JPH046520Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えば未刈り穀稈掻込み用リール並び
に刈刃などを有する穀物ヘツダーと、刈取り穀稈
供給ベルトを内設していて前記ヘツダーに連設さ
せる供給室と、扱胴及びビータなどの脱穀処理回
転体並びに穀物選別機構を有していて前記供給室
に連設させる脱穀部とを備え、前記脱穀部の扱室
に刈取り穀稈を連続的に投入して脱粒するコンバ
インの脱穀装置に関するものである。

「従来の技術」 従来、実開昭57−203740号公報に示す如く、脱
穀粒搬送体の後方下方に上段及び下段選別盤を設
ける技術があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来技術は、前記搬送体からの脱穀粒の全
てが上段選別盤に送られ、上段及び下段選別盤を
介してこの下方に穀粒を落下させるものであつた
から、上段選別盤の選別能率を低減させ易く、こ
の能率向上を図ることによつて選別損失を増大さ
せ易く、大型化による脱穀処理能力の向上などを
容易に図り得ない等の問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、扱胴などで脱穀処理された
脱穀粒を後方の選別盤に搬送する脱穀粒搬送体を
備えると共に、該搬送体の後方下方に上段及び下
段選別盤を設けるコンバインの脱穀装置におい
て、前記搬送体送り終端を上段選別盤上面に連通
開放させると共に、前記搬送体送り途中に設ける
穀粒漏下部を上段選別盤前端部よりも前方に配設
させ、穀粒漏下部からの脱粒物を下段選別盤上面
に風選移動させるように構成したことを特徴とす
るものである。

「作用」 従つて、前記搬送体と穀粒漏下部によつて粗選
別を行い、藁屑の多い脱粒物を搬送体終端側から
上段選別盤に送込み、穀粒の多い脱粒物を前記漏
下部から落下させて下段選別盤に風選移動させる
から、上段選別盤によつて藁屑を主対称として選
別させ得、下段選別盤によつて穀粒を主対称とし
て選別させ得、選別主体の区分けによつて選別精
度を容易に向上させ得、従来に比べて選別能率の
向上並びに選別損失の低減を容易に行い得、脱穀
処理能力を向上させて大型化などを容易に図り得
るものである。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は全体の側面図、第２図は同平面図で
あり、図中１は前部駆動輪２及び後部操向輪３を
装備する機台、４は脱穀処理機構５及び穀物選別
機構６を備えていて前記機台１に搭載する脱穀
部、７は揚穀筒８を介して取出す脱穀部４の穀粒
を溜める穀物タンク、９は前記脱穀部４の下部前
方に油圧シリンダ１０を介して昇降可能に装設す
る刈取部、１１は運転席１２及び操向ハンドル１
３を備えていて前記脱穀部４の上部前方に固設さ
せる運転台である。

そして前記刈取部９は、未刈り穀稈を取入れる
穀物ヘツダー１４と、該ヘツダー１４の後部中央
に連結させて刈取り穀稈を脱穀部４に送給する供
給室１５とによつて構成すると共に、未刈り穀稈
掻込み用リール１６及び往復駆動型刈刃１７及び
穀稈掻込オーガ１８とを前記穀物ヘツダー１４に
備え、また前記供給室１５に刈取り穀稈供給ベル
ト１９を内設させ、前記穀物ヘツダー１４中央部
から送込まれる刈取り穀稈を前記ベルト１９によ
つて脱穀部４に送給するように構成する。

第３図に示す如く、前記脱穀処理機構５は扱室
２０に内設するもので、機体進行方向に対し直交
させて各扱胴軸２１，２２，２３を前後に複数横
架する脱穀処理回転体である第１乃至第３扱胴２
４，２５，２６と、これら各扱胴２４，２５，２
６間の略中央部にそれぞれビータ軸２７，２８を
介し横架する脱穀処理回転体である第１乃至第２
ビータ２９，３０と、上述各扱胴２４，２５，２
６の下部周側にそれぞれ配設する第１乃至第３コ
ンケーブ３１，３２，３３と、上述各ビータ２
９，３０の下部にぞれぞれ設けて前後のコンケー
ブ３１，３２，３３の送り終端及び始端間に介在
させるビータグレート３４，３５とから構成して
いる。

