JPS6341863Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動送込式脱穀装置における風選装
置に係るものである。

（従来技術） 従来公知の実開昭54−33370号公報には、横軸
回転の扱胴を有する扱胴室の排出側に上縁を波型
にしたストローラツクを設け、該ストローラツク
の排出側に先端が自由端である篩線を設けたもの
において、前記ストローラツクは、その前端も後
端も前記扱胴室の下部の扱網の最低部よりは低位
置とし、前記篩線は、その前端を前記ストローラ
ツクの後端と同一高さとした自動送込式脱穀装置
における風選装置が記載されている。

また従来公知の、特開昭53−143534号公報に
は、横軸回転の扱胴を有する扱胴室の排出側に上
縁を波型にしたストローラツクを設け、該ストロ
ーラツクの排出側の下方位置に弾性のないストロ
ーラツクを設けたものが記載されている。

また、実開昭54−86569号公報には、横軸回転
の扱胴を有する扱胴室の排出側に上縁を波型にし
たストローラツクを設け、該ストローラツクの下
部位置に別途ストローラツクを設けたものが記載
されている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記のうち、実開昭54−33370号公報記載のも
のは、ストローラツクの後端と篩線の前端は、同
一高さであるから、ストローラツクの後端から篩
線の前端に単に横移動するのみで、その間では風
選別されない。

特開昭53−143534号公報記載のストローラツク
は、その前端も後端も前記扱胴室の下部の扱網よ
り稍低く形成されているから、扱胴室から吐き出
された穀粒を含む藁屑・切穂・その他の異物が全
部ストローラツク上に供給されるので、ストロー
ラツク上での風選効果はあまり期待できない。ま
た篩線は設けられていないので、藁屑を弾力的に
躍動させる選別は期待できない。

また、実開昭54−86569号公報記載のものは、
ストローラツクの下部位置に別途ストローラツク
を重合するように設けたものであるから、回転風
選部が形成されていない。

したがつて、いずれも選別不良である。

（問題を解決するための手段） よつて工夫した本考案は、横軸回転の扱胴２を
有する扱胴室１の側部に処理胴１１を有する処理
室１０を設け、扱胴室１の排出側には上縁を波型
にしたストローラツク２１を設けて処理室１０よ
りの落下物を選別するようにし、該ストローラツ
ク２１の排出側に先端が自由端である篩線２２を
設けたものにおいて、前記ストローラツク２１
は、その前端２８も後端２３も前記扱胴室１の下
部の扱網５の最低部よりは高位置とし、前記篩線
２２は、その前端２４を前記扱網５の最低部より
更に低くして、前記ストローラツク２１の後端２
３と前記篩線２２の前端２４との間に回転風選部
２９を形成した自動送込式脱穀装置における風選
装置としたものである。

（実施例） 本考案の一実施例を図面により説明すると、１
は扱胴室で、内部に扱胴２が横軸３により軸装さ
れる。４は扱胴室１の上部を覆う天蓋、５は下部
を覆う扱網である。扱胴室１の入口側は入口側板
６で囲まれ、出口側は出口側板７で囲まれる。入
口側板６の上部には上扱式供給口８が開口し、出
口側板７の上部は上扱式排出口９が開口する。扱
胴室１の側部には処理室１０を並設し、内部に処
理胴１１を軸装する。扱胴室１並びに処理室１０
の下方には、風選室１２が形成される。１３は送
風唐箕、１４は一番コンベア、１５は二番コンベ
ア、１６は二番揚穀装置である。該二番揚穀装置
１６は二番物を扱胴室１内に戻す。二番コンベア
１５の上方には吸引カバー１７及び吸引唐箕１８
がそれぞれ設けられる。

しかして、前記風選室１２内には揺動選別装置
１９が偏心輪２０により摺動自在に設けられる。
該揺動選別装置１９にはストローラツク２１及び
先端が自由端である弾性篩線２２が取付けられ
る。

