JPH0356188Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば刈取部及び脱穀部を備え、連続
的に穀稈を刈取つて脱粒するコンバインの脱穀装
置に関する。従来、特公昭57−14124号公報に示
す如く、搬送オーガ後側に処理胴を設け、処理胴
後側に吸排塵フアンを設け、前記オーガにより脱
粒物を後方移動させる技術があつた。

しかし乍ら、前記従来技術は、前記オーガ及び
処理胴及びフアンを同軸上に水平に配設し、処理
胴で穀粒と排塵を分離するだけであつたから、前
記オーガから処理胴に脱粒物が圧送されて処理胴
の負荷を増大させ易く、処理負荷を軽減させる処
理胴構造では選別損失の低減が難しいと共に、選
別損失を低減させる処理胴構造では単位時間当り
の処理能力を向上させ得ず、かつ負荷増による藁
詰り及び穀粒損傷などを防止し得ない等の問題が
あつた。

また、特開昭56−113225号公報に示す如く、搬
送オーガによつて脱粒物を選別し乍ら搬送する技
術もあつたが、扱胴に対して平行な水平姿勢に前
記オーガを支持させるものであつたから、オーガ
上面側の送り作用だけで脱粒物が送られ易く、脱
粒物の攪拌及び転動などが不足し、選別を効率良
く行い得ず、穀粒収集効率を容易に向上させ得
ず、そのためオーガのピツチ間に桟を設けたり、
突起を突設させる必要が生じるが、藁が絡んで塊
を形成し易く、藁屑を効率良く排出し得ない等の
問題があつた。

然るに、本考案は、扱室からの脱粒物を選別し
乍ら後方搬出する搬送オーガと、該オーガの下側
で始端側から後端方向に選別風を送給する唐箕フ
アンと、前記オーガからの選別残留物を再処理す
る処理胴と、処理胴の排塵を機外に取出す吸排塵
フアンとを備える脱穀装置において、唐箕フアン
の選別風供給上手側に対し風下側を徐々に高く
し、また搬送オーガの送り始端に対し送り終端側
を徐々に高くし、搬送オーガの送り終端の後方斜
上方に処理胴を軸支させると共に、処理胴の後側
斜上方に吸排塵フアンを軸支させたことを特徴と
するものである。

従つて、前記オーガによつて斜上方に脱粒物を
移動させるから、オーガ上側の脱粒物に送り抵抗
が発生し、オーガ上側で脱粒物が攪拌転動して重
い穀粒を下方移動させる比重選別が行われ、前記
オーガの送り回転速度の高速化並びにオーガ搬送
途中の選別効率向上などを容易に行い得、藁排出
時間の短縮並びに穀粒収集効率の向上などオーガ
の選別機能を著しく向上させ得ると共に、唐箕フ
アンの排塵持上げ送り作用と、処理胴及び吸排塵
フアンの持上げ作用とにより、排塵を後方に順次
効率良く受渡して穀粒だけをその間に落下収集し
得、従来に比べて脱粒物の処理能力の増大並びに
選別損失の低減などを容易に図り得るものであ
る。

以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図はコンバインの側面図、第２図は同平面
図であり、図中１は走行駆動ミツシヨン２を取付
けるトラツクフレーム、３は前記トラツクフレー
ム１の両側に走行駆動スプロケツト４を介して装
設する走行クローラ、５は前記トラツクフレーム
１に支持させる機台、６は左側にフイードチエー
ン７を張設し扱胴８を内蔵する脱穀部、９は回動
支点軸１０及び昇降シリンダ１１を介して機台５
前方に支持させ刈刃１２及び穀稈搬送機構１３を
備える刈取部、１４は排藁チエーン１５終端を臨
ませる排藁カツター、１６は排藁集束台、１７は
コンバインの各部を駆動するエンジン、１８は揚
穀筒１９を臨ませて脱穀部６から取出す穀粒を溜
める籾タンク、２０は運転席２１及び運転操作部
２２を備える運転台であり、サイドクラツチレバ
ー２２，２３と刈取り及び脱穀クラツチレバー２
４，２５を運転席２１の前方に備えると共に、運
転席２１の左側である運転台２０の内側方に走行
変速レバー２６を組込み、連続的に穀稈を刈取つ
て脱穀するように構成する。

第３図は上記脱穀部６の断面側面図、第４図は
同断面平面図、第５図は同断面正面図であり、図
中２７は機体の前後方向に軸架する軸流型の扱胴
８を内設させる扱室、２８は前記扱室２７下方に
張架させるクリンプ網、２９は前記クリンプ網２
８下方の前後方向に軸架する左右一対の搬送オー
ガ、３０は前記搬送オーガ２９の下部周側に配設
する穀粒漏下用のクリンプ網であるオーガ受網、
３１は前記受網３０より漏下する穀粒に選別風を
送給する唐箕フアン、３２は一番選別樋３３に内
設していて揚穀筒１９を介して籾タンク１８に穀
粒を取出す一番コンベア、３４は二番選別樋３５
に内設していて二番還元スロワ３６を介して二番
還元物を扱室２７に戻す二番コンベア、３７は前
記二番選別樋３５上方で搬送オーガ２９の送り終
端に前記扱胴８に直交させるように機体左右に軸
架させる処理胴、３８は前記処理胴３７の下部周
側に配設する受網であるコンケーブ、３９は前記
受網３０の後端と前記コンケーブ３８の前端間に
架設するフルイ線、４０は前記処理胴３７の後部
斜上方に並設する横断流フアンである吸排塵フア
ン、４１は前記フアン４０を介して塵埃及び藁屑
を機外に排出する三番口、４２は前記排藁チエー
ン１５によつて搬出する排藁を案内させるべく前
記処理胴３７及びフアン４０の上方に架設する四
番樋であり、前記扱胴８により脱粒された穀粒を
前記搬送オーガ２９でこの後方に移送中このオー
ガ受網３０で分離選別し整粒のみを前記籾タンク
１８に取出すと共に、排藁を排藁チエーン１５
で、また藁屑などを前記フアン４０で機外に排出
させるように構成している。