また、一番及び二番コンベア３６，３７の上方
に横架させて前後に揺動運動する揺動選別盤３８
と、前記選別盤３８に選別風を送給させる唐箕フ
アン３９と、前記扱胴２４などより落下する脱穀
粒を後方の前記選別盤３８に搬送する脱穀粒搬送
体である搬送オーガ４０とで前記穀物選別機構６
を構成し、上段及び下段選別盤であるチヤフシー
ブ４１及びグレンシーブ４２を前記揺動選別盤に
備える。

さらに、前記穀物タンク７は底部に穀粒を外側
に取出すための横排出オーガ４３を設けると共
に、該タンク７後部にエンジン４４などを内設す
るエンジン室４５を連設させている。

第４図乃至第５図に示す如く、前記搬送オーガ
４０は上部位置の第１扱胴２４及びビータ２９と
下部位置の唐箕フアン３９の中間に横３列で且つ
前低後高に傾斜させ配設させたもので、オーガ４
０の下方にこのオーガ樋４６を配備させ前後端を
脱穀側板４７に前後取付板４８，４９及びボルト
５０を介し取外し可能に固定支持させている。ま
た、前記オーガ樋４６は左右両側を脱穀側板４７
にボルト５１を介し取外し自在で且つオーガ４０
との間〓調節自在に取付け、該オーガ４０の後端
部下面に形成する開口に穀粒漏下部である穀粒漏
下網つまりクリンプ網５２を張設し、前記オーガ
４０によつて搬送される搬送物のうち穀粒のみを
前記網５２より下方のグレンシーブ４２送り始端
側に落下させると共に、前記網５２より落下しな
い藁屑など夾雑物を前記樋４６後端より前記チヤ
フシーブ４１の送り始端側に落下させるように構
成している。また、前記オーガ４０の前端部下面
に形成す開口５３には掃除蓋５４が取外し自在に
取付けられていて前記樋４６の掃除を容易とさせ
るように構成している。さらに、前記樋４６の上
端部をオーガ４０の上端部より寸法ｔ低く形成
し、該樋４６よりはみ出る長藁などの搬送も可能
とさせるように構成している。なお、前記オーガ
４０の送り始端部は前記供給室１５と第１コンケ
ーブ３１間に配設するストントラツプ５５に配設
させ、該ストントラツプ５５下位置より前記オー
ガ４０の搬送が行われるように構成している。

上記から明らかなように、扱胴２４などで脱穀
処理された脱穀粒を後方の選別盤３８に搬送する
搬送オーガ４０を備えると共に、該搬送オーガ４
０の後方下方に上段及び下段選別盤であるチヤフ
シーブ４１及びグレンシーブ４２を設けるコンバ
インの脱穀装置において、前記搬送オーガ４０送
り終端を上段のチヤフシーブ４１上面に連通開放
させると共に、前記搬送オーガ４０送り途中に設
ける穀粒漏下用クリンプ網５２を上段のチヤフシ
ーブ４１前端部よりも前方に配設させ、クリンプ
網５２からの脱粒物を下段のグレンシーブ４２上
面に風選移動させるように構成している。

本実施例は上記の如く構成するものであり、前
記穀物ヘツダー１４にリール１６を介して未刈り
穀稈を取入れ、その未刈り穀稈の株元を刈刃１７
によつて切断すると共に、前記ヘツダー１４中央
部から供給室１５に穀稈掻込オーガ１８を介して
刈取り穀稈を送込み、その刈取り穀稈を刈取り穀
稈供給ベルト１９によつて脱穀部４の扱室２０に
送給し、各扱胴２４，２５，２６によつて順次脱
粒し、その脱粒した穀粒を揺動選別盤３８を落下
させる間に選別し、整粒のみを穀物タンク７に取
出すものである。

