JPS6317331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は例えばコンバインなどに搭載する脱穀
機の扱室下方に選別盤を横架させてその選別盤の
揺動作用によつて脱穀物を連続的に選別する脱穀
機の揺動選別装置に関するものである。

「従来の技術」 従来、実開昭51−40985号公報に示す如く、粗
選用の揺動選別盤と、精選用の揺動選別盤とを別
体で設ける技術があつた。

「考案が解決しようとする問題点」 しかし乍ら、前記従来技術は、扱胴下側のクリ
ンプ網後端における排塵口に粗選用の揺動選別盤
を臨ませると共に、クリンプ網からの脱粒物を精
選用の揺動選別盤で直接受取るものであり、粗選
用及び精選用の各選別盤を上下に多段に構成する
ものではなく、また精選用揺動選別盤始端を二番
樋に延出させるものでもないから、選別処理能力
の向上を容易に図り得ないと共に、各選別盤の配
置空間の縮少並びに二番還元物の処理能力の向上
なども簡単に行い得ない等の機能上及び構造上の
問題があつた。

また実公昭53−8613号並びに実開昭55−133750
号の各公報に示す如く、粗選用及び精選用の各選
別盤を上下多段に構成する技術があつたが、二番
樋に落下する二番還元物を粗選用揺動選別盤始端
に戻すものではなく、選別風を一方向に移動させ
るだけであつたから、選別作業性の向上を容易に
図り得ないと共に、二番還元物が扱室に全量投入
されるから、脱穀負荷の低減なども容易に行い得
ない等の機能上の問題があつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに、本考案は、扱胴から脱粒物を落下させ
る粗選用揺動選別盤と、その粗選用揺動選別盤か
ら穀粒を落下させる精選用揺動選別盤とを、各々
の逆方向の揺動作動により各々を逆方向に送り動
作させるように上下に配設する一方、精選用揺動
選別盤終端部下方に設ける一番樋上方から粗選用
揺動選別盤終端後方を経て粗選用揺動選別盤始端
に至る選別風路を形成すると共に、粗選用揺動選
別盤からの二番還元物を落下させる二番樋に精選
用揺動選別盤始端を延出させて、二番還元物の一
部を精選用揺動選別盤を介して粗選用揺動選別盤
始端に還元するように構成したことを特徴とする
ものである。

「作用」 従つて、逆方向に送り動作させる粗選用と精選
用の各揺動選別盤を上下に設けるから、選別に必
要な被選別物の滞留時間を充分に得られて、前記
揺動選別盤の送り方向の配置空間の縮少コンパク
ト化を容易に行い得る一方、一番樋の粉塵を除去
する選別風によつて精選用揺動選別盤終端からの
夾雑物を粗選用揺動選別盤始端に戻すから、選別
処理能力の向上並びに一番選別損失の低下などを
容易に図り得ると共に、精選用揺動選別盤始端を
二番樋に延出させて二番還元物の一部を精選用揺
動選別盤から粗選用揺動選別盤に戻すから、二番
還元物の処理を良好に行えて選別作業性を容易に
向上させ得、また扱室に戻す二番還元物の量を減
少させて脱穀負荷の低減なども容易に行い得、従
来に比べて選別構造の簡略化並びに選別機能の向
上などを容易に図り得るものである。

「実施例」 以下本考案の一実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図はコンバインの側面図、第２図は同平
面図であり、図中１は左右に走行クローラ２，２
を装設するトラツクフレーム、３は前記トラツク
フレーム１に固定支持する機台、４はフイードチ
エーン５を左側に張架し扱胴６を内蔵してなる脱
穀部、７は回転支点軸８を中心に油圧シリンダ９
によつて昇降させる刈取部、１０は前記フイード
チエーン５終端に連結させる排藁チエーン１１を
臨ませる排藁カツター、１２は前記チエーン１１
を介して排藁を未処理状態で取出す排藁集束台、
１３は揚穀筒１４を臨ませてなる籾タンク、１５
は前記タンク１３後部に連設する吸気筒１６を備
えたエンジン、１７は運転席１８及び運転操作部
１９を備えた運転台であり、穀稈を連続的に刈取
つて脱穀するように構成する。