前記ストローラツク２１は、選別風がストロー
ラツク２１間を吹き上つて穀粒は選別落下する構
成とし、かつ、前記ストローラツク２１は、その
前端２８も後端２３も前記扱胴室１の下部の扱網
５より高位置とし、篩線２２の前端２４を前記扱
網５の最低部より更に低くして、ストローラツク
２１の後端２３と篩線２４との間に、回転風選部
２９を形成する。

なお、図中２５は供給チエン、２６は挾扼杆、
２７は連通口である。

（作用） 次に作用を述べる。

本考案は上述の構成であるから、供給チエン２
５と挾扼杆２６に穀稈を挾持させて上扱式供給口
８より扱胴室１内に供給すると、扱胴２の回転に
より穂先部分が扱かれて脱穀され、排藁は上扱式
排出口９より引抜かれる。

脱穀物のうち細かい藁屑と穀粒の混合物は、扱
網５の目をくぐつて風選室１２内に落下し、揺動
選別装置１９の揺動を受けながら、送風唐箕１３
による風を受けて風選別され、一番良粒は、一番
コンベア１４により取出される。

扱網５の目をくぐつた二番物は、送風唐箕１３
による風を受けて二番コンベア１５まで進み、該
二番コンベア１５により取出され、二番揚穀装置
１６により扱胴室１内に戻され、再処理される。

扱胴室１内における脱穀物のうち、切穂及び大
きな藁屑は、連通口２７を通つて処理室１０内に
流入し処理胴１１により処理されて排出される。
そして、扱胴室１内における脱穀物のうち、切
穂・藁屑は、処理室１０内に流入して処理されて
排出されるから、扱胴室１および処理室１０より
の排出物中には、あまり大きなものはないが、こ
れらが揺動選別装置１９のストローラツク２１の
上面に供給されるときは、前記ストローラツク２
１がその前端２８も後端２３も前記扱胴室１の下
部の扱網５より高位置としてあるため、前記扱胴
室１の扱網５上にある僅かな藁屑等も前記ストロ
ーラツク２１には供給されず、そのまま落下して
前記扱胴室１の下部位置に設けた風選唐箕１３の
選別風により風選され、排出口９より引抜かれる
穀束とともに排出されてくる少量の藁屑等と、前
記処理胴１１により処理されて排出される穀粒を
含む藁屑・切穂等のみがストローラツク２１に落
下してくることになる。

そして、ストローラツク２１は下から選別風が
吹上がる構成のため、ストローラツク２１が揺動
すると殆んど穀粒はここで選別され、ストローラ
ツク２１の後端２３より残つた藁屑が下方位置の
篩線２２の前端２４に落下する。

ストローラツク２１の後端２３より落下する藁
屑等は篩線２２の上面に達するが、前記篩線２２
は、その前端２４を前記扱網５の最低部より更に
低くして前記ストローラツク２１の後端２３との
間に回転風選部２９を形成してあるから、半回転
もしくは一回転して前記篩線２２に達するので、
その間前記送風唐箕１３による風を充分に受けて
良好に選別される。かつ、篩線２２では、先端が
自由端であるため躍動させられて、藁屑と穀物が
良好に選別され、かくして、所期の目的が達成さ
れる。

（効果） 従来公知の実開昭54−33370号公報記載のもの
は、ストローラツクの後端と篩線の前端は同一高
さであるから、ストローラツクの後端と篩線の前
端の間で風選されない。また、特開昭53−143534
号公報記載のものは、ストローラツクが前端も後
端も前記扱胴室の下部の扱網より稍低く形成され
ているから、扱胴室から吐き出された穀粒を含む
藁屑・切穂・その他の異物が全べてストローラツ
ク上に供給されるので、ストローラツクでの選別
に多くは期待できない。また篩線は設けられてい
ないので、藁屑を弾力的に躍動させる選別は期待
できない。また、実開昭54−86569号公報記載の
ものは、ストローラツクの下部位置に別途ストロ
ーラツクを重合するように設けたものであるから
回転風選部が形成されていない。したがつて、い
ずれも選別不良である。