而して、今第１扱胴２４及びビータ２９で脱穀
され、これらのコンケーブ３１及びビータグレー
ト３４からこの下方に落下する穀粒や藁屑など夾
雑物は、前記オーガ樋４６に落下した後、前記オ
ーガ４０の送り作用でもつてこの後端側に搬送さ
れ前記網５２上を通過する間に穀粒や塵埃が網５
２より漏下し前記グレンシーブ４２上に落下する
と共に、前記網５２より漏下しない藁屑など夾雑
物がこの樋４６後端より前記チヤフシーブ４１上
に落下し、これら各シーブ４１，４２で選別され
る。このように選別物が予め穀粒と夾雑物とに粗
選別されて各シーブ４１，４２にそれぞれ分離さ
せた状態で送り込まれるので、各シーブ４１，４
２の作業負荷を軽減させることができて、穀粒損
失など軽減させ各シーブ４１、４２の選別効果を
向上させることができる。また、前記オーガ４０
による穀粒搬送中においては枝梗付穀粒などにあ
つては該オーガ４０によつ再脱が行われて穀粒
損失を低減させることができると共に、軽量の塵
埃などはオーガ４０の回転によつて攪拌され浮遊
状態となつて穀粒口である一番コンベア３６口に
入り難くなり選別効果の向上が図れる。さらに、
前記網５２の網目を変更させることによつて作物
の品種や発育条件に適応した最適の選別条件のも
のにコントロールできる。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、扱胴
２４などで脱穀処理された脱穀粒を後方の選別盤
３８に搬送する脱穀粒搬送体４０を備えると共
に、該搬送体４０の後方下方に上段及び下段選別
盤４１，４２を設けるコンバインの脱穀装置にお
いて、前記搬送体４０送り終端を上段選別盤４１
上面に連通開放させると共に、前記搬送体４０送
り途中に設ける穀粒漏下部５２を上段選別盤４１
前端部よりも前方に配設させ、穀粒漏下部５２か
らの脱粒物を下段選別盤４２上面に風選移動させ
るように構成したもので、前記搬送体４０と穀粒
漏下部５２によつて粗選別を行い、藁屑の多い脱
粒物を搬送体４０終端側から上段選別盤４１に送
込み、穀粒の多い脱粒物を前記漏下部５２から落
下させて下段選別盤４２に風選移動させるから、
上段選別盤４１によつて藁屑を主対称として選別
させることができ、下段選別盤４２によつて穀粒
を主対称として選別させることができ、選別主体
の区分けによつて選別精度を容易に向上させるこ
とができ、従来に比べて選別能率の向上並びに選
別損失の低減を容易に行うことができ、脱穀処理
能力を向上させて大型化などを容易に図ることが
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体の側面
図、第２図は同平面図、第３図は脱穀部の断面
図、第４図は前図における−線視説明図、第
５図は同部分背面図である。 ２４……扱胴、３８……選別盤、４０……搬送
オーガ（脱穀粒搬送体）、４１……チヤフシーブ
（上段選別盤）、４２……グレンシーブ（下段選別
盤）、５２……クリンプ網（穀粒漏下部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴２４などで脱穀処理された脱穀粒を後方の
   選別盤３８に搬送する脱穀粒搬送体４０を備える
   と共に、該搬送体４０の後方下方に上段及び下段
   選別盤４１，４２を設けるコンバインの脱穀装置
   において、前記搬送体４０送り終端を上段選別盤
   ４１上面に連通開放させると共に、前記搬送体４
   ０送り途中に設ける穀粒漏下部５２を上段選別盤
   ４１前端部よりも前方に配設させ、穀粒漏下部５
   ２からの脱粒物を下段選別盤４２上面に風選移動
   させるように構成したことを特徴とするコンバイ
   ンの脱穀装置。