ずつを前後に角度調整可能とし、該チャフシーブフ
   ィン３を、中央を凹部としたＶ字型または円弧型とした
   ことを特徴とするスクリュー型脱穀装置におけるチャフ
   シーブ。