しかるに、本考案は、横軸回転の扱胴２を有す
る扱胴室１の側部に処理胴１１を有する処理室１
０を設け、扱胴室１の排出側には上縁を波型にし
たストローラツク２１を設けて処理室１０よりの
落下物を選別するようにし、該ストローラツク２
１の排出側に先端が自由端である篩線２２を設け
たものにおいて、前記ストローラツク２１は、そ
の前端２８も後端２３も前記扱胴室１の下部の扱
網５の最低部よりは高位置とし、前記篩線２２
は、その前端２４を前記扱網５の最低部より更に
低くして、前記ストローラツク２１の後端２３と
前記篩線２２の前端２４との間に回転風選部２９
を形成した自動送込式脱穀装置における風選装置
としたものであるから、 扱胴室１内における脱穀物は処理室１０内に
流入し処理されて排出されるから、扱胴室１お
よび処理室１０よりの排出物中にあまり大きな
ものはないので、風選効果を良好にする。

藁屑が揺動選別装置１９のストローラツク２
１の上面に供給されるときは、前記ストローラ
ツク２１がその前端２８も後端２３も前記扱胴
室１の下部の扱網５より高位置としてあるた
め、前記扱胴室１の扱網５上にある僅かな藁屑
等は前記ストローラツク２１には供給されず、
そのまま落下して前記扱胴室１の下部位置に設
けた風選唐箕１３の選別風により風選され、排
出口９より引抜かれる穀束とともに排出される
少量の藁屑等と、前記処理胴１１により処理さ
れて排出される穀粒を含む藁屑・切穂等のみが
ストローラツク２１に落下するから、選別良好
になる。

ストローラツク２１は下から選別風が吹上が
る構成のため、ストローラツク２１が揺動する
と殆どの穀粒はここで選別される。ストローラ
ツク２１上に残つた藁屑は、ストローラツク２
１の後端２３より篩線２２の前端２４部に落下
するが、前記篩線２２は、その前端２４が前記
扱網５の最低部より更に低くして前記ストロー
ラツク２１の後端２３との間に回転風選部２９
を形成してあるから、ストローラツク２１の後
端２３より篩線２２の前端２４部に落下すると
き、落下物は半回転もしくは一回転して前記篩
線２２に達するので、その間前記送風唐箕１３
による風を充分に受ける回転選別が行なわれ、
極めて良好に選別する。

篩線２２は、先端が自由端であるため躍動さ
せられて、藁屑と穀物が良好に選別される。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の縦断側面図、第２図は同Ａ−Ａ
線断面図、第３図は要部の構成を示す一部破断面
図、第４図は要部拡大図である。 符号の説明、１……扱胴室、２……扱胴、３…
…横軸、４……天蓋、５……扱網、６……入口側
板、７……出口側板、８……上扱式供給口、９…
…上扱式排出口、１０……処理室、１１……処理
胴、１２……風選室、１３……送風唐箕、１４…
…一番コンベア、１５……二番コンベア、１６…
…二番揚穀装置、１７……吸引カバー、１８……
吸引唐箕、１９……揺動選別装置、２０……偏心
輪、２１……ストローラツク、２２……篩線、２
３……後端、２４……前端、２５……供給チエ
ン、２６……挾扼杆、２７……連通口、２８……
前端、２９……回転風選部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横軸回転の扱胴２を有する扱胴室１の側部に処
   理胴１１を有する処理室１０を設け、扱胴室１の
   排出側には上縁を波型にしたストローラツク２１
   を設けて処理室１０よりの落下物を選別するよう
   にし、該ストローラツク２１の排出側に先端が自
   由端である篩線２２を設けたものにおいて、前記
   ストローラツク２１は、その前端２８も後端２３
   も前記扱胴室１の下部の扱網５の最低部よりは高
   位置とし、前記篩線２２は、その前端２４を前記
   扱網５の最低部より更に低くして、前記ストロー
   ラツク２１の後端２３と前記篩線２２の前端２４
   との間に回転風選部２９を形成した自動送込式脱
   穀装置における風選装置。