また第３図は脱穀機つまり脱穀部４の断面側面
図、第４図は要部の縦断面図であり、図中２０は
扱軸６ａを介して内部に多数の扱歯２１…を有す
る前記扱胴６を軸架させる扱室、２２は前記扱室
２０下方に張架させるクリンプ網、２３は前記扱
胴６の下側に設けてクリンプ網２２後端を連結さ
せ排塵口２４を形成する出口仕切板、２５は前記
扱室２０の扱胴６下方に設けた揺動選別装置で、
該装置２５は上下二段の揺動選別盤２６，２７を
有する。上方の粗選用選別盤２６は、クリンプ網
２２下方に位置させる平坦状のフイードパン２８
と、クリンプ網２２及び排塵口２４下方に位置さ
せるチヤフシーブ２９と、該チヤフシーブ２９後
部に連設するストローラツク３０と、該ストロー
ラツク３０の後部下方に位置させる流穀板３１と
を含むと共に、下部選別盤２７は前記チヤフシー
ブ２９及びストローラツク３０始端の下方に位置
させる波形状のフイードパン３２と、該フイード
パン３２上部に連設する選別盤３３とを含む。そ
して扱胴６下側のクリンプ網２２下方に粗選用揺
動選別盤２６を横架させ、その粗選用揺動選別盤
２６下方でこの前後幅内に精選用揺動選別盤２７
を配設すると共に、前記粗選用揺動選別盤２６の
チヤフシーブ２９並びに前記精選用揺動選別盤２
７のフイードパン３２を扱室２０の排塵口２４下
方に配置させ、前記フイードパン３２前方側に選
別網３３を連設している。

さらに図中３５は前記選別網３３下方の一番樋
３６に内設して揚穀筒１４の基端を連結させ精粒
を取出す一番コンベア、３７は前記フイードパン
３２の下方に設けて選別網３３方向に選別風を起
風させる唐箕、３８は前記フイードパン３２終端
下方に位置させる二番樋３９に内設して二番還元
スロワ４０を連結させ二番還元物（籾及び藁屑）
を扱室２０に戻す二番コンベア、４１は藁屑を放
出する三番口４２を形成する三番樋、４３は揺動
選別装置２５の後部上方に位置させる吸排塵フア
ン、４４は前記フアン４３の上側を覆う四番樋で
あり、前記フイードチエーン５より受継いで排藁
チエーン１１でもつて四番樋４４上を移送させる
脱穀処理済み排藁を前記排藁カツター１０或いは
排藁集束台１２に放出落下させるもので、前記粗
選用揺動選別盤２６の始端側に前記選別網３３を
介して選別風を導出すべく選別風路を構成してい
る。

第５図に示す如く、前記揺動選別装置２５は支
軸４５を介して機筐４６に中間を可揺動に支持さ
せる一本の揺動リンク４７両端に、上部及び下部
選別盤２６，２７の各前端側板をピン４８，４９
を介して連結させ、エンジン１５に連動連結する
揺動駆動プーリ５０の偏心ピン５１に前記揺動リ
ンク４７をクランクリンク５２及び揺動ピン５３
を介して連結させる一方、機筐４６に各軸５４，
５５を介して基端を可揺動に支持させる揺動アー
ム５６，５７先端に粗選用揺動選別盤２６の後端
側板及び精選用揺動選別盤２７の後端延設部２７
ａをそれぞれピン５８，５９を介して連結支持さ
せて、前記駆動プーリ５０の回転でもつて粗選用
揺動選別盤２６の送り方向を後方向、また精選用
揺動選別盤２７の送り方向を前方向とさせるよう
に駆動させて、これら選別盤２６，２７の送り動
作を逆動作とさせるように構成している。

そして、上記したように、扱胴６から脱粒物を
落下させる粗選用揺動選別盤２６と、その粗選用
揺動選別盤２６から穀粒を落下させる精選用揺動
選別盤２７とを、各々の逆方向の揺動作動により
各々を逆方向に送り動作させるように上下に配設
する一方、精選用揺動選別盤２７終端部下方に設
ける一番樋３６上方から精選用揺動選別盤２７終
端後方を経て粗選用揺動選別盤２６始端に至る選
別風路を形成すると共に、粗選用揺動選別盤２６
からの二番還元物を落下させる二番樋３９に精選
用揺動選別盤２７始端を延出させて、二番還元物
の一部を精選用揺動選別盤２７を介して粗選用揺
動選別盤２６始端に還元するように構成してい
る。