上記の記載並びに第３図から明らかなように、
扱室２７からの脱粒物を選別し乍ら後方搬出する
搬送オーガ２９と、該オーガ２９の下側で始端側
から後端方向に選別風を送給する唐箕フアン３１
と、前記オーガ２９からの選別残留物を再処理す
る処理胴３７と、処理胴３７の排塵を機外に取出
す吸排塵フアン４０とを備える脱穀装置におい
て、唐箕フアン３１の選別風供給上手側に対し風
下側を徐々に高くし、また搬送オーガ２９の送り
始端に対し送り終端側を徐々に高くし、搬送オー
ガ２９の送り終端の後方斜上方に処理胴３７を軸
支させると共に、処理胴３７の後側斜上方に吸排
塵フアン４０を軸支させている。

本実施例は上記の如く構成しており、穀稈を連
続的に刈取つて脱穀する場合、上記扱室２７下部
のクリンプ網２８より漏下する脱穀処理物は前記
搬送オーガ２９の受樋であるオーガ受網３０上に
落下し該オーガ２９の回転送り作用でこの後方の
処理胴３７に送られる間に小形藁屑など含んだ穀
粒がオーガ受網３０から漏下する。そしてこの受
網３０より一番選別樋３０に漏下する間に前記唐
箕フアン３１から起風される選別風によつて藁屑
など夾雑物が取り除かれ整粒のみが前記一番コン
ベア３２でもつて揚穀筒１９迄移送され該揚穀筒
１９によつて籾タンク１８に取出される。

また、前記受網３０より漏下しなかつた比較的
大形の藁屑や枝梗付穀粒は前記搬送オーガ２９終
端の開口４３よりこの後方に排出され前記フルイ
線３９上通つて前記処理胴３７とコンケーブ３８
との間に導入され、これら処理胴３７とコンケー
ブ３８との間でさらに脱粒処理される。そして処
理胴３７の出口側に至る間に小形の藁屑が混入し
て穀粒つまり二番還元物が前記コンケーブ３８か
ら二番選別樋３５上面に落下し、前記二番コンベ
ア３４及び二番還元スロワ３６を介し扱室２７に
戻されると共に、これら以外の藁屑は前記吸排塵
フアン４０によつて機外へ吸排塵される。

される。このように従来の揺動選別装置に換え前
記扱胴８の下方に搬送オーガ２９及びオーガ受網
３０とからなる搬送選別装置を設けることによつ
て、振動及び騒音を低減させて快適な作業条件と
することができると共に、駆動系及び構造を簡単
とさせて内部構成のコンパクト化が図れる。

以上実施例から明らかなように本考案は、扱室
２７からの脱粒物を選別し乍ら後方搬出する搬送
オーガ２９と、該オーガ２９の下側で始端側から
後端方向に選別風を送給する唐箕フアン３１と、
前記オーガ２９からの選別残留物を再処理する処
理胴３７と、処理胴３７の排塵を機外に取出す吸
排塵フアン４０とを備える脱穀装置において、唐
箕フアン３１の選別風供給上手に対し風下側を
徐々に高くし、また搬送オーガ２９の送り始端に
対し送り終端側を徐々に高くし、搬送オーガ２９
の送り終端の後方斜上方に処理胴３７を軸支させ
ると共に、処理胴３７の後側斜上方に吸排塵フア
ン４０を軸支させたもので、前記オーガ２９によ
つて斜上方に脱粒物を移動させるから、オーガ２
９上側の脱粒物に送り抵抗が発生し、オーガ２９
上側で脱粒物が攪拌転動して重い穀粒を下方移動
させる比重選別が行われ、前記オーガ２９の送り
回転速度の高速化並びにオーガ２９搬送途中の選
別効率向上などを容易に行うことができ、藁排出
時間の短縮並びに穀粒収集効率の向上などオーガ
２９の選別機能を著しく向上させることができる
と共に、唐箕フアン３１の排塵持上げ送り作用
と、処理胴３７及び吸排塵フアン４０の持上げ作
用とにより、排塵を後方に順次効率良く受渡して
穀粒だけをその間に落下収集でき、従来に比べて
脱粒物の処理能力の増大並びに選別損失の低減な
どを容易に図ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図はコンバインの全体側面図、第２図は同平面
図、第３図は脱穀部の断面側面図、第４図は同平
面図、第５図は同縦断面説明図である。 ８……扱胴、２９……搬送オーガ、３０……オ
ーガ受網、３７……処理胴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室２７からの脱粒物を選別し乍ら後方搬出す
   る搬送オーガ２９と、該オーガ２９の下側で始端
   側から後端方向に選別風を送給する唐箕フアン３
   １と、前記オーガ２９からの選別残留物を再処理
   する処理胴３７と、処理胴３７の排塵を機外に取
   出す吸排塵フアン４０とを備える脱穀装置におい
   て、唐箕フアン３１の選別風供給上手側に対し風
   下側を徐々に高くし、また搬送オーガ２９の送り
   始端に対し送り終端側を徐々に高くし、搬送オー
   ガ２９の送り終端の後方斜上方に処理胴３７を軸
   支させると共に、処理胴３７の後側斜上方に吸排
   塵フアン４０を軸支させたことを特徴とする脱穀
   装置。