JPH0448670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自脱型のコンバインに搭載される脱
穀装置において、扱室の終端に形成された送塵口
に始端を臨ませてストローラツクを配設するとと
もに、このストローラツクの始端近くの下部に上
側グレンパンを取付け、この上側グレンパンより
前方下方側に前記扱室からの漏下物を受け止め比
重選別する下側グレンパンを配設してある送塵選
別機構に関する。

〔従来の技術〕

上記送塵選別機構としては、第８図に示すよう
に、扱室４の終端に形成された送塵口１５に始端
を臨ませてストローラツク１６を配設するととも
に、このストローラツク１６の始端近くの下部に
所定長さに亘つてグレンパン１９を取付けたもの
がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来、上記送塵選別機構では、前記グレンパン
１９の長さの設定に問題があつた。

つまり、グレンパン１９が比較的短いと、細か
い切ワラの発生の多い麦の脱穀処理時に、送塵口
１５から排出された処理物に含まれる多くの切ワ
ラの一部がストローラツク１６の前部から落下し
て一番回収部９に流入する傾向が強くなる問題が
あり、又、逆にグレンパン１９が比較的長いと、
稲の脱穀処理時に送塵口１５からの処理物中に含
まれる単粒が後方に送られてからストローラツク
１６から濾過するために一番回収部９に入らず二
番回収部１０に入ることが多くなり、単粒が二番
回収物と共に還元再処理を受けて損傷粒が発生し
やすい問題があつた。

そこで、上記問題点を解決するものとして、例
えば、実開昭58−189741号公報、または実開昭61
−120361号公報に開示されたもののように、扱室
の送塵口の下方に位置させて設けた上側グレンパ
ンを固定グレンパンと、この固定グレンパンに対
して前後に位置変更調節可能に設けた可動グレン
パンとで構成したものが従来知られている。

すなわち、必要に応じて可動グレンパンを前後
に位置変更調節することで、上側グレンパンの終
端位置を変更できるので、切れワラの発生し易い
麦に対してはグレンシーブを介して一番回収装置
へ上側グレンパン後端から処理物が供給されない
ようその後端を二番回収部がわに臨ませることが
できるとともに、稲のように切れワラの発生の少
ないものに対しては籾が二番回収部に回収される
より一番回収部に回収され易くするように上側グ
レンパンの後端を一番回収部がわに臨ませること
ができるのである。

しかしながら、この種の送塵選別機構において
は、可動グレンパンを固定グレンパンの下方に格
納されるように前後位置変更していたので、その
可動グレンパンの前後位置変更するための調節代
を大きくとると、固定グレンパンも可動グレンパ
ンを格納できるよう前後長を大きくしなければな
らず、二番回収部を後寄りに位置させる必要性も
あつて、脱穀装置の全長が長いものとなり大型化
するという欠点があつた。

本考案は上記実情に鑑みてなされたものであつ
て、穀物の種別に応じて切れワラの発生し易いも
のとそうでないものとで扱室の送塵口からの排出
処理物を主に二番回収部か一番回収部かの一方に
その後端から供給できるように前後位置調節代を
大きくとつて可動グレンパンを位置切り換えでき
るものでありながら、脱穀装置の前後長を短くで
きる脱穀装置の送塵選別機構の提供を目的とす
る。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案にかかる脱穀装置の送塵選別機構は、上
記目的を達成するために、冒記構造のものにおい
て、前記上側グレンパンを固定グレンパンと前後
動可能な可動グレンパンとで構成し、前記可動グ
レンパンの前後動によつて前記上側グレンパンの
終端位置を前後に変更調節可能に構成するととも
に、前記扱室からの漏下物を前記下側グレンパン
へ流下案内する流下板を前記固定グレンパンの前
端部に連設して、前記流下板の下方に前記可動グ
レンパンの格納空間部を形成してあることを特徴
とする。

かかる特徴構成による作用・効果は次の通りで
ある。

〔作用〕

すなわち、可動グレンパンは、固定グレンパン
の下方がわと固定グレンパンの前端部に連設した
流下板の下方がわの空間部に格納することができ
るから、固定グレンパンの前後長を大きくしなく
ても可動グレンパンの前後位置調節代を大きくと
ることができることにより、二番回収部を前寄り
に位置させて設けることができる。