本実施例は上記の如く構成するものにして、脱
穀機４内で穀稈を脱穀作業中、クリンプ網２２よ
り漏下する穀粒は、粗選用揺動選別盤２６のフイ
ードパン２８及びチヤフシーブ２９上に落下し、
第５図実線矢印に示す如き送り揺動運動によつて
フイードパン２８からチヤフシーブ２９に送ら
れ、チヤフシーブ２９の間から精選用揺動選別盤
２７の波形フイードパン３２上に落下する。そし
てこのフイードパン３２上に落下した穀粒は精選
用揺動選別盤２７の同図実線矢印に示す如き送り
揺動運動によつて選別網３３に送られ、該選別網
３３より漏下する精粒が途中唐箕３７の風選を受
けながら一番樋３６を介して一番コンベア３５に
至り籾タンク１３に取出される。

一方、クリンプ網２２から漏下しなかつた排塵
などは扱室２０の排塵口２４からその下部のチヤ
フシーブ２９に落下し、その揺動運動及び前記唐
箕３７の循環選別風によつてストローラツク３０
上を順次送られ、途中籾などを含む重量物つまり
二番還元物は流穀板３１を介して二番樋３９に落
下し、二番コンベア３８に至つて扱室２０に還元
され、軽量物はストローラツク３０上面から吸排
塵フアン４３に吸込まれたり、三番口４２より機
外に放出される。また、前記チヤフシーブ２９及
びストローラツク３０の始端部上を移動途中の還
元物のうち比較的重い籾などの付いた夾雑物は精
選用揺動選別盤２７始端のフイードパン３２上に
落下しその揺動運動でもつて前記選別網３３上に
送られ、途中夾雑物中に含まれる精粒のみ取り除
かれながら移動し、この網３３送り終端に至つた
とき前記唐箕３７の起風力でもつて再び粗選用揺
動選別盤２６始端に還元され再選別作用を受ける
ものである。

「考案の効果」 以上実施例から明らかなように本考案は、扱胴
６から脱粒物を落下させる粗選用揺動選別盤２６
と、その粗選用揺動選別盤２６から穀粒を落下さ
せる精選用揺動選別盤２７とを、各々の逆方向の
揺動作動により各々を逆方向に送り動作させるよ
うに上下に配設する一方、精選用揺動選別盤２７
終端部下方に設ける一番樋３６上方から精選用揺
動選別盤２７終端後方を経て粗選用揺動選別盤２
６始端に至る選別風路を形成すると共に、粗選用
揺動選別盤２６からの二番還元物を落下させる二
番樋３９に精選用揺動選別盤２７始端を延出させ
て、二番還元物の一部を精選用揺動選別盤２７を
介して粗選用揺動選別盤２６始端に還元するよう
に構成したもので、逆方向に送り動作させる粗選
用と精選用の各揺動選別盤２６，２７を上下に設
けるから、選別に必要な被選別物の滞留時間を充
分に得られる構造で、前記揺動選別盤２６，２７
の送り方向の配置空間の縮少コンパクト化を容易
に行うことができる一方、一番樋３６の粉塵を除
去する選別風によつて精選用揺動選別盤２７終端
からの夾雑物を粗選用揺動選別盤２６始端に戻す
から、選別処理能力の向上並びに一番選別損失の
低下などを容易に図ることができると共に、精選
用揺動選別盤２７始端を二番樋３９に延出させて
二番還元物の一部を精選用揺動選別盤２７から粗
選用揺動選別盤２６に戻すから、二番還元物の処
理を良好に行えて選別作業性を容易に向上させる
ことができ、また扱室２０に戻す二番還元物の量
を減少させて脱穀負荷の低減なども容易に行うこ
とができ、従来に比べて選別構造の簡略化並びに
選別機能の向上などを容易に図ることができる等
の実用的な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコンバインの全体側面
図、第２図は同平面図、第３図は脱穀機の断面説
明図、第４図は同縦断面説明図、第５図は要部の
作動説明図である。 ６……扱胴、２６……粗選用揺動選別盤、２７
……精選用揺動選別盤、３６……一番樋、３９…
…二番樋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴６から脱粒物を落下させる粗選用揺動選別
   盤２６と、その粗選用動選別盤２６から穀粒を落
   下させる精選用揺動選別盤２７とを、各々の逆方
   向の揺動作動により各々を逆方向に送り動作させ
   るように上下に配設する一方、精選用揺動選別盤
   ２７終端部下方に設ける一番樋３６上方から精選
   用揺動選別盤２７終端後方を経て粗選用揺動選別
   盤２６始端に至る選別風路を形成すると共に、粗
   選用揺動選別盤２６からの二番還元物を落下させ
   る二番樋３９に精選用揺動選別盤２７始端を延出
   させて、二番還元物の一部を精選用揺動選別盤２
   ７を介して粗選用揺動選別盤２６始端に還元する
   ように構成したことを特徴とする脱穀機の揺動選
   別装置。