JPH0536358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の分野 この考案は、例えばコンバインの脱穀部に装備
して用いる選別装置に関する。

(ロ) 考案が解決しようとする問題点 従来、この種の選別装置としては、例えば実開
昭56−26537号公報に記載の如く、扱胴下方に可
変形のチヤフシーブを設けたものが知られている
が、未処理物の十分な選別ができない問題点を有
していた。

また、選別能力をアツプするため扱胴と直交す
る処理胴を備えた構造が、実開昭58−178040号公
報に記載されている。しかし、これは未処理物が
処理胴に投入されているとともに、この処理胴か
ら漏下したものが直接２番物として脱穀部に還元
される。このため、選別量が多いと結局は選別で
きない問題がある。

また、揺動選別装置の前後に可変チヤフシーブ
を設けるようにした実開昭55−45753号公報があ
る。この場合は、未処理物が多くなつた場合、あ
らためてほぐす作用がないため、後方に送るのみ
で、ロスが多く発生する問題がある。

この考案は、扱胴の後方にこの扱胴と直交する
処理胴を備えた選別装置において、ロスなく未処
理物の十分な選別を行うことができ選別装置の提
供を目的とする。

(ハ) 問題を解決するための手段 この考案は、前記選別装置において、第１可変
チヤフシーブを位置させ、この第１チヤフシーブ
の後方には処理胴へ案内するストローラツクを設
けるとともに、前記処理胴の下方で前記ストロー
ラツクの後方には多数の横桟より形成した第２可
変チヤフシーブを設けたものである。

(ニ) 考案の効果 この考案によれば、扱胴から漏下する処理物は
第１可変チヤフシーブにより選別され、ここで漏
下しない未処理物は第１可変チヤフシーブから後
方のストローラツクを経て、処理胴に案内され
る。そして、処理胴で処理された後、その下に設
けられる第２可変チヤフシーブでさらに選別され
る。第２可変チヤフシーブを漏下しないものは、
揺動選別作用で後方にむけ排出されることにな
る。

このように、ストローラツクにより後方に送ら
れた未処理物は、揺動選別機構とは別の機構であ
る処理胴で処理された後で、再び揺動選別上の第
２可変チヤフシーブに再投入されることになる。
このため、処理胴のみにひきわたすものや、揺動
選別のみで選別するものと比べ、飛躍的に処理能
力を向上させることができるのである。

(ヘ) 考案の実施例 この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述
する。

図面は選別装置を示し、図において、１は機体
左側にフイードチエーン２を張設し扱胴３を内蔵
するコンバインの脱穀部で、前述の扱胴３を備え
た扱室４の下方にはクリンプ網５を張架してい
る。

６は揺動リンク７等を介して前後方向に揺動可
能に設けた揺動選別装置で、前記クリンプ網５下
方に位置させるフイードバン８と、前記クリンプ
網５及び排塵口９の下方に位置させた第１可変チ
ヤフシーブ１０と、該第１チヤフシーブ１０の下
方に位置させる横桟１１と、前記第１チヤフシー
ブ１０の後方に連設する選別横桟１２と、該横桟
１２の後方に延設するストローラツク１３と、後
述する処理胴２３の下方に設け多数の横桟１４…
より形成した第２可変チヤフシーブ１５と、該第
２チヤフシーブ１５の下方に配設する二番リター
ンバン１６とによつて前記揺動選別装置６を構成
する。

また、図中１７は前記横桟１１方向に選別風を
送給する唐箕、１８は一番選別樋１９に内設して
いて揚穀筒を介して籾タンクに穀粒を取出す一番
コンベア、２０は二番選別樋２１に内設していて
二番還元スロワ２２を介して二番還元物を扱室４
に戻す二番コンベア、２３は前記揺動選別装置６
の後端上方に前記扱胴３に直交させるように機体
左右に軸架させた処理胴、２４は前記処理胴２３
の下部周側に配設する受網であるコンケーブ、２
５は前記処理胴２３の略前方の左側に設置する吸
排塵装置である排塵フアン、２６は前記処理胴２
３を有する処理室２７と前記フアン２５を有する
吸排塵室とを連通させる排塵吸入口、２８は前記
フアン２５でもつて吸排塵室の塵埃及び藁屑など
排塵を機外に排出するフアン排塵口、２９は排藁
チエーン３０によつて搬出する排塵を案内させる
べく前記処理胴２３及びフアン２５の上方に架設
する四番樋であり、前記扱胴３により脱粒さた穀
粒を揺動選別装置６で選別し穀粒のみを籾タンク
に取出すと共に、排藁を排藁チエーン３０で、ま
た藁屑などを前記処理胴２３及びフアン２５を介
しこの脱穀部１後方より機外に排出させるように
構成している。

ところで、前記扱胴３下方の第１可変チヤフシ
ーブ１０および処理胴２３下方の第２可変チヤフ
シーブ１５は、手動調整レバー（図外）或いは扱
胴、処理胴の負荷を検出するトルクセンサとか、
二番還元量を検出する圧電センサにより回転制御
されるモータ等の自動調整手段（図外）と連動さ
せていて、稲と麦との差あるいは処理流量の大小
の差によつて、その傾斜角度が可変できるように
なつている。

図示実施例は上記の如く構成するものにして、
以下作用を説明する。

まず、高流量時あるいは二番還元量の多い時に
は第１可変チヤフシーブ１０および第２可変チヤ
フシーブ１５の横桟を立てて、横桟相互間の選別
間隔を広くして未処理物のろ過をよくする。

一方、低流量時あるいは二番還元量の少い時に
は、稈切れ物の混入を減少させるために、第１可
変チヤフシーブ１０および第２可変チヤフシーブ
１５の横桟を傾倒して（所謂寝かせて）、横桟相
互間の選別間隔を狭くして選別を行なうのであ
る。

このようにすると、前述の処理胴２３からろ過
した未処理物を、その下方の第２可変チヤフシー
ブ１５で選別し、単粒のみを二番リターンパン１
６等を介して扱室４に還元するので、二番精選率
が高くなると共に、稲と麦との種別により或いは
処理流量の大小によつて第１可変チヤフシーブ１
０、第２可変チヤフシーブ１５の傾斜角を制御す
ることができるので、稈切れ物の混入もなくな
り、また低流量時における選別ロスも低減するの
で、充分な選別を行なうことができるのである。

なお、前述の傾斜角制御手段としては手動調節
レバーにワイヤを介して操作してもよく、本出願
人が既に開示した実開昭56−26537号、第６図に
示す電気的手段などによる操作であつてもよいこ
とは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示す選別装置の断
面図である。 ３……扱胴、１０……第１可変チヤフシーブ、
１５……第２可変チヤフシーブ、２３……処理
胴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱胴の後方にこの扱胴と直交する処理胴を備え
   た選別装置であつて、扱胴のクリンプ網及び排塵
   口の下方には第１可変チヤフシーブを位置させ、
   この第１可変チヤフシーブの後方には処理胴へ案
   内するストローラツクを設けるとともに、前記処
   理胴の下方で前記ストローラツクの後方には多数
   の横桟より形成した第２可変チヤフシーブを設け
   たことを特徴とする選別装置。