〔考案の効果〕

従つて、下側グレンパンへ扱室からの漏下処理
物を案内するための流下板を利用して可動グレン
パンの格納空間を扱室からの漏下物の落下供給を
可動グレンパンが邪魔することなく収納できるの
で、この可動グレンパンの後方突出端位置をその
可動グレンパンの前後長を長く確保しながらも前
寄りにできることとなつて、二番回収部を前寄り
に位置させることができ、よつて、脱穀装置の前
後長も小さくできコンパクトに構成できるに至つ
た。

〔実施例〕

第１図にコンバイン搭載用脱穀装置の断面が示
されている。

図において、１は図外左方から送られた刈取穀
稈を横倒れ姿勢で後方に送るフイードチエーン、
２は脱穀後の排ワラを後方に送る排ワラチエー
ン、３は送られてきた排ワラを細断する円盤型の
排ワラカツタ、４は扱室、５は扱胴、６は扱室４
の下側に張設したクリンプ網、７はクリンプ網６
の下方から扱室後方にまで亘る揺動選別枠、８は
選別フアン、９は一番回収部、１０は二番回収
部、１１は二番還元用スロワ、１２は送塵フアン
である。

前記揺動選別枠７の前部にはクリンプ網６が濾
過した処理物を受けて後方に揺動移送しながら比
重を選別する下側グレンパン１３と、比重差選別
された処理物から単粒を濾過及び風選して一番回
収部９に集めるグレンシーブ１４が設けられる。

又、揺動選別枠７の後部には、扱室４の終端に
形成された送塵口１５から排出される未濾過処理
物を受けて後方に移送する上段のストローラツク
１６とその後方下方に位置する下段のストローラ
ツク１７が取付けられており、送塵口１５から排
出された処理物を解ぐし移送しながら、これに含
まれる単粒や二番物を濾過風選して二番回収部１
０に集め、ワラ屑類を排塵口１８から機外に放出
するようになつている。

前記上段ストローラツク１６の前部下方には波
板材からなる上側グレンパン１９が取付けられ、
送塵口１５からの処理物が直ちにグレンシーブ１
４上に落下しないようにしている。

そして、前記上側グレンパン１９は固定グレン
パン１９ａとその下側の可動グレンパン１９ｂと
からなり、第２図に示すように、可動グレンパン
１９ｂに備えたラツク杆２０に咬合させたピニオ
ン２１を手動もしくは電動モータなどで正逆に駆
動することで、可動グレンパン１９ｂを前後調節
し、もつて上側グレンパン１９全体の終端位置を
前後に調節することが可能となつている。

そして、前記固定グレンパン１９ａの前端に
は、クリンプ網６からの濾過物を下側グレンパン
１３上に導くための流下板２２を備えているとと
もに、この流下板２２は、第１図及び第２図に示
すように、クリンプ網６の下方に位置させ、かつ
流下板２２の下方がわを固定グレンパン１９ａの
下方がわと共に前記可動グレンパン１９ｂの収納
空間部にしている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る脱穀装置の縦断側面図、
第２図はその要部を示す斜視図、第３図は従来の
脱穀装置の縦断側面図である。 ４……扱室、１３……下側グレンパン、１５…
…送塵口、１６……ストローラツク、１９……上
側グレンパン、１９ａ……固定グレンパン、１９
ｂ……可動グレンパン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 扱室４の終端に形成された送塵口１５に始端を
   臨ませてストローラツク１６を配設するととも
   に、このストローラツク１６の始端近くの下部に
   上側グレンパン１９を取付け、この上側グレンパ
   ン１９より前方下方側に前記扱室４からの漏下物
   を受け止め比重選別する下側グレンパン１３を配
   設してある脱穀装置の送塵選別機構において、前
   記上側グレンパン１９を固定グレンパン１９ａと
   前後動可能な可動グレンパン１９ｂとで構成し、
   前記可動グレンパン１９ｂの前後動によつて前記
   上側グレンパン１９の終端位置を前後に変更調節
   可能に構成するとともに、前記扱室４からの漏下
   物を前記下側グレンパン１３へ流下案内する流下
   板２２を前記固定グレンパン１９ａの前端部に連
   設して、前記流下板２２の下方に前記可動グレン
   パン１９ｂの格納空間部を形成してある脱穀装置
   の送塵選別機構。